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傾斜地果樹園の開設に関する研究 VII 段丘に開設せる深耕桃園の生態学的研究-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

第11巻通巻第29号(1959)

1甘段丘に開設せる深耕桃園の生態学的研究

397

高 馬

(島根蟄科大学園芸教皇)

Ecologicalstudies on deep cultivated peach

OrIChardslocated on diluvialupland

SusumuK房MA(Institute of Horticultur・e,

The Shimane Agr・icultur・alCollege)

研究目的 戦後果樹栽培の急激な進展につれ,跳栽培も従来の昨標地から洪掛地に拡り,栽増管理もかわり深耕と関心自然形 仕立による桃園が現われてきたuそのため新粕の徒長・晩伸びが甚しく,生理的落果や品質の不揃いの外,早期落喋 による固体の衰弱等不利な状態が現われてきた. そこでこれら地上部に起る新しい現象を砥契に額察し,これが原因の一部になると考えられる地下部並びに士族に. ついて調査を行なった.. 謝 辞 木研究は1954年より1956年までの3か年矢花したもので,その間黒土泰治博士より終始御願籍なる御指導や御激励 を賜りたることに対し深甚の謝意を捧げるとともに,信州大学.並びに島根濃大の同園芸学教室員の厚態ある御援助に 対し多書射した.い. また凍研究は文部省科学研究掛こよって実施したもので,ここに記して謝竃を表したい。

第1報 洪積台地と沖積地の桃地上部の生態学的変化について一

高 馬 進, 御子柴昭夫*

(Ⅰ)Studies on ecologicalcharacterIS Of peach top on diluvial

upland of voIcanic ash soilas compared

With alluvialsoilof heavyloam

Susumu K6MA and Akio MIXOSHIBA

lり 研究目的 洪積台地の桃の特異性を知るために,天竜川沿岸の坤校地の桃の地上部の生長と比較することにした.. 2… 研究材料並びにその方法 天竜川に・近い伊那市西春近部落(標高6L30m)の沖積他にある4年重大久保桃と伊那市大萱部落(760m洪租台地)に ある8年重大久保桃各2凍を供した. 両地区とも新穂に当って深桝し,肥料ほ反当大萱部落(以後洪積穐という)は窒素5.3貫,憐唆3…6毘,加重4。.1買,西 春近部落(以後沖積地という)は窒素3・4買二,燐酸2.3乱加里2.4‡笠を・2∼3月頃元肥として施し,追肥は行なわないぃ これ等の施肥盈は伊部地方では成木及び若木の標準慮である。. (i)洪積台地と沖積他の地中温度 生育期間中の地温(1m,30cm,10cm5cTn)を曲管寒暖計を月∃いて5月31日から9月30日まで2日おきに測定した.. (ii)新梢の発育 発育中庸な新梢を樹冠の周りに平等に配列し,各樹20凍ずつ計40凍を沖積地と洪校地にて5月下旬より10日おきに 測定した。. 供試技条の発育盈ほ平均して沖積地は全長52・8cm,基部の太さ7.9mm(直径),洪積台地は全長32,8cm,太さ7.1mm *伊奈園芸協同組合

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香川大学盈学部学術報償 400 対し,洪積貪鞄では8月中旬になるいその後沖積地では8月下旬,洪積地では9月上旬に再び肥大座長している” (iii)果実の肥大生長と.糖酸度 果実の生育中の生長盈を測定するために,果実の縦径,側径,横径を測定した所第5表の結果を得た 第5表 桃果の縦径,側径,横径(cm)(1954) 縦径,側径,横径共沖積他の果実が大きい.両地区の肥大経過を見ると,洪積台地も神格地もと.もに6月中旬と8 月上旬の2回最大肥大期があるが,坤横地の横径及び例径の第2次最大肥大期が少々ずれて早く現われている∴両最 大肥大期の肥大藍ほ6月中旬の方が8月上旬の場合より大きい…果実の肥大生長は沖横地でほ洪積台地より5月下旬 に相当の隔りを示しているので,8月中旬においても洪瞭台地の方が小さいい この関係を明らかにするため異形指数 ×縦径)及び肥大増加塵指数を求めた結果は鶴6表である 鶉6表 具形指数及び異形増加盈指数(1954) 異形指数では第ユ期の山ほ洪櫻台地も沖積地もともに6月中旬であるが,第2期の山ほ洪積台地では8月上旬であ るのに,押捺地でほ8月中旬となりややずれている. 次に・果実の品質を比較するために,全糖舎監を調べた所第7,8表を得た. 第7表 果実の全糖含盈(乾物%)(1954) 第8表 具矢内固形物舎監(生体%)(1954) 第9表 果実内酸含藍(生体%)(1954)

