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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 : -住友商事事件と四国電力事件を参考に- 利用統計を見る

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 : -住

友商事事件と四国電力事件を参考に-著者名(日)

井上 貴也

雑誌名

東洋法学

42

2

ページ

161-183

発行年

1999-03-15

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000456/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察

住友商事事件と四国電力事件を参考に

東洋法学

21

三   四

21 21

五  3

はじめに

住友商事事件  事実の概要  判   旨 四国電力事件  事実の概要  判   旨 株主総会の運営をめぐる諸問題  会場がニカ所以上に分かれた場合の問題点  株主総会のリハーサルと総会決議取消事由との関係について ︵イ︶リハーサルの実施について ︵ロ︶従業員株主の総会への動員  議長の議事進行と株主の質問権 結びにかえて 161

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察

はじめに

 平成一〇年夏、日本航空の総会屋への利益供与が摘発された。総会屋への利益供与に関する事件は、平成九年 には、第一勧業銀行、味の素、日立製作所の事件と数えればきりがない。このような総会屋に対する利益供与事 件についてわが国の商法はどのような態度で臨んでいるのであろうか。平成九年二]月に施行された商法改正で は、総会屋への利益供与罪の罰則強化と利益供与要求罪の新設が行われた。にもかかわらず、総会屋への利益供 与事件は後を絶たない。しかし、最近の株主総会の傾向として一般株主からの質問が増加したとの報告もなされ ている。会社は、従来、総会屋、いわゆるプロ株主対策に追われてきたが、今後、会社の適法経営を実現するた めには、株主総会の活用を図るのも一つの考えであると思う。  昭和五六年の商法改正は、株主総会活性化のために、①総会屋の排除、②実質的な審議という二つの方向から 改正がなされた。①の総会屋の排除については、株主の権利行使に関する利益供与の禁止︵商法二九四条ノニ︶、 議長の権限の法定化︵二三七条ノ四︶株式単位の引上げ︵昭五六附則一五条︶、取締役会議事録などの閲覧制限 ︵二六〇条ノ四︶などが挙げられる。②の実質的な審議については、株主の提案権︵二三二条ノニ︶、商法特例法に よる参考書類の添付、書面投票制度︵商法特例法二一条の二・二一条の三︶、取締役・監査役の説明義務︵商法二七 三条ノ三︶、株主による総会検査役の選任請求︵二七三条ノニ︶が挙げられる。株主総会活性化のためには、平成 九年の商法改正と併せて昭和五六年商法改正が用意したこれらの制度の運用が、今後重要な鍵になると考える。 162

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 大阪地方裁判所は、平成一〇年三月一八日、住友商事株主総会決議取消訴訟事件判決︵以下、住友商事事件︶       パよ において、原告の請求を棄却する判決を下した。しかし、判決理由中における従業員株主の株主総会への動員と 株主総会のリハーサルの部分については、今後の株主総会の運営を考える上で大いに参考になる。昭和五六年以 降の株主総会は、従業員株主に協力を仰ぎ、周到なリハーサルを経た上で行われるのが通常とされてきた。今回 の判決では従業員株主がリハーサルどおりに声をあげ、他の株主の発言を封殺するような場合には株主総会決議 取消事由となることがありうると判示し、会社が従業員株主に協力を求める際の一定の基準を示したものとして       パと 評価されている。また、最高裁判所が平成八年一一月一二日に判決した四国電力損害賠償請求事件︵以下、四国 電力事件︶でも、上告人の請求を棄却する判決が言い渡されたが、やはり、判決理由中に従業員株主を会場前方 席に着席させた措置は適切でなかったとする部分は、実際の株主総会の運営に大きな影響を与えた。  そこで、本稿では、住友商事事件と四国電力事件を参考にしながら、最近の株主総会の運営の問題点について、 若干の検討を試みたいと思う。  なお、住友商事事件の有している論点と四国電力事件が有している論点は、前者が後者を含む形にある。した がって、住友商事事件が有する論点を中心に検討を行い、従業員株主の動員の部分について四国電力事件を参考 にするかたちで考察を進めたい。  以下、総会会場がニカ所以上に分かれた場合の総会運営の問題、次に株主総会のリハーサルの実施と従業員株 主の総会への動員の問題、さらには、議長の議事進行と株主の質問権の問題といった順で検討を加える。 163

