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JAIST Repository: バイオ医薬品に関する国際的な特許分析

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Academic year: 2021

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title バイオ医薬品に関する国際的な特許分析 Author(s) 加藤, 浩 Citation 年次学術大会講演要旨集, 24: 418-421 Issue Date 2009-10-24

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/8661

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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1I12

バイオ医薬品に関する国際的な特許分析

○加藤浩(日本大学大学院法学研究科) 1.はじめに 近年、多くの発展途上国において、TRIPS 協定の履行に伴う国内法改正が積極的に推進され、 国内でイノベーションへの関心が高まる中、国内経済も大きく発展してきている。しかし、バイオ 医薬品の分野においては、専門性の高い研究人材、研究設備が必要であること等の理由から、発展 途上国におけるイノベーションがまだ十分に軌道に乗っていないという見方もある。 本報告では、発展途上国におけるバイオ医薬品に係る特許出願を国際的に分析した結果を紹介し、 バイオ医薬品に係る特許出願の国際比較を行う。そして、発展途上国における最近の特許出願の全 体的な傾向を分析した上で、今後、発展途上国において、バイオ医薬品分野のイノベーションを推 進するための課題について考察する。 2.途上国における特許出願の傾向1【国籍別分析】 ここでは、バイオ医薬品に係る特許出願の背景として、アジア諸国の特許出願の状況を示す。 現在、アジア地域における知的財産制度については、TRIPS 協定の履行、又は WIPO を中心と した国際的制度調和へ向けた国内法制への適合等、様々な制度改革が推進されているところである。 その結果、多くの国において、特許出願が増加する傾向にあることがわかる。 (1)韓国 ○韓国においては、1995 年に TRIPS 協定に加 盟して以降、知財制度の整備が積極的に推進 されており、その結果、特許出願は、1995 年以降で大きく増加している。 ○特許出願件数を出願人の国籍で区分すると、 1995 年頃から国内の出願が外国からの出願 を上回り、TRIPS 協定の効果が国内産業に 影響したことが示唆されている。 (2)中国 ○中国においては、2001 年に TRIPS 協定に加 盟して以降、特許出願が急増しており、 TRIPS 協定への加盟が、特許出願に影響し たことが示唆されている。 ○中国では、国内の出願と外国からの出願がほ ぼ同数であり、TRIPS 協定は国内産業にも 大きく影響していることが示唆されている。

1 WIPO,“Measuring the Economic Impact of IP Systems”

図1 韓国における特許出願の推移

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(3)インド ○インドにおいては、1995 年に TRIPS 協定 に加盟して以降、1999 年、2002 年、2005 年 に特許法の改正(TRIPS 協定の遵守)が行われ、 1999 年から 2005 年の間は、特許出願の増加が示 されている。 ○特許出願件数を出願人の国籍で区分すると 2005 年から内外からの出願がともに増加しており、 TRIPS 協定の効果が外国のみならず国内産業に 影響していることが示唆されている。 3.バイオ医薬品に係る特許出願の国際比較【技術別分析】 バイオ医薬品の分野においては、バイオテクノロジーなどの先端技術が適用されていることから、 これまでは先進国を中心として特許出願がなされてきた。しかし、1995 年に TRIPS 協定が成立し、 途上国において TRIPS 協定の遵守が推進される中、途上国においてもイノベーションへの国家的 な取組が徐々に推進され、最近では、特許出願が大きく増加する国も多い。 このような状況下、バイオ医薬品の分野においても変化が見られ、途上国において、出願件数は 少ないものの、徐々にバイオ医薬品に係る特許出願が行われるようになってきた2。例えば、バイ オインフォマティクスや遺伝子機能解析技術については、中国・韓国からの特許出願が高い傾向が 示されている(図4)。 2 特許庁「産業財産権の現状と課題(2009 年度版)」(特許庁年次報告書)2009 年 図4 技術分野別 出願人国籍別 特許出願シェア 図3 インドにおける登録特許の推移 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 1995 -199 6 19 96-1997 1997 -199 8 19 98-1999 1999 -200 0 2000 -200 1 20 01-2002 2002 -200 3 2003 -2004 200 4-20 05 2005 -2006 200 6-20 07 200 7-200 8 N um ber o f P at ent A pp lica tio ns Indian Foreign 図3 インドにおける特許出願の推移

