看護
場 面
に お
け
る
患
者
・
看護 師
の曖
昧表
現
の認 識
Recognition
ofAmbiguous
Expression
among
Patients
andNurses
in
Nursing
Scenes
上 星
浩
子
要
約
本 研 究は
,
看 護 場 面におい てコ ミュ ニ ケー
ショ ン を阻害す る と言わ れ る専門 用 語 や曖 昧表現をどの ように認 識し て い るの か, その認 識は看 護 師・
患 者間で相 違はない かを明ら かにするこ と を目的にした.
対 象は関 東地 方にある A 大学医学部附属病院に入 院 中の 患 者 205 名 (男性 102名,
女 性 103名 )と師長を 除 く看 護師219
名(
男 性12
名,
女 性207
名 ) に質問 紙 調査を行い , 分析した.
結果, 日常 的 な看 護 援 助 場 面で は,
10語 中5
語 (50.
0
%),
検査説 明や指 導 などの 看護 援助 場 面で は,
[4語 中11語 (78.
6%)と 凵常 的に会 話が交わ さ れる場 面に比べ,
検査説明 や指 導の看護 場 面 に有 意な差が 認め ら れ た,
これ らの結果 か ら,
検 査や指 導の場 面な ど正確な意 味 内 容で認 識 する必 要性が あ る 看護 場 面で の曖 昧表現の使 用は, 看 護の 目 標 達 成に おい て障害を もた らす 危 険 性が あるこ と,
ま た 患 者・
看護 師 間 の相 互 理 解の た め に は,
言 葉の もつ 意味 や瞹昧表現の 認 識に相 違がある こと を理解し,
状 況に応 じ た客 観的 な情 報 を授受して い く必 要 性が示 唆 され た.
キー
ワー
ド 患者,
看 護 師,
瞹昧 表現,
認識,
臨床判 断 は じ めに 看 護 師は,
患 者の表し てい る言動や観 察 所 見,
個 別 的な特 性か ら情 報を 選 択 的に取 り込み,
分析,
統合 し,
患 者の状 況を予 測的に判 断しな が ら問題 領 域に止 確にね らい を定め,
看護 過 程 を 展 開 してい る.
Gordon.
’1’
は,
看 護 過程の最も重大な構成要 素は情 報 収 集であるとし,
確 実で信 頼のお ける情 報が基 盤にな っ てい なけれ ば健 康 問題 は診 断者の作り上げた観念 に なっ て しまい,
想者の実 際の徴候や症 状 を表現 し た も の では な くな る お そ れ が あ る と述べ てい る.
この こ と は看 護 実 践が真に患者に とっ て適 切に行わ れ る た め に は情 報の と ら え 方 が 重 要であ ること を 示 してい る.
R .
E,
ラケル2/は,
臨床にお ける問診で の コ ミュ ニ ケー
ショ ン の大 部分 は 言 語 的 な交流 に 中心を おい てお り,
症状や既往歴 あ るい は 心 理・
杜 会 的 な情 報 は 言 諳 的 な手段によっ て伝達 さ れ,
適 切 な 用 語 を 用い るこ と は容 易で正確なコ ミュ ニ ケー
ショ ン を確立 し,
信 頼 関 係の 成 立 を 助 ける と述べ て い る.
こ の デー
タ収 集の手 段と な る ものがコ ミュ ニ ケー
シ ョンであ り,
その媒 体 が 言 語で ある.
言 語 は一
般 に 共 通 理 解 をする た め に組 織化さ れた も のであ り, ひ とつ の地 域や文 化 内で の出来 事を表 現す る た め の符 号 組 織である3 〕.
しか し共 通してい る符 号 である はずの 言語が 正 しく伝わ ら な かっ たり,
誤っ て 解 釈さ れて しまっ た りするこ と が ある.
これ は 符 号 が 多 様な意味を持つ こ と や,
言 語 自身の曖昧性 が 互い の 理解を妨げる要 因になっ てい る 故と考えら れる.
ま た言 語のもつ 曖 昧 性とい う特 徴の ほ かに看護師,
患 者間の コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン のずれ を起こす 原 因に専 門用語や曖 昧 表現 が指摘さ れてい る.
看護の場 面で は 看 護i
師が専門用語を 無 意 識に用い る場 合 があり,
看護 師だ け が 知っ てい る 用 語で情 報 や 知 識 を患 者にメ ッ セー
ジ と して 送 受して も正確な情 報として伝わ ら ない 危 険性もあ る.
また 凵常的に使用 されて い る 「ち ょっ と」 , 「か な り」
,
「た ま に は」な どお およその ことを示す 程 度副 詞 や曖 味な表 現は,
同 じ表現におい ても人 によっ て言 葉 に対 する状 態 を あ ら わ す イメー
ジ や尺度が違 うた め,
認 識が 異 なっ て し まい情 報と しての精度に 問 題 を示す こ とが ある.
梅 津 ら4 )は,
医療 者と患 者問の コ ミュ ニ ケー
ショ ンに 用い られ る瞹 昧な表現の理解におい て職 種間,
年代間で ずれ があ り, 医 療コ ミュ ニ ケー
ショ ン の障 害 に な る 可 能 性 がある こ とも報 告し てい る.
55 桐生短 期 大 学 紀 要.
第18号.
