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III. 中間試案の内容 以下では 中間試案の取り上げるテーマのうち ストラクチャード ファイナンスやバンキングに比較的関 連性が高いと思われるテーマを中心に解説する 1. 債権譲渡 (1) 譲渡制限特約 ポイント 中間試案では 譲渡制限特約の効力を現行法から大幅に変更し 譲渡制限特約付債権が債務者

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I. 中間試案の公表 本年3月 11日、「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」(以下「中間試案」という。)が公表された。 中間試案については、試案本体の他、「中間試案(概要付き)」(改正提案の趣旨の簡潔な説明が付され て い る も の ) が あ る 。 こ れ ら は 、 い ず れ も 法 務 省 ウ ェ ブ サ イ ト に て 閲 覧 可 能 で あ る (http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900184.html)。また、「中間試案の補足説明」が公表さ れる予定であり、提案理由の詳細が明らかにされることとなっている。補足説明は、4 月 15 日正午時点で 未公表であるが、間もなく上記ウェブサイトで公表される見込みである。 中間試案に対するパブリックコメントの手続は、本年4 月 16 日から同年 6 月 17 日までの期間で実施さ れる予定である。一部新聞報道によると、法務省は、早ければ 2015 年の通常国会への改正法案の提出 を目指すとされている。 II. 中間試案の読み方 中間試案は、「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理」(平成23 年 5 月 10 日公表)以降 の審議を受けて論点の絞り込みを行った上、多くの論点で改正の方向性を一本化して打ち出している。「~ ものとする。」という断定調の文末表現はその表れである。 これに対して、依然として反対意見や継続検討事項のある点には、以下のような表記でその旨が示され ている。 ①(注)として別案の内容を紹介する。 ②「甲案」「乙案」として複数の案を併記する。 ③「引き続き検討する」として検討中であることを示す。 ④文言にブラケット([ ])を付して暫定的な文言であることを示す。 特に上記③「引き続き検討する」とされている論点(保証人保護の方策、事情変更の法理、約款変更)は、 最終的に法改正に至る確度が相対的には低いが、これらの論点が改正に結びつく可能性も十分にあるの で、今後の審議の行方は予断を許さない。

2013 年 4 月号

I. 中間試案の公表 II. 中間試案の読み方 III.中間試案の内容 森 森・・濱濱田田松松本本法法律律事事務務所所 弁 弁護護士士 青青山山 大大樹樹   0033--55222200--11881177 [email protected] 森 森・・濱濱田田松松本本法法律律事事務務所所 弁 弁護護士士 松松田田 悠悠希希   0033--66226666--88990022 [email protected]

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III. 中間試案の内容 以下では、中間試案の取り上げるテーマのうち、ストラクチャード・ファイナンスやバンキングに比較的関 連性が高いと思われるテーマを中心に解説する。 1. 債権譲渡 (1) 譲渡制限特約 中間試案では、譲渡制限特約は債務者の 弁済先固定の利益(①弁済先変更に伴う事務 負担回避、②過誤払いの危険回避、③相殺の 可能性の確保)を保護するものであるという考 え方を貫徹して、譲渡制限特約を巡るルール を整備している。 具体的には、譲渡制限特約付債権が債務 者の承諾なく譲渡された場合でも、債権は譲 受人に移転するとしている。その上で、債務者 は、(i)債権譲渡後も、譲受人に対する債務の履行を拒絶でき、また、(ii)譲渡人を相手方として弁済・相殺 等ができるとしている。上記(ii)は、譲渡人が譲受人から弁済受領権限を与えられるのと同様の効果を、法 律によって実現する内容である。中間試案は、上記(i)(ii)によって債務者の弁済先固定の利益は十分に 保護されるから、譲渡制限特約に反する債権譲渡が行われた場合でも債権の移転の効果を否定するまで の必要はないという考え方に立っている。 もっとも、中間試案では、債務者の承諾がある場合の他、譲受人が第三者対抗要件を具備した後に、譲 渡人に法的倒産手続が開始した場合や譲渡人の債権者がその債権を差し押さえた場合等にも、譲渡制限 特約の効力は失われるとされている。これは、一般債権者と譲受人とが債権の帰属を争うようになった局 面では譲受人の利益を優先しようとする提案であるが、債務者の利益保護を後退させる点で反対論が多 い。 (x)履行拒絶可 債務者 譲渡人 譲受人 譲渡合意 (y)弁済可 譲渡制限 特約付債権 譲渡制限特約の効力 有効に移転 譲受人の責任財産になる 悪意/重過失 中間試案では、譲渡制限特約の効力を現行法から大幅に変更し、譲渡制限特約付債権が債務者の 承諾なく譲渡された場合でも、債権は譲受人に移転するとしている。 ポイント

