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2020年度「日英トランスレーション」オンライン授業実践報告

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Academic year: 2021

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2020 年度「日英トランスレーション」オンライン授業実践報告

松見 誌野 名古屋外国語大学、南山大学、名古屋音楽大学 非常勤講師

Abstract

A Teaching Report on Online Japanese-English Translation Class for Japanese University Students

Due to the COVID-19 outbreak, a lot of universities in Japan switched to online classes for the spring semester in the 2020 academic year. The purpose of this paper is to report on the Japanese-English translation course conducted online for sophomores at Nagoya University of Foreign Studies. At the end of the semester, a questionnaire survey was conducted online to ask the students about what they thought of the online course. The result shows that over ninety percent of the students found the translation training useful as a language learning.

1. はじめに 新型コロナ感染症の影響により、2020 年度 1 期iは対面授業からオンライン授業へと授業形 態が変わった。筆者が担当する「日英トランスレーション」クラスは、名古屋外国語大学世界教養 学部国際日本語学科の2 年生を対象にした必修クラスで、2020 年度に開講された。国際日本 学科では専攻言語を日本語とし、「専攻言語プログラム」で日本語に対する理解を深め、さらに 「英語基幹プログラム」と「複言語プログラム」を通して、日本語と英語の双方で言語運用能力の強 化を図ることを目標としている。「日英トランスレーション」クラスは「専攻言語プログラム」の中の一 つであり、定員は約30 名である。今学期の 1 限受講生は 29 名で、2 限受講生は 30 名だった。 当該授業は、単語や短文の繰り返し練習、シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレー ション、ロールプレイ等の通訳トレーニングを活用し、コミュニケーション能力の強化を図ることを学 習目標としている。2020 年度 1 期は、「家族」「大学生活」「趣味」「国際交流」など身近なトピック の日英通訳が出来る力を身に付け、コミュニケーション能力の強化を図ることを目標とした。 本稿では、筆者が実践した「日英トランスレーション」クラスのオンライン授業内容及びオンライ ン授業についてのアンケート調査結果を報告し、考察を述べる。 2. 使用教材

齋藤彩子ら(2017)「Developing Interpreting Skills for Communication<Revised Edition>通訳とコミュニケーションの総合演習<改訂版>」(南雲堂)を本年度使用教材とした。コ ロナ感染症の影響で、受講生が大学内に立ち入ることができず、指定教科書を購入することが当 初困難であったため、出版社からオンライン授業での使用を目的とする教科書データを数ユニット 分提供して頂いた。1 期オンライン授業開始の約 1 ヵ月後には、指定教科書が大学内書店から 受講生の自宅へ直接郵送された。

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オンライン授業のプラットフォームとして、Google Classroom を使用した。Google Classroom で受講生の使用ディバイスについてアンケートを実施した。1 限クラス受講生は全 29 名で有効回 答数は29 だった。2 限クラス受講生は全 30 名で、有効回答数は 29 だった(有効回答数 58)。 また、自宅にプリンターがあるかどうかについても同様にClassroom でアンケートを実施した(有 効回答数59)。 使用ディバイスについては、PC が 44 名と最も多く、次にスマホが 12 名、タブレットは 2 名だっ た。プリンターの有無については44 名があると回答し、19 名が無いと回答した。 4. コーススケジュール

齋藤彩子ら(2017)「Developing Interpreting Skills for Communication<Revised Edition>通訳とコミュニケーションの総合演習<改訂版>」(南雲堂)を使用教材とし、以下スケジ ュールに沿って実施した。オンライン授業では、相互通信のライブ授業は行わず、Google Classroom に毎回課題を提示し、課題提出を出席として評価した。受講生の使用ディバイスにつ いてアンケート調査では、PC を使用する受講生が全体の約 76%で最も多かったが、スマホを使 用する受講生も約21%いた。そのため、提出してもらう課題については、いずれのディバイスにも 内蔵されている音声録音機能を使うこととした。その日学習するUnit の中から通訳演習を一つ 指定し、各自音声を録音したものを提出してもらった。初回コース説明では、受講生に使用ディバ イスの録音機能について確認しておくよう指示した。課題とした通訳演習については、手順を Google Classroom に提示、または音声説明の録音データを添付し、課題提出後に解答サンプ ル音声の録音データを添付し、各自確認してもらった。 【1 期オンライン授業日程】 第1 回 コース説明 第2 回 Unit 1:家族 第3 回 Unit 1:家族 第4 回 Unit 2:大学生活 第5 回 Unit 2:大学生活 第6 回 Unit 3:趣味 第7 回 Unit 3:趣味 第8 回 第1 回単語テスト(Unit1,2,3) Unit 4:海外生活 第9 回 Unit 4:海外生活 第10 回 Unit 5:国際交流(1) 第11 回 Unit 5:国際交流(1) 第12 回 第2 回単語テスト(Unit4,5) 通訳アクティビティー 第13 回 期末テスト 第14 回 Unit 6:国際交流(2) 第15 回 Unit 6:国際交流(2)

