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生徒が満足感を得る学級づくり~関わり合いを意識した学級活動と生徒理解の実践を通して~: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Title

生徒が満足感を得る学級づくり∼関わり合いを意識した

学級活動と生徒理解の実践を通して∼

Author(s)

菊池, 智裕

Citation

教職実践研究(6): 43-50

Issue Date

2016-03

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/21849

Rights

沖縄大学教職支援センター

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43 -<実践報告>

生徒が満足感を得る学級づくり

~関わり合いを意識した学級活動と生徒理解の実践を通して~

菊地 智裕 浦添市立浦添中学校

How to compose classes in a way that ensures student satisfaction

Through the understanding of students and class activities that focus on student relationships

Tomohiro KIKUCHI (The junior high school of Urasoe)  本稿は,関わり合いを意識した学級活動と生徒を理解していく活動の実践を通して、「 中学校の生 徒が満足感を得る学級づくり 」 を目指した実践過程をまとめたものであり、次のような結果を得た。 ①関わり合いを意識した学級活動を継続的に取り組んでいくことで,生徒が満足感を得られるよう になっていくことが分かった。 ②生徒を理解していく際には,QU テストなどを用いることや教育相談を行うことが有効であった。 教育相談には,個人の目標や課題などが見える資料を用いた方が,生徒自身が自分自身を振り返 ることができ,教師も生徒理解を深めやすいことが分かった。 キーワード:中学校,関わり合い,オープンクエスチョン,自問清掃,生徒理解,QU テスト,       自分を伸ばすためのシート,教育相談 1.はじめに  中学生になると,家庭で過ごす時間よりも 学校で過ごす時間が長くなる。そのため、親 などとの結びつきが強い時期から、次第に友 人との関係が大きな位置を占める時期へと変 化していく1)。友人関係をつくるには,自 分の気持ちだけを伝えるのではなく,相手の 気持ちも考えるといった社会的スキルが求め られる。中学生の社会的スキルを高め合うこ とが,生徒のコミュニケーション能力を高め る方法の1つである。中学校において,社会 的スキルを高めていく場面として,特別活動 の学級活動の時間を利用していくことが方法 の 1 つにあげられる。学習指導要領解説特別 活動では,「望ましい集団活動を進めるこ とそのものが特別活動の特質」とある2)。 「望ましい集団活動」とは,「特に集団の各 成員が互いに人格を尊重し合い、個人を集団 に埋没させることなく,それぞれの個性を認 め合い,伸ばしていくような活動を行うとと もに,民主的な手続きを通して,集団の目指 すべき目標や集団規範を設定し,互いに協力 し合って望ましい人間関係を築く」活動であ る。このため,特別活動を中心に社会的スキ ルを高めていくことで,互いに協力し合える 人間関係を築くことができると思われる。生 徒が学級の友人と協力して様々な活動に関わ れている場合,生徒は自分が学級から認めら れると感じ,生徒が学級への満足感を高めて いくと考える。このような気持ちを生徒が持 つことにより,いじめの減少や学力向上の きっかけになると考え,本研究に取り組ん だ。 2.方法 (1)関わり合い  学級の友人同士の関わり合いを増やすため に以下のことを意識して取り組んできた。 1) オープンクエスチョン3)  生徒の関係性を作る際に生徒任せにしたと

