空間デザイン演習資料（第４回）
（１）今までの紙図面作成方法
外形線を作図するときに、三角スケール等で縮尺を掛けて作業していました。 これでは、長さや面積を測るときや、縮尺を変えたい場合に、修正変更作業が大変でした。（２）CADで図面作成方法
CADで作図するときは、実際の長さ（ｍｍ）を作図し、最後の印刷時に縮尺を掛けて出力します。 従って、外形線や形状を作図する時は縮尺を意識せず作図できます。 しかし、文字と寸法を作図するときは縮尺を考慮して作図します。 新宿区：１０００ｍｍの文字サイズで作図 東京都：２5００ｍｍの文字サイズで作図84100
59400
841､594
841､594
1/100
1/200
118800
168200
単位は全てｍｍ
１／１００で印刷 新宿区は１０ｍｍで印刷 １／2００で印刷 新宿区は5ｍｍで印刷 東京都は12.5ｍｍで印刷 文字と寸法だけ注意が必要 新宿区を１０ｍｍで印刷したい場合は 文字サイズを2000に変更すれば良い学習ポイント
①縮尺の考え方 文字・寸法線
②モデル空間、レイアウト空間
過去2回の演習において2次元の作図手法について講義したが，本日は縮尺・寸法 を考慮した図面作成の演習を行います．データの取得
講義に使用するデータを取得します。
「マイコンピュータ」もしくは画面下部のフォルダのマークをクリックしてエクスプローラを起動し、Civilserver内にある 資料フォルダ内のDATA_No0４のフォルダをデスクトップに保存してください。今後の演習では、使用するデータを演習前に取得しておいてください。
本演習に使用するデータ一覧
Copy-橋.dwg DATA04_01.dwg DATA04_02.dwg 表.csv DATA04_03.dwg DATA04_04.dwg DATA04_05.dwg DATA04_06.dwg 手順 Civilserver内の「資料」を選択橋梁図面作成
Copy-橋.dwg
を開いてください。
１）V字 V字＋橋脚を左上枠内にコピーする。
（１）図形のコピー
２）橋台 同様にして、左右橋台を左下枠内にコピーする。 V字 橋脚 橋台 左橋台 右橋台 V字＋橋脚(複写)
３）支柱 支柱・斜材・主桁を上枠内に必要な部分が入るようにコピーする。 オブジェクトを選択: 基礎（下の箱）・支柱・斜材・主桁を指示 オブジェクトを選択: Enter 基点 または 移動距離を指定 または [連続(M)]: ①・②指示 交点 <基点を移動距離として使用>: ① ② トリム 枠外を削除する。 切り取りエッジを選択 ... オブジェクトを選択: ③枠を指示 （指示した枠内だけ残る） オブジェクトを選択: Enter トリムするオブジェクトを選択：枠外の線を１個づつ指示 枠を削除 ③枠を削除する。 □ 基点の指定 □ 基礎 斜材 支柱 主桁 複写
（トリム）
トリムするオブジェクト 1個づつ指示 ③(複写)
（２）寸法線
■寸法スタイルとは 縮尺ごとにスタイルを作成します。 今回は1/1000と1/2000の２種類を作成します。 １）寸法スタイル作成 注釈タブを選択し，“寸法記入の”横にある矢印ををクリック 新規作成をクリック スタイル名を入力 “１０００“ にする 必ず縮尺がわかるような名前にすること 続ける をクリック（寸法スタイル管理）
フィットタブ ①全体の尺度 １０００ 基本単位タグ 精度 を0に設定したらOKを クリック スタイル（S）；に1000が追加された。 同様にして１／２０００用のスタイルを作成してください。 注意：名前は：２０００ 尺度：２０００ ③ ④
２）寸法記入 注釈タブをクリック 次に“寸法記入”をクリックする ① ② ③ 1 本目の寸法補助線の起点を指定 ① 2 本目の寸法補助線の起点を指定: ② 寸法線の位置を指定 ③ 同様にして、下図のように作図してください。 もう１個の橋台も作図。 ※2点目に指定した起点の方に寸法値が記入されます。 また、寸法値位置の修正も簡単に行えます。 （次ページに記載）
（寸法カレント窓）
寸法カレント窓を１０００に設定する。（※橋梁詳細図の寸法線は寸法スタイル1000を用いる。）① ② ③ 寸法図形をクリックすると５点表示されます A：寸法参照位置 B：寸法作図位置 C：寸法値作図位置 A A B B C C：寸法値作図位置をクリックして位置の指定を行えばきれいに作図ができます。 クリック 支柱の寸法作図は3ページ目の全体図を参照する。 V字構造物と支柱も同様に作図します。 ここではきれいに作図できる直列寸法を学びます。
