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親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜 : 「推定の及ばない嫡出子」出生届方式の問題性

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(1)琴子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜 「推定の及ばない嫡出子」出世届方式の問題性-. 奥山恭子. 序. 問題の所在. 親子関係の確定をめぐる関心は,代理母を含む人為的操作によって出生した 子の法的処置が現下の問題であるだけに,親子関係確定の要因が血縁・遺伝子 などの生物学的真実か,それとも子への愛情や養育実態などを踏まえた家庭の 平和かの論点に集中している感も_ある。しかしこの論争は必然的に嫡出否認制 度と関連することから,親子関係(特に父子関係)の確定制度である嫡出推定 についての本質問題に行き着くことになる。 法律婚(届出婚)主義を採るわが民法下では,推定期間に満たない出生子の 出現は必然であり,他方事実上の離婚状態下での出生子も,婚姻夫婦の子とし. て嫡出推定がなされる不都合も発生する。前者(内縁前懐胎,婚姻成立後中生 千)については判例学説ともこれを嫡出子とみなし,後者については適用除外 の具体的範囲については,前述人工生殖のケースも含め,見解が多様に分かれ るとはいえ,学説q)多くは,夫.の子を懐胎し得ないことが明白な場合等には, 嫡出推定の適用が無いと考えている。ただしこの点に関する司法の判断は,近 年相次いで出された最高裁判決をみても,一貫した法理が形成されているとは 11.

(2) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). いいがたい状況である。. 実態に合わない法律婚主義と民法の嫡出推定規定とは,不接合の宿命にある のであり,その不合理を解決しようと生み出した解釈が,嫡出と非嫡出の定義 付けを困難にしているたしかに内縁前懐胎,婚姻成立後出生子については,辛 実婚尊重の社会意識や事実婚配偶者保護判例とのバランスを考慮してち,嫡出 子とせざるを得ないとするのが多くの学説の実質的根拠であるが,. 「推定され. ない」のになぜ嫡出子とするかの理論的根拠が希薄であることは否みがたい1)。 非嫡出子相続分差別をめぐる最高裁判決2)では多数意見(合憲)と少数意見 (違憲)が提示されたが「いずれの議論でも看過されているのは,民法の規定 自体からも現在の解釈からも, あるという,最も肝心な点である」. 『嫡出子』と『非嫡出子』の境界線が不明確で 3)との指摘もなされる所以である。. さらに混迷を深めているのが戸籍記載との関係である。婚姻関係にある妻が 夫以外の男性との間の子を出生した場合であっても,現行戸籍制度上,夫との 嫡出子として届出せざろを得ない。学説が772条の適用あるとする場令も,な. い場合も,一律に嫡出子である。それぞれ嫡出否認の訴えによるか不存在確認 の訴えによるかは学説の創設した分類であり,また両者の限界については論争 のあるところでもあるが,いずれにしても婚姻関係にある妻の分娩した非嫡出. 子という概念は,現実には存在しても,出生の届出時の戸籍上には発生しない 場面である。. 出生届は国籍とも関係する。国籍決定の根拠法は国籍法であるが,わが国の 国籍法は血統主義を採用していることから,親子関係の決定と国籍は不可分の 関係にある。戸籍が日本国籍を有する者を登載する以上,子の出生届が出され たとき,この出生子の戸籍登載を決定するためには,親子関係の決定,すなわ. ち民法上の判断がなされることになる。属地主義をとる身分登録制度諸国との. 根本的違いがキこにある。 妻の非嫡出子が夫の嫡出子として真実と異なる記載のまま,国籍の決定根拠と されることは,国籍の性格および国籍法の立法意図との関係で,看過しえないこ 12.

(3) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. とではなかろうか。 本稿の趣旨は日本国籍確認訴訟の事例を通じ,民法上の嫡出子概念の不明確 さを検討する一助とするものである。. -. わが国民法上の親子関係 (1)母子関係,父子関係の現下の問題の所在. 民法上の親子関係の決定には,一義的に決しがたい場面が存在する。母子関 係については,母の認知の必要性をめぐり,戸籍行政,司法および学説の論争 となっていたところ,母子関係は分娩の事実によるとの昭和37年の判決4)によ り,一応の結論を見,現在に至って司法上の確定法理とされてきた。ところが 代理母等,遺伝子上の母と分娩の母が異なる状況が生ずるに至り,判例は今な お母の認知を要せずとする原則を貫き,戸籍現場も夫婦の体外授精による第三 者の外国での出産の場合,嫡出子出生届を認めてはいない。. 生命倫理法案では,このような人為的出産(代理出産)を認容しないとする 結論にとどまったが,まさに予測された外国での施術,出産が発生し,戸籍現 場での混乱が生じている。まさにグローバル社会での生命倫理法の創読,再検 討が迫られている。 他方父子関係は出生時に事実を確定しがたい事の性質上,.嫡出推定規定(氏 法772条)が置かれている。しかし法律婚(届出婚)主義をとるわが国法制度 下では,推定期間に満たない出生子の出現は必然であり■,他方事実上の離婚状 態下での出生子も,制度上は嫡出子と推定されることになる。そこで前者(内 縁前懐胎,婚姻成立後出生子)については,司法および学説はこれを嫡出子と. みなし,選者について学説の多くは,夫の子を懐胎し得なしミこと.が明白な場合 等には,嫡出推定の適用が無いと考えている。 第一類型の200日・に満たない場合が,形式上は推定を受けないが実質的には 推定を受ける嫡出子であるのに反し,第二の類型は形式的には推定を受けるが 13.