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(2) 対抗要件制度 上記①の甲案に対しては、対抗要件を譲渡登記に一元化する前提として、登記費用(登録免許税)の低 額化や、担保権移転の付記登記を可能とする必要があるなど、譲渡登記制度の使い勝手の改善が必要で あるとの指摘が強い。 また、上記①の甲案が採用された場合、譲渡対象債権が金銭債権か非金銭債権かによって第三者対 抗要件の具備方法が異なることになるが、実務上は、金銭債権の譲渡と共に関係するコベナンツ条項に基 づく権利関係も移転させる場合等、金銭債権のみの譲渡と整理できるか不明な取引類型があり、これらの 場合に安全策として両方の方法で対抗要件を具備することになると実務負担の増大につながると指摘され ている。 更に、上記①の甲案及び②の乙案の両方に共通して、債務者の承諾を対抗要件としないことに対しては、 現行実務の利便性(譲渡制限特約付債権の譲渡時の債務者承諾で対抗要件具備を兼ねる等)が失われ ることが懸念されている。 (3) 債権譲渡と債務者の抗弁 債務者の異議をとどめない承諾による抗弁切断の制度を廃止して「抗弁放棄の意思表示」によって代替 することになると、従来と比較して、実務的には債務者の意思表示の取得が困難となるのではないかという 指摘がある。抗弁切断の効果が生ずる点で従来の異議をとどめない承諾と中間試案による抗弁放棄の意 思表示は法的効果の面では同様であるが、表現の問題として、抗弁放棄の方が一方的な権利放棄である ことが明確となるので、実務的には債務者の対応に違いが生ずるのではないかという指摘である。 また、放棄の対象である抗弁の種類を特定せず「一切の抗弁を放棄する」という意思表示がされた場合、 その有効性は必ずしも明らかではないという見方もあり、そのような意思表示も有効であることを明確にす べきという指摘がなされている。 中間試案では、第三者対抗要件について、①金銭債権について譲渡登記に一元化し、非金銭債権に ついては譲渡証書等に確定日付を要求する案(甲案)と、②譲渡登記と債務者に対する通知を第三者 対抗要件とし、債務者の承諾を対抗要件としない案(乙案)が提案されている。 ポイント 中間試案では、債務者の異議をとどめない承諾による抗弁切断の制度を廃止し、抗弁切断の効果は 債務者から抗弁放棄の意思表示を得ることにより達成されるとするルールを提案している。 ポイント

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(4) 将来債権譲渡 中間試案では、将来債権譲渡後、権利行使要件が具備された後に譲渡制限特約がされた場合、債務者 は、譲渡制限を譲受人に主張できないとする提案がされている。これは、将来債権譲渡と譲渡制限特約の 効力の関係について現行法上解釈に争いのある点に立法で決着を付け、将来債権譲渡の安定性を高め ようとする提案である。 また、中間試案では、将来債権譲渡の効力は、譲渡人以外の第三者が当事者となった契約上の地位に 基づく債権には及ばないが、当該第三者が譲渡人から承継した契約から発生した債権には及ぶとするル ールを提案している。 なお、中間試案以前には、将来債権の譲渡人に倒産手続が開始されたあと管財人等の下で発生する債 権が、譲受人と管財人のいずれに帰属するかを明文化することを試みる議論もあったが、この論点は倒産 法の解釈に委ねるべきであるとする議論が強くなり、中間試案では提案が見送られている。 2. 保証 個人保証禁止ルールについては、「経営者」を 条文で明確に定義することの難しさや、債権者 が保証人を「経営者」と誤信した場合の保護の 必要性などが指摘されている。 また、保証契約締結時の説明義務については、 「主債務者の信用状況」として具体的に何を説明 すればよいのか不明である、特に委託保証の場 合に保証人に対して説明を行うべきなのは債権 者ではなく主債務者である、経営者保証につい て債権者が保証人に対して主債務者の信用状 況等を説明することはナンセンスである等の反対論がある。 【中間試案の帰結】 (○は有効、×は無効) (a)居住用建物の家賃保証 ○ (b)住宅ローンの保証 ○* (c)奨学金の返済債務の保証 ○* (d)中小企業のオーナー社長の配偶者による会社 借入債務の保証 △** (e)消費者金融債務に関する根保証 × (*主債務者が消費者であり根保証でないことを前提とする。 **保証人の経営への関与のあり方と「経営者」概念の範囲による。) 中間試案では、将来債権譲渡が可能であることや、既発生の債権譲渡と同様の方法で第三者対抗要 件を具備できることについて、判例法理を明文化することが提案されている。 ポイント 保証に関する中間試案の提案のうち、特に注目されるのは、個人保証人保護の拡充である。具体的に は、①個人保証禁止ルール(経営者保証の例外を除き、貸金債務を個人が保証することを原則として 禁止する)、②保証契約締結時の債権者の説明義務(主債務者の信用状況等を保証契約締結時に債 権者が個人保証人に説明しなければならない)、③保証期間中の通知義務(主債務の履行遅滞の事 実等を債権者が個人保証人に通知しなければならない)、④個人保証人の責任制限(保証債務が過大 であると認められるときは裁判所によりその減免が認められる)などの規定の新設が提案されている。 ポイント