1
2 直列寸法記入
1, 長さ寸法を１個作図後， 2, 直列寸法記入を使って，右図のように ①②③を連続指示 → Enter同様に橋梁に対しても寸法線を作図してください。（※全体図の寸法線は寸法スタイル2000を用いる。） 余裕のある方は、橋台もきれいな寸法にしてください 長さ寸法：斜め線の縦または横の長さ 平行寸法：斜め線の実際の長さ 寸法の矢印形状や文字の大きさ等は寸法スタイルで 細かく設定できます。 1 本目の寸法補助線の起点を指定: ① 2 本目の寸法補助線の起点を指定: ② 寸法線の位置を指定または〔マルチテキスト(M)/寸法線(T)/・・・/回転(R)〕: t Enter 寸法値を入力<60000>: 6@10000=<> 斜材部分の寸法は下左図のように作図します。 長さ寸法記入をクリック 寸法カレント窓を2０００に設定します ① （長さ寸法記入） □ □ ②
橋梁図面作成
レイアウト空間の作成手順
①モデル空間に構造物を作成 実際の大きさｍｍで描く ②レイアウト空間を作成 ・印刷機種、用紙サイズの設定 ・縮尺枠の設定（縮尺、モデル空間のどの領域を表示するか） ・縮尺枠をどこに配置するか ③レイアウト空間で印刷 レイアウト空間のポイント・考え方 レイアウト空間は印刷するための空間 キーワード： 縮尺枠・ビュー（覗き穴）、ビューの縮尺 縮尺枠はモデル空間を表示するだけ 図枠・表題は、モデル空間でもレイアウト空間で描いてもOK寸法記入が終了したらCopy-橋.dwgの名前を変更して保存してください。 今から下記の図を作成します。 レイアウト1タブをクリック後タブ上にカーソルを合わせて右クリック “ページ設定管理”をクリック ページ設定管理ダイアログが表示されます。 現在のページ設定：*レイアウト1*をクリック→“修正“をクリック ページ設定－レイアウト1のダイアログが表示されます。 印刷機種“例；LBP5900-1”（各席のプリンターを指定）、用紙サイズ“A3”にします。→“OK” ページ設定管理ダイアログの“閉じる“をクリック
（オブジェクトプロパティ管理ダイアログの “何も選択されていません“が”ビューポート” になります。） 標準尺度 カスタム カスタム尺度 0.0005 にします ビューの４点を摘んで調整し、 橋梁の図面のみ表示するようにします 移動コマンドで左上に配置します （レイアウトする） ビュー ■ ■ ■ ■ 大きさ調整 タブを“レイアウト ツール”にして“矩形”を クリックし、ビューを作成します。 ①②画面クリック タブを“ホーム”にして、“プロパティ”の横にある 矢印をクリック ビューをクリック １）レイアウト空間作成
②
①
矩形をクリックし新たにビューを作成します ①②画面クリック ２）レイアウト空間作成
②
①
先ほどと同様に、次は、 標準尺度 カスタム カスタム尺度 0.001 に設定し、 枠内にコピーした橋台のみを表示します 同様にもう１つの橋台、Ｖ字、支柱のレイアウト 空間を作成します ①初期のビューはなるべく大きな四角にすること ②ビュー内部をダブルクリックし、表示範囲を移動することにより図面の位置を調整する ③画面拡大・縮小をやると、ビュー尺度が変更されるので禁止 ④上手く行ったらビューのロックがお勧め（オブジェクトプロパテイ管理 ビューをロック はい）重要
モデル空間上では、縮尺が異なる図面を作成する場合、 文字・寸法は大きさが異なり、レイアウト空間で同じ大きさに見えるようにしている※レイアウト空間での作図が完成したら右端に学年・組・番号・C０○○・氏名を記入し印刷しなさい。
※文字高さ：7 3年1組1番C0〇〇 中央太郎コピーペースト（貼り付け）でコピーできます。 最初に基点を付加するので、簡単にできます。 また、連続操作や他の図面のデータからもコピーできます。
付１、図面作成・修正を簡単に行う
（１）基点コピー
DATA04_01.dwg
を開いてください。
操作 ボルト図形（“平面図”の下方の図）を選択し、右クリック クリップボード→基点コピーをクリック 基点の指定：基点①部（交点）をクリック①
Ctrl+vまたは、右クリック クリップボード 貼り付け→② Ctrl+vまたは、右クリック クリップボード 貼り付け→③ Ctrl+vまたは、右クリック クリップボード 貼り付け→④ 部（交点）をクリック または Ctrl+vまたは、右クリック クリップボード 貼り付け→② 右クリック PASTECLIPを再実行 →③ 右クリック PASTECLIPを再実行 →④②