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 二 住友商事事件  1 事実の概要  大阪地方裁判所が認定した事実は次のとおりである。  Y商事会社は、平成八年六月二七日に開催した本件株主総会︵以下、本件総会︶にあたり、同年六月一一日に 招集通知を発送したが、その直後、Yの従業員Aが銅地金取引によりYに多額の損害を発生させたことが明らか となった。Yは、例年より多数の株主が本件総会に出席することを予想したが、既に招集通知を発送し終わって いたことから、当初予定していた会場を﹁第一会場﹂とし、これに隣接して﹁第二会場﹂を準備し、第二会場に は第一会場の状況を放映するために大型モニターテレビ三台を配備し、会場の警備に当たる警備員と第二会場に おいて株主から質問が出た場合に速やかに第一会場に誘導する案内係を配置し、本件総会に備えた。  Yは、本件総会に先立ちリハーサルを実施し、総会前日のリハーサルでは、Yの全役員と従業員株主四、五〇 名が出席して行われ、想定問答に従って、Yの従業員株主が質問をし、議長をはじめ役員がこれに回答する形で 行われた。  総会当日、Xは、第二会場に誘導されたが、Yの係員からはその会場が第二会場であることについて特に説明 されなかった。  Xは、モニターテレビで第一会場の様子を見ていたが、議長が第一号議案について付議し、これが承認可決さ 164

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れたときも、株主から何ら質問がなされなかったことから、X自らが質間しようと思い、係員を通じて第一会場 に誘導してもらった。その間、第一会場では第一号議案の修正議案、第二号議案および第三号議案の撤回が付議 され、いずれも株主の賛成多数により承認可決されていた。議長は、第四号議案を付議したところで、Xにマイ クを渡すように係員に指示をした。  Xは、第四号議案について質問をし、議長の回答の途中から﹁あなたにはできない。﹂、﹁新しい方が追及した らいい。﹂などと発言したが、従業員株主を中心として﹁異議なし﹂、﹁了解﹂との声があがり、第四号議案が承 認可決された。続けて第五号議案についても従業員株主を中心に﹁異議なし﹂、﹁賛成﹂との声があがり、承認可 決され、総会は閉会した。  そこで、Xは︵一︶本件総会の会場が第一会場と第二会場に分かれていたのであるから、Yは、第二会場にい る株主に対し、株主の質問権︵商法壬二七条ノ三︶の行使の機会を与えるため、①株主が会場に入場する前に、 第一会場に出席して質問できることをあらかじめ文書、口頭で説明すべきであった。また、②第二会場の株主が 質問できるように両会場の一体性を確保すべきであった.さらに、③各議案ごとに第一会場の株主のみならず第 二会場の株主にも質問がないかどうかを促し、発言の機会を与えるための相当の猶予をおくべきであった。した がって、Yは、このような配慮を怠っているのでXの質問権を侵害している。また、︵二︶Yの代表取締役が議 長を務めたが、議長は総会に先立ち、従業員株主らとともに、Yら株主総会の議事進行について指導教育を受け、 あらかじめリハーサルをした上で、リハーサルどおりに他の株主に質問の余裕を与えないで議事を進めたと主張 165

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 した。さらに、︵三︶Xは、第五号議案について、議長が第五号議案を付した後、Yが質問を求めていることを 知りながらこれを無視し、顔を上げて、会場に質問者がいるかどうかを確認することもなく、従業員株主らと共 謀して可決したものであると主張して、本件総会における議事進行および決議方法は商法二四七条一項一号にい う﹁決議方法が著しく不公正なるとき﹂に該当するとし、このような状況の下で可決承認された第一号議案と第 五号議案の決議の取消を求めた。  2 判   旨  大阪地方裁判所は、次のように述べて、原告Xの請求を棄却した。  ︵一︶ 総会会場が二会場に分かれた場合の総会運営に関する主張について ①会場が分かれていることの説明の有無について  ﹁Yは、本件総会において、株主が入場する前に、第一会場に出席して質問できることをあらかじめ文書ない し口頭で説明していないことを認めることができる。  しかし、Xを含め本件総会に出席した株主は、Yの株主総会であることを認識して出席しているのであるから、 会社としては、株主から質問の要求があれば直ちにそれに対応できるような態勢を整えておけば足りるというべ きところ、Yは第二会場の株主についても質問の要求があれば、第一会場に誘導して質問ができるような態勢を 整え、Xもそれに従って実際に質問をしているのであるから、X主張の説明等がないことをもって直ちに株主で 166

