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小数のしくみを考えよう

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Academic year: 2021

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特別支援学級(自閉症・情緒障がい)第4学年 算数科学習指導案

1 単元名 【小数】小数のしくみを考えよう 2 指導観 〇 本学級の児童は,4年生5名である。そのうち1名は,中学校進学と同時に通常の学級へ移籍することを目標に,算数は交流学級で学習しているため,特別 支援学級では下記の4名で算数の学習を行っている。4名とも,落ち着いた態度で意欲的に課題に取り組むことができるが,心理的安定や聞き取り,書字・読 字,状況把握のしかた,理解力の面で,それぞれに苦手さを持っており,学習がスムーズに進まないことがある。また,時間の経過とともに学んだことを忘れ る傾向にあり,問題の型が変わることや複雑な手続きがあることで混乱することがある。どの児童も不注意傾向にあり,書き間違いや計算間違いが多いが,自 分の苦手さに気づき,気をつけようとする姿が見られる。本単元の内容に関しては,教科書に書かれている文章や図の意味を読み取ること,それぞれの位の関 係性をとらえること,多角的な見方で数をとらえる,数直線を読む,異桁数の筆算をする学習場面において,理解のしづらさや混乱が予想される。視覚優位で あるため,学習内容を視覚的に分かりやすく提示する工夫が効果的であると考える。 〇 小数については,3年で液量や長さについて,単位量に満たない端数部分を小数で表す活動を通して,小数(小数第一位まで)で表すことを学習し,小数につ いての加法,減法の意味や計算の仕方を学習している。本単元では,第3学年の小数の学習と同様に,液量や長さの表し方の考察を通して小数をとらえ,小数 第三位まで範囲を広げる。また,小数も整数と同じように十進数で表されていることを知るとともに,数の相対的な大きさについての理解を深めることや,小 数の加法,減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができることを大きなねらいとしている。小数のしくみについては,1,0.1,0.01,0.001 の大きさを視覚 的にとらえられるようにし,1/10,1/100,1/1000 の見方と同時に逆の 10 倍,100 倍,1000 倍について考えさせ,整数と同じように位が 1 桁上がったり,下がっ たりしていくことを学習することによって,位取りの理解を一層深めることになる。さらに,複数の位の単位の大きさに着目し,それぞれのいくつ分でみる見 方(加法的構造)を学習することによって,小数を用いることにより上位名数だけで簡明に数値化できるよさを味わわせることができる。また,ある位の単位 の大きさに着目し,そのいくつ分でみる見方(乗法的構造)を学習することは,相対的な大きさについての理解が深まり,高学年において小数の乗法、除法の 計算を考える際に有効にはたらくと考える。小数の加法,減法については,小数第二位まで範囲を広げ,計算は小数点をそろえることによって,整数の筆算形 式をそのまま活用できるよさを味わわせることができる。 A児 B児 C児 D児 ・新しい内容を理解するまでに時間を要する。複 雑な手続きや関係性をとらえることは苦手で あるが,独自の方法で理解していき,最終的に 理解が図られている。 ・問題の型が変わったり,図の向きが変わったり すると混乱し,学んだことを活用できなくな る。 ・文章の意図や図が示していることなどを違って 捉えていることがある。 ・環境が変わると,緊張する。 ・挙手して発表するが,恥ずかしさから発表の声 が小さく,聞き取りにくい。 ・読字・書字がスムーズにできず,学習に対し不安 がある。具体物を見せ,補足説明をすることで, 理解しやすくなる。 ・思い込みや勘違いがあり,手順を忘れやすいが, ブロック操作などで納得して獲得した計算方 法などは,確実に覚えている。 ・時計盤やはかり,ものさし,分度器のめもりを よむのが苦手である。 ・周りの刺激や自分の心の状態に左右され,学習 に集中できなくなる。 ・昨年度末に体調不良で入院,現在も治療中で, 体調に合わせて学習をしている。 ・ぼんやりして,説明を聞いていないことがある。 ・複雑な手続きや関係性をとらえることは苦手 で,不安や苦手意識をもつとなかなか取り組も うとしない。 ・時計盤やはかり,ものさし,分度器のめもりを よむのが苦手である。 ・繰り上がりや繰り下がりを忘れたり,計算間違 いをしたりと,不注意によるミスが多い。 ・周りの刺激(音,声,視線)に影響されやすく, 学習に集中できないときがある。 ・納得してから次の活動に進むため,スローペー スである。 ・文章を読まずに問題を解く,たし算とひき算の 切り替えができないなど,思い込みや不注意に よる間違いがある。 ・集中しているときは学習ペースが速いが,周り の刺激に反応したり,気になることにこだわっ たりして,学習に集中できないときがある。 ・分からないことや失敗することで自信をなく しやすい。また,気持ちが高揚すると,落ち着き がなくなる。 ・自分の考えを進んで発表するが,落ち着かない 日は,考えていることをすべて話すなど,冗舌 になるときがある。

