中世を代表する古典学者であった関白二条良基 (一三二〇~八八) の最 晩年の事蹟として、高田大明神への百首和歌 千句連歌の奉納がある。そ れは、 至徳年間 (一三八四~八七) に隠岐の島後都万の地に突如出現して 祀られた明神の発句を受けて、京都四条道場金蓮寺五代浄阿上人が営んだ 勧進興行に応じたものであるが、その歴史を今日に伝える貴重な遺品が、 高田神社蔵 『百首和歌』 (県指定文化財) と、 二種の 『高田大明神縁起』 で ある。 このうち『高田大明神縁起』は、高田山における明神の出現から、真言 寺院である千光寺と時衆道場の両者の関与のもとで発展する明神の祭儀を 説き示した縁起であり記 録 ドキュメント である。表紙の色から紺表紙本、丹表紙本と 呼びならわされる二種の縁起は、ともに南北朝時代に成立し、神仏一体の 明神の出世について共通する縁起を語りながらも、それぞれに異なる特色 をもって成り立っている。例えば、紺表紙本は百首和歌 千句連歌の奉納 という勝事を尊び、文芸の地としての発展を支えた時衆の役割に重きを置 いて編まれた縁起であるのに対し、丹表紙本は時衆を諸宗の一つに位置づ け、それを含む浄土教の所説を豊かに展開させながら、明神の神格を明ら かにする。また紺表紙本が成立した当時の姿を原装のまま伝えるテクスト であるのに対し、 丹 表紙本は慶長四年 (一五九九) に来島した浄土僧信誉 によって書写され、 元和元年 (一六一五) に奉納されたもので、 明 神祭祀 の始まりと復興という、二度の画期を背景に成り立つものである。いずれ も百首和歌とともに、関西大学島根大学共同隠岐調査会によって『隠岐』 (昭和四三年) に紹介収録されている (1) 。その成果に導かれあらためて調査を 行った (2) 結果、高田神社の古文書箱から、これまで不明とされていた紺表紙 本の奥書一紙を発見することができた。また丹表紙本には、縁起の成立や 神道思想と関わる重 要 な 口 伝が 注 や 裏 書に 残 されていることも明らかにな った。それらの 情報 は『隠岐』では 全 て 省略 されている。そこで、紺表紙 本の奥書を紹介するとともに、丹表紙本については 注 記や 裏 書を含めた 文を 翻刻 紹介し、中 央 と地 方 を結んで成し 遂げ られた 聖 地の文化 創造 と、 その宗教 空 間に関する 綜合的研 究 の一 助 としたい。 はじめに、紺表紙本の奥書について、その本文を 掲 げ 紹介しよう。 大光寺三代重阿、 彼 奉 遇御 出世 之 時 節 、 □□ 奉 済 度 利物 、神 □ 事、 併非令 就 本地 無作正 説 耶 。 是偏依宿 縁 之 深厚 。 然 者、 則 、不 顧以下 不 相 応 之 儀、不 憚 後見 露 、 老眼 筆志趣 、 且 者 報 神 仏 恩 、 且 者 為 現当二世、所 願 成 就 、 臨終 正 念 、 往生極楽也矣 。 嘉 慶 第 二七 月廿 八日、 草案 之 。 学 苑資 料 紹介特 集号 第 八八九 号 八八~一一三(二〇一四 一一)
翻刻
隠岐高田神社所蔵『高田大明神縁起』
(丹表紙本)
阿
部美
香
〔資 料〕紺表紙本と同じ料紙に本文と同じ筆 跡で記された右の奥書 (3) によれば、紺表 紙本は、 嘉慶二年 (一三八八) に大光寺 重阿によって草案された縁起であった。 大光寺とは、西郷の近郊にある有木 に所在した時衆寺院 (四条派の末寺) で、 大光明寺とも呼ばれ、京都の四条道場 金蓮寺第四代浄阿上人を輩出した寺院 である (4) 。前述した百首和歌と千句連歌 の法楽は、その後を継いだ五代浄阿上 人の興行になるもので、三代重阿の歌 も入首している。つまり、紺表紙本は、 隠岐と都を結んで明神の祭儀を支え、 百首和歌 千句連歌の法楽に深く関与 した人物の手により編まれていたので ある。本文には、訂正のために施され た切り継ぎの痕等も見える。縁起の編 纂という営みを当時のままに伝え残す 紺表紙本は、文芸と一体となった中世 の宗教運動を読み解くうえで貴重な資 料といえよう。 これに対して、今回翻刻を行う信誉 の奉納した丹表紙本は、奥書から、も とは千光寺の頼尊 (真言僧) と其阿弥 陀仏 (時衆) によって記され奉納され た縁起と知られる。そこには、嘉慶二 年二月三日と記されている。 この二月三日という日付に着目した い。なぜなら、その日は毘沙門講が営まれる日だからである。その創始は、 紺表紙本と丹表紙本のそれぞれに、融通念仏の縁起を用いて説かれている。 そこには、鞍馬毘沙門天の前で諸天神祇並びに冥衆が一同に念仏結縁を誓 った証である神名帳の全文も引かれる。それを、信誉は自ら筆を執って書 写していた。しかも、その紙背には神道に関わる頼尊の口伝まで書き付け ている。これらの姿勢からは、神名帳と、それに象徴される毘沙門講の重 要性がうかがえる。それが明神の祭儀のなかで果たした役割と、縁起奉納 の日付の持つ宗教的な意味は、連動するものと考える。 信誉が施した注や裏書は、縁起本文と密接に関わり、明神の祭儀を探究 するうえで必須の情報が含まれている。それらを合わせて読み解くことで、 はじめて縁起のもつ思想的な意義も理解することができる。丹表紙本は、 紺表紙本の成立意義を異なる位相から 照 らし出し、明神の祭儀を明らかに すると 共 に、神祇と一体であった中世の浄 土 教の 活 動を 豊 かに証言する、 貴重な テクスト なのである。 注 ( 1 ) 吉永登 神 堀忍 「高田 大明神縁起について 付 縁起 (二 種 )翻 刻 (関西大 学島根 大 学 共 同隠岐 調 査会 編 『 隠岐 』、 毎 日 新聞社 、一 九六 八) ( 2 )阿 部 「 巫女 と仏教 『高田 大明神縁起 』 に お ける 花 の 乳母 をめ ぐ って (『国 文 学 解 釈 と 鑑賞』 六 九巻六号 、二 〇〇 四) 、「 『 高田 大明神縁起 故地 を 訪ね て 」( 『昭 和 女子 大 学 女 性文 化研 究所 紀 要 』 三二 号 、二 〇〇 紺表紙本、丹表紙本の書 誌 については、後 者 を 参 照 いただきたい。 ( 3 ) 奥書一紙の法 量 は、 縦 三 〇 〇 糎 、 横 四四 〇 糎 である。紺表紙本は、 復 によって天 地 辺 が切りそ ろ えられたため、 現状 では上 巻 が 縦 二 九 下 巻 が 縦 二 九 一 糎 となっている。 ( 4 ) 四代浄阿上人も大光寺 住山 の 頃 、「 重阿 」 を 称 していた。 河野憲善 「 大光明寺を探 ね る記 」( 『 時衆 研 究 』 四 号 、一 九六 三) 参 照 。 紺表紙本奥書 丹表紙本 信誉自筆の神名帳
翻刻凡例 一、旧字や異体字は通行の字に改め、読解の便を図り私に句読点を示した。 二、当て字や誤字はそのまま表記し、右傍に括弧でママと記すか、正しい文字を 示した。 三、返点の表記はその位置を含め、底本の形を伝えるように努めた。 四、音読と訓読の別を示す連読点は、底本に従ってこれを残した。但し、単独の ものは省略した。 五、補入、見消、抹消の指示があるものはそれに従い、訂正後の本文を掲げた。 補入した文字は右傍に を付して、その別を示した。 六、虫損により不明な文字は、該当する字数分を□で示した。また、難読の箇所 は*で示し、右傍に推定される文字を(カ)として記した。 七、行取りは底本に随い、紙継毎に紙数を 」で示した。 八、頭注は版面の都合により、それが掲げられている本文の下に表記した。 九、裏書のある箇所は、本文の下にその位置情報を線で示し、末尾にまとめて記 した。 十、そのほか注記すべきことは、校訂注において示した。
◎翻刻
丹表紙本『高田大明神縁起』