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あるXの質問権が侵害されたとはいえない。﹂ ②両会場の一体性について  ﹁Yは、第二会場に⋮⋮係員三名を配置し、第二会場の株主から質問の要求があった場合、直ちに第一会場の 事務局席に直通電話でその旨を連絡するとともに、質問のある株主を第一会場に誘導して質問ができるように配 慮し、Xもそれに従って第一会場に案内されて質問したこと、議長は、第二会場に質問者がいるとの連絡を受け るや直ちに議事を中断して、Xが第一会場に入場するのを待って、Xに質問の機会を与えたことを認めることが できるから、第一会場と第二会場が分断され、質問の機会を逸するような一体性に欠けていたとまで認めること はできない。  もっとも、Xが第一会場に移動する間、第一会場では、第二号議案及び第三号議案の審議が進められ終了する に至っていたが、議長は、本件総会において、各議案の審議に入る前に、全議案について一括して株主に質問の 機会を与えているし、Xが第一会場に移動する時間もごくわずかで、第二会場の係員から議長への連絡にも多少 の時間を要することも考慮すれば、この間、第一会場で議事が進行していたとしても、これをもって、第一会場 と第二会場の一体性が損なわれているとは到底いえない。﹂ ③議事の進め方について  ﹁議長は、各議案の審議に入った後、各議案ごとに第一会場および第二会場の株主に質問がないかどうかを促 していないが、議案の審議に入る前に、全議案について一括して質問を受け付けることを、第一会場又は第二会 167

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 場と議場を区別することなく議場に示し、暫時株主からの質問を待っていたし、議案の審議に入った後も、株主 からの質問があれば、質問を受け付ける態勢をとり、現に、質問を求めたXに質問の機会を与えていることが認 められるから、Yは、第一会場のみならず第二会場の株主にも質問する機会を与えたものということができる。﹂  ︵二︶ 株主総会のリハーサル実施と決議方法について  コ般に、多数の株主が出席する大企業の株主総会において、円滑な議事進行が行われることは、会社ひいて は株主にとって重要なことであり、特に、大企業の場合、いわゆる総会屋などによって株主総会の円滑な進行が 阻害されることがあるなどの事情からすれば、会社が円滑な議事進行の確保のため、株主総会の開催に先立って リハーサルを行うことは、会社ひいては株主の利益に合致することであり、取締役ないし取締役会に認められた 業務執行権︵商法二六〇条一項︶の範囲内に属する行為であるということができる。  しかし、リハーサルにおいて、従業員株主ら会社側の株主を出席させ、その株主らに議長の報告や付議に対 し、﹃異議なし﹄、﹃了解﹄、﹃議事進行﹄などと発言することを準備させ、これを株主総会において実行して一方 的に議事を進行させた場合は、株主の提案権︵商法二三二条ノニ︶や取締役・監査役の説明義務︵同法二一二七条ノ 三︶などの規定を設けて、株主総会の活性化を図ろうとした法の趣旨を損ない、本来法が予定した株主総会とは 異なるものになる危険性を有するばかりか、一般の株主から質問する機会を奪うことになりかねないところがあ るなど、株主総会を形骸化させるおそれが大きいともいえる。 168

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 したがって、従業貝株主らの協力を得て株主総会の議事を進行させる場合、一般株主の利益について配慮する ロ       じ       り       ロ       ことが不可欠であり、右従業員株主らの協力を得て一方的に株主総会の議事を進行させ、これにより株主の質問 の機会などが全く奪われてしまうような場合には、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権の範囲を越 え、決議の方法が著しく不公正であるという場合もあり得る﹂  ﹁本件総会において、従業員株主四、五〇名が第一会場の前半分に着席し、議長報告や付議に対して、 一斉に ﹃賛成﹄﹃異議なし﹄﹃了解﹄などと声をあげて、議事を進行していることが認められるが、他方、議長は、各議 案の審議に入る前に、全議案について一括して質問を受け付けることを議場に示し、暫時株主からの質問を待っ ていたのであり、また、各議案の審議に入った後も、株主からの質問があれば、質問を受け付ける態勢をとり、 現に、Xに質問の機会を与えたように、一般の株主に質問の機会を与えていることが認められる。  本件総会の議事進行及び決議方法は、議場の雰囲気とも相まって、一般の株主の質問の機会を事実上奪うおそ れがあるなど、法が本来予定した株主総会のあり方に徴し、いささか疑問のあるところもないではないものの、 質問の受付け方等の事実からすると、本件総会における決議の方法が著しく不公正であったとはいえない。  なお、Xは、従業員株主をリハーサルに参加させたことをもって、それ以外の一般株主と取扱いを異にするも ので不公正であると主張するが、従業員株主がリハーサルに参加したことにより株主としてなんらかの利益を受 けたものではないから、株主平等の原則を損なうものではない。﹂ 169

