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Title
Functional characterization of Dentipain of
Treponema denticola
Author(s)
宮井, 友理
Journal
, ():
-URL
http://hdl.handle.net/10130/3392
Right
氏名 宮井 友理 学位 博士(歯学) 学位記番号 第2038号(甲 第1272号) 学位授与年月日 平成26年 3月31日 学位授与の要件 学位規則第4条第1項 論文審査委員 主査 齋藤 淳 教 授 副査 佐藤 亨 教 授 副査 石原 和幸 教 授 副査 加藤 哲男 教 授 副査 佐藤 裕 准教授
学位論文名 Functional characterization of Dentipain of Treponema denticola
学位論文内容の要旨
1.研究目的
Treponema denticolaは、慢性歯周炎の病巣よりPorphyromonas gingivalis, Tannellera forsythiaと 共に高頻度に分離され、その発症と進行に重要な役割を果たしている。T. denticola のgenome 上には、
Streptococcus pyogenesのIgG特異的プロテアーゼ(IdeS)と類似性の高いdomainを持つタンパク質(IdeT, Dentipain)が存在する。IdeTは IdeS様のprotease domainの上流にimmunoglobulin-like protein domain を持つ。組換えタンパク質を用いた解析により本タンパク質はprotease 活性を持つことは明らかになって いるが、T. denticolaにおけるその機能は明らかにされていない。
そこで本研究では、IdeT のT. denticolaにおける機能解析を行った。
2.研究方法
Dentipain の精製は、培養上清を試料として行った。T. denticola ATCC 35405 の培養上清から 40%~60%の 硫酸アンモニウムによる塩析の沈渣を得た。得られた沈渣は PBS に溶解後、CHAPS を用いてタンパク質を 可溶化し、100,000 g 3 時間で超遠心分離を行い、上清を回収した。得られた分画を、さらに陽イオン交換 カラム、ゲルろ過カラムを用いて部分精製した。部分精製サンプルは、SDS-PAGE 及び IdeT 抗体を用いた Westernblot 法により確認し、エドマン法により Dentipain の N 末端タンパク質解析をおこなった。Dentipain の機能を解析するため、相同組換により ideT の open reading frame の immunoglobulin-like protein domain をコ ードする領域の5’ 末端に ermFermAM を挿入し、Dentipain の欠損株を作成した。作製した変異株について、 成長速度を解析した後、付着関連因子として自己凝集能、ECM と IgG に対する付着能、疎水性について比
較した。
3.研究成績および結論
T. denticolaの培養上清の部分精製画分は、Westernblot 解析では約 63 kDa と 48 kDa、2種類のサイズ のband が認められた。48 kDa のタンパク質の N 末端は、Dentipain の 202, 205, 207 番目の塩基から始 まり、この部位は、immunoglobulin-like protein domain の C 末端側であった。また、63 kDa のタンパ ク質はN 末がブロックされていたが、48 kDa band とのサイズの差から、ほぼ Dentipain 全体であると予 想された。この結果は、48 kDa のバンドはプロセシングを受けて遊離された immunoglobulin-like protein domain 末端部と protease domain であることが明らかになった。変異株と野生株の比較では、変異株の 成長速度は野生株に比べ遅くなった。この差は、血清の代わりにリポプロテインによって構成されている EX-CYTE を使用すると大きくなることから、Dentipain がタンパク質等の血清成分の利用に関わることが 示唆された。自己凝集能は変異株において低下した。疎水性の強さは変異株で増加していた。また、ECM とIgG への付着では、変異株の IgG 付着能が増加していた。これらの結果は、Dentipain の欠損により菌 の表層の性質に変化が起こりその付着に関わる因子の変化が起こっていることを示し、またDentipain の 一部が細胞表層に作用していることを示唆している。
以上より、Dentipain は菌体外に遊離され、プロセシングにより数種類のサイズで存在していると考え られる。また、本タンパク質はT. denticolaの生育に必要であるとともに、付着に関わる表面性状に影響を 与えていることが示唆された。
最終試験の結果の要旨および担当者
報 告 番 号 甲 第1272号 氏 名 宮井 友理 最終試験担当者 主 査 齋藤 淳 教 授 副 査 佐藤 亨 教 授 石原 和幸 教 授 加藤 哲男 教 授 佐藤 裕 准教授 最終試験施行日 平成26年 1月17日 試 験 科 目 歯科補綴学 試 験 方 法 口頭試問 試 験 問 題 主題ならびに関連問題 結 果 の 要 旨 本審査委員会は主題ならびに関連問題について最終試験を行った結果、十分な学識を 有することを認め、合格と判定した。学位論文審査の要旨
本研究は、T. denticolaの持つDentipain というタンパク質の機能解析を目的として、培地上清中の Dentipain のアミノ酸配列 N 末端の同定、野生株と Dentipain 欠損株での増殖曲線、疎水性、ECM およ び血清タンパク質への付着の比較を行ったものである。その結果、Dentipain は培地上清中に複数のサイ ズで遊離され、一部はプロセシングを受けて遊離されたimmunoglobulin-like protein domain 末端部と protease domain であった。また、野生株と欠損株の比較では、欠損株において成長速度が遅く、疎水性 は欠損株で高かった。ECM に対する付着は変化がなかったが、IgG に対する付着が欠損株で大きくなって いた。以上より、Dentipain は菌体外に遊離され、プロセシングにより数種類のサイズで存在していると 考えられる。また、本タンパク質はT. denticolaの生育に必要であり、表面性状に影響を与えていることが 示唆された。 本審査委員会では、1. 増殖曲線の比較方法の正確性 2. Ig-like ドメインの機能は何か 3. 欠損株に対す る相補株を作成する必要性はあるか 4. 運動性のT. denticolaが局所に付着する意義は何か といった質問 および指摘があった。1. に対しては、それぞれの倍加時間を算出し、比較することとした。2. に対しては、 菌によって違うが、多くは付着に関わるとされている。3. に対しては、現時点においてT. denticola での 相補株の報告が少なく、手技的に困難なため今後の課題とした。4. に対してはバイオフィルム中で病原性 を発揮するためであると考えられる。以上、概ね妥当な解答が得られた。さらに論文の要旨、文章構成や 英語表現、とくに考察の展開の不明快さ、図説等に関しての指摘があり、修正が行われた。 本研究で得られた結果は、今後の歯学の進歩、発展に寄与するところ大であり、学位授与に値するもの と判定した。