2007NII-Electronic Library Service
先行研 究におい ては, コ ミュ ニ ケ
ー
ショ ンにお け る 用 語の理解のずれ斗1 や観 察能 力 や 誤 解 を 防 ぐ た めの正 確で精 度の高い情 報 提 供の 必要 性〜’,
看 護 情 報の 共 有 化の ため の用語の基準化の必 要 性61 な ど 示さ れてい る もの の , デー
タ だけで は伝わら ない看 護 師の アセ ス メ ン トや 目本 文化に お ける曖味表
現の重 要性,
看 護i
場 面 に おける事 象・
現象の用 語 が一
定の情報と して認 識で きて い る か な どを明 ら かにして い る研究は少ない.
そこ で看護 場 面 に おい てコ ミュ ニ ケ
ー
シ ョンを 阻害 する と 言われ る 卑 門 用 語や曖眛 表現 を どの ように認 識 してい るの か,
その認 識は看護 師・
患 者 閊で相 違はな い かを 明 ら かにする必 要性があると考え, 本 研 究 に 取 り組 ん だ.
これ は,
患者・
看護 師間の コ ミュ ニケー
シ ョ ン のずれ を防ぎ,
患 者・
看 護 師間の相互 理解の助 け とな ると考え る.
研 究 目的
本研 究の 日的は,
看 護場 面に お ける患 者・
看護 師 に お ける曖眛 表現の認識 を 明ら か にする こ とで ある.
用
語 の操
作 的
定義
本研 究に使 用する 「曖 味 表現」は
,
患 者・
看護 師 問 におけるコ ミュ ニ ケー
ショ ンの 中で使 用 さ れ る 程 度,
時間,
量,
状態な ど を表現 する用語で,
その 人が主 観 的 に と ら え る言 語である.
研 究対 象
関 東 地 方にある
A
大学医学 部附属 病院であり, 精 神 科,
脳 外 科 お よ び 認 知 症の患者は除 く,
対 象の意思表 示が可 能 な 入 院 患者およ び看 護 師とし た.
患 者 :質問 紙 を 回 答 す るにあ た り
,
治療L
の支 障が ない と11
治医およ び看 護i
師長が判 断し た入 院患 者 ( 年 齢 18歳以 ヒ,
性 別 不 問,
コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン に 問 題 が な く, 本 人の 意思表 示が 可能な者,
自分で質 問 紙に記 入するこ とがで きる者,
もしくは代 筆で答え る こ とがで き る 者,
入 院後3
凵以 上経 過した者 )で, 研 究 参加に 同意した患者205
名(
男性102名,
女性 103 名 )で ある.
看 護 師 :研 究 参 加に 同 意 した師長を除 く看 護i
師219 名 (男 性 12 名, 女 性207名)
で あ る.
研究方法
1,
質 問 紙の作 成と内 容構成質 問 紙は織田の 分類
’
を参 考に,
看 護 場 面で使用 さ れ る程 度副 詞を用い た表 現と時 間,
量,
状態な どに関 桐生短 期 大学 紀 要,
第18号.
2007 56 する曖 昧な 日常用 語, 計24語を選 択 し,
入 院中の患 者 であれ ば誰 もが 経験す るバ イ タルサ イン の測定や陲 眠 状 況, 食 事, 排泄な どの観 察を行 う凵常 的な看 護援 助 場 面 (10問)と検査の 説 明や検 査デー
タの理解お よび 日常生活を送 る た めの 生活 指 導な ど正確な情報を授 受 する必 要がある看 護場 面 くL4
問)
を想定し,
そ の表現 の もつ 意味 や 状態をどの ように認 識 し た か を問い,
具 体 的 な 数字や 程度・
状態な ど多 岐 選択 肢 式また は自山 記 述式で 回答した.
質問 紙の作成にあ たっ ては,
臨床の場 面での 会話の 内容 が 不 自然にな ら ない ように10年以 上の実 務 経 験を 有 す る5
名の看 護 師の監修を受けた.
2.
デー
タ収集期間 平成18
年8
月1
円一
一
Y
成 18年 9 月30凵3.
デー
タ収集 方法 対 象者 に研 究につ い て文 書お よび 口 頭で説 明 を行 い,
同意を得た,
同意が得られ た もの に対 し質問 紙 を 配布,
各 自記 入 後 個 人用の封 筒に入れ,
病 棟内に設 置 した 回収ボッ クス に投函 する こ と とした.
自力で投 函 が困 難な場 合は,
研 究者が回収ボ ックス を 持っ て回 収 した,
1〜
2円の留め置 き法とし,
適 宜 回 収 を行っ た.
4.
ラ}析 方 法分 析は
,
統 計ソ フ ト はspss−
11.
5J
を使 用 し,
項目別 の 頻 度 はX2
検 定を行い,
平 均 値の差の 検 定は, t検 定 を行っ た.
倫 理 的 配 慮
本 研 究は,
群 馬 大学 医 学 部付属病 院倫 理委員 会 (臨 床 研 究)
の 審査 を受 け承 認を得た.
研 究参 加につ い て は研 究の趣 旨
・
目的お よ び期 間,
内 容,
個 人の プライバ シー
の保 護i
など研 究 説 明 書を用 い て文 書 お よ び口頭で説 明し,
協 力を求めた.
質問紙 調査票は無記 名とし,
個 人が特 定で きない ように個 人 用の封 筒 に 入 れ,
回収ボッ クス に投 函 した.
