佐山巨痘毒に及ぼす色素の光力學的作用︵審。8畠・睾剛・g①ヨ・一霞・﹃q︶ 第六巻 三五六 34
痘毒に及ぼす色素の光力學的作用
︵審・8三塁三ω筈Φ言書=コ鱒︶
東京女子蜜學專門學校細菌學教室︵指導亭野憲正︶佐 山
楓
緒
漏 痘毒に劃する日光光線の殺菌作用は、.或る種の色素の田力に依って著しぐ増強されるものであることはフリードベルゲル 山本の實験に依って明瞭となった。出営によるとコエオヂンLは二千倍稀繹に重て﹃ノイトラルロートLは百萬倍平皿に於て も、日光との共力によつで、痘毒を死滅せしめると云ふ。,然るに最近ヘルツベルグは︻,メチーレL青に於ても光力學的作用の 著明なることを謁明した。.卸ち二千萬倍﹁、メチーレン﹂青は分散光線との共力に依って一時過にして痘毒を死滅せしめ、百萬 倍空写に於てば日光に曝露すれば、三十秒にして之を死滅せしめると云ふのである。爾氏の﹁,メチーレン﹂青は高い稀繹に於 て拭コヴ苓ールス﹂を殺す力彊く、十萬倍の稀繹に於ては痘毒を完全に破饗するけれども、一萬倍稀繹に於ては多くは不完全 であり,千倍に於ては更に不完全であると述べて居る。堅甲は﹁、グリユブレル﹂製と]ヘツキストL製︵寓①象。営経。︶﹁メチー レン﹂青を用ひて一部は分散光線を遮ることなく机上に置き、他は暗所に静置し、一時問後家兎の皮内に接棟した。其の結 渠は暗所に置いたものを接種した個所は患部畿毒してコヴイルレンツしの底下を認め得なかったが、分散光線に曝露したもの に於ては、僅かに一分にして痘毒の死滅を讃明した。余は上記色素の他九種類の色素に就て光力學的作用の陽否を槍べ、州、ト ルイヂンL青噌、チオニンL及﹁,メチーレン﹂緑も該作用の著明なるごとを謎明し,叉手作.用と酸素との關係及び波長を異にせる 日光光線の該作用に及ぼす差異等を研究し、其の本態に点て多少得るところがあったと信ずるので薮に詳細に是等の實験方法及び實験成績に就て記述し様.と思ふゆ
第曙箪
第一節 色素による痘毒滅殺力の陽否
實 験
實験に用ひた色素は豫め滅菌蒸鯛水で千倍に稀諾し、之を一時間蒸氣滅菌し、使用に臨み千倍,一萬倍、十萬倍.百萬倍 千萬倍等に滅塩蒸鯉水を以て稀繹し、各稀繹液量㏄に﹁,グリセリン﹂家兎睾丸萱野の上清を生理的食離水にて百倍に稀干せる 35 第1表諸種の色素の光力目的作用 接種部位に於ける反鷹唖聾購嗣欝欝講
色素の稀繹 数 倍 色素の種類 ・十十 柵 工十 一十ff 什 十二 十十 十十十 十十十 二十 二 十十十 暑十 十皆 冊 .造 出 十十十 柵 柵 十十告 十 十 辮 紐 畳十 十皆 一十 柵 +珪 柵 二 二 柵 冊 十十十 柑 H十 惜 桝 モ暦 十冊 曲 面 柵 十十十 柵i廿 十壬十 桝 柵 十腎 十朴 モ十十 十十十 十H 二十 十十十 十十十 柑 十 二十十 モ.ff 十 十十十 二十 柵 十十 五十} 二 十督 什十 十十十 冊 柵 十十昏 十十十, 千捧 二十 三 暑十 柵 二十二 十一 柵 柵 .十二 .十二 柵 十粋 柵. 冊 十二 辮 層 畳十 冊 ・千皆 、・ 十十. 暑苦十 柵 柵 十十十 柵 1 :loOO 1:10000 1:100000 1:IOOOOOO 1:10000000 0 1:1000 1:10000 1:1.00000 1:1000000’1 1:10000000i o 1:lvOO 1:10000 1fICOOOO 1:1000000 !:10000060 0 i:1000 1:10000 1,100000 1;1000000 1,leoooooo o !:IUOO 1:10000 1,100000 1:1000000 1:looeoooo/ o 1:1600 1:10000 1 :leeooo 1:loOOOOO 1:10000000 0 1:1000 1;leooo 1:100000 1:loOOOOO 1:10000000 0 1:1000 1:10000 1:100000 1:1000000 1:10000000 0 照 ン﹂青 ﹁メチレ ヂン﹂青 ﹁トルイ 照 照 ンL ﹁チオニ 封 . 