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ウェルネスのためのICT:4.ICTを用いた運動・身体活動の測定方法と健康増進への活用

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(1)特 集:ウェルネスのための. 4. ICT. ICT を用いた運動・身体活動の 測定方法と健康増進への活用. 大河原一憲(電気通信大学大学院情報理工学研究科/国立健康・栄養研究所基礎栄養研究部) 笹井浩行(筑波大学医学医療系/日本学術振興会) 身体活動と疾病に関する研究の始まりは,ロンド. うになった.しかしながら,各製造会社は何をどこ. ン 2 階建てバスの運転手と車掌を対象に,虚血性心. までどのように推定できるのかという情報を公開せ. 疾患の発症率を比較した Morris ら(1953 年)によ. ず,売れる商品の開発に注力し,また使用側もそれ. るものだといわれている.イギリスでは,その当時. らを十分理解しないまま利用しているという現状が. から身体活動の不足が多くの人々の健康障害を招く. ある.そこで,本稿では活動量計の測定原理と限界,. 時代が来ることを予測していたのかもしれない.以. および活用の可能性について解説する.. 降,生活習慣病の予防・改善に必要な身体活動量・ 活動様式についてさまざまな研究が行われてきたが, それは同時に身体活動・運動を正確に評価するため. 身体活動・運動とは. の測定法を開発する歴史でもあった.日常生活下の. 健康づくりのための身体活動基準 2013(厚生労. 身体活動量を評価する方法として,長年,主に質問. 働省)によると,身体活動(physical activity)と. 紙法が使われてきたが,測定技術の目覚ましい進歩. は,安静にしている状態よりも多くのエネルギーを. に伴って,近年では加速度計法や心拍数法を採用す. 消費するすべての動作を指し,日常生活における労. る研究が増えている.さらに,これらのいわゆる “ 活. 働,家事,通勤・通学等の 「生活活動」 と,体力の. 動量計 ” は,安価に購入できるようになったことか. 維持・向上を目的とし,計画的・継続的に実施さ. ら,専門家のみならず,一般にも広く認識されるよ. れる「運動」の2つに分けることができる(図 -1概 念 A). そ の ほ か, 余 暇 身 体活動(leisure-time physical. 概念A. 生活活動. 運動. 動(occupational physical activity)などに分類することがあ るが,これらの区分(ドメイン: domain)は生活様式に基づく. 立位(会話,電話,読書),皿洗い 洗濯,洗車,料理や食材の準備 子供と遊ぶ(座位),ガーデニング 動物の世話,ピアノ演奏,仕立て作業. 低強度. ストレッチング,ヨガ,ビリヤード 全身を使ったテレビゲーム 座って行うラジオ体操. 歩行,片付け,子供の世話,大工仕事 掃除機,自転車に乗る,介護,床磨き 風呂掃除,階段を昇る・降りる,草むしり 子供と遊ぶ(立位),釣り,散歩,耕作 雪かき,農作業,運搬. 中強度以上. ボウリング,バレーボール,太極拳 エルゴメーター,ウォーキング,卓球 テニス,山登り,水泳,野球,スキー バドミントン,筋力トレーニング,柔道 バスケットボール,サッカー,レスリング ラグビー,アメリカンフットボール, サイクリング. activity)や仕事による身体活. 定義である.そのため, 「運動」 ドメインのウォーキングと「生 活活動」ドメインの歩行は同 じ運動様式であっても,異な. 概念B. るドメインとなる.この概念. 混合型身体活動 . 歩行系身体活動. (歩行,ジョギングなど). (ラグビー,農作業,運搬など). 非歩行系身体活動. (皿洗い,筋力トレーニング,自転車など). は,疫学研究などで用いられ る質問紙調査によって身体活. 概念Aは健康づくりのための運動基準2006および 健康づくりのための身体活動基準2013(厚生労働省)を参照. 図 -1 身体活動の区分. 152. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 動を評価する場合にはフィッ トするものの,物理的・生体. 基 応 専 般.