(信誉書写本) 高田大明神縁起上 」(外題) 礼文云 高田密厳亦安養 成沢神仏一池水 蓮華即是法身体 華開見仏弥陀願 高田大明神縁起上 夫以、神明元旨陰陽基、舎那本誓 胎金起。是故、乾坤二気、両部外用 也。定恵合智、天地内証也。然間、 尊神下 (卜) 内 胎 女 外 金 男 宮、以日域鎮護、示 二 金界胎界 陰陽 ヲ 一 。正 ク 月宮殿開心城、本 位聖衆則神明所属眷神 矣 。爰 以、古 ヱ 天地未開、陰陽未分時、鶏 ケイ 子 のことな (ママ) る一物あり。その清すめる はのほり天となり、重濁れるは 下地となる。然は、天先成、地後に 」一紙 さたまれり。国土浮 キ 漂 タヽヨヱ れること、 遊魚の水浮かことし。即、神成。所 レ謂、第一、国常 トコ 立尊 ミコト 。第二、国 狭 サ ツ チノ 尊。第三、 豊斟渟 トヨク ニスノ 尊。第四、 泥 土 ウビチ 瓊 ニ 尊 陽 神 、 沙 土 スヒ 瓊 尊 陰 神 。第五、大 戸 道 チ 尊 陽 神 、大 戸 間 辺 尊 陰 神 。第六、面 モ 足 タ ル ノ 尊 陽 神 、 惶根 カ シ コ ネ ノ 尊 陰 神 。第七、 伊 弉諾 ギ ノ 尊 陽 神 伊 弉 冉 尊 陰 神 。はしめの五は五行 の 精 にて、その形未 レ顕 。面 足 より 人 の形をそな へ給 なり。第七の尊 の 御 時、 稲負 イ ナ ヲイ 鳥 の 教 によりて、 初 て共為 ミトノマクワヱ 夫婦し給へり。仍、一女三男 産 ウミ 給ふ。所 レ謂、日神、月神、 蛭 ヒルコ 、素 盞 サノ 烏 ヲ 、是也。この前に、伊弉諾尊、 下界 シモツクニ 地を卜為、二神天浮橋 ハシ 上 にして、議 コトアケシテ 曰。豈、此下に国無らん とて、則、 天 アマノ 倒鉾 サカホコ を指 下 ヲロシ 探給ふに、 但 青アヲ 海ウナ 原 耳なり。鉾 ノ 滴シ タ丶レ 一 島シマ と成。淡 ア 」二紙 路 ハシ 島 丶マ 、是 也。その後、磐 烈 サク 根 ネ 烈の御 子武 タカ 詼ミカヅチノ 命ミコト 、出 雲 国ニ 来 下、西国邪 魔、悉 降 伏。又、東 夷 イ ノ 邪 魔を防 為ニ に、常 州鹿 カシ 島 マ 下 給。邪神対 治 して、魔 国神 ノ シン 国と成給へり。然 後、 天 照 太 神を国の主と成給へり 云 云 。 抑 当 社大 明 神は、天 神七 代の 最 初、国常立尊にて御座。然、為 ニ 」三紙 衆生利益、去 ル 地神五代 終 八十三万五千七百四十年 、 毘動 草不葺合 ウカヤフキアワセズ 末方 ヨリ 、 」四紙 利 天下、当国当山を 栖 スミカ とし給 事、七千余年を経給ふといへとも、 人是を不 レ知処へし。至徳弐年春 比、石見かたより賊船数百艘、此国 指のほりけるか、当国ははなれ島 なるにより、まつはしめに打取 ント くわ たてゝきたる由を聞及しかは、津途 ト 、燈木 タクギ 、 都万三ヶ処人民、高田山城郭して、財宝、所 」五紙 従、眷属ともに取のほりふみけかすにより、明 神、そのとき成沢池 ヲ 立出給、十六所大明神宿仮 たまへるなり。この池 ハ 山頂 ニ あり。一間四方池なり。こ の池 ニ 、さま のことわりあり。くわしくは、しもに これあり 云 云 。さるほどに、彼賊船 ○ 1 ともづなをき りてこのくにゝおしわたさんとするときに、明神、 十六所 ヨリ これを御らんじて、氏子をあはれみ給て、 かふら や 一つ がひ はなし給へは、かれら が ために 悪風 となり、数百艘 ソ ウ 賊船、大 形 ( カ ) 破却 し、 残舟 」六紙 は石見方をさして立 帰 たりときこ ゑ けり。此 事は、の ち に明神御出 現 のとき、御 託宣 により てあらわれたりと 云 云 。 其 後、明神の御出 世 の 縁起 は、当所地 頭 左 ( 佐 ) 々 ・ 木治 郎左衛門尉広 2 有公 後 室 、 病痾時々 おこり、その 身 た や すからす。これに よりて、い ろ 療 治すといへども、ついにきら しき 験 もなし。 病 性 つ ね にあ ひ かわり、その すかたつ ね よりけたかく、人をにらまへ、 物 もの たまはす、ふしきの 病 なり と 、人みなこれをあ や し ま ざ るはなかりけり。こゝに、当国都 ツ 万 マノ 院 内 、千 光寺 頼 尊 法印 、 智行兼備 聞 へ あるにより、彼 法印 、 請 入 けれは、 弟 子あまた 召具 して、 急 き彼 亭 に 来 臨 し、 手 に 印 を 結 、 心 に 観念 をこらし、 口 に 真 言 ヲ 誦 し、 異口同音 に 祈 、 加持奉 と云 へ とも、一日一 夜 は 更 其 しるしなし。 暁 方にいたりて、彼 病 者 、 両 眼 ヲ み ひ らき、 行 者 をはたとにらまへて、 暫 有 りて、 老僧 に、 我 加持 せ らるへき 身 にあらす。そこをま かりたてとて、 追 ヲツ 立られけれは、 恐 おのゝき、座 中 皆 々 立 退 く 中 にも、 頼 尊、又立 帰 り、五大尊の 呪 をもて 加持 し、 殊 には 中 王 ( 央 ) 不 動 明 王 の 慈救火 裏書① 界の 呪 シ ユ にて、 良久 祈 申 けれは、 其 時 、すこし 気色 や わらき給。 様 々 の 託宣 ともの 有 けるとか や 。 頭注 1 後 醍 醐 天 皇 御 宇 、 建 武 □ 年八 月十七日、 □ 内 ニテ 怪 而射 タル □ 也。太 □ 経十 □巻 有 。
我山の栴檀の林をきりはらひ、ふみけがし申 」七紙 せしこと、誠に無念に思食 ス とて、子 [ 歳、午 3 歳の両 ] 人の魂を取て、先、右の手ににきりて持たり。忽 に命をもめさるへけれとも、しらせすしては、迷の 凡夫、うたかひをなすへきによて、其しるしを 見する也とて、両手をつよくにきらせ給たるに、 手くびより指のさきにいたるまて、色かはりくろ みて、さらによのつねならす。御気色は、申も中 おろかなり。身の毛よたちて、群集の人々恐 おのゝきける中に、大般若をよみ、神馬を遣す へきよし、 [ 子歳 4 ] 、午歳、同心に申由申たりけれは、 左様の沙汰をいたし申ならは、さこそきこしめされ め。但、大明神、 サル 猿 申 の時に御あかり有へし。其以前に いつれもさた申さすは、かなふへからすと仰あり けれは、則、神馬を引立、大般若のひほをとき、 転読の声をあけたりけれは、其時、さらは 両人か 魂 タマシイ を帰へきなりとて、先、左の御手を開 かしめ給。御馬ちかくひかせよ、老僧、代 官 クワン に乗馬 すへきよし、仰有けれは、頼尊、則乗し、二三度 うちまはしおりけれは、今は此神馬共、一疋は八幡 へ進へし。此所に出世したる礼なり。一疋は十六社へ まいらすへし。此程、我山を出て、やとかりたる 礼なり。一疋は、頼 ライ 尊給はるへし。御意のことく、 皆々引遣けり。十六社へは、神人御馬を引て、御 」八紙 殿を三度引めくりけるに、宝殿余に震 動しけれは、社人御馬をすてゝ驚去ぬ。つな がざるに、此馬、一日一夜、社前に立てはたらかず。其後、 宜 キ 祢とも、不断召仕へきしるしに、色ある衣 イ 裳 シヤウ 、一つゝ両人にとらすへし。午歳沙汰をいた すへしと仰有けれは、いそき小袖まいらせけ れは、則、神 ミ 子二人給ぬ。かくて、御宝殿を立、高 田大明神と 祝 イワイ 奉り、深く渇仰 カツコウ 申へき事おし 裏書② ゑ有て、あからせ給けり。昔、天竺にして、龍樹菩 、 鉄塔開しかは、金 キ 胎の如来、両部諸尊、五百余 ヨ 尊、七 百余尊、各其尊容をあらはし、真言無上の法 を伝。則、印明を彼 に与給。 、又、龍猛菩 に授給 しより以来、一器の水を一器にうつすか如して、 三国伝来密教、かへる事なし。今、老僧頼尊、高 田大明神御出世に相奉り、祈加持申によて、御口開 有て、出世の本懐を顕れ給故に、薄地凡夫、立所に三業 清浄の信心を発こそ、ふしきなれ。彼は南天上代仏教、 即身即仏の密法、是は東 ト ウ 隅 グ 末 世の神 威 、 和光利物 方便 、事 異 なりと 云 とも、本地 遺 法、 審 なるによて、 今 垂跡 の 霊威 を顕 照 し給事は、 内証 の一 味 、こゝに明 けし。誠に 忝侍 れ。さる程に、則、彼山のふもとに、 玉 の 御宝殿をみかき立、本地両部 呪 (種) 字 を 札 に 書 奉り、高 田大明神と申て、 敬 信を 至 さすと 云 ものなし。 かくて、其とし 暮 ぬ。 至徳 三 年 の 春秋 すき、十 月 十五日 暁 ア カツキ 、 花 の 乳母 、 道場 にして 良久 所 労 ありぬる 」九紙 ことあり。 目 もあやなり。 暫 ありて、天 ア メ 若 宮 と 名 のり をはしまして、 始 て顕れ給、御 託宣 あり。我、神 通 の 法を此 花乳母 に授。 わ さと 阿弥陀 仏の御こ ( み ) たらいにて わ たす。此法を授るうへは、いかに じ たいするとも、 叶 へから す。しほのこり一度、水のこり一度、一日二度つゝこりを かきて、大明神の御前七日 参籠 申へし。此教 背 テ 、 我うらみ給な、と神 託 有けれは、ちからなく、こりをかき
