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章調査概要 節調査目的今回の特許出願技術動向調査では 自動車エンジンの燃焼技術を調査対象とする 具体的に自動車エンジンの燃焼技術とは 実燃料 ( ガソリン 軽油 ) をベースとした自動車用ガソリンエンジン ( 以下 単にガソリンエンジンと称す ) の燃焼技術と自動車用ディーゼルエンジン ( 以下 単

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平成26年度

特許出願技術動向調査報告書(概要)

自動車エンジンの燃焼技術

平成27年3月

問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 知財動向班

電話:03-3581-1101(内線2155)

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第1章 調査概要 第1節 調査目的 今回の特許出願技術動向調査では、自動車エンジンの燃焼技術を調査対象とする。 具体的に自動車エンジンの燃焼技術とは、実燃料(ガソリン、軽油)をベースとした自 動車用ガソリンエンジン(以下、単にガソリンエンジンと称す)の燃焼技術と自動車用 ディーゼルエンジン(以下、単にディーゼルエンジンと称す)の燃焼技術を調査対象と する。従って、ガソリンと軽油以外の燃料の自動車用エンジンの燃焼技術は調査対象に 含まない。 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃焼技術は、熱効率の向上、CO2 削減技術、 排出ガス規制への対応など、様々な課題に直面しながらも、着実に技術開発がなされて きた。現在では、電気自動車や水素自動車などの次世代自動車が開発され、実用化のた めの研究開発もなされてきている。しかしながら、JEITA(電子情報技術産業協会)によ る予測によれば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに代表されるエンジンの生産 台数は 2017 年でも 95%を超え、次世代自動車の生産台数は 5%にも満たない。即ち、ガ ソリンエンジンとディーゼルエンジンは引き続き、熱効率の向上、CO2 削減、排出ガス 規制への対応などの技術開発を進めていくことが求められる。 我が国の自動車産業は、GDP・雇用を支える基幹産業の一翼を担っており、従来からの 高度な技術の蓄積、幅広い裾野産業と人材を保有している。今後もその競争力を維持・ 発展させることは我が国の経済や社会にとって大変重要であると言える。 このような背景のもと、自動車エンジンの燃焼技術に関する技術発展状況、研究開発 状況、日本及び外国の技術競争力、産業競争力を明らかにし、日本企業や大学などの研 究機関、政府機関が取り組むべき課題、今後目指すべき研究・技術開発の方向性を検討 すべく、市場環境・政策動向、特許出願動向、論文動向についての調査を行った。

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第2節 調査の対象範囲 本テーマにおける調査対象範囲を図 1-1 に示す。本テーマでは、ガソリンと軽油を対 象燃料とした「燃焼技術」と「燃焼によって、排気成分を低減する技術」を調査対象範 囲とした。 燃焼技術は、燃料噴射装置(燃料ポンプなどの燃料圧送機構、燃料配管などの燃料移 送機構、インジェクタなどの燃料噴射機構、燃料フィルタなどの共通構造)、吸気系装置 (過給機、EGR 装置、スロットル弁、可変動弁機構、スワール/タンブル機構)、点火系 装置(プラズマ型、レーザ型などの点火方式、重ね点火、多点点火などの点火形式、点 火プラグ、点火ケーブル、点火コイル)、燃焼室及びその周辺要素(ピストン、シリンダ ブロック、シリンダヘッド、吸気通路、排気通路、弁装置、クランクケース、オイルパ ン、カバー)、燃焼制御技術(吸気系制御技術、燃料系制御技術、点火系制御技術、グロ ープラグの制御)、モデル技術(モデル開発、開発支援)、燃焼の形態(希薄燃焼、 HCCI 燃焼、PCCI 燃焼、ガソリン×圧縮比、ディーゼル×圧縮比、その他の燃焼形態)、特殊 な機関型式(2 気筒機関、3 気筒機関、アトキンソンサイクル、気筒数制御機関、可変圧 縮比機関)が含まれる。 燃焼によって排気成分を低減する技術は、窒素酸化物(以下 NOx と称する)を燃焼に よって低減する技術、一酸化炭素、炭化水素(以下 CO,HC)を燃焼によって低減する技 術、粒子状物質(以下 PM)を燃焼によって低減する技術、硫黄酸化物(以下、Sox)を 燃焼によって低減する技術に分けられる。 図 1-1 調査対象範囲(技術俯瞰図) ガソリン機関/ディーゼル機関の燃焼技術 ・希薄燃焼 ・予混合燃焼(HCCI、PCCI) ・圧縮比×ガソリン ・圧縮比×ディーゼル ・2気筒、3気筒 ・アトキンソンサイクル ・気筒数制御機関 ・可変圧縮比機関 燃焼制御技術 ・吸気系制御技術 過給圧制御、EGR量/率制御、 吸排気弁位相/リフト量制御、 スワール/タンブル制御 等 ・燃料系制御技術 燃料噴射時期、燃料噴射量、 燃料噴射比率、燃料噴射圧力、 燃料ポンプ制御 等 ・点火系制御技術 点火時期、点火エネルギー制御等 ・グロープラグの制御 ・燃料圧送機構 (ポンプ等) ・燃料移送機構 (パイプ等) ・燃料噴射機構 (インジェクタ本体) ・共通構造 (フィルタ、取付等) 燃料噴射装置 ・過給機 ・EGR装置 ・スロットル弁 ・可変動弁機構 ・スワール/タンブル 吸気系装置 ・基本点火方式 プラズマ、レーザ等 ・点火形式 重ね点火、多重点火 多点点火、間引き点火 ・点火プラグ ・点火ケーブル ・点火コイル、マグネット 点火系装置 ・ピストン ・シリンダブロック ・シリンダヘッド ・吸気通路 ・排気通路 ・弁装置(吸/排気バルブ) ・クランクケース ・オイルパン ・カバー 燃焼室及び その周辺要素 (分析軸;F) 燃焼技術 燃焼によって排気成分を低減する技術 Nox低減(燃焼系) CO、HC低減(燃焼系) ・過給圧制御 ・EGR(量/率制御) ・スワール制御 ・酸素濃度制御 ・燃料噴射時期制御 ・燃料噴射量制御 ・燃料噴射圧制御 ・気化燃料噴射制御 ・ピストン形状 ・インジェクタ形状等 PM低減(燃焼系) ・過給圧制御 ・EGR(量/率制御) ・吸気温度制御 ・圧縮比制御 ・燃料噴射時期制御 ・燃料噴射量制御 ・水噴射制御 ・燃焼室壁温制御 等 ガソリン機関/ディーゼル機関の後処理技術 Nox低減 HC低減 ・DPF ・CNG利用 ・アルコール燃料 ・潤滑油系利用 PM低減 ・酸化触媒 ・三元触媒 等 ・三元触媒 ・SCR ・エマルジョン燃料 利用等 燃焼系以外は除外 ・モデル開発 燃焼モデル開発、 燃料付着モデル開発 エアモデル開発、 熱モデル開発 等 ・開発支援 モデル技術 ※ガソリン/ディーゼル以外の燃料(ガス燃料等) は、本調査範囲外とする。 燃焼形態 特殊な機関型式 ※触媒等の排気系の制御/ハードは調査対象外とする。 ・過給圧制御 ・EGR(量/率制御) ・吸気温度制御 ・圧縮比制御 ・燃料噴射時期制御 ・燃料噴射量制御 ・水噴射制御 ・燃焼室壁温制御 等 Sox低減(燃焼系) ・燃料噴射時期制御 ・燃料噴射量制御 等

