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長崎県における複式教育の実情

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Academic year: 2021

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長崎県における複式教育の実情

著者

村田 義幸, 橋本 健夫, 北村 右一, 平岡 賢治, 水

戸 一幸, 浦田 武

雑誌名

南太平洋海域調査研究報告=Occasional papers

45

ページ

21-25

別言語のタイトル

The Actual Circumstance of Double-grade

Joint-Learning System in Primary School of

Nagasaki-prefecture

(2)

南 太 平 洋 海 域 調 査 研 究 報 告 No.45(2006年3月) 21 OCCASIONAL PAPERS No.45 (March 2006)

長崎県 にお ける複式教育 の実情

The Actual

Circumstance

of Double-grade

Joint-Learning

System

in Primary

School of Nagasaki-prefecture

村 田 義 幸*,橋 本 健 夫*,北 村 右 一*,平 岡 賢 治*, 水 戸 一 幸**,浦 田 武**

MURATA Yoshiyuki*, HASHIMOTO Tateo*, KITAMURA Yuiti*, HIRAOKA Kenji*,

MITO Kazuyuki**, URATA Takeshi**

*長崎 大 学 教 育 学 部,**長 崎大 学 教 育学 部 附属 小 学 校

*Nagasaki University

, Faculty of Education, ** Nagasaki University

, Faculty of Education; Attached Elementary School

1.長 崎 県 の 小 学 生,中 学 生 の 数 お よ び 学 校 数 平 成17年 度 学 校 基 本 調 査(速 報)に よ る と,長 崎 県 内 の小 学 生 及 び 中学 生 の人 数 な ら び に学 校 数 は表1に 示 す とお りで あ る. 表1長 崎県 にお ける小学校児童数,中 学校生徒数 ならび に学校数(各 年5月1日 現在) 区 分 学 校 数(校) 児 童 ・生 徒 数(名) 13年 14年 15年 16年 17年 13年 14年 15年 16年 17年 小 学 校 435 430 426 419 416 98,024 95,747 94,226 92,219 90,363 中 学 校 217 215 214 216 214 56,268 53,865 51,685 50,020 49,101 ※平 成17年 度 学 校 基 本 調 査 結 果 を基 に作 成 平 成17年 度 の小 学 校 の数 に は 国立 学 校1校,私 立 学 校5校 が 含 ま れ て い る ので 公 立 小 学 校 の 数 は410校 で あ る.し か し,休 校 して い る小 学 校 が県 下 で10校 あ る の で,実 質 は 分 校 を含 め て400校 で あ る.ま た,中 学 校 数 に は国 立 学 校1校,私 立 学 校13校 が含 まれ て お り,現 在 の公 立 中学 校 の数 は県 立 校2校 を含 め て199校 で あ る. 平 成17年5月 現 在 の児 童 数 は平 成16年 度 と比 較 して1,856名 の減 少 で あ り,これ は25年 連 続 の減 少 で あ る.国 立 学 校 及 び私 立 学 校 に在 籍 す る児 童 を除 い た,公 立 小 学 校 に通 学 す る児 童 は88,839名 で あ る.ま た,中 学 生 数 は5万 人 を割 り,前 年 度 比 較919名 減 で, これ は9年 連 続 の減 少 とな っ て い る. 2.長 崎 県 に お け る 複 式 学 級 保 有 学 校 数 及 び 複 式 学 級 数 (1)複 式 学 級 を保 有 す る学 校 数 小 学 校 の学 級 編 制 につ い て は,学 校 教 育 法 施 行 規 則 第19条 「小 学 校 の 学 級 は,同 学 年 の児 童 で編 制 す る もの とす る.た だ し,特 別 の事 情 が あ る場 合 にお い て は,数 学 年 の 児 童 を一 学 級 に編 制 す る こ とが で きる」 とあ る.ま た,中 学 校 の 学 級 編 制 につ い て も,こ

