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火力発電プラントにおける計算機制御システム

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Academic year: 2021

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特集 計算機制御システム ∪.D.C.占21.312.22.07:d81.323

火力発電プラントにお■ける計算機制御システム

ComputerControISYStemSforThermalPowerPlants 簡単なデータ ロガーに端を発した火力発電所の計算機システムは,プラント 起動・停止の全自動化を実現するまでに至っている。一方,最近の計算機技術 の発展.制御装置のディジタル化,知識工学の実用化には著しいものがあー), これらの技術に基づいて,プラント運用の多様化,運転の高信頼化実現の要求 にこたえ,監視・操作性を更に向上させることが可能となった。 このような状況を踏まえ,監視制御のいっそうの充実を目指しCRT画面に表 示された系統図上で当該機器を選択し操作するCRTによる運転操作,知識工学 の知識がなくても知識の構築を可能とする知識構築ツールを開発した。また, 光ディスクの利用によるプラントデータの長期保存,検索も可能とした。

言 日誌作表,運転の自動化,CRT(CathodeRayTube)によ る監視と,その機能を拡張してきた火力発電プラントでの計 算機システムは,燃料の多様化,中間負荷運用化などによる プラント運転の高度化によって新たな役割,機能を必要とさ れている。一方,制御装置のディジタル化,ディジタル伝送 の高速化・高度化,知識工学の実用化といった計算機技術, 計算機応用技術の最近の進歩には著しいものがある。 このような状況下にあって,日立製作所では,高精細CRT による機器操作(CRTオペレーションと呼称)をはじめとする マンマシン機能の充実・拡大,知識工学を応用したプラント 運転支援システムの開発などにより,計算制御システムの高 度化,ち密化を図っている。以下に計算機に求められている 新しい役割に対応した機能,ソフトウェアを中心に最新の計 算機制御システムを紹介する。

8

計算機の役割とシステム構成

計算機の役割の高度化,多様化を図lに示す。従来の記録, 監視,制御にそれぞれ対応する日誌作表,CRTによる監視情 報の提示,自動化・計算機直接制御といった機能が,計算機 関連技術の進歩を背景としてプラント運転にかかわるより高 度な要求に対応し拡大してきた。特に下記の3項目は,従来 のユニット計算機の機能にはない新たなものである。 (1)CRTによる運転操作(CRTオペレーション) (2)知識工学応用による運転支援 (3)プラントデータの長期保存及びその検索・有効利用 このような新しい機能を実現するための計算機システムの 構成を図2に示す。計算機システムはネットワークを中心に 構成されており,発電所レベルのステーションネットワーク

には管理周計算機,ユニット計算機,共通設備用計算機など

が接続される。また,下位のユニットレベルのプラントデー 鍛治 明* 月払Ⅶ鞄7g 阿部倫夫** 州)わo A∂g 松葉健司*** 胞わ∫肋ね〟∂α タネットワークにはユニット計算機とディジタル制御システ ムが接続される。各計算機はネットワーク上を流れる任意の プラントデータを読み込むことができる。ユニット計算機の 構成としては,CRTオペレーションを従来の機能とともに HIDIC V90シリーズの最上位機種に組み込んだ集中化構成, 及びCRTオペレーションの追設などの対応を考慮し,HIDIC V90シり-ズの中位機種複数台によって構成する分散化構成 を可能としている。エンジニアリングワークステーションに

紳俄、ノブトウ

機 能 の 同 度 化 知識工 学応用 よ る の【 臣亡

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操作 監 視 の多軸 日 誌 記 釜曇 制 御 計算

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作 表 パクト化 CRTによる運転・操作 長 期 保 タの デ の機械化ヒューマン 存検索 注:略語説明 CRT(CathodeRayT】be) 図l火力発電所における計算機の役割の高度化・高範囲化 火力発電所での計算機の役割はますます高度化・高範囲化Lている。 * 日立製作所大みか工場 ** 日立 ̄製作所日立工場 *** 日立製作所電力事業部