‡24ノ可4叫14J24J5/Ⅷい5

‡24/可4叫14j24】5/可15

洪積台地 沖積鞄 11、0 洪積台地 11.3 沖横地 …J…l…∴;

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第11巻通巻第29啓(1959) 鶉10表 桃巣の水分含盈(生体%)(1954) 401

4/Ⅶl14 l25 l4/Ⅶ

14】 24 − 5/Ⅷ【15 1後熟晃 桃果の全糖含盈は6月申下旬にほ洪積台地の力が勝っているが,7月上旬以後は少ない.この点はハソドリプラク トメー・タL−・で測った場合と略同様の結果である.これにL対し酸含盈の多少は舌に感ずる甘味に大きな影響を与えるも のである・しかるにり第9表のように・,概して洪積台地の方が沖積地より多い..即ち,酸味が強いことを現わしてい る. 味の濃淡に影響する水分含量を調べたところ,洪積台地と.沖積砲とではほとんど朗らかな差異を認めることができ なかった.以上の実験緒果より両遂■.の糖酸度を比較すると,明らかに∴洪構台地ほ沖橙地より低い. (iv)落 果 最近異常気供に・よる果樹の被害がしばしば見られたが,1953年も晩霜に・よって多くの落果を見た.旗手(1954)も 4月下旬頃2回も晩霜があり・落果も著しいことが想静されたい承革,生理的落果の状態を調べた結果は第11表の通 りである. 第11表 跳の落果調査(1954) 沖横地の開花期は4月21∼22日頃で,洪磯台租′ま・4月25一〕26日で4∼5日差異がある−この程喪の差では洪頓台地 も晩霜か披害を受サねぎならないのであるが,洪頃合砲では4月22日の晩霜′こ傑して電場をたき気温を高めたためほ とんど被害がなかった.これに倒し沖簡砲は5月下旬に643%も落果している その後洪慣祖では6月上旬に・236果摘果し,64巣を残したい沖横地では満開期(4月22∼23日)の最低気温が−20c で,雌題は頁黒くなり開花垣後の落果が著しかった 沖積魔の摘果は6月中旬に.行ない,54果を摘徐して,45果を残した 摘果までに・おこった落果は異常天候′こよるためで比披こならないが,摘果焚つ落果率ま沖笥也か方が浜唄台地より 多かった・かつ両募兵戎熟胡′こ近づくに・つれ落果革ま多くなる唱和を示しているが,洪賛台鞄の力がさらにその儀何 が強いようである. (Ⅴ)葉及び新梢の体内成分 まず,葉及び新梢の水分含盈を調べた.結果は第12及び13表である. 第12表 菓内水分合盈(%)(’1954) 24 j4/Ⅶ】14l24

25 15/Ⅸ115 r 25

第13表 新柄内水分合盈(%)(1954)

25rlO/Ⅹl30

14/ⅦF 24†4/Ⅶl14Ⅰ24l5/Ⅷ 1 5 25 5 / Ⅸ ﹁⊥ 5 6 1 0 0J 6 ﹁ノ ﹁ノ ∩︶ 6 へ﹂〇 3 ﹁﹂ ﹁/▲ ∩ノ ︺︶ ﹁⊥ 0 へ1ヨ ⊃0 ﹁′▲ 7 ﹁⊃ 、.■J 8 9 2 4 4 7 . ﹁ノ ﹁′‘ r〇 ﹁⊃ ︵∠ 0 5 ︵っ 6 0 9 9 5 〃D 1 3 6 73‖41r 699〕63.5S 65.15 6588 6().80