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45 44 -生徒が満足感を得る学級づくり 菊池 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 き,特定の人との関係が深まることが多い。 そのため、学級の中では,特定のグループが でき,グループの中では話をするが,他のグ ループの人とは話をしない状況が生まれると 思われた。様々な生徒と話をする機会を教師 が意図的に生徒に持たせていくことで,普段 接することが少ない生徒とも話をすることが 可能となる。これにより、学級の仲間を深く 理解し,関わり合いのある学級が形成されて いくと思われた。そこで,オープンクエス チョンを朝の会や教科,道徳の時間,学級活 動の導入で行い,様々な人と話をする機会を 頻繁に設定した。 2)清掃活動  学級の清掃活動がうまくいっていなかっ た。生徒は,指示されないと動けず,見て いないと清掃をしない状況になっていた。 先輩に相談したところ,自問清掃を勧めら れた4, 5)。この自問清掃は,清掃の目的を 清掃場所をきれいにすることではなく,自 分の心を磨くこととしている。そのために, 清掃中に一生懸命に取り組めるように話す ことを我慢する(がまん玉を磨く),仲間 が困っていることや助けて欲しいことに対 して親切に行動する(親切玉を磨く),清 掃ができていないところを発見することを 意識的に取り組んでいく(発見玉を磨く)。 これらができるようになるために、毎日行 う家庭学習帳に 「 がまん玉 」,「 親切玉 」, 「 発見玉 」 に関する内容を書いて来るように 指示した。清掃活動と道徳や特別活動の授 業内容との関わりが生徒にとって分かりや すくなるように,清掃活動に関する題材を 用いたり,ワークシートに工夫をしたりし た。 (2)生徒理解 1)記録簿の作成 ①QU テスト  生徒が学級に対して満足感を得ているか どうかを調べる方法の1つにQU テストが ある6)。このテストを5月と11 月に行い, 生徒の変容を調査した。 ②自分を伸ばすためのシート  年度や学期の始まりに,中学校において生 徒に見通しを持たせた学校生活を送らせるた めに,生活面や学習面の目標を生徒に記入さ せることが多い。これを自分ができること・ できないことから考え,学期や年度の終わり に振り返るようにしていくことで,自分自身 のメタ認知を高められると思われた。この目 標などとともに,担任がその生徒への支援内 容も記入できるようにすることで、適切な指 導につなげられると思われた。図1 のような 1つの資料「自分を伸ばすためのシート」を 作成した。このシートを作成する際に千葉県 の「個別の支援計画」作成・活用事例を参考 とした7)。このシートには,自分の1年間 の目標を立てる。この目標を達成させるため に,1学期と2学期の目標をたてることを意 識させる欄を設けた(図1 の上)。生徒には, 自分のできることや困っていることなどを明 確にさせることを意識した(図1 の中)。教 師は,生徒の普段の様子や教育相談などの記 録を残していく(図1 の下)。これによって, 各学期の生徒の学習面と生活面の様子が分か るようになっている。 2)教育相談  本校においては,5 月と 11 月に教育相談 として,全校生徒対象の定期面談を行ってい る。この機会を利用して,生徒の現在の心理 的な状況を確認した。生徒が不安そうなとき やQU テストの結果について疑問に思ったと きなどの必要なときにも,面談を随時行っ た。 3.結果 (1)関わり合い  オープンクエスチョンを行うことで,「仲 間との関わり」に関して身についたことは何 ですかという質問に対して,生徒は表1 のよ うに答えていた。オープンクエスチョンを 行った際に,すぐに話が終ってしまったり, あまり気持ちがのらなかったりした生徒もい

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45 44 -を行ってきた。何度も繰り返しオープンクエ スチョンを行ってきたことで,生徒は学級の 仲間のことを知ることができた。普段話をし ない人とも話をする機会をつくったことで, 関わることができる仲間が増え,学級の仲間 を知ることができるようになってきたと思わ れる。 清掃活動を通して,生徒のがまんする力, 発見する力及び親切にする力を育むことで, 生徒自身の心を磨くために,朝の会や帰りの 会などで清掃活動の話をしたり,考えさせた りしてきた。道徳の授業においても,ワーク シートを工夫し、清掃活動に対して考えさせ た 。 清 掃活 動 の 記録 (学級通信に載せ,保護 者 に 配 布) では,話だけでなく,きたないと ころを我慢して清掃に取り組んだり,仲間の 良さを発見したりすることを記載する生徒も 出てきた(図 2)。