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緩効性肥料が道央向け子実用トウモロコシの生育および収量性に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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緩効性肥料が道央

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緩効性肥料が道央

緩効性肥料が道央向け

向け

向け

向け子実用トウモロコシの生育および収量性に及ぼす影響

子実用トウモロコシの生育および収量性に及ぼす影響

子実用トウモロコシの生育および収量性に及ぼす影響

子実用トウモロコシの生育および収量性に及ぼす影響

○松井康眞1)・山口寛登2)・服部遙子2)・河野龍悟2)・石山志穂2)・伊藤響子2) ・市川伸次3)・竹村紘4)・篠原禎忠4)・柏木純一2)・山田敏彦3)・中島大賢2) (1)北海道大学農学部,2)北海道大学大学院農学院, 3)北海道大学北方生物圏フィールド科学センター,4)ホクレン農業協同組合連合会) キーワード:緩効性肥料,子実トウモロコシ,収量,省力化

【背景および目的】 【背景および目的】 【背景および目的】 【背景および目的】道央地域の子実用トウモロコシ栽培では,反当 10kg 程度の元肥窒素に加え,3~5kg 程度の窒素追肥を 4~7 葉期に施すことが基本技術として定着している.しかし,7 葉期頃から節間伸長が 加速するトウモロコシでは追肥適期が限定されるうえ,近年では追肥時期が長雨と重なることがあるため, 追肥適期を逃すリスクが増加している.今後,本作物のさらなる作付拡大が見込まれるなか,追肥作業の 適期実施と省力化の両立を可能にする技術の一つとして,緩効性肥料を利用した全量基肥体系の導入が 有効と考えられる.そこで本研究では,緩効性肥料の基肥施与を含む異なる施肥体系が,道央向け子実ト ウモロコシ普及品種の生育および収量性に及ぼす影響について検討した. 【材料および方法】 【材料および方法】 【材料および方法】 【材料および方法】 試験は,2020 年に北海道大学北方生物圏フィールド科学センター生物生産圃場に て,3 反復乱塊法で行った.栽植密度は畝間 75 cm,株間 18 cm の 7.41 本/ m2とし,供試品種には道央 普及品種である P8025 および P9027 の 2 品種を用いた.施肥処理として,対照区(C 区),緩効肥料区(SL 区),追肥区(TD 区),無追肥区(NTD 区)の 4 処理 区を設けた(表 1). 5 月 15 日に播種し,10 月 26 日 に収穫を行った。5 葉期(V5),7 葉期(V7),10 葉期 (V10),絹糸抽出期(R1)および黄熟期(R5)に地上部 を刈り取り,器官別乾物重を測定した.また,絹糸抽 出後から 1-2 週間間隔で緑葉数および枯死葉数を 調査した.収量調査として,子実収量,一穂粒数, 百粒重,先端不稔長を完熟期(R6)の雌穂について 測定した. 【結果及び考察】 【結果及び考察】 【結果及び考察】 【結果及び考察】子実収量には 10%水準で有意な品種と処理の交互作用が認められ,窒素処理に対する 収量応答には品種差異が明らかとなった(表 2).P8025 では C 区で最大となり, SL 区および TD 区での収 量は C 区の 9 割程度に留まった.一方,P9027 では C 区に比べ SL 区および TD 区でそれぞれ 106%およ び 109%の増収効果が認められた.百粒重は,P8025 では顕著な処理間差が認められなかったのに対し, P9027 では SL 区および TD 区で C 区に比べてそれぞれ 104%および 106%の増加傾向が認められ,百粒 重の増加が SL 区および TD 区の増収に寄与したことが示唆された. P8025 では,C 区で第 2 雌穂の粒 数が増加したことが増収要因となっていた.一方,P9027 では C 区に比べて SL 区および TD 区で微増傾 向を示し(表 2),これには先端不稔長の処理間差が関与していた(データ未掲載). 次に,ソース関連形質の推移を検討した結果,葉面積指数(LAI)は P8025 で V10 以降に C 区で常に高 く,R5 では子実収量と有意な正の相関を示した(図 1).一方,P9027 では R1 の LAI および緑葉乾物重に 有意な処理間差が認められ,R1 および R5 の緑葉乾物重と子実収量の間には有意な正の相関が認められ た.これらの結果から,両品種の子実収量の処理間差は,絹糸抽出期頃における葉面積の拡大と登熟期 間中の維持の品種間差異によるものと考察された. そこで次に,R1 以降の緑葉維持率の推移を解析した.その結果,P8025 では C 区で常に高い値を示した 全量 基肥分 追肥分 対照区 (C区)       緩効肥料区 (SL区)     追肥区 (TD区)     無追肥区 (NTD区)       施肥区 窒素 (g m -2 ) リン酸 (g m-2) カリ (g m-2) 苦土 (g m-2) 表 1. 異なる処理区における施肥条件 ※追肥区では第 5 葉期に追肥を実施 - 34 - 育種・作物学会北海道談話会会報 61 (2020)

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のに対し,P9027 では登熟前半には TD 区で,登熟後半では SL 区で高い値を示した(図 2).また,登熟 期間中の平均緑葉維持率と子実収量には P8025 で 10%水準,P9027 で 5%水準の有意な正の相関が認 められたことから(データ未掲載),R1 以降の緑葉数の維持が増収において重要であることが示唆された. 以上より,施肥条件にする収量応答には品種間差が認められ,P8025 では C 区で,P9027 では SL 区お よび TD 区で絹糸抽出期頃から登熟期間中のソース能力を維持したことが増収に繋がったと考察された. したがって,P8025 では基肥重点施肥が,P9027 では追肥および緩効性肥料の基肥施肥が増収技術とし て有効であると結論付けられた.今後は施肥試験の年次反復を行うことで,異なる生育環境における緩効 性肥料の増収効果や最適な窒素溶出パターンを検討する必要がある. 表 2. 各品種の異なる処理区における子実収量および収量構成要素 ※値は平均値±標準誤差(n=3),*, ***および†は分散分析においてそれぞれ 5%,1%および 10%で有意であることを示す. 括弧内の数字は,対照区に対する各処理区の相対値. 図 1. 異なる生育ステージにおける各処理・各品種の葉面積指数(LAI; A, B)および緑葉 乾物重(C, D). 平均値±標準誤差(n=3). *, **, ***はそれぞれ分散分析において 5%, 1% および 0.1%水準で処理間に有意差があることを示す.実線および破線の矢印は 子実収量との間にそれぞれ 5%および 10%水準で有意な正の相関があることを示す. 図 2. P8025(A)および P9027(B)における絹糸抽 出後の緑葉維持率の推移.値は平均値±標 準誤差 (n=3).**および†はそれぞれ分散分 析において 5%および 10%水準で処理間に有 意差があることを示す実線および破線の矢印 は子実収量との間にそれぞれ 5%および 10%水 準で有意な正の相関があることを示す. ※緑葉維持率=緑葉数/全葉数 x100 A B C D A B                                                                                                                                                                                                                           施肥処理      品種      処理x品種      子実収量  一株粒数 一穂粒数 百粒重 全雌穂 第雌穂 第雌穂 第雌穂 第雌穂 第雌穂 第雌穂 - 34 - - 35 - Copyrights 2020. 日本育種学会・日本作物学会北海道談話会

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