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察  ︵三︶ 議長の議事進行と株主の質問権  ﹁議長は第五号議案を付議した後、手元の進行表を確認していたため、視線を議場にやって、質問者がいるか どうかの確認をしていない。﹂  ﹁仮に議長がYの声を聞いていたとしても、この時のYの発言内容や態度、他の株主からの発言などにより議 場がやや混乱していたことからすれば、この時のYの発言は、客観的には不規則発言とみるべきもの﹂である。  ﹁議長は、各議案を付議する前に、全議案について一括して株主の質問の機会を与えていた﹂として、﹁議長が 従業員株主らと共謀して、一般株主の声がかき消されることを予定していたことは認めるには至ら﹂ない。 三 四国電力事件  1 事実の概要  高松高等裁判所で確定した事実関係は、次のとおりである。  Y電力会社︵被告・被控訴人・被上告人︶の株主であるX︵原告・控訴人・上告人︶は、平成二年六月二八日、 Y会社の定時株主総会に出席するため、Y会社本社ビルの前で、開門前の早朝から、Yの原子力発電所に関する 経営方針に反対する他の株主と共に列に並び、午前八時の開門と同時にビルに入り、受付手続を済ませて入場し た。  Y会社は、昭和六三年一月及び二月、原発反対派の者に本社ビルを取り囲まれたり、深夜数時間、ビルの一部 170

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を占拠されたことがあり、更に平成二年三月に結成された反原発の株主グループから、本件株主総会前に一〇〇 〇項目を超える質問書の送付を受けていたことなどから、本件株主総会の議事進行が妨害されたり、議長及び役 員席を取り囲まれたりといった事態が発生するのをおそれ、Y会社の株主である従業員らにあらかじめ指示をし て、受付開始時刻前に会場に入場させ株主席のうち前方部分に着席させた。  会場には株主席として約二三〇の椅子が並べられていたが、Xが会場に到着した時には従業員株主らが既に株 主席の最前列から第五列目までのほとんど及び中央部付近の合計七八席に着席していたため、Xは、前から第六 列目の中央部付近に着席した。  Xは、本件総会において、議長から指名を受けた上で動議を一度提出した。  Xは、本件総会において希望する座席を確保するために本社ビルの近くに宿泊して早朝から入場者の列に並ん だが、Y会社から従業員らとの間で右のような差別的な取扱いを受けたことにより、希望する席を確保すること ができず、これにより精神的苦痛を被り、更に宿泊料相当の財産的損害を被ったと主張して、Yに対し、不法行 為に基づく損害賠償を求めたものである。

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2 判   旨 最高裁判所は、次のように述べてXの上告を棄却した。        じ      じ      の       の         の     ﹁株式会社は、同じ株主総会に出席する株主に対しては合理的な理由のない限り、 同一 の取扱いをするべきで 171

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 ある。本件において、Y会社が⋮原発反対派の動向から本件株主総会の議事進行の妨害等の事態が発生するおそ れがあると考えたことについては、やむを得ない面もあったということができるが、そのおそれのあることをもっ て、Y会社が従業員株主らを他の株主よりも先に入場させて株主席の前方に着席させる措置を採ることの合理的 理由にあたるものと解することはできず、Y会社の右措置は、適切なものではなかったといわざるを得ない。し かしながら、Xは、希望する席に座る機会を失ったとはいえ、本件総会において、会場中央部付近に着席した上、 現に議長からの指名を受けて動議を提出しているのであって、具体的には株主の権利行使を妨げられたというこ とはできず、Y会社の本件株主総会に関する措置によってYの法的利益が侵害されたということはできない。  そうすると、Yが不法行為責任を負わないとした原審の判断は、是認することができ、原判決に所論の違法は ない。﹂ 四 株主総会の運営をめぐる諸問題 172  1 総会会場がニカ所以上に分かれた場合の総会運営の問題  住友商事事件の場合は、招集通知発送後に生じた事態により当初予定していた総会会場に株主を収容し切れな くなることが予想されたため、会社側は、当初予定していた会場を﹁第一会場﹂とし、これに隣接したかたちで ﹁第二会場﹂を用意し、株主の収容人員の拡大を図り、当日の総会に備えた。会社側が同じ建物の中の別室を用 意したことについては、﹁予想外に出席者が多くその収容が困難になった場合等に、会場を同じ建物の別室に移