清掃活動を行うことで, 生徒の道徳的実践力を育むために,朝の会や 帰りの会などで清掃活動の話をした。 図1. 自分を伸ばす為のシート(上、中、下) ・ 友 だ ち が 増 え た ・仲 間 の こ と を た っ た 3 分 く ら い で 知 る こ と が で き た ・ 絆 が 深 ま っ た ・ と な り の 人 と し ゃ べ れ る よ う に な っ た ・ 色 々 な 友 だ ち の 話 を き け る こ と が で き た ・ ク ラ ス と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る こ と ・ 仲 間 の や っ た こ と が わ か る こ と ・ 相 手 が 思 っ て い る こ と ・あ ま り し ゃ べ っ た 事 が な か っ た 人 と も し ゃ べ れ る よ う に な っ た ・ 人 と 話 す 機 会 も 増 え た ・ 友 だ ち の 話 を 聞 く よ う に な っ た 表 1. オ ー プ ン ク エ ス チ ョ ン を 行 う こ と で 、「 仲 間 と の 関 わ り 」 に 関 し て 身 に つ い た こ と 図 2. 生 徒によ る清掃活 動の記 録 た。無理せずに,話があまりできない生徒に は,「どんなことを話した?」などの声かけ を行ってきた。何度も繰り返しオープンクエ スチョンを行ってきたことで,生徒は学級の 仲間のことを知ることができた。普段話をし ない人とも話をする機会をつくったことで, 関わることができる仲間が増え,学級の仲間 を知ることができるようになってきたと思わ れる。  清掃活動を通して,生徒のがまんする力, 発見する力及び親切にする力を育むことで, 生徒自身の心を磨くために,朝の会や帰りの 会などで清掃活動の話をしたり,考えさせた りしてきた。道徳の授業においても,ワーク 図 1. 自分を伸ばす為のシート(上、中、下) 表 1. オープンクエスチョンを行うことで、  「仲間との関わり」に関して身についたこと ・友だちが増えた ・仲間のことをたった3分くらいで知ること ができた ・絆が深まった ・となりの人としゃべれるようになった ・色々な友だちの話をきけることができた ・クラスとのコミュニケーションをとること ・仲間のやったことがわかること ・相手が思っていること ・あまりしゃべった事がなかった人ともしゃ べれるようになった ・人と話す機会も増えた ・友だちの話を聞くようになった を行ってきた。何度も繰り返しオープンクエ スチョンを行ってきたことで,生徒は学級の 仲間のことを知ることができた。普段話をし ない人とも話をする機会をつくったことで, 関わることができる仲間が増え,学級の仲間 を知ることができるようになってきたと思わ れる。 清掃活動を通して,生徒のがまんする力, 発見する力及び親切にする力を育むことで, 生徒自身の心を磨くために,朝の会や帰りの 会などで清掃活動の話をしたり,考えさせた りしてきた。道徳の授業においても,ワーク シートを工夫し、清掃活動に対して考えさせ た 。 清 掃活 動 の 記録 (学級通信に載せ,保護 者 に 配 布) では,話だけでなく,きたないと ころを我慢して清掃に取り組んだり,仲間の 良さを発見したりすることを記載する生徒も 出てきた(図 2)。清掃活動を行うことで, 生徒の道徳的実践力を育むために,朝の会や 帰りの会などで清掃活動の話をした。 図 1. 自分を伸ばす為のシート(上、中、下) ・ 友 だ ち が 増 え た ・仲 間 の こ と を た っ た 3 分 く ら い で 知 る こ と が で き た ・ 絆 が 深 ま っ た ・ と な り の 人 と し ゃ べ れ る よ う に な っ た ・ 色 々 な 友 だ ち の 話 を き け る こ と が で き た ・ ク ラ ス と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る こ と ・ 仲 間 の や っ た こ と が わ か る こ と ・ 相 手 が 思 っ て い る こ と ・あ ま り し ゃ べ っ た 事 が な か っ た 人 と も し ゃ べ れ る よ う に な っ た ・ 人 と 話 す 機 会 も 増 え た ・ 友 だ ち の 話 を 聞 く よ う に な っ た 表 1. オ ー プ ン ク エ ス チ ョ ン を 行 う こ と で 、「 仲 間 と の 関 わ り 」 に 関 し て 身 に つ い た こ と 図 2. 生 徒によ る清掃活 動の記 録 図 2. 生徒による清掃活動の記録

