• 検索結果がありません。

21世紀気候変動予測革新プログラム

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "21世紀気候変動予測革新プログラム"

Copied!
180
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

21 世紀気候変動予測革新プログラム

The Innovative Program of Climate Change Projection for the 21st Century ( KAKUSHIN Program)

雲解像モデルの高度化と

その全球モデル高精度化への利用

”Cloud Modeling and Typhoon Research”

平成

23 年度研究成果報告書

平成

24 年 3 月

国立大学法人名古屋大学

(2)

本報告書は、文部科学省の科学技術試験研究委託事業として、国立大学法人名古屋 大学が実施した平成19~23年度「雲解像モデルの高度化とその全球モデル高精度化へ の利用」の成果を取りまとめたものです。 従って、本報告書の著作権は、文部科学省に帰属しており、本報告書の全部又は一 部の無断複製等の行為は、法律で認められたときを除き、著作権の侵害にあたるので、 これらの利用行為を行うときは、文部科学省の承認手続きが必要です。 表紙の図の説明: 21 世紀気候変動予測革新プログラムのチーム雲解像では、台風の雲解像シミュレー ションを重要なテーマとしている。これまで当チームでは、極端現象予測のチームと協 力し、雲解像モデルを用いて温暖化気候(21 世紀末ごろ)や近未来気候(約 30 年後ごろ) における台風の最大強度について研究を行ってきた。その結果、温暖化気候では現在気 候ではみられない強度にまで発達する台風が予測された。表紙の図は解像度2km の雲 解像モデルで予測された、温暖化した気候におけるスーパー台風*の例である。図はこ の台風(2076 年 09 月に発生)に伴う雲(液相と固相の両方)を立体的に表示したもの である。この台風は太平洋上を北上し、日本に上陸する直前でも中心気圧 880 hPa 以下を維持している。この台風は、台風が太平洋上にあるとき、中心気圧870~860 hPa、 最大地上風速70~80 m s-14 日間維持し、ほぼその強度のまま上陸する。 *西部北太平洋に発生する台風のうち、最大地上風速が67m s-1を超える台風を“ス ーパー台風”と呼ぶ。 *この図は21 世紀気候変動予測革新プログラムの動画作成ワーキンググループが作 成した台風の動画から切り出したものである。

(3)

21 世紀気候変動予測革新プログラム

The Innovative Program of Climate Change Projection for the 21st Century ( KAKUSHIN Program)

雲解像モデルの高度化と

その全球モデル高精度化への利用

”Cloud Modeling and Typhoon Research”

平成

23 年度研究成果報告書

平成

24 年 3 月

国立大学法人名古屋大学 地球水循環研究センター

(4)

目次

雲解像モデルの高度化とその全球モデル高精度化への利用」

I. 研究計画の概要

1. 研究の趣旨 ··· 1 2. 研究目的 ··· 1 3. 年次計画 ··· 2 4. 平成 23 年度研究計画 ··· 4 5. 平成 23 年度研究実施体制 ··· 5 6. 全体会合等 ··· 5 7. 広報関係 ··· 6

II. 研究成果の概要

1. 総括 ··· 8 2. 各研究項目の概要 ··· 11 3. 波及効果・発展方向・改善点等 ··· 14 4. 研究成果の発表状況 ··· 16 5. 共同研究の実施状況 ··· 28

III. 研究成果の詳細報告

1. 雲解像モデルの物理過程と力学過程の改良 ··· 30 a. 要約 ··· 30 b. 研究目的 ··· 32 c. 研究計画・方法・スケジュール ··· 32 d. 年次計画 ··· 32 e. 研究成果 ··· 33 e.-1 雲解像モデルの雲物理過程の2モーメント化 ··· 33 e.-2 氷晶の落下過程の導入 ··· 34 e.-3 2次氷晶生成過程の導入 ··· 36 e.-4 雲解像モデル CReSS への放射過程の導入 ··· 38 e.-5 セミラグランジュ法の導入 ··· 41 f. 考察 ··· 48 g. 引用文献 ··· 48 2. 雲解像モデルを用いた GCM のパラメータ改良 ··· 50

(5)

a. 要約 ··· 50 b. 研究目的 ··· 50 c. 研究計画・方法・スケジュール ··· 50 d. 平成 23 年度研究計画 ··· 51 e. 研究成果 ··· 51 e.-1 雲解像モデルを用いた毎日のシミュレーションの実施 ··· 51 e.-2 シミュレーション実験の結果の検証方法の確立 ··· 54 e.-3 GCM におけるパラメタリゼーション改良のためのパラメータ検出 59 f. まとめと今後の課題 ··· 63 g. 参考文献 ··· 63 3. 非斉一モデル結合 ··· 64 a. 要約 ··· 64 b. 研究目的 ··· 64 c. 研究計画・方法・スケジュール ··· 65 d. 平成 23 年度研究計画 ··· 65 e. 研究成果 ··· 65 e.-1 雲解像モデルの重並列化 ··· 65 e.-2 高精度空間内挿スキームの開発 ··· 68 e.-3 FlexNest の初期開発および検討事項 ··· 68

e.-4 雲解像モデル CReSS と全球モデル MIROC との結合 ··· 70

e.-5 AFES-CReSS 結合モデルの概要と特徴 ··· 71 f. 今後の発展性と課題 ··· 89 g. 参考文献 ··· 89 4. 台風に関する全球モデル-雲解像モデル比較検証実験 ··· 92 a. 要約 ··· 92 b. 研究目的 ··· 94 c. 研究計画・方法・スケジュール ··· 94 d. 年次計画 ··· 94 e. 研究成果 ··· 96 e.-1 雲解像モデルを用いた実台風のシミュレーション実験 ··· 96 e.-2 タイリング領域法を用いた実台風の雲解像シミュレーション実験 ·· ··· 101 e.-3 MRI-GSM 20km 前期実験の台風についての雲解像シミュレーション 実験 ··· 108

(6)

e.-4 MRI-GSM 20km 後期実験の台風について ··· 121 e.-5 MRI-GSM 20km 後期実験の台風についての雲解像シミュレーショ ン実験 ··· 124 e.-6 全球静力学モデルと雲解像非静力学モデルにおける台風発生初

(7)

1

I. 研究計画の概要

1. 研究の趣旨 地球温暖化を含む気候変化に対して、大きな影響を及ぼすプロセスの一つに雲のプロセ スがある。全球モデル・気候モデルでは雲に関する不確定性の低減が気候予測の高精度化 に不可欠である。また、雲の物理プロセスは台風や集中豪雨などの極端現象において中心 的役割を担うもので、自然災害の高精度量的評価に重要である。そこでこの研究計画では 雲の物理プロセスの解明とその高精度なモデル化により、雲解像モデルの高度化を行う。 さらにそれを用いて全球モデルの高精度化に貢献する。特に社会に大きなインパクトを与 える台風について、その雲解像シミュレーションを行い、台風に伴う豪雨や強風について 雲解像モデルの量的精度を検証する。また、全球モデルの再現する台風について雲解像モ デルによるダウンスケール実験を行い、雲解像モデルと全球モデルとの比較・検証を行う。 さらに温暖化気候において発生する台風がどの程度、強いものになるのかを調べる。 2. 研究目的 全球モデル・気候モデルでは、雲を直接解像することができない。雲を精度よくシミュ レーションし、その特性を全球モデルに反映させるためには、1km~数 100m 解像度の雲解 像モデルを利用することが必要である。名古屋大学では雲解像モデル CReSS (Cloud Resolving Storm Simulator) の開発を 1998 年以来行ってきてた。このモデルは一から開 発をはじめ、実際の気象予測にも用いることができる段階まで達している。さらに地球シ ミュレータへの最適化が行われており、現在、本研究でより高度で多様な利用を目指して 開発を進めている。本研究課題は、この雲解像モデルをより高度化し、その利用により全 球モデルの高精度化に寄与することを目的とする。具体的には、次の4項目の研究・開発 を行う。 1. 雲解像モデルの改良と高度化を行う(雲解像モデル改良)。 2. 雲解像モデルを用いたシミュレーション実験から得られるデータを利用して、全球モデ ルの雲と大気境界層についてのパラメータを改良する(パラメータ改良)。 3. 非静力学雲解像モデルと静力学全球モデルを結合することによって、非静力学モデルと 静力学モデルという“非斉一な”モデルの結合を行い、局所的に高精度な全球シミュレ ーションを行う(非斉一モデル結合)。この結果を主に衛星観測データにより雲・降水 について検証する。 4. 全球モデルの結果を雲解像モデルと比較検証し、雲に関わる不確定性の問題点を明確化 する。特に、温暖化に伴う変化が顕著に社会に影響を与える熱帯の対流雲と台風を中心