(4)

香川大学虔学部学術報薯 402 葉内水分合盈は両区共に6月」二旬に最高を示しているが,その後次第に淑少している。.押掛地の葵の水分含盈は洪 糖台地のそれに比し常に高いが,その差は7月下旬以後さらに大きくないている・なお水分含盈の減少状態は沖積地 においては8月中旬に急減しているのに.,洪積台地では淑少割合も比較的少なく徐々に減少をつづレナている.併し9 月下旬に.おけるその合盈は沖積鞄より少ない小 新梢内水分合患は第13表のように.,洪償台地も沖橙地もともに6月下旬に・最高含藍を示しているが,沖積地でほ.7 月.上旬に急減しているのに,洪積台磯でほ漸併し,7月下旬乃至8月上旬にやや念摂している‖沖掛地においても7 月下旬,ノ8月中旬及び9月中旬に急減を示している..なお6月下旬から8月中旬までは沖積鞄よりも洪税台地の力が 水分合盈は多いが,その後10月上旬まで逆に洪積台地の乃がやや少ない‖ しかし10月下旬にほ沖借地では含水藍は急 僻して芯止りを想わせるが,洪積台地でほなお明らかでない… 英及び新梢の全窒素含量を調べた結果は第14及び15表の通りである、 第14素 案内全窒素舎監(乾物%)(1954) 一r﹁■矧﹁︼和﹁一 仙−≠﹂ヨー 6 7■

吏工互

4/Ⅶf14,24 ノ4/ⅦJ14J24 用/ⅧJ15l25 洪 租 台 地 沖 舐 地 3 ︵∠ 3 3 3,880ト3,852 =3,フ65巨3,765弓3,425 第15衆 新梢内全窒素含意(乾物%)(1954) 【一 ̄

表「五言「盲

14】24【5/ⅦI1512515/Ⅸ115

洪 楼 台 地 神 横 地 1,5161,69011,7 6 ﹁ノ l へ∠ 3 9 っJ 1 6 5 1,6331,6 1,二3フ7l,221 境内窒素含盈は開基共6月中下旬乳こ最高を京し,その後漸次減少してし、るが,9月中旬頓に再びその含盈が増大 Lている‖ 新梢の窒素含盈の最高期は境よりやや早く洪篇台砲では,6月二11旬,沖潰也では6月上旬であるが,その後ともに 漸層しているなお基放び訴冶の窒素倉嵐よ供潰台地のカがやや高い.その間の縫過は洪億台地では,8月中旬まで 減少しているが,7月下旬と8月中称こやや急屈して,その後ま多少の恩威まあるが漸次増加の頓句である.沖嵐砲 でも8月中旬まで撰少をつづけ,その後多少の増威はあるが増加の傾向を示しいる 第16表 尭内全糖含慮(.乾物%)(1954) l 、・、三I

5/Ⅶ= 15 25

5/Ⅸ115 25

4/Ⅶ】14l24 洪 積 台 地 沖 積 地 375】4.15 4い30【 420 5.101 490】 5‖90】 6い15 330445 305ノ ごヨ45

3・85310365ヲ 4130j

1 465J4√・507 4′′90 i 3・30 娩17表 新柵ノ弓全糟含蕊(乾物%)(1954) 14/Ⅶ24l4ノⅦL14‡245./Ⅷ】15

そ㈹ほ 二

−l、 ・二\ =

450/520;5・135

440j 41855・05

洪 桜 台 地 坪 樟 地 ︵J O ︵H︶ ﹁ノ 3 ︵く︶ 4.25 :3.50 洪乱旨′也つ菓勺食膳含温ま中.責也より多.、‖ そか含温か蓬過を見ると,生葉物明こまいずれも届く,その後やや減 少して洪表含砲で.ま・6月下筍,恒弓削曳で羊7月上旬こ高くなり,その後やゃ高氏を径て9月上旬買うゝら両茎とも増加 しているい 新即]仝槽含量、ま生長経過トー多少の恩威ま.あるが,‡一言長初!月と三ヒ最終明とであまり大、雲が見られないし,その生育中 の増威も県議台砲で.よ8月上申一計こ一・樽」く丁に威少しているほかはあまり増減ま見られない執烹砲こおいては,7月