また質 問紙 記入にあた り,
IO分程度の時間を有する た め,
時 間の拘 束に伴 う心身両 面の負 荷や,
ス ト レス を与える恐 れ が あるこ とか ら体調・
時問等の都合 には 十分 配慮して行っ た.
結 果
1.
基本 属 性研 究対 象は
,
関朿地 方にあるA大学医学 部附属 病院 であ り,
精 神科,
脳外 科お よ び認 知症の患 者は除 く,
対象の 意思表示 が 可能な 入 院患 者205
名 (男 性 102 名,
女 性 103 名 )で あ る.
年 齢は18〜
84 歳,
平 均 年 齢 N工 工一
Eleotronio Library5852
± 15.
38
歳 (平均 値±標準 偏差),
入 院回数は1回〜16
回であっ た,
ま た師 長を除 く看 護 師219
名 〔男性12
名,
女性207
名 )である.
年 齢は21〜
59 歳,
平均 年 齢 30.
30±7,
76 歳.
看 護 師 経 験 年 数は 1年未満〜
42 年,
平均 勤 務 年 数8.
40±7,
60 年であっ た (表 1).
2.
看 護i
師,
患 者における曖 昧 表現の認 識の比 較1
)日常 的な看護 援 助 場 面 日常 的に会話が交わ さ れ る看護援助 場 面と して 設 定 し た朝の患 者 情 報を得る観 察場 面で は,10
語 中5
語 (50.
0%)に有 意差が認め ら れ た(
表 2)
.
これ らの有 意差 が 認め ら れ た 瞹 昧表現につ い て看 護 師, 患 者の認 識 状 況 を み る と
,
朝の挨拶後,
患者の状 態を確認する た め の表現 として,
“
ご気分 はい か がで すか”
に 対 す る 「と く に 変 わ り ない 』は,
看 護 師では 「症状はある が, 生活に支障 が ない状態 (以下,
生 活 に支 障がない 状 態 )」が74,
8%と1種 類の状 態に高率で あっ たが , 患 者は 「生活に支 障がない状 態 」 45.
3%, 「特別 な症状 が ない状態」 31.
3%の2 種類の状態の とら 表1.
基 本 属 性看護師
患者 性別 男性12
人 (5.
5
%)102
人(
49.
8
%) 女1
生207
人(94.
5
%) 正0
人 (50.
2
%) 平均年齢 (歳)30.
30
±7.
76
歳58.
52
±15.
38
歳 年歯編2
ト59 歳
18〜84
歳 看護師経験年
数1年
未満〜
42 年 平均経験年数8
.
40
±7.
60
年 入院回数 (國1〜16
回 平均
入院回数
2.
55
±2,
35
回 表2,
日常的 に会話 が交わ さ れ る援助場 面 に お け る 看 護師,
患者の 比較 看護師 患者 p 値 特別 な症状がない状態12.
4
%(27
)3L3
%(63) 症状はある が,
気分はい い状態1L5
%(25> 18,
4% (37) 「とくに変わりな副 症状はあるが,
生活に支障がない状態74.
8
%(163
)45.
3
%(91
) ナ★ ★ 生活に支障がある状態0,
0
% (0
) 0.
5% その他 L4% (3) 4.
5% (9) 「何回も」 夜間の尿回数 (回魏 3.
91±1,
243.
46
±1.
31
歯歯 ★1
時間も眠れない状態 O.
0% (0)3,
0
% (6
) 朝 2〜
3時間眠れた が,
目が覚め た状態 42.
9%(91) 43,
7%(87) の 病 「あまり眠れない」3〜4
時間眠れた が,
目が覚め た状態 44.
3%(94)382
%(76
) 室 5〜
6時間寝ているが,
熟睡感が ない羽凝鬟 10.
8%(23) 12.
1%(24) で の その他 L9% 3,
0% (6) 会 「ちょっ と熱っぽ い」 帳 島 (℃)37.
11
±0.
20
37.
15
±0,
36
話 「血圧 が少し高め」 鞴 期血旺 (夏nmHg > 142.
67±7.
68 142.
60±12.
41 恤圧働 拡張期衄i
(mmHg ) 87.
44±7.
77 86.
73±11.
15 「少 し食べた1
食事量 (割合)2.
54±.
76
3.
46±1.
69 歯究 ★ 「けっこう食べた」 食事量 (割合)7.
34
±1.
08
7.
31±L49 1日の尿回数(回魏 5.
30±1.
386.
21
±2.
11
歯 ★ ★ 「ま あま あ出て いる」1
日の尿量 (ml )93181
±509.
541075
.
10
±618.
68 士 「少々お待ちくだ さい」 時間 (分) 6.
72±4.
04 7.
27±4.
45 ナ ー ス コ 「 ただいま伺います」 時間 吩)1,
94
±1.
37
3.
13±2.
99 央歯雲1
しド
ノ 選択肢式の項目はX:
検定,
そ の他はt検走 表の数値は百分率 (ノtWK)お よび平均値±標準偏差値 *pく0,
05,
* *〈0.
Ol,
* **く0,
001
57 桐生 短 期 大 学紀要,
第18号.
2007NII-Electronic Library Service え方をし てい た
.
その他の 記 述で は, 「前日と変わ り ない状 態」や 「熱が なく, 睡 眠が とれ て, 食 事がとれ てい る状 態 」 「看護i
師さんの 手を借りずに自分で で き る状 態 」 などの 回答 もみ られた.
“
夜間, 何回 も トイレに行っ た”
の意 味する 『何 回 も』は,
看 護師3.