罫 .照 ンL緑 ﹁メチレ 「タレ クルツ リピト スオL 寸 昭 「アレ ゲナツ ンビト チオL 守 露 一 ノレ L 青 lj .照 照 青 コナハト﹂封
器欝’謙llrotゴ}・・・・…ath 佐山皿痘毒に及ぼす色素の光力學的作用ズ困ゲ。ε身舜露見6げの≦洋弓属⇔﹃q︶ 第六巻 三五七36 佐山謄痘毒に及ぼす色素の光力學的作用︵℃げ08身昌p巳。・9①ノく割裂言σq︶ 第六巻 三五八 もの一声宛を加へよく混合し、之より各々二㏄宛二列の試験管に分注し、一列は直射光線に一分間振聾しつ玉曝露し、他 は分散光線を遮ることなく机上に置き、一時間の後剃毛せる家兎の皮内に0。一〇α宛接種し、謝照として同じ痘毒を生理的 第2表日光に曝露せざる揚合の成績 接種部位に 於ける三鷹 色素の稀繹 数 倍 色素の種類 惜 冊 冊 惜 冊 柵 1 1 1 1 1 1000 10000 100000 1000000 10000000 0 ﹁メチーレン﹂圭15 重
態1::」
{’まMethyleubla首と蚕く 同じ 食盛水に千倍に稀澤したものを同一家兎皮内に接種した。接種後は十日 間観察して陽否を槍序した。其結果によると第一表に示す様にコメチー レンL青コトルイヂンL青コチオニンL及﹁、メチーレン﹂緑の痘毒に及ぼす光 力墨的作用は他の色素に比較すると著明である。然しコメチーレンL緑の 直射一分間は他の三種の色素の作用より遙かに劣って居る,而してコク リスタルヴイオレツトしがコメチーレンL緑と同様十萬倍稀澤に於て痘毒 を滅殺した。是等色素の痘毒滅殺作用は日光光線の存在に於てのみ行は れ第二表に示す様に曙所に於ては観察されないから色素の軍凋作用でな いことは明かである。 第二節 色素の痘毒滅殺力に及ぼす酸素の影響 ﹁メチーレン﹂青の光力露霜作用が一種の酸化現象であることは初め震三蜀ロロ↓。竃臣によって主張され、﹀ロ臼ざU5げβ 等によって確められた。余は臣事實がコメチーレンL青のみならす他の色素に於ても同様なりや否やを知らんと欲し,次の如 き實瞼を行った。實 験
色素の稀繹液に痘毒稀導管を加へるまでは前の實験と同様であるが各々試験管に二σq分.注し綿栓の上部を試験管口の所よ り切り取り残りの綿栓を少しく押し込み其の上に結晶炭酸曹達と焦性浸食子酸とを等量に盛りたる硝子容器を載せ、直に﹁,ゴ ム﹂栓を施し﹁パラフィン﹂を以て密封し、三十六時間−四十八時間氷室︵四一六度︶に静置し,後直射及び分散光線に曝露 し.其〇二㏄宛を家兎に注射し痘毒の死滅せるや否やを槍べてみた。此方法によって試験管内の酸素は吸牧せられるけれR7 第3表酸素吸牧後の成績 接種類位に於ける反鷹 直射日光曝1分散光線曝 露(1分問).露(1時聞 色素の稀繹 色素の種類 艦 紐 柑 柵 掛 柵 柑 柵 柵 惜 柵 柵 1:1000 1:10000 1 :100000 1:1000000 1,10000000 0 ﹁メチレン﹂青 照 語
聾瓢}・
