2019.05.21 1-4 数学 B rewrite 第1章 数と式の計算 §2 いろいろな数と式 §2.4 複素数 【授業目標】・ a + bi の形であらわされた虚数を「複素(数)平面」内の点として扱い、四則計算できる。 ・ 複素数の絶対値を、複素平面内の原点からの距離として計算することができる。 ・ 分数の分母が虚数である場合に、共役複素数を掛けて分母を実数化することができる。 実数から、複素数(実数と虚数)に概念を広げる。 ・ 虚数は、実数以外の数。複素数は、実数を含む。右図 虚数単位 i は、二乗して -1 になる数、つまり、i2 = -1 ただし、(-i)2 も -1 である。 → √(-1) = i (定義)、 なお (-1) の平方根は ±i ⇔ i2 = -1 また、(-i)2 = (-1)2i2 = i2 = -1 一般に √(-k) = √k・i(定義)、 -k の平方根は ±√(-k) = ±√k・i
→ 1 × i = i なのに対し、1 ÷ i = -i ( 1/i の分母を実数化する。1/i = i/i2 = i/(-1) = -i )
a, b を実数として
純虚数 虚数の中で特殊な形で bi と表されるもの。 (bi)2 = -b2
その他の虚数 a + bi と表されるもの。 a … 実部 real part、b … 虚部 imaginary part 虚数 a + bi を二乗しても切りのより数や特別な意味のある数にはならない。(a + bi)2 = (a2-b2) + 2ab・i
複素共役 a - bi を掛けると実数になる。(a + bi)(a - bi) = a2 - (bi)2 = a2 + b2
複素数 = (a + bi) に対し、(a - bi) を「共役(きょうやく)複素数」、または「複素共役」と呼び、 (主に数学分野では)- や、(主に物理分野では)* などの記号で表す。 すべての複素数は、a + bi と表され、複素平面(複素数平面、数平面)の中の点として表すことができる。 a + bi は、実軸上の a、虚軸上の b の座標で示される点。マーカで表したり、原点からの矢印等で示す。 ※ 通常 2 + 0i や 0 + 2i のゼロは省略して書かない。 複素平面内で、実軸上の点 … 実数 a : 正負の符号は、偏角 0 度と 180 度に対応している。 複素平面内で、虚軸上の点 … 純虚数 bi ただし、i は、i2 = -1 の虚数単位 正負の概念ない、 複素平面内で、実軸上以外の点 … 虚数 a + bi または r(cos + i sin ) 代わりに 偏角 (後者は極形式と呼ばれ、特に複素数であることを断って (r, ) と書くこともある。) 複素数 実数以外 = 虚数 実数
→ ふたつの虚数 = a + bi と = c + di に対し、 ・ a = c、b = d であり、複素平面内で、同じ座標にあることを意味する時のみ、 = である。 ・ i を x などの文字と同じようにして扱い、整式間の四則演算と同様に計算してよい。 + = (a+c) + (b+d)i - = (a-c) + (b-d)i × = ac + (ad+bc)i + bdi2 = ac + (ad+bc)i - bd = (ac-bd) + (ad+bc)i → 分数の分母に虚数 = (a + bi) があるとき、共役複素数 (a - bi) をを掛けると、 非負の実数、a2 - (bi)2 = a2 + b2 となり、実数化することができる。 → 複素数の絶対値は、複素平面内の原点 O (0 + 0i) からの距離 r で定義される。 = a + bi の時、三平方の定理より || = √(a2 + b2) = r(r は直角三角形の斜辺の長さ) 複素共役との積の (×- ) = a2 + b2 = r2 であるから、絶対値は、|| = √(×- ) とも表せる。 (ちょっと発展)「-1 倍する」という操作は、数直線上の点を原点に対し 180 度回転させることとみなせる。 「i 倍すること」は、2 回で -1 倍することと同等なので、原点に対し 90 度回転させることとみなせる。 → -1 の立方根(の虚数解の一つ、虚部の符号が正のもの)を としたとき、 倍することとは? -1 の立方根 は、x3 + 1 = 0 の解。実数解(-1)の他に、2 つの虚数解 ± 3√(-1) をもつ。 x3 + 1 = 0 より、因数分解して (x+1)(x2-x+1) = 0 よって、x = -1 または x = (1±i√3)/2 = (1+i√3)/2 )は、複素平面内、1 より原点を中心に反時計周りの 60 度回転させた点である。 (下右図、 が、1 辺 1 の正三角形の頂点である。