たまふ。七日さんらう申されけるとかや。其後、程へすし て、又、御託宣あり。唯、尋常の祝神なとの様に思ひな して、宝殿かたのことく作ておしこめて、宮渡申事 もなく、我を封入たる老僧もふしきなり。宮渡なき によて、花の乳母、か様になやみゐたり。又、別の 労 ハスライ あらす。 今のことくならは、午才ふしきなり。これより、 未 ヒツヂ 申の 方飛 トヒ 給へし。其時、花の乳母をも召具すへきなり。 其義ならは、此所荒野 アレヌ なるへき也。子才、殊不信仁なり。 両人共に、我を恨申事あるへからすと、以外に御とかめあ りけれは、さま におこたりを申。御宮渡あるへきなら は、そさうにはあるへからす。先、内外鳥居を立て、内鳥居 きはに門屋をたて、門客を 祝 イワイ 申へし。門客 ニハ 伐明 ノ 丞、 小 (少) 将、両人をいわうへし。伐明丞申は、大明神、 利天よ り此山に天下らせ給時、御前につかわれけるに、 彼山、昔は深山にてありしを切あけ、御座を定め 申たりしによて、伐 キリ 明丞とはめさるゝなり。御宮渡 の時も、御さきをうつへきなり。是はと思はん名馬を 神馬にまいらせ、二の鳥居、門 ト 客 マロウト 共に、午才沙汰し 申へし。大明神御恩を蒙たるものなり。異儀 (議) を申 へきかと仰有けれは、則、領掌申けり。さらは、先、外の 鳥居 トリイ を立、後に内鳥居を立へし。御宮渡 ノ 次第、一番神 馬を引、其次き神 ・ 子共、其後に御輿、御跡老僧。いつれも 、 」十紙 内鳥居きはにて馬よりおりて、かちにて御供申へし。 御宝殿三度めくて (ママ) 後、御神体を入奉るへしと仰有 けるに、御輿なから御殿に入まいらせて、御座あるへく候 やらんと申たりけれは、不可然、余の神達なとの様に、 奥ふかくは有るへからす。あらわれて、いかにも四方衆生、 拝まるへきなり。御託宣ねんころ也。 一見大日尊、現世大安隠 (穏) 、消滅無量罪、後生花蔵界 ノ 文証、此に現前なる者歟。其後、又、定日を御尋有ける に、十一月十四日、五日、それも天気よて十七日、八日 へ のへ 申へきよし申けれは、天気の障、聊あるへからす。別 して、日をとる事も不可有。月の中には、十五日を 賞 シヤウ する日なり。只十五日に治定し申へし。先、十四日の 夜、地鎮をして地神を祭申へし。いかなる仏と申も、 地神の恩を報するなり。国土草木まても、地の恩を はなれす。然は、衆生、殊、土神を貴敬申へし。御をしへ ねんころなり。さるほとに、午才、先、二の鳥居をたて、 御輿を新造し奉り、御宮渡をいとなみ申けり。既、霜 月十四日夜、地神 祭 マツリ り、明る十五日に成けれは、昨日まては おひたゝしき大雨にてありしか、其日至て、殊に 青天に成、午時計に御宮渡ありけるとかや。御神 託のことく、一番に神馬を引。此馬は子の才秘蔵し て、両三年か間、一 ノ ウマヤ に立られたりける馬也。おかみあ くまてたりて、肢爪 ツメ かたく、三長三短のよそおひ、 竜 の馬 ヲ はちす。是は、きりあけ丞、大明神の 眷 属 の神達、 八 万 四 千 ヤ ヲ ヨ ロス ヨ の其中に、一の大 臣 にて、御 代 につき申たる によて、 官途 ド ヲ 関 白 殿となし申され、此馬を給を以て、 御さきたちありけるとかや。其次に、八人 ノ 神子、ち わやの 袖 をか ざ し、五人の神 楽男 、 伎 キ 楽 を 奏 ソ ウ す。其 後、御輿、御跡に老僧をは じ めて、衆僧 烈 ( 列 ) 歩 ホ し、 」十一紙 讃 をし、 唄 ハイ を引、 散 花 対陽 ( 揚 ) す。 役 人 鉢 ハ チ をつき、 鐃 ネ ウ をならし、御宝殿をめ ぐ る事三 匝 して、御神体 を入奉りけるに、国中貴 賤 、 結縁 の 為 に 群集 し たりけるに、彼御儀 式 の殊 勝 なりけるを拝、神 慮 御 感応 も 押 計られて、 万 人 渇 仰、一 心 に 帰 す。其
後、十 番 ツガイ の矢をこめ、上馬、射馬、種々渡物すきて、 車を作、山を引 ス 。見物結縁、両輪の得益、親なる 者哉。色々はやし物、耳目を驚。晩に及、衆徒 ト 、猿 楽延年の芸を尽す。終日の見聞、職而神威を かゝやかさずといふ事なし。凡、大明神御出世、洛中 にひろまり、御威光、忽に天下普き事は、併、上 人の渇仰を始とし、准后の敬信に有。依て、歌 道事、古今の神態とし給へる事、諸社其証、当 社御感応、同已にみえたり。かくて、同き十二日の暁、時 衆の夢想に、 昔にもけふさく花のまさり草。 是即、大明神御発句のよし、関白殿御託宣に あり。昔は、天神七代の第一として、神道を開白、治 天何千万歳にや。今は、高田大明神と再来有て、 七千歳を経、末法末世に出現し給、衆生を済度 し給ふ。御威光、忽に日域に普天し、万人の信 仰、ます 日に随て盛なるものおや。其心、彼発 句に明らけし。目出とも愚なり。まさり草入事、菊を 賞したる名なり。草合の時、付られけりと、八雲に みえたり。されは、千草万種の中に、此花ひとり、不老 不死の良薬として、仙家に殊用 レ之とかや。重陽の 宴と云。併かの花の故なるとや。神慮、偏に一切衆生、無 病延命の祈誓をかなら (へ) んとなり。即、彼御発句、風 聞有しかは、源氏の深信仰を至給。□ (移カ) 造亭に 」十二紙 おいて、伯州、隠州両国代官、其外、数寄作人 召集、法楽を興行。重、神余 (領) 之相副寄進状、 同懐紙 シ 等、翌日に当社へ渡進られけり。随而、当 国造営料等、同進られき。其後には、自国他国、弥、 彼御発句をもて、法楽連歌数をしらすと 云 云 。 さる程に、御宝殿造替奉る事は、又、 午 歳 願主 たり。其故は、彼 テキ 敵 ( 嫡 ) 孫 ソン に 戌 歳なりけるか、 財 ( ママ ) 芸も 人 並 なか ・ りけれは、 祖父 殊に是を 鐘 テウ 愛 給とす。 然 とも、 短 命の想 ( ママ ) あるによ つ て 早 世すへきよし、 年 月 日 限 。さても、連々に御託宣有けれは、 午 歳 祖父 、是をかなしみ、祈 ト ウ の 為 に 新 造し奉り、 六 月 の 八日より事はしめ、八 月 十八日御 柱 ハ シ ラ 立 、 九 月 十八日御 棟 上有。されは、御宝殿結 コ ウ 講 ( 構 ) 、 誠 セ イ 精 をいたす。 金 をのへ、 玉 を 瑩 ミ カ キ 、御 拝 殿は十 方檀那 として、七 月 八日事始、 八 月 十七日御 柱立 、 九 月 廿四 日御 棟 ムネ 上、同 廿 八日御 遷宮 あり。其 儀式 、 去 年御 宮 渡に 聊 もかはる事有へ からす。 但 、又、御 輿 を 新 造奉り、御神 体 を入奉り、 花の 乳母 、をなし御こしに 乗 て 遷宮 ゴ ウ あるへし。 神御 輿 に凡 夫 を聞召 ・ 乗 すへき事、衆生不 審 を いたすへし。されは、是にてしるへし。花の 乳母 を 普 通 の凡 夫 と 思 へからす。其 為 に、かり殿へ御出の時も、 同く御宝殿に 座 なからかき 申せ 、と御託宣あり しは是なり。此 う へは、 聊 も 辞退 シ リ ソキ 申 へからす。両度 御託宣ありけれは、神慮に 任 て、花のめのとも大明神の 同 輿 にまいりて、御 遷宮 なり給。有 難 とも、かへておろか 也 。 先 立 御神託の時、此花 乳母 一 門 、末代まて当社 管 領 として、 宮 中を出入し、神 供 を 備 奉るへし。 其外、 祢宜 、神 主 なとゝて、 別 而、 ゆ め 有へから す。他家より又、いかに 望 申 とも不 叶 。是 段 、縁 起 に 」十三紙 しるし 置 へき 由 、御託宣有。此時 思 合られ 侍 り。 凡、 議 式 、御 宮 渡に、同関白殿、御馬にて御 前打 、 小 ( 少 ) 将 殿、同 乗 馬にて後 陣 ヂ ン を 打 せ 給。千光 寺 の 僧 、 蓮 花 会 を 取 行、 舞 楽を 奏 ソウ 、 舞章 ( 童 ) 伶 人、 芝 田楽等、其外