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第3節 特許動向調査の概要 1.調査対象技術 図 1-1 の調査対象範囲に基づいて、燃焼技術、燃焼よって排気成分を低減する技術の技 術区分を設定した。 表 1-1 燃焼技術の技術区分 大区分 中区分 小区分 説明 ガソリン ガソリンエンジンに適応される技術 ディーゼル ディーゼルエンジンに適応される技術 共通 ガソリンエンジンにもディーゼルエンジンにも適応される技術 過給圧制御 過給圧を制御する技術 EGR(量/率)制御 EGR量あるいはEGR率を制御する技術 スロットル弁制御 スロットル弁を制御する技術 スロットルバイパス弁制御 スロットルバイパス弁を制御する技術 吸気弁位相制御 吸気弁の位相を制御する技術 吸気リフト量制御 吸気弁のリフト量を制御する技術 排気弁位相制御 排気弁の位相を制御する技術 排気リフト量制御 排気弁のリフト量を制御する技術 スワール(含む弁停止)、タンブ ル制御 スワール流やタンブル流を生成する技術 その他制御 上記以外 燃料噴射時期制御 燃料の噴射時期を制御する技術 燃料噴射量制御 燃料の噴射量を制御する技術 燃料噴射比率制御 ポート噴射弁と筒内噴射弁の燃料噴射比率を制御する技術 燃料噴射圧制御 燃料噴射圧力を制御する技術 燃料ポンプ系制御 燃料ポンプを制御する技術 その他制御 上記以外 点火時期 点火時期を制御する技術 点火エネルギー 点火エネルギー(電圧、電流)を制御する技術 その他点火系制御 上記以外 グロープラグの制御 グロープラグを制御する技術 その他制御 上記以外 燃料圧送機構 燃料タンク内に配置された高圧ポンプやポート噴射弁に燃料を供給するフィード ポンプや、フィードポンプから送られた燃料に圧力を付加して高燃圧とする高圧ポ ンプに関する技術。 燃料移送機構 燃料の配管やデリバリパイプに関する技術 燃料噴射機構 燃料インジェクタに関する技術 共通の構造 (フィルタ、取り付け等) 燃料フィルタや燃料噴射装置の取り付け構造に関する技術 その他 上記以外 過給機 過給機に関する技術(含むインタークーラ) EGR装置 EGRに関する技術(含むEGRクーラ)

※EGR;Exhaust gas recirculationの略。排ガス再循環装置。

スロットル弁 スロットル弁に関する技術 可変動弁機構 可変動弁機構に関する技術 スワール、タンブル スワール、タンブル機構に関する技術 その他 上記以外 吸気系装置 点火系制御技術 燃料噴射装置 ガソリン/ディーゼル/共通 燃焼制御技術 吸気系制御技術 燃料系制御技術

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大区分 中区分 小区分 説明 プラズマ点火型 燃料(混合気)をプラズマによって着火させる技術 当技術区分はマイクロウェーブを用いた技術も含む レーザー点火型 燃料(混合気)をレーザー光によって着火させる技術 圧電点火型 燃料(混合気)を圧電素子によって着火させる技術 誘導放電型 燃料(混合気)を誘導放電によって着火させる技術 その他 上記以外 重ね点火 1つの点火プラグに2つの異なる電圧を加える技術 多重点火 1サイクル当たりに複数回の点火を行う技術 多点点火 複数の点火プラグを備える技術 間引き点火 連続する複数のサイクルのうち、任意数のサイクルの点火のみ実施する技術 その他 上記以外 点火プラグ 点火プラグに関する技術 点火ケーブル 点火ケーブルに関する技術 点火コイル/マグネット 点火コイル/マグネットに関する技術 その他 上記以外 その他 基本点火方式、点火形式、点火系装置の要素技術のいずれにも当てはまらない 技術 ピストン ピストンに関する技術 シリンダブロック シリンダブロックに関する技術 シリンダヘッド シリンダヘッドに関する技術 吸気通路 吸気通路に関する技術 排気通路 排気通路に関する技術 弁装置 吸気弁や排気弁に関する技術 クランクケース クランクケースに関する技術 オイルパン オイルパンに関する技術 シリンダヘッドカバー シリンダヘッドカバーに関する技術 その他 上記以外 燃焼モデル開発 筒内の燃焼状態を予測するモデル開発 燃料付着モデル開発 燃料の燃焼寄与量や燃料の壁面付着量等を予測するモデル開発 エアモデル開発 筒内に流入する空気量を予測するモデル開発 熱モデル開発 吸気温度や冷却水温度等の熱伝達を予測するモデル開発 モデル開発その他 上記以外のモデル開発 開発支援 適合時間の短縮や適合レスを図るための適合ツールや開発ツールなどの技術。 シミュレーション技術等。 希薄燃焼 理論空燃比(1;14.7)よりも薄い(リーン)混合気で燃焼する技術

HCCI燃焼 Homogeneous charge compression ignitionの略。空気とガソリン燃料を予混合させ

た混合気を燃焼室に導入し、ピストンの圧縮によって自己着火させる技術

PCCI燃焼 Premixed charge compression ignitionの略。シリンダ内に形成したディーゼル燃料

と吸気との予混合気を自己着火させる技術 ガソリン×圧縮比 ガソリン機関で圧縮比を考慮した技術(例:高圧縮比化を実現するための技術}) ディーゼル×圧縮比 ディーゼル機関で圧縮比を考慮した技術(例:低圧縮比化を実現するための技 術) その他の燃焼形態 上記以外の燃焼技術 2気筒機関 2気筒機関に関する技術 3気筒機関 3気筒機関に関する技術 アトキンソンサイクル機 関 圧縮比よりも膨張比を大きくさせる技術(本技術区分は、メカニカルな圧縮比を制 御するものではなく、吸気弁の位相によって圧縮比を制御する技術) 気筒数制御機関 気筒数を制御できる機関に関する技術 可変圧縮比機関 圧縮比を制御できる機関に関する技術(本技術区分は、吸気弁の位相によって圧 縮比を制御するものではなく、メカニカルな圧縮比を制御する技術) 特殊な機関型式 気筒数構成 燃焼の形態 モデル技術 モデル開発 点火形式 点火系装置の要素技 術 燃焼室及びその周辺要素 点火系装置 基本点火方式