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       パ ロ す場合などは、社会通念上会場の変更とするには足りない﹂と考えられており、株主の出席の機会を確保すると いう目的からも許されるものであると考える。  では、会場が分かれた点についてはどうであろうか。そもそも、本来、株主総会の会場は、株主が一同に会す ることができるように一つの会場で開催できるように準備すべきである。なぜならば、株主が、議事の流れや会 場の雰囲気から質問しようと思った場合に、適宜議長に質問ができなければならず、株主の質問権を保障する意 味からも当然と考えられる。一部の少数株主だけを別室に故意に誘導し、議事進行に加わることができないよう な事態になれば、株主の質問権の侵害という状況を発生させる。このように考えると株主総会の会場が複数会場 に分かれることは、無制限に認められるべきではなく、別室を用意したことについての正当な事由が認められな        ゑ ければならないと解する。この点につき﹁総会の当日行われた会場変更﹂の議論が参考になる。総会までに相当 の期間があるときに変更する場合と、だんだん時期が切迫してきたときに変更する場合とでは、後になればなる ほど株主に周知することが難しくなるわけだから、会場を変更するにはより強い理由が必要となると考えられて  パヱ      ぢレ いる。会場変更の場合の正当事由としても予想外の出席株主増加による会場の狭隆が挙げられている。この場合、 株主への周知方法を講ずることが必要とされている。住友商事事件では、株主に対して﹁第一会場﹂と﹁第二会 場﹂とに分かれていることが説明されていなかったが、判旨は、﹁Xを含め本件総会に出席した株主は、Yの株 主総会であることを認識して出席しているのであるから、会社としては、株主から質問の請求があれば直ちにそ れに対応できるような態勢を整えておけば足りる﹂とし、会場の一体性さえ確保しておけば、複数会場に跨る株 173

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 主総会を容認したものであるとも受けとられかねず、複数会場開催の場合の基準が示されていない点に疑問が残 る。住友商事事件判決では、第二会場という会場の増設も両会場が設備の点で一体性を確保できているのであれ ば、会場の拡充の問題として考えているようである。  では、つぎに、両会場の一体性という観点から検討してみたいと思う。確かに、株主総会開催にあたって、出 席株主用の座席数をどの程度用意するかは、会場設営に当たって最も重要なポイントとされ、不祥事の発生とい う例年と異なった事態が発生した場合、会社側としては株主総会の出席者が何名になるかを予想することは難し い。住友商事事件の場合、苦肉の策として、第一会場と同じ建物の同じ階の隣接した一室を急遽、第二会場とし        ハヱ て用意した。この点、会場内に入り切れない株主が生じた場合については、チッソ株主総会決議取消訴訟におい て﹁場内の模様をマイクで知り得たに過ぎないような場合には、決議取消事由に当たる﹂として、会場に入りき        ニ れなかった株主と総会会場との一体性は確保されていない旨の判断を示している。住友商事事件では、会社側は、 第二会場にもモニターテレビを三台配置し、また、総会当日の会場運営についても、会社側は、第二会場に﹁株 主総会事務局﹂と表示したプレートをつけた案内係三名を配置し、株主に対する一般的な場内案内のほか、第二 会場に質問者がいる場合には、速やかに第一会場に誘導するなどの手立を講じており、現実にXも質問をしてい るわけであるから、設備面からは、第一会場と第二会場が分断され一体性がなかったとまではいえないことは理 解できる。しかし、これらの設備の運用面に目を転じてみると、議長席背後の事務局席には第二会場との間の直 通電話や第二会場の様子がわかるように、第二会場に設置したビデオカメラからの映像を映し出すモニターテレ 174

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ビが設置されていたのであるから、Xが質問を申し出たことはすぐ把握できる状況にあり、議長としては直ちに 会議の進行を止める必要があったものと思われる。さらに、Xは、第一会場に移動する間に、第一号議案の修正 議案、第二号議案および第三号議案の撤回が付議され、可決承認されてしまっていた。このことは、まさに会場 がニカ所に分かれたことにより、これら議案に関するXの質問権が侵害されたものと解することができる。判旨 は、﹁全議案について一括して株主に質問の機会を与えているし、Xが第一会場に移動する時間もごくわずかで、 第二会場の係員から議長への連絡にも多少の時間を要することも考慮すれば、︵略︶これをもって、第一会場と 第二会場の一体性が損なわれているとは到底いえない﹂と判示している。総会会場をニカ所以上に分けて開催す ることが認められるのは、先に述べたとおり、例外的な場合に限られると考えるので、株主の質問権を最大限尊 重するように十分に配慮した事実認定がなされるべきであると考える。

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 2 株主総会のリハーサルと総会決議取消事由との関係について   ︵イ︶ リハーサルの実施について  多くの会社では会社の顧問弁護士などの指導を受け、役員のほか従業員株主にも協力を求め、詳細なシナリオ        すロ に基づき、本番さながらに株主総会のリハーサルを行っているのが実情である。  住友商事事件では、会社が総会のリハーサルを行うこと自体は、直接には決議取消原因になるものではないが、 リハーサルで準備したことをそのまま実行し、従業員株主らの協力を得て一方的に株主総会の議事を進行させ、 175

