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走行消費電力の低さを競う教育コンテンツの構築

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 1F-1. 走行消費電力の低さを競う教育コンテンツの構築 山下. 直仁†. 松田. 昭信†. 福田. 九州組込みソフトウェアコンソーシアム(QUEST)†. 晃‡. 九州大学大学院システム情報科学研究院‡. 1.はじめに 現在、地球温暖化などの環境問題がクローズ アップされている。そこで、その問題を多くの 人へ意識付けるため様々な取組みがされている。 その取組みの一環として、福岡県福岡市では、 先進的組込み技術者育成事業として技術セミナ ーなどを開催している。その一つに、プロジェ クト型実践演習(Project Based Learning : PBL)が ある。2009 年度の PBL では「ET ロボコンを利 用した消費電力測定」、「水素燃料電池を利用 したライントレーサの製作」を実施した。2010 年度の PBL では、「組込みソフトウェアと低炭 素社会」をテーマに、より低い消費電力で走行 できるロボット・カーを製作し、実際に走行さ せるコンテストをおこなった。本コンテストに 参加したのは、企業 5 チーム、学校関係 2 チー ムの合計 7 チームであった。各チームは座学で 得た知識と基本モデルをもとに、消費電力のア ルゴリズムを検討しながら本コンテストに挑ん だ。2010 年 9 月に走行体の消費電力の低さを競 うコンテスト「Green ET Challenge 2010」が開催 された。本コンテストを通じて、消費電力の低 減にどのような取組みが必要なのかを、学習す る機会が提供された。事業実施は九州組込みソ フトウェアコンソーシアム(QUEST)が担当した。 本稿では、コンテストの取組みと、低消費対応 への教育的効果について述べる。. 図1.走行体モデル けて完成させた。 本コンテストの規定では、走行体は何を利用 してもよい。しかし、基本モデルと同じミニ四 駆が低価格で簡単に手に入ることから、全チー ムともミニ四駆のボディを採用していた。ここ で課題となるのは、以下である。 ・摩擦の少ないボディを作製する ・難所で横転せずバランスのよい ボディを作製する ・低重心にして走行の安定化を図る. 3.走行コースの仕組み. 本コンテストにはいくつかの課題が仕込まれ ている。課題の一つは、走行コースに設けられ た 3 カ所の難所である(図2参照)。そのうちの 2 カ所はアップダウンのコースとなっており、そ 2.走行体モデルの開発 今回のコンテストに用いた、走行体の基本は、 の先は必ず急カーブが待ち受けている。走行体 がソフトウェアで制御されていないと、坂道を 図1のようなモデルを用意した。走行コースと 上った後にジャンプしてしまい、着地点が急カ して、タミヤのモータ付き模型自動車「ミニ四 ーブのためほとんどがコースアウトする仕掛け 駆」の専用コースを用いた。走行体の基本モデ になっている。もう 1 カ所の難所には、カーブ ルのボディもミニ四駆を採用し、AVR マイコン の内側に走行体が乗りあげるような傾斜角 30 度 による制御基板を搭載した。ブレーキ時にモー 程度の板が張り付けてある。高速でコーナを旋 タを閉ループにして、惰性で回るモータから電 回すると遠心力で横転する仕掛けである。これ 流を発生させる回生ブレーキ機能を付けた。基 らの難所を切り抜けるには、難所の手前にある 本構想から 2 回の試作を経て、のべ 3 カ月をか 白線を検出して走行体のスピードを落とし、コ A Building of Educational Contents with Competing ースアウトしないように制御する必要がある。 for Low of the Run Power Consumption † Naohito Yamashita, †Akitoshi Matsuda Kyushu Embedded Software Technology Consortium ‡ Akira Fukuda : Kyushu University. 4-321. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. 走行制御を改良できるか、などである。. 5.消費電力の測定方法 本コンテストでは競技をスムーズに進行させ るために、計測用のシステムを構成した。計測 システムと走行体の計測器は、ZigBee 規格の電 波で情報をやりとりする。計測システムは走行 体に対して、スタート/ストップ命令を送信でき る。走行体は、搭載した計測器で消費電力を計 測し、そのデータを 1 秒ごとに電波で計測シス テムに送信する。計測システムは受信した電力 値を折れ線グラフに加工してリアルタイムに表 示し、同時に積算消費電力を表示する。また、 周回数とタイムも同時に表示する(図4参照)。. 図2.走行コース. 4.制御回路設計 次に、図1の走行体モデルのブロック図を図 3に示す。制御基板は、大きく制御器と計測器 に分けられる。本コンテストでは、制御器につ いては参加チームが改造してよいことになって いる。 ここで課題となるのは、 ・モータのスパイク・ノイズによる マイコンの誤動作を抑える ・回生ブレーキの改良・改善 ・低消費電力に向けたマイコン 制御回路の増減 などである。ほとんどの参加チームは、制御基 板をそのまま改造せずに使用していたが、今回 のコンテストでは、スパイク・ノイズに悩まさ れたチームが多かったようである。. 図4.計測システムの表示. 6.まとめ. 図3.走行体のブロック. 5.ソフトウェアの開発 コンテストの事前の PBL 学習会の座学では、 走行体モデルの制御システムを UML(Unified Modeling Language)を使って説明した。また、 UML 表記をどのように C 言語に変換すればよい のかを、「COOL」と名付けられたプログラミン グ手法を用いて説明していた。 制御ソフトウェア開発で課題となるのは、難 所を攻略するための走行制御の改良をどのよう な手法で実施するか、消費電力を抑えるための. 本コンテストで優勝したのは、チーム「とお りもん」である。摩擦力を極力減らすため、4 輪 駆動を 2 輪駆動に変更する、ギアのバリを取り 除く、車軸を強度の高いものに交換する、タイ ヤの接地面を小さくするなど、走行体のボディ にいろいろな工夫が施されていた。また制御ソ フトウェアも、回生ブレーキに惰性走行を組み 合わせて合理的に改良されていた。これらの対 応の中で低消費電力の取組みが十分に盛り込ま れていた。他のチームも色々と取組んでおり、 これらの過程で多くのことが学習できたことが 理解できた。. 7.今後の課題 今回は、走行体の安定度が不安定であり、ノ イズの対策などが必要であった。また、コース の課題も工夫する必要がある。この辺の課題を、 次のコンテストまでに改良していきたい。. 4-322. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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