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第11巻通巻劣29号(1959) 403 下旬から9月中旬まで鮮少したままほとんど同じ程度で経過しその後生育初期と同程度に回復して几、る廿 蕪,新柄及び果実の炭水化物その他の貯蔵物質の変化を・推察するため,綜合的物質充実度を京サーという組織粉末比 鵠1畠表 菓,枝,果笑の組織粉末比誼(g/cm8) 盈の季節的変化を調べた.その結果ほ第18表の通りである 洪讃台地と?中潰卦こおける葉の組閣粉末比電ほ両曳とも6月下郎こ第1次の力が現われ,次で減少し,8月下旬に 第2次の力が現われているが,全体として洪演台他の築か組職沿末比電ほ大きい.新掩も同様であるが,洪憤台地は 7月上旬に虜1期か力が現ゎれ,次いで減少し,9月巨旬から10月上旬動こ第2期の凪が現われている 神韻他の新 梢でも略司様6月下前及び7月上旬に儲1期か山が現われ,その後減少し9月中旬から10月上旬頃に第2期の山が現 われている,次芯果実の組職傷宋比電は生育初期に.は中濃租か力が大きいが,成熟期項にほほとんど変化なく,却っ て洪頂台地の方が大きい… なお洪積台地でほ.6月二】1旬に∴葛くその後やや減少し,7月中旬薫から再び増加して収穫期 に腰少しいる,神韻也、でほ6月上旬/こ届くその後威少して7月ム訃こ再び高くなり,その後掟楼鰍こ減少している このように魔,新櫓及び果実の祖母偏末比置ほいずれも洪請負他の方が沖田墟よりやや▲高いのであるが,さらに花 芽の充実度を比較するために属盈を測冠したその結果ほ第19表の通りである 第19表 花芽の乾物蚤

10 月 28 日

一 一−− −

11 月 22 日

一−、−−− 1,457g 5−3小11%

1,113i

52小83 鞄 洪 穏 台 沖 積 地】 1,0こ30 すなわち洪積台地の花芽は沖潰他のそれよりも充実寒が高いようである (vi)土壌の水分合致 鮪述の地上部の生態的変化の原周の一つと考えられる土壌の水分含塵を調べたり その結上和ま第20表の通りである 第20表 土旗水分合致(乾土%)

29【11/ⅧF 24】3/Ⅸl■15 f 25l7/Ⅹ F 20l4/Ⅶl18

洪 積 台 地

82・1i74・3 792E 84.1

963102/プ 861j 93.4 73.2 85‖7

む亘せ二[ラ

8/Ⅹ†21ト5/Ⅶ‡20

17/叫 30 〉12/Ⅷ J 沖 償

二∴

: ∴ ∴

:39..4 32.1 1 根群分布は地表下30cm位の所に叔も多く,50cm位の決さの折の土壌水分倉並の多少は根群発育の良否iこ関係するこ とが多いけ実験結果によると,洪積台地は沖㍍也よりも土壌水分含扱が遠かに宕凱、い時忙7月中旬から8月下旬まで の問でも著しい差を示し,その後でも同様の陳句がある周洪Ⅵ砲では硬い3つ〇mの男が5つこnの所より,乾燥するL7 月巾下旬に請凱、が,続く8月■1−‡下旬には5(〕cmの深さの折が含水故が高いい台風期の9月上旬から11月上旬まで30cm