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47 46 -生徒が満足感を得る学級づくり 菊池 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50  道徳の授業では,図3 のようなワークシー トを作成した。このような活動を通して, がまんすること,親切にすること,発見する こと,心をみがくことがさらにできるように なったかどうかを調べた。いずれの項目に対 しても8 割以上の生徒ができたと答えていた。 自問清掃を行うことで,「仲間との関わり合 い」に関して身についたことは何ですかとい う質問に対して,生徒は表2 のように答えて いた。清掃中に我慢していくことで,他の場 面でも我慢できるようになっていくことがで きるようになった生徒もいた。清掃中の発見 や親切をしていくことで,仲間の存在の大切 さに気付き,感謝できるようになってきた生 徒もいた。 (2)生徒理解 1)QU テスト  5 月と 11 月の QU テストの結果を表 3 に 示した。5 月の結果では,22 人が学級生活満 足群に位置しているが、9 人が非承認群に位 置し,どちらも全国の割合よりも高い割合で あった。3 名が学級生活不満足群に位置し, そのうちの1名は要支援という判定であっ た。  11 月の結果では,27 人が学級生活満足群 に位置し,5 月よりも多くの生徒が学級生活 に満足していることが分かった。11 月の検 査では,5 月に検査できなかった 2 名も受検 した。その結果は,1 名が学級生活満足群に, 1名が非承認群に位置した。  5 月の結果で非承認群か学級生活不満足群 に位置し,11 月でも非承認群か学級生活不 満足群に位置していたA ~ H の 8 人の生徒 の11 月での変容を図 4 に示した(各アルファ 教職実践研究 第6 号 ・ い ろ い ろ 協 力 し て , 清 掃 を 行 う こ と が で き た ・ 仲 間 に も 親 切 に で き る よ う に な っ た ・ し ゃ べ ら ず そ う じ を し て い く と , い ろ い ろ な こ と も が ま ん で き る よ う に な っ た ・ 人 に 親 切 が 出 来 る よ う に な っ た ・ 友 だ ち が 助 け て く れ た と き 、 人 間 1 人では生 き て い け な い と い う こ と が 分 か っ た ・ い ろ ん な 人 と 協 力 で き る よ う に な っ た ・ 少 し だ け 真 面 目 に 清 掃 が で き る よ う に な っ た ・ 楽 し く 清 掃 が で き た ・ そ う じ を だ ま っ て 少 し で き た ・ が ま ん す る こ と や 親 切 す と な こ と を し た こ と ・ 仲 間 に 親 切 な こ と を さ れ る と , 感 謝 で き る よ う に な っ た ・ 話 す 機 会 が 増 え た ・ 相 手 を 思 い 行 動 す る こ と が で き る よ う に な っ た ・ み ん な , 掃 除 を 頑 張 っ て る な ぁ ~ と か 優 し い な ぁ ~ と 思 う こ と が た く さ ん あ っ た 。 ・ 仲 間 の 頑 張 っ て い る こ と に 気 づ け る よ う に な っ た 。 表2. 自問清掃を行うことで,「仲間との か かわり 」に関し て身に ついた こと 道徳の授業では,図 3 のようなワークシー トを作成した。このような活動を通して,が まんすること,親切にすること,発見するこ と,心をみがくことがさらにできるようにな ったかどうかを調べた。いずれの項目に対し ても8 割以上の生徒ができたと答えていた。 自問清掃を行うことで,「仲間との関わり合 い」に関して身についたことは何ですかとい う質問に対して,生徒は表2 のように答えて いた。清掃中に我慢していくことで,他の場 面でも我慢できるようになっていくことがで きるようになった生徒もいた。清掃中の発見 や親切をしていくことで,仲間の存在の大切 さに気付き,感謝できるようになってきた生 徒もいた。 (2) 生徒理解 1) QU テスト 5 月と 11 月の QU テストの結果を表 3 に示 した。5 月の結果では,22 人が学級生活満足 群に位置しているが、9 人が非承認群に位置 し,どちらも全国の割合よりも高い割合であ った。3 名が学級生活不満足群に位置し,そ のうちの1名は要支援という判定であった。 11 月の結果では,27 人が学級生活満足群に 位置し,5 月よりも多くの生徒が学級生活に 満足していることが分かった。11 月の検査で は,5 月に検査できなかった 2 名も受検した。 その結果は,1 名が学級生活満足群に,1名 が非承認群に位置した。 5 月の結果で非承認群か学級生活不満足群 に位置し,11 月でも非承認群か学級生活不満 足群に位置していたA~H の 8 人の生徒の 11 月での変容を図 4 に示した(各アルファベッ トが生徒を示し,その右の数字の”5”は 5 月の 検査結果,”11”は 11 月の検査結果を示す)。 5 月に非承認群に位置した生徒は 11 月の検査 において,3 人(B,G,H)がそのまま非承 認群に位置し,4 人は学級生活満足群に移動 し,2 人(C,D)は学級生活不満足群(うち 1 人は要支援群)に移動した。5 月の検査で学 級生活不満足群に位置していた3 人(A,E, F)の生徒は,11 月も学級生活不満足群に位 置していた。 11 月の結果で,非承認群と学級生活不満足 群に位置した生徒に対して面談を実施した。 この時期に要支援群になった生徒C は,仲間 にからかわれていたことが分かった。他の生 徒は,「分からない授業に抵抗がある」,「話 せる人が少ない」,「自分が言った意見がク ラスの中で採用されたことがない」などを感 図3. 道徳のワークシート 所属集団 5月検査結果 11月検査結果 全国平均 学級生活 満足群 22人 (65 %) 27人(75 %) 35% 非承認群 9 人(26 %) 4人(11 %) 15% 侵害行為 認知群 0人(0 %) 0人(0 %) 17% 学級生活 不満足群 3人(9 %) 5人(14 %) 33% 要支援群 1 人 2 人 表 3 . 5 月 と 1 1 月 に 実 施 し た Q U テ ス ト の 結 果 図 3. 道徳のワークシート 表 2. 自問清掃を行うことで,「仲間とのかか   わり」に関して身についたこと ・いろいろ協力して,清掃を行うことができた ・仲間にも親切にできるようになった ・しゃべらずそうじをしていくと,いろいろな こともがまんできるようになった ・人に親切が出来るようになった ・友だちが助けてくれたとき、人間 1 人では生 きていけないということが分かった ・いろんな人と協力できるようになった ・少しだけ真面目に清掃ができるようになった ・楽しく清掃ができた ・そうじをだまって少しできた ・がまんすることや親切すとなことをしたこと ・仲間に親切なことをされると,感謝できるよ うになった ・話す機会が増えた ・相手を思い行動することができるようになった ・みんな,掃除を頑張ってるなぁ~とか優しい なぁ~と思うことがたくさんあった。 ・仲間の頑張っていることに気づけるように なった。 所属集団 5月検査結果 11月検査結果 全国平均 学級生活 満足群 22 人 (65 %) 27 人 (75 %) 35% 非承認群 9 人 (26 %) 4 人 (11 %) 15% 侵害行為 認知群 0 人 (0 %) 0 人 (0 %) 17% 学級生活 不満足群 3 人 (9 %) 5 人 (14 %) 33% 要支援群 1 人 2 人 表 3.5 月と 11 月に実施した QU テストの結果 シートを工夫し、清掃活動に対して考えさせ た。清掃活動の記録 ( 学級通信に載せ,保護 者に配布) では,話だけでなく,きたないと ころを我慢して清掃に取り組んだり,仲間の 良さを発見したりすることを記載する生徒も 出てきた(図2)。清掃活動を行うことで, 生徒の道徳的実践力を育むために,朝の会や 帰りの会などで清掃活動の話をした。