(2) 4.ICT を用いた運動・身体活動の測定方法と健康増進への活用. 的指標から身体活動関連指標を推定する場合の直接. ツに相当)で除したものである.身体活動量(エネ. 的な適用は難しい.そこで,物理的・生体的データ. ルギー消費量)の算出は,ある身体活動の強度(た. から各身体活動指標を推定する場合には,運動様式. とえば,4 メッツの強度など)が分かり,それに. の違いに基づく概念をあてはめると理解しやすい. 実施した時間を乗じることで可能である.そのた. (図 -1- 概念 B) .. め,1)それぞれの身体活動の強度と,2)座位安 静時代謝量(≈ 基礎代謝量 *厳密には異なる)が. 1 日のエネルギー消費量の構成と身体 活動関連指標との関係. うまく推定できれば,1 日の総エネルギー消費量. 1 日の総エネルギー消費量は大きく 3 つで構成さ. ー消費量の経時的変化の模式図を示したが,これ. れている(図 -2-A) .基礎代謝量とは人が生きてい. を見ると上述した 2 つの指標の推定がいかに重要で. くうえで必要な最小限のエネルギー量をいう.一般. あるかが理解できる.また,一般人においては,身. 成人が日本人の食事摂取基準 2015 における「ふつ. 体活動全体のうちの運動によるエネルギー消費はそ. う」の身体活動レベルで過ごした場合,基礎代謝量. れほど大きくないため,非運動性身体活動(≈ 生. および身体活動量を高い精度で推定することが可 能である.図 -2-B に日常生活下におけるエネルギ. は総エネルギー消費量の約 60% 程度を占める.また,食事をと った際に食物を消化,吸収,運. A:1日の総エネルギー消費量の構成. 総エネルギー消費量. 搬する過程で熱産生が生じるが, これを食事誘発性熱産生といい, 総 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 10 % 程 度を占める.残りの構成要素が 身体活動に由来するものであり, この中にはあらゆる身体活動に. つきが大きく,特に非運動性身. エネルギー消費量(kcal/分). 大小が 1 日の身体活動レベルに 1). 大きく影響するといわれている . 活動量計で測定できる身体活 動関連指標には,エネルギー消 費量,強度,行動パターン,歩. ents : METs)が国内外においてよ く用いられている.メッツとは, 身体活動におけるエネルギー消 費量を座位安静時代謝量(1 メッ. 通勤・通学 庭仕事 外遊びなど. 60%. ジョギング サッカーなど. ウォーキング. 44. 通勤 (歩行と電車). 通勤 (歩行と電車). 3. オフィスワーク 掃除 朝食. 夕食. 昼食. 2 睡眠. 1. 2:00 2:00. 6:00 6:00. 8:00 8:00. 10:00 10:00. +. EXEE. =. 18:00 18:00. 20:00 20:00. 22:00 22:00. NEA T. BMR. 00 0:00 0:00. 数,走行距離・速度などがある には,メッツ(metabolic equival. 10%. 買い物. B:日常生活下におけるエネルギー消費量の経時的変化の例 55. 体活動によるエネルギー消費の. (図 -2-C).身体活動強度の指標. 家事. 身体活動によるエネルギー消費量(Physical activity energy expenditure : PAEE) 食事誘発性熱産生(diet induced thermogenesis : DIT)基礎代謝量(basal metabolic rate : BMR) 非運動性身体活動によるエネルギー消費量(non-exercise activity thermogenesis : NEAT) 運動によるエネルギー消費量(exercise energy expenditure : EXEE). よるエネルギー消費が含まれる. この構成要素は人によってばら. 30%. 12:00 12:00. 14:00 14:00. 時 刻. 16:00 16:00. PA EE 24:00 24:00. C:活動量計で測定できる身体活動関連指標 エネルギー消費量. 強度 ローデータ. 総エネルギー消費量(kcal/日) 機種依存 身体活動量(kcal/日) METs・h(メッツ・時) 行動 低・中・高・中高強度(分/日) 座位活動(分/日) 歩数. カウント(ActiGraphなど) (総カウント/日) 運動強度(Lifecorder) (総活動強度/日). 加速度(mG),拍(回/分). 距離(km),速度(m/分). 走行. 臥位,座位,立位,歩行 生活活動(非歩行)(分/日) 歩数(歩/日),歩行率(歩/分). 図 -2 1 日のエネルギー消費量の構成と活動量計で測定できる身体活動関連指標との関係. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 153.