種々見物、終日其芸 ゲイ を尽す。国中の貴賤道 俗、結縁見聞するに、耳目 ヂホク を驚し、心肝に染、神 慮の納受も、 ヤカテ 職 軈テ 而おしはかられて、目出こそ侍れ。 かくて、其夜、子歳信仰の余に、臨時 踊 ヲトリ を懃行 せられけるに、花の乳母に託し、御殿の内より 御吏 (使) を以て、今夜の踊、殊勝に思食。但、早々結 願不足なり。然とも、今夜にかきるへからすと神 慮趣、仰進せ給。誠忝思奉り、何度も神慮に 任すへき由、御返事申されけり。さる程に、拾月三日 の夜、花の乳母、道場にして御託宣の時、先、臨時の 踊、神慮に相叶、殊勝の由、重々仰有。高声踊躍 シテ 」十四紙 称名念仏、功徳甚深微妙。故、経云。 仏語弥勒、其有得聞、彼仏名号、歓 喜踊躍、乃至一念。当知此人、為得 大利。即是具足、無上功徳。是故弥 勒、設有大火、充満三千大千世界、 要当過此。聞是経法、歓喜信楽、受 持読誦、如説修行 云 云 。光明大師放 光讃云。其有得聞彼、弥陀仏名号、 歓喜至一念、皆当得生彼 云 云 。謹 ウヤマツ 開 二 解仏祖両話 ヲ 一、高声念仏功徳 ヲ 判 シテ 云。仏道万差 ノ 風 ノ 音 ハ 、鳴 シ 二修行多 門 ノ 梢 コズヱ ヲ 一 、所 詮理 一波 ノ 音 ハ 、響 ク 二 得果 不二渚 ニ 一。松 風独 颯々 タレハ 、覚 月 」十五紙 専明 々 タリ 。是 則、十方 ノ 浄土、雖 レ 無 二勝 劣 一、以 二 西方 ヲ 一定 メ 二 往生浄土 ノ 境 ト 一、諸仏 ノ 慈悲 ハ 雖 トモ レ 為 タリト 二 平等 一 、以 二 弥陀 ヲ 一 号 セリ 二 衆生 済 度 主 シト 一 。然 則、名 ニ 有 リ 二招 物 ノ 功 一 。不 ン ハ レ 呼 レ 名 ヲ 一 、何 ニ 物 カ 施 ン 二 其 ノ 徳 ヲ 一 乎 。物 ニ 有 リ 二 応 名 ノ 徳 一 。 不 レ施 サ レ 徳 ヲ 、 誰 人 カ 呼 ハ ン 二 其 ノ 名 ヲ 一耶 。 去 レハ 者 、響 キ 応 レ声 ニ 則 ン ハ 、声 成 二仏事 ヲ 一云 フ 、是 レ 也 。以 レ之 ヲ 、 弥陀 善逝 ハ 、 応 二 称名声 ニ 一、 鎮 ニ 運 二 来迎 引接 ノ 駕 ヲ 一 。 我 等衆生 ハ 、 乗 シテ 二 如 来 願 力 ノ 船 ニ 一、 常到 ル 二 楽 邦 ノ 岸 ニ 一 。所以 □ 、諸行無 常 ノ 夕 々 ニハ 、上 求菩提 ノ 響 キ 念仏 ノ 声 ニ 高 ク 晴 レ 、 嘯 ウ ソ フ ク 二 妙覚 朗 然 ノ 月 ニ 一、 撥 ヤ フ ル 二 無明 長 夜 ノ 眠 ヲ 一。 是生 滅 法 ノ 朝 々 ニハ 、 下化 衆生称名 唱 ヘ 深 シテ 、 詠 シ 二 入 重 玄 門花 ヲ 一、覚 ス 二生 死 輪回 ノ 夢 ヲ 一 。所 ハ レ憑 弥陀 本 願、所 レ 期極 楽 九品 。念仏 ニ 雖 レ 无 ト 二 浅 深 一 、高声 ニ 唱 ル 、 功徳弥 広 大 也 。名号 ニ 不 レ 有 二偏 頗 一 、音 声明 ナ レハ 、利 益尚 平等 也 。 依 レ 茲 、 業報 差 ・ 別 経 ノ 中 ニ 、 挙 二高声念仏十徳 ヲ 一 。 第 一、明 二 覚 レ 眠 ヲ 徳 ヲ 一 者 、高声念仏 ハ 覚 二 妄想 ノ 睡 ヲ 一 、一心 清 浄 シテ 无 二悪 覚 夢 一 。 第 二、明 下 怖 ヲ ソル ヽ 二魔障 ノ 一 徳 ヲ 上 」十六紙 者 、 八 万 四 千 邪 神、驚 二念仏声 一 、 退 二 散 他 方 ニ 一。三 障 四 魔 ノ 鬼類 、 怖 二称名 唱 一 、不 レ来 二 門内 ニ 一。 第 三、明 下 念仏声 廻 ル 二 十方 ニ 一徳 ヲ 上 者 、仏光 ハ 既 ニ 依 レ照 二 法界衆生 ニ 一 、念仏 ノ 声 随 、 廻 メ グ ル 下響 キ 二 衆生 六 門 ニ 一十方世界 ニ 上 。 第 四 、 明 下息 トハ 二 之 三 塗 (ママ) 苦 ヲ 一 徳 ・ 上 ・者 ・ 、 依 二 貪嗔癡罪 一 、雖 レ受 二 三 途 苦 ヲ 一、 酬 テ 二 一声十声称名 一、 滅 八 十 億劫 罪 障 一。 第 五 、 外 声不 交 徳 ト 者 、称名 外 不 レ求 二 虚言 ヲ 一、念仏 外 ニ 不 レハ レ 見 二 余法 ヲ 一、 弘 カマ ヒ ス キ モ レ 言 ノ 不 レ 遮 サ ヱ ギ レ 耳 ニ 、 醜 ミ ニク キ 姿 モ 不 レ 謁 レ 面 ニ 。 第 六 、明 二 心不 散 乱 徳 ヲ 一 者 、 偏 住 二称名念仏声 ニ 一 、 自払 ヘ ハ 二 散 乱 麁 動 頭注 2 設 置 拝 四八 抜 提 生 者 沙羅 会 者 祇園
念 ヲ 一 、念仏弥以殊勝。第七、勇猛精進者、 念仏勇猛力最大 シテ 滅 スルコト 二 罪業 ヲ 一、如 レ 研 ケン 二 破盤バン 石 ヲ 一。第八、諸仏歓喜徳 ト 者、諸仏出世本 懐、為 レ讃 二 弥陀名号 ヲ 一、弥陀悲願為 レ 救 二 衆 生苦患 ヲ 一。故、観 二 一遍称名唱 ヲ 一、含 二 諸仏歓 喜笑 一。第九、三昧現前徳 ト 者、三昧 ト 者、調 直定。我等衆生心 ハ 、雖 下 如 二蛇身 一 曲 上 、依念 仏声 直一 ルニ 、無 レ 迷 コト 二 浄土 ノ 道 ニ 一。第十、明往生浄 土徳者、運 二一期称名功 ヲ 一 、預 二臨終正念 祐 タスクル ニ 一 。往因罪業速 ニ 消滅、无始宿善忽薫 発。仏神三宝含 二歓喜 ノ 笑 ヲ 一、鬼魔波旬閉 コトハ 二 逆悪扉 ヲ 一 、高声不退 ノ 称名 ニ 无 レ 過 コト 也。法性 」十七紙 真如 ノ 鐘 ノ 声 ハ 、覚 シ 二 生死長夜眠 ヲ 一 、決定往生 ノ 月 ノ 光 ハ 、照 二極楽不退 ノ 台 ヲ 一 。聴聞亘 テ 二諸人 ニ 一 無 シ 二 レ不 ト云コト 二 発心 セ 一 。利益通 シテ 二 自他 ニ 一 無 レ不 二 随喜 セ 一。善人 ハ 喜 テ レ 鐘伴 トモナ イ 二 念仏助音 ノ 唱 ヲ 一 、凡愚 ハ 勇 テ レ 響 ニ 運 二 通 力至誠 ノ 志 ヲ 一 。為 ニ 十方諸神 ノ 一 、俗諦守護備 ハリ 二 法楽 ニ 一、為 二 三世諸仏 ノ 一、説法開道 ノ 顕 シ 二 化儀 一、衆 魔聞 テ レ遮 ルト 二 利釼 ヲ 耳 ニ 一退散 ス 。無 レ キソウ 競 ウヤモウ フコト 怨敵 ハ 、 ノコイ 拭 ヲサヱ テ 二称 ノ 涙 ヲ 一、還成 シ 二 帰伏 ノ 思 ヲ 一 。嗔恚強盛 ノ 族 モ 、新 ニ 励 マシ 柔 慈悲心 ヲ 一、愚癡無慙 ノ 輩 ヲハ 、終開 キ 二知恵満徳 娯 タノシミ ヲ 一 、設 モウク ル 二 出離生死 ノ 糧 ヲ 一 。養 イ 二 六親眷属 ヲ 一、務 シテハ 二 報 恩謝徳 ノ 費 ヒツ ヲ 一 、育 ミ 二七世父母 ヲ 一 、遠 ク 通 スル 二 地獄 一則 ンハ 、 罪人哀 ス ・ ル ・ 哭 ・ 息 二寒熱 ノ 苦 ヲ 一、獄卒強 ケヤキ 抛 二 呵責 ノ 棒 ヲ 一。 近 ク 韻 ヒ ヽ キ 二 畜趣 ニ 一則 ンハ 、 江河 ノ 鱗 ウ ロ ク ズ ハ 振 ルイ 二 結縁 孝 □□ラ ヲ 一 、 山 野 ノ 獣 ハ 聳 二 下 種 ノ 耳 ヲ 一 。 仍 テ 、鐘 ノ 功徳、大 旨 如 レ 斯 。念 仏 ノ 功徳 ハ 、無 レ 勝 ル ヽ ハ 二 高声 一 。称名 ノ 利益 ハ 、無 シ レ 増 タル 二 鐘 鳴 ナ ラ ス 一。自 リンハ レ 非 二三 尊 ノ 引接 ニ 一 、不 可 レ救 二 三業不善 ノ 我等 ヲハ 一 。不 レ 唱 二 六 字 ノ 名号 ヲ 一 、不 可 救六 根放逸 イ チ ノ 衆生 ヲ 一。 口 ニ 依 テハ レ 唱 ルニ 二 名号 一 、離 レ 二妄語 等 ノ 四 ノ 罪 ヲ 一、 手 ニ 依 レ撃 二 鐘 ニ ヲ 一 、 二 殺盗淫 ノ 三 ノ 業 ヲ 一。 意 ニ 依 レ 念 スルニ 二 弥 陀 ヲ 一、 却 □ ツテ 二 貪 嗔癡 ノ 三 ノ 禍 ヲ 一 、身三 口四意 三 ノ 十 悪無 レ犯 スコト レ 之 ヲ 。 馮 キ 哉 ナ 、依身 口 相応 ノ 念仏 ニ 一 、忽 離十悪不善罪業 ヲ 一。 貴 キ 哉 ナ 、 任 テ 二 三業至誠 」十八紙 称名 ニ 一、速 ニ 持 コトヲ 二 十善 清 浄 ノ 妙果 ヲ 一 。不 レハ 二 念仏 セ 一、三 業 即 チ 誤 リテ 、 西 方 ハ 隔 ヘ タ ヽ テ 二 十 万億 土 ノ 霞 ヲ 一、 遥 ニ 遠 シ 。唱 二 名号 ヲ 一、十善 ヲ 忽 ニ 持 テ 、極楽 ハ 在 テ 二六道 娑婆 衢 チ マタ ニ 一、 此 近 シ 。雖 トモ レ 生 スト 二 濁乱 ノ 末 世 ニ 一 、強不 レ可 レ 。以 ク レ唱 ルヲ 二 弥陀名号 ヲ 一、 偏 ニ 可 シ レ為 レ 足 ( ママ ) スト 。 