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また、燃焼によって排気成分を低減する技術の技術区分を表 1-2 に示す。燃焼によっ て排気成分を低減する技術については、あくまで燃焼側で排気成分を低減する技術を調査 対象とし、触媒などの排気浄化装置と組み合わせた技術については調査対象範囲外とした。 表 1-2 燃焼によって排気成分を低減する技術の技術区分 大区分 中区分 小区分 説明 過給圧制御 NOxを低減させるために過給圧を制御する技術 EGR(率/量)制御 NOxを低減させるためにEGR量あるいはEGR率を制御する技術 吸気温度制御 NOxを低減させるために吸気温度を制御する技術 圧縮比制御 NOxを低減させるために圧縮比を制御する技術 燃料噴射時期制御 NOxを低減させるために燃料噴射時期を制御する技術 燃料噴射量制御 NOxを低減させるために燃料噴射量を制御する技術 水噴射制御 NOxを低減させるために水を筒内に噴射する技術 燃焼室壁温制御 NOxを低減させるために燃焼室壁温を制御する技術 その他制御 NOxを低減させるための上記以外の技術 過給圧制御 CO,HCを低減させるために過給圧を制御する技術 EGR(率/量)制御 CO,HCを低減させるためにEGR量あるいはEGR率を制御する技術 吸気温度制御 CO,HCを低減させるために吸気温度を制御する技術 圧縮比制御 CO,HCを低減させるために圧縮比を制御する技術 燃料噴射時期制御 CO,HCを低減させるために燃料噴射時期を制御する技術 燃料噴射量制御 CO,HCを低減させるために燃料噴射量を制御する技術 水噴射制御 CO,HCを低減させるために水を筒内に噴射する技術 燃焼室壁温制御 CO,HCを低減させるために燃焼室壁温を制御する技術 その他制御 CO,HCを低減させるための上記以外の技術 過給圧制御 PMを低減させるために過給圧を制御する技術 EGR(率/量)制御 PMを低減させるためにEGR量あるいはEGR率を制御する技術 スワール制御 PMを低減させるためにスワール流を制御する技術 酸素濃度制御 PMを低減させるために酸素濃度を制御する技術 燃料噴射時期制御 PMを低減させるために燃料噴射時期を制御する技術 燃料噴射量制御 PMを低減させるために燃料噴射量を制御する技術 燃料噴射圧制御 PMを低減させるために燃料噴射圧を制御する技術 気化燃料噴射制御 PMを低減させるために気化燃料を噴射する技術 燃焼室形状(ピストン形状など) PMを低減させるための燃焼室形状に関する技術 インジェクタノズル形状変更 PMを低減させるためのインジェクタノズルに関する技術 その他制御 PMを低減させるための上記以外の技術 燃料噴射時期制御 SOxを低減させるために燃料噴射時期を制御する技術 燃料噴射量制御 SOxを低減させるために燃料噴射量を制御する技術 その他制御 SOxを低減させるための上記以外の技術 燃焼によって排気成分を低 減する技術 NOx低減 CO、HC低減 PM低減 SOx低減

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2.調査期間と調査対象文献及び調査対象国 (1)調査期間 2001 年 - 2012 年(優先権主張年ベース) (2)調査対象文献 PCT(特許協力条約)に基づく国際出願(以下「PCT 出願」という。) 日本、米国、欧州、中国、韓国をはじめとする各国・地域への特許出願及び登録特許 (3)調査対象国(出願先国) 日本、米国、欧州、中国、韓国、インド、ブラジル、ロシア、ASEAN(タイ、ベトナム、 マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン) (4)解析対象 解析の対象とした出願人国籍は、日本、米国、欧州、中国、韓国の 5 ヶ国・地域であ り、それ以外は「その他」とした。 出願人国籍を「欧州国籍」とする国は、以下に示す EPC38 ヶ国である。また、出願先 として「欧州」とするのは、欧州特許条約(EPC)加盟国のうち以下に示す DWPI 収録国 である 21 ヶ国と欧州特許庁(EPO)である。 【「欧州国籍」とする EPC 加盟 38 ヶ国】 アルバニア、デンマーク、ハンガリー、モナコ、セルビア、オーストリア、エスト ニア、アイルランド、マケドニア、スウェーデン、ベルギー、スペイン、アイルラン ド、マルタ、スロベニア、スロバキア、スイス、フランス、リヒテンシュタイン、ノ ルウェー、サンマリノ、ブルガリア、フィンランド、イタリア、オランダ、キプロス、 イギリス、リトアニア、ポーランド、トルコ、チェコ、ギリシア、ルクセンブルク、 ポルトガル、ドイツ、クロアチア、ラトビア、ルーマニア 【「欧州への出願先国」となる EPC 加盟 21 ヶ国】 オーストリア、ベルギー、スイス、チェコ、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィ ンランド、フランス、イギリス、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブ ルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデン、スロバキア、 ポーランド 3.データベースと検索方法

国内外特許文献については、トムソンロイター社の Derwent World Patents Index(以 下 DWPI と呼ぶ)を用い、検索は Thomson Innovation で行った。

検索を実施したのは、2014 年 10 月であり、調査対象期間の 2012 年から 18 ヶ月以上 経過している。但し、各国での公開から DWPI データとして収録されるまでには、発行国 からのデータ提供にかかるタイムラグと、データベース会社の作業期間が必要である。 また、PCT 出願の各国以降のずれ等で全データを反映していない可能性がある。従って、 本調査報告における 2011 年、2012 年の出願のデータは真の数値より少ない可能性があ ることに留意されたい。

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4.調査手法 2.と3.の条件に従って特許出願を検索した結果、日本特許文献約 10,368 件(パテン トファミリー)、外国特許文献約 8,739 件(パテントファミリー)について 1 次文献(公 開公報または登録公報)を取得し、ノイズ除去を行った。ノイズ以外の 1 次文献 11,312 件(パテントファミリー)について、特許請求の範囲、図面、発明の詳細な説明、など の読み込みにより、詳細解析を行った。なお、外国文献については言語の事情に応じて、 抄録、特許請求の範囲及び図面を解析対象とした。 詳細解析における技術区分への付与は、多観点付与方式(1 つの案件に対して複数の 技術区分に該当する場合、該当する全ての技術区分に観点付与を実施)を採用した。 また、特許動向調査では、11,312 件のパテントファミリー全てを調査対象とし、11,312 件のパテントファミリーのうち、日米欧中韓への出願件数の合計は 19,787 件であった。 出願人に関する調査は、共同出願の分析以外は筆頭出願人のみを対象とした。出願 人国籍は公報に記載されている出願人の住所を出願人の国籍とし、出願人が共同出願人 の場合は、筆頭出願人の住所を採用した。 第4節 研究開発動向調査の概要 1.調査対象 自動車エンジンの燃焼技術に関する論文発表動向から研究開発動向の調査を行った。 調査対象としては特許動向調査の調査対象と同じであり、触媒等の後処理技術に関する 論文や、天然ガス、アルコール燃料、バイオ燃料等のガソリンと軽油以外の燃料は調査 対象範囲外としている。論文データベースとしては、G サーチ社の JDREAMⅢを用いて調 査対象論文を検索、抽出した。 調査対象の論文には、表 1-3 に示す論文集を選定した。調査対象の選定にあたっては、 技術範囲の網羅性とバランスを考慮し、発表内容の技術レベルなどを総合的に検討しな がら本調査における専門の委員会に諮り、選定した。但し、自動車エンジンの燃焼技術 に関する学会や論文誌は広範囲にわたっており、今回の調査対象は、自動車エンジンの 燃焼技術の関連論文の一部であるため、必ずしも全論文の動向と一致するものではない ことに留意されたい。 表 1-3 研究開発動向調査で用いた論文集 JST記事番号 対象雑誌