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バイオ医薬品の分野についてさらに分析すると、バイオ医薬品の分野全体で、途上国(中国、韓 国を含む)からの出願比率の増加が示されている。(7%→10%:図5左)また、先端技術の事 例として、再生医療分野の出願に限定して分析しても、途上国(中国、韓国を含む)からの出願比 率の増加が示されている。(15%→20%:図5右) 4.バイオ医薬品に係る特許出願の国際比較【事例研究】 次に、バイオ医薬品の分野における典型的な医薬に焦点を絞り、途上国からの特許出願の事例に ついて具体的に調査した結果を報告する。以下(1)~(3)に示されるように、最近では、途上 国からもバイオ医薬品に係る特許出願がなされる状況である3 (1)エリスロポエチン エリスロポエチンは、造血剤として知られている。 日本への出願を国籍別に分析すると 右図に示されるように、日米欧の出願が大半を占め ているが、一部、途上国からの出願も見られる。 本発表において、途上国からの出願の内、インドとイスラエルの出願内容について紹介する。 (2)インターフェロン インターフェロンαは、抗ガン剤の一つとして知 られている。日本への出願を国籍別に分析すると右 図に示されるように、日米欧の出願が大半を占めて いるが、一部、途上国からの出願も見られる。 本発表において、途上国からの出願の内、オーストラリアとキューバの出願内容について紹介す る。 (3)プラスミノゲンアクチベーター(TPA) TPAは、血栓溶解剤として知られている。日 本への出願を国籍別に分析すると、右図に示され るように、日米欧の出願が大半を占めているが、 一部、途上国からの出願も見られる。 本発表において、途上国からの出願の内、中国とメキシコの出願内容について紹介する。 3 データは、いずれも、2000 年以降に日本に出願された特許出願を対象として分析した。( )内の数値は、出願件数。 USA (21) Europe (11) Japan (7) Others (3) USA (82) Europe (41) Japan (4) Others (15) USA (53) Europe (14) Japan (8) Others (7) 図5 バイオ医薬品における出願人国籍別 特許出願シェア 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1991-1999 2000-2004 Others KR CH EP US JP 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2002-2003 2004-2006 Others KR CH EP US JP バイオ医薬品 再生医療分野

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5.考察 ~途上国におけるバイオ医薬品の研究開発の促進に向けて~ ○バイオ医薬品に係る特許出願は、現時点においては、日米欧からの出願が多いことが示されたが、 途上国からの出願も徐々に増加していることも示された。近年、途上国では、知財政策が推進さ れ、特許出願が全体的に増加する傾向にあるが、バイオ医薬品などのハイテク分野の出願も積極 的に行われるように、イノベーション向上に向けた国家的な取組みに期待したい。具体的には、 知財政策をハイテク分野に選択・集中するという方法が考えられる4 ○バイオ医薬品に係る特許出願を途上国から出願するためには、国内企業独自の技術力のみでは困 難な場合があると考えられるので、何らかの対応策が必要である。具体的には、本報告の事例に 示されるように、大学からの出願(中国の事例)に対して産学連携を行うアプローチや、日米欧 の企業と共同出願(イスラエルの事例)を行うアプローチが考えられる。 ○本報告では、産学連携の事例として、中国、タイ、マレーシアなどの事例を提示し、技術的な評 価、特許請求の範囲の記載、発明者の研究活動などから、産学連携の現状を考察する。また、共 同研究の事例として、インド-米国、タイ-日本、イスラエル-米国などの事例を提示し、技術 的な評価、特許請求の範囲の記載、企業の事業活動などから、共同研究の現状を考察する。 参考文献 1, 特許庁「産業財産権の現状と課題(2009 年度版)」(特許庁年次報告書)2009 年 2. 知的財産戦略本部「知的財産推進計画 2009」2009 年

3. WIPO,“Measuring the Economic Impact of IP Systems”(Sep.2007) (http://www.wipo.int/portal/en/news/2007/article_0032.html)

4. 加藤浩「Impact of the Intellectual Property System on Economic Growth」AIPPI、3 月号、p.75-92、2008 年 5. 加藤浩「アジア地域における知財政策の在り方に関する研究」知財ぷりずむ(経済産業調査会)、Vol.6 No.66 p.20-50、

2008 年

4 加藤浩「Impact of the Intellectual Property System on Economic Growth」、AIPPI、3 月号、p.75-92、2008 年

アジア地域の知財政策の在り方

先進国 途上国 知財政策の拡大・拡充 知財政策の選択・集中 基本的には 知財重視政策 知財政策効果の Saturation(飽和) 知財政策効果の Correlation(相関性) 経済発展 知財政策の効果 の検証が必要 有効な政策要素 の特定が必要

参照

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