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22 村 田 義 幸,橋 本 健 夫,北 村 右 一,平 岡 賢 治,水 戸 一 幸,浦 田 武 表2地 域 別 に見 た長 崎 県 の 複 式 学 級 数(平 成17年 度 児 童 ・生 徒 数 か ら作 成) 地 域 複式学級保有校数 複式学級数 二 つ の 学 年 の組 み合 わせ 1・2年 2・3年 3・4年 4・5年 5・6年 そ の他 長 崎 市 24,371名 8校 17(1.9%) 3学 級 1学 級 8学 級 0学 級 5学 級 0学 級 891学 級 19名 14名 82名 0名 52名 0名 佐 世 保 市 14,744名 7 14(2.7%) 2 0 6 0 6 0 516 11 0 59 0 50 0 大 村 市 6,241名 2 4(2.0%) 1 0 1 0 2 0 205 4 0 14 0 22 0 平 戸 市 1,965名 8 18(15.3%) 3 1 7 1 6 0 118 17 10 67 16 72 0 松 浦 市 1,705名 3 6(7.0%) 1 1 2 0 2 0 86 8 13 16 0 17 0 対 馬 市 2,370名 18 35(22.4%) 6 3 13 0 11 2(3・5,2・4) 156 36 26 121 0 93 12 壱 岐 市 1,976名 4 10(7.8%) 3 1 3 0 3 0 128 5 0 8 0 7 0 五 島 市 2,735名 11 23(15.4%) 5 0 8 0 7 3(1・3,4・6) 149 28 0 80 0 57 10 西 海 市 1,992名 4 7(6.1%) 1 0 3 0 3 0 115 3 0 15 0 27 0 雲 仙 市 3227名 5 6(3.3%) 0 1 2 2 1 0 181 0 15 10 26 6 0 南 島原 市 3206名 10 19(10.8%) 1 6 4 1 6 1(4・6年) 176 8 65 32 16 64 4 東彼 杵 町 540名 2 3(11.1%) 0 1 0 1 1 0 27 0 10 0 14 11 0 上 五 島 町 1,601名 8 17(16.7%) 3 1 6 2 5 0 102 13 15 46 31 31 0 北松 浦 郡 289名 3 7(20.0%) 2 0 2 1 2 0 35 9 0 15 2 11 0 計 93 186 30 16 65 8 60 6 注1平 成17年 度 長 崎 県 児 童 ・生徒 数 資料 を基 に作 成 した. 注2平 成18年1月 に実 施 さ れ た市,町 の合 併 に よ る新 市 に基 づ い て作 成 した. 注3南 島原 市 は,平 成18年3月31日 に発 足 す るが,合 併 予 定 の 町 を合 計 して作 成 した. 注4北 松 浦 郡 の3校 は,小 値 賀 町立 小 値 賀 小 学 校 大 島分 校 と小 値 賀 町 立 斑 小 学 校,宇 久 町 立 神 浦 小 学 校 で あ る.宇 久 町 は,平 成18年3月31日 に佐 世 保 市 と合 併 が 予 定 され てい るが この 資 料 で は北 松 浦 郡 と して集 計 した. の19条 が 準 用 され る.そ して,公 立 義 務 教 育 諸 学 校 の学 級 編 制 及 び教 職 員 定 数 の 標 準 に 関す る法 律 の第 三 条 に お い て 「公 立 の義 務 教 育 諸 学 校 の学 級 編 制 は,同 学 年 の児 童 又 は 生 徒 で編 制 す る もの とす る.た だ し,当 該 義 務 教 育 諸 学 校 の児 童 又 は生 徒 の 数 が 著 し く