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【1 期オンライン授業提出課題】 第1 回 今後の課題提出方法、録音方法の確認 第2 回 単語の連続訳練習(英→日、日→英) 第3 回 シャドウイング 第4 回 単語の連続訳練習(英→日、日→英) 第5 回 シャドウイング、サイトラ、英→日通訳 第6 回 単語の連続訳練習(英→日、日→英) 第7 回 サイトラ、日→英通訳 第8 回 単語の連続訳練習(英→日、日→英) 第9 回 ディクテーション 第10 回 ディクテーション 第11 回 日→英通訳 第12 回 リスニングアクティビティー 第13 回 期末テスト 第14 回 ディクテーション 第15 回 シャドウイング、英→日通訳 5. 成績評価基準 オンライン授業では、以下を成績評価基準とした。 ■授業参加30%:毎回課題を Google Classroom にアップロードし、課題提出を授業参加として 評価した。 ■単語テスト(全2 回)40%:授業時間帯に Google Classroom で単語テストを実施した。 ■期末テスト30%:第 13 回授業時間帯に Google Classroom でテストを実施した。 全2 回実施した単語テストは、学習した教科書の Unit に出てくる単語をテスト範囲とし、 Google Classroom で実施した。期末テストは実力テストとし、日本語、英語の音声データそれぞ れGoogle Classroom に添付し、日→英、英→日逐次通訳の録音データを提出してもらい評価 した。日→英の音声データは家族についての内容で、長さは約 1 分間とした。英→日の音声デ ータは、アメリカの10 代を対象にした価値観についての調査結果報告で、長さは約 1 分とした。 テストの制限時間は30 分とした。評価方法はデリバリー、発音、正確さの3 つをそれぞれ 5 点 満点で評価し、日→英、英→日それぞれ15 点合計 30 点満点とした。 6. アンケート調査実施 期末テスト実施の翌週にあたる第14 回オンライン授業で、今年度 1 期のオンライン授業 についての無記名アンケート調査をGoogle Classroom で実施した。受講生 59 名のうち、有効 回答数は44 だった。

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図1:授業難易度について アンケートQ1 の授業難易度についての質問には、受講生の約61%が「適切だった」と回答し た一方で、約32%の受講生が「やや難しかった」と答えた。「簡単すぎた」「難しすぎた」と回答し た受講生はいなかった。 図2:教科書の進み方について Q2 の教科書の進み方については、受講生の約 98%が「やや適切だった」「とても適切だった」 と回答した。2 回のオンライン授業で一つの Unit 学習する進め方は、適切であったと考えられ る。 0⼈ 3⼈ 27⼈ 14⼈ 0⼈ 0 5 10 15 20 25 30 簡単すぎた やや簡単だった 適切だった やや難しかった 難しすぎた

Q1:授業難易度

24⼈ 19⼈ 1⼈ 0⼈ 0 5 10 15 20 25 30 とても適切だった やや適切だった あまり適切ではなかった 全く適切ではなかった

Q2:教科書の進み⽅

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図3:通訳演習について 授業で実施した通訳演習(単語訳練習、シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレーシ ョン等)について、約93%の受講生が「やや有意義だった」「とても有意義だった」と回答してお り、通訳演習が英語学習において有意義であるとの認識の高さが明らかになった。 図4:学習目標達成度について Q4 では、今学期の学習目標達成度について尋ねた。今学期は単語や短文の繰り返し練習、 シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレーション等の通訳トレーニングを活用し、コミュニ ケーション能力の強化を図ることを学習目標とした。目標達成度が 50~75%との回答が最も多く、 約71%を占めた。 15⼈ 26⼈ 3⼈ 0⼈ 0 5 10 15 20 25 30 とても有意義だった やや有意義だった あまり有意義ではなかった 全く有意義ではなかった

Q3:通訳演習について

1⼈ 31⼈ 12⼈ 0⼈ 0 5 10 15 20 25 30 35 75〜100% 50〜75% 25〜50% 25%未満

Q4:学習⽬標達成度

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図5:オンライン授業の感想 Q5 のオンライン授業の感想については、約 70%の受講生が「やや満足している」「とても満足 している」と回答した一方で、約30%が「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答した。 当該クラスは2020 年度から開講されたクラスのため、対面授業とオンライン授業の授業満足度を 比較することができないが、ペアワーク、グループワークを含むインタラクティブなアクティビティー が今学期制限されたことが、授業満足度の数字に影響を及ぼした可能性はあるだろう。2 期iiもオ ンライン授業が継続されることが決まった今、オンライン授業実施方法を再考する必要があると考 えている。 図6:オンライン通訳演習教材について Q6 では、オンラインで通訳演習ができる教材があれば、使用して学習したいと思うかどうかを 13⼈ 18⼈ 12⼈ 1⼈ 0 5 10 15 20 とても満⾜している やや満⾜している あまり満⾜していない 全く満⾜していない