(4) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 実質的には推定を受けない嫡出子となる。前述のように推定規定適用除外の具 体的範囲については,学説の多様に分かれる点であり,同棲の欠如が外観的に. 明白な揚合に限定する説,生殖不能等の実質的理由ある場合も含むとする説, さらには家庭の平和の崩壊と子どもの平穏養育を期待しうる新たな家庭の形成 可能性をも配慮すべきとする説5)が提示されているように,学説の分かれる点 である。この点に関する司法の判断についても,近年最高裁判決が相次いで出 されているものの,必ずしも一貫してはおらず,最高裁の立場を一言では表明 しえない状況である。. 前記第一類型は内縁後の届出が多い実情から,非嫡出子とすることは不都合 であること,第二類型は,実質は非嫡出子でありながら形式に適合するからや むをえないことが,それぞれ推定を受けないとしながらも,嫡出子とする所以 である。いずれも理論的根拠が明白でないだけに,推定を受けないとする以上,. 非嫡出子とせざるを得か-のでは左いかの疑問もわくところである。 (2)嫡出推定規定の問題性に関する論争 1.届出後200日に満たない出生子. 民法が規定する実子は「嫡出子」と「嫡出でない子」のみである・。しかしそ れぞれの定義は,法文上明確ではない。嫡出子について民法が規定するのは, 婚姻成立から200日後または婚姻解消もしくは取消の日から300日以内に生ま れた子は婚姻中に懐胎した子と推定(772条2項)し,妻がこの期間中に懐胎 した子(婚姻中懐胎子)は夫の子と推定(同条1項)することのみである。し たがって嫡出子とは何かについては触れていない。一般に学説は「婚姻関係に ある男女の間の子」. 6),. 「婚姻関係にある夫婦から生まれた子」. 7)等と説明する。. 嫡出推定の問題性は,前述のとおりわが国の婚姻成立要件が届出制によると ころに由来する。わが国の実質的婚姻関係の成立と届出との間の禿離について は,内縁保護の判例および立法の生成過程が示すとおり,すでに明らかである が8),子の嫡出性についても同様の問題が生じていた。当初判例は,届出から 14.

(5) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. 200日に満たない出生子は非嫡出子とせざるを得ないとしていたが9),後に昭 和15年1月23日の連合部判決(民録54頁)でこれらの子も嫡出子とすると判 示して以来,現在まで一般に「推定されない嫡出子」と称されてきた10)。 わが国の婚姻届出の現状による限り,これを嫡出子でないとすることは,多 くの家庭で長子は非嫡出子,次子以降は嫡出子という不具合現象も生まれるこ. とになる。しかし届出から200日に満たない出生子である以上, 772条(旧820 条)の規定する文言に違うことは明らかであり,国家法たる民法が届出婚を採 る以上,司法がこの場合の子の状態を・■ 「推定される」とすることは,届出主義 を空文化させることにもなる。. 「推定されない嫡出子」概念は,理論的整合性. はさておき,実利的判断によりやむを得ず発生した解決策であった。 2.同棲生活のない法律婚夫婦の出生子. 他方,嫡出推定が存在しうるのは,婚姻中の夫婦の間で子が出生した場合は 夫婦の子であることが通常のことであるとの前提があるからであり,その必須 条件である同棲の事実が満たされない状況では,そもそも推定が働かないので はないかとの疑尚が発生することになる。形式的には確かに772条の文言どお りであるが,この場合も推定される嫡出子となれば,その嫡出性を否定するの は,. 775条ないし778条親走の厳格な要件を付された夫からの否認の訴え(774. 条)または審判(人訴2,. 4)によらなければならず,夫と推定される者が1年. 内に訴を提起しなかった場合は,他者からは否定し得ないことになる。したが って明らかに夫の子ではない場合に,夫の子と確定してしまう不当な状況が出 てくることが予測される。そのため嫡出否認の法理によらずに,夫以外の者に も否定する権利を認める方法を得るため,かつて旧法下ではあるが,中川善之 助博士は「--・820条(旧法)の嫡出推定は正常なる夫婦関係を予定して立て られた規律であるから,別居・不能の如き特殊事情により,形式上の夫の子た ることのあり得ない場合には,嫡出推定も与へらるべきではない。しかし形式 上は推定さるべき状態にあるのであるから,一応は『嫡出子に他ナラザルモノ』 として取扱はるべく,ただ嫡出否認の訴によるを要せずしてその嫡出性を争ひ 15.