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長崎県における複式教育の実情 23 少 な い か そ の他 特 別 の事 情 が あ る場 合 にお い て は,政 令 で定 め る とこ ろ に よ り,数 学 年 の児 童 又 は生 徒 を一 学 級 に編 制 す る こ とが で きる(以 下 略)」 と規 定 し,「二 の学 年 の 児 童 で編 制 す る学 級 」 の児 童 ま た生 徒 の数 を,小 学 校 で は16名(第1学 年 の児 童 を含 む学 級 に あ っ て は8名),中 学 校 にお い て は8名 を基 準 と して示 して い る. 休 校 中 の公 立 小 学 校 を 除 く400校 の うち複 式 学 級 を保 有 す る学 校 数 は93校 で あ り,県下 の公 立 小 学 校 の23.3%が 複 式 教 育 を行 っ て い る こ とに な る.公 立 小 学 校 以 外 に,国 立 大 学 法 人 長 崎 大 学 教 育 学 部 附属 小 学 校 に2学 級(平 成18年 度 に高 学 年 複 式 学 級 を 開設 す る 予 定 で あ り,来 年 度 は3学 級 とな る),諌 早 市 内小 長 井 町 に あ る私 立 聖 母 の騎 士 小 学 校 に3学 級 開設 され て い る. 中学 校 に つ い て は,長 崎 市 に4校(土 井 首 中学 校 開成 分 校,伊 王 島 中学 校,高 島 中学 校,池 島 中学 校),五 島市 に4校(嵯 峨 島 中 学校,久 賀 中学校,蕨 中学 校,椛 島 中学 校), 松 浦 市 に1校(青 島 中学 校)の 計9校 に複 式 学 級9学 級 が 編 制 され てい る.長 崎 市 内 の 4校 に つ い て,土 井 首 中学 校 開成 分 校 は,長 崎 県 の児 童 自立 支 援 施 設 開成 学 園 に 開設 さ れ て い る土 井 首 中学 校 の分 校 で あ り,伊 王 島,高 島,池 島 の3校 は,市 と町 の合 併 に よ り平 成17年 度 か ら長 崎 市 立 とな っ た 中学 校 で あ る.い ず れ も,炭 鉱 の町 と して栄 え てい た 町 の学 校 で あ っ たが,炭 鉱 閉 山後 は急 激 に人 口が 減 少 し,今 日で は過 疎 地 とな っ てい る島嶼 部 に あ る 中学 校 で あ る.ま た,五 島市 の4校 も福 江 島本 島の 属 島で あ る久 賀 島, 嵯 峨 島,椛 島 とい う人 口 の減 少 の著 しい地 域 に在 る学 校 で あ り,ま た,松 浦 市 立 青 島 中 学 校 は松 浦 市 の沖 合 約6.5km,伊 万 里 湾 の入 り口 に浮 かぶ 農 業 と養 殖 漁 業 を 中心 と した第 一 次 産 業 中心 の 島 に在 る小 学 校 と併 設 の 中学 校 で あ る. 表2は,公 立 小 学 校 にお け る複 式 学 級 につ い て,地 域 別 に ま とめ た もので あ る.表 中 複 式 学 級 数 欄 の各 地 域 上 段 は,「75条 学 級 」 も含 め た 各 地 域 の全 学 級 数 に 占 め る複 式 学 級 数 の割 合 を示 した もの で あ る.対 馬 市(22.4%),北 松 浦 郡(20.0%),上 五 島町(16.7%), 五 島 市(15.4%),平 戸 市(15.3%)と,島嶼 部 に多 い こ とが 分 か る.し か し,長 崎 県 の複 式 教 育 につ い て語 られ る と き,島 唄 部 の学 校 が 注 目さ れが ちで あ るが,雲 仙 市 や 南 島原 市 の 山 間部 の学 校 に も焦 点 を あ て る こ とを怠 っ て は な らな い こ とが 分 か る. (2)小 学 校 に お け る複 式 学 級 の 編 制 186の 複 式 学 級 の 内,3・4学 年(中 学 年)の 学 級 数 が65学 級(34.9%)と 最 も多 く, 次 い で5・6学 年(高 学年)の60学 級(32.3%),1・2学 年(低 学 年)の30学 級(16.1%) の順 とな っ て い る.学 校 の事 情 に よっ て は,2・3年 学 級(16学 級)や4・5年 学 級(8 学 級)と い う変 則 複 式 学 級 を編 制 しな け れ ば な らな い場 合 もあ り,と び学 年 複 式 学 級 も 6学 級 編 制 され て い る.2・3学 年 の変 則 複 式 学 級 で は,2学 年 で は生 活 科 の授 業 が あ り, 3学 年 で は総 合 的 な学 習 が そ れ に変 わ る,ま た,4・5学 年 の 変 則 複 式 学級 で は,5年 生 で家 庭 科 が 新 た に加 わ る な ど,教 科 指 導 上 の 困難 が 生 じる恐 れ もあ る. 現 在 の複 式 学 級 は2個 学 年 で編 制 され て い るが,過 去 に は3個 以 上 の 学 年 で の 編 制 や 全 て の学 年 の児 童 を1つ の学 級 に編 制 す る単 級 と呼 ば れ る学 級 も存 在 してい たが,「公 立 義 務 教 育 諸 学 校 の学 級 編 制 及 び教 職 員 定 数 の標 準 に 関す る法 律 」 の 改 正 と と もに複 式 学 級 は認 め られ な くな り,1974年 以 降 は2個 学 年 に よる複 式 学 級 が 編 制 さ れ て い る. 3.複 式 教 育 実 践 上 の 諸 課 題 長 崎 大 学 教 育 学 部 附属 小 学 校 で は平 成16年4月 に1・2学 年 の複 式 学 級 を創 設 し,その 年 度 の初 等 教 育 研 究 発 表 会 にお い て 「第1回 複 式 教 育 につ い て語 る会 」を 開催 した.引 き

