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身体ことばの使用実態と理解度に関する調査研究

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Academic year: 2021

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(1)身体ごとばの使用実態と理解度に関する調査研究 教科・領域教育学専攻 言語系(国語)コース. M09120C 奥谷幾生  本論文は、日本語における「身体ごとば」. 第2章  「身体ごとば」の意味的分布と分類. を考察対象とし、その使用実態と理解度につ.  第2章では、r身体ごとは」の意味的分布と. いて調査分析するものである。本稿でいうr身. 分類を通して、「身体ごとば」の全体像を明ら. 体ごとば」とは、いわゆるr身体語彙」その. かにするとともに、身体部位ごとのr身体ご. ものとr身体語彙を含む慣用句」を含んだ概. とば」について分析し、考察を加える。第1. 念である。最終的な目標としては、心身の状. 節では、「身体ごとば」を790語抽出し、身体. 態がr身体ごとば」で言い表されていて、r身. 部位ごとの分布を示すとともに、その特徴を. 体ごとば」の理解と使用によって心身の状態. 考察する。第2節では、「身体ごとほ」を意味. に違いが見られるかどうかを検証することを. 分類し、その内容を考察する。第3節では、. 目指すものであるが、本論文においては、具. 第2節で意味分類した項目を詳細に観察し、. 体的な「身体ごとば」の実態を明らかにする. その特徴を考察する。第4節では、身体部位. ことまでを研究範囲とする。. 11語の「身体ごとば」について分析し、考察.  本論文の全体の構成は次の通りである。第. を加える。この章の帰結として、r身体ごとば」. 1章では、問題の所在を明らかにし、第2章. の意味的分布をすることによって、よく使う. では、r身体ごとは」の意味的分布を試み、一 サ. 身体部位から必然的に「身体ごとば」が生ま. の特徴について考察する。第3章では、古典. れていることがわかった。また、「身体ごとば」. 作品から現代小説、和歌や歌謡曲の「身体こ. にはマイナス(一)の意味合いがプラス(十)’の. .どは」を多義の観点から観察し、「身体ごとば」. 意味合いの倍ほどあることもわかった。. の時代的変遷とその意義について考察する。. 第4章では、中学生を対象に実施したr身体. 第3章 「身体ごとば」の時間的変遷. ごとば」についてのアンケート」の結果を通.  第3章では、過去に作られた文学作品(散文. して、中学生と「身体ごとば」の関連性(理解. および韻文)の中からr身体ごとば」を拾い上. 度による実態分析など)について考察する。. げ、作品の中に現れる「身体ごとば」の分布 状況を記述するとともに、大きな時間の流れ. 第1章 問題の所在. の中で「身体ごとは」の使用上の推移を考察.  第!章では、本研究の目的、考察範囲、方. する。第1節では、文学作品の中に現れた身. 法を明示的に設定する。. 体語彙に関する先行研究が「語形」を基準に. 一232■.

(2) 分析していたのに対して、本稿ではr多義」.   て出現頻度の高い部位は、日常的によ. の観点からの分析を提示する。第2節では、.   く使う身体部位を含む語であった。ま. 平安時代から平成の時代までの文学作品(散.   た、「身体ごとば」にはマイナス(一). 文)からr身体ごとば」を調査し、多義の観点.   の意味合いのもの方が、プラス(十)の. から分析を加える。第3節では、文学作品の.   意味合いあものの倍ほどありことがわ. うち韻文に焦点化し、万葉集、古今和歌集、.   かった。. 新古今和歌集と現代(1950年以降)の歌の歌. [iコ歴史的な推移の中で「身体ごとば」を. 詞における「身体こ一 ヌは」の時間的推移を考.   見たとき、時代を通してr頭部」の語. 察する。この章の帰結として、文学作品にお.   が多く、特に「日」「手」「口」の多さ. いても、「頭部」の「身体ごとば」が多く、特.   に一貫性が見られた。また、時代によ. に「目」「手」「口」の頻度が高いことが確認.   って思考活動の場が変化し、「腹から頭. された。また、歌に使われる「身体ごとば」.   へ」変わったことが確かめられた。. も、やはり「頭」「日」「手」「胸」「腹」の多. [血]「身体ごとば」に多義が含まれるとい. さが明らかになった。.   う観点から見ると、多くの中学生は、.   第一義までで理解が止まっていること. 第4章身体ごとば理解度アンケート調査.   がわかった。.  第4章では、「身体ごとば」の多義性を考え. るとき、多くの中学生は、第一義で認識が止. [i]は、言語表現としてのr身体ごとは」と. まってしまい、その多義まで想像できていな. 肉体としての「身体」との有縁性を示唆する. いということが明らかになった。そのため、. ものと思われる。[i]については、時代を通. ことばの広がりを感じられず、コミュニケー. して共通する部分と、変化した部分を明らか. ション不足の危険性を孕んでいることがわか. にすることができた。[血1に関連して、中学. った。また、怒ったときには男女とも「ムカ. 生が多義に関して十分な運用能力を持ってい. ツク」と表現し、身体語彙をことばに入れな. ないことは、筆者の(中学校教員としての)経. い傾向が強いことがわかった。. 験からも十分理解できるところであるが、本 稿の調査結果から、語の多義に関する学習指. 第5章 結語. 導は、慣用句や比喩の理解に影響することが.  本稿では、身体語彙を含む広義のr身体ご. 窺える。. とば」を対象に、現状としての分布調査(第2 章)、時間的推移(第3章)、中学生の理解度(第. 主任指導教員  菅井三実. 4章)という3つの観点から考察した。本稿で. 指導教員 菅井三実. の分析で、明らかになった点は次のように要 約される。. [iコ第3章の調査から、「身体ごとば」とし. ⊥233一.

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参照

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