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桜美林学園中長期目標に基づく国際寮の立ち上げと運営 : ─ 新たな国際交流の拠点を目指して ─(I 特集:桜美林への留学生の学びと生活)

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Academic year: 2021

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桜美林学園中長期目標に基づく国際寮の立ち上げと運営

─ 新たな国際交流の拠点を目指して ─

学生センター学生生活支援課 高原 幸治

新たな国際交流の拠点、学生主体の寮運営、中期目標の具現化

 2011 年 4 月、人種や民族、文化や習慣などの異なる学生が、勉学や寝食をともにしな がら切磋琢磨することを通して、本学の建学の理念である豊かな教養をもった国際的人材 を育成することを目的とした国際寮が新たに開寮した。  国際寮設立の背景には、学園創立 100 周年を迎える 2021 年までに、学生の 25 パーセン ト程度がインターナショナル・スチューデントになるためのマイルストーンとして掲げた 2010 年から 2014 年の中期目標において、長年の課題であった留学生の住環境整備が挙げ られていたことにある。  また、佐藤理事長が、常々、諸外国のように学びと生活の場をキャンパス内に整備し、 教室や授業とは異なる場での人間形成の機会を設け、充実した学生生活が送れる環境が築 かれることを強く望まれていたことも大きく影響している。  本学が正規留学生を本格的に受け入れ始めたのは、1989 年 4 月の国際学部(現在はリベ ラルアーツ学群に統合)開設の時である。そして、留学生の宿舎運営に係わり始めたのが、 2 年後の 1991 年から同学部でスタートしたルコネッサンス・ジャパン・プログラムを開 講し、交換留学生を受け入れ始めた時からである。  以後、滞在期間が半年から一年と短く、個人としては借り上げることが難しい交換留学 生を対象にキャンパス周辺のアパートを大学が契約し、個々に貸し出すという運営方法を 取り続けてきた。  しかし、この 10 年、毎年 100 人を超える交換留学生をキャンパス周辺の十数カ所のア パートに振り分け、その生活支援や指導、管理を行ってきたが、財政的にも管理運営上 も、見直しの必要性が年々高まっていた。  そうした意味でも、国際寮の開寮は、国際交流や大学のグローバル化を推進する関係者 にとっては悲願であり、本学における今後のグローバル化や世界で活躍する人材育成に新 たな転換を与えたと考える。  今回の OBIRIN TODAY では、まだまだ、学内関係者も十分に知られていない国際寮を 紹介しつつ、どのような学生寮を目指し、運営を行っているかについて、触れることとする。  

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1.国際寮の概要

 国際寮は、JR 横浜線淵野辺駅北口か らわずか 4 分に位置している。アクセ ス環境は良いものの、寮生や関係者で なければ、なかなか寮内に立ち入るこ とや、寮生活の様子を垣間見る機会が ないと思われるため、この機会を利用 し、少し国際寮の概要について触れて おきたい。 (1)施設設備について  居室は、3 つのタイプに分かれてお り、標準となる A タイプ 203 室、B タ イプ 7 室、C タイプ 35 室の合計 245 室 である。いずれの居室にも、自炊がで きる IH のシステムキッチン、シャワー (B・C タイプはバスタブ付)、トイレ、 ベット、学習机と椅子が備え付けられ ている。  また、館内の共通施設は、定期的に 開催されるイベントなどで使用する大 ホール、寮生主催の英語や中国語、韓 国語講座などで活用される会議室、24 時間開放の自習室がそれぞれ 1 部屋ず つ 2 階部分にある。3 階以上の居室階 には、寮生が食事を一緒に作り、食べ ることのできるラウンジ(5 室)やラン ドリールーム(4 室)などがある。 (2)寮費について  標準となる A タイプの寮費は、月額 55,000 円(光水熱費・インターネット利 国際寮外観 上:A タイプの居室風景 下:ウェルカムパーティーの風景

