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ゴマサバの体温と釣獲層の関係について

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Academic year: 2021

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ゴマサバの体温と釣獲層の関係について

著者

田ノ上 豊隆

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

10

ページ

90-95

別言語のタイトル

On the relation between body-temperature of

mackerel "Gomasaba" and its fishing-depth

URL

http://hdl.handle.net/10232/14324

(2)

A砧Rhpact

ゴマサバの体温と釣獲層の関係について

隆 幽墨 田 ノ 上 OntherelatiOnbetwe函body-remPeratureOfmackere]I

“CO唾asabaツツandIitsfsh血g-dePth

ToyotakaTANouE 9m Ontherelationbetweenthebody-temperatureofmackerels,Bz”"zα#qノウル07"”叩鈍"0"‐ クルαZ"3(BLEEKER)angledbyalong-lineanditsfishing-depth,thefbllowingresultsare obtained・ Thebody-temperatureofmackerelsmeasuredimmediatelyafterangledbyalong-line is1.3-2.4.Clowerthanthesur燈cewatertemperature, ItisfbundthatthetemperaturechangeoftheliShbodyinawatertankonboarddoes notexceedO,5.CintWominutes・ Accordingly,itseemstobeconcludedthatthebodytemperatureofanangledfishcan beusedasasortofindicationofitsfishingdepth. 緒 一一一 魚・体温については,熱電対や温度計を用いて測定(宇田1),1940),(川本2),1960)した多く の例があるが,勝泳している状態の魚,体温やその変化について,漁携学的見地から調査検討・ されたものは殆んどないようである. 筆者は延縄で釣捜されたゴマサバの活魚の体温を測って,表層水温に比較してかなり低温 である事を知った.そこで,活魚を船上の水槽内に入れて,魚体温が環境水温に順応するま での変化を調べ,且つ魚探記録と釣鈎の深度から釣獲水層を求め,釣り揚げられるまでの魚 体温の変化を推定した.これらの結果から,魚体温は釣獲層の推定,特に揚細時の餌付きの 判断に役立つものと考えられるので報告する. 調 査 方 法 1958年5月と6月に,種子島北部(a漁場),佐多岬沖(b漁場),佐多岬西側(c漁場) の各漁場で,本学部の実習船しろやま(18トン,60H、P.)によって,延細で釣獲されたゴマ サバの活魚のi工門から棒状寒暖計(軸0目盛,検定付)を体内に押し入れて魚体温を測った. 又船の甲板上の水槽(L×B×D:80cm×60cm×45cm)にドンキホースで,絶えず海 水を注入して,この中に‘体温を測った元気の良い活魚を入れて,2分毎に体温を測った. 漁獲に用いた延細の構造はTablelに示す通りである.一回の操業には,10鉢を使用し, a,b,cの各漁場では浮標綴を夫々53,68,30mとした.

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一 91 噂、、、 TablelConstructlonofabasketoflong-Iinegear ∼』

5罪蝿弱妬

i515.516、0165111.016.016‘51'1,0)布18,020521,021152ZO Body-temperature(。C) Fig.3Thebody霊tempcraturedistributionofmackerelatthcthree fishing-grounds,a,b,c、 mainline branchline hook Hoat(bonden) Hoatline

materialIlengthmaterialIIengthI lengthinumber pole;floatlmatcrial;length

5 5 投縄終了後は30分位細待ちしてから揚細を開始し,平均50分位で揚細を終了した. 水温は操業終了後各漁場で測定した. 漁場位置はFig.1に示す通りである. 37383$404142禍“45 Fork-length(c、) Fig.2Fork-lengthdistributionofmackerel employedinthisexperiment. 3540455055131.5 ■ Eロ

5罪弱馴榊

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骨事も,[且日口Z ゴ マ サ マ の 体 温 と 釣 獲 層 の 関 係 に つ い て 22523C

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C 3540455055131.5 Fig.1Fishing−ghoundsandthestatlon ofobservatlon・ 蕊:Fishing-ground 、:Station 調 本実験に用いたゴマサバの体長はFig・ 大部分を占めた. 査 結 果 2に示す如く,38∼44cmの大型で,40∼42cmが 25 25 1 0 -8 k ,ノ 吻覗 20