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 これにより一般株主の質問の機会などが全く奪われてしまうような場合には決議取消事由に当たるとして、一般 株主の株主権の行使に配慮すべきことを判決は示している。  確かに、リハーサルを行うことは、株主総会を円滑に運営するために必要である。たとえば、質問者へのマイ クの受け渡し、議事の整理、議場の秩序維持、役員が質問に対してスムーズに回答するなどの事前準備があれば、 総会当日の不手際を防ぐことができ、総会を患無く運営できる。この点判旨は、コ般に、多数の株主が出席す る大企業の株主総会において、円滑な議事進行が行われることは、会社ひいては株主にとって重要なことであり、 特に、大企業の場合、いわゆる総会屋などによって株主総会の円滑な進行が阻害されることがあるなどの事情か らすれば、会社が円滑な議事進行の確保のため、株主総会の開催に先立ってリハーサルを行うことは、会社ひい ては株主の利益に合致することであり、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権︵商法二六〇条一項︶の 範囲内に属する行為であるということができる。﹂と判断している。  特に、今回の住友商事の株主総会の場合のように、急遽、複数会場で開催することになったときには、第二会 場からも株主の質問がでる可能性もあり、例年と違った総会運営を余儀なくされる会社側としては、さらに不測 の事態が生ずるおそれもあり、こうした事態に臨機応変に対応ができるように備えるためにも、リハーサルは、 有効な手段であると考えられ、株主総会のリハーサルは、判旨のいうように取締役ないし取締役会に認められた 業務執行の範囲内の行為であるということは理解できる。しかし、マイクテスト、会場設営、役員の入退場、シ ナリオの朗読時間の測定などのまったく事務的なリハーサル以外、すなわち、従業員株主を動員して行われる具 176

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体的な議事進行の中身についてのリハーサルが、       ハ  一項︶の範囲内に属するか否かが問題となる。 取締役ないし取締役会に認められた業務執行権︵商法二六〇条

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  ︵ロ︶ 従業員株主の総会への動員  住友商事事件の場合では、会社側株主として、従業員株主を動員して、会社の指示に従って、予め用意された シナリオに従って﹁異議なし﹂、﹁了解﹂などの声をあげさせ、総会当日もリハーサルに準じた総会運営がなされ てたために、株主の質問権が侵害されたとの主張がなされている。判旨の理論構成としては、株主総会のリハー サルを行うこと自体は、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権の範囲内に属する行為であるとした上で、 総会当日、実際に従業員株主が﹁異議なし﹂、﹁議事進行﹂などと発言することにより、一方的に議事を進行させ た場合には、一般株主から質問する機会を奪うことになりかねないので、従業員株主に協力を求め株主総会の議 事を進行させる場合には、一般株主の利益について配慮することが必要であるとの警鐘を鳴らしている。この点、 判旨の視点からは、一般株主の利益については言及しているが、従業員株主の議決権の自由な行使が阻害されて いる点についてはなんらの言及もされていないこと、さらには、今後の株主総会のあるべき姿を考えるうえで、 従業員株主の動員を最初から念頭に置いた株主総会運営を判決は考えているものとも捉えることもでき、会社が 従業員株主に指示して、株主総会を制御することが正当化される可能性があることに疑念を抱かざるをえない。  昭和五六年の商法改正は、総会屋根絶のため利益供与禁止規定を置いた。このため、会社は与党総会屋の利用 177

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 が困難となり、会社にとって野党的立場になる総会屋や市民運動家株主からの暴力や威嚇的な言動に対する防波 堤の役割を従業員株主らに負わせたのである。従業員株主からすれば、会社側株主として株主総会に動員され、 議決権行使の自由を奪われる結果となった.会社と従業員株主との間の議決権拘束契約が有効であるとの見解も   ハヨ あるが、このような契約は、会社の労務に関する指揮命令権を背景になされた不当なものであり、公序良俗に反        ゑロ するものと解する。  住友商事事件判決は、﹁従業員株主がリハーサルに参加したことにより株主としてなんらかの利益を受けたも のではないから、株主平等の原則を損なうものではない。﹂と判示する。この点、リハーサルに協力することに ついては、従業員の職務に属することであり、したがって、それに対する給料の支払いは利益供与に該当しない        ハお とする見解がある。リハーサルに参加するにあたり、会社から日当等が支払われた場合には、株主平等の原則を 損なうものとして扱われることを明言したことは評価できる。しかし、リハーサルに参加した従業員株主には、 株主総会当日の欠席の自由は事実上ないわけであり、従業員株主に対して会社がこのような職務命令を発するこ とができるか否かについて検討の余地が残る。従業員株主が、会社の指示に従わずリハーサルや総会に出席しな かったとするならば、逆に社内的になんらかの不利益を蒙るおそれがある。また、円滑な総会の議事進行を図る ために、従業員株主に協力を求めることは、労務管理政策上の理由から従業員持株制度の普及を考えるにしても、 そもそも従業貝株主が会社の指揮命令に服する従業員としての地位と、経営陣の責任を追及する投資家である株 主の地位という相反する地位を併せ持つ性格のものである以上、会社としてはなるべくこれを回避すべきである 178