③
④
×
×
×
×
×
×
×
×
効率よく図面を仕上げるための、図形選択方法を解説します。 ①窓選択（左右で異なる） ②フェンス ③オブジェクトプロパテイ管理 ④Ｓｈｉｆｔキー
（２）図形の選択方法
操作 A)左から右への窓は、窓枠内に完全に入った図形が選択される。 B)右から左への窓は、窓枠内に図形の一部でも入った場合選択される。①窓選択
B)右から左への窓（窓枠は点線） ボルト＋中心線＋緑線が選択される A)左から右への窓（窓枠は実線） ボルトのみ選択される操作 トリム（修正ツールバー）を選択 図形選択（右図全て） Enter Ｆ Enter ①②点をクリック Enter Enter ② ① ※平面図下の図形を使用
②フェンス
コマンド実行中にキーボードから Ｆ を入力し、折れ線を描くようにする。 点線が描かれ、その線に引っかかる図形はすべて選択される。 トリムや、斜めに配置された図形を選択する場合に使用。（トリム）
操作 ダイアログが出ます。 マウスの左クリックを押しながら 全ての図枠を選択します。 クイック選択をクリックします。（右の赤丸部） オブジェクトタイプ 文字 演算子 すべて選択 OK 文字がすべて選択されます。
③オブジェクトプロパテイ管理
オブジェクトプロパテイ管理は図形情報を確認するだけではなく、クイック選択機能で高度な図形選択が可能です。 レイヤーの非表示の切り替えが面倒な場合や、同じレイヤーで文字のみ選択したい場合などに使います。 今回は図枠の文字のみ選択してみましょう。 ※全体図形の右下の表 ※図中の文字レイヤーが全て選択されています。 実線表示が点線表示になっていることを確認してください。 タブを“ホーム”にして、“プロパティ”の横にある 矢印をクリック （オブジェクトプロパティ管理） クイック選択 オブジェクトプロパティ管理 選択後のダイアログ 図枠全て選択後のダイアログその他、同じ色だけ選択等も可能です。 右図は黄色のみを選択 オブジェクトタイプ：複数 プロパティ：色 演算子：＝等しい 値：■Yellow その他、同じ色だけ除外等も可能です。 右図は黄色のみを除外 適用方法： 新しい選択セットから除くにチェック
④Shiftｷｰ
図形を選択しすぎた場合、Shiftキー押しながら図形クリックで個別解除できます。図面を編集していくと、実際に使っていない情報（線種・画層・ブロック・寸法スタイル） が残っている場合があります。無駄な情報を削除すれば、情報取得検索が楽になります。
（３）無駄な情報を削除する
操作 コマンドラインで ｐｕｒｇｅ Ｅｎｔｅｒキー すべて名前削除 すべての項目を名前削除 すべて名前削除 が透けるまで行う。 レイヤ、線種がシンプルになりました。 “閉じる”をクリックDATA04_02.dwg
を開いてください。
不要なレイヤ００，０００，００００，０００００があります。 無駄な情報ＣＡＤ図面をＥＸＣＥＬに貼り付けます。 普通のコピーペーストでは、イメージデータ挿入になるため、線が細くなり見えなくなる場合があります。 それを回避する方法を解説します。
（４）ＥＸＣＥＬに貼り付け
操作 “2D 製図と注釈”の横にある”矢印”をクリックして、”メニューバーを表示”をクリック プルダウンメニューの “編集” → “ビューコピー” をクリック ＥＸＣＥＬを起動し、左上にある 貼り付けの下にある矢印をクリック → “形式を選択して貼り付け” （※スタート→全てのプログラム→Microsoft Office 2013→Excel 20１3 → 空白のブック）ＡｕｔｏＣＡＤ＊＊＊オブジェクト を選択し、ＯＫ
DATA04_03.dwg
を開いてください
。操作 レイアウト空間で枠内をダブルクリックし、 プルダウンメニューの 編集－ビューコピー をクリック ＥＸＣＥＬを起動し、編集－形式を選択して貼り付け ＡｕｔｏＣＡＤ＊＊＊オブジェクト を選択し、ＯＫ
②レイアウト空間
レイアウト空間 モデル空間EXCELの図をダブルクリックするとCADが起動し、編集すればEXCELも変更されます。
ただし、作成時と同一バージョンでないと起動できないので、CADデータは大切に保管してください
ＥＸＣＥＬをＣＡＤに貼り付けます。 ＥＸＣＥＬで、表．ｃｓｖを開く
（５）ＥＸＣＥＬをＣＡＤに貼り付け
操作 EXCELの表に罫線を入れる。 範囲を指定し、コピーペースト CADのレイアウト空間に貼り付け OK 貼りつきました。 表をダブルクリックでEXCELが起動し、 編集可能です。EXCEL表を削除する場合は、表を右クリックし
