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ロボット制御工学 第3回~第7回
誤差の取り扱い方編
2019年10月16日
電気情報系学科
横田孝義
授業計画
10/2 10/9 10/16 10/23 10/30 11/13 11/20 11/27 12/4 12/11 12/18 1/8 1/15 1/22 休講 中間テスト 前半の復習3
誤差=測定値―真の値
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誤差(error)には三種類ある
(1)系統誤差(systematic error) ゼロ調整の狂いなど。 後から補正が効く
計測器の固有誤差
環境誤差(温度、湿度、気圧など)
個人誤差(目盛の読み方の個人差など)
例をいくつか考えて見よう。
(2)偶然誤差(random error)
誤差(error)には三種類ある
つきとめられない原因による誤差
符号、大きさが変化する。
系統誤差が測定の繰り返しに対して一定であるのに対して、
測定ごとにばらつく誤差のことを偶然誤差という。
測定手法に不確定性が生じていることによる。
誤差を取り除くことはできないが、数多く測定することで
誤差の影響を少なくすることが可能。
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測定値(㎜) 度数 相対度数 50.0026 2 4% 50.0027 3 6% 50.0028 2 4% 50.0029 10 20% 50.003 4 8% 50.0031 13 26% 50.0032 9 18% 50.0033 4 8% 50.0034 1 2% 50.0035 2 4% 計 50 100 ある部品の長さのデータ ヒストグラム 度数
9 測定値(㎜) 度数 相対度数 50.0026 2 4% 50.0027 3 6% 50.0028 2 4% 50.0029 10 20% 50.003 4 8% 50.0031 13 26% 50.0032 9 18% 50.0033 4 8% 50.0034 1 2% 50.0035 2 4% 計 50 100 ある部品の長さのデータ ヒストグラム 相対度数
𝑓 x =
1
2πσ
𝑒
−
(x−m)
2
2σ
2
正規分布(Normal Distribution)
確率密度関数で自然界でよく表れる分布として正規分布がある。 m: 平均値 σ: 標準偏差11
正規分布(Normal Distribution)
標準正規分布 N(0,1)
標準正規分布 N(0,1)
標準正規分布の累積分布関数
正規分布(Normal Distribution)
誤差関数 x
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誤差関数
正規分布の累積分布関数
テキストの (5-2)式
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正規分布の性質
互いに独立で正規分布する二つの確率変数x,yの和x+yは正規分布に従う。
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正規分布の性質
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正規分布の性質
互いに独立で正規分布する二つの確率変数x,yの和x+yも正規分布に従う。 から、
σ=0.25 σ=0.5
σ=0.75
σ=1
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測定値がある値の範囲に入る確率を求める。
確率密度関数をf(x)とすれば、この確率は
p x
1
< x < x
2
= f x dx
x
2x
1 で与えられる。 σ=0.75P(m-σ<x<m+σ)=68.3%
P(m-2σ<x<m+2σ)=95.5%
P(m-3σ<x<m+3σ)=99.7%
P(m-1.96σ<x<m+1.96σ)=95%
測定値がある値の範囲に入る確率
±σ ±2σ ±3σ 68.3% 95.5% 99.7%
測定値がある値の範囲に入る確率
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平均値と標準偏差
x =
1
n
x
i
n
i=1
s
n
=
1
n − 1
(x
i
− x )
2
n
i=1
n個の測定値x
1
, x
2
, … , x
n
より、試料平均と試料標準偏差、試料不偏分散は 試料平均 試料標準偏差s
n
2
試料不偏分散あるネジの長さを何度も測った例
x =
1
n
x
i n i=1=50.00282
mm2
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統計の考え方
母集団