(2)

462 日立評論 VOL.70 No.5い988-5) 多機能端末 ラインプリンタ [コ ∠==7 入出力ループ 光ディスク 管理用 計算機 ステーションネットワーク 共通設備 用計算機 ゲート ウェイ 他ユニットヘ ゲート ウェイ 本店計算機 エンジニア ワークステーション ラインプリンタ ⊂〕 ∠==7 〔コ 2==7 中央制御室 プリンタ 大形スクリーン

[コ

⊂J グラフィックCRTs

カラー ハード コピー装置 入 出 力 ル ー プ 卜計算機 CRT オペレー ション 統括制御 マンマシン コミュニ ケーション 日誌作表 運転支援 計算機 プ ラ ン ー タ ネ ッ ト ワ ー ク プロセス入力処‡里 ステーション プロセス入力装置 ボイラ系統制御 ボイラ 制御 バーナ 制御 タービン系統制御 主タービン 制御 発電機 制御 BFP 制御 注:略語説明 BFP(ボイラ給水ポンプ) 図2 計算機システム構成図 高速プラントデータネットワークを中心に計算機や制御装置が有機的に結合する。 は,システムの保守機能を持たせており,プラントの運用の 変更などに応じて修正が必要となることの多いCRT画面,日 誌帳票フォーマット,運転自動化の手順,プラントデータ入 力仕様をワークステーションCRT画面上でプログラミングの 知識がな〈ても修正することができる。また,システムには 他社の制御装置,計算機が接続されることがあるが,種々標 準インタフェースを待ったゲートウェイにより,これらをネ ットワークに組み込むことを可能としている1)。計算機システ ムを構成する装置の特徴を表1に示す。

高機能マンマシン機器による運転操作

プラントの少人数運転に対応して操作,監視範囲のコンパ クト化がマンマシンコミュニケーションの重要な課題となっ てきている。これに対して,自動化の補完操作用又はバック アップとして設けられている操作スイッチ,設定器類の代わ りにCRTオペレーションを採用し,操作範囲をコンパクト化 することが行われつつある。したがって,CRTの表示及び操 作機能を,70ラントの単なる監視ではなく運転・操作の中心 としてとらえ,その機能の高度化を図ることが必要となって きた。CRTによる運転操作を実現するに当たっては,図3に 示すように,CRT操作回数の最小化,プラント状態把握の迅 速化,自動化及び制御の可視性強化,並びに監視・操作画面 の修正及び改編の簡易化といった課題を解決する必要がある。 (1)新しいマンマシン機器の導入 表l計算機システム構成機器の特徴 計算機システムを構成す る各計算機は,役割に対応Lた機能,特徴を持っている。 シ ス テ ム 特 ユ ツ ‡統 括 制 御 ・ネットワークによる制御装置との高速情 報交換 CRTオペレーション ・タッチスクリーンを利用した系統図画面 卜 計 算 上での操作 高度マ ンマシン ・プラント系統ベースの情報提示 機 ・大形スクリーンの援用 日 誌 作 表 ・事故解析日誌の強化 運 転 支 援 計 算 機 ・問題向き知識構築ツールの整備 ・プラントデータと知故データの結合 プロセス入力ステーション ・プラント監視データの高速取込み エンジニアワークステーション ・CRT作画・日誌フォーマットの定義 ・制御ロジックの保守 ・問題向き知識構築ツールによる知識ぺ-ス構築 管 王里 用 計 算 機 ・大容量光ディスクによるデータ長期保存 ・リレーショナルデータベースによる柔軟な検索 共通設備用計算機 ・共通設備情報をネットワークにより収集 70インチ,110インチと大形のスクリーンが中央制御室での 実用に耐えうる段階にきており,従来のように監視盤上の指 示計,記録計を読み取りにゆくことなく,離れた場所から複 数の運転員が同時に必要情報を集約した形で監視できるよう

