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植物生産土壌学5_土壌化学

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Academic year: 2021

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(1)

植物生産土壌学

5-2

土壌の化学性

Part 2

筒木 潔

http://timetraveler.html.xdomain.jp

H

= -log (H

+

)

ホリバHome pageより

pHと作物生育(

野菜・イモ類)

低pH耐性

作物の種類

強い (4.0~5.0) ジャガイモ・サトイモ やや強い (4.5~6.0) サツマイモ・ダイコン・カブ・インゲン・ ニンジン・キュウリ・パセリ やや弱い (5.5~6.5) トマト・ナス・キャベツ・カリフラワー・ブ ロッコリー・セルリー・エンドウ・メロン 弱い (6.0~7.0) ホウレンソウ・タマネギ・ネギ・ゴボウ・ アスパラガス・トウガラシ・レタス

pHと作物生育(

穀物・牧草)

低pH耐性

作物の種類

強い (4.0~5.0)

稲 ・ 茶 ・ タバコ

やや強い (4.5~6.0)

小麦 ・ チモシー

やや弱い (5.5~6.5)

小豆 ・ クローバー ・ レンゲ

弱い (6.0~7.0)

ビート ・ 大麦 ・ハダカムギ

培地pH と作物の乾物生産 (49種作物の平均値) 50 60 70 80 90 100 110 3 4 5 pH 乾物重 指数 全乾物重 根重 (田中・早川 1974)

培地pHと作物の乾物生産

水耕栽培におけるAlの害

0 20 40 60 80 100 120 0 2 4 6 Al (ppm) 乾物重 指数 大麦 トウモロコシ (山根 1971)

水耕栽培におけるAl の害

(2)

土壌のpHと養分の可給性

窒素 (N) リン (P) カリウム (K) イオウ (S) カルシウム (Ca) マグネシウム (Mg) 鉄・アルミニウム (Fe, Al) マンガン (Mn) ホウ素 (B) 銅・亜鉛 (Cu, Zn) モリブデン (Mo) 酸性 アルカリ性 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 強 中 弱 微 微 弱 中 強 pH pH

土壌酸性と作物の生育

1

A)水素イオンによる害

B)活性アルミニウムの害

C)カルシウム・マグネシウム

の不足

土壌酸性と作物の生育

2

D)リン酸の欠乏 リン酸とアルミニウムの結合 E)ホウ素の溶脱欠乏 モリブデンの溶解度減少と欠乏 ---→マメ科植物で欠乏症状が出やすい。 F)マンガンの過剰 酸性条件下でマンガンが溶けやすいため

土壌酸性と作物の生育

3

G)有機物の分解抑制 酸性を改良すると有機態窒素や有機態 リン酸の無機化量が多くなる。 H)微生物フロラの変化 カビは酸性を好むものが多く、細菌や 放線菌はアルカリ性を好むものが多い。

土壌酸性と作物の生育

4

I)窒素固定の抑制 最適pH 6.5~7.5 J)硝酸化成の抑制 石灰施用により硝酸化成能は著しく 増大する。

酸性土壌の改良(1)

• 炭酸カルシウム (CaCO3) 置換酸度(y1)の3倍量 緩衝曲線法 • せっこう (CaSO4) 下層土のAl3+Ca2+に置換 高い溶解度を利用

(3)

5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 0 200 400 600 800 1000 1200 炭カル添加量mg(土壌100g当り) 土壌pH 420mg

緩衝曲線で炭カル必要量を求める。

炭カル必要量の計算(例)

目標pH 6.5 → CaCO3420 mg / 100g 土壌 = 4.2g / kg = 4.2 kg / t 1 ヘクタール 深さ15 cm までの土壌の量

= 100m ×100m × 0.15m = 1500 m

31500 Mg = 1500 t (仮比重=1 とする)

1 ヘクタール当りの炭カル施用量は

4.2

×

1500 = 6300 kg

酸性土壌の改良(2)

・ リン酸資材の多量施用

リン酸が難溶化しているため

・ 有機物の補給

H緩衝力をつけるため

土壌をアルカリ性にしすぎると・・

要素欠乏が起きやすい。

リン酸、カルシウム、マグネシウム、

ホウ素、鉄、マンガン、亜鉛

水と各種土壌のpH緩衝曲線 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 0.1N HCl - 0.1N NaOH mL pH 水 植苗: 1.1% 野幌: 11% 標津: 13.6% 腐植含量(%) 松中(2003)

水と各種土壌のpH緩衝曲線

3種類の土壌の特徴

土壌 分類 特徴 植苗 火山放出物未熟土 粗い粒子 野幌 灰色台地土 粘土に富む 標津 クロボク土 腐植に富む

(4)

土壌が酸性化する機構

雨水中の

CO

2

酸性土壌中のアルミニウム

施肥

酸性雨

酸性硫酸塩土壌

Ca2+ Ca2+ Mg2+ K+ Na+ Al3+ Al3+ H+ NH 4+ H+ Ca2+ Ca2+ K+ 土壌コロイド 陽イオンの交換侵入力:

H+>Al3+>Ca2+>Mg2+>K+>Na+

土壌コロイドによる陽イオン保持

土壌コロイドによる陽イオン保持

(腐植と粘土)