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24 村田義幸,橋本健夫,北村右一,平岡賢治,水戸一幸,浦田 武 続 き,平 成17年 度 に は3・4学 年 の複 式 学 級 を 開設 す る と と もに,「 第2回 複 式 教 育 につ い て語 る会 」を 開催 した.第1回,第2回 と も に百 数 十 名 の参 加 者 と と も に,複 式 教 育 の あ り方 につ い て熱 心 な協 議 が 展 開 され た.ま た,教 育 学 部 の教 員 や 附属 小 学 校 の副 校 長, 複 式 教 育 室 の教 員 を 中心 に県 内 あ る い は他 県 の学 校 を訪 問 し,複 式 教 育 に関 す る研鑽 を 深 め て きた.そ の な か で多 くの教 師,学 校 関係 者 か ら訴 え られ た課 題 の 幾 つ か につ い て 述 べ て み た い. (1)教 科 等 の 指 導 に か か わ る課 題 複 式 学 級 で の学 習 は,異 学 年 の児 童 が 同 じ教 室 で 学 習 を進 め てい くの で あ るか ら,指 導 方 法 の工 夫 が 必 要 とな る.教 科 等 の特 質 を考 慮 して適 切 な指 導 方 法 を採 用 してい くこ とに な る.児 童 の発 達 段 階 や教 科 に お け る系 統 性 を重 視 した学 習 指 導 を考 え る な らば学 年 別 指 導 を行 う こ とに な るが,そ の際 の 「ず ら し」 や 「わ た り」 の あ り方 を工 夫 す る必 要 が あ る.ま た,間 接 指 導 にお い て児 童 一 人 ひ と りが 自力 解 決 に取 り組 んで い る と き, 教 師 は も う一 方 の学 年 の直 接 指 導 に 当 た っ てお り,子 ど ものつ まず きや つ ぶ や きへ の 支 援 が 十 分 に で きる の かが 問題 とな る.間 接 指 導 の充 実 も重 要 な課 題 とな るで あ ろ う. 逆 に,同 単 元 指 導 を行 う場 合,例 え ば,AB年 度 方 式 を とる場 合,転 出入,あ るい は 教 科 書 等 の変 更 な どに よる未 学 習 の 問題 が 発 生 や,逆 に,既 に学 習 して い る 内容 を再 度 学 習 す る場 合 も出 て くる.こ れ は繰 り返 し案 の指 導 で も言 え る こ とで あ り,学 習 意 欲 に 影 響 す る こ と も考 え られ る.教 科 等 の指 導 にか か わ る課 題 につ い て は,① 間接 指 導 の 充 実 に む け た子 供 た ち 同士 の学 び あ い の あ り方,② 子 ど もた ち の多 様 な考 え方 を 開 きあい, 練 りあ い,高 め,深 め あ うた め の 手 だ て,③ 集 団 で の学 習 が 必 要 な 内容 につ い ての 工 夫, ④2つ の学 年 の児 童 数 が 大 き く異 な る た め に,一 方 の学 年 に日寺間が か か っ て しま う,⑤ 課 題 作 りや学 習 材 の準 備 等 に2学 年 分 の量 を こ な さな け れ ば な らな い,⑥ 基 礎 学 力 の 定 着 が 困難 な どの課 題 が あ げ られ る.