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慢性呼吸器症状の個人危険指標について

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平成10年2月15日 第45巻 日本公衛誌 第2号 175

慢性呼吸器症状の個人危険指標について

牧野

国義

目的 慢性呼吸器症状の危険因子は加齢,遺伝因子,アレルギー,喫煙,大気汚染など数多い。そのため, 慢性呼吸器症状に対する危険性にはかなりの個体差のあることが予想できる。そこで,従来行われたい くつかの疫学調査集計資料を用いて個人の危険指標を算出し,住民の保健対策に利用できる危険度を表 す個人危険指標(PRI)としたい。 方法 危険度をオッズ比として算出するために,調査人数合計が約13万人の4調査資料を利用し,また,モ デルを検証するために,個人別のデータの得られる約6百人の調査票を利用した。ただし,指標の対象 を地域密着性が高く,職業による影響の少ない成人女性に限定した。慢性呼吸器症状としては統計処理 の安定性を確保するため,持続性せき,持続性たん,喘鳴,喘息様症状の4症状とし,危険因子の関連 要因としては年齢,喫煙など該当者数の多い11要因を選択した。個人指標にはロジスティック回帰分析 をもとに,利用しやすい指標の算出を試みた。これを検証するために個人別データのある調査資料を用 いてPRI(personal riskindex)別有症率を推定し,実測有症率と比較した。 成績 4症状ともオッズ比は呼吸器疾患の既往歴や家族歴とアレルギー素因という体質的な要因が高かっ た。また,PRIを検証したところ,有症率の指標値と実測値はほぼ一致した。 結論 PRIを計算でき,実測有症率とほぼ一致する程度まで推定できた。新たな要因の種類など検討課題 はあるが,検診やハイリスクの個人を検出することなどに利用できると考えられる。 Key words : 慢性呼吸器症状,疫学調査,成人女性,危険因子,ロジスティックモデル,個人危険指標

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