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第23章 電流と電気抵抗 (11/20)

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(1)
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電流

導体に電源をつなぐと、導体内に 電界が生じて自由電子が移動する。 この電荷の流れを電流という。電流 の強さ I は、流れに垂直な断面を単 位時間あたりに通過する電荷の量 で表す。 微少な時間 t の間に通過した電 荷を Q とすると、電流 I は、 となる。 電流の単位は[A(アンペア)]であ り、定義より、 1[A] = 1[C/s] となる。 逆に、ある時間 t に移動する電荷 Q は、電流を積分することで得られ る。 特に、時間によって向きや大きさ が変わらない電流を定常電流と言う。 0 d lim d t Q Q I t t              Q t I 電 子 の 動 く 向 き と 電 流 の向きは逆 時間 t 電流 I I(t) 1 0 ( ) t t Q

I t dt t0 t1

(3)

導体中での自由電子のふるまい

導体内に電界があると、自由電子 は導体内の陽イオンにランダムに当 たりながらも、電界と逆の方向に移 動する。この時の平均速度をドリフト 速度と言う。 断面積S[m2]の導線の中を、ドリフ ト速度v[m/s]の自由電子が移動する とき、体積vS[m3]の中の自由電子が 1秒間にSの断面を通過したことにな る。単位体積あたりの自由電子数を n[個/m3]とすると、移動した総電子 数はnvS[個]となり、自由電子1個の 電荷をe[C]とすると、1秒間にある 断面を通過する電荷はenvS[C]と なり、これより電流Iは、次式となる。 I = envS 電界 ドリフト速度 平均化された自由電子 E v S      

(4)

自由電子のドリフト速度

導体の両端に電圧 V[V]を加える と、導体の内部に電界 E が発生する。 導体中の自由電子は、この電界と 反対方向の力 F を受け、 の加速度が生じる。このため、ドリフ ト速度 v[m/s]は、 となる。陽イオンに衝突して止まるま での時間を  [s]とすると、衝突直前 の速度は、 となり、平均であるドリフト速度 v は、 平均化された自由電子 E v eVVS       [V/m] V E  [N] eV F ma   2e [m/s] v V m   2 [m/s ] eV a m   [m/s] eV v t m   [m/s] eV v m   

(5)

導体の電気抵抗

導体中の自由電子のドリフト速度 v[m/s]は、 となり、これを先の電流の式 に代入すると、導体中を流れる電流 I[A]は、 となる。ここで、 とすると、導体中の抵抗 R は、 から、 となる。 は導体の種類や温度で決 まり、導体の長さおよび断面積あた りの抵抗を表す。これを電気抵抗率 という。 平均化された自由電子 E v eVVS       2e [m/s] v V m   [A] I envS 2 2e e nS2 I enS V V mm                  2 2m e n    V R I  2 2 V m R I e nSS                 2 [Ω] [m ] [Ωm] [m] R S    

(6)

各物質の電気抵抗率

物 質 抵抗率[m] 物 質 抵抗率[m] 酸化物高温超伝導体 (YBa2Cu3O7) 0.5~5×10-4 炭素 3.50×10-5 ゲルマニウム(Ge) 4.60×101 銀 1.59×108 ケイ素(Si) 6.40×102 銅 1.68×108 水(純水) 2.5×105 アルミニウム 2.82×108 ポリ塩化ビニール 1091012 ナトリウム(0℃) 4.74×108 天然ゴム 10121015 ニッケル 6.99×108 パラフィン 10141017 タングステン 5.60×108 ガラス 10101014 鉄 1.00×107 ポリエチレン 10151017 ニクロム(Ni、Fe、Cr) 1.50×106 表示温度のない物質の温度は20℃

(7)

抵抗の温度依存性

金属の温度が上昇すると、原子の 振動が激しくなり、衝突するまでの 時間  が短くなり、電子の平均速度 が小さくなる。抵抗率でみると、抵抗 率は温度 T[℃] の関数となり、 となる。ここで、0 は温度が20[℃]の 時の抵抗率、 は抵抗温度係数と いう。 0{1 (T 20)}     物質 抵抗温度係数[/℃]3.8×10-3 銅 3.9×10-3 金 3.4×10-3 アルミニウム 3.9×10-3 タングステン 4.5×10-3 鉄 5.0×10-3 ニクロム 0.4×10-3 炭素 0.5×10-3 ゲルマニウム 4.8×10-2 シリコン 7.5×10-2 サーミスター 4.4×10-2 半導体はもともと電流が流れにくい ため、温度上昇により陽イオンの振 動が激しくなり、自由電子の数が増 えることがある。そのため、逆に抵 抗が減少する。