難 キハ レ 受 人身 ナリ 、 難 キ レ値 イ 念仏。 既 ニ 難 レ 受受 クル 二 人身 ヲ 一 、宿善 可 レ 喜。現世 安穏 、 是 也。 亦 、 易行 ノ 々 スル 二 称名 ヲ 一 、 来 生 有 レ憑 。 後 生善 処 、 是 也。 懿 哉 、 阿 弥陀 ハ 諸仏 ノ 惣 名、六 字 ハ 是 、 万 法 ノ 通称 ナリ 。本 師 ノ 曰 玉 ク 。 阿 字 十 方三世仏、弥 字 一 切 諸 菩 、陀 字 八 万 諸 聖教 、 皆是阿 弥陀仏云 ヘ リ 。設 根 性 万 差 ナレハ 、雖 トモ 下 縁 仏 各別 ナリ 念 ル 二 釈 薬 師 等 ヲ 一 人 ナリト 上 、 唱 レハ 二 南 無 阿 弥陀仏 ト 一、 其 仏 ・ 菩 速 ニ 影向 シ 玉 フ 。 仰 ク 二諸 神 ヲ 一者 ニモ 、唱 レハ レ 之 、 将 ニ 蒙 二 守護 ヲ 一。 祈 ル 二 諸 天 一類 モ 、 申 サハ レ 之 ヲ 、 宜 ク レ持 二 福 徳 一。設 亦 、 智 者 碩学 ノ 家 ニ 講 スルニ 二 経論 ヲ 一 無 レ隙 則 ンハ 、唱 テ 二 念仏 ヲ 一比 ウ レ読 スルニ 二 八 万 ノ 諸 経 ヲ 一。 況又 、 愚 痴 凡下 ノ 族 誦 ルニ 二 経呪 ヲ 一 不 レ 遑 タクマシ 故 ニ 、満 ハ 二 名号 ヲ 一 同 レ持 ツニ 二 五時 ノ 説 教 ヲ 一、 博 ヒ ロ ク 観 レハ 二 六 塵 ノ 境 ヲ 一、 併 ラ 弥陀 ノ 裏書③ 実 体 ナリ 。 見 聞覚知、 何 カ 冥 哉 。七声響、 都 テ 如 来 説法 ナリ 。開 如 来 設化 元 意 示悟入 、 誰 カ 迷 ハン 乎 。誠知 ヌ 、 行 住座臥 ニ 遂 二 九 品 往生 ヲ 一 、 造次 顛 テン ニ 沛 ソ ヽ ク 極 二西 方十楽 ヲ 一 。往生 ノ 非 ス レ 難 ニ 、 値 ヘ ルコトヲ 二 念仏 ニ 一 、 即 、 頭注 3 大悲 甘露 智 炬 三 檀 四 摂 長 劫
往生始 テ 無 レ 之。値 ハ 二 念仏 ニ 一 、即、無始元来 ノ 」十九紙 往生也。念仏 ノ 時 ハ 、即、忘 レ我 ヲ 、念仏外 ニ 更 ニ 無 レ仏。一遍 モ 同 ク 可 レ 申 ス 二 高声 ニ 一也。自身 モ 他 人 モ 、共可遂 二 往生 ヲ 一也。一遍一念往生 モ 、 天真 ノ 空 ラ 晴 レテ 無 シ 二一雲 モ 一。十遍十念 ノ 往生 モ 、 独朗月明 シテ 耀 キ 二法界 一 、利益平等 ノ 往生、 自他不二 ノ 成仏 ナリ 。爰 ニ 、高声踊躍念仏、 」二十紙 大明神御託宣 ノ 内証、如来金口より いてゝ、明者なり。如来金言に、踊躍 とはありとも、仏法者の威儀、大 形心水を静るを、仏教為本懐と いふ人これあるへけれとも、それは、 聖道諸宗の心なり。浄土門の心はし からす。一遍上人の御法語云。諸宗法 裏書④ 門は、漫々たる麁海の上に船浮て、 是をゆるさしと船を閑て、魚を釣 ント するかことし。波しつまるへからす。 波風はたゝはたて、其儘水中に 釣沈れは、自然と魚を取なり。浄土 法門も如此。三毒の波風、動せは動せよ。 其儘置。他力名号の釣を沈れは、 天然として、人天の魚を取なり。 其故、般舟三昧経に、若坐若立行 法、在之。不可生 二疑難 ヲ 一 。大明神、及度 度御 徳、御託宣、仏教合会する。 春日 ニ 、遠 (恩) 覚背衆喜あり。新羅、寺家 回禄笑顔見る。誠、水波の湿 ウン 性へた 」二一紙 てなきににたる者歟。和光利物始終、 神仏両道御方便は、内外宮顕。雲州 大社御宝殿、雖 二明了 一 、時移年積、知 人少 レ之処、当社大明神 廃 ヤブレ たる再興、 隠たるを顕たまへる神慮、忝者乎。 大社弥陀極楽界、結縁衆生成仏道。 然、随縁利物御内証なれは、何 ・ ン 西方 ニ 為 ノ レ送 ンカ 方便也。彼 ノ 礼 文 ニ 明 ナル 者也。於 二 彼大社 ニ 一、 弥陀、大日、並 坐。結 縁 属事、可 レ思 二 合 之 ヲ 一 云 云 。 又 、 子歳 、 参籠長 々なり云とも、 京都 より 錦 ニシキ の 戸 ト 帳下着 して、名号 を 書 、御 前 にかけ、其 後下向 あるへ きよし、 仰有 。 又 、 午 歳 、御宝殿の 沙汰 、 神 妙 に思 食 。 但 、大明神は、あつかりたる 分 なり。其故は、 午 歳 決定 シテ 極楽に生 ヘ き 住所 の宮殿を、 今 此 世 にて 作 置 たるなり。然は、 戌 歳 か 早 世 事も、あるへ からす。心 安お もふへきよし、御託宣 ねん こ ろ なり。其時、 子 歳 、ふと思 出 彼 成 沢池 の事、 山 上して 拝 見申さ ん 、 如何、と申 入 たりけれは、 今 拝 まるへ 」二二紙 からす。其故は、彼 池 は、 別 して 主 を 定 たる によて、 拝 見の衆生 ハ 短命 なるへし、と 仰 あり。 重而 申 様 。 縦 、 今 生 ハ 短命 に 候 とも、 後 生如何と申 入 られけれは、さ 様 の衆生には 拝 まるへきなり。 但 、 後 生は し ろ し め すへ ・ からす。いか ん となれは、 大明神、 末 世 に 出 現 し 給 事は、 偏 に 愚癡 の 凡 夫 の 現 当二 世 のた め 。然は、 頭注 4 奥 州 浅香郡 山 形に 在 所 百 性 六 十 余 年 貢 奉 行 四条町 鏡買 天 照 大神 正体 国 之宝 勢小 ケ レトモ 諸 財 涌 出 鎧腹巻 武士 見 行 幸底 后采女 見 返 ル 翁四国 持 下 ハ 此 顕 タ ル 十両 ハ 財 侭 ニ ナル カト 問 百 五 十両 二 百六 十 人不見 国還
衆生多は現世をのみ祈申によりて、 拝へき衆生の短命をあはれみて、 御返事有なり。此神慮を背、しゐて 所望申さん事お (ママ) いては、今生の望 をはかなへ、後生をはしろしめすへからす。 この池を拝見せんと思はん衆生は、 ふもとに高田の水 トテ 流水有り。かれを見 よ。即、彼池の下よりなかれ出る水なり。 是 レ 中の水なるへし。其よりも、下の 水あり。即、御前の河なり。上中下、三 しきにあり。凡、山 上の池は、御山のひつ しさるの方によりて有。池のひろさ、 一間はかりなるへし。御したゝりたるによ 」二三紙 りて、この河の水、不浄にてくむへから すとなり。其後、関白殿、御託宣有 けるに、此水事、重而尋申さるゝ。然、成 沢池と申外に、三式水に別の水に成らん 申入たりけれは、更に我はしらす。大方 水の次第、大明神の御託宣 ニ おなし。 ゆめ 別の水しろしめさすと て、御あかりありけるとかや。然 ハ 、極楽 の宝池には、水を八功徳水と名付。蓮 に三輩九品有。今、此成沢池には、 水に三重の位あり。蓮、又、御発句に あり。彼是を思ふに、何も衆生根機に 対て、濁世末代の凡夫、出離解脱、往 生極楽のしなを表給者歟。忝こそ 侍れ。されは、大明神栖 スミ たまへる成沢 池は、九品八池の 粧 キシキ を爰にかたとれる者か。 其九品者、観経、随他観門畢後、随自 意本意。其最初上々品説相には、念仏 所具三心三種受法説、並兼 二横 ノ 九品 ノ 心 ヲ 一 、 定散両門 ノ 秘蔵たる、本願超世 ノ 利釼を は修行六念 ノ 箱 ニ 納、下三品 ノ 大敵を対治せ むかためなるへし。当品 ノ 枕 ノ 前 ニハ 読誦大 」二四紙 乗行 ヲ 説、顕 ス 二 堅 ノ 九品 ヲ 一 。上中品 ニ 至 テハ 解第一義 観心 ニ 、六凡四聖 ヲ 空 ト 解 シ 、深信因果 ト 誡 ル 。尋 レハ 二 他経 ノ 証、不壊世諦、建立第一義諦説 レ たり。爰以、今此品 ニハ 不謗大乗 ト 憶持。回 向願求 ノ 窓前 ニハ 、弥陀与千化仏 一 同時来、 授手 シ玉 。迎接 ノ 月高 ク 晴 レ 、行者身作紫 磨金 色 ノ 膚 、 忽 ニ 顕現上下品、受法 ハ 発 菩提 心 ト 説 玉 フ 。 厭 有 為 心、 欣無為 心、 度 有 情 心、 是 也 。 慈悲薫 レ 心 ニ 、利生 銘 レ 肝 ニ 、回 二 上求下 化 ノ 思 ヲ 一 、発 二無 上 菩提 之 心 ヲ 一 。然而、 無 二 々 垢 三 昧力 一者、入 トキ 二 地獄 一 難 レ救 二重 苦 衆生 一 。 無 二 無 碍 三 昧 用 一者、 遊 二 天 上 一不 度 二 著 楽 人 天 ヲ 一。不 レ 如 下只 乗 二 弥陀本願 一 、往 二生極 楽浄 土 ニ 一、 得 二 六神 通 一、具 二 四接 (ママ) 法 ヲ 一 、 還 二来 穢国 ニ 一済 中 度 セン ニハ 人 天 上。 依 之 、 忽 回 二向 菩提 心功徳 ヲ 一、 奉 レ 憑 二弥陀迎接 一 也 。中上品 行 人 、 小 乗根 性 凡夫 也 。 五 八 十 具 戒 品 ニ 、 恒沙 ノ 衆 罪 ヲ 誡 テ 、 微細犯過 モ 皆制 、 十 過殊過 タリ 、四重 尤 重、 防 二殺盗淫妄 ノ 非 ヲ 一、 止 二 貪嗔邪 見 悪 ヲ 一 、回 スレハ 浄 土 ニ 往生 スル 。此 レ 是 ノ 品 ノ 受法 ナリ 。中品中生行 人 、 昼夜 ヲ 分 持 戒 ノ