D0244B SAE Technical Paper Series

S0826A 自動車技術会論文集

D0131A Motortechnische Zeitschrift

A0487A Automobiltechnische Zeitschrift

F0227B 日本機械学会論文集 A編 U0182A 日本機械学会論文集 A編(Web) F0036B 日本機械学会論文集 B編 U0183A 日本機械学会論文集 B編(Web) F0045B 日本機械学会論文集 C編 U0184A 日本機械学会論文集 C編(Web) U0182B 日本機械学会論文集(Web)

W1234A International Journal of Engine Research

A0947B Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers

H0947A Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers. Part D

C0104A Combustion and Flame

H0510B Combustion Science and Technology

A0273A Symposium (International) on Combustion

A0273A Proceedings of the Combustion Institute

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2.調査方法 調査期間は発行年ベースで 2001 年から 2013 年とした。該当文献数は、2,301 件であっ た。 3.分析方法 論文の研究者所属機関国籍は、第一著者の所属する研究機関の所在地を基準とした。研 究機関及び研究者の発表件数ランキング集計では、共同研究の場合、それぞれを別々に集 計した。

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第2章 市場環境政策動向調査 第1節 市場環境調査 1.自動車の市場動向 世界の自動車販売台数は、図 2-1 に示す通り、2008 年の米国金融危機に端を発した世 界的不況により大きな落ち込みを見せたものの、2013 年には世界一に上り詰めた中国市 場、回復が著しい北米市場、南米などの新興市場に支えられる形で 8,000 万台を超える 記録となっている。さらに、今後は、9000 万台に達する予測となっている。 主要国(日本、米国、欧州(ドイツ、フランス、イギリス、イタリアの合計)、中国、 韓国)における自動車販売台数を図 2-2 に示す。 日本や韓国はほぼ横ばい傾向にあるのに比べて、米国では 2009 年から増加し、2013 年には 1,500 万台を超えている。中国では、2013 年には 2,000 万台を超える大きな販売 台数を記録しており、中国市場の成長は著しい。 図 2-1 世界の自動車販売台数 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014(予測)2015(予測) 出典:トヨタテクニカルディベロップメント㈱の調査により作成 図 2-2 主要国の自動車販売台数推移 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 日本 米国 欧州(DE、FR、GB、IT) 中国 韓国 出典:トヨタテクニカルディベロップメント㈱の調査により作成

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2.主要企業の取り組み状況 自動車エンジンの燃焼技術に関する主要企業の取り組み状況について述べる。対象と なる企業は、国内及び海外のカーメーカー及びサプライヤーであり、各企業の過去 10 年分の燃焼技術に関する取り組みについて記載した。 1. 日本 (1) カーメーカー ① いすゞ自動車 最近 10 年で特に注目する技術として、2006 年に世界で初めてとなる EGR 通路に 逆止弁を配置するシステムが挙げられる。新気を逆流させずに、EGR ガスを一方向 (ワンウェイ)にのみ流すことで EGR 量が増加し、より多くの NOx 低減を図ってい る。 2010 年には可変容量型ターボチャージャーを搭載するディーゼルエンジンと2 ステージターボチャージャーを搭載するディーゼルエンジンの2種類のエンジンを 発表し、ターボラグの改善と出力向上の両立を図っている。また、燃焼室の形状を 工夫することで燃焼改善を行っている。 ② スズキ 最近 10 年で特に注目する技術として、1 気筒当り 2 本のインジェクターを左右そ れぞれのポートに配置し、噴霧ターゲットの自由度を向上させつつ、ノック抑制効 果と燃費改善に寄与できるデュアルジェットシステムが開発されている(2013 年)。 この技術の他、燃焼室の球形状化、筒内流動の強化、水冷式クールド EGR システム、 メカニカルロス低減などを採用することで、燃費性能の大幅改善を果たしている。 また、2004 年に、可変気筒装置を採用し、8 気筒のうち 4 気筒を休止させて走行 することで必要以上の燃料供給を抑えることで燃費を向上させている。 2005 年には、可変吸気システムを採用し、吸気管の長さを変化させることにより、 吸気慣性効果が得られるようにしている。また、新設計のステンレス二重管エキゾ ーストマニホールドを採用し、触媒ウォームアップ時間を短縮し有害物質の排出量 を低減している。 2008 年には、スズキ初のロータリバルブ式可変吸気システムを採用し、パワーと トルクを向上させている。 ③ ダイハツ工業 2004 年に、イオン検知システムを発表した。この技術は、火炎中のイオン発生状 況をもとに燃焼状態が判定でき、エンジンの燃焼状態を詳細に把握し、良い燃焼状 態を保ちながら点火タイミングを 1/10,000 秒レベルで制御するものである。また、 このシステムに必要な回路をコンパクトなサイズとすることで、既存の点火装置に 組み込み可能としている。 2008 年の「i-EGR システム」では、燃焼室内のイオンで燃焼状態を検知するイオ ン電流燃焼制御を EGR 制御に応用している。エンジン特性に合わせ緻密に制御する ことで、EGR ガスをより大量に送り込み、ポンピングロスを大幅に低減し、燃費を

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向上させている。また、圧縮比を 10.8 から 11.3 へ高くすることでも燃費向上を図 っている。 2013 年の「クールド i-EGR システム」は、2008 年の「i-EGR システム」をさ らに発展させている。このシステムは、EGR クーラーにより再循環させる排出ガ スの温度を低減することで、吸気温度を低くする事ができ、異常燃焼を抑制する。 吸気温度の低減に合わせて、点火タイミングを最適化し、ガソリンの噴出量を少 なくすることで、低燃費化に貢献している。また、燃焼温度の抑制により、クリ ーンな排出ガスを維持することにも貢献している。 ④ トヨタ自動車 2004 年、トヨタ初となる直列 3 気筒エンジンを開発し、「パッソ」に搭載した。 3 気筒化による振動の悪化は 3 カウンターウェイト方式のクランクシャフトなど により対策している。また、低張力ピストンリング、樹脂コート付軽量ピストン、 総樹脂吸気モジュール(樹脂エアクリーナー、樹脂スロットルボデー、樹脂イン テークマニホールド)などのアイテムを採用している。 2005 年の注目技術として、世界初の筒内直噴システム D-4S(Direct injection 4-stroke gasoline engine Superior version)が挙げられる。この技術は、「直 噴」+「ポート噴射」の併用型システムであり、高性能・低燃費・排ガス低減を 実現している。その他、高回転化技術として高剛性ローラーロッカーアームや高 剛性タイミングチェーン、低フリクション化技術としてピストンリング低張力化、 高圧縮比化技術としてシリンダーヘッド冷却化などを採用している。それにより、 NA エンジンでは世界トップレベルのエンジン性能と車両燃費でもクラストップ のモード燃費 10km/L を達成し、また排出ガス規制も J-SULEV をクリアしている。 2006 年、電気モーターにより位相制御を行う電動可変バルブタイミング機構 (VVT-iE)を世界で初めて 1UR-FSE に採用した。従来の油圧アクチュエーターに 比べ位相可変範囲が拡大し、また低エンジン回転域、低温条件下においても位相 可変が可能となったことで、従来以上の高性能化や、アトキンソンサイクルの活 用による低燃費化、低温からの位相可変による低排出ガス化を達成している。 2007 年、吸気量を吸気バルブで直接コントロールする連続バルブリフト可変機 構「VALVEMATIC」を 3ZR-FAE に採用している。スロットルバルブによるポンピン グロスを低減することによる大幅な燃費向上、吸気量をよりシリンダーに近い吸 気バルブで制御することによるレスポンスの向上、バルブ周辺の流速向上に伴う 気流の乱れ促進による低排出ガス化を達成している。 2008 年には燃費、排気性能のさらなる改良を織込み、Euro5 規制に対応し、「ア ベンシス」「カローラ」などへの搭載を発表している。2AD-FTV は新開発アルミダ イキャストシリンダブロックの採用により軽量化を図りつつ、バランスシャフト による低騒音化、油圧ラッシュアジャスター付ローラーロッカーアーム採用での 低燃費化を実現している。また、2AD-FHV は上記基本構造を踏襲しつつ、DPNR を はじめ、トヨタ初のピエゾインジェクター、世界初の 180MPa 高圧噴射システム、 世界初の低圧縮比(15.8)などの新技術を採用している。