(6) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 得るの差異をもつに過ぎない。ここにも推定せられざる嫡出子が生まれる。」 と説明した11)。. 学説も,夫の子を懐胎しえないことが明らかな状態での懐胎子は推定を受け ないとする考え方が大半である。ただし懐胎しえないことが明らかな状況とは, 具体的にいかなる状態までを言うのかについては,外観的に明らか(夫の長期 不在,海外出張,事実上の離婚など)な場合に限るか,生殖不能や血液型の背 馳など,審査をした結果夫の子ではありえない場合をも含むのかにより,説の 分かれる点である。この解釈的見解の相違論争は現行法施行のときからのもの で,かつて我妻博士は家庭の秘事に立ち入るべきではないとして,いわゆる外 観説を提唱した12)。他方中川善之助博士は個別具体的検査による医学的結果に より父子足り得ない場合は推定を受けないと説いた13)。 現在の学説論争はさらに新しい問題を抱えている。新しい生殖医療により従 来予測しなかっfF親子関係が発生し,さらには科学的検証技術が向上したがゆ えに, DNA鑑定の結果が出た以上,推定の枠組みと否認権の除斥期間は無き. に等しい結果となりかねないこと,他方で親と信じてきたのに親子関係を否定 された場合の子の心情への配慮が必要な事例に直面する等,親子の本質はなに かという哲学的課題を背負い,むしろ混迷を深めてすらいる。. (3) 「推定されない」嫡出子判例と戸籍実務との関係 1.近時の「推定されない」嫡出子判例 前述のように,内縁が先行し婚姻の届出から200日以内に出生した子を,判 例は推定されない嫡出子と称する。推定規定は適用されず,したがってその父 子関係を争うには父以外の者からも提起しうる親子関係不存在確認の訴による ことを明確にし,現在も判例法理として採られているところである。学説の中 には内縁先行の現実を慮って,内縁成立後200日後に生まれた子にも嫡出推定 の適用があり,したがってその子の嫡出性否定は夫の否認権によってのみなし うると主張する説も有力に主張されているが,結局内縁成立の日があいまいで 16.

(7) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. あるという欠点は補い得ない。 他方事実上の離婚状態で生まれた子に対する嫡出推定の可否についても,先 例は「推定を受けない嫡出子」としている。夫からの否認.を待つことなく,千 から父に対する認知請求ができるとした近時の判例の元となった昭和44年最 高裁判決は,. 「--・婚姻解消の日から300日以内に出生した子であるけれども,. -右離婚の届出に先立ち約2年半以前から事実上の離婚をして爾来夫婦の実体 は失われ,たんに離婚の届出が遅れていたにとどまるというのであるから,実 質的には民法772条の推定を受けない嫡出子というべく,. -」. 14)とし,嫡出否. 認を待たずとも子から父への認知請求を認めている。 その後の判例も,前記昭和44年最判と同様,事実上の別居状態であること, その間,性的関係を持つ機会がなかったことを条件として,. 772条の適用がな. いとしている(最判昭和44年9月4日判時572号26頁,最判平成10年8月31日 判時1655号128頁)。反対に婚姻費用の分担や出産費用の支払いに応じていた 等の事情下のケースで,婚姻の実態が存しな_いことが明らかとまではいい難い として,. 772条の推定を受けない嫡出子とはいえないと判示しているものもあ. る(最判平成10年8月31日判時1655号112頁。上記同年同月日の結論の異な る判決があるが別件である)。 以上のように判例は,. 772条の目数に足り′ノない出生子の場合と,事実上夫の. 子ではない場合の双方とも「推定されない」と称して,これに推定規定を適用 することを拒否している。学説は状況の異なる2種のものを同じ用語で称する ことは概念の混乱を引き起こすとして,前者を「推定されない嫡出子」,後者 を「推定の及ばない嫡出子」と称しているが,嫡出推定を適用することは現実 には困難であることから,用語法以外では判例と同様の結論をとる説が多い。 「推定をうける」嫡出子の場合には,死亡時の例外を除いて否認権を行使す るのは夫のみであり,しかも776条の否認権の喪失と,. 777条の消滅規定が適. 用されることから,父親と推定された者が否認権を行使しない限り,子本人か らも父子関係を切ることができない状況も発生することになる。また否認権の 17.

(8) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 喪失に?いては,いったいどのような行為があれば承認となるのか,具体的事 例もなく,削除論も出されているものの15),今に至って存在している規定であ る。現行法である以上存在意味があるとすれば,結果的に「推定されない」嫡 出子との格差の拡大に寄与することしか想定しえない。 2.. 772条適用の可否と戸籍の届出. 上記「推定されない嫡出子」判例を当該出生子の出生届出時の戸籍記載状況 から検討すると,事実上の離婚状態の後,離婚届を提出し,届出から5ケ月ほ どで子が出生し,母が自己の嫡出でない子として出生届を出したもの(前掲最. 判昭和44年5月29日)千,子の出生届出時に父と推定されている者がすでに 死亡している事例(最判平成10年8月31日判時1655号128頁)等においては, 嫡出子としての届出がなされていないものもある。 しかし内縁先行型出生子の問題と異なり,一般に事実上の別居状態での出生 子の場合,子の出生時に婚姻が解消されていない限り,出生届は戸籍上の夫と の嫡出子として届けざるを得ない。ところがこの届出をした以上,表見的には 夫の子との推定が働くことになる。その際母もしくは子本人が嫡出性を否定し たい場合,あるいは実の父との親子関係を確認したい場合,推定されている父 からの否認の訴がなされない限り,目的は達成できないことになる。 したがってこの場面での問題は,具体的には1年以内に制限されてい■る提訴 期間(777条)と,原則父のみに限定された提訴権者(774条)の問題に集約. される。そこでこのような不合理を是正するためには,立法改正により否認権 者の範囲を拡大し,子からの否認権を認めるべきとの見解も提起されている16)。 しかし提訴権者の緩和・拡大を図るこ.とも,これまでの「推定されない嫡出 子」法理と同様,提訴権者と提訴期間の両条規走の厳格性を回避するための方. 策としては有効であり,立埠的措置の必要性には賛意を表したいが,戸籍届出 の表見的固定性の問題はなお残る。 嫡出推定と戸籍の届出については,一般に次のように説明されている。 出の推定は一応の法律上の推定であるから,反対の根拠を挙げてこれを覆すこ 18. 「嫡.