505

骨頃.﹃○5二日己Z マ ー i

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19.1 19.1 19.0 19.1 92 17.4 17.8 17.3 17.4 5678901234567890 11111111112 活魚の体温:活魚の体温を測った結果は,Fig.3に掲げる如く,体温範囲は水温範囲に 較べて狭く,シャープな正規分布型を示している.表層水温と各漁場の魚体温範囲を比較す ると,a,b,c漁場では体温が夫々0.9∼2.6°C,0.7∼2.0.C,0.6∼2.1°C低くなってい る.叉各漁場の魚体温の平均値は16.4.C,17.4°C,22.1°Cで表層水温(夫々18.3,18.8∼ 19.2,23.4℃)と較べると夫々1.9.C,1.6.C,1.3°C程度低い事が判る. 魚体温の変化:魚体温を測定した後,元気の良い魚体を船上の水槽に入れて,2分おきに ‘体温を測った結果はTable2に示す通りである.すなわち,水温19.C程度の水槽内で瀞泳 Table2Changeinthebody-temperatureinthewatertank, May13,l4andJune5,1958. 19.0 18.5 Body-temperature(C・) water= rnp.(C。)

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8.9 l6min. 6min・I8min 10mm. ll2min. l4min l H 2min. 4 m m 18.4 19.0 19.2 19.2 19.1 19.2 19.2 19.2 18.9 19.0 19.2 18.8 19.0 している魚体の体温は,10数分後には大部分が環境水温とほぼ同程度に達するが,最高体温 でも水温より雌か0.1°C位高く,多数の魚体では,水温と同温か僅かに低い値を示している. 18.2 18.7 |β58 787 18.4 β’25 787 3624 ●●合e 7777 18.9 19.0 19.0 19.1 18.6 18.5 18.5 18.7 18.8 18.9 18.4 18.4 18.3 1234 18,8 19.1 19.0 19.1 18.0 17.9 17.2 17.5 18.9 18.8 19.0 18.9 18.8 18.9 91340 ●■凸■巴 78878 18.6 18.2 18.6 18.4 18.7 17.8 鹿児島大学水産学部紀要第10巻(1962) 17.9 18.4 18.7 18.9 19‐] 18.8 18.9 18.6 18.8 18.2 18.8 18.4 18.6 18.1 18.7 19,0 18.4 22,6 19.0 300 ●G● 899 ︵。。︶、’一 Time(minute) Fig.4Changeint-0(。c)inthewater-tank. t:Water-temperatureinthewater-tank O:Body-temlperatureinthewater-tank 16.8 17.4 16.8 17.4 17.5 17.9 17.0 17.8 β−55 788 22.9 19.1 p−54 828121 19.0 22.8 8.8 19.0 23.3 23.0 19.2 8232 ①U●■ 7228 1221 ○皇no戸bQJ スール︲上孔 TLq/︼、久﹃11 17.4 22.3 22.9 22,0 18.1

