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鳥取砂丘における風力発電の可能性に関する調査研究

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全文

(1)

鳥取砂丘 にお ける風力発電 の可能性 に関す る調査研 究

*1,林

*2,原

*2,劉

*ユ

Research on the Possibility of Wind Power Generation

in Tottott Sand Dune

Rytti WAICA*1,TSutomu HAYASⅢ *2,Yutaka HARA*2,Bi RYUU*1

キ ー ワ ー ド:風カ エ ネ ル ギ ー

,発

,席

取 砂 丘

,風

況 特 性

Kcy Words:Wind Energy,Power Gcncration,Totton Salld Dune,Wind Ch∬ acte sics

l. │よ じめ に 現在

,世

界で主に使われているエネルギー資源は

,石

,石

,天

然ガス

,ウ

ランなどである。 しか し

,こ

のようなエネルギー供給における化石燃料への過度な依存は二酸化炭素の多量のつ '出 を もたらし

,地

球温暖化

,大

気汚染などによる地球環境への悪影響が深刻な問題 となっている。この ような状況の下

,風

カエネルギーや太陽エネルギーなどに代表される環境に優 しく無尽蔵で再生可 能な自然エネルギーの利用が強 く求められている。 この内

,風

カエネルギーは

,古

くから風車

,帆

船等の動力源 として利用 されてきたクリーンで枯 渇 しない

,地

域 自給型のエネルギーであるため

,今

後の利用 ・開発が大いに期待 されている。この 様な地域 自給型であるという特性は

,近

くに商業用送電設備を有 しない地域や局所的に電力需要が 望まれる地域にとってはきわめて有力なエネルギー資源 となり得る。しかしながら

,風

カエネルギー を電力 として取 り出すための風力発電は

,太

陽光発電 と同様 にエネルギー密度が小 さい上

,気

象条 件に左右 され不安定であるなどの問題を抱えてはいるが

,潜

在的にみればエネルギー賦存量は大 き く

,安

全で

,資

源の枯渇や環境汚染物質の排出の心配がないなど

,多

くの利点を有 している。 本研究では,農 業用及び観光地として利用 ・開発が進む鳥取砂丘を姑象に,必 要な電カエネルギー の一部を風カエネルギートで賄 うことを想定 し

,鳥

取砂丘における風況精査 を行い

,風

力発電の可能 性について検討を行った。 半1地域設計学講座 *2鳥取大学工学部応用数理工学科

(2)

66

若 林 ・原 ・劉 :鳥 取砂丘 における風力発電の可能性 に関す る調査研究

2.調

査 目的 本調査は鳥取県鳥取市「全国共同利用施設 ′鳥取大学乾燥地研究センター」敷地内の日本海沿い の砂丘地において風況精査 を行い

,ま

ず鳥取砂丘地における風況特性 を明らかにするとともに

,風

力発電にとつて重要なパラメーターである風カエネルギー密度を算定する。次に

,こ

の結果に基づ き

,現

在一般的に使用 されている代表的な風車を設置すると仮定 した場合 について風カエネルギー 取得量及び設備利用率や稼働率 を推定することにより

,鳥

取砂丘における風力発電開発の可能性 に ついて総合的に評価することを目的としている。

3.風

況観 測 内容

鳥取砂丘における風況特性を明らかにするため

,「

鳥取大学乾燥地研究センター」敷地内の砂丘

地に風況観測機器を設置し

,地

上高10mに おける風況データ

(風

速及び風向)を 取得した。

3.1.観

測地点 観測地点 を図 1に 示す とともに

,住

所及び緯度

,経

度 を以下 に示す。

①住所

:

②緯度

,経

:

③海抜高度

:

④海岸線からの距離

: 鳥取県鳥取市浜坂 北緯

35度

30分, 約20∼

30m

80m

1390番地 東経

134度

15分

2.観

測期間 1998年2月 1日∼1999年 9月 1日 兵 匝 颯 図

1

観測地点 の位 置

(3)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号 (2000) 67

3.3.観

測機器の仕様

観測機器 としてSecond Wind社 製のNOhrIADシ ステムを採用 した。同システムのセ ンサー部は三杯型

風速計 と矢羽型風 向計 より構成 され,こ れ らのセ ンサーはポール(長さ

10m)上

に設置 されている。 また

,観

測データはデータロガーによって 自動記録 されている。観測データの回収は観測地点でラ ムカー ドを交換す ることによ り行 った。観測期 間を通 じて

,風

速 と風 向のサ ンプリグデータの平均 化時間は

1分

である。 観測機器の写真及 び観測機器の設置状況 を図 2(a)∼ (c)に示す。 三杯型風速計 矢羽型風 向計 デ ー タ ロガ 図

2

観測機器 [(a)1(b用 及びその設置状況(c)