(9) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. とができる。しかしこの推定は単純な推定とは異なり,きわめて強度な推定で あり,これを覆すには厳格な要件が必要であることから,提訴権者と提訴期間 の規定が置かれている。しかしこの訴を提起しても判決が確定するまでは,こ の推定を受ける子は戸籍上嫡出子として取扱われる(戸籍法53条)。したがっ て嫡出の推定を受ける子について嫡出でない子として出生届をしても受理すべ きではなく17),また別居等に.よって正常な夫婦生活が営まれていない間に懐胎 された子でも,法律上の婚姻が継続している限り,その出生子は嫡出の推定を 受けるので,夫との嫡出子としての出生届でなければこれを受理すべきではな い18)」と19)。 3.例夕川勺戸籍届出事例一妻のなした非嫡出子出生届. 戸籍実務上は形式的審査権しかない以上,上記の処理は無理からぬことでは あるが,過去に,妻が夫の子を懐胎する辛ができないと認められる事情のもと. での事例の場合に,夫の子としての届出以外の措置がとられたことが皆無では ない。 例1. ;米国人男と日本人女を当事者とする離婚判決において,離婚原因が民. 法第770条1項2号(悪意の遺棄)および5号(婚姻を継続しがた重大な事由) による場合であっても,判決の理由中に,夫婦が子の出生前2年以上の音信不 通の事実が認定される事案において,妻が離婚後300日以内に出生した子につ き,後夫との間の嫡出子出生届を受理してさしつかえない,とされた20)。 例2 ;米国人男と日本人女を当事者とする離婚判決において,離婚原因が民. 法第770条1項2号(悪意の遺棄)による場合であって,男が帰国後10年以上 音信不通である事実を判決理由で認定している事案において,離婚判決確定1 年前に出生した子につき,非嫡出子出生届をしたときは受理してさしつかえな い,とされた21)。. 例3. ;母の夫が失院宣告により死亡とみなされた日から約3年前に生まれた. 子については,母から非嫡出子出生届ができる,とされた22)。 事例2,および3は,. 772条の規定により表面上は母の前夫の子の推定を受け 19.

(10) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). るが,実際は母の後夫の子(嫡出子)である場合,はじめから後夫の嫡出子と して出生届出ができるよう,なんらかの措置をされたいとの要望23)の結果であ った24)。. しかし上記先例はいずれも離婚の確定判決もしくは失院宣告がなされた事例 であり,夫の子ではありえないことの判決もしくは審判による確定的証拠が提 示されない状況では,. 「推定されない嫡出子」たる届出は不可能ということに. なる。明白に夫の子でない場合にも夫の嫡出子としでの出生届が課せられるこ の取扱いは,いかにも形式的に過ぎる。しかし市町村長に実質的審査権がない 以上,やむを得ないことでもある。そこで「嫡出推定が破られる場合の出生届 については,戸籍事務の形式的画一性の要請と形式的審査権という制約からい って,戸籍法53条を適用して,嫡出子出生届を出させ,その後で親子関係不 存在確認の判決ないし審判によって戸籍を削除し,あらためて非嫡出子の出生 届を出させるべきである・」との見解もある25)。 以上のように,判例が「推定されない嫡出子」として,学説は「推定されな い嫡出子」と「推定の及ばない嫡出子」として嫡出否認制度の緩和策を講じて きたことは,調停申立て(調停前置主義による)に始まる親子関係を決する訴 訟手続きには意味があり,妥当な結果を導くことに必要有意義な配慮ではあっ た。ところが「推定されない嫡出子」ではあるがやむを得ずいったん嫡出子出 生届を出すと,事後的救済が困難な場面が生ずることになる。これが国籍法と の関係で生じる問題である。. 民法解釈が国籍に及ぼす影響. (1)国籍事例に現れた「推定されない嫡出子」 民法上の親子関係の決定は,前節で見たごとく,いわゆる事実上の離婚状態 の懐胎出生子については,. 772条の適用は排除され,したがって夫以外の利害. 関係人からの親子関係不存在の確認訴訟によっても否定されるとするのが通説 20.