(8)

2 に、現在気候と温暖化気候におけるモデル間の比較検証を行う(比較検証実験)。現在 気候の実験では、特に雲・降水について衛星観測データによる検証を行う。温暖化気候 の実験では台風がどのくらいの強度に達するのかを調べる。 3. 年次計画 平成 19 年度  雲解像モデル改良:雲物理過程の改良として、雨水と雲水について数濃度を予報 する2モーメント化を行う。また力学過程の改良としてセミ・ラグランジュ法の 導入を行う。 :  パラメータ改良:日本周辺において 1000km×1000km 以上の領域を対象として、水 平解像度 2km 程度での毎日の予報実験(広領域実験)を実施する。計算領域を GCM の格子スケールで分割し、部分領域における各種気象パラメータの平均値、雲物 理量・鉛直流・加熱プロファイルの確率密度分布を出力し、これらの値の季節別、 領域別の変化を検討することによって、確率密度分布を決定づける要素を明らか にする。また、毎日の予報実験の結果を対象として、衛星観測より得られる雲頂 輝度温度、可降水量、三次元降水分布との比較を行い、精度の確認を行う。シミ ュレーション実験の精度が良い場合と、悪い場合の大気環境場の相違点を検討す る。  非斉一モデル結合:全球モデルの1格子点ごとに雲解像モデルを結合させるため の、雲解像モデル及び全球モデルの改良を行う。領域結合については双方向通信 の方法について検討する。  比較検証実験:実際に観測された台風と、現在気候で全球モデルが再現した台風 について、いくつかの事例を選び、雲解像モデルを用いて 1km~500m 程度の解像 度で実験を行い、全球モデルの結果と降水量や強度について比較検証する。 平成 20 年度  雲解像モデル改良:雲物理過程の改良について、1次氷晶生成プロセスの感度実 験と2次氷晶生成過程の導入を行う。力学過程の改良について、セミ・ラグラン ジュ法についてパラメータ調整を行い、さらに高速化を図る。 :  パラメータ改良:広領域実験を継続して実施する。日本周辺において、250km× 250km 程度の領域を対象として、水平解像度 0.5km 程度での毎日の予報実験(狭領 域実験)を実施する。広領域実験の結果と同様に、各種気象パラメータに関する 確率密度分布を算出し、境界層過程において確率密度分布を決定づける要素を明 らかにする。  非斉一モデル結合:全球モデル1格子点ごとに雲解像モデルを埋め込み、実験的

(9)

3 にモデルを実行し、数日のシミュレーションで、パラメタリゼーションを用いた 場合とどのように異なるのかを調べる。領域結合については、そのための雲解像 モデルと全球モデルの改良を行う。  比較検証実験:実際に観測された台風と、現在気候で全球モデルが再現した台風 について、事例数を増やし比較検証を重ねる。 平成 21 年度  雲解像モデル改良:雲物理過程に雹のカテゴリーを導入し、豪雨や降雹などの激 しい現象に対する感度実験を行う。 :  パラメータ改良:広領域実験、狭領域実験は継続して実施する。同一 GCM 格子を 対象として、両実験結果の比較を行い、水平格子解像度依存性の検討を行う。  非斉一モデル結合:全球モデル1格子点ごとに雲解像モデルを埋め込んだ非斉一 結合モデルで、1ヶ月程度の長期積分を行い、対象領域の気候の再現性を検証す る。領域埋め込み型の結合では、熱帯域、特にインド洋から西太平洋に計算領域 を設定し、実験的に双方向通信の結合を行う。  比較検証実験:現在気候と温暖化気候における全球モデルの台風を多数抽出し、 それらについて、雲解像モデルを用いて 1km~500m 程度の解像度で実験を行い、 全球モデルの結果と降水量や強度について比較検証する。 平成 22 年度  雲 解 像 モ デ ル 改 良 :雲 解 像 モ デ ル に 放 射 過 程 の モ デ ル を 結 合 し 、 台 風 な ど の 放 射 過 程 に 対 す る 感 度 実 験 を 行 う 。 こ れ は 運 営 委 員 会 な ど の 意 見 に 従 っ て 追 加 し た 事 項 で あ る 。 :  パラメータ改良:毎日の気象の予報実験をより高解像度で継続して行うととも に、最初の3年間の実験で得られたデータを用いて、非断熱加熱量と熱・水蒸 気拡散に関する、全球モデルの雲表現に適切なパラメータを求める。  非斉一モデル結合:全球モデル1格子点ごとに雲解像モデルを結合した非斉一結 合モデルで、1ヶ月程度の長期積分を継続して行い、対象領域の気候の再現性を 検証する。領域埋め込み型の結合では、熱帯域、特にインド洋から西太平洋に計 算領域を設定し、熱帯のクラウドクラスターや熱帯低気圧が詳細にシミュレーシ ョンされることを示す。  比較検証実験:現在気候の全球モデルにおける熱帯の台風の発生について、全球 モデルの結果について雲解像モデルを用いて検証する。気象研究所全球モデルの 後期実験において、現在気候、温暖化気候および近未来気候の台風を多数抽出 し、それらについて、雲解像モデルを用いて水平解像度 2km で実験を行い、

(10)

4 全球モデルの結果と降水量や強度について比較検証する。近未来気候について は運営委員会の意見に従って追加した事項である。また極端に強い台風につい て雲解像モデルを用いたシミュレーション実験を行う。 平成 23 年度  パラメータ改良:毎日の気象の予報実験をより高解像度で継続して行うとともに、 得られたパラメータを全球モデルに与えてそのインパクトを検証する。 :  非斉一モデル結合:全球モデル1格子点ごとに雲解像モデルを結合した非斉一結合 モデルで、1ヶ月程度の長期積分の結果を、パラメタリゼーションの結果と比較し 改善点を検証する。領域埋め込み型の結合では、任意の領域に双方向通信で埋め込 みができるようにする。  比較検証実験:現在気候と温暖化気候における台風や熱帯の対流雲群について数 100m 程度の高解像度の実験を行い、台風の変化について気候モデルの結果を検証す る。 4. 平成 23 年度研究計画 ① パラメータ改良(雲解像モデルを用いた GCM の大規模凝結過程におけるパラメ ータの検討):毎日の気象の予報実験をより高解像度で継続して行うとともに、 これまでの実験で得られたデータを用いて、全球モデルの雲表現に適切なパラ メータのインパクトを検証する。また、予報実験の結果を衛星データと比較し、 雲のシミュレーションを検証する。 ② 非斉一モデル結合(全球静力学-雲解像非静力学非斉一モデル結合):全球モデル 1格子点ごとに雲解像モデルを結合した非斉一結合モデルの長期積分の結果を、パ ラメタリゼーションの結果と比較し改善点を検証する。領域埋め込み型の結合では、 任意の領域で双方向通信の埋め込みができるようにする。 ③ 比較検証実験(台風に関する全球モデル-雲解像モデル比較検証実験):昨年 度に引き続き、気象研究所全球モデルの後期実験において、現在気候、温暖化気 候および近未来気候の台風を多数抽出し、それらについて、放射過程を導入し た雲解像モデルを用いて水平解像度2km で実験を行い、全球モデルの結果と強 度について比較する。近未来気候については運営委員会の意見に従って追加し た事項である。また極端に強い台風について雲解像モデルを用いたシミュレー ション実験を行い、温暖化気候における最も強い台風の強度を推定する。

(11)

5 5. 平成 23 年度研究実施体制 研究実施機関:名古屋大学、東京大学、東京工業大学、海洋研究開発機構 研究代表者:坪木和久(名古屋大学・地球水循環研究センター・准教授) 研究分担者:増永浩彦(名古屋大学・地球水循環研究センター・准教授) :篠田太郎(名古屋大学・地球水循環研究センター・助教) :青木尊之(東京工業大学・学術国際情報センター・教授) :渡部雅浩(東京大学・気候システム研究センター・准教授) :榎本 剛(海洋研究開発機構・地球シミュレータセンター・研究員、京都大 学 防災研究所・准教授) 研究員 :吉岡真由美(名古屋大学・地球水循環研究センター・研究員) :前島康光 (名古屋大学・地球水循環研究センター・研究員) 研究協力者:大東忠保(名古屋大学・地球水循環研究センター・助教) :加藤雅也(名古屋大学・地球水循環研究センター・研究員) :日置智仁(名古屋大学・地球水循環研究センター・大学院博士後期課程) 6. 全体会合等 (1) 研究調整委員会:平成 22 年 5 月 30 日 海洋研究開発機構東京事務所 (2) 研究運営委員会: a. 委員構成: 研究統括 :松野太郎(地球環境フロンティア研究センター・特任研究員) :西岡秀三(国立環境研究所・参与) 外部委員 :藤吉康志(北海道大学・低温科学研究所・教授) :中北英一(京都大学・防災研究所・教授) :佐藤正樹(東京大学・気候システム研究センター・准教授) :上田 博(名古屋大学・地球水循環研究センター・教授) :中村健治(名古屋大学・地球水循環研究センター・教授) 内部委員 :坪木和久(名古屋大学・地球水循環研究センター・准教授) :増永浩彦(名古屋大学・地球水循環研究センター・准教授) :篠田太郎(名古屋大学・地球水循環研究センター・助教) :青木尊之(東京工業大学・学術国際情報センター・教授) :渡部雅浩(東京大学・気候システム研究センター・准教授) :榎本 剛(海洋研究開発機構・地球シミュレータセンター・研究員、京都大 学 防災研究所・准教授)