(3) 特 集:ウェルネスのための. 熱流束. 皮膚コンダ クタンス. [Personal Calorie [SenseWear] Monitor]. 皮膚温. [ActiHeart]. ICT 加速度. [ActiGraph]. 心拍数. [activPAL]. 大気圧. 位置情報 (GPS). [HJA-750C]. [SF-710S]. 図 -3 日常生活下における運動・身体活動の測定法 . 活活動)を正確に評価する意義は大きい.. 登りにおける推定精度の改善や,GPS を用いること で走行距離や走行速度を正確に測定できることなど,. 運動・身体活動量の測定方法. 部分的な改善は報告されており,今後さらなる発展 が期待できる.. 人のエネルギー消費量を高い精度で測定する方 法として,呼気ガス分析に基づくダグラスバッグ 法,ミキシングチャンバー法,ヒューマンカロリメ. 妥当性が検証されている加速度計. ーターなどがあるが,日常生活下での長時間測定は. 加速度計法は,人が動いたときに生じる加速度と. ほぼ不可能である.一方,トレーサーを用いる二重. 活動強度やエネルギー消費量との間に正の相関があ. 標識水法が日常生活下でのエネルギー消費量を測定. ることを利用して,それらの身体活動指標を推定す. するゴールドスタンダードとして用いられているが,. る方法である(図 -4-B).加速度計には加速度セン. 1 〜 2 週間の平均エネルギー消費量を算出できるこ. サに加え,時計,A/D 変換器,プロセッサ,メモリ. とに限定されており,1 日単位,数時間単位での評. および電池などが内蔵されている.計測本体であ. 価はできない.また,疫学調査で多く利用される質. る加速度センサには,圧電素子(piezoelectric)型,. 問紙法は,得られる情報量が少ないことや,非客観. ピエゾ抵抗(piezoresistive)型,静電容量(capacit. 的な測定法であるなどの理由により,推定誤差が大. ive)型などいくつかの種類がある.. きい.そこで,日常生活下での運動・身体活動量を 経時的,客観的に追従し,かつ高精度で評価する方. NN 海外で利用されている代表的な加速度計. 法として,加速度,角速度,傾斜角,心拍数,大気. 海外の主な加速度計とその特徴を表 -1 にまとめ. 圧,位置情報(GPS) ,皮膚温,熱流束,皮膚コン. た.近年の加速度計の技術開発はめざましく,小型. ダクタンスなどの物理的・生体的計測値を測定する. 化,軽量化,多軸化,記憶領域の大容量化がなさ. 2). .現在発売さ 活動量計が開発されている (図 -3). れ,より詳細かつ長期間にわたり,身体活動を捉え. れている活動量計のほとんどは,加速度センサが内. られるようになっている.実際,米国における標準. 蔵されているものであり,それにそのほかの計測セ. 的な加速度計 ActiGraph(ActiGraph 社)では,過. ンサを組み合わせて精度を改善しようとする試みが. 去 20 年間で 64KB から 512MB へと記憶容量が飛躍. なされている.しかしながら,1 日のエネルギー消. 的に増加した.数年前までは,一軸加速度センサを. 費量や身体活動量を推定することにおいて,加速度. 内蔵した機種が主流であったが,最近では三軸加速. 値に心拍数や熱流束値などの指標を追加しても,ほ. 度センサを内蔵した機種が主流となっている.装着. とんど精度は改善できていないというのが現状であ. 部位は腰部が主流であるが,activPAL(PAL Tech-. 3). る .他方,気圧計を搭載することで階段昇りや山. 154. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. nologies 社)のように大腿前面に装着する機種や,.