(11) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. および判例(前掲最判昭和44年5月29日)であり,Lその結果戸籍の記載事項 の真実性を争うことができ,戸籍訂正も可能となる。 しかし事実関係を争う以前に戸籍の記載にしたがって他の法律上の地位が確 定的になる場合が存在する。血縁主義を採る以上,戸籍の記載事柄が根拠とな る国籍の決定である。以下国籍決定判例で民法解釈の問題点が論じられている ことから,最高裁平成15年6月12日の判決文に依って検討することにする。 1.最判平成15年6月12日・26)の事実関係. 韓国人女性Aと日本人男性Bとは平成2年に婚姻を締結したが,一子をもう けた後の平成7年頃から別居状態となり, A,. りAが懐胎した子である。. Ⅹは別居期間中に日本人男性Cによ. Bが別居する際,. Bは自ら署名捺印した離婚届. 用紙をAに託していたが,長子の親権をめぐって折合いが付かなかったこと等 から,同届けは提出されず,. Aが保管したまま経過していた。. AはⅩを懐胎した後,先の離婚届を出すべく,. Bの意思確認をするため連絡. を取ろうとしたが,三ケ月に捗る調査によってもBの所在はつかめず,その後 もBとの連絡は取れないままⅩの出産が間近となり,結局出産の前日の平成9 年9月25日に協議離婚届を提出したものである。 Aは離婚届提出の翌26日にⅩを出産したが,産後の体調が悪く2週間ほどの 入院の後自宅療養をしていた。その間BとⅩとの親子関係不存在を確認する手 続きをとるため,. Bを捜索したがなお所在がつかめず,結局Ⅹの出生から約8. ケ月後の平成10年6月15日に, 在確認の訴を提訴した。. AはⅩの親権者としてⅩとBとの親子関係不存. Bには公示送達がされた上,同年10月・20日親子関係. 不存在確認の判決が言い渡され,同年11月5日同判決が確定した。そこでAの 交際相手Cは平成10年11月9日Ⅹを認知する届出をし,その後Ⅹが国に対し, 日本国籍を有することの確認を求め提訴したも のである。. 21.

(12) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 2.国籍決定判決の論点一民法と国籍法の交錯 国籍法によれば日本国籍取得のため.には,出生のときに日本人である・父また は母と法律上親子関係があることを要する(国籍法2条1号)。ただし外国人た る母の非嫡出子は日本人の父により胎児認知.(民法783条)された場合には, 出生時に父子関係があるとして,同条の適用がある。ところが戸籍の記載上母 の夫の嫡出推定を受ける子については,夫以外の父が胎児認知をしても,届出 が受理されないので,胎児認知による生来的国籍取得の道は閉ざされている。 胎児認知が受理されない場合であっても,. 「嫡出推定がなされなければ胎児認. 知がされたであろうと認めるべき特段の事情あるときは,国籍法2条1号の準 用を認め生来的に日本国籍を取得する」とした先例(最判平成9年10月17日。 以下「最判9年」と略)があるが,同先例にいう特段の事情があるというため には,子の出生後速やかに母の夫と子との間の親子関係不存在確定の手続きを なし,同不存在が確定した後(従らて認知届ができるようになった後)速やか. に認知届がされることを要すろ(最判9年判旨Ⅱ)とされている。そこで本件 は出生届が嫡出子としてなされていたことから,胎児認知もできず,したがっ て訴訟を経なければ国籍取得がなされない状況下に置かれたものであり,最判 9年のいう「嫡出推定がなされなければ胎児認知がされたであろうと認めるべ き特段の事情」に該当するか否かが問題となったものである。 3.最判15年理論の検討 第一審(大阪地判平12. ・. 5. ・. 9)は出生後速やかに親子関係不存在確認の訴. えが提起されたか否かを問題とし,. 9ケ月近くかかっているが,. Aの体調不良,. Bの所在不明の事実を考慮すると,速やかに認知の届出がされたものといえる として, ll. ・. Ⅹの請求を認容した。国が控訴したところ,原審(大阪高判12・. 15)は以下のように述べ,控訴を棄却している。 (ア)外国人の母の非嫡出子が戸籍の記載上母の夫の嫡出子と推定されるた. め,日本人である父による胎児認知の届出が不適法なものとして受理されない 場合に,上記推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認める 22.

(13) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. べき特段の事情があるときは.,上記胎児認知がされた場合に準じて,国籍法2条 1号の適用を認め,子は生来的に日本国籍を取得すると解するのが相当である。 特段の事情があるとして同号の適用が認められるためには,戸籍の記載上嫡 出推定がされ,胎児認知届が不適法なものとして受理されない場合に,母の夫 と子との間の親子関係の不存在を確定するための法手続きが子の出生後遅滞無 くとられた上,上記不存在が確定されて認知届が適法にすることができるよう になった後速やかに認知の届出がされることを要する。 (イ)母の離婚後に子が出生した場合には,実務上胎児認知が適法なものと される余地があるとしても,本件のように母の離婚と子の出生は近凝している ときは,胎児認知の届出を要請することは時間的に無理を強いるものであり, 本件では(ア)の要件を満たす。 (ウ)上記(イ)の要件につき,出産後の体調不良,. Bの所在調査に長時間. 要した等の事情があったにしろ,平成9年8月ころにはBの所在は把握できな い状態であり,. Cは弁護士に相談したものの,親子関係不存在確定のための法. 的手続きをとっていないこと, る証拠がないことから,. Bの所在調査に長期間を要したと認めるに足り. (親子関係不存在確認の法手続きが)上告人出生後遅. 滞なくとられたということはできない。 以上の原審判断に対し,最高裁は(ア)と(イ)は是認できるが(ウ)は是 認しえないとして,以下のように破棄自判している。 「(原審認定の事実に照らせば)上告人出生から上記訴えの提起までに八か 月余を要したのもやむを得ないというべきである。本件においてはBと上告人 との間の親子関係の不存在を確定するための法的手続が上告人出生後遅滞なく 取られたものと解するのが相当である。 上記事実関係によれば,. CはBと上告人との間の親子関係の不存在を確認す. る判決が確定した4日後に上告人を認知する旨の届出をしたから,上記認知の 届出が速やかにされたことは明らかである。そうすると本件では,客観的に見 て,戸籍の記載上嫡出の推定がされなければCにより胎児認知がされたであろ 23.