(12)

6 ) :吉岡真由美(名古屋大学・地球水循環研究センター・研究員) :前島康光 (名古屋大学・地球水循環研究センター・研究員) b. 委員会実施日時・場所 第 12 回研究運営委員会:平成 23 年 6 月 27 日, 地球シミュレータセンター 第 13 回研究運営委員会:平成 24 年 2 月 14 日, 地球シミュレータセンター 第 14 回研究運営委員会:平成 23 年 2 月 28 日, 学術総合センター 一橋記念 講堂 (3) 成果報告会: 平成 23 年度研究成果報告会:平成 24 年 2 月 28 日, 学術総合センター 一橋記 念講堂 7. 広報関係 (1) チーム略称等について ■チーム略称:チーム雲解像 ■チーム英文名:cloud modeling ■一般向け HP 用チーム名:雲解像モデリング (2) チーム紹介(研究概要) 地球温暖化を含む気候変化に対して、大きな影響を及ぼすプロセスの一つに雲のプロセ スがある。全球モデル・気候モデルでは、雲に関する不確定性の低減が気候予測の高精度 化に不可欠である。また、雲の物理プロセスは台風や集中豪雨などの極端現象において中 心的役割を担うもので、自然災害の高精度量的予測に重要である。そこでこの研究計画で は先端要素モデル開発の一つとして、雲の物理プロセスの解明とその高精度なモデル化に よる雲解像モデルの高度化を行っている。さらにそれを用いて全球モデルの高精度化に貢 献することを目的として研究を進めている。また、もう一つの重要な課題として、社会に 大きなインパクトを与える台風について、雲解像モデルを用いた高解像度シミュレーショ ンによる研究を行っている。さらに現在気候と温暖化気候において全球モデルの再現する 台風について、雲解像モデルによるシミュレーションを行い、全球モデルの検証を行うと ともに、温暖化気候において極端に発達する台風の強度を量的に予測する研究を行ってい る。

(13)

7 (3) チーム紹介(英語研究概要)

Cloud Modeling and Typhoon Research

Cloud physics is one of the key processes in modeling studies of climate change,

especially for global warming. Improvement of cloud processes is necessary for

accurate simulations by global models. Cloud processes are also core processes in

simulations of high-impact weather systems such as heavy rainfalls and typhoons. The

cloud modeling team will focus on addressing four objectives. First, the cloud

microphysics of the "Cloud Resolving Storm Simulator (CReSS)" model will be

improved. The dynamic part of the CReSS model will also be improved for accurate

and high-speed calculation. Second, the cloud parameters of global models will be

examined using the CReSS model. Satellite observations are used for verification of the

cloud modeling. Third, the CReSS model will be coupled with global models

interactively for accurate modeling of convective regions. In particular, convective

clouds in the tropical region and typhoons will be studied using the models. Fourth, the

CReSS model will be used for typhoon research. This aims to contribute to verifications

of typhoon simulations made by global models, and to accurate and quantitative

evaluations of typhoon impacts on human society under the present and warming

climates.

(14)

8

II. 研究成果の概要

1. 総括 本年度は最終年度であるので、これまでの年度を含めて本報告書を作成した。最終年度 (平成 23 年度)については、計画と対応づけてその成果が分かるようにまとめた。以下に 総括をまとめる。 雲を直接表現できない解像度を用いる全球モデルおよび気候モデルでは、雲のプロセス に関する不確定性の低減が気候予測の高精度化に不可欠である。この研究課題では雲に関 する要素モデルを開発し、気候モデルの高精度化に寄与することが目標である。また、雲 の物理プロセスは台風や集中豪雨などの極端現象において中心的役割を担うもので、自然 災害の量的評価に重要である。この課題はまたそのような気候変動の影響評価へも雲解像 モデルを用いて貢献することを目指している。 その目的のために本研究課題では、雲の物理プロセスの解明とそのモデル化を行う。具 体的には次の4つの項目を中心に研究・開発を行う。(1) 雲解像モデルの雲物理プロセス を詳細に検討しモデルの高度化を行う。これにより雲の形成をはじめとして、豪雨や暴風 などの激しい現象などの高精度な計算をめざす。(2) 雲を直接解像する実験を多数行い、 衛星観測と組み合わせて雲パラメータのデータを整備する。特に雲形成による大気加熱な どについて、統計的データセットを構築する。(3) 全球モデルの計算において、特に非静 力学効果の顕著な雲の計算が必要なところに雲解像モデルを組み込むような、全球静力学 -雲解像非静力学非斉一モデル結合の開発を行う。これにより部分的に雲のプロセスを直 接計算することで、全球モデルの計算の高精度化をめざす。(4) 社会に大きなインパクト を与える台風について、現在気候と温暖化気候の全球モデル出力を用いて雲解像実験を行 い、台風に伴う豪雨や強風について量的精度を検証する。さらに全球モデルの再現する台 風について雲解像モデルとの比較・検証を行う。 平成 23 年度の研究の進捗状況は、おおむね計画に沿って研究を進めることができた。雲 解像モデル CReSS を用いて、毎日の気象のシミュレーションを実施した。日本域について は年間を通して解像度 2.5km で実施し、熱帯域、亜熱帯域については期間を限定して実施 した。これまでのシミュレーションデータと共に、衛星観測と比較を行った。特に衛星デ ータ・シミュレータ・ユニット SDSU (Satellite Data Simulator Unit)を用いてシミュレ ーション結果を衛星観測と比較し、モデルの物理過程の改良を検討した。その結果、雲解 像モデル CReSS は雲や降水の分布と構造をよく再現しているが、統計的に見ると上空にあ られの生成が過多の傾向が明らかになった。非斉一モデル結合では、全球静力学モデルと 雲解像モデルを双方向通信による結合を行った。これにより全球モデル内にネストした雲 解像モデルの影響は、その領域だけでなく、外領域にも波及することが示された。これは 非斉一モデル結合の利点の一つである。台風に関する全球モデル-雲解像モデル比較実験は、

(15)

9 極端現象予測のチームの実施した前期実験の現在気候と将来気候および後期実験の現在気 候、近未来気候、将来気候について実施した。また雲解像モデルで得られた台風の最大強 度を可能最大強度理論と比較した。後期実験の台風については、台風事例がまだ不十分で あるが、どの気候においても、最低中心気圧と最大地上風速でみた台風の特性は同じであ ることが示された。一方で強度については、将来気候の台風が現在気候のものに比べて顕 著に強いものが多くなっていることが示された。台風の最大強度は気候によってコントロ ールされ、温暖化気候のほうが現在気候よりはるかに台風の最大強度は増加する。一方で 個々の台風の強度のばらつきは大きく、強いものから弱いものまでさまざまな強度の台風 が発生する。気候によるコントロールは個々の台風の強度ではなく、強度の上限をコント ロールしていると考えられる。 以下に、平成19 年度から平成 22 年の総括を各年度毎にまとめる。