非常に多くの要素 真の平均 母平均 m 真の分散 母分散 s2 計測 有限個の標本 標本(試料)平均 標本(試料)分散 通常は母集団は『神のみぞ知る』場合が多い。 母集団がわかる例とわからない例を挙げてみよう。正確さ、精密さ、精度
標本平均 母平均 標本平均 母平均 母平均 母平均 正確さ ○ 精密さ ○ 正確さ × 精密さ ○ 正確さ ○ 精密さ × 正確さ × 精密さ ×29
標本平均のばらつき
標本平均 有限回の測定から算出される標本平均は 母平均とは誤差を持ち、 を標準偏差として分布する。 ここで、σは母集団の標準偏差である。 母平均 例: 1回の測定で求めた標本平均(測定値そのもの) は母集団の標準偏差と同じばらつきが生じている。 36回の測定で求めた標本平均は母集団の 標準偏差の1/6程度のばらつき範囲に 収まっている。正規乱数をどうやって発生させるか
一様乱数を複数足し合わせても 正規乱数になる。(中心極限定理)
一様乱数の分布 一様乱数2つを加算した分布
31 一様乱数12系列の加算で生成した正規乱数(母集団) 乱数系列の印象が 変わったのがわかる だろうか? 一様乱数系列 分布
正規乱数をどうやって発生させるか
余談:コンピューターの進歩
18ヶ月に倍のペースで性能向上し続けている ムーアの法則 1980年代後半のスーパーコンピューターは 今日のPCの1/100の性能、1,000倍の価格 である。 主メモリ 64MB HDD ~2GB 0.63 GFLOPS 数億円 HITAC S-810/20K(1987) メモリ~8GB x 10033
間接測定による誤差
直接測定
測定量をそれと同種類の基準量と比較して測定すること
例 長さを巻尺で測る
間接測定
測定量と一定の関係にあるいくつかの量について測定を
行いそこから測定値を導き出すこと
例 GPSでの測位、地震のマグニチュード値 etc…
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間接測定における誤差 系統誤差の影響
測定値qを複数の独立な測定値 から、計算で求めるものとする。 測定値 に、それぞれ系統誤差による偏り があるとき、式(1.7)で算出したqにも その影響が生じて⊿qの偏りを引き 起こす。 ⊿qは となる。 いわゆる全微分間接測定における誤差 系統誤差の影響
系統誤差の影響の最悪値は
から、
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誤差の伝播のイメージ
(1.8)式から
(1.8)式からは
厳密には
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間接測定における誤差 偶然誤差の影響
各測定値 に偶然誤差によるばらつきがあり、その標準偏差を それぞれ であるとき、qのばらつきの標準偏差 は、 となる。どうしてか?
偶然雑音はそれぞれ独立なので
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例題
球の質量mと直径dを測定して、m=35.0±0.1g, d=20.00±0.01mmの結果を得た。 密度ρとその誤差⊿ρを求めよ 球の体積Vは? 密度ρは? ここでの誤差は偶然誤差であるので(1.10式)を適用する。母標準偏差 σ=1.2μm 母集団 母平均 ? 母分散 1.2μm 標本抽出 標本平均 24.985mm 標本数 5 標本平均の 標準偏差は σ/√5=0.536 μm
標本平均のばらつき
43 43 標本平均(5回測定) 24.985 mm 長さ 母平均? c1σ/√5 -c1σ/√5 母平均? 確率95% に相当するc1の値は 1.960 c1σ/√5= 1.960x 1.2 /2.236= 1.05 μm 母平均は24.985 ±0.001 mmの範囲内 に95% の確率で存在する。 こういう図をイメージしよう。 母集団の左の裾野よりに測定したのか、 右の裾野よりに測定したのか曖昧さがある。 曖昧さの範囲を規定するのが信頼区間の 考え方である。 母集団の分布の可能性
標本平均のばらつき
母平均の区間推定
母平均の不偏推定量は
正規分布に従う確率変数 は独立
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母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
母平均の不偏推定量は 母集団 母平均 μ ? 母分散 既知 母分散が で既知なら、 と変数変換すると、確率変数 t は 標準正規分布 N(0,1)に従う。母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
R
信頼水準:すなわちtが から の区間にある確率
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母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