(3)

課 題 CRT操作回数 の最小化 CRTによる運転 監視の実現

把捉の迅速化プラント状態 自動化・制御 の可視性強化 監視・操作画面の 構成定義簡易化 対 応 技 術 新しいマンマシン機器導入 (タッチスクリーン,大形スクリーン) 系統図をベースにしたCRTオペレー ション CRT画面をプラント系統により構造 化 警報,CRTオペレーションの関連表 示機能の充実 高速ネットワークによる制御詳細情 報の取込み及び表示 系統図ベースの監視操作項目選択及 びグルーピング 図3 マンマシンシステムの課題と対応技術 マンマシンシステ ムの役割の増大により,新たな課題の解決が必要となってきた。 プラントオーバービュー ドラム  ̄所与高畑 ̄こ l l 掛由 ¢,/一 高'ザ12KG: 匂T/′Tイ コヨKG L ホ○ンフ' 畑 T/H Kつ ボイラ制御

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〝・・・= 起動用軽油ポンプ 5⊃8■C 16ヨKG

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三j タービン別都 復水器 ●C KG CP T/H ⊥洲 ヒj  ̄- ̄▲ ̄ -「 l MJ ▲CG/ ● KT 荒 )【八 M㍍ ボイラ制御をタッチする。 ⑦ + 8T/H l之KG 点火用軽油ポンプ ヒータ自 ヒータB 重油ポンプ FDF

。7.。 / 1∈)T/H 3t∋KG G11F ミ:言:≦H Gト1Fギ、ンパ 節炭器 火力発電プラントにおける計算機制御システム 463 になってきた。また,CRTの操作には,キーボードを使用し てカーソルを移動させ,選択又はデータをキーインするのが 従来の方法であったが,感度が良〈信頼性にも優れた赤外線 方式によるタッチスクリーンの導入も可能となり,操作性を 著しく向上することが可能となった。 (2)系統図をベースにしたCRTオペレーション CRTオペレーションは,調節制御のステーション操作,弁 の開度設定操作,機器のオン・オフ操作をCRT表示画面及び 操作キーによって行うものである。これによr),監視操作盤 の大幅な縮小化が可能となるが,操作端画面を表示するまで のステップ数を少なくすることが課題となる。これを解決す るために,CRT系統図スクリーン上で操作対象機器をタッチ することにより,その操作画面を表示系統図の一領域にウイ ンドウ表示し操作可能とした。その一例を図4削)に示す。ま ず,プラント全体を監視するオーバービュー画面上でボイラ 制御の部分をタッチして選択する。このボイラ制御画面上で 主蒸気管ドレン弁をタッチすれば,画面左端にその操作画面 がウインドウ表示されることになる。したがって,同一画面 で系統図を監視しながら操作が可能である。また,系統図は 全体監視画面から,希望の部分をタッチすることにより詳細 ボイラ制御 E由匂3 主蒸気管 ドレンキ % % 卜1∪ 喜2 閃 C

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起動用掛由ポンプ 争 J- 甲 L 山一一-レィーーーーう 8T/H 121くG ■■ 点火用軽油ポンプ ヒ【 F9\ 】 \こ′ 重油ポンプ

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G卜1F:さ三石∈" G卜1[ダンパ 緑琵諾 図4 CRTオペレーション手順 系統図に基づいて機器の操作が 容易に可能である。 ※1)本図のCRT画面は,東京電力株式会社との共同研究「火力プラントの新自動化・集中化システムの開発研究+で使用したものである。

(4)