平成 19 年度はまず雲解像モデル CReSS (Cloud Resolving Storm Simulator)の雲物理過 程と力学過程の改良を行い、それらについてテストを実施した。新しい計算プロセスを導 入したコードを CReSS Ver.3 とし、これを革新プログラムで開発されたバージョンとした。 全球モデルのパラメータを改良する研究項目では、過去3年にわたって行ってきた、雲 解像モデルを用いた毎日の予報実験の結果をさらに継続・発展させ、それらから得られた 膨大なデータを解析した。これにより全球モデルのパラメータを検討した。また、予報実 験の結果を衛星観測と比較・検証した。 全球静力学-雲解像非静力学非斉一モデル結合は、雲解像モデルとして CReSS を、全球 モデルとして CCSR/NIES/FRCGC AGCM と AFES を用いる。これらを一方向または双方向に結 合するために、モデルの改良を行った。CReSS の改良としては、矩形の計算領域をさらにタ イル張りするように拡張することで、任意形状の領域の並列計算を可能にする方法(重並 列化によるタイリング)を開発し、CReSS Ver.3 に導入した。これによりたとえば台風の経 路に沿うような矩形でない領域の並列計算が可能となった。 全球モデル CCSR/NIES/FRCGC AGCM との結合は、環境省地球環境研究推進費 RF-061 (代表 渡部雅浩)の研究をベースにしたもので、1格子点の双方向結合が実現しつつある。また、 領域での結合を目指す AFES については効率のよい内挿法を開発した。 台風についての研究項目について、今年度は実際に観測された台風について、いくつか の顕著な事例を選び、雲解像モデルを用いて 1km 程度の解像度で実験を行い、台風の経路、 中心気圧、降水量や風の強度について、CReSS がどの程度精度よく台風を再現するのかを検 証した。 平成 20 年度の研究の進捗状況は、ほぼ当初計画の通りと考えられる。雲解像モデル CReSS の開発については、今年度、氷晶(雲氷)の部分についての再検討を行った。雲解 像モデルでは氷晶のプロセスが最も不確定性の大きな部分である。これは観測との比較が 難しいことと、そのプロセスの複雑さに起因している。特に 2 次氷晶生成過程については

(16)

10

未解明な点が多い。これについてはいくつかのメカニズムが提案されているが、そのなか

で定式化のされているHallett and Mossop (1974)の 2 次氷晶生成メカニズムについて検討

した。その結果、これを導入することで、強い上昇流部分に氷晶が1000 倍ほど多くなるこ とが示された。これによりあられと雪の数濃度も変化する。特にこのメカニズムを導入す ると、融解層の直上でも多くの氷晶が形成される。このメカニズムを導入しないと氷晶は 雲上部にのみ存在し、融解層の直上ではその数濃度は数桁も小さくなる。氷晶を直接観測 できる雲粒子ゾンデHYVIS の観測では、融解層の直上にも多くの氷晶が存在することが示 された。このような観測と比較して、今後さらに雲解像モデルの雲物理過程を改良する。 氷晶についてはさらに落下過程を導入し、氷晶が雲上部に残りすぎることを改善した。 昨年度の研究で、雲解像モデルCReSS にセミ・ラグランジュ法を導入し、乾燥大気にお ける実験を行った。今年度はこれをさらに発展させ、湿潤大気における実験を行った。さ らに実際の気象の予報実験についても行い、セミ・ラグランジュ法を用いることで、これ までの用いてきていたリープフロッグ法に比べて2.2 倍の速度を達成した。今後、さらに時 間刻みを調整し、高速化されることが期待される。 平成20 年度末から運用が開始された ES2 への移行において、雲解像モデルのチューニ ングを開始した。旧ES のままでは十分な性能が発揮されなかったが、現段階までのチュー ニングにより、旧ES1 ノードの 4 倍以上の速度を ES2 で出すに至った。今後さらに速度の 阻害要因を除くことで高速化を目指す。 前年度に引き続いて、今年度も雲解像モデルによる毎日のシミュレーション実験を行っ た。今年度は沖縄・台湾を含む東シナ海領域、西太平洋パラオ領域、中部地方、および北 陸地方において、水平解像度4km と 1km の計算を行った。この計算出力を用いて、GCM の大規模凝結に関するパラメータの検討を進めている。 全球静力学モデルと非静力学雲解像モデルの結合については、GCM の 1 格子点への雲解 像モデルの埋め込みと領域についての双方向通信による結合を進めている。今年度は雲解 像モデルとGCM との間の通信の部分の開発を行った。 現在気候と温暖化気候における台風については、革新プログラムの気象研究所のグルー プから水平解像度20km の GCM のシミュレーション出力を提供してもらった。GCM のな かで発生する台風について、雲解像モデルを用いたシミュレーション実験を行うための事 例を、現在気候と温暖化気候についてそれぞれ33 事例ずつ抽出した。これらのうち最も強 い方から数事例~10 事例について雲解像モデルを用いたシミュレーション実験を行った。 当初の予想とは異なり、GCM と雲解像モデル CReSS の結果には、台風の最低中心気圧に ついてあまり相関が見られなかった。GCM と同じように CReSS でも非常に発達する事例、 GCM のほうが顕著に発達する事例、さらにその逆の事例も見られた。雲解像モデルの結果 では、最低中心気圧が過去に観測された台風の最低中心気圧以上に気圧が低下するものが 見られた。また、最大地上風速については、風速67m/s を超えるスーパー台風にカテゴリ ー分けされるような強い台風が、現在気候では見られないが、温暖化気候では発生するこ

(17)

11 とが示された。また、日本付近の降水量についても、実台風が西日本にもたらす抗す量を はるかに超える降水量が、温暖化気候では東北地方などでも発生することが示された。 平成 21 年度の研究の進捗状況は、雲解像モデルの雲物理過程の開発にやや遅れがあるが、 これは地球シミュレータのリプレースに伴う CReSS の最適化に時間が要したことが原因の 一つで、今後、雲物理過程全体の調整とともに改良を遂行する予定である。新しい地球シ ミュレータへの最適化はおおむね完了し、台風の実験とうにおいて、計画通りの進捗状況 を得た。それ以外の研究項目についてはおおむね計画通りである。 平成 22 年度の研究の進捗状況は、おおむね計画に沿って研究を進めることができた。雲 解像モデルの物理過程の開発では、運営委員会でいただいたコメントに沿って、放射過程 として東京大学大気海洋研究所で開発されている MSTRNX を CReSS に接続し、台風の実験を 実施した。また、氷晶の落下を導入することで、台風のシミュレーションをより高度なも のにした。この段階で雲解像モデルをフィックス版として、台風のシミュレーションを多 数実施することを開始した。雲解像モデルを用いた毎日の気象シミュレーションを解像度 2.5km で継続して実施、衛星データを用いたシミュレーション結果の検証を計画通り実施し た。非斉一モデル結合については、全球モデル AFES と雲解像モデル CReSS の結合を実施し た。全球モデルの台風の雲解像シミュレーションについては、今年度、気象研究所のグル ープより、気象研究所 MRI-GSM の 20km 解像度実験の後期実験結果を提供していただき、そ のデータを用いて、現在気候、温暖化気候、及び近未来気候における台風の雲解像シミュ レーションを実施した。台風の発生過程について、雲解像モデルを用いた実験を行い全球 静力学モデルと比較した。 2.各研究項目の概要 本項目については、総括に各年度の概要がまとめられており、それらの詳細は III 章に あるので、ここでは平成 23 年度の各研究項目の概要のみをまとめる。 a) 雲解像モデルを用いた GCM の大規模凝結過程におけるパラメータの検討 (a) CReSS を用いたシミュレーション実験の実施 2011 年 3 月以降現在に至るまで、日本の大部分を覆う領域を対象として水平解像度 2.5 km で毎日のシミュレーション実験を実施している。また、2011 年 5 月下旬から 6 月中旬 にかけて沖縄の粟国島において実施された雲粒子ゾンデ観測に合わせて、沖縄域を対象と して水平解像度1.5 km で毎日のシミュレーション実験も追加して実施した。さらに、2011 年 9 月下旬から 2012 年 1 月下旬まで、熱帯インド洋上において海洋研究開発機構

(JAMSTEC)の観測プロジェクト CINDY2011 が実施されている。CINDY2011 に合わせ

て、熱帯インド洋域を対象として水平解像度0.045 度(およそ 4.8 km に相当)と 0.0225

(18)

12 (b) 衛星データを用いたシミュレーション実験の検証 これまでにCReSS を用いたシミュレーション実験の結果に対して衛星データを用いて検 証を行う手法の開発を進めてきている。今年度は2008 年と 2010 年の梅雨期に台湾・沖縄 域を対象として実施した毎日のシミュレーション実験の結果に対して、MTSAT により取得 される赤外輝度温度、AQUA に搭載されているマイクロ波放射計 AMSR-E により取得され るマイクロ波帯の輝度温度、そしてTRMM に搭載されている降水レーダ PR の反射強度と の比較を行った結果を示す。シミュレーション結果を衛星データ相当値に変換するために、 Satellite Data Simlator Unit (SDSU) を用いた。なお、2008 年と 2010 年の実験間では水