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      ど ものと考える。  ﹁株主平等の原則﹂の通説的な見解に拠れば、株主が、株主としての資格に基づく法律関係については、原則 として所有する株式数に応じて平等の扱いを受けることをいい、一般の団体における社員平等の原則が頭数を標       パを 準としたものであるのと異なると解されている。この点、四国電力事件判決の中で、﹁株式会社は、同じ株主総 会に出席する株主に対しては合理的な理由のない限り、同一の取扱いをすべきである﹂と判示している。このこ とは総会会場への入場について、株主個人に平等の扱いをするということを確認したものであり、団体法理にお        ぷ ける頭数の平等扱いが要求されたものとして意義がある。﹁団体の法律関係を律する衡平ないし信義誠実の原則 から、会社は、すべての株主を持株数に関係なく、公正に取扱うべきであり、株主に対して恣意的ないし不公正 な取扱いをしてはならない。株主を公正に取扱おうとするとき、原則として︵頭数︶平等に処理することになる。 しかし、これは、株主の持分権を確保するための平等原則とは趣旨を異にし、会社は状況に応じて弾力的な取扱          パど いをすることができる。﹂との見解があるが、四国電力事件判決では、﹁合理的理由のない限り、同一の扱いをす       お べき﹂としており、﹁弾力的な取扱い﹂を認めるよりは厳しいようである。また、従業員を会場前方に着席させ る方法として、議長の着席指定権限の行使という問題が考えられるが、商法二三七条ノ四第二項において、議長 が議事運営に関する各種権限を行使するためには、①総会の秩序を乱し又は乱すおそれがある事実が存在するこ       パお と、および②これらの事実に対して採られた手段が原因となった事実に比して相当であることが必要である。し たがって、議長が、従業員株主を他の株主に先立って総会会場に入場させ、前方を先占させた行為が前述①・② 179

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察         の要件を充たしていることが必要であり、これを欠くと決議の方法に環疵を生ずる。  住友商事事件では、議長は、会場前方に着席した従業員株主らと協力して議事進行を進めたわけであるが、株 主席前方は、総会屋など会社に批判的な株主にとっても、従業員株主などの会社に同調する株主にとっても、他 の株主に対するアピールや説得に有利であると考えられている。この優越的な席を占領することによって、会社 が自分の都合のいい決議を招来させる積極的なものであってはならず、前方に着席した従業員株主らが役員の発       パき 言に呼応して拍手や大声をあげたりして、他の一般株主の発言を封殺するような行為にでてはならないと考える。  以上から、会社は、従業員株主に協力を求める場合には、当該従業員株主の発言や議決権などの権利行使の自 由を侵害しないことを前提として、協力を要請された株主があくまで株主総会の議事進行に対して防衛的・消極        パ  的な態度とる場合限られるものと解する。 180  3 議長の議事進行と株主の質問権  住友商事事件判決では、﹁議長は第五号議案を付議した後、手元の進行表を確認していたため、視線を議場に やって、質問者がいるかどうかの確認をしていない。﹂ことを前提として、﹁株主に対し質問の機会を広く与える という見地からすれば、⋮質問者がいるかどうかを確認しなかった議長の議事進行は、やや問題があったことは 否めない﹂と判断している。議長としては、自己の周辺だけでなく、本件の場合には第二会場をも含めた会場の 状況を把握して議事進行を進める必要があったのではなかろうか。議長は、リハーサルのシナリオ通りに議事進

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行を急ぐあまりに、会場の状況を把握するゆとりがなかったわけであり、 ものとも考えられる。 ある意昧でリハーサルの弊害が生じた 五 結びにかえて

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 昭和五六年の商法改正以来、会社は与党総会屋を用いるのではなく、従業員株主を動員して、株主総会を運営 することが多くなってきた。会社は総会の前にリハーサルを実施し、そこにも従業員株主は動員され、詳細なシ ナリオに基づき教育指導を施し、株主総会当日に備える。住友商事事件判決は、議長と従業員株主が協力してリ ハーサルどおりに﹁異議なし﹂、﹁議事進行﹂などの行きすぎた言動により、他の株主の質問権を侵害した場合に は決議取消原因になる可能性を示した点は評価できる。また、四国電力事件判決も、従業員株主を総会会場前方 に先占させたことを適切な措置ではなかったと指摘した。両判決は、会社の株主総会の運営のあり方に厳しい注 文をつけるものであり、今後の株主総会のあり方を考える上で一石を投じるものであると言えよう。  株主にとって株主総会は、会社の経営陣と直接対話のできる数少ない機会である。近年会社経営の適法性の確 保が叫ばれており、社会派株主、株主オンブズマンといった市民運動家株主の活動が活発である。これまで、企 業は、総会屋などのプロ株主対策に追われてきたが、日本企業の健全性が問われている今、市民運動家株主に敵 対的態度をとるのではなく、うまく付き合い、会社の反社会的行動の抑止に活用するぐらいの態度が必要である と考える。      ︵一九九八年二月一〇日脱稿︶ 181