(14) 横浜国際経済法学第14一巻第3号(2006年3月). うと 認めるべき特段の事情があるということができ,. ・. -したがって上告人. は日本人であるCの子として,国籍法2条1号により日本国籍を取得したもの と認めるのが相当である。」 本判決には反村意見が付されており,その要旨は以下のとおりである; 出生後遅滞なく手続が取られたとは言い難く,上告棄却すべきである。最判 9年は出生から3ケ月経過後に親子関係不存在確認の調停が申立てられており, 嫡出推定なければ胎児認知が可能と認められる特段の事情ある場合であった。 生来的国籍取得はできる限り出生時に決定されることが望ましいことから,最 判9年には賛成する。しかし同最判のいう「遅滞なく」の趣旨からすれば,辛. 続きを執ることの支障となる事情があったとしても,そうした事情がある限り いつまでも生来的国籍取得の主張をすることができると解することは適当では なく,出生後一定期間経過後は事情の如何を問わず,法的手続きが遅滞なくと. られたとはいえか-と解すべきである。本件では叢刊9年のY-うの3ケ月を大 きく超えた8ケ月後に確認訴訟が提起されており,母の体調不良等の事情があ っ■たとしても,出生後遅滞なく法的手続きが探られたということはできない。 原審判断は正当であり上告は棄却すべきである,というものであった。. (2)国籍法による子の国籍取得と嫡出推定 1.国籍取得判例に出現した「推定されない」嫡出子の戸籍上の取扱い 最判9年は法律婚継続のまま長期別居中の外国人母から出生した子の国籍が 争われた事例であり,戸籍の記載上は嫡出が推定されるため,胎児認知の届出 が受理されない事例であった27)が,最判15年は嫡出推定期間内の離婚後出生 子である。このような場合に胎児認知の届出がなされたとき,子の出生前は推 定を受けるかどうか(解消後300日以内に生まれるか否か)が不明であるから, 戸籍実務では当該胎児認知届を一応受理した上,子の出生により嫡出推定を受 けることが判明した時点で受理処分を撤回し,不受理処分をするとされている28)0 従って最判9年の射程範囲は胎児認知が受理されない場合に限定されるのかが 24.

(15) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. 問題ではあった。. 実務では本来胎児認知のなしえない婚姻中の胎児認知の届出の場合ち,いっ たん不受理としておき,後に親子関係不存在が確定された時点で不受理処分を 撤回し,不受理処分の日に遡って受理する取り扱いがなされてきたようである (最判9年判旨中)。最判9年_の被上告人である国は,上告理由として上記実務 処理に言及し,. 「確かに本件のような場合には,胎児認知届は不受理処分を受. けることになるが,子の出生後に親子関係不存在の裁判が確定すれば,この不 受理処分に対して家庭裁判所に不服申立てを行う土とができるし(戸118), 家庭裁判所への不服申立てを経なくても,市区町村長が先の不受理処分を取消 すことも可能である」. (平成9年1月8日事務連絡5. ・. 6,民事月報52巻3号118. 頁)と述べ,原告の国籍取得を認めた高裁判決に反論している○ この兵務処理については最判9年判決が「不適法として受理されない胎児認 知の方法をもって国籍取得の通があるとするのは適当ではない」と糾弾しつつ も,不適法として受理されないと考えて,適法に受理される準備,およびその 後の速やかな認知届がなされれば,国籍取得を認めるべしと判示している。 この点からすると,最判15年では受理される可能性の高い胎児認知(届出 時には推定期間経過後出生の可能性もありうる)をしておかなかったのであり, 最判9年法理の適用性が問題となる判決であったと思われる。 戸籍上嫡出推定が働くことにより日本人たる実の父の認知がなしえないとし て,生来的国籍取得の是非をめぐる訴訟は,平成9年の最高裁判決以降も少な くない。平成9年・. 15年最高裁判決ともに結論として日本国籍取得を認めたも. のではあるが,最判9年で判示された「遅滞なく」要件は最判15年で暖昧さを 増し,. 「特段の事情」も,一応の基準が提示されたとはいえ,事実判断の域を. 出ない。最判9年において大西裁判官補足意見29)の中で,公法の基準としては 問題なしとはいえないと述べているが,問題はむしろ民法解釈と戸籍記載の方 法にあると言わねばなるまい。. 25.