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2013 年には、クラウンハイブリッドにおいて、従来 3.5LV 型 6 気筒を搭載して きたが、さらなる低燃費化の要求にこたえるために 2.5L の直列 4 気筒のエンジン を開発した。燃料噴射系の高燃圧化(20Mpa)による燃料の微粒化及び燃料と空気 の均質化に加え、燃焼室・吸気ポート形状の見直しによるタンブル強化により燃 焼速度を速めることで熱効率の改善を図っている。また、吸排気可変バルブタイ ミングの作動領域を拡大することで、アトキンソンサイクルの効果を向上させ、 高応答 EGR バルブを採用することで EGR 量の最適化を行い、低燃費化を図ってい る。上記構成を採用することで、エンジンの熱効率が 38.5%に達成し、ハイブリ ッドシステムと相まって JC08 モード 23.2km/L という低燃費を実現している。 ⑤ 日産自動車 最近 10 年で特に注目する技術として、2010 年に量産乗用車世界初のデュアル インジェクターシステムを採用している点が挙げられる。通常のガソリンインジ ェクタは1気筒あたり 1 つ配置され2本の吸気ポートに向けて燃料を噴射するが、 本システムは各吸気ポート1つずつ、1 気筒あたり2つのインジェクターを配置 する構造である。これにより、燃料を霧状に噴射する際の燃料粒径を従来比で約 60%小さくすることで、燃焼の安定性を大幅に向上させている。 2011 年には、過給機としてスーパーチャージャーを採用して、ダウンサイジン グによる燃費向上と加速性能の向上を図っている。また、吸気弁の開閉時期を制 御することでミラーサイクルを行い、耐ノック性を向上させ圧縮比 12 という高圧 縮比を実現している。その他、カムの摺動部を凸形状とすることでバルブリフタ ーとの接触面積を小さくするカムシャフト鏡面クラウニング加工やチェーンガイ ド摺動部分へフッ素コートを施すことによりフリクションを低減して燃費向上を 図っている。 ⑥ 日野自動車 最近 10 年で特に注目する技術として、2004 年に日野自動車独自の“パルス EGR” を進化させた“電子制御パルス EGR”と、新開発の“高効率クール EGR”を組み合 わせた世界初の“コンバインド EGR システム”が挙げられる。この世界初のシス テムでは、高負荷時には“電子制御パルス EGR”を、軽負荷時には“高効率クール EGR”を適用することで冷却水への放熱量増加を抑えながら大量の排出ガス再循環を 実現している。これにより、冷却系の大容量化を最小限に抑え、NOx の大幅低減を可 能としている。また、“電子制御パルス EGR”の併用によって、燃費悪化を伴わずに 高負荷域の排出ガス再循環を達成している。 ⑦ 富士重工業 2006 年に発表の自然吸気エンジンでは、電子制御スロットルと AVCS(可変バル ブタイミング)を採用することにより、ストレスのないスムーズな走りと低燃費 を高次元で両立させている。一方、過給エンジンでは、インタークーラ付ターボ チャージャーにより、トルクを低速域からレスポンス良く発揮させ、走りと低燃

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費を高次元で両立させている。 また、2010 年には、1989 年「初代レガシィ」搭載のボクサーエンジン以来の新 型ボクサーエンジンを開発したと発表した。TGV(タンブルジェネレーションバル ブ)により、タンブル流を発生させ燃焼効率を改善し、吸排気 AVCS(可変バルブ タイミング)も採用することで、出力・燃費・排ガスといった性能を最大限に引 き出している。さらに、EGR クーラーを追加することで、燃焼温度を低下さて NOx 低減を図っている。また、ロングストローク化し、圧縮比も 10.2 から 10.5 に高 めている。 ⑧ 本田 2004 年に発表の吸気系装置は、2段階切替の VTEC(可変バルブタイミング・リ フト機構)に加え、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的 に制御する VTC(可変バルブタイミング・コントロール機構)を組み合わせてい るものである。 2005 年に発表のエンジンでは、走行状況に応じて低回転、高回転、気筒休止 の 3 段階のバルブ制御を行う「3 ステージ i-VTEC」を採用している。 2006 年の進化型 VTEC では、バルブのリフト量と開角を連続可変制御し、その 上で VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)による位相の連続可 変制御を組み合わせる構成である。これにより、中低負荷領域では、低リフトと し、早く閉じることでポンピングロスを低減して燃費を向上させている。

同社は、2011 年に、次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を発表した。 この技術は、アトキンソンサイクルによって耐ノック性を向上させて高圧縮比化 を図ることや大量 EGR によって NOx 低減とポンプロス低減を図ることで燃費を向 上させるものである。また、燃料噴射装置として、気化潜熱による冷却効果によ って耐ノック性を向上させて高圧縮比化を図る直噴システムを採用する。

2012 年には、この次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の1つである 「VTEC TURBO」エンジンを発表している。このエンジンは、高出力と 2014 年より 施行される「Euro6」への適合という高い環境性能を両立させている。 ⑨ マツダ 2010 年 10 月に SKYACTIVE-G と名づけたガソリンエンジンを発表した。このエ ンジンはデミオに搭載された直列 4 気筒 1.3L の直噴エンジンである。ガソリンエ ンジンとしては世界一の高圧縮比 14 を採用し、燃費性能を向上させている。高圧 縮比化による異常燃焼の対応としては分割燃料噴射による混合気のミキシングや 気化を促進し、気化潜熱によるガス温度低減、EGR クーラーによるノッキング抑 制を図るとともに、吸排気バルブタイミングによる有効圧縮比の制御やイオン電 流検出によるプレイグニッションの回避を図った。 また、ピストン頂部に球状キャビティの採用やスモールボア化により冷却損失 の低減等を図った。 SKYACTIVE-D と名づけたディーゼルエンジンも発表している。ディーゼルエン