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従業員株主と株主総会の運営に関する一考察 ︵1︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶

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1413  大阪地判平成一〇年三月一八日、金融・商事判例一〇四一号三頁、資料版商事法務一六九号一一一頁。訴状につ いては、資料版商事法務一五一号二二七頁を参照されたい。判旨中の傍点は、筆者が付したものである。  最高裁平成八年二月一二日第三小法廷判決、判例時報︸五九八号一五二頁、判例タイムズ九三六号︸二六頁。 判旨中の傍点は、筆者が付したものである。  野間繁﹁総会の会場及び開会時刻の変更﹂鈴木H大隈編﹃商法演習1︹改訂版︺﹄一〇八頁︵有斐閣、昭和四 四︶および上柳克郎ほか編﹃新版注釈会社法㈲﹄九二頁︹前田重行︺︵有斐閣、昭六一︶。  大阪高判昭和五八年六月一四日判例タイムズ五〇九号一二一六頁、北村雅史﹁総会当日の会場変更と株主総会決議 の不存在﹂商事法務一一〇五号三六頁。  西原ほか﹃株主総会﹄︵有斐閣、ジュリスト選書、昭和三三︶一四五頁︹鈴木発言︺。  西原寛一﹁株主総会の運営﹂田中耕太郎編﹃株式会社法講座第三巻﹄八五三頁︵有斐閣、昭和三三︶。  大阪地判昭和四九年三月二八日金融・商事判例五一九号三九頁、判例時報七三六号二〇頁。  中村直人﹁住友商事判決と実務の対応﹂代行リポート一二二号一四頁。実務においては、第二会場の株主に発言 の機会があれば、最低限違法ではないと考えられているようである。  株主総会白書︵一九九七年版︶によれば、一九九七年の総会におけるリハーサルの実施状況を見てみても、アン ケートに答えた会社の実に約九割の会社において、リハーサルが行われているのが実情である。商事法務一四四一 号四〇頁。  近家正直﹁株主総会の運営方法﹂商事法務一四九〇号三四頁。  前掲注︵1︶﹃新版注釈会社法㈲﹄二〇四頁︹菱田政宏︺。  三枝一雄﹁株主総会と社員株主﹂田中誠二先生追悼﹃企業の社会的役割と商事法﹄︵経済法令研究会、平成七︶ 一五六頁。  土岐敦司﹁株主総会のリハーサルを実施する場合の問題点﹂商事法務一二八O号三八頁。  従業員株主の権利行使について、法解釈としては、あくまで、出資者である株主としての立場において、従業員 の利益を配慮することができるとの見解がある。中村一彦﹁株主の地位の多元化と株主権の社会的機能   従業 182

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1615    ハ          2120 19 18 17 )  )  )  )  ) ︵22︶ 員としての株主を中心に﹂法律時報六〇巻九号二八頁。  鈴木竹雄H竹内明夫﹃会社法︹第三版︺﹄︵有斐閣、平成六︶一〇六頁。  大沢康孝﹁従業員を前列に座らせてなした総会決議﹂鴻 常夫ほか編﹃会社判例百選︹第六版︺﹄︵有斐閣、別冊 ジュリスト、平成一〇︶六四頁。  森本 滋﹁株主平等の原則と株式社員権論﹂商事法務一四〇一号三頁。  大沢康孝・前掲注︵16︶六五頁。  元木伸﹃改正会社法逐条解説︹改訂増補版︺﹄︵商事法務研究会、昭和五八︶一〇一頁。  寳金敏明﹁株主総会における着席指定と株主平等の原則﹂判例タイムズ八八二号二〇九頁。  鈴木竹雄﹁株主総会の運営と株主平等の原則﹂商事法務二天九号三頁。批判的株主の発言を封殺して会社欲す る決議を導くような攻撃的積極的なものになってはならず、そのような場合には株主平等の原則違反の問題を生じ かねないとされる。  須藤 修﹁最近の判決等から見た従業員株主の位置付け﹂商事法務一四九二号一三頁。 ︵追注記︶ 住友商事事件については、原告が大阪高裁に控訴したが、   れた︵資料版商事法務一七七号二五三頁以下︶。 平成一〇年一一月一〇日、控訴棄却の判決が下さ

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