464 日立評論 VOL.70 No.5(1988-5) な系統図へ,逆に「上位画面+のキーを押すことにより上位 の系統図へ戻ることも容易にできる。 (3)CRT画面のプラント系統による構造化 監視用の画面には,系統図,トレンドグラフ,棒グラフ, 数値周期表示など幾つかの種類があるが,これらをプラント 系統により分類することによって,メニュー画面から検索す るという煩わしさをなくし容易に選択可能とした。図5に示 すようにタービン系統が選択されている場合,系統図を選択 すればタービン系統の系統図が表示される。同系統に複数枚 の系統図がある場合は,ページ前進・後退により一覧するこ とができる。また,同系統の棒グラフを見たい場合は,棒グ ラフの選択キーを押せばよい。ボイラ系統の系統図を表示す るときは,ボイラ系統を選択するだけでよいことになる。 (4)警報,CRTオペレーションの関連表示 複数台のCRTにより運転操作する場合,他のCRTに関連す る表示が簡単に表示できれば便利である。警報及びCRTオペ レーションの操作端にあらかじめ関連する表示画面を割り付 けておき,関連監視の選択キーによりそれらを呼び出すこと ができる。 (5)高速ネットワークによる制御詳細情報の収集・表示 高速ネットワークにより制御装置から詳細な情報を受け取 り,制御の進行状況,不具合情報などをCRTに表示する。こ れによ-),自動化や制御の動きの可視化が可能となる。 (6)系統図上で監視操作項目選択 トレンドグラフ表示項目の選択などの監視グループの構成, CRTオペレーションの操作端の組合せは,従来,入出力点リ ストを参照し,希望する入力点や操作端を探し出すという方 法を採っていた。このような煩雑さを取り除き,入力点番号 を意識せず,系統図上で入力点を選択することにより,監視 グループの構成,CRTオペレーション操作端の組合せを決め ることを可能にする。 表示形式選択ボタン 棒グラフ 表示 抑紺 プラント系統選択ボタン ン ビ統 一系 々′ 発電横 糸統 系統図 表示

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トレンド グラフ表示 「ボイラ系統+選択 X-Yプロット 表示

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回蓋

図5 系統選択と監視手段選択による画面要求操作の効率化 プラント系統選択ボタンと表示形式選択ボタンによって,希望の情報 を迅速に得ることができる。 凸 知識工学応用による運転支援の強化 火力発電所の運転は,高効率運転の追求や燃料の多様化対 応によr),ますます高度な技術を要求するものとなってきて いる。また,自動化が進んだ現在でもプラント異常時の対応 には,豊富な運転ノウハウが必要である。これらの課題に, 最近の知識工学を適用した運転支援システムを構築すること によってこたえることが可能となってきた。この運転支援シ ステムを支える対応技術を図6に示した。知識構築ツール2) EUREKA-Ⅱ(ElectronicUnderstandingandReasoningby KnowledgeActivation-Ⅱ)は,HIDICシリーズ制御用計算機 で,エキスパートシステムの構築を可能とするもので,リア ルタイム性,オンライン処理との結合に優れている。また, 異常診断などのフォールトトリーにより整理されている知識 の構築を容易にするとともに,あいまい性を取り扱うファジ ィ推論※2)を組み込んだ火力分野向けの知識構築ツールも持っ てお-),プラントエンジニアでも知識の構築が可能である。 運転支援システムの機能については,異常監視,診断,最 適運転と種々あるが),ここでは,これらの知識を構築するた めのフォールトトリーに基づいた知識構築ツールHITREX (HitachiTreeBasedRealtimeExpertSystem)について紹 介する。従来,知識を構築するには,フレームと呼ばれる構 造化された事実知乱及びif条件部,then実行部の形式で表現 されたルール知識を定義する必要があり,ある程度知識工学 に関する専門知識を要した。また,プラントのデータを知識 として利用するには,それに対応したプログラムの作成が必 要であった。これらの問題を解決するために,下記の2点を 考慮して,図7に示すようにEUREKA-Ⅱの外側に設けたソフ トウェアがHITREXである。 (1)オンラインデータベースとの結合を自動的に行う。 (2)ナレッジエンジニアを必要とせず,プラントエンジニア でもフォールトトリーに基づいた知識構築を可能とする。 プラントエンジニアは園8鞋3)に示すように,CRT画面上で 知識工学 の発展