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2 〇 本単元の指導に当たっては,児童それぞれの学習する上での苦手さをふまえ,以下の3点について,工夫して取り組みたい。 (1)学習の見通しをもたせる…学習内容・時間・作業について,「何をどの順番で学習するのか,どのくらいの時間で取り組めばよいのか,ノートのどこに書 くのか,どのマスから書き始めるのか」など,児童が視覚的に分かるように工夫し,学習の見通しをもって安心して取り組めるようにする。 (2)作業的な活動を通し理解を深める…目盛りをよむ,関係式や関係図をかく,筆算をするなどの作業時間をとることで,小数を量的,相対的にとらえたり, 視覚的に位を意識して課題に取り組んだりできるようにする。 (3)学習ノートの工夫…教科書の構成や児童の思考に沿った書き込み形式のノートを作成し,学習中も随時,電子黒板に映し出すことで,ノート書字の困難さ を軽減させたい。また,「自分が気をつけること」や「今日の学習のお題,ひと言」を書かせることで,学習内容を整理したり振り返ったりする習慣をつけ, よりよい学び方を身につけさせたい。 「つかむ段階」では,立ち幅跳びの記録や液量による測定値を用いて,端数処理が必要となる具体的な場面を提示し,「さらに小さい数」になるイメージを つくることで,単元全体の見通しをもたせ,学習に対する意欲を高めさせる。端数処理の解決手段として下位の位を導き,さらに,小数を用いて量を km や kg などの適当な単位で表すことにより,小数の有用性を感じさせるとともに,0.001 までの小数の表し方に習熟させたい。 「つくる段階」では,初めに「量を表す小数」について,次に「数としての小数」へと抽象化し,小数のしくみを理解させていく。 まず,整数の十進位取り記数法表記を想起させるとともに,立方体の図を提示することで,1,0.1,0.01,0.001 の大きさを視覚的にとらえさせ,小数も整 数と同じ原理になっていることに気づかせていきたい。また,図にまとめて整理することによって,小数各位の相互関係についても調べさせ,十進構造の理解 を深めさせる。また,「1.573 は,1を 1 個と,0.1 を5個,0.01 を7個,0.001 を3個あわせた数」といった加法的意味や,「1.573 は,0.001 を 1573 個集め た数」といった乗法的意味の両面から,小数の相対的な大きさについて理解を深めさせるようにする。数直線を使って,「0.1 は1を 10 等分した 1 個分,0.1 を 10 個集めた数が1である」「0.01 は 0.1 を 10 等分した 1 個分,0.01 を 10 個集めた数が 0.1 である」ことを量としてとらえさせ,同時に位に着目させるこ とにより,十進構造の理解を深めさせる。さらに,小数の大小に関しては,その十進構造をもとにして,数直線上で考えたり,各位の数字の大きさを比べたり して判断させるようにする。これらの学習を通して,小数と整数のしくみが同じであることに気づかせ,小数が整数と同じように十進数であることの理解を深 めさせたい。作業活動においては,児童の実態に応じて数直線を拡大したシートを用意することで,目盛りの読み間違いを少なくするようにする。 次に,数を表す小数へ抽象化し,8.51 がどんな数かを考えさせる。その際,数の構成的な見方(加法的構造)と数の相対的な見方(乗法的構造)の2つの観 点からとらえさせるようにする。また,各自持ち寄った新聞や雑誌などから小数を探す活動を通して,身の回りのいろいろなところで小数が使われていること に気づかせていきたい。また,位取り表をもとに,具体的な数 0.48 を 10 倍,1/10 にした数を調べることにより,整数と同じように位が 1 桁上がったり,下 がったりしていくことに気づかせ,小数が整数と同じように十進数であることの理解をより一層深めさせたい。また,小数点の移動によって 10 倍,1/10 にし た数を求められることも1つの方法として理解させたい。 「いかす・まとめる段階」では,これまでに学習した小数の構成的な見方と相対的な見方を手がかりに,①位をそろえること②位ごとに計算する,など整数 と同じ原理,手順で,小数の加法,減法の計算の仕方を考えさせる。2 つの観点から,筆算形式の計算の仕方をまとめていき,これまでに学習した小数のしく みをもとに,小数点をそろえて位ごとに計算すればよいことを確認する。書き間違いや読み間違いの多い児童については,安心して取り組めるように,学習ノ ートに補助線を記入したり予め問題を記入したりすることで,学習意欲の持続を図りたい。 3 目標 ○小数第三位までの小数のしくみ,小数の加法・減法の計算の仕方を理解し,自分の苦手さに気をつけて,小数を読んだり,書いたり,小数の加法・減法の 計算をしたりすることができる。(知識・技能) ○数の表し方のしくみや数を構成する単位に着目し,小数の表し方やしくみ,数の相対的な大きさや計算の仕方などを考え,説明している。(思考・判断・表現) ○小数とその計算について,数学的に表現処理したことを振り返り,十進位取り記数法のよさに気づき,学習したことや学習方法の工夫点を生活や今後の学 習に活用しようとしている。(主体的に学習に取り組む態度)

