岩村田商店街の子育て支援施策経緯
H30.7.25.現在 長野県佐久市岩村田 765 岩村田本町商店街振興組合 代表理事 阿部 眞一1、子育て支援事業と安全安心のまちづくり
平成 17 年 これまで取り組んできた商店街活性化施策は主に空き店舗対策。一定の効果はえられたも のの、その方向性のみに頼ることに疑問を感じ、新たな施策の柱をたてることとした。商店街は「地域 コミュニティの担い手」とする考え方の下に着手するべき課題は「子育て支援」と「安心安全のまちづ くり」と決定した。平成 19 年 3 月「子育て村」(
18 歳未満の子供を持つ 世帯なら無料で入会できる商店街の会 員制度)を発足。 会員対象に 1 年に 13~15 の子育てイベント(レタス遠足や魚釣り、朝ごはんを食べよう、教育講演 会、ママのダベりんがカフェなど、親子で楽しめるイベント)を開催。その中で、各回かならずアンケ ートを実施(次に行う事業を提示する提案型)。そのアンケートの中で、支持された事業を厳選して実 施するスキームを構築していった。平成 21 年 1 月、 全国初の商店街直営の学習塾
「岩村田寺子屋塾」開設(アンケートの要望を受け)
この塾は、昔の寺子屋のように小学生から高校生まで同じ 空間で学ぶ形式をとり、定刻に始まって、定刻で終わり休憩 時間はともに過ごすことで学年を越えた交流が生まれる形式。 先進の学習ソフトを用いることで、飛び級で学ぶことも可能。 つまずいているところから学ぶ遡り授業も可能。「できる ところからやって自信をつける、自立学習型の指導方式」 を採用。休憩時間には近所の商店からの差し入れもあり、生徒には「ありがとうは?」「あいさつし っかり」「感謝の気持忘れずに」など、礼儀も教えながら、家族のような雰囲気の中で学習する、ま さに現代版寺子屋。小学生1年から高校 3 年生。学年トップの子供から、ちょっと勉強苦手なこども まで、みんな一緒に学んでいる。 この方式を進める中で、近年課題となっている、「不登校や引きこもり」「発達障害をもつ子ども」 など、支援の必要な子どもたちのための居場所にならないかと、基礎学力講座を開設して検証。自立 型の学習は、個人の能力がそれぞれに違っても対応できる指導方式のため、一定の効果が見られた。 その受け皿として、「通信制の高校」 を 商店街直営で開設することに。 全国初 商店街直営学習塾「岩村田寺子屋塾」 先進の学習ソフトと 昔ながらの世代を超え た学びの場 を実現 商店街の子育て支援会員制度 「子育て村」発足」平成 25 年 商店街直営の「通信制高校 鹿島学園佐久サポート校」を開設。
対象は主に不登校、引きこもり、発達障害、高校中退者など。商店街の資源を活用し、 就業体験を商店街や関連企業で実施。また商店街イベントを授業の必修としたカリキュラム。 通学制の形式を取り、商店街という環境の中で彼らを育てる。商店街イベントでの出店などで「私に もできる」という自信をつけてもらい、彼らの「自立」を目指した指導を展開。すでに卒業生は大学 や専門学校進学のほか、地域での就職を実現。地域の力として活躍しはじめている。平成 22 年 3 月「子育ておたすけ村」開設。
会員の声に応えた、託児(短時間)とサロン(親子での利用は無料)月曜日から土曜日まで ベテラン保育士が子育て相談に対応するため、いつでも気軽に立ち寄れる場所として活用して頂い ている。佐久市外の利用者も多い 年間利用者 2000 名~3000 名 また安全安心の街を実現すべく、防犯カメラ、街灯に LED 設置、(防犯カメラは 26 年に広域に)平成 22 年度 地域電子マネー「佐久っ子ワオンカード」
イオンと連携した地域電子マネー+waon ポイント+佐久っ子ポイント(岩村田商店街ポイント) +見守り機能(寺子屋塾生の親への安心メールを発信)+子育て村会員証機能 などをもち、これか らさらに「地域電子マネー」として発展していく 地域ブランド創成事業「青春食堂」(高校生によるコラボメニュー)高校生が商店街にきたくなる きっかけづくり。地元の農業科の生徒と毎年コラボメニューを開発して地域の皆様に販売。 高校生チャレンジショップ事業(地元の高校 3 校と商学連携した、活躍の場)などを展開。 農産物や、加工品、花卉などの販売を定期的に実施。佐久平総合技術高校では「チャレンジショ ップ部(部活動)」が担当 高校生が商店街で活躍できる環境づくり、商店街に愛着を持ってもらう仕組みを実現している。 託児機能を備えた岩村田商店街直営「子育てお助け村」 ワオンポイントと商店街ポイントがたまる、佐久 っ子ワオンカード。イオンとの共同販売も恒常化 地元の高校との商学連携 「高校生チャレンジショップ」 地域ブラランド創生事業 「三月九日青春食堂」高校生 とのコラボメニューも提供 通信制高校 鹿島学園佐久キャンパス開設 商店街の人々に見守られながら自立をめざす。イベントも単位