人、一日一夜清浄 ナレハ 軽 罪 誡 モ タリ 。中下品 人 ハ 亦、孝養父母善人 ナリ 。此 ノ 品 ノ 人 ハ 、順 フハ 二 父母之 」二五紙 命 ニ 一、和 ナリ レ 於 ヨリモ 二 伯瑜泣 レ杖 一。非 トモ 二 郭巨之計 一 、与 二金玉 孝妃 (妣) 一。非 トモ 二 王祥之営 一 、備 二魚鳥父母 一。昼 ハ 随 テ 二母 心 ニ 一暮 シ レ 日 ヲ 、夜 ハ 任 二 父 ノ 命 ニ 一 戴 キ レ星 ヲ 。金谷 コク 園春 ノ 朝 ニハ 、折 レ花 ヲ 悦 シメ 二 父 ノ 眼 ヲ 一。上林苑之秋夕、拾 レ 菓 慰 二母 ノ 心 ヲ 一。冬至前後、八 (入) 夜寒風破 レ 竹之時、 盈 二于金裘 ヲ 一 防 レ寒 ヲ 等、孝行雖 レ 尽 レ心 ヲ 、未 聞仏法行人。譬、彼孟 ホウ 宗払 レ雪抽 シモ レ 筍 タカンナ ヲ 、未 レ養 二 法身恵命 ヲ 一。王祥破 レ 氷 ヲ 求 レ 魚、還結 二 地獄 業因 ヲ 一。然、当品人、臨終断命一刹那、一 期所修孝善回往生人也。下上品十 悪軽罪人。善人、雖 レ説 二 多経 一、 受之心浮 散心散 スル 故 ニ 、除 罪稍 軽一 散摂 二 聞声 三 願 ノ 有 無 ナリ 。有人云。凡夫行中 ニ 、称名最勝、所 二 以然 一 者、凡夫 ハ 雖 レ 修 二 自余妙行 一 、其心散漫 シテ 而不 二相続 一 。其行難 シ レ成。唯、称名行 ハ 、常 不 レ忘 レ 仏。不 レ忘 レ 仏故、成決定業 一 。謂、忘 ルヽ 二 心 ニ 仏 ヲ 一 時、口称 レハ 二 仏名 ヲ 一、其声入 二我耳 一 、引 二 起我心念 ヲ 一。々々若起、此念亦勧 レ 声 ヲ 、令 レ唱 二 仏号 一。是故、念 ハ 勧 レ 声 ヲ 、声起 レ 念 ヲ 、常不 忘 レ仏。有此益 一 故、法蔵比丘立称名 願 ヲ 一、実 ニ 望 二凡夫 一 時 キ 、万行万善中 ニ 、称名 ハ 第一行 ナリ 。仰、案 二仏願意 一 、感涙難押。 」二六紙 爰以、善和 牛業具、尚往生玉 池中 一 矣 。下中品破戒人、偸僧祇物現 前物、不浄説法、无漸无愧而、自荘厳 罪深。獄火一時 来、出 ニ レ声 ヲ 不 レ出 レ 声。 裏書⑤ 知識、大悲方便 ニ 弥陀 ノ 威徳 ヲ 説 キ 聞 ス 。名 号不 思議 不 ス レ浅 。聞 得六字 経 意、不 ル 次 二二念 ヲ 一 一念 ニ 、火 車冷 風 翻 、 吹 来 レル 床 ノ 上。 諸天 花 雨 ツ ヽ 、 化 仏 菩 迎接 、一念 往生不 レ疑 。 七 反帰俗雄俊 、 忽免 ルヽハ 二 獄 門 一、此品心也。下々品 五逆 人、悪 ニ 悪 重 レト 、臨終回心不 疑 。一 家 尺 云。下品下 生凡夫等、十悪 五逆 皆能造 、 如 此。 愚 人多 造 レ罪、経 二 歴 地獄 一無 二 窮劫 一 。臨終 忽 遇 善知識、 為 説妙法令 安隠 ( 穏 ) 、 刀 風 解 時 貪忍痛 、 教 令念仏不 能 念。善 友告 言専合掌 。声々 蓮注満 十念、念々 消 除 五逆 障 、 乃 至 金花 光明照 行者、身心 歓喜 上花 台 云 云 。是 ヲ 三々 九 品浄 土 名 たり 。 次 、 明神栖給へる 成 沢 池者、八 功 徳 池也 已 上 。大経云。八 功 徳 水 、 湛 然盈 満 、清浄 香潔 、 味 如 甘露 一、 乃 至 若入 二 宝 池 一意、 欲 令 」二七紙 水 没 足 、 水 即 没 足 、 欲 令至 膝 、 即 至于 膝 、 欲 令至 腰 、 水 即 至 腰 、 欲 令至 頸 、 水 即 至 頸 、 欲 令 灌 身、自然 灌 身、 欲 令還 復 、 水 輙 還 復 、 調 和 冷 煖 、自然随意、 開 神 悦 体 、 蕩 除心 垢 、清 明 澄 潔 、浄若無 形 云 云 。 是上 ニ 云所、 九 品八池有 様 也。 今 、 頂 上成 沢 池者、是 則 、 過 十万 億 浄 土 ヲ 、来 娑婆 界顕 給 、大 明神 心 水 。 本 覚理性覚 体 、 生仏未 分 、 天 地未 開 、一 滴 万 象 、 森羅 根元 也。 依 之、 度 々 御託宣にも 、我 み た らいは 大日 如 来 智 水 トモ 、 或 、弥陀 智
願海水とも告給へり。いつれも内 証一味の法水なれは、垂迹和光神明 為栖。成沢の池にも、水に三式の品 ありといへとも、源只同一感 (咸) 味心水也。 浄土三々九品差降あれとも、同一 無差願海帰入すれは、凡聖とも に、顔貌端正、超世希有也。本迹無 二化道、唯仏独明了之法体、表成 沢池。凡夫眼力不及事、誠難有御 方便乎。爰以、当社参詣之輩、全 」二八紙 極楽世界之九品蓮台運歩可。 同御神託、忝こそ侍れ。 高田大明神縁起巻上 奥書云。 右、此縁起者、雖 二浅智短才 ノ 極 ナリト 一 、任 セ 二 御 託 ノ 趣 ニ 一 、法印頼尊 并 沙弥其阿弥陀 仏、記 レ之、奉 レ 納 二御殿 一 者也。 頼尊判 六十二才 嘉慶二年 丁 卯 二月三日 其阿判 八十六才 同年九月廿三日 ノ 御託宣 ニ 、此 ノ 両巻 ノ 縁起、入 テ 二 箱匣 ニ 一深秘 蔵、納 二 真 (ママ) 殿 ニ 一後、不 レ 可 レ 出 二社内 一 。但、 三年 ニ 一度、十 六 所行 幸 ノ 時、祠官七日精進、 捧 レ之。不 シテ レ 開、可 レ 令 レ見 二諸人 ニ 一 。一見 ノ 功 徳莫 大、必可 二至仏土 ニ 一 。求不 レ可 レ 及 二 披見 ニハ 一 者也。 依 二此 ノ 御神託 ニ 一、御行幸 ノ 前七日、垢離 ヲ 取 リ 、 荒 峺 ニ 臥、錦 ヲ 以 テ 裹 ミ 、垂 シ 二 覆面 ヲ 一、無言 シテ 持 チ 、 十六所 ニ 御 行也。此 ノ 箱一見 ノ 輩、必可 レ 有 二 御 引導 一。及 二 度々 一御託宣、忝御方便乎 云 云 。 有時、御託宣。此箱、赤沼 カ 子孫可 シ レ 持 ス レ 之 レヲ 云 云 。 大日変成弥陀尊 末法示現大明神 弘通西方弥陀号 引接結縁衆生界 此八句礼文、又、御託宣也 云 云 。 」二九紙 私云。予 信 誉 、雲州富田特留山信楽寺建 立 。 功 終 テ 以 後、慶 長 四 年 秋 ノ 比 ヨ リ 、 渡 二 海 隠 州 ニ 一 勧 二 化 ス 国中 ヲ 一。爰 ニ 、同 国島 後都 万院 ト 云 在 所 ニ 、 名 二 高 田大明神 ト 一、 霊験 無 双 在 ス 二 明神 一。其 ノ 御殿 ノ 内 ニ 、不 レ 明箱 在 レ之。 此二巻 書也。 同年九月八日 ノ 夜 明 レハ 、 九日 ノ 暁 方 ニ 、不 思議 ノ 霊 夢 在 ル カ レ 之 故 ニ 、 於 二 神前 一 開 レ之、 拝読 時、神 主 、 宜祢 以 下 諸人、 驚 二 耳 目 ヲ 一 、帰 二 入浄土 門 ニ 一 。其後、 彼 ノ 箱 ヲ 申請 ケ 、此両 巻 ヲ 書 二 写 之 レヲ 一 畢 。弘通 ス ル 所 ニ 、 万 人一帰、 国中 貴賤 、 男女 不 レ残 、 悉 趣 二 念 仏 門 一者也。 慶 長 四 年九月十三日 夜 、書 写 之。 雲州富田信楽寺開 基 楽蓮社信誉 秀翁 ( 花押 ) 欲 ス ル レ 写 ン ト 時、深 秘有 リシノ レ 之 レ 間 、後見 ノ 人々、可 レ 有 レ心。深 可 レ敬 。 就 レ 中 、 下 巻 ハ 神道之極 致 。 故 、 余 リ 不 レ可 レ 談 レ之 レヲ 禁誡 レハ 、 別 紙有 リシヲ レ 之 レ 、 失 念 シテ 不 写 者也。 」三十紙 高田大明神縁起 下 」(外題) 高田縁起 下 沙 門 信誉 」(端裏) 礼文云 大日変成弥陀尊 末法示現大明神 弘通西方弥陀号 引接結縁衆生界 高田大明神縁起之 下 さる程 に、御 宮 渡 す ぎ 、一両日あ て 、子 歳 の