(8)

電気的エネルギーと電力

微小時間 dt において電気が行う 仕事 dW は電気のエネルギー qEd を用いて、 で表される。一般にdW / dtの代わり に、単位時間当たりの電気エネル ギーの消費量 P[J/s = W]を用い、こ れを電力という。ここに、 を代入すると、 となる。 電気回路で消費される電力は抵 抗などで熱に変換される。この変換 された熱をジュール熱という。 d( ) d dWtqEddt d dq I tV Ed d d dW dq P Ed IV t t    

(9)

抵抗の直列・並列接続

合成抵抗 R は、 合成抵抗 R は、 V V1 V2 V I R1 R2 R2 R1 I I1 I2 1 1 2 2 1 2 1 2 ( 1 2) V R I V R I V V V R I R I R R I         , 1 2 R R R  1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 1 V V I I R R I I I V V V R R R R                   , 1 2 1 1 1 R R R 

(10)

キルヒホッフの法則

3つ以上の導線の交点を分岐点、分岐点 から隣の分岐点までの間を分岐路という。 1つの分岐点に出入りする電流の代数和 は0である。 分岐路が集まってできる輪になった回路を 網目という。網目の中の各分岐路の抵抗と 電流の積(RiIi)の代数和は、網目の中にあ る起電力の代数和と等しい。 第1法則 回路中の分岐点 第2法則 回路中の網目 I1 I2 I3 I 4 I5 R1 R2 I1 I2 I3 R1 R2 R3 V1 V2 5 1 2 ( 3) 4 ( ) 0 I I  I   I I  0 i I 

1 1 ( 2 2) 3 3 1 ( 2) R I  R IR I   V V i i i R IV

(11)

キルヒホッフの法則の必要な例

回路に流れる電流を図のように定 義する。未知数が3個なので、3つ の連立方程式を立てればよい。 点Bに第1法則を適用すると、1) また、ABCD、ABD、BCDの3つの 閉 回 路 が あ る が 、 こ こ で はABDと ABCDの2つをとりあげる。閉回路 ABDに第2法則を適用すると、 (2) 閉回路ABCDでは、3) これら3本の連立方程式を解くこと で電流I1I3を求めることができる。 式(1)~(3)をまとめると、 よって、電流I1I3は、 を解けばよい。 A B C D V1 V2 I1 I2 I3 R1 R2 R3 1 2 3 0 I I  I 1 1 3 3 1 R I R I V 1 1 2 2 1 2 R I R I  V V 1 1 3 2 1 3 1 2 1 2 1 1 1 0 0 0 I R R I V I V V R R                                                    1 1 2 1 3 1 3 1 2 1 2 1 1 1 0 0 0 I I R R V I R R V V                                                    

(12)

3×3行列の逆行列

について、 のとき、逆行列が存在し、 11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a A a a a a a a                11 22 33 21 32 13 31 12 23 11 32 23 31 22 13 21 12 33 0 det A a a a a a aa a aa a aa a aa a a  22 33 23 32 32 13 33 12 12 23 13 22 1 23 31 21 33 33 11 31 13 13 21 11 23 21 32 22 31 31 12 32 11 11 22 12 21 1 det a a a a a a a a a a a a A a a a a a a a a a a a a A a a a a a a a a a a a a                   11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a 11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a + + +    11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a 11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a det 11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a a23a31  a21a33 11 12 13 21 22 23 31 32 33 a a a a a a a a a 11 12 21 22 31 32 a a a a a a 11 12 13 21 22 23 a a a a a a 1121 1222 a a a a

(13)