ム1ethylenbユa旨 と全く同じ。 ども色素はコロイコバーゼしとはならない。此の結果は第三表に示し てある様に敦れの例に於ても光力學的作用を詮明することが出來な かった帥ち本實験に用ぴた色素の光力學的作用には酸素が必要であ ることは明瞭である。 第三節 光線の波長と光力學的作用 光力學的作用には如何なる波長を有する光線が關與するかを知ら んと欲して先づ赤色と黄色﹁セロハン﹂は如何なる光線を通過せしむ るかを検査せるに赤色﹁,セロハンしを通過するものは只赤色光線のみ であって、黄色コセロハン﹂を通過するものは赤色と黄色光線であっ て、實験に使用し得ることが判ったので此二種を用ひて、二重の袋 を作り、第一の實験の如く麗回したものを此中に入れ、樹照として は色素を含有しない痘毒の千倍稀井井を入れた試験管も共に封入し た。日光及び分散光線に曝露中外部より直接光線の作用せぬ檬に注意したことは勿論である。曝露後は前と同様に家兎の皮 内に接種した。叉紫外線が光力學的作用に關嚇するかを寵する爲に光源として、太陽燈を用ぴ、第一の實験の如くに虚置した痘毒建液を凡そ一〇留距離で一分間曝露し,謬⋮とし三つは色素を含まない痘毒稀八二を用ひ、他は同じく色素を
含まぬ,ものを直射光線に一分間曝露したものを尚びた。此結果は第四表に示してある襟に、黄色﹁セ湯里ンレを通濁したもの も﹁メチーレン﹂青分散光線一時間を除くの外は全く同一程度の光力墨的作用を現はして居る。﹁メチーレン﹂青分散光線一時 間曝露のものに於ては黄色﹁セロハン﹂を通過した光線の方が赤色﹁セロハン﹂を通過したものよりも,光力學的作用が四々強 い様に思はれるけれど竜、之は實験の誤差の範園内のものと思はれる。紫外線の場台に於ては全くン力學的作用を讃明する ことが出來ない。要するに赤色﹁セ・ハン﹂を通過した光線と黄色﹁セロハン﹂を通過したものとが全く同一程度の光力學的野 佐山H痘毒に及ぼす色素の光力學的作用︵憎プOけO身ロ騨冨一二ロOげ⑦ ♂く一目閃5つσQ︶ 第六巻 三五九第4表の2 黄色「セロハン」を通 過せる光線の影響 素︶類 色び種 メチレンL青 照 ト ノレ イ ヂ
﹂
青 劃照 ﹁チオニン﹂ 照 封 照 メチーレンL線 色素の稀繹 倍 数 1:1000 1,10000 1:100000 1:looeooo 1;IOOOOOOO o 1,looo ’ 1:10000 ’1ilooooe 1:1000000 1:10000000 0. 1i:1000 工:10000 1,100000 ・ 1:1000000 1,10000000 0.接種蔀位に
於ける反鷹
直射日光 曝露(1分 間) 柵 柵 分散光線 曝露(1時 間.). 十十十 柵 一 1 柵 冊 1:1000 1:10000 1:100000 1 : 1000000 1・ 1:10000000 0朴一︸朴
■ゆ■17 十 畢 一己画■占1 惜 柵 十十十第4表の1
赤色「セロノ・ン」紙を涌過せ る光線の影響 38 色素の種類 ﹁メチーレン﹂説円 封 照 ﹁トルイヂン﹂㎝営野 照
チオ昌ソ﹂ 封 照 ﹁メチレン︺緑 色素の稀繹 倍 数 ユ:IOOO 1:10000 1:100000 1:1000000 1:10000000 0 1:1000 1:10000 1:100000 1:1000000 t:10000000 0 1:1000 1:10000 1:100000 1:1000000 1:10000000 0 封 照 1:1000 1:10000 1:100000 1:1000000 1:loooooeo o 接種部位に於ける反鷹麟麟三三鶴讐
柵柵
十丹 十H 十十十 柵 十朴 直 ・十十十 佐山n痘毒に及ぼす色素の光力學的作用︵剛ず。8鼠舞目ぎ引首マざ品︶ 第六巻 三六〇’.g9
窮う表紫外線の影響