所労は長病なりけるか、以外大事に成、存命 既かぎりに見え給処に、花の乳母、請し 申ささるに、彼宿所にいたり給。病者を暫ま ほり給て、様々事共仰有ける中に、彼病者 ニ 、 悪霊多く付たる ナリ 。信 ・ 仰も不足なり。さる程に、彼 祈 を釈 弟子度々申入 ルヽニ 、形に聞召入すと 云 ヘ とも、此処に出世しなから、争か捨へきなれは、 慈悲をもて守給なり。彼霊ともにひかれて、かなら す臨終も正念なるへからす。雖然、ふかく祈誓を 至さは、霊ともを顕 シ てのくへきなりと仰有て、はた とにらまへ給へは、又、暫ありて、彼悪霊とも、一々に 其形を現して、思々の事とも云顕して、各たち 退くけしきなり。されとも、猶のつ (こ) と思々に 立帰り給ける。其後、又、重而宮中より仰送 られけるは、彼 ノ のこる処の霊は、尤大事の霊なり。 其上、 定業 いかゝせん。信仰も亦不足なり。但、我宿 所の新造を一拝殿 ライデン に立てまいらするならは、 其しるしにのこる霊を退、暫の命も延へきなり。 御神託のよし告奉りけれは、子歳承て、信心を いたし、則、彼一字をこほちあけ、拝殿も立申 」一紙 ける日より、すこし心地本腹 (復) し給けるとかや。就 其、忝神慮おほしと云とも、悉く注すと覃 はす。同十二月十五日午剋はかりに、内 5 方子息 と名 (ママ) 付て病者云けるは、いつくよりともしら ぬ童子来て、黄なる札を我与給。右の手に請取申 たり。是 これ を見るやと仰られけれとも、更々見申 さすと両人共に申さるゝに、ふしきやまさし く持たり。此札見よと、両度まて仰られ、その のち誠に心地 コヽチ もさは とおはしますけしき にて、念仏数百遍唱給、正念に住し、眠ことく して、申時の終程に臨終したまふ。俄間様に 人々驚 きあへる。 のあまりに、大明神を恨 申者もあり。是併、大明神の御虚言なりと申 物も有けるとや。其後、彼中陰初七日すき て、戌時に、大明神、亦、花の乳母に託して仰 あり。彼子歳臨終の事に付而、衆生共中に、 我を恨あさけり申ものあり。返々おろかなり。 まして、愚癡の凡夫と云とも、是程の事はしる へきにしらすは、なとか子細あると思はすして、 平に恨申事、誠にふしきなり。其謂は、彼仁定 業なり。もとより、信不足なるによて、悪霊多く付 て臨終をさまたけ、三悪道に趣くへきにて有を、 我此所に出世しなから、かれを地獄におとさん事、 不便に思食、慈悲を以方便して、新造 ヲ 拝殿 に立まいらせよ。命をもしはしたすくへし。 われに祈誓をふかく至せとおしへによりて、 命の些ものひん事を恨 (悦) 、無二の信心をこし、 祈申き。然間、凡は十月十日、十一日の比臨終すへ きにてありしをも延、又、十一月廿二、三日には必死へ ・ き ・ を ・ 、悪 ・ 霊 ・ 悉く 退け、正念に住し、順次に往生をとけさせ、 」二紙 道場の本尊諸共に、 極楽 へおくり、上 品 上生の 台 に 預 申 置 たり。其 証拠 の 為 に、 帝尺 ニ 人 ヲ 進 ・ し ・ 、 金 の札を 所 望 申せしに、両度まて 叶 ましき ト ノ 御返事 ありしほ (を) 、重て申たるによりて、三度 め に童 子をもて 下 さる。則、彼童子にて札を病者に わたす。さる程に、病者 妻 サ イ 子をよひて、此札見るや、
両三度向 (問) しは、この為なり。大明神は、如此御計 あれとも、猶、衆生ともふしんをなし、御虚言な りと申さは、帝釈にや約束申たる子細あり。 もとのことく、彼子歳、様 極歟 楽より取返し、帝尺 に渡へきなり。其為に、預申と (ママ) たるもの也、 との御託宣を承、心ありもなきも、皆々かん涙 ルイ を なかすはかりなり。様々におこたりを申けれは、 すこし御気色やはらかせ給けり。其後は、いよ 日に随、時に増て、諸人信仰をいたし、 現当二世を祈誓申とかや。かくて、同 (閏) 五月の参 籠に、時衆中に、夢想に蒙れり。 花に今なるさわ池の蓮かな 此池は、御山のいたゝきにあり。其名なるへし。 大明神の御発句にておはします由、御託宣あ り。今、すてに大明神御出世有て、神威の 開る所をあそはされたるにや。蓮の事、御本地 大日如来の浄土、蓮花蔵界と経に見たり。 此所、則、覚王浄土なるをや。又、極楽浄土の 八功徳池の蓮花、則、弥陀正覚花なり。然は弥陀 大日、一体分身の証拠、こゝにあり。如来浄花衆、 正覚花化生云り。将亦、和光の証を尋れは、 」三紙 笠置 カサギ の解脱上人、後生菩提を祈せい申され ける。夢想に、伊勢大神宮へ参詣し給た りけれは、内外両宮の間 ・ 、大小蓮花さき乱、つほ めるはなあり。開花あり。尋申せは、当社の 神官の往生の花なり。既に往生したるは 開、いまた生れさるはつほめり。答。其時わ れもし今度生死を離すは、再人間に帰、神 明の社人と成、極楽に往生せんと誓給ける よし、和光本誓記に見えたり。今此大明神、 毎度の御託宣も、我みたらいに歩をはこ ふ輩、もらさす今生の望をかなへ、後生に 」四紙 は上品上生の花の台に導かんとなり。是、此 蓮花を真言密教意には、方寸の胸 ム ネ キモノ 内 ニ 、 八分 腋 ヒ 羅尸 シ あり。悟の前には八葉の心蓮 台と顕也。此蓮台の上、
乾
字あり。乾
字 反して月輪となり、月輪、即、我心 ニ 起 菩提心姿也。乃至、非情草木皆備 タリ 。 青 草白 露の色も、阿字質也。心 ハ 五体身 分に遍すと云とも、恒 ノ 棲は妙 法 心蓮台 也。我神 ヲ 宿 すを、阿字 観 とは申也。 受苦 受 楽は、我一 念 の心有 故 ニ 、此 理 を 知 人 ハ 、 心 ニ 浄土をかまへ、 自 往生。此 理迷 もの は、 自 地 獄 を 作 、心から 苦 を 受 ル 也。蓮 華 三 昧 経云。胸中 ニ 両 部 万 (ママ) 荼 羅 坐列 、 各下転 神反したまへり。其中 ニ 、 西 方 ノ 無 量寿 如来 ハ 、 掌 リ 二 説 法 談議 徳 一、 常 恒 説 法 ス 。其 音 自 二 我 口 一出、成 声塵 一 作 利益 ヲ 一 なり。 凡 夫 、 不 知 之 。我 語 しと 思 し、 被対 我 物執 情 ニ 一、恒 沙 万 徳 無量 宝号 、名字 功徳 法 門 気 声 ヲ 、 只 徒 成 二 悪趣 の 業因 と のみ 一。 誠可 レ 悲等 云 云 。又、有 ・ 真言 投機 之 学 者 、 疏 ノ 中 ニ 問云。 以 二弥陀 ヲ 一 為 二 蓮 華部 主 ト 一。所証 」五紙 法 門 ヲ 為 二 蓮花三 昧 ト 一。意、如 何 。答。一 切 ノ 衆生、 皆本浄 ノ 心蓮 ヲ 令 ル 二 開 敷 一 、是 ヲ 云 二 蓮花三 昧 ト 一 。 大日経 ノ 疏 ニ 、即 観 シ テ 二 自 身 ヲ 一、 作 二八葉蓮花 一 。 凡 人汗 カン 栗 リツ 駄 タ 心 アリ 。状如 二 蓮花 一 而、含 二 未敷之像 ヲ 一 。有 二 筋 キン 脈 一。約 シテ レ 之、以成 二 八分 ト 一。男子向 レ上 ニ 、女人下 ニ 向。先、観 二此 ノ 蓮 ヲ 一、令 メテ 二 開敷 一、為 二 八葉白蓮花 ト 一。此 所観 ノ 蓮花 ト 者、即、弥陀 ノ 法身。又、能開方便 ト 者、即、弥陀本誓 ナリ 。是 ノ 故 ニ 、
活