火力発電所運 用の多様化・ 高度化

亡〉

運転支援 システム

口運転ノウハウ

の確保・伝承 対 応 技 1.知識構築ツール (EUREKA-ⅠⅠ) 2.フォールトトリーによ る知識構築 3.ファジィ推論の組込み 4.本体・制御装置技術の 蓄積 注:略語説明 EUREKA-ⅠⅠ(E!eotronicU[derstand巾andReasoning by Know】edge Activation-Ⅰり 図6 運転支援システム対応技術 火力発電所運用の多様化・高 度化に従い運転支援システムがクローズアップされてきた。 ※2)ファジィ推論二高い,重いといった定性的な事実を基にした 経験則を扱うのに適した推論方法である。

(5)

火力発電プラントにおける計算機制御システム 465 フォールトトリーを簡単に構成可能である。また,トリーの 各ブロックの定義は該当ブロックをタッチすることによって, 定義用のウインドウが表れる。ここでプラントデータ識別番 号(入力点番号)を用いて異常の定義をすれば,自動的に知識 ベースが生成されるとともに,知識ベースセプラントデータ ベースを結合するマッピングテーブルが作成される。したが って,70ラントエンジニアは,ルール,フレームといった知 識工学の知識なしで,フォールトトリーに基づいた知識を構 築することができる。構築された知識は異常予知,異常解析 の推論に組み込まれ,異常診断システムとして機能すること になる。 図9瀬3)は,異常診断システムが異常を予知したときに,運 転員に提示されるCRT表示例の写真である。異常波及の推定 をトリーにより表示すると同時に,異常要因及び対応処置の ガイドメッセージも表示される。また,関連のプラントデー タのトレンドグラフ表示により,運転員はプラントの動きを 視覚的に理解できる。異常の波及進行は,波及が予想される 最左端のブロックの色を変えることによって理解できるよう にしている。 HITREXでは,ファジィ推論をCRT画面から定義する仕組 みも用意しており,制御,最適化への対応も可能である。 なお,東京電力株式会社とは,共同研究「火力プラントの 新自動化・集中化システムの開発研究+において,運転支援 システムの研究を進めてお-),HITREXを使用して知識を構 築する予定である。 プラントデータベース

「 ̄

(オンライン系)・I---1-(知識構築系)

。フラントエンジニア 関数 テーブル 図8 フォールトトリー構成例 フォールトトリーをCRT画面上で 描くことによって,知識が構築される。

発電所管理の機械化,OA化

計算機の高速化や処理可能データ量の増大によI),運転管 理業務の機械化,OA(OfficeAutomation)化に計算機が導入 されるようになってきた4)。 管理用計算機の機能及びそれを支える技術を図川に示す。 管理用計算機では,各ユニット計算機からのデータを高速かつ 多量に取り込むと同時に,環境データ,共通設備データもプロ セス入力装置を介して取り込んでいる。環境管理,共通設備管 プラントモデル 推 論 統 括 推論支援 ソフトウェア マッピング テーブル カア70リケーション 構築ツール

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ナレッジエンジニア インタフェース

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プラントデータ マッピング機構 プラントモデル インタフェース プラントデータインタフェース 知 識 獲 得

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ム ー 1 1 l _.__⊥____ 知識ベース 推 論 機 構 7うント監視 知識ベース

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卜‖TREX 火力運転員 インタフェース

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運 転 員

(知識構築系)-l一(オンライン系)

図7 フォールトトリーベース知識処理システム 従来ナレッジエンジニアという専門家によって行われていた知識構築を,プラントエンジニ アでも可能とする。 ※3)図8,9に示すCRT表示画面上の異常診断に関する知識は,東京電力株式会社との共同研究「火力プラントの新自動化・集中化シ ステムの開発研究運転支援システム+に基づいたものである。

(6)