キルヒホッフの法則の必要な例

なので、逆行列が存在し、 よって、 より、 1 3 1 2 2 3 3 1 1 2 1 1 1 0 0 det R R R R R R R R R R                      2 1 3 1 2 1 1 2 2 3 3 1 R V R V V I R R R R R R          1 2 3 1 2 2 1 2 2 3 3 1 RV R V V I R R R R R R            1 2 2 1 3 1 2 2 3 3 1 RV R V I R R R R R R   1 2 3 2 3 1 3 1 3 1 1 3 1 2 2 3 3 1 1 2 1 2 1 2 1 1 1 1 1 0 0 R R R R R R R R R R R R R R R R R R R R R R R R                                            2 3 2 3 1 2 1 3 1 1 3 1 1 2 2 3 3 1 3 1 2 1 2 1 1 2 0 1 R R R R I I R R R R R V R R R R R R I R R R R R V V                                                      

(14)

ホイートストンブリッジ回路

(1) 分岐電流による解法 m個の分岐路とn個の分岐点を持 つ回路で全ての分岐電流が未知の 場合は、(n  1)個の分岐点とN = m  (n  1)個の独立な網目を適当に 選び、合計m個の Ii = 0 と RiIi = Vi を作れば、未知電流を求めるこ とができる。 独立な4  1 = 3個の分岐点として、 独立な6  (4  1) = 3個の網目とし て、 これら6つの連立方程式を解けば、 I1I5Iを得ることができる。 A R1 R2 R4 R3 I1 I2 I4 I3 I5 R5 B C D V Ⅰ Ⅱ Ⅲ I 5 1 4 1 2 5 2 3 0 0 0 A B C I I I I I I I I I          5 5 1 1 2 2 5 5 3 3 4 4 2 2 3 3 0 0 R I R I R I R I R I R I R I R I V          Ⅰ Ⅱ Ⅲ

(15)

ホイートストンブリッジ回路

(2) 網目電流による解法 m個の分岐路とn個の分岐点を持 つ回路でN = m  (n  1)個の独立 な網目電流を考える。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに流 れる網目電流をそれぞれ、I1'、I2'、 I3'とすると、 これらを使って第2法則を表すと、 これらを網目電流についてまとめる と、 A R1 R2 R4 R3 I1 I2 I4 I3 I5 R5 B C D V Ⅱ Ⅲ I 1 1 2 1 3 5 1 2 3 2 3 4 2 5 1 2 2 1 3 3 2 3 0 0 ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' R I R I I R I I R I I R I R I I R I I R I I V                                                        Ⅰ Ⅱ Ⅲ I1' I2' I3' 2 1 3 1 1 3 2 3 4 2 5 1 2 3 ' ' ' ' ' ' ' ' ' I I I I I I I I I I I I I I I          Ⅰ

(16)

ホイートストンブリッジ回路

これら3つの連立方程式を解けば、 I1I5Iを得ることができる。 また、 ただし、 より、R1R3 = R2R4 のとき、I5 = 0 と なる。 A R1 R2 R4 R3 I1 I2 I4 I3 I5 R5 B C D VI I1' I2' I3' 2 4 1 3 5 R R R R IV 5 5 1 2 1 2 2 3 5 1 3 4 5 2 3 3 2 1 3 2 2 3 3 0 0 ' ' ' ' ' ' ' ' ' R R R I R I R I R I R R R I R I R I R I R R I V                                   Ⅰ Ⅱ Ⅲ 1 4 2 3 2 3 1 4 5 1 4 2 3 R R R R R R R R R R R R R                                Ⅱ Ⅰ

(17)

ホイートストンブリッジ回路

1 5 5 1 2 2 5 3 4 5 3 2 2 3 2 3 3 0 0 ' ' ' I R R R R R R R R R R I V R R R R I                                            5 5 1 2 1 2 2 3 5 1 3 4 5 2 3 3 2 1 3 2 2 3 3 0 0 ' ' ' ' ' ' ' ' ' R R R I R I R I R I R R R I R I R I R I R R I V                                   Ⅰ Ⅱ Ⅲ 1 1 1 2 5 5 2 5 5 2 3 4 3 2 3 2 3 3 0 0 ' ' ' I R R R R R I R R R R R V R R R R I                                           これを行列の形で書き直すと、 各網目電流は、逆行列を用いることで求めることができる。

(18)