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その他、個人保証人保護のための方策には全般的に反対論が強く、中間試案では、これらの改正につ いて「引き続き検討する」とされている。 また、その他、現行民法上の貸金等根保証に関する規定のうち、極度額(民法465 条の 2)や元本確定 事由(民法465 条の 4)の適用範囲を個人保証人による根保証一般に拡大すること等が提案されている。 3. 消費貸借 諾成的消費貸借契約に関しては、貸付人の 立場から見ると、貸付実行前に借入人(貸付 実行先)が変更になるのは問題があるから、 目的物引渡債権の譲渡・差押え等が禁止され る旨を法定する必要があるという指摘もある。 もっとも、現行法下でも判例により諾成的金銭 消費貸借が認められているところ、現行の諾 成的消費貸借契約の実務においても期限の 利益喪失事由の発生等を貸付実行の前提条 件として規定しており、法改正後もそのような 契約上の対応を行うこととすれば、強いて目 的物引渡債権の譲渡・差押え等の禁止を法定 する必要はないとも考えられる。 なお、借主は、目的物引渡し前の解除権を 行使した場合や期限前弁済を行った場合、貸 主に生じた損害の賠償義務を負うとされるが、 損害の範囲については具体的な提案は見送られた。現在の実務上、期限前弁済等の場合に借主にブレー クファンディングコストの支払義務を負わせることがあるが、このような実務は中間試案のもとでも否定され ないと解されよう。 4. 法定利率 中間試案では、消費貸借契約の要物性の原則を維持した上で、書面性を要件として諾成的消費貸借 契約の成立も認める提案がされている。これを受けて、諾成的消費貸借契約では、借主に目的物引渡 し前の解除権を認めるとしている。加えて、返還時期の定めのある消費貸借契約での期限前弁済のル ールの明文化も提案されている。 ポイント 中間試案では、法定利率を現行の年5%から、法改正時点で年 3%(暫定)に引き下げるとともに、基 準貸付利率(従来の公定歩合)を金利指標として、年 1 回、毎年一定の日に、0.5%(暫定)の変動幅 で法定利率を改定していく変動制が提案されている。 ポイント 貸付により 貸付契約成立 現行法(要物契約) 貸付人 借入人 返還請求権 (但し、判例により諾成的 消費貸借契約も有効) 中間試案の提案 貸付人 借入人 貸付を求める権利 (目的物引渡請求権) 合意により 貸付契約成立 返還請求権 貸付 実行 貸付人 借入人