(4) 4.ICT を用いた運動・身体活動の測定方法と健康増進への活用. 7164)を腰部に装着して身体活動を. A:活動のパターン判別 (Oshima et al., 2010) 4) 「歩行」動作時の上下方向の加速度データ フィルタリング前. 測定しており,2006 年まで同じ手法. フィルタリング後. で調査された.現在データ収集中の 2011 ~ 2014 年 プ ロ ト コ ル で は, 加 速度計(ActiGraph GT3X+)の装着部. 0. 1. 2. 3. 4. 5 [秒]. 「掃除機かけ」動作時の上下方向の加速度データ フィルタリング前. 0. 1. 2. 3. 5 [秒]. 4. 位が腰部から手首へと変更された.手 首に装着する利点は,対象者の負担軽. フィルタリング後. 減と測定コンプライアンスの向上(日 本に比べ,米国における腰部に装着す 0 10 20 30 40[秒]. B:活動強度の推定 (Ohkawara et al., 2011) 5) 12. 0 10 20 30 40[秒]. い),24 時間測定の実現に伴う睡眠測. 走・歩行系活動. 生活活動. 活動強度(メッツ). 10. る加速度計へのコンプライアンスは低 定が可能となることである.NHANES. 階段昇りは例外. は米国民を代表する標本調査であり,. 8. 階段降り 階段昇り もの運び. 6. 皿洗い 洗濯物 干し 掃除機 かけ ゆっくり 歩行 普通歩行 速歩 物を持って歩く ジョギング. 4. 2. 0 0 200 400 600 800 1000. 1200. 3次元合成加速度(mG). 図 -4 加速度計を用いた身体活動のパターン判別および強度推定の例. 必然的に注目度も高い.. NN 国内で開発された加速度計 国内においては,1980 年代後半よ り加速度計の開発が行われ始め,初め てスズケン社製のカロリーカウンター が市販されて以降,これまでさまざま な加速度計が開発されてきた.表 -2 に妥当性の検証が報告されている代表 的な加速度計を示したが,国内におい. ActiGraph や GENEActiv(Activinsights 社)のように,. て妥当性の検証が報告されている加速度計の数は非. 腰部に加え手首や足首に装着できる機種もある.任. 常に限られている.健康スポーツ科学分野では,ス. 意の装着部位における出力と目的とする身体活動変. ズケン社製の加速度計であるカロリーカウンター. 数との関係が妥当性研究によって構築されていれば,. や Lifecorder EX が国内で最も普及してきた.これ. 結局のところどこに装着しても構わない.activPAL. らの機器は,1 軸の加速度センサを内蔵しており,. は,近年疾患のリスク因子として注目されている座. 32Hz で検出した加速度信号の大きさと,単位時間. 位行動(sedentary behavior)を測定する機器とし. あたりの歩行ピッチから 4 秒ごとに独自の運動強度. て評価が高い.activPAL は立位,座位/臥位,歩. (Ka)を算出することが可能で,それに体重を乗じ. 行を妥当性高く(正判別率 95%)判別できること. て運動量(kcal)を求める.ただし,Lifecorder は. が報告されている.activPAL は自由生活下におけ. 歩行や走行時の上下振動に伴う加速度を検出するこ. る座位行動測定の準基準法としての評価を得つつあ. とを想定して開発されており,体幹の左右への捻り. り,今後疫学調査等で広く利用されることが予想さ. や揺れなどに伴う動作には適さないことが報告され. れる.. ている.また,歩行・走行の評価に優れているとは. 健 康 に 関 す る 米 国 の 代 表 的 な 調 査 で あ る Na-. いえ,加速度の測定範囲が 0.06 〜 1.94G までであ. tional Health and Nutrition Examination Survey. るため,およそ時速 8 km(8.3 メッツ)以上の歩行・. (NHANES)では,2003 年から加速度計(ActiGraph. 走行では速度変化を追従できないと考えられる.. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 155.