垂線を下すと、座標を読むことができる。) → +1 の立方根の一つ(2 = (-1+i√3)/2 )を掛けることは、複素平面内、反時計周りの 120 度 の回転 x3-1 = 0 より、因数分解して (x-1)(x2+x+1) = 0 よって、x=1 または x=(-1±i√3)/2 極形式は試験範囲外ですが、知っておくと超便利。 (複素数の積は、複素平面内の回転に対応するため) 三角関数(教科書5章)を用いたとき、 右図のような直角三角形において、 垂線 /斜辺 R = sin 水平線/斜辺 R = cos 従って、半径 R の円周上の点は、 (x, y) = ( R cos , R sin ) で表される。 ∴ 複素数 r cos + (r sin ) i は、複素平面内で、 原点からの距離(絶対値)が r で、実軸からの偏角が の点 ※ 実数は絶対値と符号を持つのに対し、複素数は絶対値と偏角をもつ。偏角 = 0, 180 が実数の正負。 R R sin R cos Re 実軸 Im 虚軸
複素平面内での虚数の座標と、四則演算の間の関係 虚数 = a + bi に、実数 c を 足す、引く … = (a + bi) + c = (a+c) + bi 実軸方向の平行移動。一般に偏角は変化する。 掛ける … = (a + bi) × c = ac + bci 原点と を結ぶ直線上の拡大・縮小に相当する。 絶対値は |c| 倍、c>0 なら 偏角は + 0 度、c<0 なら偏角は + 180 度。 虚数 = a + bi に、純虚数 di (d>0) を (di の絶対値は |d|, 偏角は 90 度) 足す、引く … = (a + bi) + di = a + (b+d)i 虚軸方向の平行移動。一般に偏角は変化する。 掛ける … = (a + bi) × di = adi - bd = d・( -b + ai ) 絶対値は |d|倍(√(a2+b2) → √(d2・(a2+b2))) 偏角は から反時計回り 90 度回転。右図参照 ∵ 直角三角形の 2 つの鋭角の和 = 90 度。 di で割る … = (a + bi) ÷ di = a/di + b/d = (1/d)・( b - ai ) 絶対値は 1/d 倍 偏角は から反時計回り 90 度回転。 「複素数の積」は、複素平面内の「回転」と拡大縮小に対応 → 2 つの複素数を掛けると、絶対値は、その積となり 偏角はもと複素数のもつ偏角同士の和となる → 実数の偏角は、正は = 0 度、負は = 180 度 → 絶対値が 1 の複素数を掛けても絶対値は変わらない。 同じ動径の円周上での回転に対応する。 → -1 を掛けることは、複素平面内の 180 度の回転 実数間では、正と負が入れ替わる。 -1 × (a + bi) = -a - bi 素数間では、 原点に対して点対称の位置に入れ替わる。右図。 → i を掛けることは、複素平面内、 反時計周り方向の 90 度 の回転。 a → ai → -a → -ai → a 2 回の積で -1 倍に相当する。 ⇔ 2 回の「90 度の回転」が 1 回の「180 度の回転」に相当 → i で割ること (i を掛けることの逆操作) 時計周り方向の 90 度 の回転。 -i を掛ける事と同じ。1/i = i/i2 = -i → 絶対値が r(r≠1)であるような複素数を掛けると、 絶対値が r 倍される。 → -r を掛けること : 絶対値が r 倍になり、 偏角は 180 度回転する → ri を掛けること : 絶対値が r 倍になり、 複素平面内、反時計周り方向の 90 度 の回転 → 共役複素数を掛けること(偏角を打ち消し合う) 互いに共役な複素数 a + bi と a - bi は、 複素平面内、実軸で上下に反転した位置関係。 つまり、偏角はその符号が逆で絶対値が等しい。 もとの複素数の絶対値の二乗の実数が得られる
→ 更に一般化し、複素数の絶対値 r と偏角 がどのような数値であるか明示する方法 → 乗除に関しては、(三角関数さえ分かってしまえば、)この方がめっちゃ簡単。和や差では若干不便。 → 極形式で表すことができる (複素平面内の点を、原点からの距離 r(絶対値)と偏角 を用いて、 r (cos + i sin ) と表すことを、極形式という。 極形式を (r, ) と表示することもある。
複素平面内、絶対値 = √{r2cos2 + r2sin2 } = r(亘等式 sin2 + cos2 = 1 の関係を利用)
→ = (a + bi) に対して、r = || = √(a2 + b2)
cos = a/||、sin = b/|| となるような分かりやすい を選ぶ。
→ 極形式で表した素数 r1 (cos 1 + i sin 1) と r2 (cos 2 + i sin 2) の積は