(4)

68

若 ・林 ,原 ・劉 :鳥 取砂丘 における風力発電の可能性 に関す る調査研 究

4,精

査結果

4.1.平

均風速 図3は観測地点の地上高

10mに

おける月平均風速及 び年平均風速 を示す。 一般 に

,地

上高

10mに

おける年平均風速が5.Om/s以上ある場合

,風

力発電 は有望であると判断さ れている(1)。

3に

よれば観測地点の地上高

10mに

おける年平均風速 は5.Om/sと なってお り

,こ

の基準 を満たす ことがわかる。 図

3

観測地点における月平均風速の月別変化及び年平均風速 また

,月

平均風速 に関 しては

,年

間を通 して

3.4m/s(7月

)∼

6.2a1/s(2月

)の

変動 を示 してお り

,

日本特有の寒候期 に強勢

,暖

候期 に弱勢の傾向が′尋取砂丘地において も認め られる。 これ より 夏期 を中心 とした 6月 ∼10月 にかけては風力発電 に十分 な風速 は得 られない ものの

,冬

期 を中心 と した

H月

∼ 5月 の半年間以上は風力発電が比較的有効 に行われるものと考 えられる。 一方

,観

測地点 における日平均風速 と風 向の 日別変化 を図4(a)∼(1)に示す。 2月 下旬か ら 5月 にかけての春季 に比較的風速変動の大 きい傾向のあることがわかる。 また

, 6月

か ら9月 中におい て1ま3.5m/s以下の低風速の 日が多 く

,図

3の月平均風速 において夏 には風が弱いこととよ く対応 し ている。 風 向の 日別変化 には特 に特徴 的 な傾 向は認め られないが

,い

ずれの月 にお いて も風 向は90°∼ 270° (表

1参

照)の範囲で変化 している。 これ らの図 よ り′専取砂丘地 において卓越 した風 向は180° を中心 とした風 向であ り

,こ

れは表 1を 参照すれば

, S(南 )か

W(西

)に

かけての風 が卓越 し ていることを示 している (詳細 は4。

3参

照)。 以上

,平

均風速 については

,年

平均

,月

平均及 び 日平均 について述べて きたが

,次

,夏

期 と冬 期における風速の時間平均風速 について述べ る。 7     6     5     4     3     2     1     0 翁 \ E ︶ 照 瞑

10 11 12

(5)

15 10 5 0 1999年1月

r風

(m/s)―

風向

(° )

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

360

270͡

180置

90瞑

0 鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号 (2000) 69

0

︵く

15 10 5 0

1999年

2月

r風

(m/s)―

風 向

)

5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27

360

270͡

180こ

90瞑

0

15 10 5 0

1999年

3月

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29

380

270͡

180こ

90

瞑 0

r風

(m/s)―

風 向

(6)

70

若 ・林 ・原・劉:鳥取砂丘における風力発電の可能性 に関する調査研究 ① 命 \ E ︶ 15 10 5 0

1999年

4月

r風

(m/s)―

風向

(° )

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29

360

270͡

180こ

90

瞑 0

1999年

5月

r風

(m/s)―

風 向

)

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

360

270͡

180置

90

瞑 0 0) 15 10 5 0

1999年

6月

→卜 風速

(m/s)―

風向

(° ) ︵ く こ 照 臨

360

270͡

180置

90

瞑 0

15 17 19 21 23 25 27 29

135791113

(7)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号 (2000) 71

① ①

︵く

15 10 5 0

1999年

7月

風速

(m/s)―

風 向

(° )

3 5

360

270͡

130置

90

瞑 0

7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

日 5       0       5       0

1998年

8月

風速

(m/s)―

風 向

(° )

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

360

270͡

180こ

90

瞑 0

15 10 5 0

1998年

9月

r風

(m/s)―

風向

(° )

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29

360

270͡

180こ

90

瞑 0 Kil

(8)