(5) 特 集:ウェルネスのための. ICT. 国内で販売されている身体活動量の評価を目的と. 年 4 月時点で発売中止)などがある.ActivTracer. した 3 軸加速度計には,Active style Pro HJ-350(オ. は,50 Hz で 加 速 度 を 検 出 し て お り,4 秒 ご と に. ムロンヘルスケア社製),ActivTracer AC-210(GMS. 平均化された 3 軸の加速度の生値を得ることがで. 社) ,Actimarker EW4800( 松 下 電 工 社 * 2014. きる.Active style Pro はサンプリング周波数が 32. ActiGraph GT1M. ActiGraph GT3X+. activPAL. Hz で加速度を検出しており,10 秒 ごとの平均合成加速度から運動強度 (メッツ)を推定することが可能で. 写真. ある.走・歩行活動と日常生活活動 を別々の推定式で求める ActivTracer. 製造会社. ActiGraph. ActiGraph. PAL Technologies. 大きさ. 38.0 × 37.0 × 18.0 mm. 46.0 × 33.0 × 15.0 mm. 35.0 × 53.0 × 7.0 mm. 重量. 27 g. 19 g. 15 g. 装着部位. 腰部. 腰部,手首. 大腿前面. と,それらを1つの推定式から求め る Actimarker の測定精度を比較した 研究では,日常生活活動(洗濯物干. 測定範囲. 0.05 ~ 2.00 G. ±6G. ±2G. し,皿洗い,荷物の持ち運び,掃除. 最小分解能. 50 mG. 3 mG. 16 mG. 測定軸. X軸. X,Y,Z 軸. X,Y,Z 軸. 機かけ)時のダグラスバッグ法によ. 記録周波数. 30 Hz. 30 ~ 100 Hz. 20 Hz. る基準値と各加速度計による推定値. エポック長. 1分. 生値,1 秒~ 5 分. 15 秒. 処理は GT1M と同 様.2011 ~ 2014 年 の米国国民健康栄養 調査にて手首に装着 されている.測定コ ンプライアンスを高 め,かつ睡眠の情報 を得ている.. 大腿前面に装着し, 主に立位,座位 ・ 臥 位,歩行の判別に優 れている.. との差異が,Actimarker で平均 -8.7%,. 特徴. フィルタ処理後の積 分値を用いて独自指 標を算出.エネル ギー消費量の推定は 研究者が作成した推 定式を用いる.2005 ~ 2006 年の米国国 民健康栄養調査にて 使用.. ActivTracer で平均 -0.4% であったと報 告している.ActivTracer の方が確度 が優れていた理由に,2 本の推定式を 用いている点を挙げているが,それ でも活動によっては 11% 前後の過小. 表 -1 妥当性が検証された海外の主な加速度計 Lifecorder. Active style Pro. Actimarker. ActivTracer. 製造会社. スズケン. オムロンヘルスケア. パナソニック電工. GMS. 大きさ. 72.5 × 41.5 × 27.5mm. 74.0 × 34.0 × 46.0 mm. 60.0 × 13.0 × 35.0 mm. 52.0 × 80.0 × 17.0 mm. 写真. 重量. 60 g. 60 g. 24 g. 72 g. 装着部位. 腰部. 腰部. 腰部. 腰部 ±4G. 測定範囲. 0.06-1.94 G. ±6G. ±2G. 最小分解能. 60 mG. 3 mG. 4 mG. 2 mG. 測定軸. X軸. X,Y,Z 軸. X,Y,Z 軸. X,Y,Z 軸. 記録周波数. 32 Hz. 32Hz. 20 Hz. 50 Hz. エポック長. 4 秒か 2 分. 10 秒か 60 秒. 12 秒か 60 秒. 15 秒. 特徴. ピッチと加速度から 運動強度を決定.歩 数測定の妥当性が高 い.. 歩行・走行活動と生 活活動を判別するア ルゴリズムを内蔵し ている.両者に別々 の推定式を適用し, エネルギー消費量を 推定.. 表 -2 妥当性が検証された国内の主な加速度計. 156. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 合成加速度と酸素摂 歩行・走行活動と生 取量の関係を示す 1 活活動を判別するア つの推定式から活動 ルゴリズムを内蔵. 強度(METs)を推定. 心拍数および RR 間 現在,発売中止. 隔の同時測定可能..