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3 4 単元の指導計画(全 13 時間) 段階 時 学習活動 支援・留意点 評価規準 レ デ ィ ネ ス 【次の学習のために】 ・整数,小数第一位までの十進法のしくみを振り返 り,加法的,乗法的意味や加法,減法についての理 解を確認する。 ①( )抜きの文では,( )に「何」の言葉を当てはめて読み 図と対応させることで題意を理解させるようにする。 ②児童一人ひとりのつまずきを把握し,今後の学習指導の 工夫に役立てる。 ・3年生の既習内容を想起して,問題に取り組んでいる。 (思・判・表) つ か む 1 【1m45 ㎝をm単位で(長さ)】 ・立ち幅跳びの記録をmの単位だけで表すことに課 題意識をもち,3年の既習内容(整数や小数のしく み)をふり返る。 ①1mに満たない「はした」の表し方が学習課題であるこ とをとらえさせ,単元全体の学習の見通しをもたせる。 ②関係図を提示することで,既習の整数と小数のしくみを 想起させる。 ・整数や 1/10 の位のときの表し方や考え方を用いて小数第 二位の表し方を考えようとしている。(態度) ・1/10 の位までの単位で表せないときは,さらに小さい単 位をつくればよいことに気づいている。(態度) 2 【1L3dL と,はしたを L 単位で(かさ) 0.01 導入】 ・0.1 より小さい数(かさ)の表し方を考える。 ・1/100 の位までの小数の表し方や読み方を知る。 ①マス図の見方の説明,目盛りを数える作業を通し,0.1 を 10 等分していることを確認させる。 ②ノートに補助線を引き,位が違うことに気づかせる。 ③「集めた」と「あわせた」の違いを説明し,乗法的構造と 加法的構造について触れておく。 ・0.01 は 0.1 を 10 等分した 1 つ分の大きさであることを 理解し,1/100 の位までの数をよんだり書いたりするこ とができる。(知・技) ・端数の大きさを表すとき,既習の考えをもとに,0.01 の 単位をつくることを考えている。(思・判・表) 3 【mを km単位で(長さ)gを kg 単位で(重さ)0.001 導入】 ・0.01 より小さい数(長さ,重さ)の表し方を考え る。 ・1/1000 の位までの小数の表し方やよみ方を知る。 ①1km=1000m,1kg=1000gをもとに,はしたを小数で 表すことのよさに気づかせる。 ②ノートに補助線を引き,位に着目させる。 ③1m=100 ㎝についても取り上げ,位取り表を提示し,単 位変換のしくみを整理することで理解を深める。 ・0.001 は 0.01 を 10 等分した 1 つ分で表すことを理解 し,1/1000 の位までの数をよんだり,書いたりすること ができる。(知・技) ・1/100 の位で考えたことをもとに,1/1000 の位について 考えている。(思・判・表) <B・C児>単位変換のしくみを理解する。 ・視覚的に kmとm,kg とg,mと㎝の関係が分かるよう に整理したノートを作成する。 つ く る い か す ・ ま と め る つ く る 4 【1~0.001 の関係(立方体の図) 位取り表 あわせた数 】 ・1,0.1,0.01,0.001 の関係を調べる。 ・小数の加法的構造を調べる。 「1,0.1,0.01,0.001 をそれぞれ何個あわせた数」 ①立方体図を数える作業を通し,各単位の大きさをとらえ させる。図の見方の補足説明をする。 ②「あわせた」の意味を説明し,加法的構造をとらえさせ る。それぞれの位に着目することを助言する。 ・小数も整数と同じように,10 倍すると位が 1 桁上がり, 1/10 にすると位が 1 桁下がることを理解している。(知・ 技) ・小数の加法的なしくみについて考えている。(思・判・表) 5( 本 時 ) 【数直線 あつめた数 大小比較】 ・小数の乗法的構造を調べる。 「1.26 は 0.01 をいくつ集めた数?」 ・数直線を用いて,小数の大小関係を比べる。 ①数直線のめもりを数えることで 0.1 や 0.01 の大きさを 確認し,位に着目させ十進構造をとらえさせる。 ②1.26 について, 数直線を使って大きさをとらえさせた り,1/100 の位をもとに乗法的な見方で考えさせたりす る。 ③大小比較は,数直線表示と位取りの両方で考えさせる。 ・数の相対的な大きさから小数をとらえることができた り,小数の大きさを比べたりすることができる。(知・技) ・小数の乗法的なしくみについて考えている。(思・判・表) 6 【小数の多面的とらえ 日常化】 ・8.51 を加法的,乗法的な見方で表す。 ・身の回りにある小数を探す。 ①既習内容を振り返らせ,いろいろな表現で取り組ませ る。 ②新聞や雑誌を持ち寄り,調べさせる。 ・小数を加法的,乗法的構造から,多面的にとらえ表現し ている。(思・判・表) ・身の回りで使われている小数を探そうとしている。(態 度)