平均値μについて解くと 信頼度Rと の関係 1.96 R 0.95 0.99 2.58 など母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
信頼度Rと の関係 1.96 R 0.95 0.99 2.58 例題 標本数 n=36 標本平均 M=50 母分散 =25 の時、信頼水準 95% で母平均 の信頼区間を求めなさい。49
母平均の区間推定(母分散が既知の場合)
信頼度Rと の関係 1.96 R 0.95 0.99 2.58 例題 標本数 n=36 標本平均 M=50 母分散 =25 の時、信頼水準 95% で母平均 の信頼区間を求めなさい。母平均の区間推定 (母分散が未知の場合)
母平均の不偏推定量は 母集団 母平均 μ ? 母分散 ? 母分散が未知なら、 標本分散(不偏分散)で代用して確率変数tを作る。 この確率変数t は Student t 分布に従う。51
母平均の区間推定 (母分散が未知の場合)
Student t 分布とは標準正規分布に似ているが若干異なる。自由度が大きくなると 正規分布に収束する。
母平均の区間推定 (母分散が未知の場合)
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母平均の区間推定 (母分散が未知の場合)
信頼水準 Rに対応するtの範囲は 次式で決まる。
55 :自由度 = n-1 カイ二乗分布 標本分散と母分散の比の総和
母分散の区間推定
母集団は正規分布に従うとする・母分散の区間推定
例 自由度 φ=9の時の カイ2乗分布
信頼水準Rに相当する上下限は?
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母分散の推定
母分散の区間推定
95% 99% カイ二乗分布表
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母分散の区間推定
例題 母集団は正規分布にしたがうとする。 201回の計測を行った。その際の標本平均からの二乗誤差の 総和が200.0であった。母分散の80%信頼区間および、 99%信頼区間を求めよ。61
誤差の影響をいかに軽減するか
最小自乗法 1795年 Gauss(Karl Friedrich Gauss) が18歳の時に考案
1777-1855
Karl Friedrich Gauss 惑星の起動がケプラーの法則に従っているので、 数個の観測結果から惑星の軌道を厳密に求めることが 出来る。 現実には観測には必ず誤差を伴う。すなわち、真実を 近似しているに過ぎない。 ブラウンシュヴァイク, 神聖ローマ帝国
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世の中には比例関係とみなせる現象が多い。(これを線形モデル式と呼ぼう。)
この関係にあるとみなされる現象のn組の測定値が得られたとする。
これらの測定値を用いて線形モデル式のパラメータa,bを求めたい。
ある測定値 をモデル式に当てはめた時の誤差を とすると、
この値の2乗和をSとすると、
(1.13)
65 Sはパラメータa,bの2次関数で下に凸の形。 すなわちパラメータa,bがSを最小にする時 にはa,bに対してSの傾きはゼロになる。 このあたり? このあたり? 具体的には a,bをどうやって求めるか? (1.13’)
最小自乗法 回帰分析
2次元で見てみると、 (1.13) このあたりがSを最小にする パラメータa,bの値
S
0.6 b最小自乗法 回帰分析
67 傾きが0になるとは、偏微分をして、その値が0であるということ。 まずSをパラメータaで偏微分してそれを0とおく。 すなわち、 (1.15) (1.14)
最小自乗法 回帰分析
もうひとつのパラメータbで偏微分してみると、
すなわち、
(1.16)
69 (1.15) (1.16) の2つの条件式が得られた、 欲しいのは を満たす,a,bの値である。 それらは、(1.15)(1.16)式を連立することで求められる。 実際にこの時間内に導出してみよう。制限時間20分
最小自乗法 回帰分析
まず、(1.16)式 から、
これを(1.15)式に代入すると、
aについて整理すると
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(1.17)
を に代入すると、
(1.18)
例題 1.6
73 に求めたa,bの値を代入してグラフを描くと このようになり、データの間を縫うような直線と なる。 実際には毎回手計算をしていては 大変なのでExcelなどで用意されている 機能を利用する。
最小自乗法 回帰分析
青い範囲を選択して メニューの「挿入」 グラフの種類の中から散布図を選ぶ 近似曲線の追加 グラフ上のデータを選択して
参考 Excelでの最小自乗法の使い方
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とおけば、