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ジンとしては、世界一の低圧縮比 14 を実現したことで、NOx や PM を低減してい る。また、予混合型燃焼技術やインジェクターから噴射された燃料を拡散するエ ッグシェイプ燃焼室技術などにより予混合状態を実現している。

次期 SKYACTIVE の技術として、HCCI 燃焼を開発している。HCCI は、燃焼温度が 低いため有害な窒素酸化物や煤が殆ど発生せず、また高い圧縮比と希薄燃焼など により優れた熱効率を実現できる。HCCI 燃焼を実現することで、第 1 世代の SKYACTIVE-G から約 30%の燃費が改善できるとしている。 ⑩ 三菱自動車 最近 10 年で特に注目すべき技術として、MIVEC(可変バルブリフト調整機構、 可変バルブタイミング調整機構)やクランクシャフトなどが挙げられる。 特に、2010 年発表のディーゼルエンジンは、コモンレール式燃料噴射装置は 2,000bar まで可能とし、吸気弁片側低リフトによるスワール強化や有効圧縮比可 変による低温始動性確保を行っている。また、クランクシャフトの中心をシリン ダー中心ではない位置に配置することでフリクションを低減する工夫を図ってい る。2011 年発表のガソリンエンジンにおいては、吸気バルブタイミングとバルブ リフト量を SOHC のシンプルな構造で連続的に可変可能な新構造 MIVEC を採用して いる。 ⑪ 三菱ふそう 最近 10 年に特に注目すべき技術として、2004 年のディーゼルエンジンにおい て、MIQCS(ミックス)燃焼という同社独自の技術を採用して排出ガスのクリーン 化と燃費向上を実現している点である。具体的には、燃焼室の形状変更や燃料噴 射圧の高圧化、多噴孔インジェクターなどを採用して燃焼を最適化し、NOx 低減 による排出ガスのクリーン化と燃費向上を実現している。 2009 年、2011 年のディーゼルエンジンでは、X-PULSE(X-パルス:増圧式コ モンレールシステム)と呼ばれる高圧燃料噴射システムを採用し、燃料噴射の高 圧化と、燃料噴射率の可変コントロールを実現し、排出ガスのクリーン化と燃費 向上を図っている。 (2) サプライヤー ① デンソー ガソリンエンジンの可変バルブタイミングについては、2006 年に電動可変バルブ タイミングを開発し、従来のシステムでは制御が難しかったエンジンが低温や低回 転の場合における最適制御を可能としている。2009 年には両電極が凸(Two Tops) 構造である省燃費点火プラグをリリースしている。2012 年には 4~5 ミリあったオ フセットフィンのスリット幅を 1 ミリにまで微細化し、単位容積あたりの放熱量を 高め、また同等の性能で 30%の小型化を達成している。 ディーゼルエンジンの燃料噴射システムについては、2005 年にピエゾ(圧電)式 インジェクターを開発し、これまでのインジェクター噴射間隔の 4 分の 1 となる 1 万分の 1 秒まで短縮し、排出ガスの低減性能と共に、出力性能も向上させている。

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また、コモンレール式燃料噴射装置の高圧化に取組み、2013 年に 2500bar の世界最 高水準を実現し、クリーンディーゼル化の一翼を担っている。 こうした取組みを背景に、ガソリン噴射システムに搭載するインジェクターの世 界生産が累計 9 億本(2013 年 6 月時点)、フューエルポンプが累計 2 億 5 千万台(2013 年 1 月時点)に達している。インジェクターやフューエルポンプは日米欧、豪亜な ど世界 10 の国と地域で生産している。現在の世界シェアは、それぞれ約 20%であ り、グローバルでトップクラスの競争力を確保している。 また、同社は、今後もパワートレーンに関する部品の改良に取り組み、2020 年ま でにガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の燃費を 2013 年比で約 10%改善す る方針を明らかにしており、吸気から燃料供給、点火、排気までトータルに燃焼改 善を図ることで、目標達成に結びつけることを表明している。 2. 米国 (1)カーメーカー ①フォード 最近 10 年のエンジン開発を見ると、吸排気独立式可変バルブタイミング調整 (Ti-VCT)による『Duratec』エンジンによる量産ラインナップ整備を第 1 ステージ、 その後のパワーロス無し省燃費を目的とした過給、及び直噴の 2 アイテムによる 『ECOBOOST』エンジン開発の第 2 ステージからなっている。 いずれのエンジンも現在のフォードの中核を為しており、今後のダウンサイジン グ,省燃費のトレンドにのって、『ECOBOOST』エンジンへ移行していくことが窺える。 その動きが窺える例として、2011 年、FEV と共同開発した直噴・ターボ搭載の ECOBOOST エンジンと 6 速 DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を大幅採用 し、走行性能を保ちながら燃費を向上させる計画を発表している。 ディーゼルエンジンでは、2011 年、AVL と共同開発した高圧燃料噴射システムと シーケンシャルターボを搭載するエンジンを発表し、噴射圧の高圧化とターボラグ 解消および出力の確保の両立を図り、燃費と走行性能を向上させたエンジンを開発 している。 ② GM 最近 10 年のエンジン開発を見ると、可変バルブタイミング機構、ターボチャージ ャーを特徴とした『ECOTEC』エンジンに注力した開発を行っていることが窺える。 具体的には、2009 年の連邦倒産法適用申請後、再建に向けて多種多様であったエ ンジンスペックの統廃合を進め、新開発エンジンは、大きくは出力を落とさずダウ ンサインジングする方向性で開発を推進させている。 『ECOTEC』エンジンは第1世代から第3世代まであり、2004 年に第1世代、2007 年に第2世代、2013 年に第3世代を発表している。第1世代エンジンは、直噴シス テムに加えて、ターボラグの少ないスーパーチャージャーを搭載したエンジンとな っている。第2世代エンジンでは、直噴システムが 450bar から 2250bar までの高噴 射圧を可能としたエンジンとなっている。過給器においては、スーパーチャージャ