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4 7 【十進法でとらえる】 ・0.48 を 10 倍した数や 1/10 にした数について調べ る。 ①位取り表に表すことで,位の上がり下がりを視覚的に とらえさせ,理解を深める。 ②小数点の移動よりも,小数点を固定して数字を移動さ せることを意識化させる。 ・位の変わり方に着目し,小数を 10 倍した数や 1/10 にし た数について考え,説明している。(思・判・表) い か す ・ ま と め る 8 【小数第二位までのたし算】 ・1.82+3.45 の計算の仕方を考える。 ・小数どうしのたし算(小数第二位)の筆算による 仕方をまとめる。 ①答えを見積もらせ,計算間違いを防ぐようにする。 ②2通りの計算の仕方はともに整数のたし算に帰着する ことに気づかせる。 ③くり上がりの数字を書く位置の確認をする。 ・小数のたし算が筆算でできる。(知・技) ・既習の考えをもとに,小数のたし算(小数第二位)の仕 方を考えている。(思・判・表) <C児>くり上がりに気を付けて計算する。 ・位の補助線入りノートを準備する。 9 【答えの末位が0 異桁数のたし算】 ・小数どうしのたし算(小数第二位)の派生型の筆 算による仕方を考える。(6.56+0.84,4.15+5.2 など) ①整数と小数の場合で,答えの末位0の処理について考 えさせる。 ②正しくない例を提示し,位をそろえることやまちがい を防ぐ方法を確認する。 ・答えの末位の0の処理や,桁数の違う小数のたし算がで きる。(知・技) <A・C児>小数点や末位の0の処理を忘れないよう にする。 ・計算後に見直しを促す。学習ノートに気を付けること として記録させ,意識化を図る。 10 【小数第二位までのひき算】 ・3.45-1.82 の計算の仕方を考える。 ・小数どうしのひき算(小数第二位)の筆算による 仕方をまとめる。 ①始めに答えを見積もらせ,計算間違いを防ぐようにす る。 ②2通りの計算の仕方はともに整数のひき算に帰着する ことに気づかせる。 ②くり下がりの仕方を確認する。 ・小数のひき算が筆算でできる。(知・技) ・既習の考えをもとに,小数のひき算(小数第二位)の仕 方を考えている。(思・判・表) <B児>ひき算の手順に気を付けて計算する。 <C児>くり下がりに気を付けて計算する。 ・上の数から下の数を引くことを確認する。 ・前学年までの内容を復習しておく。 11 【答えの末位が0 異桁数のひき算】 ・小数どうしのひき算(小数第二位)の派生型の筆 算による仕方を考える。(3.92-1.52,8-3.54 な ど) ①答えの末位0の処理について考えさせる。 ②正しくない例を提示し,位をそろえることや間違いを 防ぐ方法を確認する。 ・答えの末位の0の処理や,桁数の違う小数のひき算がで きる。(知・技) <A・C児>小数点や末位の0の処理を忘れないよう にする。 ・計算後に見直しを促す。学習ノートに気を付けること として記録させ,意識化を図る。 12 【大小比較習熟 総合習熟】 ・「わかっているかな?」「まちがいやすい問題」 「たしかめポイント」に取り組み,学習内容の理 解を深める。 ①位に着目させ,間違いやすい箇所を確認する。 ②「たしかめポイント」は取り組む前に,どんな問題が あるかを確認させ見通しをもたせる。 ・小数についての理解を確かなものにしている。(知・技) ・学習のつまずきに気づき,学習内容をふり返ろうとして いる。(思・判・表) <D児>混同せずにたし算とひき算に取り組む。 ・始めに,計算の型が変わっている箇所を確認させる。 13 【苦手強化】 ・計算ドリルやプリント集に取り組み,習熟を図 る。 ①分からないところは算数ノートで振り返ったり,尋ね たりできることを知らせ,安心して課題に取り組ませ るようにする。 ・進んで問題に取り組み,小数についての理解を確かなも のにする。(知・技)(思・判・表)(態度)