ヲ 為 二蓮花部主 一 。問。 何故、殊 ニ 以 二 弥陀 ノ 三昧 ヲ 一 、開 二 心蓮 ヲ 一乎。答。弥陀 ハ 是 レ 、第六識転得妙観察智 ノ 仏也。三世十 方如来 モ 、皆悉、以 二 此智 ヲ 一開 二 本地心蓮 一 。成 二花 台 ノ 果徳 ヲ 一 也 文 。観経云。仏告 二 阿難 一。如 レ此妙華 ハ 、是 レ 本法蔵比丘願力所成 文 。祖師云。願力所成 者、三十二願云。自 レ地已上、至 二 于虚空 一、宮殿楼観、 池流華樹、国中所有、一切万物、皆以無量、雑 宝百千、種香而共合成 シテ 、厳飾奇妙、超 二諸人天 一 矣 。 此 ノ 願 ノ 中 ニ 、摂 二 一切依報 ヲ 一 、花坐亦此 ノ 中 ニ 有 云 々 。凡、 蓮花 ハ 出 二 淤 ヲ 泥 デイ ヨリ 一 本来清浄 ナリ 。心 ノ 无染无濁事、 譬如 二 蓮花 一 。曰 二 是 レヲ 譬喩 ノ 蓮花 ト 一 。亦 是、衆生 ノ 心色、 諸仏覚体、併蓮花 ノ 直 体也。肉 団八 葉 ノ 心蓮、 」六紙 曰 二之 レヲ 仏心紅蓮花 ト 一 。是則、衆生心色、覚 ヲ レ之 レヲ 曰 レ仏 ト 。仏界心蓮清浄 ナレハ 、衆生 ノ 心蓮、亦清浄 ナリ 。 正 ニ 知 ヌ 、色 心一 体性 相一 物也。心 性 ハ 則真如。 真如 ハ 則、心色 ノ 蓮花也。曰 二之当体蓮花 ト 一 。故 ニ 、仏 モ 坐 二心色蓮花 ニ 一 、報土心蓮 ノ 上 ニ 建立 ス 。霊山老師、 於 二此観 ニ 一 殊顕 二除苦悩之名 ヲ 一 。経云。仏告 二 阿難 及韋提希 一。善思 二 念之 一、仏当 三 為 レ 汝分別解 二説 除 二苦悩 一 法 ヲ 上。汝等憶 持、広為 二大衆 一分別解説 セヨ 。 説是語 ヲ 一時、無量寿仏住 二 立 玉フ 空中 文 。除 苦 悩 法 ノ 音 ニ 驚 キ 、応 シテ レ 声 ニ 苦悩 ヲ 除 ク 。法 ト 者我 ナリト 来現給。善 導、此 ヲ 判 シテ 、娑婆化主 ハ 為 レ物故 ニ 、住 二 想 ヲ 西方 ニ 一。安 楽 ノ 慈尊 ハ 知 レ 情 ヲ 故 ニ 、則影臨 二 東域 ニ 一 文 。観法深 要 ナリ 。 急 ニ 救 二 常 没 衆生 一、 妄愛迷 心 シテ 、 漂 二 _ 流六 道 ニ 一。 汝持此観 一、 処 々観 修 シテ 、 普 得 二 知 聞 一、 同 ク 昇 解 脱 等 文 。経 ニ 、此 ノ 観 ヲ 結 シテ 此想成者、 滅 除 五 万 劫 生 死 之 罪 、 必定 当生 極 楽世界 文 。 剰 、 五 百 侍 女、 発 二阿 耨多羅 三 藐 三 菩 提心 一 、諸 仏現 前 、三昧 ノ 記蒙れり 。経 ニ 説 二韋提 侍 女 益 ヲ 一云。併希 与 五 百 侍 女、 聞 二 仏所説 一、応 レ 時、即 」七紙 見 二極 楽世界広 長 之相 一 。得 レ見 二 仏身及二 菩 一、心 ニ 生 二歓 喜 一 、 二 未 曽 有 一廓然 トシテ 、大 悟 シテ 得 二 無生 忍 一。 五 百 侍 女 モ 、 発 阿 耨多羅 三 藐 三 菩 提心 一、 願 レ 生 ント 二 彼 国 一 、世尊悉 記 玉 ヘ リ 下 皆当 二 往 生 一 、生 二 彼 国 一 、已 得 ヘ シト 中 諸仏現 前 三昧 ヲ 上 文 。大 明神御 発 句 、解 脱 上人 御夢 想、経 論尺 ノ 唯 (推) 二 明 文 ニ 一、 誰 ノ 疑惑 ノ 輩 カ 不 レ仰 レ 之乎。浄土 不 共 教 門 ハ 、 踊 二 跳 シ 心地 ヲ 一、 二 尽 ス 悟 解 ヲ 一。 仏 意 ノ 一 乗弘 願 ノ 教 ナ ル カ 故 ニ 、 実 我 実 法 妄 執 念 ノ 儘 ニシテ 、无生解 脱 ノ 本分 ニ 叶 。此則、仏願 他 力之 神 力 也。所以、 今 此 信 楽 ヲ以 帰 スレハ 二 神 道 ニ 一 、 愛 妻 愛 子、 随 レ願 ニ 満 足 シ 、 惜 身 惜命 、 任 テ レ 心 ニ 存在 ス 。 莫 レ 謂 、 和光 同 塵 ノ 結 縁 トハ 。仏 神 同 体之大 悲 、現 当一 時 而 度 二脱 之 ヲ 一 智深、 豈度 二現世 一 不 ン レ 済 二後 世 一 。又、 引 二後 世 ヲ 一 不 レ護 二 現生 ( ママ ) ヲ 一 。 然 則、仏法 全 神 道 ナレハ 、願 二 求往 生 ヲ 一 、即、 称 二諸 神 冥慮 ニ 一 。 神 道 即仏法 ナレハ 、 祈 二 念 福 智 ヲ 一 、 尚預 二諸仏 護 念 ニ 一 。何 況 、云 二 三世諸仏 依念仏三昧成等覚 ト 一。故、弥陀是、諸仏本 師也。又、云 下威 神 光 明 、 最 尊第一、諸仏 光 明 、 所 不 能及 上 。故、諸仏 威 神 、 不 レ 及 二 弥陀 一 。 既 ニ 是 レ 、 无 量三 昧所 主故 ニ 、此尊、即是、大 元 宗 祖 」八紙神也。諸法統 トウ 惣、三昧万徳、所帰要法、摂化 无極、神道 通 如意、応用反現、自在化益 ナリ 。若能 如是信得及 セハ 、水波無二之化道 ナルカ 故 ニ 、月蓋長 者祈 シニハ 二 現世除厄 ヤク ヲ 一 、三尊臨 二門 一 ニ コン 而与 二 神薬 ヲ 一。在 能、有頼 ヨリ 、求 メシカハ 二 熊 ユウ 獣 ジユ ヲ 血 塗 ニ 一 、聖容顕 二岩室 ニ 一而、示 二 金 身 一。豈仏法外 ニ 更 ニ 覓 ン 二 神道 ヲ 一 乎。又、神道全仏 道、仏神同体大悲、現当乍 レ二悉 ク 円満 スルヲヤ 。 請願 ハ 、欣求 ・ シ ・ テ ・ 浄 ・ 土 ・ ヲ 一 、雖 レ唱 二 念 スト 弥陀 ヲ 一 、莫 レ レ廃 スルコト 二 神冥 ヲ 一。又、乞再 拝諸神社祠 シ 等 モ 、雖 レ 帰 二依霊神 ニ 一 、専 二 念 スヘシ 仏陀 ヲ 一 。 若爾、仏法神道不離不即、神道仏法不 即不離、二求両願、自然満足。易往易修、 頓教捜玄、即冥理体 ナレハ 、正絶 ス 二 一異有无 ノ 仮 名 ヲ 一。他力難思化用、不 シテ レ 捨 二 浄穢凡聖 ノ 実執 ヲ 一、 超 ユル 二 心地 ヲ 一方便 ナレハ 、不 レ改 二邪執 ヲ 一 而顕 二正見 一。即 二 往 生 一之无生、不仮 二 修行 一而入 二 真如 一 。然則、済 凡秘術 ノ 投枕 ナレハ 実我妄情、全不 レ 背 二 神慮 ニ 一 。 終窮極談 ノ 深意 ナレハ 、心念、口唱、不 レ離 二 霊光 一 、 无量三昧之所主故、塵々応用之従 神也。当知、諸法統惣 摂 之神体、万徳所 帰御宝殿乎。当社大明神、无窮無極 」九紙 之御慈悲、現当両益内証、一心専念 之神体、当座道場神殿、誠 ニ 難 レ 有御方 便者乎。当社 ノ 御本地、天神七代最初 ナリト 、 度々 ノ 御託宣也。天神七代第一 ハ 、国常 立尊 ニテ 御座也。国常立尊 ヲハ 、暦道者名 二槃 ハン 古 ゴ 王 ト 一。程 テ 頤 イ 曰。幽明 シテ 而有 二 一物 一。是、号 レ神、 无 レ 形、能養 二 有 レ 形者 ヲ 一 。為 二 万物 一 為 ル 二 霊性 ト 一 。是 レヲ 於 二禅那 一 者、名聖諦第一義 ト 一、号 二 空劫已 前 ト 一 。謂 二 威音王仏以前 一 、名 二 生 下未分 話 ワ ト 一 。 教内 ニハ 、是 云 空王古仏 一、 或云 二 本 覚 真如 如 来 一、 或 名 毘盧舎 那 ト 一 、 或 名 二无 相 本有 大 日 如 来 一。大 日経 曰。心王大 日説 法 ハ 真 言 、 挙手動 足、 皆 是 密印 。又 云 。如実知自 心 ト 者、 息 也。又、法 華 経云 。 既 、知 息 已 引 入、 於仏 恵此 息 トハ 、 西 方 息 風 也。 西 方金々 肺 ハイ ノ 臓 也。 息 者 出 ・ レ自 二 肺 ノ 臓 一 、 肺 ハ 風 大 ナリ 。 人界去 来 動 転 ハ 、 風作略 也。故、於 二 医 イ 道 一、 肺臓 号 二 気 口 脈 一。為 二 人 命 ノ 定 ト 一 。諸 脈 雖 二 断 絶 スト 一 、有 ル 二気 口 脈 一 則 ンハ 、 人 命 余 ア ルカ 故、号 二 脈 風 主 人 公 ト 一、金 剛 正 」十紙 体 トモ 一 、号 二 无 位 真 人 一 、謂 二 阿 弥陀 一 。 西 方金故 ニ 、 念仏 時扣 タ ヽ ク レ鐘 、金 西 方主也。於 レ 口有 二開 合 一。雖 レ 不 レ申 二 念仏 一 、 出 息 入 息 、 阿 吽 ウン 也、 開 合 也。念仏 申 シテ 見 ル 則 ンハ 、 入 出 南 無 阿吽 入 出 阿 弥 阿吽 入 出 陀仏 阿 吽 。是 即、 吽 ウン 吸 息 カ 、是念仏也、一 切 経 也。於禅那 一 、 阿 吽 ヲハ 号 二一 喝 一 。々々 商 量、 会 得 スル 則 ンハ 、 出 入 息 、 一 切 経 也、仏心也、神道也、易道也。故秘 鍵 云 。仏法 非遥 、心 中 即 近 。 文殊偈 云 。大 智 自 レ心 発 、於 レ 心 尋 二何処 一 。天 台観 経 疏 曰。 自性法身仏土 ハ 即身即仏土也。即心即 仏、 尋 二心外浄土 一 則、 十 万 八 万。 千里 遥 遠 、見 二唯 心 ノ 仏 ヲ 一則、即心 カ 是仏。 起居 動 静 是仏。 出 息 入 息 者、是 胎 金両 部 大 日 也。 出 息 為 レ金、入 息 ヲ 為 レ胎 ト 。 六根 者、 色 浄 土也。心者、空而弥陀也。以 二阿 吽 二 字 一 、為二 字 念仏 一 。无念無 相 ナル 則 ンハ 、帰 二 阿 字 一 字 一 。 況 、国 常立尊、号 迷悟 生仏之 根 元 一、天地 未分