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タブレット型端末を活用した音楽創作授業の検証(3)

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Academic year: 2021

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タブレット型端末を活用した音楽創作授業の検証(3)

Analysis of the class of creative music making with using tablet-type device (3)

渡辺 景子 Keiko WATANABE 北海道教育大学附属札幌中学校

Sapporo Junior High School Attached to Hokkaido University of Education 【要旨】 タブレット型端末を活用した音楽創作の授業として、「音の高さとリズムを変化させて旋律を つくろう」「主題に合う旋律をつくろう」に続き、「モチーフを変化させて旋律をつくろう」とい う題材を開発した。タブレット型端末の再生・保存の機能を十分に活かして個人の旋律創作と意 見交流活動を展開することにより、従来の実践の問題点を解決し、音楽のよさやおもしろさに気 づかせ、音や音楽の世界を広げることができた。 【キーワード】 タブレット型端末 音楽創作 再生機能 保存機能

1. 授業の実際

◆研究対象 北海道教育大学附属札幌中 学校第 2 学年(①125 名、②108 名) ◆実施期間 ①平成26 年 11 月~平成 27 年1 月、②平成 28 年 2 月~3 月 ◆題材名 『モチーフを変化させて旋律 をつくろう』 本題材では、4 分の 4 拍子 1 小節のモ チーフを創作し、それらをつなげて展開 させることによって8 小節~16 小節の単 旋律を創作する。ゼロから旋律を組み立 てていくところに生徒のアイディアを活 かすことができ、創作の条件を整えるこ とで仲間のアイディアや作品に興味がも てるような題材構成とした。また、第 1 学年で変奏曲の考え方を活用しながら単 旋律創作に取り組んだ1 )ことをもとに、 音の操作と知覚・感受とが往還するよう な展開を意識して構成した。教具にはタ ブレット型端末(iPad)と楽譜作成アプ リSymphony Pro(Xenon Labs,LLC)を使 用した。 ◆題材の全体構成 時 学習内容・活動 1 ○「4分の4拍子1小節、ト音譜表 下第1線のC~第 3 間のCの音 域を使用、♯や♭の使用不可、和 音不可」の条件で、モチーフを創 作する 2 ○「モチーフを8回コピー+ペース トしてから創作を開始、8 小節~16 小節で構成、♯や♭の使用可」の条 件でモチーフから旋律を創作する 3 ○モチーフそのものの変化、前後の 小 節 と の つ な が り に よ る 変 化 に 着目して創作する ★ 仲 間 と の 交 流 を 通 し て 思 い や 意 図を明らかにし、旋律を創作する 4 ○全体のまとまりや構成に着目し、 旋律を完成させる 〇 ど の よ う に 作 っ た か を エ ン ト リ ーシートに記入する 5 〇発表会を行う

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2 実践を終えて

本題材は、教科書にも掲載されており、 簡単に1本の旋律を作ることができるた め、実践例も多い。しかし、従来の実践 においては、音を当てはめて曲を完成す ることや条件や規則通りに音を変化させ ることに注目が集まり、創作した旋律を 聴いて吟味する活動や思考が少ないこと や、結果として同じような旋律ができあ がり、音楽の聴き方・感じ方・表現の仕 方が広がらないことが問題であった。 楽譜1 は、第 1 時で生徒が創作したモ チーフの一例である。今後の変化を考え て単純なモチーフにする生徒も多かった が、実際に演奏が難しい32 分音符・64 分 音符を含む「iPad らしい」旋律が含まれ ていることが特徴である。また、第 2 時 で創作したモチーフをコピーペーストし たもの同士を比べた結果、「全音符ではそ の後にうまく変化させられず、”モチーフ” にならない」ことを生徒自身が発見して いた。楽譜2 は、第 2 時でモチーフを半 音ずつ平行に移動させた旋律について、 生徒が考察したものである。創作した旋 律を iPad の再生機能を用いて客観的に 聴くことによって、モチーフがおもしろ いものであっても、規則的に変化をさせ るだけでは味気のない旋律になってしま うことに気づくことができている。iPad の再生・保存機能を活用し、生徒本人に とっての「よい失敗例」を積み重ね、次 の創作へと活かすことで、試行錯誤しな がら旋律創作ができる。 第3 時に★で示した交流では、①隣同 士で iPad を交換しての交流、②iPad を 机に置き、聞きたいものを自由に再生す る交流を行った。作曲者本人が先に作品 を解説するのではなく、タブレット型端 末に演奏者の役割を完全に任せても、鑑 賞者である生徒は楽譜と音、ワークシー トから作曲者の意図を読み取ることがで きていた。また、②では自分の課題を明 らかにし、自ら得たい情報を求めて聞き にいくという行動を起こすことで、自分 の作品に活かそうとする意欲が生まれて いた。 本実践を通して、従来の実践の問題点 であった「創作した旋律をタブレット型 端末の特徴を活かしながら吟味する」こ とを通して、音楽のよさやおもしろさに 気づかせ、音や音楽の世界を広げること ができたといえる。

1)渡辺景子(2014)「タブレット型端末を 活用した音楽創作の授業実践」『北海道教 育大学紀要(教育科学編)』第 65 巻、第 1 号 ~中略~ 楽譜2 楽譜1 88 JSDT年次大会発表原稿集(第5号,京都,2016)

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