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47 46 -ベットが生徒を示し,その右の数字の‟5” は 5 月の検査結果,‟11” は 11 月の検査結果を 示す)。5 月に非承認群に位置した生徒は 11 月の検査において,3 人(B,G,H)がその まま非承認群に位置し,4 人は学級生活満足 群に移動し,2 人(C,D)は学級生活不満 足群(うち1 人は要支援群)に移動した。5 月の検査で学級生活不満足群に位置していた 3 人(A,E,F)の生徒は,11 月も学級生活 不満足群に位置していた。  11 月の結果で,非承認群と学級生活不満 足群に位置した生徒に対して面談を実施し た。この時期に要支援群になった生徒C は, 仲間にからかわれていたことが分かった。他 の生徒は,「分からない授業に抵抗がある」, 「話せる人が少ない」,「自分が言った意見 がクラスの中で採用されたことがない」など を感じていたことが分かった。  図4 で示した生徒たちは,被侵害得点が高 くなる傾向が見られた。11 月の QU テスト で,高かった被侵害得点の項目としては, 「授業中に冷やかされることがある」,「班 をつくる時,班に入れず残ってしまうことが ある」,「休み時間に一人でいることが多 い」,「学校に行きたくないときがある」, 図 4. 5月と11月のQUテストの生徒の変化  の様子 じていたことが分かった。 図4 で示した生徒たちは,被侵害得点が高 くなる傾向が見られた。11 月の QU テストで, 高かった被侵害得点の項目としては,「授業 中に冷やかされることがある」,「班をつく る時,班に入れず残ってしまうことがある」, 「休み時間に一人でいることが多い」,「学 校に行きたくないときがある」,「クラスの 友人関係についてあまり知らない」などであ った。この生徒たちは,学級の中で次第に承 認されてきていると感じてはいるが,自分か ら仲間に入らず(入る方法が分からず),学 級の友人関係についてあまり知らない現状に あることが分かった。これらの結果をもとに, 生徒同士の関わり合いを増やせるように,道 徳や学活などにおいても,グループ学習や話 し合い活動を意識して行った。立場や考え方 の違う仲間がいることやコミュニケーション の取り方なども,学校での様々な活動を通し て、取り組んでいくことが大切と思われた。 2) 教育相談 11 月 に 教 育 相 談 を 行 う 際 に , 以 前 に 作 成 し た 記 録 簿 を も と に ,現 在 の 自 分 の 様 子 と 比 較 さ せ な が ら 相 談 を 行 っ た 。生 徒 は 自 分 が 作 成 し た 目 標 な ど を 忘 れ て い る 場 合 も 多 か っ た 。生 徒 が 苦 手 と し て い る こ と な ど も 記 録 簿 に あ る た め , 生 徒 の 相 談 内 容 を 把 握 し や す く ,教 育 相 談 が ス ム ー ズ に 進 行 す る こ と が で き た 。記 録 簿 の 中 で ,「 自 分 の 困 っ て い る こ と 」を「 な い 」も し く は 空 白 に し て い た 生 徒 が 4 人 い た 。彼 ら と 教 育 相 談 を 通 し て ,4 人 の う ち 1 人は、学習の理解度も高く,自分の 疑 問 を 自 分 で 解 決 す る こ と が で き て い る こ と が 分 か っ た 。3 人は,丁寧に自分自身のこ と を 考 え る こ と が 苦 手 で ,自 分 自 身 の 課 題 を 見 つ け る こ と が で き て い な い こ と が 分 か っ た 。学 年 の 校 内 支 援 委 員 会 に お い て ,こ の3 名 を 報 告 し ,そ の う ち の 2 人は適性就学指導 委 員 会( 以 下 ,適 就 と 略 す )に つ な げ ,も う 1 人はカウンセラーにつないだ。適就につな い だ2 名は,次年度から情緒学級に所属する こ と と な っ た 。カ ウ ン セ ラ ー に つ な い だ 生 徒 は ,何 ら か の 課 題 を 持 っ て い る こ と が 予 想 さ れ る た め 、引 き 続 き カ ウ ン セ リ ン グ が 必 要 と な っ た 。こ の 生 徒 は 学 習 の 理 解 度 も 低 く ,教 育 相 談 を し て い く 中 で ,人 の 話 を 理 解 す る こ と が 厳 し い こ と が 分 か っ た 。 保 護 者 ,生 徒 , 担 任 と 教 育 相 談 担 当 で 面 談 を 行 い ,保 護 者 に こ の 旨 を 伝 え た 。保 護 者 は 生 徒 を 耳 鼻 科 に 連 れ て い っ た 。こ の 受 診 に よ っ て ,こ の 生 徒 は 学 校 の 聴 覚 検 査 で は 行 わ な い 低 音 域 の 中 度 難 聴 、 高 音 域 の 軽 度 難 聴 が 分 か っ た 。 4 . 考察 生徒が満足感を得る学級づくりを目指し, 関わり合いを意識した学級活動に取り組んで きた。学級経営としては,(1)関わり合い(い ろいろな人たちと話す機会を作ることための オープンクエスチョン及び自分自身の行動を 振り返り,心を磨けるようになるための自問 清掃),(2)生徒理解(QU テスト及び自分を 伸ばす為のシート),(3)教育相談に焦点を当 て,研究を行ってきた。 関 わ り 合 い に 関 す る ア ン ケ ー ト を 36 人の 生 徒 に 行 っ た 結 果 を 表4 に示した。オープン クエスチョンを行うことで,生徒がいろいろ な仲間と「話をする機会をつくること」がで きるようになったかどうかを調べた。できる 図 4. 5月と1 1月のQ Uテス トの生徒 の 変化の 様子 「クラスの友人関係についてあまり知らな い」などであった。この生徒たちは,学級の 中で次第に承認されてきていると感じてはい るが,自分から仲間に入らず(入る方法が分 からず),学級の友人関係についてあまり知 らない現状にあることが分かった。これらの 結果をもとに,生徒同士の関わり合いを増や せるように,道徳や学活などにおいても,グ ループ学習や話し合い活動を意識して行っ た。立場や考え方の違う仲間がいることやコ ミュニケーションの取り方なども,学校での 様々な活動を通して、取り組んでいくことが 大切と思われた。 2)教育相談  11 月に教育相談を行う際に,以前に作成 した記録簿をもとに,現在の自分の様子と比 較させながら相談を行った。生徒は自分が作 成した目標などを忘れている場合も多かっ た。生徒が苦手としていることなども記録簿 にあるため,生徒の相談内容を把握しやす く,教育相談がスムーズに進行することがで きた。記録簿の中で,「自分の困っているこ と」を「ない」もしくは空白にしていた生徒 が4人いた。彼らと教育相談を通して,4 人 のうち1 人は、学習の理解度も高く,自分の 疑問を自分で解決することができていること が分かった。3 人は,丁寧に自分自身のこと を考えることが苦手で,自分自身の課題を見 つけることができていないことが分かった。 学年の校内支援委員会において,この3 名を 報告し,そのうちの2 人は適性就学指導委員 会(以下,適就と略す)につなげ,もう1 人 はカウンセラーにつないだ。適就につないだ 2 名は,次年度から情緒学級に所属すること となった。カウンセラーにつないだ生徒は, 何らかの課題を持っていることが予想される ため、引き続きカウンセリングが必要となっ た。この生徒は学習の理解度も低く,教育相 談をしていく中で,人の話を理解することが 厳しいことが分かった。保護者,生徒,担任 と教育相談担当で面談を行い,保護者にこの 旨を伝えた。保護者は生徒を耳鼻科に連れて