若・林 ・原 ・塞J:′専取砂丘 における風力発電の可能性 に関す る調査研 究

4

観測地点 にお ける月平均風速 と風 向の 日変化

0

① ︵く こ 壇 瞑 15 10 5 0

1998年

10月

風速

(m/s)―

風 向

)

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

360

270͡

180こ

90瞑

0 0       5 ︵ く こ 増 瞑

1998年

11月

r風

(m/s)―

風向

(° )

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29

360

270͡

130こ

90

瞑 0

1998年

12月

→卜 風速

(m/s)―

風向

(° ) 15 里 lo 5 0

360

270͡

180こ

90霞

0

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31

(9)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研 究 第

1巻

2号 (2000) 73

方 位 対象となる角度DC° ) 方 位 対象となる角度Ⅸ ° ) E 348,75≦

D<1125

W 168,75≦

D<19125

ESE

1125≦

D<33.75

WNW

19125≦

D<213.75

SE 3375≦

D<5025

M 213.75≦

D<23625

SSE

5625≦

D<7875

NNW

236】

る≦D<258.75

S 78,5≦

D<101之

5 N 258,75≦

D<28125

SSW

10に

る≦

D<12375

NNE

28125≦

D<303,5

SW 123.75≦

D<14625

NE 303,75≦

D<32625

WSW

14825≦

D<168.75

ENE

320ヨ

巧≦D<348,75

1

風向16方位の区分要領 図5は観測地点 における

,1999年

2月 (冬期

)と

1999年 7月 (夏期

)に

おける時間平均風速の 日 変化の比較 を示す。 これ より

,夏

期 は冬期 と比べて明 らかに1日の風速変動が大 きく

,周

期 的であ ることがわかる。 また

,冬

期 は夏期 と比べ て風速の 日変化が小 さい上 に

,最

低速度 もお よそ5a1/s 程度以上あ り

,夏

期 より強い風の吹いている時間が長 くなっている。 夏期 には

8時

頃か ら風速は増加 し始め

,13時

頃に最大 となり

,そ

の後20時頃にかけて徐々に減少 している。このような風速の周期的変化は観測地点が 日本海沿いにあること及び一般に海風の方が 陸風 より強い とされていることから海陸風 によるものと思われる。 5 4 3 2 1 0

10 12 14

時間 (時

)

16 18 20 22

r風

(m/s)(7月 )

風 速(m/sx 2月

) 図

5

砂丘にお ける時間平均風速の日変化

4.2.風

速 出現 率 観測 地 点 にお け る年 間の風 速 出現率 を図

6に

示 す 。年 間の風 速 出現 率 の分布 は

,風

速 階級 0.5∼

(10)

74

若・林・原・劉:鳥取砂丘における風力発電の可能性に関する調査研究 lm/sとい った低風 速 の出現率がやや高 い ものの

,分

布 の ピー クが認 め られ る風 速 階級

4∼

5a1/sを は じめ として

,風

速5m/sから8m/sとい った高風 速域 の出現率 はそれぞれ

10%前

後 に達 してお り, 風 力発 電 に とって は比較 的良好 な風 況 と言 える。

調

20

15

10

5

0

0 2 4 6 8 1012141618202224262830

風 速

(m/s)

6

観測地点にお ける風速出現率 (年間)

4.3.風

向 出現 率 風 向 出現率の 目的は風 の卓越風 向 を把握す る ことであ り

,全

風 向 を表1の要領 で16方 位 に分 割 し, 平均風 向 を累積 した。

WNW

ENE

W

E

WSW

ESE

S

SE

7

観測地点 にお ける風 向出現率

(%)(年

間)

(11)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号 (2000) 75

観測地点における年間 と月別の風向出現率 を図

7及

び図8(a)∼(1)に示す。図7によれば観測地 点における年間の卓越風向 はS削 (南南西

)で

あ り

,次

S(南

)と

なっている。 これ よりいずれ にして も鳥取砂丘では南寄 りの風が特 に

,卓

越 していることがわかる。 この様 に南寄 りの風が卓越 する傾向は図 8よ り明 らかなように鳥取砂丘地では年 間を通 して認め られる。一般 に

,特

定方位の 出現率が卓越 している場合

,風

力発電導入の観点か ら風向が安定 していると評価 されるため

,風

力 発電導入の可否 を検討す るにあたって

,風

向の安定性 は非常 に重要 となって くる。

4.4.風

向別年平均風速 風向別平均風速の 目的は風カエネルギーの主風 向を把握す るために重要である。観測地点におけ る年間風 向別の平均風速 を図9に示す。最 も大 きい年平均風速 は