平解像度(2008 年実験では 4 km、2010 年実験では 2.5 km)と雲氷の沈降過程(2008 年 実験では含まれていないが2010年実験では0.1 m/sで落下するように設定した)が異なる。 2008 年と 2010 年の赤外輝度温度の頻度分布から両年の結果とも、MTSAT による観測結果 に比べてシミュレーション結果(以下、CReSS-SDSU)での上層雲(輝度温度が 240 K 以下) の頻度が高く、中層雲、下層雲(250 K 以下)の頻度が低くなっていることがわかる。2008 年の結果では、210 K 以下の非常に高い上層雲の頻度が特に高くなっているが、2010 年の実 験ではこの点が改善されている。2010 年実験で導入した雲氷の沈降過程がこの改善に寄与 していると考えられるが、雲氷に粒径分布に応じた落下速度を与えるなど更なる改善の余 地があるとも考えられる。

2010 年のレーダ反射強度の高度別の頻度分布(contoured frequency by altitude diagram: CFAD)から、TRMM-PR による観測結果に比べて、CReSS-SDSU の結果では融解層(高度 4.5 km 付近)より下層の頻度分布は良く再現できているものの、融解層より上層で大きな 反射強度の頻度が過剰であることが示される。これは CReSS-SDSU の結果において、融解 層上部で固体凝結物(反射強度の値から霰であると考えられる)が過剰に存在することを 示唆している。この結果は89.0 GHz 帯のマイクロ波輝度温度の頻度分布からも示唆されて おり、CReSS の雲微物理過程、特に雪から霰への変換過程や固体降水粒子の落下速度に改 善の余地があると考えられる。 b) 全球静力学-雲解像非静力学非斉一モデル結合 本研究項目では、「局所的に高解像度な全球シミュレーション」を行うことを目的として、 全球静力学モデルAFES と雲解像非静力学モデル CReSS を結合した数値モデルの開発を行 っている。結合モデルにおいては、CReSS の担う領域を台風の周辺など非静力学的な効果 が大きい領域に限定し、それ以外の領域は比較的計算コストの少ない静力学モデルで表現

する。平成23 年度は AFES と CReSS を双方向にデータ通信を行う、2way ネスティングに

よる台風シミュレーションを主に行った。その結果、AFES を単独で実行した場合と比較し

て、降水域、降水強度、風速といった点が改善された。

1way ネスティングにおいては、AFES から CReSS に 3 次元流速、気圧、温位、水蒸気

混合比のデータを送ることで、CReSS は AFES のダウンスケーリングをしていた。これに

(19)

13 量、雲量”および(B)“気温、水蒸気量、雲水量、雲氷量の時間変化”を AFES に送信する。(A) 群はAFES の放射過程の計算に用い、(B)群は AFES の格子点凝結や積雲対流パラメタリゼ ーションの代わりに用いる。これらの過程を実装することによって、対流が活発な領域で はAFES の積雲対流パラメタリゼーションを排除し、CReSS のもつ詳細な雲物理過程で計 算されたデータがAFES に反映されるようになる。本結合モデルでは CReSS のを矩形領域 のみならず任意の領域にとって計算することにも対応している。 2006 年 9 月 15 日 00UTC の気象庁全球客観解析データを AFES の初期値とし 12 時間ス ピンアップを行う。スピンアップ後のデータを結合モデルの初期値として AFES、CReSS に渡して計算を実行した。AFES の水平解像度は T213(赤道で約 60km)、CReSS の水平解 像度は2km である。CReSS の雲物理過程は氷晶を含むセミダブルモーメントのバルク法と し、SST データは気象庁解析海面温度(mgdsst)を採用した。モデル間のデータ通信の間隔 は30 分である。 AFES 単独で実行した場合、台風の特徴である目の構造がはっきりせず、降水強度も高々 20mm/h にとどまっている。しかしながら、2way ネスティングによるシミュレーションに おいては、台風特有のスパイラル状の降水帯と目の構造が形成された。中心気圧において もAFES 単独の場合に比べて 6hPa 低下しており、同時刻の気象庁ベストトラックに近い 値となった。また降水強度もAFES 単独の場合に比べて強化されている。 このように、対流が活発な領域において雲解像モデルの詳細なシミュレーションデータ を全球モデルに反映させることによって、全球モデルの雲物理量が改善されることが本シ ミュレーションによって明らかになった。また2way ネスティングモデルによって、活発な 対流現象が全球大気にどのように応答するのかを調べることも可能になる。 c) 台風に関する全球モデル-雲解像モデル比較検証実験 台風などの熱帯低気圧は、大気科学における興味深い現象であるだけでなく、東アジ ア諸国に大きな災害をもたらすともに、一方で水資源としても重要である。このため温暖 化に伴う台風の将来変化は、人間社会に大きなインパクトを与えるものである。特に最も 強い台風の強度がどのくらい強いものになるのかは、防災計画やリスクマネージメントに おいて基準を与えるという点で重要である。これまで当チームでは、気象研究所の実施し た全球モデル実験のうち、20km 解像度実験で得られた台風について、雲解像モデルを用い たシミュレーションを行ってきた。本年度は昨年度に引き続いて、気象研究所の 20km 解像 度の後期実験で現れた台風について、雲解像モデル CReSS を用いたシミュレーションを実 施している。後期実験では、現在気候(1979 年~2003 年)、近未来気候(2015 年~2039 年)、 温暖化気候(2075 年~2099 年)のそれぞれ 25 年間の台風を対象とした。それぞれの期間 の年平均の台風の数は 23.7、21.6、18.8 個であった。また、900hPa 未満の中心気圧に達し た台風の数は、現在気候 43、近未来気候 38、将来気候 49 個であった。これらの台風を最 低中心気圧の低い方から並べ、それぞれの気候について最も低い最低中心気圧の台風から

(20)

14 順に雲解像モデルを用いたシミュレーションを行った。 雲解像モデルを用いた実験の設定は、前期実験とほぼ同じである。台風の強度は解像度 が高いほど強くなる傾向があるが、水平解像度 2km 程度でほぼ最大に達し、解像度 1km も 同じ程度になる。そこで後期実験のものについても水平解像度を 2km とした。計算領域は 台風の位置と移動経路にあわせて設定し、水平格子数はおよそ 1000×1000 程度で、鉛直格 子数は 67 である。本年度の実験では放射過程を導入した計算を実施した。放射過程につい ては、東大大気海洋研で開発されている MSTRNX を CReSS に導入した。初期値を全球モデル で台風が最低中心気圧に達する時刻から 3 日以上前でかつ 950hPa より高い中心気圧の時刻 とした。積分期間は最低中心気圧に達した後中心気圧が上昇するまででの 4 日~6 日程度で ある。使用するモデルは CReSS Ver.3.3 で氷晶の落下を導入したものである。 雲解像モデル CReSS での台風強度について、各気候で最低中心気圧と最大地上風速を比 較する。現在気候 5 事例と温暖化気候 6 事例の台風については、回帰直線によくのってお り、相関係数の 2 乗の値は 0.9 を超えている。事例数が少なくて精度が悪いが、それぞれ の回帰直線は、vm = 0.45(1000 – pc) + 21 とvm = 0.38(1000 – pc) + 31 で、相互にかなり 近い回帰直線となっている。また、近未来気候の台風はほとんど現在気候の回帰直線に沿 って分布している。これらのことは、どの気候においても、最低中心気圧と最大地上風速 でみた台風の特性は同じであることを示している。一方で強度については、温暖化気候の 台風が現在気候のものに比べて顕著に強いものが多くなっていることがわかる。現在気候 の台風で 1 事例だけ、例外的に強いものがあるが、これについては再検討が必要である。 この台風を除くと、現在気候の台風の最も強いものは、観測された台風の最も中心気圧が 低かった台風 Tip(1979 年)に近い。一方、温暖化気候の台風のほとんどは現在気候の台風 より強いものとなっている。この実験では GSM の各気候の 25 年間で発生した台風の最も強 いものから雲解像モデルで実験を行っているので、これらの台風がそれぞれの気候で発生 する台風の最大強度に対応すると考えられる。ただし、近未来気候については事例数が不 十分である。 3.波及効果・発展方向・改善点等 平成19 年度から 23 年度までの 5 年間に雲解像モデル CReSS についてさまざまな改 良を行ってきた。さらに全球モデルとの結合モデルを開発した。CReSS 単体では 21 世紀気候変動予測革新プログラムの成果として Ver3.4 が開発された。これはさまざま なプロセスと結合するなどにより多くの発展が考えられる。具体的には非静力学海洋モ デルや陸面モデル、雷モデルなどがすでに実施されつつある。革新プログラムで実施し た全球モデルとの結合もあわせて、これまでにないモデルの利用が可能となりつつある。 これらは大気のシミュレーションだけでなく、さまざまな地球表層における問題の研究 のための道具となり、多くの方面に波及効果をもたらすと考えられる。また、雲解像モ デルCReSS は毎日のシミュレーションを行ってきており、その結果として雲解像モデ