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香川大学遵学部学術報望 404 の深さの土壌水分含急が50cmの所よりも高い.沖積鞄では下層が砂礫のためか,7月中旬から8月中旬の乾燥期に 地下30cmと50cmの深さの土壌水分含盈ほ殆んど変化が見られなかったが,8月下旬には50cInのカがやや高く,その 後台風期の9月上,中旬には30cmの力が高い 次いで9月下旬には−・時30cmの深さの所が低くなり,10月中旬および11月上,中旬にほ30cmの所が高くなってい る. (Ⅴり土壌の全孔韓盈および含塞衆孔際盛 土壊の理学的性質が果樹の発育並びに結実作用に・関係が深いので,特に土壌中の全孔際盈や合基気孔際鼠を10月上 旬調べた‖ その結果ほ儲21表に示す通りである 第21表 土壌の理学的性質(1954) 乾土%で表わした土壌水分含盈は前述のように洪積台地のカが沖横地より大きいし,容瞭%で表わした場合でも同 様に僕囁台地つ巧が大きい.比電は仮比電,裏地重、共忙L3〕〇mに・おいても,5〇cTlの深さでも洪積台地ほ沖積地より小 さい.また両区共5)〇mの深さの土溶か振比電,買ヒヒ重は3つ〇1の深さよりも大きい・全孔喋盈は5つ=mの深さでほ洪 積台地と沖慣他の間に遷はないが,30cmの探さでは洪関台地の力がやや大きい・ 含墨気孔囁盈ほ洪簡台地つ力が神領砲より小さい小 これは洪憤台地か全孔囁畳√まやや大きいが,土壌水分含螢が著 しく大きいことに.よると思われる 4研究考察 (i)新柏の発育 新梢の発育作用は気温その他の影響に・よって左右されるが,地下部の影響によること・も著しい・火山灰の洪稽台地 に深糾して栽精した挑樹の生長作月∃ほ河岸その他の沖積地に戟植したものに比較して著しい差異が認められる・・ 伊東,大垣両氏外(1951,1954)は開展の火山灰土の果ポク地常に栽植された桃の芯止りが晩いこと・を認めてい る.信州の火山灰洪積台地に植えた挑も晩伸びがあるので,新楷の充実度に燕影響を与え,冬期に琴害を■受け易かっ たり,病奮の基延が晩くまで行なわれる寄掛体に・間接的慈影響が考えられる・ 今回新梢の伸長蕊および肥大放等を調べた所,洪積台地では新柄の伸長が6月小旬から急速に高まり,7月上旬に 最高となり7月下旬頃まで盛んに伸長をつづけているが,その後も僅かながら伸長しているい これに対し沖借地では 早く気温が高くなる関係から早期に伸長が進み,6月 旬に最高生長盈を示し,7月中旬頃まで盛んに伸長 下 し,その後ほ僅かながら伸長して8月下寓頃には1次 生長を終っている. tこのように,洪積台地では押隠地より晩くまで伸長 作用をつづけていることが認められるい この点に関し 閉場で同時期に伸長停止伎の割合を調べたものでも, 洪積台地の力が沖間鴨より伸長停止枝が少ない,. 要するに,新村の初期生長盈は.沖横地の方が大きい が,後期の生長盈は洪積台地の力が大きい上に晩くま で伸長をつづけている… 新柄基部の肥大生長は同区共生長の初期に著しいが, 沖徹也においては特に6月巾下旬に著しい.肥大生長 却 Cm亜伸長彙30

「■、 ̄■ ■、 25ラ友15(月日)

黎%ユ424編14飢‰15

第1因 新府の伸長と増加曲線(ユ954)