ｸﾘｯﾌﾟﾎﾞｰﾄﾞ→切り取りで削除します。
付２ MAP機能
コマンド: ALIGN オブジェクトを選択: 街区図形を窓選択 オブジェクトを選択: Enter 第 1 の基点を指定: ① 第 1 の目的点を指定: ② 第 2 の基点を指定: ③ 第 2 の目的点を指定: ④ 第 3 の基点を指定 または <継続>: Enter 位置合わせ点にオブジェクトを尺度変更しますか? [はい(Y)/いいえ(N)] <N>: N Enter 受領したデータが測地系座標で表示されていた。 図面に必要な場所が斜めになっていた場合どうするか②
①
③
④
ファイル
DATA04_04.dwg
を開く
（１）測地座標をCAD図面座標に回転移動
（２）境界内データの切り出し
境界：境界を定義にチェック →定義ボタンをクリック トリムするオブジェクト： 自動選択にチェック トリム方法： 境界の外側をトリムにチェック トリムできないオブジェクト： 無視にチェック OK をクリック “はい“をクリック 定義した領域のみが表示されました①
②
③
④
画面上に領域を作成 今回は任意の４点を指示 Enter 始点終点は自動で結んでくれます １. “2D 製図と注釈”を”計画と解析”に変更 2. タブを”ツール”に変更し、”マップ編集” の”境界でトリム”を選択（３）文字の回転
図形全体を選択（窓選択）し、オブジェクトプロパテイ管理→クイック選択をクリック オブジェクトタイプ：文字 演算子：すべて選択 “OK”をクリック 文字のみが選択されます。 プロパティの回転角度を ０ にする斜めの文字を水平に回転したい
文字の傾きが0度に修正されました。CAD操作時は色をつけて見やすくできますが、 CAD図面を紙で白黒印刷すると、強調したいものがイメージできません。 通常は、外形線（主構造物）を太くし、寸法線を細く見せることで図面が見やすくなります。
２、図面を見やすくするには
（１）寸法線と外形線
図面の見やすさは個人によって評価は異なります。 ここで紹介することが絶対に正解ではありません。 参考程度と認識してください。DATA04_05.dwg
を開いてください。
操作 画層プロパティ管理（ホームタブ） “躯体“の“線の太さ”をクリック 線の太さダイアログが表示されます。 0.3mmを選択→OK 画層プロパティ管理ダイアログ で“適用”→“OK” 画面が変わらない場合は、“線の太さ“を有効にする ※“線の太さ“のON、OFFで線の太さが明確になります。 クリック（２）寸法線のオフセット値指定
構造物と寸法線の離れ位置をすべて同じにすると見やすくなります 操作 寸法線の離れ位置を指定するときに方向＋距離で作図する 直交モードはONにしてください。長さ寸法のみです。（３）寸法値の重なりを回避
自動ではできませんが、手動で回避します。 操作は簡単です。 寸法スタイルで設定しておく必要があります。 ①寸法値のみ自由に移動 ②寸法値＋寸法線を自由に移動 入力値 直交モードON 任意の寸法線選択 方向（左右 上下）に移動させ移動 距離を指定してみてください。 注釈タブをクリックし、寸法記入の横にある矢印をクリックすると 下記に示すダイアログが表示されます。→ DIMST1_1を選択 →修正を選択カラーの出力機器で印刷できる場合 ①画面と同じに印刷する ②モノクロで印刷する ③ＣＡＤの色ごとに印刷用の色を設定する 以上が考えられます。 上級編では③を解説します。
（４）カラー印刷
鉄筋が緑、寸法が赤で描かれています。 ここでは、緑色を黒で印刷し、赤・黒のみで印刷するやり方を解説します。①色設定
DATA04_06.dwg
を開いてください。
操作 スタートボタンをクリックして、印刷をクリック プリンタ／プロッタ 名前： 各席のプリンターを選択 用紙サイズ：A3 ○をクリックして右図の□部分を表示させる。 印刷スタイル：”なし”にし、 完全プレビューするとCAD のままに色になっています。 次に、印刷スタイル 右図○をクリックし新規作成を選択ゼロからスタート にチェックを入れる。 次へ ファイル名：Tokyo 次へ 印刷スタイルテーブルエデイタ をクリック
タブ フォーム表示を選択 印刷スタイル：緑 クリック プロパテイの色を BLACK 保存して閉じる 完了 印刷スタイルテーブルをtokyo.ctb にして完全プレビュー プレビュー画面 緑は黒で表示されている。
