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Academic year: 2021

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発刊によせて

著者

川村 暁雄

雑誌名

関西学院大学人権研究 = Kwansei Gakuin

University journal of human rights studies

19

発行年

2015-03-31

(2)

「発刊によせて」

人権教育研究室室長 

川 村   暁 雄

今年は、2013 年度末に「人権教育に関する基本方針」が大学で確認されてからの最初の一年となり ました。この中で、昨年度と同じく(1)当事者との連携、(2)人権を守りつつ学びを深める大学 の責務、(3)全学的な取り組みの展開という三つの側面で活動強化を図ってきました。 第一の当事者との連携という側面については、昨年に引き続きセクシャル・マイノリティをテーマ とした活動を当事者学生らとともに展開しています。5 月には「レインボー・ウィーク」を開催、 LGBT の課題について広く問題提起を行いました。今後は、より幅広い関係者の参加を得ながら開催 していく予定です。この活動が、本学から他大学への広がっていくことを願っています。また、難民 学生との関わりも、昨年度に引き続き実施しています。人権教育研究室の活動を当事者目線から助言 できる学生を募る仕組みである学生アドバイザー制度も設け、制度的な枠組みも整備しつつあります。 第二の人権を守りながら学ぶ環境作りという大学の責務もきわめて重要な課題です。人権が尊重さ れない場で人権を学ぶことは不可能です。さらに、教育・研究の中核として社会的に期待される大学 には人権を保障し、伸長する特別な社会的責任があるはずです。今年度は、ハラスメント・ガイドラ インの改定に関わる中で人権教育研究室としての役割を果たしてきました。現在、学長の下にワーキ ンググループが設置され、2006 年に制定されたガイドラインの枠組みを改善するための活動に参加し ています。来年度には、その結果を本誌でも報告できるかと思います。 第三の全学的な取り組みを進めるための取り組みとしては、人権教育研究室の研究活動により多く の教職員が参加できるように、公募制の研究の枠組みを新たに設けました。これは、毎年 2 件程度、「人 権教育に関する基本方針」にのっとって (1) 人権教育に資する研究、(2) 大学における人権保障に資す る研究、(3) 社会的に発信する必要のある新たな人権の課題についての研究に助成するものです。来年 度も積極的に応募いただけるよう希望しています。 本年度発行する『関西学院大学 人権研究』も、こうした考え方を反映したものとなっています。 公開研究会で進められた「セクシャル・マイノリティ」「難民・無国籍者」についての研究活動は、 学内の当事者との連携のもとに進められました。(以上、阿部「第二回関学レインボーウィーク『もっ とカラフルな関学に!』を振り返って」および、舟木「難民問題への本学の取り組み」参照)。 第二の「人権を守りながら学ぶという大学の責務」については、上述の研究活動の中でも議論され てきたことでありました。さらに今号の辻本論文「兵庫県における日本語支援が必要な子どもたちの 進路」からも、大学の役割について考えるヒントが得られます。 第三の「全学的な人権への取り組み」は、人権教育科目の場、そして多くの教員が参加する研究活 動に現れています。今号でも本学の教員や学生が関わる活動についての研究ノート「人権研究におけ るボランティア行動の意義と評価」(岩坂)を掲載することができました。武田論文「人権研究のた めの研究方法論―トランスフォーマティブな研究パラダイムに基づく CBPR」では、大学の持つ調査・ 研究機能自体を人権の発展のために用いるための視座が示されています。また、加納論文「宗教的人 権の現在―その歴史的経緯と事例」では、本学ならではの人権についての考察が行われました。 まだまだ足りない部分もあるかと思います。今後も、『関西学院大学‥ 人権研究』を通じ、関西学院 大学の人権教育・研究の試みを共有していければと考えております。できるだけ多くの方に読んでい ただくことで、人権教育研究室の活動へのご意見、ご批判、そしてご参加をいただくことができれば と思います。

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