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劣11巻通巻第29専(1959) 40S の全増加最ほ沖横地の力が洪積台地よりやや大きい.すなわち,洪鎮台地でほ新補が長くなっても,その割に太って いないことが推察される このような伸長作用の差異を生ずる原因として考えられることほ沖横地は一版に気温が高い関係から呑も早く暖か くなるので,早期生長が起り,早くから養分の消費があった= 高温乾燥期の8月下旬における最高気温は沖積咽で 34い40cであるのに対し,洪積台地でほ30い50cで沖積地では伸長抑制作用が現われている 地中温度を見ると,地表近い肝でほ地温も高く,洪積台地と沖積地と∴でその影響も大差がないが,30cm位決くな ると,地温もやや低下し棍も比較的中根が多くなり影響も考えられる。.併し両区の差ほ殆ど見られない位である∴垂 直棍の多い1mの深さになると, とが想像される 洪積台地ほ蓋の乾旗期に地表面の乾燥のため枝条の伸長停止等が想像されるのに,調査した土壌の含水監ほ90%前 後(乾土%一)を示し,容税%でも46←ノ48%を示して甚しく多い. 大垣氏等(1951)が神奈川県高座郡渋谷町の火山灰土壌の比較的深い鞄帯で調査した土壌水分舎監も極めて多く,深 さ15cmで乾土%50∼フ0%,60cmで70′・叫・120%,120cmで100∼160%であり,容畳%はそれぞれ40′}50%,50”65%, 65∼75%であることとL関連して火山灰土の土壌含水盈ほ著しく高い.このように.土壌水分の荏凱、ことは枝条の徒長性 を促す材料と・考えられるまた洪積台地ほ隅櫓が多く,これもまた新梢の伸長作脚こ肩利である. 大垣戌等は全孔階数も極めて多い(70∼80%)ことを述べ,かつ深部程多いこと.を認めているが,今回の結果では 30cmと50cmの深さでは著しい差異ほ認められなかった、併し30cmの探さでは,洪積台地の刀が大きいことは新根 の発生,伸長作用に好都合であろう 然るに含塞気孔囁盈が沖箔魔に此駁して案外低かったり これがためか長い棍は喝下深部まで伸長していたが,それ から発生する細限は非窟に少なかった.このようなことも新梢の徒長を促す原周の一つと想われる 枝条の徒長現象のた捌こ,生理的落果が著しいだろうと.考え,大久保桃の落果調査をしたが,晩霜が折悪しくひど かったために,自然状態に・おける生理的落果の呉の萎が見られなかったい 6月下旬から8月上旬までの落果では,却 って沖簡他の力が多かったのも,重油をたく等の気温上昇処望をしなかった原因が長く続いているものと考えられ る 次に購および横糸内成分と枝条の伸長作用と.の関係を見ると.,其内水分合偲は洪積台地の力が沖境地よりやや少な いが,憩勾窒素含偲は概して洪積台地の力が多い.かつ全糖含・畳も洪積台地のカが多い.これ等の点から洪積台地の 薬の惰力は沖積鞄のそれよりも旺盛なことが推察される 新梢内水分会慮ほ生育初敬から8月中旬までは洪積台地のカが沖閻鞄より宙いが,その後は10月上旬まで逆に沖積 他の力が凱、然るに窒素含慮は生長初期の6月中旬を除き,その後洪囁台地の刀が押韻租より常に届い.また新梢 内全塘含最も生長初期の6月中,下旬を除くとフ常に洪棍台地の力が高くなっている..このように洪積台地の新梢は 神韻他の新梢に較べて発育作周の勝っていることを裏づけているい総合的物質充契壕を現すといわれる組織粉末比重 を見ても,薬では僅かではあるが洪積台地の力が神韻砲より高いし,新梢の場合を見ても生長初期の6月中旬を除く と洪積台地の力が沖積鞄より高い これらの体内成分の変化から見ても,洪遣台砲の新偶の生長作用は押隠地のそれに戯べ旺盛であることが推察され るその上横条の充実度については稜々不貞がられていたがさほど心配ないようであるい この点に.関連するものとし て花芽の乾物重を調べたのによっても,洪闇台地の花芽が沖積他の花芽に較べ嘉かった. (ii)果実の肥大と品質 洪韻台場の土壌含水慮が著しく高く,脱が窒素と.水分を多く吸収し,徒長的な伸長をするため果実の肥大,品質を 不良ならしめることを想慶して果実の肥大盈,躇酸度等を調べたu 果実の縦径,側彗および債室は5月下計こおいて早くも神路他の力が洪積台場より大きくなり,その後も略同様の 傾句で進んだためこ礫i又掛こおいても沖意地か乃が大きかったこのことは果形指数にあっても明らかに示されてい る(第2図) LつTT氏(1932)は菓や.折袷こ均層以上濫窒素か洪恐が多い場合は伎条の伸長を促し,果寒に.翼水化物が洪姶され るのを弗糾す■ることを述べて・′、るが,今・可も6月ヒ句うゝら7月下回まで庄基な仲良しているため果実の肥大遺:ほ小さ い・その後祈袷か伸展がやや表え,果実の1巴大盈は大きくなっている