466 日立評論 VOL.70 No.5(柑88-5) 図9 運転ガイダンスフォーマット例 プラントの異異を予知す ると,関連フォールトトリーとともにガイドメッセージ,トレンドグラ フが一画面に表示される。 環境データ 収集 データ分析 調査 履歴 データ 収毒責 履歴 データ 検索 共通設備データ 収集 統計処王里 l ll ll l ユニ‥ソト計算 l J I l ● l 実績記録, 機アーク収集 l l l ll ll レポート作成 磁 ディスク 光ディスク 磁 気 ディスク C R T表示 印寸ナ

「=

高速 ネットワーク + 一対応ハードウェア及び技術--光ディスク リレーショナルデータベース インテリジェント端末 レーザビームプリンタ _

+

図10 管理用計算機の機能 大容量ディスク,光ディスクの利用に よってプラントデータの履歴収録及び検索が可能となってきた。 理に別置の計算機がある場合は,それらの計算機はユニット計 算機と同様にデータ伝送によりデータの授受を行うことにな る。取り込んだデータは,一時的に磁気ディスクに格納後,長 期保存データとして大容量の光ディスクに保存される。また, 履歴データの検索時も,いったん磁気ディスクに関連ファイル を転送し,データの加工・編集を行うことによって高応答性を 確保している。検索されたデータは下記のように利用される。 (1)データ分析・調査 異なる起動時,異なるユニット問の振動などの主要パラメ ータ比較,指定したプラント条件での関連データ収集など。 (2)統計処理 起動・停止損失一停止時問の相関分析,Ⅹ▼R管理図による 経年変化分析など。 (3)実績記録,レポート作成 発電実績集計,性能試験データ集計など。 上記処理を施されたデータは,高精細カラーCRT,高速の 1号中央操作室 ハードコピー装置 カラーCRT

+

キーポート

-1

Ⅳ号中央操作室 カラー ハードコピー装置 カラーCRT

+

キーポー

d

レーザビーム プリンタ

+

インテリ ジェント 端末

+

周辺機器装置用ネットワーク 中央処理装置 フロツビー チイスク 磁気ディスク カセット テープ 光ディスク 発電所内プラントデータネットワーク ゲートウェイ 1号 ユニット計算機 ゲートウェイ Ⅳ号 ゲートウェイ ゲートウェイ ユニット計算機 共通設備計算機環境管理計算機 図Il管理用計算機システム構成 発電所内ネットワークを介して, 各ユニット計算機からデータを収集する。 レーザビームプ】ノンタへ定型フォーマットで出力される。ま た,インテリジェント端末を利用して非定型フォーマット出 力も可能である。 管理用計算機のシステム構成を図Ilに示す。周辺機器装置 用ネットワークに端末を接続することによって,種々の場所 でプラント履歴データの編集・加工・出力が可能である。

結 言 火力発電所の計算機システムの新しい機能を中心に紹介し たが,自動化,ソフトウェア保守ツールなどの火力発電所向 けに開発されてきた多くのソフトウェアも,マンマシン機器 の性能,機能向上に対応して,自動化メッセージの詳細化・ ち密化,音声告知機能の充実など,より使いやすく,役にた つ機能の実現へと改善されてきている。 今後も計算機関連の技術は,ハードウェア,ソフトウェア の両面にわたって進歩,発展してゆくが,それらの技術を的 確に評価し取り入れることによって,火力発電所計算機シス テムの機能の充実,拡大を図ってゆ〈考えである。 参考文献 1)鈴木,外:火力発電所における最近の制御技術,火力原子力発 電,39,3,45-55(昭63-3) 2)増井,外:知識処理のための推論ソフトウェア,日立評論,67, 12,939-944(昭60-12) 3)二川原,外:火力発電設備の運転支援システム,日立評論,69, 10,953-959(昭62-10) 4)山口,外:東京電力株式会社富津火力発電所火力発電所管理 用計算機システム 日立評論,69,10,961∼966(昭62-10)

参照

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