.
91
± 1.
24回,
患 者3,
46±L31
回で あっ た.
看護師の 回答では 「数回」 「頻 同」な どの記述 も み ら れた.
食
事
摂 取 量の 確 認の た めの 『少 したべ た』の食事
量 は,
看 護 師2.
54
±0.
76
割,
患者3.
46±L69
割で あっ た.
看 護 師 は 「2 〜3
割 」 が81.
6
%,
患 者 は63.
4
% と最 も多
い が,
看 護 師は 「6
割 」以L
と と ら え た回答は な かっ た が,
患者は 「1
割」か ら 「10
割」とすべ ての幅に回 答してい た.
排 泄の確.
認のため の“
お小 水は出てい ますか”
に対 する 『まあまあ出てい る』の1
日 の尿 囘数の と ら え方 は,
看 護 師は4〜
5回に集 中し て お り,
患 者で は5〜
8回 と広い 範 囲で と ら え,
rP
均 値は看 護i
師 5.
30±1.
38 回,
患 者621
±2.
ll回であっ た.
尿量につ い て は,
平 均 値 は看 護 師93L81 ±509.
54ml,
患 者 1075.
[0±618.
68ml で あっ た.
患 者か らの点 滴 終了の ナー
ス コー
ル に対 する看 護 師 の 「ただい ま伺い ます 』は,
看護 師 1.
94
±L37
分,
患 者 3」3±2,
99 分であっ た,
自由回 答の 中に は,
看 護 師 は 「0
分」や 「す ぐ」とい う記述 が あっ たの に対し,
患 者は 「来て くれる まで待つ」とい う回答が みられ た.
日常的に会話が交わ さ れ る場面で,
有意.
差 が認め ら れ な かっ た用語は5
語で あ り,
各々 の 曖 味 表 現の 認 識 状 況 を み る と,
“
咋日 は 眠 れ ま した か”
に対す る 患者 の 「あ まり眠 れ ない 』は,
看護師,
患者と も 「2〜3
お よ び3〜4
時 間 は 眠 れ た が,
眼 が覚め た 状 態」が80.
0
% 以 上であり,
看 護 師,
患者と も同様の認 識であっ た.
その他の記 述では,
患 者 は 「う とうとし てい る が,
熟 睡 感 は ない」 「寝つ き が 悪 く,
な か な か 眠 れ ない 」な ど睡 眠導入の状 況や睡 眠の質を表現 する もの が記さ れ てい た.
「ちょっ と 熱っ ぽい 』の示 す体温は
,
「37.
0
℃」が看 護i
師63.
O
%,
患者 が49.
7
%であっ た.
回答は,
整 数 回 答 と 「37.
0〜375
℃」な ど範囲 を持っ た 回答が み ら れ た が,
両 回答を あわ せ る と同様の範 囲に とらえてい た.
「血 圧 が 少 し 高 め』の収縮 期 血 圧 は
,
看 護 師 142.
67
±7.
68mmHg ,
患 者 142.
60
±12.
41mmHg で あ り,
看護 師・
患 者とも 「140〜150mmHg
」が82.
2
%,67.
8
% と最 も多
か っ た.
拡 張 期血圧 は , 看 護 師87 .
44 ± 7.
77mmHg,
患 者 86.
73±11.
15mmHg で あ り,
「80〜
桐生短期 大 学 紀 要,
第18岑・
,
2007 58 90mmHg 」が看 護師75,
0%, 患 者 65,
1% と, 看 護 師・
患 者とも同様にとらえてい た.
『けっ こうたべ た』の 食 事 量は, 看 護 師7,
34
±】.
08
割, 患 者7.
31
± 1.
49 割であ っ た.
点滴 施 行 前の “お トイレを済 ませて少々 お待 ち くだ さい”
の 『少 々』の 示 す 待 ち 時 間は , 看 護 師6,
72
±4.
04
分,
患者は7,
27
±4.
45分で あ り,
看 護師・
患 者 と も 同様にと ら えてい た.
2)検査説明や指 導などの看 護援 助場面 検査説明 や指 導な どの 看護i
援 助 場 面では,
14語 中ll語 (78,
6
%)に有意 差 が認めら れた.
こ の う ち検査につ い ての説 明に使 用 し た 曖昧 表現 は6
語 すべ て に,
ま た 生活 指 導につ い て の曖 味表 現で は8
語中5
語に有意 差 が 認 め ら れ た(
表3
).
有意差の認め られ た曖昧 表 現をみ ると
「
夕食後 』の 時 刻に関し て は, 看 護 師は 「19時 」が54.
2%と集中し てい た が,
患 者は 「19時」が38,
9
%,
「20
時 」が21,
7%,
「21 時」が23.
2%と広い 時間幅の回答が認め ら れ た.
看 護 師は 「21 時」以降の 回答はみ ら れ な かっ たが,
患 者 は最 大 「23 時」までと ら えてい た.
『しば らくお待ち 下 さい』の 示 す待ち時 間は,
看 護 師は19.
52±12,
99 分, 患 者は16.
51±17.
61 分であっ た.
看 護師は最大 「90分」である が, 患者は最大 「t80分」 で あ り,
「来てくれ るまで待つ 」と言 う回答 もあっ た.
また 『禁 食 』の状 態は, 看 護 師は 「水や お茶だけな らい い状 態」が
85.