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49 48 -生徒が満足感を得る学級づくり 菊池 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 いった。この受診によって,この生徒は学校 の聴覚検査では行わない低音域の中度難聴、 高音域の軽度難聴が分かった。 4. 考察  生徒が満足感を得る学級づくりを目指し, 関わり合いを意識した学級活動に取り組んで きた。学級経営としては,(1) 関わり合い(い ろいろな人たちと話す機会を作ることための オープンクエスチョン及び自分自身の行動を 振り返り,心を磨けるようになるための自問 清掃),(2) 生徒理解(QU テスト及び自分 を伸ばす為のシート),(3) 教育相談に焦点 を当て,研究を行ってきた。  関わり合いに関するアンケートを36 人の 生徒に行った結果を表4 に示した。オープン クエスチョンを行うことで,生徒がいろいろ な仲間と「話をする機会をつくること」がで きるようになったかどうかを調べた。できる ようになったのは29 人あった。自問清掃を 通して,「がまんすること」ができるように なったのは32 人,「親切にすること」がで きるようになったのは29 人,「発見するこ と」ができるようになったのは32 人,「心 をみがくこと」ができるようになったのは 30 人であった。いずれの項目に対しても 8 割以上の生徒ができたと答えていた。  オープンクエスチョンに対して,生徒は最 初楽しんで取り組んでいた。しかし,頻繁に 行っていくことで,次第に生徒がこのエクサ サイズに飽きてきた。そこで,各行事や長期 休業の前後で行うことにした。その結果,再 び生徒はこのエクササイズを楽しむように なっていった。生徒は,いろいろな仲間と話 をすることを嬉しいと感じていることが分か る雰囲気があった。  9 月からの半年間に自問清掃に取り組んで きた。9 月の頃は,清掃時間に話をしている 生徒や清掃終了のチャイム前に自分の清掃が 終ってしまうと,他に清掃されていないとこ ろを探さない生徒が多かった。自問清掃を始 めることにより,何も担任が言わなくても自 分たちで清掃している生徒の数が確実に増え てきた。自問清掃を通して,生徒が清掃に対 する思いや仲間に対する様々な思いの変化が 清掃時の生徒の行動の変化に結びついたと思 われた。  生徒が満足感を得られているかどうかを調 べる指標として,本研究ではQU テストを 5 月と11 月に実施し,その変容を調べた。学 級生活満足群に位置する生徒が5 月(22 人) に比べて,11 月(27 人)に増加していた。 各項目の5 月と 11 月の平均点の変化を調べ た結果を図5(横軸に問題番号、縦軸に得 点)に示した。各項目について,t 検定 ( 検 定にはexcel 2013 を用いた ) を行った。承認 得点の平均点の合計を比較すると,5 月より11 月の方が 0.68 点増加していた。有意差P<.05)はなかったが,項目「2 クラスの 中で存在感があると思う」と「5 自分の考え がクラスや部全体の意見になることがある」 は,5 月よりも 11 月の方が増加傾向にあっ た(.05<P<.1)。被侵害得点の平均点の合計 質問項目 できた ( 人 ) できなかった(人) 話をする機会を つくること 29 7 がまんすること 32 4 親切にすること 29 7 発見すること 32 4 心を磨くこと 30 6 表 4. 関わり合いに関するアンケート結果 教職実践研究 第6 号 ようになったのは 29 人あった。自問清掃を通 して,「がまんすること」ができるようにな ったのは32 人,「親切にすること」ができる ようになったのは 29 人,「発見すること」が できるようになったのは 32 人,「心をみがく こと」ができるようになったのは30 人であっ た。いずれの項目に対しても8 割以上の生徒 ができたと答えていた。 オープンクエスチョンに対して,生徒は最 初楽しんで取り組んでいた。しかし,頻繁に 行っていくことで,次第に生徒がこのエクサ サイズに飽きてきた。そこで,各行事や長期 休業の前後で行うことにした。その結果,再 び生徒はこのエクササイズを楽しむようにな っていった。生徒は,いろいろな仲間と話を することを嬉しいと感じていることが分かる 雰囲気があった。 9 月からの半年間に自問清掃に取り組んで きた。9 月の頃は,清掃時間に話をしている 生徒や清掃終了のチャイム前に自分の清掃が 終ってしまうと,他に清掃されていないとこ ろを探さない生徒が多かった。自問清掃を始 めることにより,何も担任が言わなくても自 分たちで清掃している生徒の数が確実に増え てきた。自問清掃を通して,生徒が清掃に対 する思いや仲間に対する様々な思いの変化が 清掃時の生徒の行動の変化に結びついたと思 われた。 生徒が満足感を得られているかどうかを調 べる指標として,本研究ではQU テストを 5 月と 11 月に実施し,その変容を調べた。学級 生活満足群に位置する生徒が5 月(22 人)に 比べて,11 月(27 人)に増加していた。各項 目の5 月と 11 月の平均点の変化を調べた結果 を図 5(横軸に問題番号、縦軸に得点)に示 した。各項目について,t 検定(検定には excel 2013 を用いた)を行った。承認得点の平均点 の合計を比較すると,5 月よりも 11 月の方が 0.68 点増加していた。有意差(P<.05)はなか ったが,項目「2 クラスの中で存在感がある と思う」と「5 自分の考えがクラスや部全体 の意見になることがある」は,5 月よりも 11 月 の 方 が 増 加 傾 向 に あ っ た (.05<P<.1)。被 侵害得点の平均点の合計は5 月よりも 11 月の 方が 0.81 点減少していた。有意差(P<.05) は無かったが,「10 クラスの友人関係につい て あ ま り 知 ら な い 」 の 減 少 傾 向 に あ っ た (.05<P<.1)。承認得点の項目の点数の増加 及び被侵害得点の項目の点数の減少の原因と して,生徒がお互いに話をすることができた り,認め合うことができるようになったりし てきたために,授業中などに自分の意見が認 められ,他の生徒から注目されるようになっ てきたことが原因と考えられた。休み時間な どでも,いろいろな生徒と話をする機会が増 え,学級の人間関係についても知ることがで きるようになってきたと思われる。被侵害得 点の項目の「1 クラスの人から無視されるこ とがある」項目の点数の増加について,生徒 に行った面談から考えると,学級の中で仲間 関係の馴れ合いが生じ,無視するなどの不適 切な行動が原因と思われた。常時,生徒が仲 間を認める行動をできるようにし, 嫌なことがあった場合には,仲間を無視する 図 5. 5 月 と 11 月 に行っ た QU テ ストの 承 認 得点 と 被 侵 害 得 点 の 変 容 質問項目 できた(人) できなかった(人) 話をす る機会をつくる こと 29 7 がまんすること 32 4 親切にすること 29 7 発見すること 32 4 心を磨くこと 30 6 表4. 関わり合いに関す るア ンケー ト 結果 図 5. 5 月と 11 月に行った QU テストの承認得   点と被侵害得点の変容