(21)

15 ルを用いた高解像度シミュレーションの結果の多くのデータが得られている。また、現 在気候、近未来気候、および将来気候における台風の多くのデータが得られている。こ れらのデータは、観測データと同様にさまざまな観点から解析され、特に温暖化気候に おける台風の防災計画等に用いられるだろう。 革新プログラムで得られた成果として上記のようなモデルとその利用方法が確立し たので、今後はそれをさらに発展させて、温暖化気候における台風やハリケーンの最大 強度と防災計画の問題に適用することが今後の発展方向として考えられる。特にすでに 得られているそれぞれの気候の台風のデータは、特に重要なデータとして用いられるだ ろう。当チームはそれらのデータを研究者のコミュニティに公開する。 今後は革新プログラムで開発した雲解像モデルCReSS とそれに結合したプロセスを さらに改良していきたい。特に革新プログラム海洋微物理過程の開発した海洋混合層モ デルを結合し、非静力学海洋モデルと比較するなどにより、台風に与える海洋の効果を より精度の高いものにしたい。それにより温暖化気候における台風の最大強度をより精 度よく推定するという問題に取り組みたいと考えている。

(22)

16 4.研究成果の発表状況 a) 発表件数 平成 23 年度 平成 22 年度 平成 21 年度 平成 20 年度 平成 19 年度 論文・著書 2 3 4 5 8 口頭発表 6 12 13 23 12 平成 23 年度 (1) 論文・著書

Nasreen Akter, and Kazuhisa Tsuboki, 2012: Numerical simulation of Cyclone Sidr using cloud resolving model: Characteristics and formation process of an outer rainband. Mon. Wea. Rev.,

140, 789-810.

Maejima, Y., and K. Iga, 2011: The time evolution of meso-scale disturbances in the atmosphere caused by frontal instability, Theoretical and Appllied Mechanics Japan, Vol.61, 183-191.

(2) 口頭発表(国内学会・国際学会)

国際会議:

1. T. Shinoda, H. Masunaga, M. K. Yamamoto, M. Kato, A. Higuchi, K. Tsuboki, and H. Uyeda, 2011: Development of a validation method for a cloud-resolving model using satellite data of infrared and microwave bands. American Geophysical Union (AGU) Fall Meeting 2011, San Francisco, USA, Dec. 5-9.

2. T. Shinoda, H. Masunaga, M. K. Yamamoto, M. Kato, A. Higuchi, K. Tsuboki, and H. Uyeda, 2011: Development of a validation method for a cloud-resolving model using satellite data of infrared and microwave bands. 8th Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) Conference, Taiwan, Taipei, Aug. 8-12.

3. Y. Maejima, T. Enomoto, A. Kuwano-Yoshida, A. Sakakibara and K. Tsuboki, 2011: The coupling to general circulation model “AFES” of Cloud Resolving Model “CReSS” International Workshop on “Impact of Asian Megacity Development on Local to Global Climate Change, Suzhou, China, Dec. 21-22.

国内学会:

1. 篠田太郎・ 増永浩彦・山本宗尚・加藤雅也・樋口篤志・坪木和久・上田博, 2011: 衛星

より観測される赤外・マイクロ波輝度温度を用いた雲解像モデルの結果の検討 (その

2). 日本気象学会 2011 年度 春季大会, 東京, P217, 5 月 18 日~21 日.

(23)

17 ケール擾乱のマルチスケール解析. 日本気象学会 2011 年度 秋季大会, 名古屋, C151, 11 月 16 日~18 日. 3. 吉岡真由美・相木秀則・坪木和久・榊原篤志, 2011: 大気海洋結合モデルを用いた台風 T0914 (Choi-wan) の強度変化日本気象学会 2011 年度 秋季大会, 名古屋, A302, 11 月 16 日~18 日. 平成 22 年度 (1) 論文・著書

Miki Hattori, Kazuhisa Tsuboki

Nasreen Akter and

, and Shuichi Mori, 2010: Contribution of Tropical Cyclones to the Seasonal Change Patterns of Precipitation in the Western North Pacific: Estimation Based on JRA-25/JCDAS, SOLA, Vol. 6 (2010) No. 0 , 101-104.

Kazuhisa Tsuboki

坪木和久, 2010:気象のシミュレーション, 共立出版株式会社 「計算科学講座 10」超多自

由度系の新しい科学

, 2010: Characteristics of Supercells in the Rainband of Numerically Simulated Cyclone Sidr. SOLA, Vol. 6A (2010) No. SpecialEdition , 25-28.

(2) 口頭発表(国内学会・国際学会) 前島康光・坪木和久・篠田太郎・吉岡真由美・大東忠保・加藤雅也・日置智仁・岡本宏樹: 雲解像モデルを用いた豪雨システムと台風の高解像度シミュレーション. 平成 22 年 度スーパーコンピュータ利用研究報告会, 国立環境研究所, 11 月 9 日, 2010. 加藤雅也・坪木和久: 雲解像モデルを用いた台風に伴う最大瞬間風速推定の水平格子解像 度依存性. 日本気象学会 2010 年度 秋季大会, 京都テルサ, 2010 年度秋季大会講演予 稿集, P125(362p), 10 月 27 日-29 日, 2010. 篠田太郎・山本宗尚・増永浩彦・ 加藤雅也・樋口篤志・坪木和久・上田博: 衛星より観 測される赤外・マイクロ波輝度温度を用いた雲解像モデルの結果の検討. 日本気象学 会2010 年度 秋季大会, 京都テルサ, 2010 年度秋季大会講演予稿集, P195(432p), 10 月 27 日-29 日, 2010. 宮井星児・坪木和久・大東忠保・中北英一: 梅雨前線に発生したメソ対流系の層状性降水 域の雲粒子観測. 日本気象学会 2010 年度 秋季大会, 京都テルサ, 2010 年度秋季大会 講演予稿集, P194(431p), 10 月 27 日-29 日, 2010.

(24)

18

吉岡真由美・柏木秀則・坪木和久・榊原篤志: 台風シミュレーションにおける強度比較

-三次元非静力学大気海洋結合モデル(CReSS-NHOES)の開発・検証-. 日本気象学会

2010 年度 秋季大会, 京都テルサ, 2010 年度秋季大会講演予稿集, C209(226p), 10 月 27 日-29 日, 2010.

Kazuhisa Tsuboki, Atsushi Sakakibara, Masahiro Watanabe, Taro Shinoda, and Mayumi Yoshioka, 2010: Quantitative Prediction of Typhoon Precipitation Using the Tiling Domain Technique of Cloud-Resolving Model. First International Workshop on Nonhydrostatic Numerical

models, 29 Sept.-1 Nov. 2010 Kyoto University, Kyoto, Japan. Kazuhisa Tsuboki, 2010:

Current Status of Cloud-Resolving Model for Simulations of High-Impact Weather Systems.

The 16th CEReS International Symposium on Remote Sensing, 21-23 October 2010 Yugafu

Inn, Nago, Okinawa, Japan.

Shinoda, T., M. K. Yamamoto, H. Masunaga, M. Kato, A. Higuchi, K. Tsuboki, and H. Uyeda: Validation of the results of the cloud-resolving model with the satellite data of infrared and microwave bands around the Taiwan region during the Meiyu season. Third

SoWMEX/TiMREX Science Workshop, Taipei, Taiwan, November 3-5, 2010.

Yoshioka, M. K., H. Aiki, T. Shinoda, M. Kato, K. Tsuboki, A. Sakakibara, and W. Ohfuchi: Typhoon simulation using the 3-dimensional atmosphere-ocean regional coupled model, CReSS-NHOES. Third SoWMEX/TiMREX Science Workshop, Taipei, Taiwan, November 3-5, 2010.

Kato, M., K. Tsuboki: Maximum Wind Gust Estimation in Tropical Cyclones Using Cloud Resolving model. First International Workshop on Nonhydrostatic Numerical Models, Kyoto, Japan, September 29 - October 1, 2010.

Shinoda, T., H. Masunaga, M. K. Yamamoto, M. Kato, A. Higuchi, K. Tsuboki, and H. Uyeda: Validation of the results of the cloud-resolving model with the satellite data of infrared and microwave bands around the Taiwan region during the Meiyu season. First International

Workshop on Nonhydrostatic Numerical Models, Kyoto, Japan, September 29 - October 1,

2010.