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ーに変えてツインスクロールターボチャージャーを採用することで燃費向上を図っ ている。また、可変動弁機構として、吸気側・排気側のバルブタイミングを独立し て連続的に変更可能なカムシャフトデュアル連続可変バルブタイミング機構を採用 している。 さらに、次世代のエンジンとして、2008 年に HCCI エンジンの試作車を発表する など、HCCI 燃焼など将来のエンジンに関する開発も積極的に行っていることが窺え る。 3. 欧州 (1)カーメーカー ①BMW 最近 10 年の開発状況を俯瞰すると、ガソリンエンジンにおいては直噴、可変吸 排気バルブ制御、リフト量制御、過給による省燃費・高出力化に取り組んでおり、 ディーゼルエンジンにおいては高圧燃料噴射制御,VG ターボによるエミッションの クリーン化とダウンサイジング,高出力化に取り組んでいる。 具体的には、2006 年に、3 気筒毎に 1 つの小型ターボを搭載するツインターボチ ャージャを搭載したエンジンを発表している。これにより、ターボラグの抑制と出 力向上の両立を図っている。また、従来の直噴エンジンとは違い、ピエゾインジェ クターを採用し、噴射圧力と応答性の向上を図っていることも特徴である。2007 年 には、『スプレーガイデッド直噴リーンバーン』エンジンを発表している。スプレー ガイデッド方式の特徴は、新開発したインジェクターで円錐(えんすい)状に燃料 を噴射し、その円錐状の燃料分布の側面に点火プラグを配置する独特な燃焼室形状 を持つことである。このスプレーガイデッド方式により、リーンバーンを実現し、 理論空燃比で運転する直噴エンジンよりも高い燃費改善効果を得ている。また、こ のエンジンを発表した当初、「自然吸気エンジンの直噴希薄燃焼化」と、「理論空燃 比での直噴ターボ」の採用を進め、究極的には「希薄燃焼の直噴ターボ」を目指す という方針を表明していたが、2012 年時点で新型 1 シリーズや 3 シリーズでは、い ずれも「自然吸気エンジンの直噴希薄燃焼化」から撤退し、「理論空燃比での直噴タ ーボ」のみとなっている。 ディーゼルエンジンについては、コモンレール式の高圧燃料噴射システムを採用 し、エンジン回転数に応じて過給圧を最適制御する大小2つのツインターボシステ ムを採用している。これにより、エミッションのクリーン化、ダウンサイジング、 高出力化を達成している。 ②ダイムラー 最近 10 年の特徴的なエンジンとしては、2006 年の「第2世代エンジン」、2010 年の「第3世代エンジン」、2012 年の「燃焼モード切替エンジン」、2013 年の「成層 燃焼リーンバーン+ターボ+EGR エンジン」の4つが挙げられる。 具体的には、第2世代エンジンに関しては、ガソリン直噴エンジンとしては世界 初となるピエゾ式インジェクターを採用したことが特徴的である。最大圧力 200bar であり、多段噴射にも対応している。また、BMW と同様に、スプレーガイデッド式

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を採用し、『スプレーガイデッド直噴リーンバーン』エンジンとしている。さらに、 大小の容量の違うターボを搭載している。 第3世代エンジンは、第2世代エンジンに、MSI(マルチスパーク・イグニッショ ン)を追加していることが特徴である。MSI は、1 千分の 1 秒以内(1 工程)に最大 4 回のスパークを発生させるシステムにより、従来よりも大きなプラズマ拡散を発 生、ピエゾインジェクターと併せて常に最適な燃焼を作り、燃料消費を約 4%低減 させている。 燃焼モード切替エンジンは、「成層燃焼(リーンバーン)」と「理論空燃比による 均質燃焼」と「成層燃焼と均質燃焼を組み合わせた均質成層燃焼」の各燃焼モード を切り替えるエンジンである。これにより、優れた燃焼効率と出力・トルクの向上 を実現している。 成層燃焼リーンバーン+ターボ+EGR を組み合わせたエンジンは、世界で初めて である。これにより、燃費と出力の向上を実現している。 ③ マン 2008 年のエンジンでは、Tier2 の排気ガス規制を満たすため、電子制御式インジ ェクターを搭載している。また、排気弁の開閉タイミングを制御することによって 燃費とエミッションを改善することを図っている。 さらに、2010 年のエンジンでは、大小2つの大きさの異なるターボチャージャー を搭載する2ステージターボを採用することで、ターボラグの解消および出力の向 上を図っている。 ④ スカニア 2011 年のディーゼルエンジンは、コモンレール式高圧燃料噴射弁、EGR、可変容 量型ターボを搭載したエンジンである。このエンジンは 2013 年 12 月 31 日に導入予 定の Euro6 に適合するように開発され、同社は 2011 年 3 月に、Euro6 に適合したト ラックを市場に供給した初めてのメーカーとなっている。Euro5 の 80%削減を達成 している。 ⑤ フォルクスワーゲン 最近 10 年の開発状況を俯瞰すると、ガソリンエンジンにおいて直噴燃料噴射制御 と過給システムの組合せから始まり、さらに気筒休止制御を加えた独自システムを 実現している。 特に、2006 年の TSI エンジンは、排気量を小さくすることで燃費を向上させ、排 気量を落とした分の出力を過給器で補うという『過給ダウンサイジング』エンジン の代表的なエンジンである。また、低い回転域はスーパーチャージャーが担当し、 高回転域ではターボに引き継ぐようにして、ターボラグを解消している点も特徴的 である。 2007 年の TSI エンジンは、ターボチャージャー+スーパーチャージャーによる過 給システムではなく、ターボチャージャーのみによるシングルチャージャーとなっ ている。タービン本体にいろいろな工夫を凝らすことでターボラグを低減させてい

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る。また、スーパーチャージャーが不要になることで低コスト化や車体軽量化を図 っている。 2012 年には通常のカムプロファイルとゼロリフト・プロファイルを切り替える吸 排気カムリフト可変機構による気筒休止システムを導入し、更なる省燃費向上、出 力向上を進化させたシステムを開発している。なお、直噴・4 気筒ターボ過給用と しては世界初である。 ⑥ ボルボ 1998 年フォードの買収以降、ガソリンエンジン開発をフォードと共に実施してお り、『ECOBOOST』エンジンシステムを実現している。 具体的には、吸排気独立式可変バルブタイミング調整(Ti-VCT)、過給、直噴の3 アイテムを特徴としたシステムである。なお、同社は 2010 年 7 月にフォードよりも 3 ヶ月先行して、『ECOBOOST』エンジンをリリースしている。 2010 年 8 月にフォード傘下から中国の浙江吉利控股集団(吉利汽車の親会社)傘 下へ入っている。 (2)サプライヤー ① コンチネンタル 最近 10 年の開発状況を俯瞰すると、インジェクターや過給器を主なアイテムと して、省燃費、高出力化、より高いクリーン化技術アイテムをリリースしている。 また、ガソリンエンジン特有のアイテムとして、点火系システムについても発表 している。 ガソリンエンジン用インジェクターに関しては、2008 年に、ピエゾ式による 燃料直接噴射の新技術を開発している。このピエゾ式インジェクターは、燃料噴 射ノズルの制御バルブを高速で開閉するだけでなく、燃料噴射量の正確な計量が 可能となっている。こうした利点を生かすことで、ガソリンエンジンで初めてス プレーガイド式の成層燃料プロセスを実現させ、従来システムに比べて燃費およ び排出ガスを 20%低減することに成功している。ディーゼルエンジン用インジェ クターに関しては、従来タイプと同様に、応答特性の優れるピエゾ素子を採用し た上で、弁の開閉方法などさらなる改良を行うことで「Euro6」を後処理装置なし にクリアすることに成功している。 ターボチャージャーに関しては、2009 年に、ガソリンエンジン用のターボチ ャージャーを初めて受注している。このターボチャージャーは、フォード「Focus」 の 3 気筒ガソリン直噴エンジン「EcoBoost」に採用されている。今後もターボチ ャージャー事業の拡大を目指す方針である。 点火系システムに関しては、2011 年、燃料チャンバー内の希薄混合気へ確実 に点火するシステムである CCI(Continuous Current Ignition)を開発しており、 これにより、触媒コンバーターが迅速に反応し、粒子排出削減・燃費向上を図っ ている。