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49 48 -は5 月よりも 11 月の方が 0.81 点減少してい た。有意差(P<.05)は無かったが,「10 ク ラスの友人関係についてあまり知らない」の 減少傾向にあった(.05<P<.1)。承認得点の 項目の点数の増加及び被侵害得点の項目の点 数の減少の原因として,生徒がお互いに話を することができたり,認め合うことができる ようになったりしてきたために,授業中など に自分の意見が認められ,他の生徒から注目 されるようになってきたことが原因と考えら れた。休み時間などでも,いろいろな生徒と 話をする機会が増え,学級の人間関係につい ても知ることができるようになってきたと思 われる。被侵害得点の項目の「1 クラスの人 から無視されることがある」項目の点数の増 加について,生徒に行った面談から考える と,学級の中で仲間関係の馴れ合いが生じ, 無視するなどの不適切な行動が原因と思われ た。常時,生徒が仲間を認める行動をできる ようにし,嫌なことがあった場合には,仲間 を無視するのではなく,自分の気持ちを丁寧 に伝えるアサーショントレーニングなどを適 宜行っていくことが大切と思われた。  検査結果に疑問を持ったときや他の生徒と 異なる行動をする生徒を発見した際に,生徒 の行動観察を行い,面談を行うことは、生徒 を理解するための有効な手段と考える。教育 相談などの面談を行う際に,教師の主観的な 課題だけで行うのではなく,学習面や個人が 抱えている課題が明確になるような資料があ ることで,これまでに見逃されてきた個人の 課題を見つけられる可能性が高くなると思わ れる。生徒自身に個人の課題を記述させ,他 の生徒と記述内容を比較することで,生徒の 自己分析能力を確認でき,生徒が抱える身体 的・発達的課題を推測することができると思 われた。QU テストの結果をそのまま受け取 るのでは無く,その下位検査項目でどのよう なことが問われているのかを理解することも 大切であることが分かった。QU テストで出 た承認得点と侵害得点は,下位検査項目の総 合得点である。どのような内容に生徒が答え た結果なのかを確認し,生徒と面談をするこ とで,生徒の学級に対する思いを知ることが できた。  生徒が学級の仲間と話ができるようになっ た理由の1つに,関わり合いの活動を通して きたことがあげられる。関わり合いにより, 他者を認めたり,他者に認められたりするこ とを生徒は経験してきた。その結果,学級に 対して,居心地の良さを感じ,その場所に対 する満足感が増加していったと考えられる。 このことが感じられたエピソードの1つに次 のようなことがあった。他の学級の生徒か ら,本学級の生徒の多くが休み時間になって も,自分の教室の中で,自分の学級の生徒と 遊んでいるので,本学級の生徒と一緒に遊べ ないことを指摘されたことがあった。このこ とは,本学級の生徒が学級にいることが安心 と感じていたためと思われた。  生徒は関わり合いを続けていくことで,お 互いを知るようになってくる。その結果,生 徒間のつながりが生まれ,強くなり,絆を 作っていくと考える。その絆が強くなること によって,学級への満足感が高くなる。その ため,生徒が誰とでも関わり合いを持てるよ うな学級活動を意識して取り組むことが,い じめなどの様々な学級の問題を解決していく 方法の一助となると思われる。 5. 成果と課題 (1)成果  ・オープンクエスチョンや自問清掃などの関 わり合いを意識した学級活動を継続的に取 り組んでいくことで,生徒は仲間と話をし たり,自分の心を磨いたりすることができ るようになっていった。このことにより, 生徒が満足感を得られるようになっていく ことが分かった。 ・QU テストの結果やその下位検査項目を詳 細に分析していくことで、生徒が抱えてい る悩みなどを理解することに役だった。 ・教育相談を行う際には,個人の目標や課題 などが見える資料を用いた方が,生徒自身