r1r2 (cos(1+2) + i sin(1+2)) となる。 これを、(r1, 1)×(r2, 2) = (r1×r2, 1+2) と表すことができる。 すなわち、複素数の積において、絶対値は互いの積、偏角は互いの和になっていることを表す。 → 指数表記すると、r (cos + i sin ) = r ei である。 … (※) → 原点以外を中心とした回転のためには、1) 平行移動、2) 回転、3) 逆の平行移動として考える。
※ 複素指数関数は、 = a + i に対して、e = ea × (cos + i sin ) と定義する。
→ この定義により、指数法則 exp(+) = exp()×exp() が成立するようになる。 → 特に a = 0 の時、ei = cos + i sin の関係式を「オイラーの公式」と呼ぶ。
この公式に = (180 度)を代入すれば、ei = cos + i sin = -1 【オイラーの等式】となる。 ☆ 問い (a + bi)2 = i であるような複素数 (a + bi) を求めよ。
→ 考え方その1 (a + bi)2 = a2 + 2abi -b2 と展開し、係数の比較を行う。
従って、a2 - b2 = 0、 2ab = 1 より、a, b = 1/√2, 1/√2 または -1/√2, -1/√2
こたえ ±(1/√2)(1 + i) → 考え方その2 図形的に考えて、一般に極形式の複素数 (r, ) の平方根の一つは(√r, /2) である。 偏角に 360 度(2)を足しても同じ。(r, ) =(r, +2) の平方根の一つは(√r, (/2)+) である。 複素平面内で、i は、絶対値(r) = 1、偏角 = /2 なので、i の平方根は、(1, /4) と (1, 5/4) 。 極形式 (1, /4) = cos(/4) + i sin(/4) は、(1/√2)(1 + i) となる。 ◎ 三角関数について(教科書5章)
【本日の宿題】
教科書 10~16
問題集 43~49
コメント
根号の性質 (p25) 再掲 証明?の手順を書き加えたもの
(I) (√a)2 = a (ただし、a ≧ 0)
a < 0 のとき、√a は実数ではない。
√a = √(-1)・(√|a|) = (√|a|) i ただし、i は、i2 = -1 となる虚数単位。
(II) √(a2) = |a|
「二乗する」ことと「非負の平方根をとること」は、単なる逆の操作ではない。 非負の平方根は、定義より正の値。 例 √((-2)2) = √4 = 2 となる。-2 ではない。 この性質の証明 1) A = √(a2)、B = |a| と置く。 2) A ≧ 0(非負の平方根なので)、B ≧ 0 (絶対値の定義より)である。 3) A2 = B2 (= a2)で等しい。また、かつ、2) の関係がある。依って A = B である。
(III) √a・√b = √(ab) ただし、a≧0, b≧0
この性質の証明
1) A = √a√b、B = √ab と置く。ただし、a≧0, b≧0。 2) A ≧ 0、B ≧ 0 (絶対値の定義より)である。
3) A2 = B2 (= ab ≧0)で等しい。また、かつ、2) の関係がある。依って A = B である。
(IV) √a / √b = √(a/b) ただし、a≧0, b>0
(III)と同様に示すことが可能。ただし、B>0 で、ゼロは含まない。 ○ グラフの描き方について(授業中に板書した内容の抜粋) 1) 縦軸、横軸の範囲を適切に選ぶ。 グラフの特徴を表す点を含むように選ぶ。軸との交点、最大値、最小値、変曲点、など。 2) 絶対値を含む関数については、場合分けが必要である。 自然現象を記述するような多くの関係では、独立変数(横軸の値)に対し、従属変数(縦軸の値)が滑ら かに変化する(任意の点で、接線が 1 本のみ引ける。「微分可能」ともいう)。絶対値の関数の場合は、 場合分けをする位置で関数が折れ曲がる(尖った先端では、接線が 1 本に決まらない)。 3) 場合分けをしたそれぞれの範囲について、関数の式をもとにグラフを書く。 直線の場合 任意の2点を結ぶと直線が得られるから、関数式に任意の x の値を代入して得られる座標を用いる。 切片(y 軸との交点)と、傾きからグラフを描くこともできる。 曲線の場合 極大値の点、極小値の点など、グラフの特徴を表す点の座標を別途求める(関数の性質について学習) それらの点を含め、任意の x の値を代入して得られる点の座標を、滑らかな曲線で結ぶ。 4) 場合わけをした範囲が x = 0 を含んでいない場合、y 軸との交点(切片)がグラフに含まれない。 グラフの一部を補助線を用いて延長して切片の位置を示す場合などは、補助線には、グラフ本体とは区別 して、破線などを用いる。