(6) 4.ICT を用いた運動・身体活動の測定方法と健康増進への活用. 活動量計 利用者. 用途. 専門家向け 研究者,運動指導士 スポーツコーチ トレーナー,医師 栄養士など. 一般ユーザ向け. 目的. アセスメント. 対象 健常者 子ども,成人 高齢者,妊婦など. 研究調査 専門的分析およびアドバイス. 測定精度 データ収集・分析のしやすさ. セルフモニタリング. 競技スポーツ現場,医療施設 運動施設,学校給食など. 有疾患患者 アスリート 球技スポーツ,陸上 コンタクトスポーツ 水泳,ダンスなど. 個人による健康の維持・増進. 車いす利用者. 体力・スポーツパフォーマンスの向上. 肥満者. 継続的かつ強い動機付け 装着しやすさ・分かりやすさ. さまざまな対象者において ・高精度で評価できる ・対象者本人の利用が可能. 図 -5 健康管理・スポーツ現場で有用な活動量計を提案するために考慮すべきポイント. または過大評価がみられている.. epoch 内における加速度生値から数々の時間領域. Active style Pro の特徴は,歩行・走行活動と日常. 変数(変動係数,ゼロ交差数,ピーク間隔など)や. 生活活動を別々の推定式から求めることに加え,座. 周波数領域変数(有意周波数,エントロピーなど). 位,仰臥位での活動についても,別の推定式を用い. を抽出し,人工ニューラルネットワーク,サポート. 5). によると,. ベクタマシン,判別分析,決定木,隠れマルコフモ. 日常生活活動(洗濯物干し,皿洗い,荷物の持ち運び,. デル(Hidden Markov model)を用いる方法などが. 掃除機かけ)時における実測した運動強度と比較し. 報告されている.. て評価している点である.Ohkawara ら. て,Active style Pro は活動によって -3.5% ~ 6.2% 程度の誤差が認められている.このように,開発プ ロセス,センサのスペック,取得したデータの処理. 健康増進現場での活用と今後の課題. 方法などで推定誤差に違いが生じる.どの機種が最. 現在,歩数計,活動量計などを含むライフログと. も優れているかという判断は難しいが,どういった. いった人の活動を記録するモニタを誰でも入手でき. 身体活動をどの程度の精度で評価したいのかで,利. るようになった.家電量販店では,安価なものから. 用する加速度計の選択肢が変わってくる.研究調査. 高額なものまでさまざまなタイプが販売されており,. で利用する場合には,精度が確保されていることに. どれを選んでよいのか分からないほどである.また,. 加えて,推定式を含むアルゴリズムをどこまで開示. ほとんどのスマートフォンに加速度センサが内蔵さ. しているのかも重要なポイントである.. れており,新たに活動量計を購入しなくても,活動 量を測定する機能を利用することができる.つまり,. NN 行動パターンの判別. 誰もが何らかの方法で身体活動関連指標にふれられ. エネルギー消費量関連指標の推定のみならず,加. る時代である.. 速度値を用いて行動パターンの判別も行われている.. 活動量計の利用方法は 2 つに大別される(図 -5).. たとえば,Active Style Pro や ActiGraph の Crouter. 1 つは専門家が研究調査,患者や競技選手への食事・. らの式においては,重力加速度の影響(図 -4-A). 運動指導などのために対象者の活動量をアセスメン. や加速度の変動係数を利用し,歩行活動とそれ以外. トする場合で,推定精度が高く,ローデータが得ら. の生活活動に判別している.そのほかにも,一定. れ,取得した大容量データの分析がしやすいことな. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 157.