(16) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 2.国籍法2条1号の論争状況 現行国籍法では,日本人父と外国人母から生まれた子は,父母が婚姻してい た場合,および父が胎児認知をしていた場合,出生による国籍取得が認められ る(2条1号)。また準正によ■る場合は届出による国籍取得が認められる(3条)。 他方生後認知の際は生来国籍のみならず届出による国籍取得も認められない。 この点につき国籍法の観点から国籍を有しないことによる各種不利益や,父と 子が国籍が異なることから発生する不都合等を鑑み,非嫡出子差別であり違憲 との見解もある29)。 「出生の時」の解釈につき,国籍法関係では「出生後の合理的期間」. 30)等と,. 比較的緩やかに解する論者が多い。しかし他方渉外戸籍訂正事例では,日本人 と外国人との,婚姻前に生まれた子を,生来日本人にするため,婚姻成立後に 生まれたとして虚偽の出生届を出し,いったん戸籍編成がなされてから出生日 の誤記として戸籍訂正の申請がなされるケースもあると報告されている31)。 最判9年事件では,国側が上告理由で,子の日本国籍が認められなくとも, 母の国籍取得が可能であることから無国籍となるわけではないとしているが, その論理は世界の広範囲な地域との渉外事例を考える際にはとりがたい。 たとえばブラジル・アルゼンチン・コロンビアなどのラテンアメリカ諸国32). では,出生地主義とはいえ出生後一定期間本国に居住することで出生による国 籍取得を認め■ることから,・こうした国との渉外事例では,無国籍児が発生する こともありうる。したがって無国籍者を出さないとする政策的配慮からはヲ緩 やかな認定も一理あるところというべきである。 しかしながら最判15年は,産後の体調不良等を理由に八ケ月間法的手続き をしなかったにもかかわらず,遅滞なく手続きがとられたと判示したのであり, 逆説的には民法を含んだ関連法の今後の立法的措置等への起爆となるべき判決 とも考えられる。. 「遅滞なく」と「特段の事情」の判例法理の積み重ねを待つ. ことに甘んぜず■,最判9年補足意見でも示されたごとく基準の明確化の立法措 置が検討されなければならない。 26.

(17) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜. 今後の課題-. 「推定されない嫡出子」の出生届方式の展望. 嫡出子の定義をおかず,嫡出推定規定(772以下)のみをおいている現行法 規定の方式は旧民法820条を踏襲したものである。その立法趣旨は,妻の生ん だ子と夫との間に法的親子関係を設定し,これを早期に安定的に確立せんとし たところにある。しかし明治民法立法時に西欧法を継受したこの法技術には, 法典調査会での梅謙次郎委員の「臭いものに蓋をする主義」との発言にもみら れるように,当初より批判もあり,今に至るも,血縁主義と外観もしくは家庭 平和主義等との論争が続いていることからも判るように,擬制に内在する不明 瞭さがぬぐえない条文である。 裁判実務上嫡出推定の適用範囲が狭められてきた経緯は上述のとおりである. が,この嫡出推定制度の不合理を立法措置で解決すべく,法制審議会仮決定留 保事項の中にも嫡出否認の訴の提起者および提起期間の緩和策が提案されたこ ともあるが,現在まで解決には至っていない。 しかし我が国の母法となったフランス法等では,父子関係の否定を広く認め る制度を導入し,民法から嫡出・非嫡出の区別を廃止する立法も■現れている。 我が国学説は婚姻成立200日内出生子を推定されない嫡出子,さらに親子関係 不存在確認訴訟の村象になりうる子を推定の及ばない子として,嫡出否認によ らずに父子関係の推定を破ることを認めてきたが,フランス法では夫の長期不. 在等の場合には夫の氏名を表示しない出生届をすれば,父子関係の推定を排除 する制度もあるという。. 34). わが国では推定の及ばない子につき,当事者間で合意があるときは家事審判 法23条により,民法の否認要件が充たされなくとも父子関係を否定すること ができるとされていても,現実には合意のないところに紛争が発生する土とを 考えれば,婚姻継続中であっても破綻の事実が明白な場合,母(秦)による非 嫡出子出生届を承認するとすべきかは,その判断基準が血縁主義か,家庭の平. 和かの論争如何に関わらず,困琴な問題であろう。 ・. わが国でも父の欄を空自にして出生届をすることを認めるべきであり,その 27.

(18) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月). 場合は推定を排除する,との意見が提示35)されている。しかし身分登録制度を 採用する諸国と異なり,現行戸籍制度の枠内で母の非嫡出子を記録することは, 父からの提訴を待って結することになりかねないo結局は現行法施行直後から 論じられてきた否認権者の拡大36)を立法的に講ずることが先決ではある。平成 16年民事局長通達第3008号(同年11月1日)が嫡出でない子の続柄記載を嫡 出子と平等にする処理を行ったように,戸籍記載方法の変更も-解決策である が,親子関係が婚姻関係の反映であり,婚姻法が多様な生活実態をとり込む方 向へと進んでいる状況では,戸籍制度の検討が,親子法の分野でも必要な日寺期 となったことを認識せざるを得ない。. 「夫の法律上の子という法的地位が成立するための要件. 1)佐藤義彦教授は以下のように説く。 は,夫の血縁上の子である。. --772条1項は,. ・--反証をあげてこの推定が破られるまで. は,夫の法律上の子として取り扱われるという構造のもの」という(「私法判例リマークス 1999<下>嫡出推定の適用を排除することの可否」. 70頁)0. 2)最大決平成7年7月5日民集49巻7号1789頁。 3)伊藤呂司『相続法』. (有斐閣2002年). 218頁。. 4)最判昭和37年4月27日民集16巻7号1247頁。 「子供の利益」などの言葉に代表される守るべき親子関. 5)松川はフランス法に「家族の平和」,. 係が存在するとして,わが国の親子関係が真実に反する親子関係に対し,常に訴えの可能性 をおくことを批判している。松川正毅「報告 定-」. 『家族<社会と法>1997』. フランス法と日本法-実親子関係とDNA鑑. 79頁。日本加除出版,. 1997。他に水野紀子「実親子関係と. 血縁主義に関する一考察-フランス法を中心に」星野英一先生古稀祝賀『日本民法学の 形成と課題. 下』 (有斐閣, 1996年). 6)我妻栄『親族法』. (有斐閣. 1138頁。. 法律学全集23昭和42年初版11刷). 214頁。. 補訂版 親族・相続』 169頁。 7)内田貴『民法Ⅳ 白)奥山恭子「臨時法制審議会(大正ノトー四年)における儀式婚主義採択の経緯」宮良・森編 『歴史と民族における結婚と家族』 9)大判大正8年10月8日. (第一書房, 2000年). 134頁以下。. 民録25号1756頁。. 10)婚梱前懐胎子を嫡出とするか否かの立法例につき,ウランス民法は否定(312条),ドイツ民 法(1591条)は肯定で,わが国立法時はフランス民法に依ったことになること,さらにフラ ンスでも判例上嫡出子と扱っている点につき,我妻前掲215頁。 ll)中川善之助『日本親族法一昭和十七年』 12)前掲我妻221頁。 13)前掲中川364頁。 28. 298頁。.