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l51bW1I813 93 皿9.5Verticaldistributionofthewater-temperatureandthe fishing-w7ater-temperatureatthethreefshing員grounds, a,b,c、 篭:therangeoffishing-water-temperature. 次に前記の延縄の構造に基づき,投細時の短縮率K=0.8としてカテナリーーの計算式3) (吉原,1953)から各釣鈎の深度を求めると次の通りとなる. a漁場では 1番目の釣の深度:2.5m(A,)+53m(浮標細)+1.5m(;伎細)=57m 20〃〃:33.4m(A20)+53m(〃)+1.5m(〃)=87.9m 尚Fig.4に魚体温(8°C)と環境水温(toC)の差と経過時間との関係を示した.Fig.4 で明らかな通り,一般的に体温変化は水槽に入れた直後に大きく,時間の経過と共に漸減す る傾向が認められる.その割合は,比較的個体数の多いt−8°Cが1.6∼1.8°Cの場合を例に とってみると,前半の6分間で1.2.C,後半で0.5°C位の変化を示し,その割合は大体2: 1となっている. 水温の垂直分布と釣獲水深:漁場別の水温の垂直分布はFig.5に示す如く,a漁場では 表層が18.5.C台で10m層までの水温傾度は極めて小さいが,25m届附近では傾度が稲大き く,17°C台に低下し,以深では再び漸減し,底層近くで15.5°Cとなっている. b漁場では,表層から10m層までは19.C台で水温の変化は殆んどみられず,25m層で18. 5°Cに低下し,以深の水温は漸減して75mで17°C台となり,100m眉では15.7°Cの低温とな っている. c漁場では表層から10m届までは23.C台の高温水塊で覆われているが,25m胴になると 21℃台に低下し,明らかに水温躍眉が認められる.それ以深では水温傾度は極めて小さく, 60m層で20.8°C台を示している. a b c Water-temperature(。C) 5 1 6 1 マ 1 8 1 9 21222324. 噸 100 ゴマサマの.体温と釣狸同の関畷係について = 1 0 25 0 5 ︵日︶[看号口

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94 鹿児島大学水産学部紀要第10巻(1962) 40〃〃:64.4m(A40)+53m(〃)+1.5m(〃)=118.9m b漁場では,同様の方法で1,20,40番目の釣は夫々71.5,,102.4,,133.4mとなる. c漁場では夫々34,,64.9,,95.9mとなる. a,b,cの漁場の水深は大体80∼100,,100∼120,,50∼70m程度であるので,最深 部の釣は底層に着いていることとなる.実際操業中に中央部附近の釣釣には海藻や石が掛っ て揚がって来る事が多いので,釣が底層に到達する事は間違いない. 従って,最浅部の釣より以深の層から魚が釣り揚げられるものと考えると,釣獲の水温範 囲はFig.4に示した如く,a,b,c漁場では夫々15.5∼16.1°C,15.7∼17.1°C,20.8∼ 21.7℃となる. 尚c漁場における魚探記録中,延細で釣獲して,ゴマサパと確認された群はFig.6に示 した通り,40∼50m層に認められた. 論 議 前述の結果から,種子島北部漁場(a)では,ゴマサバは57m層以深の水温15.5∼16.2。C 位の範囲から釣獲され,大体2分位で船上 Sulface に釣り上げられることになる.この場合,表 面水温は18.3℃で魚‘体温範囲は15.7∼17. 4.C,その平均値は16.4℃となり,表層水 温に較べて0.9∼2.6°C,平均1.9°C低い. 佐多111111沖漁場(b)では,71m以深の水 温15.7∼17.1°Cの範囲から,前とほぼ同百, 一 グ

時間で船上に引き上げられ,魚体温は表層員

⑪ 水温に比較して,0.7∼2.0°C低く,平均口 1.6°Cの差が認められた.佐多I叩西側漁場 (c)は水深が浅いため,魚群の;棲息層も 比較的浅く,魚探記録で明らかな如く,40 ∼50m層にみられた.この漁場ではゴマサ バは30m層以深の20.8∼21.7°Cの水温帯 か ら 釣 獲 さ れ て , 表 層 水 漏 に 厳 く て 0 . 6 ∼ 3 10卜 20ト

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刑 . I ル 耐ルゲ BottOm. 、b

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”I (は30m層以深の20.8∼21.7°Cの水温帯皿9.6Themackerel-schoolrecordedonthe Fish−findertapeinthefishing−groundc・ から釣獲されて,表層水温に較べて0.6∼June5,1958. 2.1°C低く,平均値で1.3°C低温となっていた. ゴマサバの成魚の体温が,棲息層の環境水温とどの程度異っているかは充分明らかでない が水槽内で測った結果では,−0.2∼+0.1°C位の範囲にあり,水温と同程度の魚体数が比較 的多かった.水槽が小さくて充分勝泳できなく,釣獲という特殊刺戟が加えられており,餌 料を摂っていない事等から,上記の体温は普通の状態のそれを現わすものではないかも知れ ない.しかし一般に魚類のような変温動物は恒温動物と違って,環境水の水温に従って体温 は上下し,その水温と同等または幾分高い2)と認められている.従って,ゴマサバの場合で も体温は環境水温と同じか+0.1°C位高いものと考えるのが妥当であろう. 次に体温の変化は,環境温度にしたがって新陳代謝が上下しているため,環境温度に近く なり,体温の喪失は環境への熱の伝導によることが多2)いことも知られている.外囲の水温