接種部位に. 於ける反磨 色素の稀繹 倍 .数 .色素の種類 輻 .冊.冊 柵 柵 柵 柵. 1,1000 1:!0000 ! : ,1 00000 1,1000000 1:loooeooe 0 0 ﹁メチーレン﹂青 封. 照. 直射一分間曝露 紫外線一分間曝露 嘱ヨ、一 用を現はし、のみならす直接日光に曝露せる場合と比較しても其成 同 績に殆ど蓬庭を見す、叉紫外線が全く該作用に影響を及ぼさないと 蟹 云ふ事實から光力三三作用に開する光線は赤線であると蜥言しなけ 駐 励 ればならない。余は以上の實験から﹁メチーレン﹂青の他﹁トルイヂ蜘ン・青、千レン・維.チオ轟も著明なる光力學的作用を有す
脳 ることを知きとが出來た。.クリス寛ヴイオレツ,、も想墨い
嵩即.羅船囲羅諜ジ擁議け蟻魏も努ヂ
謙瞬=↑色馨象妄の饗皆式を有って居る・
ユ ロユ よし む T.TM .此二二から考察すると,色素の光力學的作用は色素固有の色より rY[ethyle’nblan B. el (cHa)2N @() lk: 〈A/1 N cHb)’2 Methylenblau (Med) ClHo
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佐凶罰痘毒に及ぼす色素の光力學葡作篤β剛7♀。身コ僧臼坊。言∼属.翌月βσq︶ Meth.vlengrttn噛=絡瓢
も寧ろ化學的構造と密接な關係
があるのではないかと考へられ
る。 団。a鑓口5弓。創P は光力學的作用は酸化現象であって、酸
素の.映乏に於てはコヴイールスL の破壊は讃明されないと述べ、. ︾βoqば﹁﹁メチーレン﹂青の﹁ロ イコ、バーゼ﹂な噛俗血桂μ濡遇轄夙肱肱球 菌を破壊.しないけ.れども、酸素 第一四谷 三ムハ 一.40 佐山ほ痘嵐偉に及ぼす色素の光・刀學的作用︵勺ずO仲O山隈5pコ圏P目皿07① ぐ﹃一﹃犀βコ㈹︶ 笥げ六野 三六二 の存在に於ては、其の磯育を障碍することを言明し Uロぴ。。。によるとこのことは他の二三色素に於ても同様であると云ふ。 余の實験に於ても酸素の一景に於ては﹁ロイコバーゼ﹂となる程疑い還元歌態ではなくとも、執れの色素に於ても光力學的作 用を讃明することが出來なかった。此結果から余も亦色素の光力學的作用は酸化現象であることを肯定する。此酸化現象は 余の用ひた赤色﹁セロハン﹂を通過する光線は測定によると五八○一七〇〇㎜の波長を有する赤線であるから赤線若しくは赤 外線であると考へられる。それ以外の光線は無筆係のもの玉如くである。紫外線は全然關係がない。
結 論
一、﹁メチーレン﹂青の他﹁トルイヂン﹂青,﹁メチーレン﹂緑、﹁チオニン﹂も痘毒に劃し著明な光力學的作用を呈する。是等 の色素は敦も﹁チアチン﹂色素である。それ故に光力學的作用は色素の色よりも,寧ろ其化學構造と關係あるものと思はれ る。 二、.光力學的作用は酸素の存在に於てのみ讃明される。三、光力質的作用に關下する光緑は、五八Ot七〇〇㎜の波長を有する赤線若くはそれ吉も波長の長い赤外線であると
考へられる。 稿を絡るに臨み、雫野講師の御懇篤なる御指導と御校閲の勢を深謝す。文 厭
憎団犠巴び①嶺韓g.団節琶蟄日08Nび一bゴ巳︵8﹃●P閑①hおOり・園匹臆● b9・掴Φ﹃N9茜囚・Nび一・bdp写Φ困一・○嶺おこ。戸.這悼.b9竃● 艶頴§睾¥戸・旦臼。&6奮悶§■図§ω。9bゴH蕊b・。。。。・ 劇・O琵﹁団’多ρN一三①答ロp島否ユ日.ぼ毛Φ二︵﹃g﹁口・H量昌おこ。㎝b。◎。・おこ。・ α.U号。ω・”・].。口琶国メ℃9竃a■H雷り●㎝ρ臨こQBd. ・VI. Ht. 4. Okt. x936