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香川大学盛学部学術威儀 今回の調査結果も沖横地の果実の水分舎監は洪穏台地のそ れより多くなっている。.伊私大臨両氏他(1954)は火山灰土 の挑は埴質感土の桃に此して糖度も1∼2%低いことを認め ている.今回ハyドリフラクトメー・クー・で調べた場合も,洪 積台地の桃果の糖度がやや低いが,全糖含量を定盈した場合 にも7月上旬から8月中旬採収するまで,8月上旬を除いて 常に洪積台地の方がその合致が低かった..酸度を調べた場合 にほ洪積台地の桃呆のカが常に高かった.従って,糖酸度は 洪積台地の力が叶積地より低く,品質が劣ることを示してい る巾 5。.摘 要 (i)洪積台地の桃の生態的性質を知ろうとして沖積鞄を 対称として次のことを調べた.地中温度,土壌の理学的性質 新梢の伸長盈と肥.大数,集および新梢の体内成分および組織 粉末比嘉,果実の肥大生長および糖酸度等 (ii)調査場所は洪積台地ほ火山灰土鞄帯であり,洪積鞄 6 指数 0 4 1424142415

電 (月日)乳 第2因 果形指数と増加魔(19S4) は天竜川に.沿う水田で粘質壌土鞄静である (iii)地中濫獲ほ30cmの折では殆ど変化は見られないが,1mの深さでは9月に入って洪積台地の力がやや高凝で ある (iv)土壌水分食感ほ喝下30cm,50c瓜の所で洪領台鞄が沖横地より著しく高い・・仮比憲および黄比翼は洪積台地 のカが沖債地より低い..全孔際盈ほ洪磯台地のカが沖横地より大きい (Ⅴ)新絹の伸長盈は演簡台地が神領地より大きく,芯止りも晩いようである・併し,茎の肥大盈は沖積地が大き い (’vi■)莫の水分舎監は洪餞台地は沖積地より小さい…新梢では7月下旬より8月中旬まで洪憤台地の乃が大きい か,その後10月上旬まで沖積他の方が大きかったり集および新梢の各素含盈,全塘含逢および組織粉末比重ほ洪債台 他の力が沖積均より高かった (vii)果実の肥大生長ほ洪積台地のカが沖横地より小さく 6..引用文献 1小 浅見与七;果樹栽増汎論(土壌肥料篇)(1951). 2−伊東秀雄,大塩智照,辰野孝雄,邸田博,井上市 郎;火山灰土盛における桃の生態調査(第2報)特に 黒土の層位土の興る園の土康性質が棍群および地上部 におよぼす影響,神奈川農試園芸部研究報告第1弓 (1953). 3‖ LoTT,R.Ⅴ,;Some fruiting responses of

the peachof applicatioユS Of nitrate of so3a

アγ〃CいAク乃クγ,.5〆,月b′≠5c∠28,(1932). 4い 森田義彦,石原正義;果樹の生育に及ぼす土壌の物 理的組成の研究(Ⅱ)土壌客気と植生との関係(第1報 ,糖酸度も低いい 桃実生の生育におよぼす深桝の影響 園芸学会託け (.3,4).(1948■)。 5森田義秀,米山寛一・;果樹の生育におよぼす土壌の 物理的組成の研免臥 土壌水分と植生との関係(第 1報)桃,梨,柿実生の生育におよぼす土盛水分の影 響,園芸学会詰17(3,4),(ユ948)‖ 6大垣智照,渡辺照夫,長野幸雄;火山灰士族におけ る桃の生態調査(第1報)工い 果実の発育,地上部お よび棍群におよぽす土壌性質の影響,神奈川戯試園芸 部報告,(1951). 7,′ 山中国利;唾彊土台他における土壌水分の様相,盛 業及園芸,25(10),(1950)‖

参照

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