SSW(南

南西)6.34R/sで

,次

は即 (北西)5,4m/sで ある。 前節

4.3.で

鳥取砂丘地では南寄 りの風が卓越 していることを明 らかに したが

,図

9によれば, 図

7で

は出現率の低 い西寄 りの風 の平均風速が大 きい ことが わかる。特 に

,SSW(南

南西

)の

風 を 除けば

,alw(北

西

)の

風 が強 くなっている。すなわち

,こ

の ことは

SSW(南

南西

)の

風 を除けば, 31W(北西

)を

始め とした西寄 りの風 はあま り吹かない ものの

,吹

くときは

,比

較的強い風 であるこ とを示唆 している。 以上 よ り

,観

測地点 における風 向出現率 と風 向別 の平均風 速 を考 える と

,S部

(南南西

)と

即 (北西

)を

中心 とした西寄 りの風 を利用することが風力発電 に適 していると言 える。

4.5.乱

れ強度 乱れ強度の 目的は風速の瞬時の変動特性 と風速変動の大 きな風 向を把握す るためであ り

,い

わゆ る “風 の質"を 評価す るパ ラメータの一つ として重要である。 観測地点における年間の乱れ強度の方位別変化 を図10に示す。図によれば観測地点 における乱れ 強度 は最大で も0.23と 比較 的小 さ く

,風

力発電 に有効 と考 え られる

SSW(南

南西

)か

らplw(北 西) 1999年1月

N

1999年2月

WNW

ENE

E

WNW

ENI

W

ESE

WSW

W

WSW

E

NE

NN

(al

ESE

(12)

若・林 ・原・劉:鳥取砂丘における風力発電の可能性 に関する調査研究 1999年3月

N

NN

Nヽ

V

lA/卜‖ヽハノ

W

WSW`

\ syか\

WSW

S ⑥ 1999年6月

N

0/_

ENE

E

ESE

NE

NE

E

E

WNW

W

WSW

S

N

Nヽへ7

NW

S lCj 1999年5月

N

S Cel 1999年 7月

N

WSW\

ENE

E

ESE

ENE

E

ESE

NE

S

N

NW

SE

S ① 1998年8月

N

NE

WNW

W

WSW

S

ENE

WNW

W

WSW

E

ENE

E

S ω

ESE

ESE

(13)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研 究 第

1巻

2号

(2000) 1998年9月

N

NE

NE

WNW

W

WSW

ENE

)E

ESE

WNW

WI

WSW

S

NW

WNW

W(((

S li) 1998年12月

N

││す

)E

ESE

E

ENE

E

ENE

S

N

N`ッⅢ、/ S (i) 1998年11月

N

WNW

W

WSW

S

;鬼

E

ENE

E

)E

WSW

ESE

E S S ①

① 図

8

月別の風向出現率 にかけての西寄 りの風 の乱れ強度 は約0.1∼0。15である。 この値 は風力発電 に適 している とされて いる乱 れ強度0.25以下 を満足 してお り

,鳥

取砂丘地は風力発電 に適 した “質の良い

"風

の得 られる ことがわかる。

4.6.風

カエネルギー密度 風カエネルギー密度は風カエネルギーの潜在量 を評価す る量であ り

,空

気密度 と風速の

3乗

に比 例する。 観測地点 における月別の風カエネルギー密度及び年平均風カエネルギー密度 を図11に示す。観測 地点 における年平均風カエネルギー密度 は146W/1n2でぁる。配

DO(新

エネルギー ・産業技術総合 開 S   ①

(14)

