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2020年度活動報告 CJP授業 : 調査・報告6

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Academic year: 2021

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2020年度活動報告 CJP授業 : 調査・報告6

著者

村上 智里

雑誌名

関西学院大学日本語教育センター紀要

10

ページ

21-22

発行年

2021-03-31

URL

http://hdl.handle.net/10236/00029325

(2)

21

-2020 年度活動報告 CJP 授業:調査・報告6

村上 智里(関西学院大学日本語教育センター)

1.クラス概要

「調査・報告 6」は Japanese Language Track(以下、JLT)のレベル 6(上級前半) にあたる必修科目である。2020 年度春学期は 1 クラス 4 名で 2 クラス開講された。 本授業の目標は、①関心のある身近なテーマについて考えを深め、上級前半の表現を 使ってまとめることができるようになる、②アンケート調査を行い、その結果を図表に まとめて、レポートを執筆することができるようになる、③レポートの内容について話 し合ったり、発表したりすることができるようになる、の 3 つである。通常の授業回数 は週 2 回(1 回 90 分)の全 28 回だが、2020 年度春学期は新型コロナウイルス感染症の 拡大によって学期開始が遅れたため、全 24 回だった。キャンパスでの対面授業実施は 停止され、Zoom を使った同時双方向型で実施した。

2.授業内容

本授業は 3 つのタームから構成されている。最初のタームは「レポート作成に関する 基礎知識の学習」で、まず全員共通のモデルレポート(教員が作成したもの)を読んで 内容、表現、構成等を分析し、論理性、考察の妥当性などを検討する。その後、グルー プごとに異なるモデルレポート(過去の受講生のレポートをリライトしたもの)を読み、 このターム最後の課題として同様の分析や検討を行い、その内容をグループで発表する。 次のタームは「アンケートの作成・実施・分析」で、アンケート調査の概要、質問作成 の方法等を学んだ後、各自のテーマについてアンケートを実施し、分析を行う。このタ ーム最後の課題は、テーマの概要とアンケート結果の分析・考察に関する発表である。 最後のタームは「レポート執筆」で、本授業の最終課題として各自の調査内容をレポー トにまとめる。 2020 年度春学期に工夫したのは主に以下の 3 点である。まず、ピア・レビューの時間 を十分に確保したことである。オンライン授業であっても受講生間、受講生と教員間の やりとりを減らさないことを心がけ、特に 1 つ目のタームではモデルレポートの分析、 2 つ目のタームでは調査目的と質問内容の一致などについて繰り返し意見交換を行い、 調査目的の明確化、質問の絞り込みにつなげた。次に、レポートで使われる文法や表現 については、教員が必要だと判断したもの、受講生から要望があったものに限定して解 説をし、練習問題には各自取り組むようにしたことである。これは、コマ数が減った分、 前述のピア・レビューに時間を割けるようにすること、受講生によって学習が必要な文

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22 -法・表現項目に差があることが理由である。最後に、スケジュールの調整である。2020 年度春学期は学習環境等の変化が影響したのか、学期後半から作業の進度に遅れが見ら れたため、受講生のペースに合わせて発表日やレポート提出日を柔軟に調整した。

3.成果と今後の課題

授業アンケートの「この授業に満足している」に対する回答は、「かなり満足してい る」が 2 名、「満足している」が 1 名、「どちらともいえない」が 1 名であり、筆者自身 も反省点が多い。まず 1 点目のピア・レビューについてだが、2 つ目のタームまでは活 発な意見交換が各自の調査にも反映され、目的は達成できたと思う。一方、最後のター ムでは各自のレポート執筆が遅れていたこともあり、十分行うことができなかった。2 点目の文法・表現項目の学習については、主体的に学習が進められた受講生とそうでな い受講生とに分かれた。授業後にもらったフィードバックの中で特に印象に残っている のは、「スライドを見ながら文法や表現の使い方について説明を聞いても、その時は理 解できた気になるが、身についた感じがしない」というコメントである。これに対し、 「授業中にもっと練習する時間を取ったり、クイズで理解度を確認したりしたほうがよ かったか」と尋ねたところ、「そういう問題ではない」ということであった。その受講 生の話をまとめると、「対面授業の時は、教員が説明する時の様子、他の受講生とのや りとり(質問や相談など)、教室の雰囲気など様々な要素を含めて理解をしていたが、 そうした要素が限定的になる Zoom だと、どうしても受動的になり、能動的に理解する のが難しかった」ということである。対面授業では教室のあちらこちらで受講生間、あ るいは受講生と教員間のやりとりが発生していたが、それが学習プロセスに大きく影響 していたことに気付かされた。3 点目のスケジュールの調整に対しては、「よかった」と いうコメントがあった一方、レポート最終稿の提出を授業終了後に設定し直したことに より、「ちゃんと書けるだろうか」という不安を覚えた受講生もいた。自宅での学習や 課題の量に負担を感じている受講生を考慮してのことだったが、達成感を味わい、振り 返りをして次の学習につなげてもらうためには、学期中に最終課題を終わらせることも 重要だと感じた。 オンライン授業の実施によって、これまで当たり前すぎて意識していなかった対面授 業の特徴が浮き彫りになり、授業に対する認識を見直す機会にもなった。次にオンライ ンでこの授業を実施する際は、学習プロセスを意識し、主体的な学びを活性化する活動 の実施、受講生間、受講生と教員間のやりとりの質を高める仕掛け作りが課題である。

参照

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