7% と集 中し てい たが,
患 者は 「水 やお茶だけな らい い 状態 」,
「水分や食 事 も食べ ら れな い 状態 」の2項目のと ら え方を しており,
各々57.
6%,
34,
0
% であっ た.
同様に 『安 静 』,
『かなり良 くなっ た』,
「調 子 が 良い』な どの状 態 も 『禁食 』と 同様に,
看 護 師では・
つ の 選択 肢に高 率に集 中し た回答が認め られ,
患者では2・
−
3つ の複 数の選択 肢に回答が認め ら れ た.
「少 しく らい 」の示 す 喫 煙量 は, 看 護 師は2
.
40±1,
45
本1
日 であるが,
患 者は3.
85
±3.
79
本1
日 であっ た.
看護 師の 回答は,
「5
本以内ノ日」が98.
0
% である が,
患 者は86,
5
% であ り,
最 大 「20 本1
凵」とい う回答もみ ら れ た.
看 護 師の“
アル コー
ル は 時々 な ら飲 んでもい いです よ”
と 患者に指 導 し た場 合の 『時々 』は,
看 讓i
師L28
±0.
75回1
週,
患者 1,
83
± LO2 回ノ週で あっ た.
患者 の最 大値は 「7
回1
週 」と毎日を示す 記 述もあっ た.
『飲 ん で もい い』とい うアル コー
ル量 は,
看 護 師,
患者と も 「ビー
ル350m1
缶 」が看 護 師51.
9
%,
患者59,
4
%と同 様に高い が,
看 護 師は 「コ ッ プ1
杯 程 度 」が44.
9
% と 患 者 に 比べ 高 率であ るの に対 し,
患 者で は 「500ml
缶 N工 工一
Eleotronio Library1本 」が109 % と看 護 師に比べ 高 率である ことが認め と思 う程 度 」とその 入の主観 的な量を示 す 回答もみ ら られた
.
その他の回答で は 「軽 く酔っ て気持ち がい い れ た.
表3,
検 査 説 明 や 指 導の援 助 場 面にお ける看 護 師,
患 者の比 較 看護師 患者 P値 「夕食後」 時刻 19時26分±015119 時39分±1;03 蜘 食事が食べ られない状態1.
4
% (3
) 7.
4% (15)馨
「禁食」 食事は無理 だが,
牛乳やジュー
スな ど流動物はい い状態 水やお茶だけな らい い状態 2.
8% 85.
7%(186> 1.
o% 57.
6%(11の 虎 歯冑培
水分や食事 も食べられない状態 10ユ%(22> 34.
0% (6 い て 体の向きを変えず上を向いたままの状態 14.
6%(31
) 8.
5%(17) 匁 ベ ッド上で横を向く程度はい い状態 60.
6%(129) 38.
5%藷
「安静」 ベッ ド上で体を動かしたり起 きてもい い状態 U.
3%(2の 20.
0%(4 忠士★ トイレの時のみ動いてもい い状態 6.
1%(13) 33,
0%(66) その他 7.
5%(16) 0.
0% (ω 「しばらくお待ちください」 時間 吩 ) 19.
52±12,
9916.
51±17.
61 歯 正常値 23% (5
) 2.
5% (5) 境界域 19.
2% (41) 5.
0% (1ω 検 査 縉 果 「かなりよくなった」 正常値に近い状態 正常値でないが,
前回より改善した状態 46.
3% (99) 30.
8% 44.
0% (8匐 47.
5% (95) 歯六肯 に その他 L4% (3) 1,
0% つ し、 特別な症状がない状態 13.
4% (29) 21.
3% (43) て の 演伏はあるが,
気分 はい い状態 71.
9%(156) 53.
0%(107> A藷
「調子が良い」 症状はあるが,
生活に支障がない状態 14.
7% (32> 24.
3% (49) ★★ 生活に支障がある状態0.
0% (0
) α5
% (正) その他 0.
0% (0> 1.
0% (2> 1週間 くらい前52.
8
%(115) 34.
3
% (68}2〜3
週 間前 26,
6
% (58)263
% (52
} 「.
最近」 1ケ月前 17,
4% (38) 28.
8% (57) *歯 * 2−
3ケ月前 3.
2% &6% (17) その他 0,
0% (ω 2.
0% (4
) 「体重力囎 える」 増加量 (kg
) 2.
83±1.
18 2,
81±L40 「運動量 を増 やす」 時間 吩) 24.
39±1.
1.
0028.
39±16.
71需
忠
毎日3食食べること5.
8% ω 6.
7% (13) 生 活 指 導 に 「バラン ス よい食事」 好き嫌いをしないこと 野菜,
肉,
魚,
果物な ど何でも食べる こと 1日30品目食べる こと 9,
6% (2 673%(1翻 12.
0% (25) 13,
4% (26) 68.
0%(132) 93% (1匐3
その他 53% (11) 2、
6% (5) て の 矧ヨ 7.
0% (15) 8,
6% (15> 会 話5−6
回/週12.
1
%9,
1
% (1
「た まには」瀕 度) 3〜
4回/週 26.
o% (56) 20.
6% (31−2
回/週 54.
4
%(1切58.
9
%(103
> その他 O,
5% (1) 2.
9% (5)1
少しくらい」 喫煙本数 体 /日)2.
40±1.
45 3.
85±3.
79 霊忠 歯 時々」 頻度(回数/週) L28±0.
75
1.
83
±1.