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用料含む)となっており、寮生は、半期ごとに一括して寮費を収めている。  2012 年 4 月以降、寮生からの要望に応え、居室空間が少し広めの C タイプを二人部屋 に改良しており、シェアタイプとして使用する場合は、月額一人あたり 35,000 円となっ ている。いずれのタイプの居室も、入寮時に、管理費 25,000 円(事務手続き費、退去時の 清掃費、保険料)、退寮時に返還されるデポジット 55,000 円を支払う必要がある。 (3)受け入れ方針や寮則について  日本人と留学生の交流が日常的に行われることを願い、性別によるフロアの区分以外に 特別な配慮は行わず、出身の国や地域などを問わないランダムな部屋割りとしている。  また、日本人学生の国際寮への入寮希望者数が定員を上回ることを開寮当初から想定 し、多くの学生に寮生活の機会を提供することを目的として、在寮年限は最長 2 年間と定 めた。一方の留学生についても、在学中から日本社会に溶け込み、日本の習慣や文化に慣 れ親しみ、多様性を身に付けてもらうことを願い、日本人学生同様に在寮年限を最長 2 年 間としている。  寮内の主な規則は、全館禁煙、禁酒であること、来客者の宿泊の禁止、寮生以外の立ち 入りは 22 時までなどである。他にいくつかの細かな規則はあるものの、重要な事項以外 については、学生の自治を重んじ、後述するレジデント・アシスタントが中心となり、必 要に応じて寮長と相談のうえ、ルール化をすることにしている。 (4)これまでの受け入れ状況  2010 年 9 月にプレオープンをしてから 3 年間の寮生の受入状況については次頁の表の 通りとなっている。  2011 年 4 月の本格オープン時は、前年の夏休みに開催されたオープンキャンパスなど において、国際寮新設の宣伝が間に合わず、受験生に対して十分に周知がでなかったこと もあり、受け入れ人数が伸び悩む結果となった。  その後、寮生の募集に関する対応策を検討し、専用ホームページの開設、入試広報セン ターや関連部署、在寮生と連携したオープンキャパスなどでの告知を行った結果、多くの 受験生や学生たちから入寮希望が寄せられ、結果として 60 人以上の入寮希望者をお断り することとなった。  こうした状況を踏まえ、2013 年 4 月からの入寮希望者に対して、日本人学生、正規留 学生に関わらず 1,200 字以上の入寮志望理由書を提出してもらい、書類選考を経て、入寮 を許可している。ちなみに、2013 年度 4 月の入寮選考倍率は 2.3 倍となった。  なお、下記の表にある「その他」には、孔子学院、海外提携大学等からの教職員に加え、

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東日本大震災の影響により多摩地域に避難してきた那須海城中学高等学校の生徒・教員が 含まれている。 表:2010 年 9 月プレオープンから 2013 年 9 月までの受入状況 年月/性別 日本人 交換 正規 別科 その他 合計 2010 年 9 月 1 67 1 0 0 69 2011 年 4 月 22 58 17 10 0 107 2011 年 9 月 21 46 25 28 2 122 2012 年 4 月 45 71 33 12 55 216 2012 年 9 月 43 87 41 19 56 246 2013 年 4 月 50 92 30 14 50 236 2013 年 9 月 53 51 18 46 54 222  ※「日本人」:学群・大学院に在籍する日本人学生   「交換」:海外の提携校より半年または一年間、本学で学ぶ交換留学生   「正規」:卒業を目的として学群・大学院に留学をしている正規留学生   「別科」:桜美林大学日本言語文化学院に在籍している留学生

3.当初のねらいと現状の振り返り

 2010 年 9 月、翌年 4 月より本格的に稼働する国際寮の将来像や日々の管理運営を検討 するために学生生活支援課が音頭を取り、国際学生支援課、留学生別科、キャンパスデザ イン管理センター、財務管理課から主要なスタッフを招集して国際寮会議を立ち上げ、月 2 回のペースで議論が進められた。  この中で、まず話されたことは、足場をしっかりと固めることであり、2014 年までの 最初の 5 年間については、安心、安全、安定的な寮運営を定着させることが最優先事項で あることが確認された。 国際寮の将来展開イメージ図 寮や寮生の ブランド化 活発的な 寮運営 寮生満足 寮内外における 国際的な 活動や交流の 充実および活性 大学や地域への 国際理解や異文化交流の波及 入寮希望者増加 RA や寮生の質の向上 学内外における 寮の評価向上