若・林 。原 ・劉:′島取砂丘における風力発電の可能性に関する調査研究 図

9

観測地点 にお ける年 間風 向別 の平均風速(m/s) 図

10

観測地点における年間の方位別乱れ強度 発機構

)で

,地

上高

10mに

おける風カエネルギー密度が150W/1Y12を上回る場合

,風

力発電 におけ る事業化 レベルの開発が可能であるとしている。すなわち

,観

測地点における風カエネルギー密度 は,31EDOに よる評価基準 とほぼ同 じ値であ り

,風

力発電の積hTR的な導入 も可能である と考 え られる。 しか しなが ら

,図

11からも明らかなように

,鳥

取砂丘では冬期 には比較的大 きなエネルギー密度が 得 られるものの, 6月 ∼10月 にかけての夏期 に150W/ポの風カエネルギー密度 を大 きく下 まわって いる。これらのことより, 日本海側では特に冬期に

,風

力発電が有効に行われるもの と考えられる

WNW

ENE

W

E

WSW

ESE

S

5 2 5 1 5 0 2 0 . Л α ・ 0 0                 0                 0 超 韻 ミ 謂 G 戻 d 代

(15)

00 50 00 50 0。 50 0 3     2     2     1     1

10 11 12

月 鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号

(2000) 図11 観測地点における月別風カエネルギー密度及び年平均風カエネルギー密度(W/席) が

,年

間を通 して安定 した電力 を得 るためには

,夏

期 については

,他

のエネルギー源 との併用 を考 えることも必要であろう。

4.7.風

カエネルギー取得量 風カエネルギー取得量は風車 によって取得で きる風カエネルギー量 を評価するために重要である。 このためにはまず

,対

象 とす る検討風車の仕様 を設定 し

,各

風車の性能曲線 (パワーカーブ

)と

ハ ブ高 さにおける風速 出現率 に基づ き

,風

車別の風カエネルギー取得量 を算 出す る必要がある。 本研究において対象 とした検討風車の仕様 を表2に示す とともに

,各

風車の性能曲線 を図12に示 す。なお

,風

車のハブ高 さにおける風速は

,地

上高

10mの

風速 をもとに

n値

を 7と して求めた。た だ し

, nは

指数法則 のべ き指数である。べ き指数は地表状態 に依存する値であるが

,本

研究の観測 地点はなだ らかな砂丘地であ り

,そ

の地表状態 は海岸地方 に分類 されると考 え られるので

,べ

き指 数nの値 を 7と 仮定 した。各風車 について算定 した月別 な らびに年間の風カエネルギー取得量 を表 3に示す。 これ よ り風カエネルギー取得量は風車の規模 に比例 して大 きくなることがわかる。 また

,風

カエネルギー取得量 は月平均風速の変動傾向 と対応 してお り

,寒

候期 に大 きく暖候期 に 小 さくなることが認め られる。 陣

定格出力

ハブ高さ

カットイン雌

カットアウト風速

(硼

(m)

(m/s)

(m/s)

陣 150 30.1 4.0

250

陣 300

420

4.0

250

C

750

500

30

240

2

検討風車 の仕様

(16)

若・林 。原・劉:鳥取砂丘における風力発電の可能性 に関する調査研究

800

700

600

500

X

400

300

200

100

0

風車

A(150KW級

)

風車

B(300KW級

)

風 車

C(750KW級

)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30

風 速

(m/s)

12

各風車 の性 能 曲線 表

3

各風車 にお ける風車 エネル ギー取得量(月別

]年

間) 単位 :KWh/月 KWh/年

年・月

風莉ヽ

(15Ⅸ

W級

風車

B(3∞

硼 級

風車α

750劇

982

27p71

54β

06

127,763

3

26522

,114

127脚

4

28296

56沼

И

11

133,715

5

26717

53,636

128012

a ︺

11,660

25062

53,701

7

57

14p∞

31785

8

7,661

17,751

37餌

5

9

11,770

24,136

59β

33

︹ ︺

12,734

27β

90

60,146

22230

45,950

104戸

10

12

18p83

39声

66

90,981

99。1

23256

47,780

112,587

年間

226,503

467,070

1,034田

(17)

E月

凰車

A(150KW級

)

乳車

A(300KW級

)

風革

A(750KW級

) 99.1 20.8 21.4 20.2 98.Z 26.9 26。9 25.3 23.8 23.8 22.9 26.2 26.1 24.8 23,9

24

23

10.8 11.9 9.9 5,7 6.7 5,7 6.9

8

6.6 10.9 11.2 11.1 1 1■

4

12.5 10.8 20,6 21.3 19,4 17 17,7 16.3 年間 17.2 2■

4

16.5 鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

2号

(2000) 表

4

各風車 の設備利用率 (月別

]年

)