Yoshioka, M. K., H. Aiki, K. Tsuboki, A. Sakakibara, and W. Ohfuchi: Non-hydrostatic response in typhoon passing using 3-dimensional atmosphere-ocean regional coupled model, CReSS-NHOES. First International Workshop on Nonhydrostatic Numerical Models, Kyoto University, Proceedings, p101-102, September 29 - October 1, 2010. (oral)

Shinoda, T., H. Masunaga, M. K. Yamamoto, M. Kato, A. Higuchi, K. Tsuboki, and H. Uyeda: Validation of the results of the cloud-resolving model with the satellite data of infrared and

(25)

19

microwave bands around the Taiwan region during the Meiyu season. 2010 International

Symposium on Environmental Monitoring in East Asia - Remote Sensing and Field Research for Forest and Precipitation Monitoring - (EMEA), Kanazawa, Japan, September 27-28,

2010. (3) 招待講演 前島康光,2010: 全球静力学-領域雲解像結合モデルの開発, 海洋研究開発機構横浜研究所 坪木和久,2010:スーパコンピュータはどこまで台風を再現できるか, 第 8 回地球シミュレ ータシンポジウム -安全・安心な社会の実現に向けて-, 2010 年 10 月 5 日, 秋葉原 コンベンションホール

Kazuhisa Tsuboki, 15 May 2010: High-Resolution Simulation of Typhoons Using a Cloud-Resolving Model, Seminar at Atmospheric Sciences Group of National Taiwan University, National Taiwan University, Taipei, Taiwan.

坪木和久,2010 年:雲解像モデルを用いた High-impact weather systems の量的予測 ―特に

台風とそれに伴う豪雨について― 第7回天気予報研究会, 気象庁講堂.

Kazuhisa Tsuboki, 2010: Current Status of Cloud-Resolving Model for Simulations of High-Impact Weather Systems. The 16th CEReS International Symposium on Remote Sensing, 21-23 October 2010 Yugafu Inn, Nago, Okinawa, Japan.

(4) アウトリーチ活動 講演 坪木和久, 2010 年 12 月 11 日:スーパコンピュータで台風を再現する, 名古屋大学地球水循 環研究センター公開講演会, 「地球水循環研究のフロンティア」,名古屋大学野依記 念学術交流館. 講演予稿集 p10-15. 坪木和久, 2010 年 8 月 28 日: 台風の高解像度シミュレーション ー雲解像モデルによるシミュレ ーション ー, 日本気象学会関西支部第32回夏季大学,キャンパスプラザ京都. 坪木和久, 2010 年 8 月 24 日: 巨大台風がやってくる-地球温暖化で集中豪雨と台風はどうなる のか,岡崎竜城ライオンズクラブ平成22年度講演会, 岡崎市 図書館交流プラザ. 新聞掲載 坪木和久: 見えない竜巻?「漏斗雲」ない新型の突風か. 日本経済新聞 夕刊, 10 月 25 日,

(26)

20 2010. 坪木和久: 異常気象を終え 2 雲のメカニズム 風船から”雨の卵”撮影. 神戸新聞, 9 月 29, 2010. 坪木和久: 「ラニーニャ」現象発生 猛暑の次は台風多発?. 日本経済新聞, 9 月 6 日, 2010. 坪木和久: 岐阜豪雨 風ぶつかる帯発生. 朝日新聞, 7 月 17 日, 2010. 平成 21 年度 (1) 論文・著書

Shinoda, T., A. Higuchi, K. Tsuboki, T. Hiyama, H. Tanaka, S. Endo, H. Minda, H. Uyeda, K. Nakamura: Structure of convective circulation in the atmospheric boundary layer over the northwestern Pacific Ocean under a subtropical high. J. Meteor. Soc. Japan, 87, 979-996, 2009.

Mayumi K. Yoshioka, Kazuhisa TSUBOKI, and Atsushi SAKAKIBARA: Development of A Typhoon Genesis in the Early Stage Simulated in Hydrostatic- and Non-Hydrostatic Atmospheric Models, Proceedings, S5-07, Fourth Japan-China-Korea Joint Conference on Meteorology, Tsukuba, Japan for 8-10 November 2009.

Chung-Chieh Wang, George Tai-Jen Chen, Shan-Chien Yang, Kazuhisa Tsuboki, 2009: Wintertime Supercell Thunderstorms in A Subtropical Environment: Numerical Simulation. Monthly

Weather Review, 137,2175-2202. 坪木和久, 2009: 局地豪雨・竜巻シミュレーション, 計算力学シミュレーションハンドブッ, 小柳義夫・土居範久・松田卓也・矢川元基監修, 丸善, 28-36. (2) 口頭発表(国内学会・国際学会) 篠田太郎・加藤雅也・久保守・瀬戸一希・村本健一郎・藤吉康志・大東忠保・坪木和久・ 上田博: 地上観測データを用いた雲解像モデル CReSS における雪と霰の割合の検証. 日本気象学会 2009 年度秋季大会, アクロス福岡, 2009 年度秋季大会講演予稿集, P324(450p) 11 月 25 日-27 日,2009. 篠田太郎・加藤雅也・久保守・瀬戸一希・村本健一郎・藤吉康志・大東忠保・坪木和久・ 上田博: 地上観測データを用いた雲解像モデル CReSS における雪と霰の割合の検証. ワークショップ「第8 回降雪に関するレーダーと数値モデルによる研究」, 防災科学

(27)

21 技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県長岡市), 3 月 4 日-5 日, 2010. 前島康光・榎本剛・吉田聡・榊原篤志・ 坪木和久:全球静力学-雲解像非斉一結合モデルの 開発. 日本気象学会 2009 年度秋季大会,アクロス福岡, 2009 年度秋季大会講演予稿集, D164(280p) 11 月 25 日-27 日, 2009. 前島康光:2010 年 1 月 29 日(金), 全球静力学-領域雲解像結合モデルの開発, IFREE YES セ ミナー,海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域, 海洋研究開発機構 横浜研 究所 情報技術棟,

Mayumi K. Yoshioka, Kazuhisa TSUBOKI, and Atsushi SAKAKIBARA: Development of A Typhoon Genesis in the Early Stage Simulated in Hydrostatic- and Non-Hydrostatic Atmospheric Models, Proceedings, S5-07, Fourth Japan-China-Korea Joint Conference on Meteorology, Tsukuba, Japan for 8-10 November 2009.

吉岡真由美, 坪木和久, 榊原篤志: 雲解像非静力モデルを用いた熱帯低気圧擾乱の初期発達

過程, 2009 年日本気象学会秋季大会, 福岡県・博多, 2009 年 11 月 25 日, C160.

Enomoto, T., Application of the spectral bicubic interpolation scheme to a shallow-water model, Solutions of Partial Differential Equations on the Sphere 2009, Santa Fe New Mexico, USA, 27 April 2009.

Kazuhisa Tsuboki and Atsushi Sakakibara, 2009: Numerical simulation of tornado-scale vortices occurred in a winter cold-air outbreak over the Sea of Japan. 5th European Conference on

Severe Storms, 12 - 16 October 2009, Landshut, Germany.

(3) 招待講演

Kazuhisa Tsuboki, 2009: High-resolution simulation of typhoon using a cloud-resolving model.

International Workshop on Advancement of Typhoon Track Forecast Technique, 30

November – 2 December 2009, The Nippon Foundation Building, Tokyo, Japan.

Kazuhisa Tsuboki, 2009: High-resolution simulation of typhoons using the cloud resolving model.

International Symposium on Radar and Modeling Studies of the Atmosphere, 10-13

November 2009, Kyoto University, Uji Campus, Kyoto, Japan.

Kazuhisa Tsuboki, 2009: Prediction experiments of high-impact weather systems using the cloud-resolving model. 2009 International Conference on Extraordinary Serious Typhoon

and Flood Disaster Prevention, 28 October 2009, Chengchi University, Taipei, Taiwan.

Proceedings 18-25.

(28)

22

high-impact weather systems. 2009 Asian Science Seminar by Japan and Korea (ASS-JK) “ High-Impact Weather in Changing Climate ”, 8 October 2009, Seoul National University, Seoul, South Korea.