ガ イ ド学 習,集 団学 習,合 同学 習 な どにつ い ての 研 究 を深 め る必 要 もあ る. (2)教 科 外 の 指 導 に か か わ る課 題 特 別 活 動 や 生 活 指 導 に 関連 した課 題 も多 い.① 特 別 活 動 等 で活 動 計 画 を実 践 す る場 合,子 供 一 人 ひ と りの役 割 分 担 が 多 くな り負 担 が 大 きい,② 学 校 行 事 な どで 家 庭 や 地 域 の協 力 な く して は実 施 が 困難 で あ る,③ 掃 除 な どで の子 供 た ち の負 担 が 大 きい,④ 学 級 活 動 そ の他 の話 し合 い にお い て新 しい意 見 や 考 えが 出 に く く例 年 通 りで 進 め てい く傾 向 が あ る,⑤ ク ラ ブ活 動 で は,少 人数 の た め に1ク ラ ブ しか編 成 で きない,⑥ 教 師 が 手 を か けす ぎて し まい,子 供 の依 頼 心 を強 め て しま う傾 向が あ る,⑦ 友 人 関 係 が 固定 化 し, また濃 厚 に な る傾 向が あ り,集 団 内 で の地 位 の 固定 化,遠 慮 して 自 己主 張 を しない,競 争 心 が 育 た な い,視 野 の広 が りが 不 十 分 で 柔 軟 性 に か け る な ど社 会 性 の 発 達 が 不 十 分 に な りや す い な どが 指 摘 さ れ,こ の よ うな課 題 に対 処 す る努 力 が 必 要 とな っ て い る. (3)学 校 運 営,教 員 研 修 に か か わ る課 題 複 式 学 級 を保 有 す る学 校 で は,教 員 数 が 少 な い,事 務 職 員 が 配 置 され てい ない ため に 教 頭 の負 担 が 大 き くな る,校 務 分 掌 が 多 岐 に わ た り教 職 員 の多 忙 感 が 強 い,研 修 の ため の 出張 に もな か な か行 け な い,各 種 行 事 を実 施 す る際 に全 職 員 全 児 童 で 事 に あ た らな け れ ば な らな い な ど学 校 運 営 上 の 困難 は多 い.ま た,極 小 規 模 校 の不 利 な点 を補 お う と し て他 校 との交 流 学 習 を計 画 す る場 合 に も近 隣 に学 校 が 少 な く,交 通 費 な どの 経 費 の 面 で 苦 慮 す る こ と もあ る な どの 問題 もあ る.今 日の学 校 にお い て は組 織 と して多 くの 教 育 上 の課 題 を解 決 して い か な け れ ば な らな い し,学 校 内 の研 修 を通 して教 員 と しての 資 質 や