02
大大 士 コ ップ1杯程度 (180ml) 44.
9% (926.
6% (51> 「飲んでもいい」 (量) 350ml缶1本 500【皿卸 本 5L9%(U1) 2,
3% (5) 59.
4%(11の 10,
9% (21> 士六★ それ以上 LO% 3.
1% (6
) 選択肢式の項目は7.
7 検定,
その他はt検定 表の数値は百分率 (人数)お よび平均値±標準偏差値 *p〈O.
e5,
**〈0.
01,
* * *<0.
001
59 桐 生 短期 大 学紀 要.
第18.
号.
2007NII-Electronic Library Service
考 察
1.
看 護 場 面における曖 昧 表 現の認 識の特 徴1
) 日 常 的 な看 護援 助場而 日常 的な看 護援 助 場 面は,
入院 中の患 者であれば誰 も が経 験 するバ イタ ルサ インの 測 定や夜 間の 睡眠状 況,
食 事,
排 泄な どの観 察を行 う場 面であり,10
語 中 5語 (50.
0%)の瞹昧表現に有 意な 差 が 認め られた.
「とくに変わ りない』は
,
看 護 師は,
生 活に支 障 が ない 状 態 と限ら れ た認 識を して い る が,
患 者は症 状 が まっ た くない状 態か ら 牛活に支障を生 じる状態まで さ まざま なとらえ方 を して い るこ とが 認 め ら れ た.
患 者 は特別な症状がない こ と がベ ス トで あるもの の,
入 院 とい う不慣れ な 環 境で生 活 を してい ること か ら,
現 在 の症 状 を基 準に良 くも悪 くもなっ てい ない状 態 を 『変 わ り ない 』と と ら えてい る と思 わ れ た.
トラベ ル ビー
S/ は,
「決まり文句や自動返答の使 用はコ ミュ ニ ケー
シ ョ ンを 妨 げ 途 絶 さ せ る,
“
決ま り文 句”
と は 『ご気 分 はい か がで すか ?』 「大 丈 夫ですよ』な どあ りふ れた 無意味 な質問で あ り,
看護 師 が 決 ま り文句を言え ば,
患者は従 うよ うに自動 的に反応 して し まうの である.
」 と述べ てい る.
本研究の結 果か ら も,
患者の解 釈 する 『変わ りない 』と看 護 師の解 釈 する 「変わ りない』が一
致してい ない こ と は 明 ら かであ り,
患 者の この言 葉 を 額 面 ど お りに受 け取る な ら ば,
看 護 師は とくに支 障 が ない 状 態と判 断を するこ と になる.
こ の誤っ た認 識 の ま ま で は 患 者の 真の状 態 や 想い をつ か むこ とは不可 能であ り,
看 護行 為に重 大 な誤り を もたらすこ と とな る.
看 護師は決ま り文 句や自動 的 反応を す る ような 言 葉は使 用せ ず, 患 者の 状 況に応 じ な が ら言葉を 選 択 し, 情 報を収 集 する必 要 がある と思われる.
体温 に 関 す る 認 識 は
,
看護師・
患者と も 「37.
0
℃」 に集中 して い た た め,
統 計 的 な イ∫意差 は 認め ら れ な か っ たが,
看 護 師は 「37.
0・
一
一
37.
5
℃ 」の 範囲で と ら えて い た が, 患 者は少数な が ら も 「35,
0〜38.
0
℃」まで 幅 広い 範囲で回答して い た.
血 圧 に 関 す る 認 識 も 同 様の 結果である こ と か ら, 看 護 師は正 常値やWHO の 血 圧 のガ イ ド ラインなど基 準 値を判 断基準 にとらえ,
患者 は個々の 身体状 況 を 判 断 基 準 にと ら え る 傾 向 が 伺 え た.
体 温 畑.
圧 など個別的 なデー
タで ありな が ら有 意 差が 認めら れ な かっ た理 由と して, バ イ タル サ イン測 定は看 護 行 為で ある もの の 口常 的に計 測 さ れてお り,
測 定結果は数 値で表現 され る た め,
患者 自身が 自分の 状態とし て その値を 理解して い る こ とや 情 報 ネッ トワー
ク の普 及 か ら 正常 値や合 併症な ど医 療 情報の知識 が 桐 生短期 大学 紀要.
第18弓』
.
2007 6〔} 高まっ てい るこ となどか ら共通 認 識に 至 っ てい る こ と なの で は ない か と思われ た.
時 間に関する曖 昧表現で は, 「少々お待 ちくだ さい 』 や 「た だい ま伺い ます 』と も看護 師に比し
,
患 者の 方 が1分以一
ヒ長 くとらえてい た.
「ただい ま』
は織田の 分 類 7 )に おい て 「た だちに」,
「す ぐに」を示 すごく近 い心理的 未 来 表現の用 語 とさ れてい る.
看 護 師 は 「0
分」, 「す ぐ」とい う回答がみ ら れ,
用語の持つ意味と 同様であ り,
す ぐ に 行 動 を 開 始 しよう と考えてい る が, 患 者の 認 識 して い る時間の相違 を考える と,
実 際 に は行 動 を 開 始できて いない とい う現 状 が 伺 え る.
ま た 「少々』や 「た だい ま』な どの ご く近い心 理 的未 来 表現におい て は,
待たせる 側(
看護i
師)
に比べ,
待つ 側(
患 者)
は,
その時 間を長く と ら えてい る,
これ は 待つ 側 (患 者)
は その時 間 を何 か 目 的のも と待っ て お り,
受 身の状 態で ある.