Kazuhisa Tsuboki, 2009: Typhoon research by high resolution simulation using the Cloud-Resolving Model.Seminar at the National Center for Disaster Reduction, 5 February 2009, Taipei, Taiwan. (4) アウトリーチ活動 坪木和久:2009 年 10 月 6 日、スーパーJ チャンネル。台風18号とスーパー台風について 解説。 坪木和久:2009 年 9 月 8 日、CBC ラジオ 多田しげおの気分爽快~朝から P.O.Nスー パー台風について解説。 坪木和久:2009 年10月5日、別所哲也のJ-WAVE TOKYO MORNING R ADIO, KONICA MINOLTA MORNING VISION、 スー パー台風について解説。 坪木和久・篠田太郎:コンピューターで台風の暴風雨はどこまで再現できるか. 第 15 回日 本気象学会中部支部公開気象講座「台風研究の最前線」, 名古屋大学野依記念学術交 流館, 8 月 25 日, 2009. 吉岡真由美, スーパー台風についてのコメント, フジテレビ「とくダネ!」, 2009 年 10 月 8 日 8:00~10:00 ごろ放送, 出演 吉岡真由美, スーパー台風と温暖化について,フジテレビ「スーパーニュース」, 2009 年 107 日 16:53~18:00 ごろ放送, 電話インタビューによる声の出演 吉岡真由美, 0918 号台風についての解説の中での「スーパー台風」ついてのコメント,テレ ビ朝日「ワイドスクランブル」, 2009 年 10 月 6 日 11:30~13:05 ごろ放送, パネルに よるコメント紹介 「地球の大研究」, 束田進也, 杉田精司, 吉岡真由美 監修, 2009 年 9 月, ISBN 9784569689883, ISBN-10: 4569689884, PHP 研究所 平成 20 年度

(29)

23 (1) 論文・著書

Mayumi K. Yoshioka and Yoshio Kurihara , 2008: Influence of the Equatorial Warm Water Pool on the Tropical Cyclogenesis: an Aqua Planet Experiment. Atmospheric Science Letter, vol.9, issue 4, 248-254, DOI:10.1002/asl.199.

Shinichiro Maeda, Kazuhisa Tsuboki ,Qoosaku Moteki, Taro Shinoda, Haruya Minda and Hiroshi Uyeda, 2008: Detailed Structure of Wind and Moisture Fields around the Baiu Frontal Zone over the East China Sea. SOLA, Vol.4, 141-144. Release Date: December 26, 2008

Kazuhisa Tsuboki, 2008: High-Resolution Simulations of High-Impact Weather Systems Using the Cloud-Resolving Model on the Earth Simulator. High Resolution Numerical Modelling of the

Atmosphere and Ocean, Hamilton, Kevin; Ohfuchi, Wataru (Eds.), Springer New York,

141-156. 坪木和久, 2008: 雲解像モデルで見た台風の構造. 「天気, 2006 年度秋季大会シンポジウ ム「台風-伊勢湾台風から 50 年を経て-」の報告, No. 55, Vol.5, 379-384. 坪木和久, 2008: 雲解像気象シミュレーション. 「地文台によるサイエンス」極限エネル ギー宇宙物理から地球科学まで, 梶野文義・佐藤文隆・村木綏・戎崎俊一編, 183-191. (2) 口頭発表(国内学会・国際学会) 榎本 剛, 2008, 日本気象学会 2008 年度春季大会, 横浜, スペクトル微係数を用いた双 3 次空間内挿法, 387 吉岡真由美 2009 年 3 月 5 日(木),6 日(金): 水惑星実験における熱帯低気圧性擾乱の発生 に好条件な海面水温分布, 東京大学海洋研究所共同利用研究集会「地球流体における 構造の組織化とパターン形成の力学」, 東京大学海洋研究所, 東京. 吉岡真由美・坪木和久・榊原篤志,2008 年 11 月 19 日:全球静力モデルと雲解像非静力モ デルにおける台風発生過程の比較, 2008 年日本気象学会秋季大会, 宮城県・仙台, D112. 吉岡真由美・坪木和久・渡部雅浩・榊原篤志, 2008 年 5 月 26 日:雲解像モデル CReSS によ る局所領域タイル状高解像度シミュレーション, 日本地球惑星科学連合 2008 年大会 (JPGU meeting 2008), J161 情報地球惑星科学, 千葉.

(30)

24

cloud resolving model over the tropical Indian Ocean during the MISMO. MISMO Workshop, Yokohama, Japan, Nov. 25-26, 2008.

Shinoda, T., K. Tsuboki, M. Kato, M. Nomura and H. Uyeda: Daily simulations around Taiwan area during the SoWMEX/TiMREX IOP in 2008 using the cloud resolving model. First SoWMEX/TiMREX Science Workshop, Taipei, Taiwan, Nov. 5-7, 2008.

篠田太郎・野村光春・加藤雅也・渡部雅浩・坪木和久: 降水システムの盛衰に対応した雲 物理量の確率密度分布の変化 ~雲解像モデルの結果を用いた解析~. 第 10 回非静力 学モデルに関するワークショップ, 名古屋大学環境総合館, 11 月 27 日-11 月 28 日, 2008. 篠田太郎・野村光春・加藤雅也・渡部雅浩: 降水システムの盛衰に対応した雲物理量の確 率密度分布の変化 ~雲解像モデルの結果を用いた解析~. 日本気象学会 2008 年度春 季大会, 横浜市開港記念会館・横浜情報文化センター, 2008 年度春季大会講演予稿集, P405(465p), 5 月 18 日-5 月 21 日, 2008. 篠田太郎・坪木和久・ 加藤雅也・出世ゆかり・野村光春・纐纈丈晴・ 尾上万里子・大東 忠保・上田博:マルチパラメータレーダと雲解像モデル CReSS を用いた平成 20 年 8 月 末豪雨の初期解析結果.平成 20 年度気象学会中部支部研究会, 金沢駅西合同庁舎, 講 演要旨集 p. 63-66, 12 月 1 日-12 月 2 日, 2008. 野村光春・篠田太郎・加藤雅也・出世ゆかり・坪木和久: 雲解像モデル CReSS を用いた東 海地方における平成 20 年 8 月末豪雨の数値実験.第 10 回非静力学モデルに関するワー クショップ, 名古屋大学環境総合館, 11 月 27 日-11 月 28 日, 2008. 坪木和久・榊原篤志・渡部雅浩・篠田太郎・吉岡真由美 タイリング領域法を用いた雲解像 モデルの計算, 第10回非静力学モデルに関するワークショップ (名古屋), 名古屋 大学環境総合館 1階 レクチャーホール, 講演要旨集, 11 月 27 日-28 日, 2008. 坪木和久・榊原篤志・渡部雅浩・篠田太郎・吉岡真由美: 雲解像モデルのタイリング領域 法とその台風シミュレーションへの応用, 日本気象学会 2008 年度秋季大会(仙台), 仙 台国際センター, 2008 年度秋季大会講演要旨集, D114(281p), 11 月 19 日-21 日, 2008. Nasreen Akter and Kazuhisa Tsuboki: Simulation of Cyclone Sidr and Analysis of the

Rainband Formation Using CReSS, 日本気象学会 2008 年度秋季大会(仙台), 仙台国 際センター, 2008 年度秋季大会講演要旨集, D115(282p), 11 月 19 日-21 日, 2008.

図 5: 全球モデル(GCM)およびメソモデル(CRM)の解像する場の東西スケール依存性を示す模式
図 1: (a) 1way ネスティングにおける AFES-CReSS 結合モデル実行内容の概 念図 , (b)2 way ネスティングにおける AFES-CReSS 結合モデル実行内容の概念 図
表 1: 1way 結合モデルでシミュレーションを行った事例の一覧
図 9: (a)2008 年 2 月 3 日 20UTC における気象庁赤外画像。 (b) 同時刻における 2way 結合モデルの結果。シェードは水・氷の混合比の鉛直積算値を占めす。
+7

参照

関連したドキュメント

We study the basic preferential attachment process, which generates a sequence of random trees, each obtained from the previous one by introducing a new vertex and joining it to

It is suggested by our method that most of the quadratic algebras for all St¨ ackel equivalence classes of 3D second order quantum superintegrable systems on conformally flat

Rostamian, “Approximate solutions of K 2,2 , KdV and modified KdV equations by variational iteration method, homotopy perturbation method and homotopy analysis method,”

We decompose the integral operator into dyadic pieces via monomial transforms and the mixed-variable method so as to obtain its sharp estimates on different domains.. These

The reason for not using the perhaps more familiar high peak statistics in the definition of the main production matrix is that the joint distribution of number of high peaks and

In addition, it is demonstrated in the numerical results that high-order compact methods with the JTr and FIM techniques are capable of resolving a thin boundary layer with

 Adjustable soft--start: Every time the controller starts to operate (power on), the switching frequency is pushed to the programmed maximum value and slowly moves down toward

The analog to digital converter is a 7−bit A/D which can be used as an event recorder, an input voltage sampler, output voltage sampler, input current sampler, or output