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 その上で、国際人の育成に定評のある大学と言うブランド力を高めるために国際寮が本 学の新たな国際交流やグローバル人材の育成拠点と位置付けられるようになるための仕組 み作りをする方向となった。  これらのブランド化を図るには、国際交流に興味、関心が高く、将来においてグローバ ルな社会で活躍することを強く望む在校生や新入生を寮生として迎えることが一番の近道 であると考えた。そこで、先ずは、学生たちの活発な交流や活動が寮内で展開されている こと、それらの活動が学生主体で企画運営されていることが重要であると考え、他大学の 寮運営なども参考にしながら、レジデント・アシスタント制度を開寮当初から導入した。  現在、3 年目を迎えるこの制度で、レジデント・アシスタントに登録されている寮生は、 10 人であり(学期により人数は若干異なる)、入寮時のサポートや入寮オリエンテーショ ンの運営、各セメスターの初めと終わりに開催されるウェルカムパーティーやフェアウエ ルパーティー、ほぼ毎月行われる寮内のさまざまなイベント、ホームページの管理など、 多岐に渡り寮の運営に主体的かつ協力的に携わっている。  また、レジデント・アシスタント以外の寮生による寮生のための語学講座(英語、中国 語、韓国語)の開講なども積極的に行われている。  さらに、2011 年 4 月には国際寮独自のホームページを立ち上げ、寮生の季節ごとの活 動を画像や映像とともに配信し、学内外にその魅力を積極的に発信している。こうした広 報活動にも力を注いだ理由は、ブランド化の第一フェーズに位置づけた国際交流とグロー バル人材の育成拠点にふさわしいポテンシャルやモチベーションを持った受験生と在校生 を集めることが目的にあったからである。  1 年目より積極的にさまざまな取り組みを行った結果、先にも述べた通り、2011 年 4 月 の開寮当初こそ入寮希望者が振るわなかったものの、2012 年 4 月の入寮希望者数は募集 定員をはるかに上回ることとなり、2013 年 4 月以降の入寮希望者に対しては、書類選考 による入寮選抜を課すまでとなった。  現時点では、前頁の「国際寮の将来展開イメージ図」で言うところの「入寮希望者の増 加」から「RA(レジデント・アシスタント)や寮生の質向上」のあたりに到達したと認識し ている。開寮当初から課題や苦労が無かったわけではないが、それらの話は別の機会に譲 るとし、これまでのところは、ほぼ当初描いたイメージ通り進んでいると言える。  とは言え、本格稼働を始めてからまだ 3 年目と若い組織であることから、当初の計画通 り安心、安全、安定的な寮運営を定着させることを最優先事項としつつ、将来展開イメー ジ図に描かれた軌道を着実に進めるようにしていきたい。

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4.おわりに

 2013 年 3 月、公益財団法人かながわ国際交流財団が管理運営を行ってきた神奈川国際 学生会館・淵野辺を本学が取得することとなった。  新たに取得した学生寮は、第二国際寮と名付けられ、2013 年 9 月より 60 人の日本人学 生・留学生が新たな生活を始めている。  国際寮同様に、第二国際寮も、学生主体の寮運営をコンセプトに掲げ、さまざまな活動 や交流を通して学生同士が互いの成長を促す機会を与え合う環境作りを目指している。  最大収容人数が 144 人の第二国際寮を取得したことにより、現在、本学に在籍する留学 生の 44.4%にあたる 230 人を 2 つの国際寮に収容することが可能となり、留学生の住環境 整備がさらに一歩進んだことになる。  学園創立 100 周年を迎える 2021 年までに、学生の 25 パーセント程度がインターナショ ナル・スチューデントになるためには、環境整備も含めまだまだ長い道のりはあるもの の、マイルストーンとして掲げた 2010 年から 2014 年の中期目標において、2 つの国際寮 が誕生したことは大きな前進であり、ここを基盤として、国際交流やグローバル人材の育 成の拠点となることを強く望む。

参照

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