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中間試案においても、契約に基づく債権の 利率は、多くの場合に当事者の約定利率によ ることになり、法定利率の主な適用対象は不 法行為や不当利得による債権となる。 なお、民事法定利率を変動制とする場合、 現行年 6%とされている商事法定利率につい ては、廃止する案や、民事法定利率に 1%を 上乗せした利率とする案が提案されている。 5. 債権の消滅(弁済・更改・相殺) 三面更改の概念と対抗要件制度の導入には、従来実務で行われている債務引受方式による集中決済 の仕組みに悪影響を与えないことを明確化すべきとの指摘があり、今後の審議が注目される。 6. 錯誤(不実表示) 中間試案の提案内容は、判例ルールの明文化にとどまらず、不実表示を動機の錯誤の一類型として立 法する提案がなされている。具体的には、「表意者の錯誤が、相手方が事実と異なることを表示したために 生じたものである」場合に、契約内容化要件を満たさない場合でも錯誤取消しを認めることとする。 不実表示については、現行の裁判例と比較して契約取消しの範囲が広がり、契約実務の安定性を害さ ないか懸念されている。例えば、M&A 取引では、取引実行後は表明保証違反を理由とする契約解除を認 めない旨を合意することが多いが、不実表示のルールが導入された結果、取引実行後の契約取消しのリ 法定利率の変動 年利 5% 3% 債権法改正 時間 0.5%刻みで変動 その後 1 年毎 中間試案では、準占有者に対する弁済に関して、「債権の準占有者」の要件を「受取権者としての外 観を有する者」に改めるとともに、「弁済者の善意無過失」の要件を「正当な理由」に改めることを提 案している。 また、更改に関しては、「三面更改」の概念を導入し、対抗要件の具備を要求する提案がされてい る。 差押えと相殺の関係については、無制限説を採用した上で、更に、差押え前に発生していなくとも債権 の発生原因が存在していれば、その債権を自働債権とする相殺を認めることを提案している。また、債 権譲渡と相殺の関係についても、無制限説を基調としつつ将来債権譲渡との関係で相殺の期待を保護 ポイント 中間試案では、動機の錯誤に関する判例ルールの明文化が提案されている。具体的には、動機の錯 誤は、「意思表示の前提事項の錯誤」と整理され、意思表示の前提事項に関する認識が法律行為の内 容とされた(契約内容化)場合に、意思表示の取消しを認めるとする。 ポイント

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スクがなお残ることとなれば、表明保証条項を巡る現在の実務に支障をきたさないか問題視されている。 7. 契約交渉段階 明文化により、これらのルールを濫用する紛争の増加を懸念する声もあるが、提案ルールが判例法理 の明文化に過ぎないとすれば、懸念は当たらないとの見方もある。 もっとも、現実に情報を知らなかった場合でも知り得た限り情報提供義務違反の責任が発生する場合が ある等、具体的な要件に過不足がないかについては議論の余地が大きい。 8. 約款・不当条項規制 (1) 定義 中間試案の定義によれば、一般的な保険約款や運送約款等は「約款」に該当するが、契約書雛形は、 相手毎に個別交渉し、異なる内容の契約を締結する目的で用いるなら、「約款」に該当しない。具体的にあ る契約書雛形が約款に該当するか否かの判断が困難な場合はあり得るが、約款の定義に該当する契約 条項であっても、下記(2)の組入要件によることなく契約内容となった条項(通常の契約と同様に個別に合 意された条項)には、以下の(3)・(4)のルールは適用されないこととされている。 (2) 組入要件 いかなる機会提供をすれば「相手方が合理的な行動を取れば約款の内容を知ることができる機会」を提 中間試案では、契約交渉が成約に至らないリスクや契約交渉中の情報収集は原則として各当事者の 自己責任であることを確認した上で、例外的に、契約締結を拒絶した当事者や情報提供を怠った当事 者に損害賠償責任が生ずる場合があることを、具体的要件とともに条文で明示することを提案してい る。 ポイント 中間試案では、約款の定義を「多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条 項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的として使用するもの」とする提案 がされている。 ポイント 中間試案では、約款を用いる旨が合意され、かつ、「約款使用者によって、契約締結時までに、相手方 が合理的な行動を取れば約款の内容を知ることができる機会が確保されている」場合(組入要件)に は、約款の内容に関する個別の合意がなくとも約款が契約内容になるとのルールが提案されている。 ポイント

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供したといえるか(例えば、ウェブサイトでの開示はどうか)は、「その契約の内容や取引の態様、相手方の 属性、約款の開示の容易性、約款の内容の合理性についての公法的な規制の有無等の事情を考慮して 定まる」とされている。 従って、この内容の法改正が行われた場合には、個別の約款の種類・内容毎に、組入要件を満たすた めの具体的な実務対応を検討する必要が生ずることとなろう。 (3) 約款の変更 約款に関する中間試案の提案内容のうち、約款の変更要件を明文化することについては、実務界からも 歓迎の声が多いようである。もっとも、要件が過度に厳格なものとなると、結局実務的なメリットが乏しい法 改正となりかねない。約款を用いている事業者においては、中間試案の提案内容が従来の各社の約款変 更の実務に沿うものであるか検討することになろう。 (4) 不意打ち条項規制・不当条項規制 不意打ち条項規制や不当条項規制については実務界から反対論が強いが、これらの内容規制を全く立 法することなく組入要件・約款変更要件だけを立法することには法制審の学者委員から反対が強い。 もっとも、不意打ち条項規制と不当条項規制との関係が不明ではないか、不意打ち条項規制があれば 不当条項規制までは不要ではないか等、内容規制の定め方には議論の余地が大きい。 ①画一的変更が合理的に必要、②その約款による契約が現に多数あり全相手方からの変更同意の取 得が著しく困難、③上記①の必要に照らし変更内容が合理的で変更の範囲・程度が相当、④相手方の 不利益の程度に応じた適切な措置の実施、の全てを満たす場合に、相手方の同意なく約款条項を変更 できるとするルールを設けるべきか、「引き続き検討する」とされている。 ポイント 中間試案では、約款条項のうち、「他の契約条項の内容、約款使用者の説明、相手方の知識及び経 験その他の当該契約に関する一切の事情に照らし、相手方が約款に含まれていると合理的に予測 することができない条項」(不意打ち条項)は、組入要件を形式的に充足する場合であっても、契約内 容とならないとするルールが提案されている。 加えて、約款条項は、「当該条項が存在しない場合に比し、約款使用者の相手方の権利を制限し、又 は相手方の義務を加重するものであって、その制限又は加重の内容、契約内容の全体、契約締結時 の状況その他一切の事情を考慮して相手方に過大な不利益を与える場合には、無効とする」とのルー ル(不当条項規制)が提案されている。 ポイント