(7) 特 集:ウェルネスのための. ICT. どが求められる.もう一方は,一般ユーザが自己管. 動促進ツールおよびシステムの開発に取り組む必要. 理(セルフモニタリング)を目的とするものであり,. があると考えている.. 継続的で強い動機付けが得られ,装着しやすく,結 果の解釈が分かりやすいとよいだろう.現在市販さ れている活動量計のほとんどは,一般ユーザがセル フモニタリングするために作られており,装着のし やすさ,形状のかっこよさ,バッテリの持続時間な どが重視されている.一方で,それらの活動量計の アルゴリズムや開発プロセスについてはほとんど開 示されていないため,測定精度がどの程度保持され 6). ているのか判断できるものは限られている . 活動量計は,今後ますます小型化,大容量化,複 数の物理的・生理的指標の測定が可能となり,コン ピュータネットワークとの組合せでより使いやすい 環境が作られていくことに疑う余地はない.そして, 多くの人が健康管理ツールの 1 つとして,重要な役 割を果たすであろうと期待している.しかしながら, 活動量計を提供することで健康を維持・改善したと いう介入研究の成果がそれほど多く報告されている. 参考文献 1) Ohkawara, K., Hikihara, Y., Matsuo, T., Melanson, E. L. and Hibi, M. : Variable Factors of Total Daily Energy Expenditure in Humans. The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine, 1(3), pp.389-399 (2012). 2) Chen, K. Y., Janz, K. F., Zhu, W. and Brychta, R. J. : Redefining the Roles of Sensors in Objective Physical Activity Monitoring. Med Sci Sports Exerc, 44(1 Suppl 1), S13-23 (2012). 3) Remoortel, H. V., Giavedoni, S., Raste, Y., Burtin, C., Louvaris, Z., Gimeno-Santos, E., Langer, D., Glendenning, A., Hopkinson, N. S., Vogiatzis, I., Peterson, B. T., Wilson, F., Mann, B., Rabinovich, R., Puhan, M. A. and Troosters, T. : PROactive Consortium, Validity of Activity Monitors in Health and Chronic Disease, A Systematic Review. Int J Behav Nutr Phys Act. 9, e84 (2012). 4) Oshima, Y., Kawaguchi, K., Tanaka, S., Ohkawara, K., Hikihara, Y., Ishikawa-Takata, K. and Tabata, I. : Classifying Household and Locomotive Activities Using a Triaxial Accelerometer, Gait and Posture, 31(3), pp.370-374 (2010). 5) Ohkawara, K., Oshima, Y., Hikihara, Y., Ishikawa-Takata, K., Tabata, I. and Tanaka, S. : Real-time Estimation of Daily Physical Activity Intensity by Triaxial Accelerometer and a Gravity-removal Classification Algorithm, British Journal of Nutrition, 105, pp.1681-1691 (2011). 6) Lee, J. M., Kim, Y. and Welk, G. J. : Validity of Consumer-based Physical Activity Monitors, Med Sci Sports Exerc, 46(9), 1840-8 (2014). (2014 年 11 月 17 日受付). わけではない.使い始めは活動量計に興味を持って 意欲的に取り組んだとしても,そのうちに飽きてや めてしまう人がいることは容易に想像できる.そこ で,健康のために身体活動量を増やさなくてはいけ ないという動機だけでなく,身体を動かすこと,運 動することが楽しいというような内発的動機を強く 継続的に得られるためにはどうしたらよいのかとい う視点を持って,ICT を用いた新たな健康・身体活. 158. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 大河原一憲 ■ [email protected] 筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻博士課程修 了(博士(スポーツ医学)取得).国立健康・栄養研究所研究員,日 本学術振興会特別研究員を経て,現在,電気通信大学大学院情報理 工学研究科(総合情報学専攻). 笹井浩行 ■ [email protected] 筑波大学大学院博士課程人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修 了(博士(スポーツ医学)取得).アメリカ国立衛生研究所研究員, 日本学術振興会海外特別研究員を経て,現在,筑波大学医学医療系..

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