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長崎県における複式教育の実情 25 能 力 の 向上 を 図 る,さ らに は,教 員 相 互 の 関係 の 中 で心 身 の健 康 の 維 持 ・増 進 を図 る こ とが 必 要 とな っ て い る.多 くの学 校 で は,良 好 な対 人 関係 の 中で 子 ど も達 の 成 長 発 達 を 支 援 す る た め の資 質 や 能 力 の高 め る努 力 を して い る ので あ るが,や は り教 員 の数 の 少 な さが 問題 とな る.長 崎 県 で は複 式 教 育 支 援 講 師 を派 遣 す る制 度 を活 用 してい るが,必 要 とす る数 の 三分 の一 程 度 で あ り,継 続 して派 遣 さ れ る わ けで は ない.学 習 指 導 案 や 学 習 財 の作 成 を含 め,複 式 学 級 を担 当す る教 員 を組 織 的 に支 援 す る必 要 が あ る.県 や 市 の 教 育 セ ン ター に よる支 援,定 期 的 に 開催 さ れ て い るへ き地 教 育 研 究 会 等 の 研 修 機 会 な ど と と もに,教 員 養 成 を 目的 と して い る大 学 学 部 にお け る養 成 段 階 で の 取 り組 み や 研 究 体 制 の整 備 と学 校 へ の支 援 を充 実 して い くこ とが 必 要 で あ る. (4)社 会 教 育 施 設 に か か わ る課 題 情 報 機 器 の発 達 や メ デ ィア の発 達 は,情 報 に 関す る地 域 差 を大 幅 に縮 小 した とい え る. しか し,図 書 館,美 術 館 そ の他 公 共 施 設 な どが 地 域 に な い こ との不 利 は大 きい.移 動 図 書 館,修 学 旅 行 の活 用 な どい ろ い ろ と工 夫 は さ れ て い るが,こ の課 題 を克 服 す る こ と も 大 切 で あ る.保 護 者 の学 習 意 欲 を高 め,子 供 た ち と と もに学 ぶ こ とが で きる環 境 を作 っ て い くた め に も生 涯 学 習 の場 を地 域 の 中 に作 る工 夫 をす る必 要 が あ る. 今 回 は,複 式 教 育 が 抱 え る課 題 を 中心 に述 べ たが,複 式 教 育 の よさ を生 か してい くた め の取 り組 み を積 極 的 に進 め て い か な け れ ば な らな い.長 崎 大 学 教 育 学 部 附 属 小 学 校 で の複 式 教 育 研 究 の取 り組 み は まだ始 ま っ た ばか りで あ り,意 図 的 に作 られ た複 式 学 級 と い う場 で の こ とで は あ るが,複 式 学 級 の よさが 着 実 に生 か され て きてい る.保 護 者 の 理 解 と協 力 を得 る た め の努 力 に は厳 しい ものが あ るが,着 実 な成 果 を直 接 感 じ取 っ てい た だ く こ とで大 きな理 解 と協 力 が さ らに得 られ る もの と信 じてい る.さ らに研 究 を深 め, 地 域 の教 育 の 中 に生 か さ れ て い く こ とが で きれ ば幸 いで あ る. 参 考 文 献 1)文 部 省 1995 小 学 校 複 式 学 級 指 導 資 料 算 数 編 東 洋 館 出版 社 2)文 部 省 1995 小 学 校 複 式 学 級 指 導 資 料 家 庭 編 東 洋 館 出版 社 3)全 国へ き地 教 育 研 究 連 盟 2001 21世 紀 を拓 く教 育 シ リーズIV ふ る さ と発 『生 き る力 』 を育 む教 育 の創 造− へ き地 ・複 式 ・小 規 模 学 校 の課 題 解 明 へ の ア プ ロ ーチ− 4)全 国へ き地 教 育 研 究 連 盟 2004 新 しい時 代 を拓 く心 の教 育 シ リー ズII ふ る さ と に立 ち,逞 し く生 きる力 を育 む教 育 の在 り方 ∼へ き地 ・小 規 模 ・複 式 学 級 を有 す る 学 校 の地 域 に根 ざ した学 校 ・学 級 経 営 の実 践 事 例 集 ∼ 5)全 国へ き地 教 育 研 究 連 盟 2005 新 しい時 代 を拓 く心 の教 育 シ リーズIII 個 性 を生 か し,確 か な学 力 を育 む教 育 の在 り方− 教 育 に展 望 を もつ へ き地 ・小 規 模 ・複 式 学 級 を有 す る学 校 の 自 ら学 ぶ 態 度 ・能 力 を 身 につ け,共 に高 ま っ て い く学 習 指 導 の 実 践 事 例 集− 6)松 本 め ぐみ 2006 複 式 学 級 の実 際 と課 題 長 崎 大 学 教 育 学 部 卒 業 研 究

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