単位

:%

9月

風車代

(150KW翻

風車

B(3∞

KW翻

層醇報

C(750襴

Ⅳ和砂

99.1

74,6

76.6

83B

982

77B

79.1

857

3

723

722

71.9

4

74.3

762

83.6

5

73.9

762

84

6

54

56

63.4

7

50.6

53B

63B

8

52.1

55

65づ

9

59.1 62。1

71,6

10

68.6

712

795

792

812

87.6

12

715

742

83.6

年 間

67.3

69.4

77

5

各風車 の稼働率 (月別

]年

)

単位

:%

(18)

82

若・林・原・劉:鳥取砂丘における風力発電の可能性に関する調査研究

4.8.設

備利用率 と稼働率 風車の設備利用率は風力発電導入の可能性 を評価す るための指標の一つである。各風車 における 年間ならびに月別の設備利用率 を表

4に

示す。一般 に風力発電事業のためには設備利用率の評価基 準(2)は

17%以

上 とされている。表

4に

よれば

,観

測地点 における年 間の設備率 は

,上

記 の基準値 をほぼ満 た してお り

,月

別 に見 て も6月 ∼10月の夏期 を除けば

,い

ずれの月 も

17%以

上の値 を示 し ている。 稼動率 は風車の稼動状況 を評価することである。各風車 における年間ならびに月別の稼働率 を表 5に示す。一般 に

,風

車の年間稼働率 は

45%以

上であることが望 ま しい とされてい る(2)。 表 5よ り明 らかなように

,姑

象 とした風車の年平均稼働率はいずれ も650/0以上あ り

,良

好 な値 を示 してい る。 また

,月

別 に見て もいずれの風車 とも

50%以

上の値 となってお り

,年

間を通 して良好 な稼動状 況が期待 される結果 となっている。特 に冬期 を中心 に高い傾向が認め られる。

5.ま

と め 風力発電 に適 した風況条件 は

,平

均風速が高 く

,風

向が安定 してお り

,乱

れ強度力Ⅵヽさいことで ある。一般 に

,地

上高

10mに

お ける年平均風 速 は5m/s以上 あ り

,乱

れ強度 は 目安 として

,0.1∼

0.3を大幅 に越 えないこと

,そ

の上

,年

間風カエネルギー密度が150W/〆を上回るな らば

,風

力発電 の導入が可能であるとされている。 観測地点 において行 ったNOMADシステムによる風況精査の結果

,地

上高

10mに

おける年平均風速, 年平均エネルギー密度はそれぞれ5m/s及び146W/1x12でぁ り

,方

位別ならびに全方位 を対象 とした乱 れ強度 に関 しては

,0.1∼

0.3を大幅 に越 えていないことが明 らか となった。 また

,卓

越風 向はS削 (南南西

)で

あ り

,方

位別年平均風速 はS即 (南南西

)及 d即

(北西

)に

かけての西寄 りの風 が優 勢であることが分かった。 さらに

, 3種

類 の検討風車 を想定 し

,設

備利用率及 び稼働率 について検 討 したところ

,い

ずれの風車 について も設備利用率 は

16%∼

17%,稼

働率 も

60%∼ 70%と

風力発電 を行 うには比較的有望 な値が得 られた。 以上の実測結果 より

,鳥

取砂丘 は上記風力発電導入の条件 をほぼ満足 してお り

,風

力発電の導入 に対 して必ず しも最適地 とは言 えないに して も

,風

力発電は十分可能な地点である と考 えられ

,積

極的な導入が期待 される。 さらに

,夏

期 における風カエネルギー密度 は冬期 の約

20%程

度 と小 さ く なるため

,風

カエネルギー以外 の自然エネルギーの積極 的な利用が望 まれる。すなわち

,こ

のため には例 えば

,風

カエネルギー と太陽エネルギーの相関関係 を明 らかに し

,両

エネルギーの俳用 の可 能性 について検討 し

,自

然エネルギーのハ イブリッ ド化 を図ることも今後

,重

要 な課題 となろう。

6.参

考 文 献

(1)llEDO(新

エ ネルギー・産業技術総合 開発機構

)の

風 況精査 マニュアル

(2)NEF(新

エ ネルギー財 団

)の

風 力発電 システム導入促 進検討 の手引 き (1999年10月 27日受理)

参照

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