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5 5 本時の学習 於 教室 (1)主眼 ○学習の仕方が分かり,意欲的に学習に取り組むことができる。 〇小数の乗法的なしくみについて考えるとともに,小数の大小比較の仕方を理解することができる。 (2)本時の手立て 【手立て1】安心して学習活動に取り組むための工夫 ① 学習開始時に 1 時間の学習の流れを提示する。 学習内容や学習手順,配時を予め知らせておくことで,見通しをもって学習を進めたり,自分で発言内容や時間をコントロールしながら意欲的に学習 を進めたりすることができると考える。 ② 随時,教科書や学習ノートを電子黒板で提示する。 児童が使用する教科書やノートと同じものを提示することで,視覚的に学習内容の確認ができ,いつ,どこに,何を書くのかが分かり,安心して学習 に取り組むことができると考える。 【手立て2】教材・教具などへの配慮 ① 学習ノートの作成を工夫する。 教科書の内容や児童の思考に沿った書き込み形式の学習ノートを作成することで,書字作業や注視の移動,順序立てて思考することが困難な児童が, ノート書字の時間を短縮でき,基礎・基本の学習内容の理解に十分時間をかけることができると考える。また,位の補助線,「お題」・「気を付けるこ と」欄の作成などで,児童の学習の苦手さを軽減したり,学習内容を整理したり振り返ったりすることができると考える。 ② 小数のしくみの理解のための作業活動 数直線のめもりをよんで1や 0.1,0.01 の 10 等分の大きさをとらえ、さらに,めもりの大きさと1,1/10,1/100 の位を直結して考えさせることで, 小数の十進構造の理解を深めることができると考える。(数直線拡大シート,位取り表) (3)準備 〔教師〕「あわせた数」の掲示物,学習手順表(黒板),数直線拡大シート,1~1/1000 の位取り表 〔児童〕学習ノート (4)展開 ※学習の苦手さにもとづいた個別の主眼 A児 B児 C児 D児 ・学習内容が分かり,見通しをもって学習を 進めることができる。 ・桁数や位が変わっても,混乱することな く,相対的な見方や大きさ比べをすること ができる。 ・数直線のしくみが分かり,小数を数直線に 表示することができる。 ・気持ちを落ち着けて説明をよく聞き,学習 の仕方を理解して取り組むことができる。 ・数直線のめもりをよむことができる。 ・0.01 をもとにした相対的な見方をするこ とができる。 ・位に気を付けて,小数の大きさ比べをする ことができる。 ・説明をよく聞き,学習に集中して取り組む ことができる。 ・数直線のめもりをよむことができる。 ・0.01 をもとにして数の全体を相対的に考 えることができる。 ・小数点の位置や位に気を付けて,小数の大 きさ比べをすることができる。 ・気持ちを落ち着けて,説明をよく聞き,学 習の手順や仕方をとらえることができる。 ・学習の手順を確認しながら,学習を進める ことができる。 ・小数の乗法的なしくみや小数の大きさ比 べの仕方を考えることができる。