ま た そ れに付 随し,
入 院 環境 や治 療な ど さ ま ざ ま な心理的影 響を受け やすい ことか ら,
実 際の時 聞より長 く感じてい ると思わ れ た.
時 間 に対する考え方は,
その 人の性 格を表し地 位や文化に よっ て影響 さ れ,
話の 前後 関係や時 間を述べ る人に よ っ て も受 け取る人に よっ ても その意 味は違 う3℃と報 告 されてい る.
患者は 入院 と言 う環 境の変 化や疾 患・
治 療に よ る不安か ら心理的影 響を受け やすい.
た とえ同 じ時間で も患者の状態や状 況によっ て1分が10分に も 感じ るこ と が ある,
時 間に鬨 する提示は,
患 者の理解 度に応 じな が らそ の状 況を判 断し,
客観 的なデー
タと して示 すこ と も必 要であ る と思 わ れ た.
量に関 して の瞹昧 表現 をみ ると,
看護 師は食事量:の 『少し』を3
割 以 下,
『けっ こう』を 「6割以 上」と と ら えて お り, 患 者は 「少 し』も 「けっ こ う』も 「1〜10
割 」と同様に幅 広 く認 識 してい る傾向が 認 め ら れ た.
患 者 は 自 分の身 体状 態や状況に応 じな が ら個 別 的な判 断 基 準 を お き,
食事量 を 認 識 し てい る と思 われ た.
「まあまあ で てい る』の
一
凵 の尿 回数と尿量におい て は,
看 護 師も患者も 「100〜3000m1
」と か なりの 同 答幅 が み ら れ た.
ま た 患 者 は 「.
出てい れ ばい い 」,
「普 段 と変わら ない 量」とい う回答もみられ た,
これ は尿 鼠と しての認 識 が 既存の知 識 に ない こ とや,
飲水 量 や 不 感 蒸 泄 などに よ り毎日の尿 量 は 変 化 す る とい う状況 をと らえた認 識で あるこ とが推察
さ れ た.
ま たこ の回 答幅 か ら考え る と 回 答の と ら え方が1
回 量 か,
咽 量 か 混在 して い る と思 わ れる結 果で もあっ た.
しか し“
1
日の尿 量は どれ く らいか”
の 質 問の提 示におい ての結 果で あ り, 看 護 師 も患 者 も 「尿 量』と言 う表現の もつ 解釈は同様である.
つ まり今回 提 示 した 「尿 量』とい N工 工一
Eleotronio Libraryう表現は個 別 的に認 識して い る幅の広い解釈が さ れる 曖 昧な表現である と考 えら れ た
,
日常的 な看 護援 助場 而で は,
バ イタ ル サ イン,
食 事,
排 泄等の観察場 面であり,
これ ら は 入院し てい る か否かに限 らず,
日常生活に おい て誰もが経 験し てい るこ とが多
い.
入 院 したこ とに よ る環 境の変化はある もの の過 去 や 現在の生活 経 験か ら,
瞹 昧 表現を使 用し て も比較 的共 通 認識がで き,
情 報が共 有で きてい ると 思 わ れ た.
2
) 検 査 説 明や指 導 などの援 助場 面検査説 明や生活 指 導の 場 面で は
,
14語Ilrll 語 〔78.
6%)に有 意な差が認め られた.
とくに検 査の 説 明や検査結果につ い て提 示 した表現のすべ て に有意 差 が認め られ た.
囗常 的な看 讓
i
援助 場 面 と同 様に検 沓・
指 導の場面で も,
看 護 師は1つ の回答に集r[iし,
患 者で は2 〜3
つ の 複 数の 回答が 認め ら れ た.
これ は看 護 師と患 者の認 識 に相 違があり,
曖昧 表現 が 共 通 理 解の障害になっ てい るこ とを意味 してい る.
検査や生活 指 導は一
般 的に行 われて い るもの で はな く,
経験の ない患者もい る.
し か し検査の準 備 や検査デー
タ,
お よ び日常 的に生活を 送る た めの生活指 導は正確に授 受 する必 要がある情 報 である.
小 六゜.
が,
曖 昧 表 現は人によっ て言 葉に対 する イ メー
ジや 尺 度 が 違うた め,
医療現 場では混 乱を招 くμ∫能 性 が あ るこ と を述べ てい る ように,
看 護 師・
患 者間で 共 通 認 識 がで きて い ない とい うこ とは,
情 報の伝達に 支 障 を き た す 恐 れ が あ り,
検査結 果の認識の違い や そ れに 基づ く生活指 導は患 者の予 後に影 響 を及ぼす可能 性が ある.
内 容 によっ ては 医療 事 故につ な がる危 険 性 も ある こ と か ら, 曖 味 表 現の使用は細 心の注意 が 必要 であると考 えられる.
「禁 食』, 『安静』などの示す 状 態や 『か なり良 くな っ た』
,
「調 子が よい 』な どの体の状態を表現 す る 用 許 は個人を基準 に した表現であ り,
その 人の持つ 知 識や 背景, 価 値観
過 去に関 する デー
タの 量 が 基準 値を決 定 する.
「禁 食』, 「安静』などその ま まの表現で使用 せず,
状 況を客観 的に説 明 する必 要 が ある.
