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パルス性電波雑音の到来方向探査システムの開発

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. パルス性電波雑音の到来方向探査システムの開発 背 景 電力設備の故障箇所や金具の接触不良箇所において火花放電が発生し、急峻な電流(パルス電流)が流れる ことによって広い周波数帯域を有する電波雑音が放射されることがある。迅速な保守業務の遂行や無線通信 (放送波や無線 LAN など)への影響を解消するためには、これらの不具合箇所の速やかな検出が必要であり、 発生源の効率的探査手法の開発が求められている。. 目 的 提案されている各種探査原理を評価してパルス性電波雑音の到来方向* 1 探査に適した原理を選定し、実用 的な精度* 2 を有する到来方向探査システムを開発する。. 主な成果 1.到来方向探査に適した原理の選定 表 1 に示すようにアレーアンテナなどを用いて電波雑音や信号の到来方向やそれらの発生源位置を推定す る手法が幾つか提案されている。この中で、反射波を含む複数波源を取り扱えるビームフォーマ法と部分空 間法がパルス性電波雑音の発生源探査に適する探査原理となる。この 2 方法を数値シミュレーションを用い て比較した結果、部分空間法がビームフォーマ法よりも高い探査精度を有することが分かった。 2.到来方向探査システムの開発 4 本の半波長ダイポールアンテナ(中心周波数: 500MHz * 3)で構成したアレーアンテナでパルス性電波 雑音を受信し、部分空間法を用いて到来方向を推定する探査システムを開発した。4 本のアンテナでアレー を構成しているため、本システムで原理的に取り扱うことが可能な電波雑音数は 3 波である。ただし、アン テナ数を増やせばより多くの電波雑音を取り扱うことが可能である。 3.到来方向と推定精度の関係 図 1 に示すように金具の接触不良箇所を模擬した固定球ギャップ(到来方向: 0 °)と可動球ギャップ (到来方向: 1.7 °∼ 58.2 °)を設置した試験送電線(高さ: 12m ∼ 14m)に電圧を印加して電波雑音を発生 させた。図 2 に示すように、探査システムにより 2 つの球ギャップから放射された電波雑音の到来方向を 2 °以内の誤差で推定できた。さらに 2 つの球ギャップの到来方向が 1.7 °まで近接した場合でも両ギャップ を区別して推定できた。例として、可動球ギャップの到来方向を 58.2 °にしたときの到来方向の推定結果を 図 3 に示す。 上記の結果から、アレーアンテナと部分空間法から構成されるパルス性電波雑音到来方向探査システムが 実用的な精度を有することを確認した。. 今後の展開 探査システムの感度特性、仰角方向の探査手法、アレーアンテナ形状の最適化について検討する。 主担当者 関連報告書. 電力技術研究所 雷・電磁環境領域 主任研究員 立松 明芳 「パルス性電波雑音の発生源探査手法の検討」電力中央研究所報告: H08003(2009 年 3 月)、 「パルス性電波雑音の到来方向探査システムの開発」電力中央研究所報告: H08019(2009 年 9 月). * 1 :到来方向を推定する場合は、複数地点の推定結果から交会法により発生源位置を推定する。 * 2 :主に送電線を対象とすると 25 ∼ 40m 離れた位置で3 °程度の誤差となる。 * 3 :電波雑音の周波数特性、アレーアンテナの製作の容易さ、アレーアンテナの可搬性を考慮して、ここでは中心周 波数を 500 MHz に設定した。. 70.

(2) 4.電力流通/流通設備の社会との調和 表1 到来方向・発生源位置推定手法 推定手法. 複数波 の取扱. 反射波 の取扱. パルス性電 波雑音への 適用例. ビームフォー マ法. 可能. 可能. 無. 部分空間法. 可能. 可能. 無. 到達時間差に 基づく手法. 困難. 困難. 有. 手法の概要・特徴. 評価. ・メインビームを走査して到来方向を推定. 高. ・低分解能だが、安定性に優れる ・受信信号のベクトル空間を利用して到来方向を推定. 独立成分分析 に基づく手法. 可能. 不可能. 高. ・ 高分解能だが、 到来波数とアンテナ数の関係に制限が ある ・ 到達時間差とセンサ位置の関係式から波源位置(単一波 源の場合)や到来方向(複数波源の場合)を推定 ・ 複数波源からの寄与が含まれる受信波形を独立成分分析 によって各波源に対応する受信波形に分離し、到来方向 や波源位置を推定. 無. 低. 低. ・到来信号とアンテナ数の関係に制限がある. 上面図 探査システム 1 m ∼ 52.4 m 可動球ギャップ (到来方向:1.7° ∼58.2°). 97 kV. 固定球ギャップ (到来方向:0°). 探査システム. 到来 方向. 到来方向. 12.5 ∼ 14.2 m. 4 30 m. 30 m 1 m ∼ 52.4 m. 球ギャップ : 5 mm 程度の接触不良箇所を模擬. 可動球ギャップ. 固定球ギャップ. 図1 到来方向推定に用いた実験配置 試験送電線に金属の接触不良箇所を模擬した2つの球ギャップ(固定球ギャップと可動球ャップ) を設置し、火花放電に伴って放射された電波雑音の到来方向を開発した探査システムで推定. スペクトラム強度 [dB]. 推定誤差 [°]. 5. 0. –5 0. 20. 40. 60. 0 –1.5° –10 –20. 可動球ギャップ (到来方向:58.2°). –30 0. 到来方向 [°]. 59.5°. 固定球ギャップ (到来方向:0 °). 50 到来方向 [°]. 図2 到来方向と推定誤差の関係. 図3 到来方向の推定結果例 可動球ギャップを 58.2°の方向に設置したとき の到来方向の推定結果であり、スペクトラム強 度のピークが到来方向の推定値に相当. 可動球ギャップの方向を1.7°∼58.2°の範囲で変 化させたときにいずれの方向においても2°以内 の推定誤差を実現. 71.

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