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6 学習活動・内容 個々の活動と教師の支援 ( 〇共通の支援 ,○着眼に関わる支援 ●個別の支援) ※評価規準 A児 B児 C児 D児 つ か む ⑤ つ く る ⑩ 1.前時の学習を振り返り,本 時学習のめあてをつかむ。 (1)問題文1を読み,昨日の 学 習 と の 違 い を と ら え る。 (2)問題文2を読み,学習の 後半で大きさ比べをする ことを知る。 (3)数直線に着目し,本時学 習のめあてをノートに書 く。 2.学習の見通しをもつ。ノー トに2つの「お題」を書く。 3.1.26 は,0.01 をいくつ集め た数かを考える。 (1)数直線のめもりを数え, 数直線のしくみを知る。 ●めあてをかくところを確認す る。 ※学習の見通しをもっている。 (観察) ●体調に合わせて学習に取り組ませる。 ※数直線のめもりをよむことが できる。(観察) ●めもりを読みづらい時は拡大 シートで作業する。 ●黒板を見るように言葉かけを する。 ※数直線のめもりのよみ方が分 かっている。(観察) ●めもりを読みづらい時は拡大 シートで作業する。 ※学習の流れをつかんでいる。 (観察) <めあて> 数直線を使って,小数のしくみを考えよう。 〇「1,0.1,0.01,0.001 をそれぞれ何個あわせた数」の掲示物を見せ,前時学習との違いに気づかせる。 ○教科書の数直線を手がかりに考えることを知らせる。 ○電子黒板で,学習ノートを提示することで,どこに何を書くのかを分かるようにする。 【手立て1】② 〇学習内容・学習手順・配時を提示することで,学習の見通しをもたせ,安定して学習 活動に取り組めるようにする。 【手立て1】① 集めた数(10分ぐらい) ①数直線のしくみを知る。 ②1.26 について考える。 ③練習 大きさくらべ(20 分ぐらい) ④数直線で考える。 ⑤数直線なしで考える。 ふりかえりとまとめ(10 分ぐらい) 〔問題文1〕1.26 は,0.01 をいくつ集めた数ですか。 ☆きのうの学習とちがうのは, 「あわせた数」ではなくて,「集めた数」 0.01 の位しかないこと 〔問題文2〕次の小数の大きさをくらべましょう。 ☆教科書に数直線がのっているよ。 ○学習ノートに作業用数直線を作成しておく。 【手立て2】① ○数直線のめもりを数えることで,1,0.1,0.01 の大きさをとらえさせる。 ○数直線の1,0.1,0.01 の大きさと1,1/10,1/100 の位を対応させて説明することで, 小数の数直線表示と十進的構造の理解を深めさせる。 【手立て2】② 〇提示教材を見せながら説明をする時は,作業を止めさせ,注意喚起をしてから行う。