Ca2+ Ca2+ Mg2+ K+Na+ Al3+ Al3+ H+ NH 4+ H+ Ca2+ Ca2+ K+ 土壌コロイド CO2+ H2O → H+ + H CO3

-雨水による土壌の酸性化

Al3+ Al3+ H+H+ 土壌コロイド H+H+H+ H+H+H+ H+H+H+H+H+H+H+H+ 長期間 Ca2+, Mg2+, K+, Na+は溶脱 H+

雨水による土壌の酸性化

K+ H+H+ 土壌コロイド H+ 6H+ H+ H+ H+ H+ H+H+H+ Al3+ Al3+ H+H+ 土壌コロイド H+H+H+ H+H+H+ H+H+H+H+H+H+H+H+ 2Al3+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ K+ + 12 KCl 12Cl -+ + + KCl での置換による Al3+ H+の遊離 アロフェン

H

2

O,

3H

+

Al

3+

Al

3+

+ H

2

O =

Al(OH)

2+

+

H

+ log K = - 4.97 (酢酸と同じくらいの強さ)

Al(OH)

3

ゲル

酸性土壌におけるアルミニ ウムイオンの生成アルミニウムイオンの生成酸性土壌における 酢酸のlog K = - 4.76 (25℃) pH 4 pH 5.5 pH 4

施肥による酸性化

(NH4)2SO4 → 2H++ SO4 2-NH4+は作物に吸収 され、 H+は土壌コロイドや根の分泌物, H 2CO3から供給。 肥料

施肥による酸性化

(5)

生理的酸性肥料

• 硫酸アンモニウム (NH4)2SO4 • 塩化アンモニウム NH4Cl • 硫酸カリ K2SO4 • 塩化カリ KCl NH4+ およびK+ は吸収されるが、SO4 2-およびCl-は吸収されず土壌中に残る。

生理的中性肥料

• 尿素 (NH2)2CO • 硝酸アンモニウム NH4NO3 • りん酸アンモニウム(NH4)2HPO4 • 堆肥も同様の働き 全ての成分が吸収されたり分解される。

酸性雨

• SO

2

+ H

2

O → H

2

SO

3

• H

2

SO

3

+ (1/2) O

2

2H

+

+ SO

4

2-• N

2

O, NO, NO

2

+ m H

2

O + (n/2) O

2

H

+

+ NO

3

-酸性硫酸塩土壌

• 湖沼や海底の堆積物中には、還元状態で 硫化鉄が安定に蓄積している。 • これが、干拓などにより空気酸化されると 硫酸が生成する。

• FeS

2

+ nO

2

+ H

2

O→ FeSO

4

+ H

2

SO

4

• 干拓地水田、客土畑、泥炭地などで

問題

アルミと酸性の害:燐酸の固定

• Al

3+

+ PO

4

3-→ Al PO

4

Al(OH)

2

H

2

PO

4

バリスカイト(variscite), (難溶性)

• Fe

3+

+ PO

4

3-→ Fe PO

4

Fe(OH)

2

H

2

PO

4

ストレンジャイト

(strengite) (難溶性)

交換性塩基

(置換性塩基)

• 土のなかでプラスイオンの形で存在する無 機養分 • 具体的には、Ca2+, Mg2+, K+, Na+ • 作物にとって利用しやすい形態 • バランスが大切 • K, Mg は多ければ減らす。

(6)

交換性塩基

Ca

2+

, Mg

2+

, K

+

, Na

+

)

• 土壌を1M 酢酸アンモニウムで浸出し、溶 出した陽イオンを定量する。 • 原子吸光光度計や炎光光度計が用いられ る。 • 作物が容易に吸収可能な形態で存在する 必須陽イオン

交換性塩基

Ca

2+

, Mg

2+

, K

+

, Na

+

)

• 酸性化により、Ca2+, Mg2+ は減少する。 • K+ は、施肥量を反映する。 • Na+ は、アルカリ土壌や塩類土壌で高いが、 日本では多くない。

陽イオン交換容量(CEC)

-

+

-

- - -

-+ +

--

+ +

粘土

腐植

陽イオン交換容量(CEC)

• 土壌が陽イオンを静電的に保持する能力 • 粘土鉱物や腐植の持つマイナス荷電に由 来する。 • pH7 1M 酢酸アンモニウムにより土壌をア ンモニウムイオンで飽和させた後、アンモ ニウムを1M KCl で溶出し、蒸留法ある いは比色法により定量する。

陽イオン交換容量(

CEC)の

大きな土

• 腐植の多い土 • 粘土分の多い土

陽イオン交換容量を増やすには、

• 堆肥など有機物を継続的に施用する • 粘土分の多い土を客土する

CECの基準値

• 土壌本来の基本的な特性に規定されるため、 簡単に増加させることはむつかしい。 • 土壌改良・施肥法判断の基礎的データ • 砂丘未熟土 3-10 cmolc/kg • 灰色低地土・淡色黒ボク土 15-25 cmolc/kg • 腐植質黒ボク土 20-30 cmolc/kg

(7)

読んでね。

他にも

「土壌生化学」

朝倉書店(

1995)

参照

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