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9. 賃貸借 中間試案によれば、賃貸不動産の譲渡に 伴い、譲受人を賃貸人とし譲渡人を賃借人兼 転貸人とするリースバック取引を行う場合、テ ナント同意(譲渡後の転借人の同意)を取得す ることなく転貸借関係を成立させることも可能 になる。 なお、中間試案では、敷金返還債務が新所 有者に当然承継された場合に旧所有者が免 責されるかについては具体的な提案は見送ら れ、引き続き解釈に委ねることとされている。 賃借人 譲渡人 賃貸人の地位を 留保可能 賃貸人の地位の留保 リースバック 譲渡 譲受人 賃貸借 ↓ 転貸借 中間試案では、不動産譲渡時の賃貸人たる地位の移転について、判例法理の明文化に加えて、賃貸 人の地位を譲渡人に留保し、かつ、譲受人が譲渡人に目的不動産を賃貸する合意をした場合には、賃 貸人の地位は譲渡人に留保されるとのルールが提案されている(なお、譲受人・譲渡人間の賃貸借終 了により、賃貸人の地位は譲受人又はその承継人に移転する)。 ポイント

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News

 Chambers Global 2013、Chambers Asia 2013 で、当事務所は Structured Finance や Banking & Finance を含む多数の分野で上位グループにランキングされ、多くの弁護士がそれぞれの分野で 日本を代表する弁護士に選ばれました。  本年 2 月 18 日から、当事務所シニア・オブ・カウンセルに就任した Tony Grundy 氏が、本年 4 月 1 日から、佐藤 貴哉 弁護士が、当事務所のシンガポールオフィスにて執務を開始しました。Tony Grundy 氏は、アジアを含む世界各国において 30 年以上の経験を有するキャピタルマーケッツの専 門家です。当事務所のシンガポールオフィスは、体制を拡充し、現在、7 名の弁護士が執務してお ります。  増島 雅和 弁護士、上村 哲史 弁護士、眞鍋 佳奈 弁護士が、本年 1 月 1 日付で当事務所パー トナーに就任いたしました。 著書・文献  論文 「民法改正『中間試案』全テーマ解明 徹底解説!企業法務に関する 36 テーマ」 掲載誌 ビジネス法務 2013 年 6 月号(近刊) 著者等 青山 大樹、足立 格、辰野 嘉則、松田 悠希、白川 佳  論文 「企業法務 民法(債権関係)改正に関する中間試案の解説(仮)」 掲載誌 会計・監査ジャーナル 2013 年 6 月号(近刊) 著者等 青山 大樹、松田 悠希  論文 「平成 25 年改訂版 JSLA 標準契約書の概説」 掲載誌 金融法務事情 1967 号 2013 年 4 月 10 日号 著者等 佐藤 正謙、青山 大樹  論文 「完全合意条項の機能と効果」 掲載誌 ビジネスロー・ジャーナル No. 61 2013 年 4 月号 著者等 青山 大樹、湯田 聡  論文 「表明保証条項の機能と効果」 掲載誌 ビジネスロー・ジャーナル No. 61 2013 年 4 月号 著者等 青山 大樹、松田 悠希

STRUCTURED FINANCE / BANKING Bulletin 2013 年 4 月号 [2013.4.15 発行]

(当事務所に関するお問い合わせ) 森・濱田松本法律事務所 広報担当 [email protected] 03-6212-8330

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