ま た 「か な り良くなっ た』,
『調 了 がよい』はその 人の もつ 基 準 か ら どう変 化し た かの 身 体の状態の推 移 を表 すた め,
言語 的な表 現の もつ 情 報だ けでな く,
継 続 し た 客 観 的 デー
タも含め て観 察し, 精 度の 高い 情 報として い か な けれ ば な ら ない.
また 『時々』の頻度 や 「少し く らい 』 の量に おい て も有 意 差が 認 め ら れ た.
これ は 喫 煙や飲 酒の指 導に対して の 場面 設定で あっ た た め,
看 護 師の 61 職 業 的 知識やその人の持つ 背 景 , 過 去に関 するデー
タ の 量や その人の持つ 基 準 値が左 右し た結果で ある と思 われ た.
と く に嗜 好品 などの 指 導は,
瞹 昧表現 を使用 し た場合, 個 別の 主観的 な 理解に なっ て し まうため 適 切 な指 導に な ら ない危 険 性 が あ るこ とが 示 唆 さ れ た.
検 査説 明 や 指
導
の場 面で は,
入 院 や検査 など初めて の経 験や精 神的にス トレス をワえる環 境 に あ る.
ま た一
般 に使 用 されてい る と思 わ れ る用語であっ て も,
入 院とい う環境の変化や精神的ス1
・
レ ス の 中で用語の持 つ 意味は 変化して く る と思 わ れ る.
検 査や生 活 指導な ど止確な 意味内容で認識 する必要 が あ る看 護 場 面で の曖 味 表現の使 用は,
看 護の目標 達 成におい て障 害を も た らす 危 険性があるため,
曖 味 表 現や程度 表 現は使 用せず,
患 者の状 態や背 景に応じ た 客 観 的な情 報を提 供し なけれ ば な ら ない と考 えられ る.
ま た客 観的 な情報を提供 した 上で確 認を行い なが ら情 報をフィー
ドバ ック し,
看 護 師・
患 者間の相互 理 解のできる情 報に し て い く必 要性がある と思わ れ た.
本
研究
の限 界
と今後
の課
題 本 研究は,
質問紙に よ り看 護場 面を設定して患 者・
看護 師の曖 昧 表現の認 識 を調 査 した た め, 普 遍 化 す る には限 界がある。
今 後は, 実際の看 護場 面 に お け る 瞹 昧表現の使 用 状 況や認識を明らか にし
,
また看護 師の情 報の取 り込み 過程に お ける臨床判 断 が 明 ら か に で き る ように研究 デ ザ イン に検 刮 を加 え, 検 証 して い く必 要がある.
ま と め本 研 究は
,
患 者205
名 (男性 102名,
女 性 103名 ),
看 護 師219
名 (男性 12名,
女性 207 名 )を対 象に, 看 護場 面 にお ける患者,
看 護 師の曖 昧 表現の 認 識を明ら か に するこ と を目的に分析 した,
看護 場 面におい て使用 さ れる曖 昧 表現は,
日常 的に 会話が交わ され る場 面に比べ,
検 査説 明 や指 導な どの 看 護 場面の ほ うが有 意な差が認め ら れ た,
こ れ らの結 果か ら,
検査や指 導の場面な ど正確な意 味 内容で認 識 する必 要 性がある看 護 場面で の曖 昧 表現の使用は, 看 護の 目標達 成 におい て障 害を も た らす危 険性がある こ と,
患 者・
看 護 師 間の相互 理解の ため に は,
言 葉のも つ意味 や 曖昧 表 現の 認識に柑 違 が あるこ と を理解し,
状 況に応 じた客 観 的な情報を授 受し てい く必 要 性が示 唆さ れ た.
桐 生 短 期 大学紀 要.
第18号.
2007NII-Electronic Library Service
謝 辞
本 研 究の実 施 に あた り
,
研 究へ の協力 を 承 諾 し,
貴 重な時問を割い て ご協
力い た だき ま した患 者 およ び看 護 師の皆 様 に 深 く感 謝い た し ます.
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看 讓i
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Recognition
ofAmbiguous
Expression
amongPatients
andNurses
in
Nursing
Scenes
Hiroko
Joboshi
Abstract
The purpose of this study was tく)clarify
h
く}w tcchnical terlns or amb 三guous exprcssions,
which may obstruct communicadonin nursing scenes
,
are recognized,
and to clarify any differences in recognition among nurses andpatients
.
We conducted aques−
tionnaire sLirvey of 205 hospitalized patients (102 male
,
103 female)and 219clinica】nurses except head nurses (12職 de,
207female)at University Hospital A in the Kanto area
,
and analyzed the results.
As a resultit
was recognized that 50ut of 10terms(50
,
0%) used in daily nursing care scencs and 11 out of 14 tcrms (78.
6%)used in nursing care scene ∬ uch as explaining exam−
inations and instruction were found to differ significalitly
.
compared to scenes inwhich regular conversation is exchanged on a dailybasis
.
It
was concluded that the use of ambiguous expressions in nursing scenes,
such as cxaminations or instruction,
which require semantic content to be recognized correctly,
mightplace
obstacles in the way of achieving their goals in nursing,
This study alsosuggests the importance of both understanding the differences in recognizing the implication of a word or ambiguous expression , and communicating objective information depending on the situation
,
to aid mutual understanding between patients and nurses.
Keywords :Patient, Nurse, Ambiguity expression , Clinical
judgment
桐 生 短 期 大 学 紀要