図のような回路の場合、電源V1お よびV2のみの回路について解く。 V1のみの回路の場合、R3に流れる 電流I3は、 V2のみの回路の場合、R3に流れる 電流I3は、 よって、

重ね合わせの原理

電源を複数もつ回路において、任 意の点の電流や電圧は、それぞれ の電源が単独で存在していたときの 和に等しい。これを重ね合わせの原 理という。 A B C D V1 V2 I1 I2 I3 R1 R2 R3 V1 V2 1 2 31 2 3 1 2 3/( 2 3) V R I R R R R R R R     R1 R2 R3 R1R3 R2 2 1 32 3 1 2 3 1/( 3 1) V R I R R R R R R R     3 31 32 2 1 1 2 1 2 2 3 3 1 I I I R V RV R R R R R R    

(19)

Y(デルタスター)変換

接続とY接続のそれぞれ で、IAIBICVAVBVCで 表し、これらが恒等式となる ように係数を求める。 これらを解くと、 1 3 A A C O A B A a V V V V V V I R R R       1 2 1 2 3 b R R R R R R 2 3 1 2 3 c R R R R R R R1 R2 R3 Ra Rb Rc A B C A B C IA IA IB IC IB IC VA VB VC VA VB VC 2 1 B C A B B O B b V V V V V V I R R R       3 2 A B C C C O C c V V V V V V I R R R       VO 0 A O B O C O a b c V V V V V V R R R       3 1 1 2 3 a R R R R R R 1 a b b c c a c R R R R R R R R    2 a b b c c a a R R R R R R R R    3 a b b c c a b R R R R R R R R    y R R R R   

opposite R R R R  

 

(20)

ホイートストンブリッジの

Y変換

ホイートストンブリッジのR1R2R5 からなる網目をY変換することで、 RARBRCからなる等価回路に変 換することができる。この結果、回路 は単純な直並列回路にすることがで きるため、各部の電流が容易に計 算することができる。 I = IB = I3 + I4IA = I4IC = I3 同様にR3R4R5に適用することで、 I1I2を求めることができ、これらと第 1法則を組み合わせることでもI5を 求めることができる。 A R1 R2 R4 R3 I1 I2 I4 I3 I5 R5 B C D I V A R4 R3 I4 I3 B C D I V RB RA RC IB IA IC

(21)

RC回路

図のような回路のスイッチS1を閉じ ると、コンデンサーCに電荷が蓄えら れる。次に、スイッチS1を開けて、ス イッチS2を閉じるとコンデンサーに蓄 えられた電荷が抵抗Rを通って流れ、 失われていく。S2を閉じた時刻をt = 0とし、このときコンデンサーCに蓄え られていた電荷をQ0とすると、抵抗 Rを流れる電流Iは、コンデンサーの 電荷が失われて電位差が小さくなる に連れて小さくなる。すなわち、 と、 より、 となる、これは微分して同じ関数に なることを意味するので、 となる。 S1 S2 S1 S2 C C R R d dQ I t  0 Q RI C   1 d dQt RCQ 0 t RC Q Q e  Q t Q0 Q0/e RC RC回路の時定数

(22)

例題

例題1 図の回路の合成抵抗を求めよ。た だし、抵抗は全て同じでRとする。 例題2 図の回路の合成抵抗を求めよ。た だし、抵抗は全て同じでRとする。 2R 2R R/4 R/2 R/2 R/4 R/2R/2 R/2 (7/4)R(7/4)R R/2 よって、合成抵抗は、 R/2 + (7/4)R / 2 + R/2 = (15/8)R I1 I2 I3 I3 I4 I I I1 I2 I3 I3 I4 I1I2 I2I3 I4I3 I4I3 I2I3 I1I2 Ⅰ Ⅱ Ⅲ I12I2+I4 1 4 0 I I I   1 1 2 4 3 4 0 { ( ) ( ) } R II I  III  2 2 3 1 2 2 4 1 2 0 { ( ) ( ) ( )} R I IIIIII I  3 4 3 2 3 2 0 { ( ) ( )} R IIIII  1 3769 , 2 6924 , 3 1469 , 4 3269 II II II II 37 24 2 14 32 121 69 69 69 69 69 V R I R            

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