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50 -生徒が満足感を得る学級づくり 菊池 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 教職実践研究, 2016, 3, pp.43-50 が自分自身を振り返ることができ、教師も 生徒理解を深めやすいことが分かった。 (2)課題 ・QU テストで,非承認群や学級生活不満足 群の生徒を学級満足群に全員を移行させる ことができなかった。他の生徒との付き合 い方をうまく指導できなかったことが原因 と思われる。教育活動の中で,仲間に認め られる経験を多く取り入れられることが大 切と思われた。 ・オープンクエスチョンや清掃活動にうまく 取り組めない生徒もいるので,声かけや, 味などを考えさせていくことが大切と思わ れた。 <註> 1) 松嵜洋子 埼玉学園大学紀要(人間学部 編)「小学校から中学校への移行期のお ける友人関係」, p213 2015 年 11 月 3 に閲覧 vol8/human/19_matsuzaki.pdf 2) 文部科学省 2008 年 「学習指導要領解 説 特別活動編」 ぎょうせい P 3) 岩瀬直樹、ちょんせいこ 2011 年 『信 頼ベースのクラスをつくる よくわかる 学級ファシリテーション①かかわりスキ ル編』 解放出版社 P58,59 4) 平 田 治 2005 年 『 子 ど も が 輝 く「 魔 法の掃除」―「自問清掃」のヒミツ』  三五館 5) 平田治 2007 年 『「魔法の清掃」 13 カ月 「I メッセージ」を語れる教師』 三五館 6) 河村茂雄、小野寺正巳、粕谷貴志、武蔵 由佳 NPO 日本教育カウンセラー協会  2004 年 『Q-U による学級経営スーパー バイズ・ガイド』 図書文化 7) 千葉県 第4章「個別の支援計画」作成・ 活用事例 閲覧日2013 年 8 月 31 日 https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shien/ tokubetsushien/tebiki/documents/1-seet1.pdf

参照

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