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95 1940 1960 1953 が高い時には逆に熱は体内に伝導することも考えられるが,その伝導率は低く,生体の熱伝 導の状況が明らかでないので,ここでは実験結果を用いることとする. Fig.4で経時的な温度変化をみると,最初の変温量が大きく,後に漸減しており,その量 は2分間で0.1∼0.5°C位の範囲である. この体温変化から類推すると,釣獲層から船上に釣り上げられるまでに最高0.5°C位の体 温上昇があったこととなる. 今各漁場から釣獲された魚体温が0.5.Cの体温上昇があったものと見倣すと,a漁場では 体温範囲が15.2∼16.9°Cとなって,水温15.5∼16.2°Cの範囲よりも梢低い,体温と0.7°C程 度高い結果が生ずる.この場合では魚体温が環境水よりも0.3°Cも低い事は考えられないの で,魚体が必ずしも揃って0.5.C昇温するものでないこと,後者の場合は揚柵が開始された 後に45m層附近で釣に掛ったものではないかという予想も成り立つ. 叉b漁場の場合は体温範囲が16.3∼17.6°Cとなり,水温15.7∼17.1.Cの範囲に較べると, 0.5°C高い体温がみられる.水温の垂直分布から判断すると魚体は深さ60m位から釣獲され たこととなる. c漁場では体温範囲が20.8∼22.3.Cとなり,水温範囲が20.8∼21.7.Cであるので,前二 者と同様に体温が0.6.C高く,ここでは20m層附・近で釣に掛った魚があることとなる.

魚群の源泳層については確定的資料はないが,5月,6月の頃は魚群が一般的に浮上する

頃であり,浮標綱を45m位に短縮して投縄する事もあるので,a,b漁場の釣獲層は妥当な ものと判断される.

c漁場の場合20m層附近を魚群が常時遊泳しているかは疑問であるが,水深のやや浅い馬

る群毛島南方では浮標綱を22m位にして漁がある場合もあり〉このような浅層に浮上してい がいることは確認されている. 以上の要点は次の通りである.延細によって,深い層から釣捜したゴマサバの成魚の体温 は表層水温に核べてかなり低く,釣り上げられるまでに魚’体温の変化する量は少い、これを

船上の水槽で実験的に求めた結果2分間で0‘1∼0.5°Cの変温値を得た.今全ての魚体で0.5°

Cの体温上昇があったものと見倣して,水温の垂直分布から釣獲層を推定すると,大部分の

魚体が計算上の釣鈎の深度,魚探記録に現われた勝泳層に合致する.しかし一部の魚体では

体温が水温よりも低い結果が出るが,この場合は0.3°C位の昇温にとどまったものとみると

水温範囲内に含まれ,魚体温が水温範囲よりも高いものでは揚細の途中で釣に拘ったものと

解釈すると,その予想される層は魚群の勝泳層の範囲内にとどまる.従って,釣りあげた魚

の体温を測って大体の釣推層を知ることが可能であると推論した.

本実験を行うに当っては,実習船「しろやま」の船長高橋琴一氏をはじめ乗組員諸士の援

助を受け,j競田耕三君には実験の一部を担当していただいた.輩に記して謝意を表する. 文 献 カツオとサンマの魚‘体温と形状に関する測定,日水誌9巻6号. 魚類生理生態学. マグロ延縄の細成りについて,日水誌16巻8号,19巻10号

111123

宇 田 道 隆 : 川本信之: 吉原友吉: ゴマサマの体温と釣猶屑の関係について

参照

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