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高齢者肺癌に対する放射線治療による障害発生に関する臨床的検討

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Academic year: 2021

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Title

高齢者肺癌に対する放射線治療による障害発生に関する臨

床的検討( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

林, 真也

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第954号

Issue Date

1995-02-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15327

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 林 真 也(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 954

平成 7

2

月15

学位規則第4条第2項該当

高齢者肺癌に対する放射線治療による障害発生に関する臨床的検討

(主査)教授 土

偉 誉 (副査)教授

鹿

瀬 一 教授 宮 田 英 雄 論 文 内 容 の

高齢者肺癌を対象として放射線治療を行う場合,高齢者は全身および局所の正常組織の耐容線量の低下がみら れ,部位によっては障害との関連で十分な線量が照射できないことがある。また照射野の設定にあたり治療に対 する許容度が低く,大照射野が取りにくい。とくに肺への照射において,高齢者では致命的な放射線肺炎および それに続発する呼吸機能の低下を防ぐため総線圭を通常より減量したり,照射野面積を狭くするような提案はあ るが,いずれも臨床例の集積による総括的な研究は少ない。そこで申請者は高齢者肺癌に対する放射線治療によ

る肺障害発生について有用な指標を探るため米国のRTOG(Radiation Therapy Oncology Group)によるス

コアーを用い総線量,TDF(生物学的等価線量),照射面積およびTDFX照射面積を指標にとり障害との関係を retrospectiveに検討を行った。またその他の障害についても分析を行い高齢者肺癌に対する放射線治療の配慮す るべき点と高齢者肺癌の特異性をも検討した。 研究対象 1981年1月から1992年12月までの過去11年間に癌研究会附属病院で放射線治療が施行された非切除の非小細胞 肺癌212例中75歳以上の高齢者63例(29.7%)を対象とした。 研究方法 1.放射線治療は4MVライナック装置を用い,照射野面横は全例,個々の位置決め写真より計測した。また57 %が最初設定の大きな照射野で照射され途中で縮小照射野とするshrinkingfirldtechniqueが用いられたので 最初の大きな照射野を大照射野,また縮小照射野を小照射野と呼びそれぞれの位置決め写真より照射野面積を 求めた。 2・肺障害の判定は急性障害はRTOGスコアーで評価し,晩期障害はRTOq/EORTC(RadiationTherapy

Oncology Group/European Organization for Research and Treatment of Cancer Study)によるスコ

ア一にて判定した。また食道および血液障害もRTOG,RTOG/EORTCスコアーにて判定した。 3.障害発生因子として総線急TDF,肺の大照射野との関係を分析した。また途中で照射野が縮小される例 もあるので,全ての照射面積が反映されるような指標としてTDFX肺照射野面穣(肺の大照射野面積×大照 射野でのTDF+肺の小照射野面穣×小照射野でのTDF)を用いた。食道障害の発生因子としては総線急 TDF,縦隔照射野の縦径およびTDFX縦隔照射野の縦径で分析した。

4・単変圭の統計的検討はx2検定を用いた。生存率の算定にはKaplan-Meier法を用い,一般化Wilcoxon法に

より有意差検定を行った。 125

(3)

研究結果 1.高齢者肺癌の肺障害発生の指標としてTDFX肺照射野面績が急性肺障害では7000以上,慢性肺障害では 6500以上の値で有意に起こりやすく肺障害発生の指標としてTDFX照射野面横は有用であることが示唆され た。また慢性肺障害においてはTDFlOO以上で障害が起きやすく指標として有用と思われた。 2.急性食道障害はTDFllO以上縦隔照射野の縦径が11cm以上あるいはTDFX縦隔照射野の縦径の値が600以 上で有意に障害がおこり,発生の指標としては有用と考えられたがいずれもRTOGスコアーGrade2以下の軽度 の障害であった。慢性食道障害は今回の検討では発生しなかった。 3.高齢者肺癌のⅠ,Ⅱ期の生存期間中央値は19カ凡 5年生存率は21.4%,Ⅲ期の生存期間中央値は12カ月, 1年生存率亜.1%,Ⅳ期の生存期間中央値は5カ月,1年生存率16.1%であった。同時期に放射線治療された非 高齢者(75歳未満)と病期別の検討では治療成績に差を認めず放射線治療では必ずしも高齢であることが予後因 子とはなりえないと考えられた。 4.照射前後でのPerformanceStatusは78%の症例で変わらなかった。また44%の症例は外来にて放射線治療 遂行可能であり高齢者にとってQuality of Lifeの点で放射線治療は有用と思われた。

論文審査の結果の要旨

申請者 林真也は,高齢者(75歳以上)における非小細胞肺癌の放射線治療経過を追跡し,放射線照射に起因 する各種障害発生の因子を分析した。その結果特に発生頻度が高い急性肺障害ではTDFX肺照射野面積が, 慢性肺障害ではTDF(生物学的等価線量)およびTDFX肺照射野面積が最も有効な指標となることを明らかに した○また放射線治療衡羊PS(performancestatus)の悪化をみたのは僅か11%であり,高齢者肺癌に対する 放射線治療の安全性を証明した。本研究の成果は放射線治療学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 高齢者肺癌に対する放射線治療による障害発生に関する臨床的検討 岐阜大医紀 43(1):89∼98,1995 126

参照

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