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7 ⑳ (2)1.26 について考える。 (3)練習問題に取り組み,小 数の乗法的なしくみにつ いて理解を深める。 4.小数の大小比較をする。 (1)数直線のめもりの大きさ を確認し,数直線上にそ れぞれの小数を書き入れ て考える。 ※桁数が変わっても,混乱してい ない。(ノート) ※学習の見通しをもっている。 (観察) ※小数を数直線に表示すること ができている。(ノート) ※気持ちを整えて説明を聞いて いる。(観察) ※0.01 をもとにした相対的な見 方をしている。(ノート) ※気持ちを整えて説明を聞いて いる。(観察) ※数直線のめもりをよむことが できている。(観察) ●めもりを読みづらい時は拡大 シートで作業する。 ※提示資料を見て説明を聞いて いる。(観察) ※0.01 をもとにして数の全体を 相対的に考えている。(ノート) ※提示資料を見て説明を聞いて いる。(観察) ※数直線のめもりをよむことが できている。(観察) ●めもりを読みづらい時は拡大 シートで作業する。 ※作業を止めて説明を聞いてい る。(観察) ※小数の乗法的なしくみを考え ている。(発言) ※学習の手順を確認している。 (観察) ※数の相対的な大きさから小数をとらえることができる。(知・技)【発言・ノート】 ※小数の乗法的なしくみについて考えている。(思・判・表)【発言・ノート】 ○学習の後半に進んだことを知らせ,学習のゴールまでの見通しをもたせる。【手立て1】① ○数直線のめもりを数えることで,0.1,0.01,0.001 の大きさをとらえさせる。 ○提示された小数の 1/10,1/100,1/1000 の位と数直線のめもりの大きさを対応させることで, 数直線表示の困難さを軽減する。 【手立て2】② 1は 0.01 を(100)こ 0.2 は 0.01 を( 20)こ 0.06 は 0.01 を( 6)こ 1.26 は 0.01 を(126)こ集めた数 1 0 2 0 6 1 0.1 が 100 倍したところに1こ 10 倍したところに2こ そして6こ 〇とまどっている場合は,位に着目して考えられるように個別に指導する。 ○学習ノートに位の補助線を引いておく。 【手立て2】① 次の小数の大きさをくらべましょう。

ア 0.182

イ 0.19

ウ 0.17

エ 0.175

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8 〔座席表〕 ま と め る ⑩ (2)数直線なしで考える。 (3)練習問題に取り組み,小 数の大小比較について理 解を深める。 5.本時の学習を振り返る。 (1)数直線,集めた数,大きさ くらべの3つの項目で,気 を付けることや気付いたこ とを書く。 (2)学習のまとめを書く。 (3)次時の学習について知る。 (4)時間に余裕があれば,補 充問題に取り組む。 ・算数ドリル36 ※桁数や位が変わっても,混乱し ていない。(ノート) ※位に気を付けて,小数の大き さ比べをしている。(ノート) ※小数点の位置や位に気を付け ている。(ノート) ※小数の大きさ比べの仕方を考 えている。(発言) 〇整数の大小比較の仕方を想起させ,上の位から順に比べればよいことに気付かせる。 ○提示された小数の位をそろえて縦に並べると比べやすいことを,実際に見せて理解させる。 〇次時学習は,提示された小数について説明すること,身の回りの小数を探すことを伝え,見通しをもたせる。 る。 ※小数の大きさを比べることができる。(知・技)【ノート】 〇とまどっている場合は,位に着目して考えられるように個別に指導する。 〇共通したつまずきは,作業を止め,一斉に説明する。 ②0.540( )0.543 一 十一 ④3.263( )32.63 〇自分の言葉で書かせるようにする。思いつかない児童には学習ノートを振り返らせ,尋ねることで考えを広げ させる。 〇「位に着目する」ことで問題解決できることを伝え,意識化を図る。 <まとめ>(位)に着目すれば,(数直線)をよんだり,(集めた数)を考えたり, (大きさくらべ)をしたりすることができる。 黒 板 A B C D

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9 〔本時学習ノート〕

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