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豪雨に起因する斜面崩壊分布

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Academic year: 2021

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(1)

   豪雨に起因する斜面崩壊分布

        細  田   ●豊・

        (農学部・防災林学研究室)    ト

The Distribution of the Landslides due to a Heavy

Rain

      Yutaka HOSODA

Lahora£oり可Erosion Controle Engineering Faculty of AgrtctiJはre

 Abstract ; In this paper. writer had made apparent the fact lthat the landslides had influenced strongly a geological condition in a・catchment area, from a distribution of the

slope failure due to a heavy rain

      I ま え が き  昭和51年17号台風災害後に撮影された航空写真から図化された。吉野川上流域の崩壊分布図を基 礎資料として,斜面崩壊現象の分布について検討した。  対象とした流域は,大森川上流域,瀬戸川流域,大北川流域の3流域である。各流域の地質概要 を述べれば,大森川流域は緑色片岩,瀬戸川流域は緑色片岩,黒色片岩及び清水構造帯が存在し, また大北川流域は緑色片岩,黒色片岩,珪質片岩などの分布地帯である。  降雨についてみれば,昭和50年5号台風に起因する総降雨量は600 mm∼700 mm, 時間雨量強 度は80 mm∼100 mm であり,昭和51年17号台風では1600 mm∼1700 mm, 50 mm∼80 mm であ った。総降雨量は17号台風が多く,時間雨量強度では5号台風が強かった1)。  このような地質条件,降雨条件のもとで発生した斜面崩壊地の分布傾向か凝集的か,均等的か, ランダムであるかを考察した。        H 計測及び考察    写真−1 大森川上流域の崩壊分'布

(2)

108 高知大学学術研究報l告 第28巻  自然科学

写真−2 瀬戸川流域崩壊`分布 phofo―2 Distribution ofトthe Land-  slides in the Seto basin ^

   写真−3 大北川流域崩・壊分布ご

(3)

       豪雨に起因する斜面崩壊分布  (細田)       109  各流域の斜面崩壊地の分布状況は写真1∼3に示した如くである。なおこの資料は吉野川砂防工 事々務所から頂いた1/25000地形図の崩壊分布図を写真に撮影したものである。  写真1), 2), 3)をみると大森川流域での崩壊分布は上流水源地帯に集中し,瀬戸川,大北川の 雨流域ではランダムに分布している傾向か認められる。  この斜面崩壊分布か,まずポアソン分布をなしていると仮定すれば,ポアソン分布の性質を利用 して,斜面崩壊地の分布が凝集分布(集中)か,均等分布か,ランダム分布かを数値で判定でき る。すなわちポアソン分布は平均値と分散が等しい関係にあるから,この関係を用いるのである。  計測値の処理は次式を用いればよい2)。   _    N/M RF一二・    Σ(M − N/MJIM 但し M   M : 方格数   N:全体の斜面崩壊数 :f番目の方格内に含まれる斜面崩壊数  上式においてRi>=\であるならば,斜面崩壊地の分布はポアソン分布に従う,ランダムな状態 にあることになる。次にR戸>1の場合には,方格内に含まれる斜面崩壊の平均値か,その分散 より大きいことになり,その場合の斜面崩壊地の分布は均等分布を示していることになる。また 均・<1の場合には,各方格内に含まれる斜面崩壊数の平均に比べて,方格間による分散の方が大 であることから,斜面崩壊地の分布はより凝集(集中)した分布を示すことになる。  この手法によって,上述め3流域の斜面崩壊地の分布傾向について計測し検討した。’計測方法 は,3流域に一辺500 m の格子網を描き,その格子内の斜面崩壊数を求めた。  a)大森川流域の計測結果 RJP°M N/M   = 0.150く1    Σ(M−N/M)VM  但し M=86 ’ AT=676  計測結果から,本流域の斜面崩壊地の分布状態は凝集分布になる。これは写真−1の斜面崩壊分 布からも明らかであり当然の結果となった。本地域の時間雨量強度は 80 mm であるけれども, 降雨量の因子を強く考えるならば,斜面崩壊地の分布は,もっとバラツイタ分板が想定されるけれ ども集中的な分布をなす。これは雨量因子だけでなく緑色片岩類の局部的な脆弱化か斜面崩壊に顕 著に影響を及ぼしたと考える。 b)瀬戸川流域の計測結果    Rj’゜ 。 N/M   = 0.241 < 1       ΣCM - N/My/M 但し M=263  Ar=1358 斜面崩壊地の分布は凝集分布である。写真−2で下部の斜面崩壊地か集中している場所が清水構造 帯の部分に該当している。この流域の降雨強度(80 mm 前後)分布を検討してみても,特に清水 構造帯周辺の降雨強度が強いとは思われないので,地質構造の影響は無視されない。

(4)

110 :高知大学学術研究報告ク第28巻 自然科学  c)大北川流域の計測結果,        ‥‥‥,   :     Rj・=jf  N/M    = 0.422 < 1 ∧  十         Σ(M − N/MJIM     ・         S-1       。゛i  `  但し M= 127  N=492 斜面崩壊地の分布は凝集分布である。写真−3をみれば,ランダム分布に思われるけれども結果は そうでない。降雨強度は60 mm∼80 mm であるぶこの流域で,の斜面崩壊現象は地質条件に強く 影響されていると考える。       ‘j        Ⅲ ま  と  め 三   ぐ  総降雨量及び降雨強度の分布傾向からみるならば,斜面崩壊地の分布は凝集的な分布傾向を示さ ないと考えられるけれども,計測結果では3流域とも斜面崩壊地の分布は凝集分布を示した。この 結果は,斜面崩壊現象は誘因としての降雨の因子は無視出来ないけれども,むしろ斜面崩壊発生場 の素因条件か強い因子であると指摘できる。すなわち風化土層の物理的性質,破砕帯,断層の存在 など地層の局部的に脆弱化した場所の存在が重要視ヽされる。      ト        参 考 文 献一 1)高知県地すべり等防災対策技術会議 高知県地すべり等防災対策調査報告書1977 2)石水照雄著 計量地理学概説 古今書院 1976 − (昭和54年9月28日受理) (昭和55年1月28日発行)

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