Q5:オンライン授業の感想

13⼈ 25⼈ 6⼈ 0⼈ 0 5 10 15 20 25 30 とてもそう思う ややそう思う あまりそう思わない 全くそう思わない

Q6:オンライン通訳演習教材について

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尋ねた。約86%の受講生が「ややそう思う」「とてもそう思う」と回答した。自律学習型のオンライン 聴解力養成教材のように、学習者が好きな時間にアクセスし、通訳演習の学習を進めることが出 来るようなオンライン教材の開発が今後の課題である。 アンケートの最後には自由記述欄を設け、授業の良かった点、改善すべき点を記入してもらっ た(N=13)。今学期は前述の通り、2 回の授業で一つの Unit の学習を終えることが出来るようコー ススケジュールを設定した。学習範囲全てを課題として提出してもらうのではなく、通訳演習を指 定し、音声データを添付する方法で提出してもらった。そのため、提出範囲が少ない、全部を提 出課題としたほうがしっかり学習できると思った、といった意見があった(N=2)。提出課題の解答 や解説は、音声データをGoogle Classroom に添付する方法で行った。解説が分かり易くて良 かったという意見があった(N=1)一方で、動画解説のほうが理解しやすいと思うという意見もあっ た(N=1)。課題提出については、受け取りの際、筆者がコメントをしていたので、提出忘れの心配 がなく安心して取り組めたという意見があった(N=1)一方で、もう少しアドバイスが欲しかったとい う意見もあった(N=1)。オンライン授業の感想としては、日本語から英語の通訳をもっと多くしたほ うが良いと感じた(N=1)、サイトトランスレーションを始めてやったときはすごく難しくて驚いたが、 単語やディクテーションなどをやっていく中で少しずつ慣れていくことができた(N=1)、といった意 見があった。学期末テストの制限時間は30 分としたが、テストの時間をもう少し長くしてほしいとの 声もあった(N=1)。 7. 考察 今回のアンケート調査結果から、大学2 年生対象の日英トランスレーションオンライン授業で実 施した通訳演習(単語訳練習、シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレーション等)につ いて、約93%の受講生が「やや有意義だった」「とても有意義だった」と回答しており、通訳演習 が英語学習において有意義であるとの認識の高さが明らかになった。 オンライン授業の感想については、約70%の受講生が「やや満足している」「とても満足してい る」と回答した一方で、約30%が「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答した。当該 クラスは2020 年度から開講されたクラスのため、対面授業とオンライン授業の授業満足度を比較 することができない。通常の対面授業ではペアワーク、グループワークを含むインタラクティブなア クティビティーが可能であることから、授業満足度はオンライン授業よりも高くなると考えられる。通 訳トレーニングを活用し、コミュニケーション能力の強化を図ることを学習目標としている「日英トラ ンスレーション」において、オンライン授業でも対面授業に近い授業満足度や学習効果を得られる よう、授業運営方法を今後も熟考していく必要があるだろう。また、オンラインで通訳演習ができる Web 教材の開発については、今後の課題としたい。 i 通常の前期にあたる。 ii 通常の後期にあたる。

図 1:授業難易度について  アンケート Q1 の授業難易度についての質問には、受講生の約 61%が「適切だった」と回答し た一方で、約 32%の受講生が「やや難しかった」と答えた。「簡単すぎた」「難しすぎた」と回答し た受講生はいなかった。  図 2:教科書の進み方について  Q2 の教科書の進み方については、受講生の約 98%が「やや適切だった」「とても適切だった」 と回答した。2 回のオンライン授業で一つの Unit 学習する進め方は、適切であったと考えられ る。  0⼈ 3⼈ 27⼈14⼈0⼈051
図 3:通訳演習について  授業で実施した通訳演習(単語訳練習、シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレーシ ョン等)について、約 93%の受講生が「やや有意義だった」「とても有意義だった」と回答してお り、通訳演習が英語学習において有意義であるとの認識の高さが明らかになった。  図 4:学習目標達成度について      Q4 では、今学期の学習目標達成度について尋ねた。今学期は単語や短文の繰り返し練習、 シャドウイング、ディクテーション、サイトトランスレーション等の通訳トレーニングを活用し、コミ
図 5:オンライン授業の感想  Q5 のオンライン授業の感想については、約 70%の受講生が「やや満足している」「とても満足 している」と回答した一方で、約 30%が「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答した。 当該クラスは 2020 年度から開講されたクラスのため、対面授業とオンライン授業の授業満足度を 比較することができないが、ペアワーク、グループワークを含むインタラクティブなアクティビティー が今学期制限されたことが、授業満足度の数字に影響を及ぼした可能性はあるだろう。2 期 ii もオ

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