(19) 親子関係確認訴訟と戸籍・国籍との錯綜 14)最判昭和44年5月29日民集23巻6号1064頁o r嫡出子ノ否認権ハ承認ノー事二因リテ之. 15)古くは親族法改正要綱(大正十四年)第十人ノ=-A ヲ失フコトナキモノトスルコト」。 16)南敏文(東京高等裁判所部総括判事) 見て-」戸籍時報590号。. 「講演. 親子関係不存在確認について一家事実務から. 22頁。. 渉外関係と戸籍 17)昭和24・9・5民事甲第1942号民事局長回答。 18)大正10・7・2民事甲第2429号民事局長回答。 19)小俣喜一郎「出生と認知」全国連合戸籍事務協議会編『戸籍実務読本』 社,昭和29年). (帝国判例法規出版. 187-191頁。 戸籍の実務とその理論』. 20)昭和38・7・1回答民事甲第一八三七号。成毛銭二編『改訂 除出版社,昭和42年). (日本加. 384頁。. 21)昭和39・6・15回答民事申第二○八六号。同上 同頁。 22)昭和39・2・. 6回答民事第ニセ六号。同上同頁. 23)昭和39・5・30回答民事甲第一九七八号。同上385頁。 24)同上,同頁。 25)鍛冶良堅「親子関係の存否と戸籍制度の関連構造」戸籍制度創設百周年記念論文集『日本戸 籍の特質』 (帝国判例法規出版社,昭和47年). 213頁。. 26)判時1833号37頁,判夕1131号1031頁. 2ケ)最判平成9年10月17日民集51巻5号3925頁。 28)平成9年1月8日法務省民事局第二課補佐官事務連絡 母の婚姻中に胎児認知の届出がなされた場合においても,胎児認知の届出はいったん不受理 とするが,後に親子関係の不存在が確定されれば,不受理処分を撤回し,不受理処分をした 日にさかのぼって届出を受理する(戸籍658号73頁)。 29)大西裁判官補足意見 国籍法は国家の構成員を定める国家存立の基本に関する公法であり,その解釈に当たっては, 拡張,類推解釈を極力避けることが要請される。しかし一方国籍法は親子関係等私法の規定 によって決定される法律関係を前提とすること多く,その解釈に当たってもこれらの先決的 問題の影響を受けることは否定できない。. (中略・胎児認知受理の如何で結論が異なる点に. つき)両者とも子の生理的な意味での出生時において,父が日本国民であることが法律上確 定していなかった点ではなんら変わらず,. 「出生の時」の解釈上両者を別異に介するのは相. 当ではない。親子関係確定の手続き,認知の届出期間につき,民法,国籍法,戸籍法等に参 考とすべき規定がないわけではか、が,立法的解決を待つほかないであろう。 30)奥田安弘「認知による国籍取得と戸籍実務」北大法学48号284頁。 31)同上. 261頁。. 32)田代有嗣「国籍.親子.婚姻・就籍」家裁月報29巻12号。 33). Leonel. Pereznieto. Privado,Universidad. Ca岳tro,Introduccion Nacional. Autonoma. al Derecho De. Mexico,1981.. Mexicano; en. Mexico. Derecho. lnternacional. p.12-16. 29.

(20) 横浜国際経済法学第14巻第3号(2006年3月) Antonio 1995,. Vodanovic en. H.,Legislacion y Jurisprudenncia. sobre. Extranjeros,Edit.JuridicaConosur,. Chile,p.153. 34)松川正毅「婚姻による親子関係の推定制度」婚姻法改正を考える会編『ゼミナール婚姻法改 正』.(日本評論社, 1995年). 245頁。. 35)二宮周平「婚姻中懐胎子の母による非嫡出子出生届の検討」 望』 (日本加除出版,. 1999年). 864頁。. 36)成毛銭二『戸籍実務から見た親子法と戸籍法の問題点』. 30. 『現行戸籍制度50年の歩みと展. (日本加除出版,昭和31年). 55頁。.

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