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チェビシェフ基底共役勾配法

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Academic year: 2021

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(1)HPCS2013 2013/1/15. 2013年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム High Performance Computing Symposium 2013. チェビシェフ基底共役勾配法 Chebyshev Basis Conjugate Gradient Method 須田礼仁, 本谷徹 東京大学 情報理工学系研究科. はじめに 正定値対称な大規模疎行列を係数に持つ連立一次方程式. Ax = b を解くには,CG 法が広く用いられている.CG 法は並列化がしやすく並列計算機で広く用いられている. CG 法に含まれる主な計算のうち,ベクトルの内積は並列 化は難しくないが,全ノードでの同期が必要となるため, 今後並列計算機が数万ノード以上になったときにボトル ネックになる可能性がある. そこで,内積の回数を削減したクリロフ部分空間法の 研究がされてきた([1] とその参考文献参照).これらの 手法では,残差 r = b − Ax に対して,これから先 k 反 復分のクリロフ部分空間. K = span{r, Ar, A2 r, . . . , Ak−1 r} j. を陽的に構築し,内積を一度に計算する.しかし A r の. Alg. 1. CBCG 法(ブロック CG 版) x = 0; r = b for i = 1, 2, . . . S = (T0 (A)r, T1 (A)r, . . . , Tk−1 (A)r) if i = 1 then Q=S else B = (QT AQ)−1 QT AS Q = S − QB endif a = argminQT AQa − QT r r = r − AQa x = x + Qa if r/b ≤  break endfor. 計算で丸め誤差の影響を強く受け,内積の回数が減る代償 として,解ける問題の条件数が強く制限されるという問. 多項式はゲルシュゴリンの定理から得られる固有値範囲. 題があった.. に基づき [0, 2] にシフト・スケールした.. 本稿では,チェビシェフ多項式を用いてこの問題が解消で. 100. きることを示す.提案手法を チェビシェフ基底共役勾配法. (Chebyshev Basis Conjugate Gradient Method: CBCG 法) と呼ぶ.. 0.01. residual. 方法. 0.0001. Tj (x) を j 次のチェビシェフ多項式で,A の固有値の. 1e-006. 範囲 I = [λmin , λmax ] にシフト・スケールしてあるもの. 1e-008. とする.すなわち任意の x ∈ I に対し |Tj (x)| ≤ 1.. CBCG 法では,クリロフ部分空間を KCB = span{T0 (A)r, T1 (A)r, . . . , Tk−1 (A)r}. CG CBCG(10) CBCG(20). 1. 1e-010. 1e-012. 0. 100. 200. 300 iteration. 400. 500. 600. 図 1. CBCG 法の収束(赤 CG 法,青 k = 10,緑 k = 20). として作る.計算には三項漸化式を用いる.クリロフ部. 図 1 に CBCG 法の収束履歴を CG 法と比較して示す.. 分空間のよく知られた性質により K = KCB であり,数. CBCG 法の反復回数は CG 法の反復回数に換算している.. 学的には CG 法と同じクリロフ部分空間を張る.. k = 10 では 50 反復,k = 20 では 26 反復を要した.近似 解の真の相対残差は,CG 法で 7.9e-14, k = 10 で 2.0e-11,. このクリロフ部分空間から,CG 法に類似したアルゴリ ズムが生成できる.本稿では,ブロック CG 法に相当す. k = 20 で 1.2e-12 であった.これより,CG 法とほぼ同 じ反復回数で,安定して計算できていることがわかる. Alg. 1 において,ベクトル a を最小二乗法により求め 今後,様々な行列に対して本手法を適用して有効性を ているのは,CG 法が収束するときにクリロフ部分空間が 検証する.また,ブロック CG 以外の構成法による手法,. るアルゴリズムを Alg. 1 に示す.. 尽きて,Q のランクが落ちるためである.. 実験. 固有値範囲の推定,並列実装を計画している. 参考文献. [1] 本谷徹,須田礼仁: k 段飛ばし共役勾配法:通信を回 する.行列 A は −1, 2, −1 からなる三重対角要素でサイ 避することで大規模並列計算で有効な対称正定値疎行列 ズは 500 である.右辺 b は乱数で与えた.このとき CG 連立 1 次方程式の反復解法,情報処理学会研究報告 2012法は行列サイズに同じ 500 回で収束する.チェビシェフ HPC-133, No. 30, 2012. 提案手法を Scilab で実装し,丸め誤差への耐性を確認. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. 72.

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