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② ボッシュ 最近 10 年の開発状況を俯瞰すると、インジェクターや過給器を主なアイテムと して、省燃費、高出力化、より高いクリーン化技術アイテムをリリースしている。 ガソリンエンジン用インジェクターに関しては、2006 年に、ピエゾ式を採用し、 ガソリンエンジンの量産車に搭載されるのは世界初である。このピエゾ式インジ ェクターは、最大噴射圧 200bar で、高速で多くの回数の噴射を可能にしている。 なお、この世界初のガソリンエンジン用ピエゾ式インジェクターを最初に搭載し たのは、メルセデス CLS(スプレーガイド方式)である。ディーゼルエンジン用 インジェクターは、近年ますます高圧化されてきており、2011 年には 2,200bar、 2012 年には 2,500bar を実現している。

過給器に関しては、同社とマーレの合弁会社 Bosch Mahle Turbo Systems によ り、製造が行われている。また、製造している過給器の中には可変タービンジオ メトリも含まれている。 4. 韓国 (1)カーメーカー ①現代自動車 2009 年に、自社開発した初の直噴エンジンをリリースし、省燃費,排気ガス低 減を実現している。これにターボチャージャーを組合せ、さらに省燃費,排気ガ ス低減に繋げている。 2012 年に、ターボチャージャーは進化し、ツインスクロールターボチャージャ ーとインタークーラを追加して、出力・性能を向上させている。

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第2節 政策動向調査(排出ガス規制) ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、化石燃料を大量に消費することから、窒素 酸化物(以下、NOx)や粒子状物質(以下、PM)などの大気汚染物質や温室効果ガスであ る二酸化炭素の主要な排出源となっている。 このような状況のもと、日本、米国、欧州などの先進国や中国をはじめとする新興国 においても自動車の排出ガス規制や燃費規制が強化されてきている。 本節では、各国における排出ガス規制について記載し、第 3 節では燃費規制について 記載する。 1.日本 (1)ポスト新長期規制 日本では、2008 年 3 月告示の規制であり、従来までディーゼル車の規制はガソリン車 に比べて緩やかな規制となっていたが、当該規制によってガソリン車並の規制となった。 ディーゼル車においては、NOx と PM が新長期規制(ポスト新長期規制の前の規制)と 比較して 40-65%程度の削減が義務付けられている。また、該当車両は少ないが、NOx 触媒付ガソリン直噴車については、PM の削減基準が設けられることとなった。 (2)自動車 NOx・PM 法 大都市圏における NOx と PM による大気汚染を改善するための法律である。自動車から 排出される NOx と PM の総量削減基本方針・総量削減計画のほか、対策地域での車種規制 などが含まれ、対象地域内で登録された車両を規制するものとなっている。 (3)各自治体の条例によるディーゼル車規制 条例により独自のディーゼル車の走行規制を展開している自治体が存在する。 対象地域外で登録された車両であっても対象地域内での走行を規制するものである。主 な条例に、埼玉県生活環境保全条例、千葉県ディーゼル自動車排出ガス対策条例、東京 都環境確保条例、神奈川県生活環境保全条例、兵庫県生活環境保全条例がある。 (4)九都県市 低公害車指定制度 1996 年に自動車公害対策の一環として NOx などの排出量が少ない低公害な自動車を指 定し、九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さい たま市、相模原市)が率先して導入するとともに、低公害な自動車の導入を広く一般に 推奨する制度である。制度開始当初は、七都県市であったが、2003 年にさいたま市が加 わり、さらに 2010 年より相模原市が加わり、現在では九都県市となっている。 (5)京阪神7府県市 低排出ガス車指定制度 京阪神の7府県市(京都府、大阪府、兵庫県、京都市、大阪市、堺市、神戸市)が自 動車排出ガスによる大気汚染の改善を図るため導入している制度である。 排出ガス値が指定基準以下と認められた自動車を「LEV-7(低排出ガス車)」として指 定し、普及促進している制度である。

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2.米国

米国の排ガス規制には、大きく環境省(以下 EPA:Environmental Protection Agency) による連邦規制と、カリフォルニア州における規制がある。 以下では連邦規制とカリフォルニア州における規制とに分けて示す。 (1)連邦規制 乗用車の排ガス規制は、「Tier1」が始まりである。Tier1 の基準はカリフォルニア州 で 1989 年に導入された基準をベースとして決定された。Tier1 の基準は、HC を 0.41g/m、 NOx は 0.4g/m、そして CO は 3.4g/m であった。 さらに、1990 年改正法では、乗用車の排ガス規制に「Tier2」を提案している。Tier2 は、HC、NOx、CO を Tier1 からさらに 50%削減することを義務付けたものとなっている。 Tier2 は、2004 年新車モデルから効力を発することとされ、現在まで至っている。

また、EPA は連邦の現 Tier2 規制を強化する Tier3 規制を 2014 年から導入している。 Tier3 では、2017 年以降の規制値として、年間平均値としてのガソリン中の硫黄含有量 は 10ppm とした上で、ガソリンが市場に流通する前段階(製油所出口)で 80ppm 以下、 販売店入り口段階で 95ppm 以下に規制するとした。また、今回提示された Tier3 規制は 2017 年 1 月からの正式発行になるが、自動車からの排出ガス規制面及びガソリン性状面 の両面で、これまで独自に規制を行ってきたカリフォルニア州を含め、米国連邦全体が 統一された 1 つの基準の下で規制されることになり、ヨーロッパや日本、韓国及びカリ フォルニア州での規制値と同一レベルになったことになる。 EPA によると、新基準に対応するコストは、自動車 1 台当たり 72 ドル上昇するものの 燃費向上による燃料費削減や 2018 年時点及び 2020 年時点では多くの有害物質が削減さ れ、大気汚染が改善される効果として医療費削減が期待でき、最大で 67 億~190 億ドル /年の経済効果があるとしている。 (2)カリフォルニア州 カリフォルニア州は、連邦議会における 1990 年改正法の成立に先んじて、さらに一歩 厳しい規制を導入している。それは、1988 年カリフォルニア州大気汚染防止法であり、 それに基づいたカリフォルニア州大気資源局の 1990 年における規制ルールの決定であ る。 この新しい規制は、LEV(Low-Emission-vehicle)プログラムと称されるもので、軽量 車などから排出ガスを大幅に削減するための規制である。 LEV 規制の第 1 の特徴は、各々の自動車に同一の排ガス基準を遵守させるだけでなく、 自動車全体として平均値で遵守させるというアプローチをとっていることである。 この形式により、自動車メーカーはその生産する自動車製品にわたって排ガスの平均 値で遵守すれば良いというフレキシブリティを与えられている。

LEV 規制の第 2 の特徴は、ゼロ排ガス車規制(ZEV 規制)を含んでいることである。ZEV とは排気管を持たず排気しない自動車であり、事実上電気自動車、もしくは燃料電池自 動車である。カリフォルニア大気資源局(以下、CARB)はカリフォルニア州で自動車を 大量販売している米日 7 大メーカー(GM、フォード、クライスラー、トヨタ、日産、本 田、マツダ)に対して、1998 年からその乗用車とライト・トラックの販売台数の少なく とも 2%にあたる量を ZEV としなければならないと義務付けた。2001 年からは ZEV の販

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