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費用割り振り問題の理論的考察 : 費用関数の構造に着目して

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(1)

岡 田

憲 夫

社会開発システムエ学科

(1990年9月 1日受理)

A Theoretical Study of Cost AHocation

lethods

With Reference to Cost Function Properties

by

Nono OKADA

Department of Social Systems Engineering

(Received September l, 1990)

This paper addresses to the need for theoretical examination of conventional cost

aHocation methods which have been used in practice, especiaHy in the field of

multi‐purpose public enterprise.The paper bases its analytical rnethodology on game

theory and economics,and attempts to develop some linkages betveen what has been intuitively or implicitly assumed to be va■ d in the conventional cost allocation

methods and、vhat could be theoretica■ y sound from the viewpoint of fairness and equity as defined by the theories of games and economics

Specificany the paper focuses on the theoretical properties of cost functiOns which characterize cost allocation games.As a result several useful theoretical implications

have been developed for,eg.,notions of separable and nonseparable costs which are

key notions to the conventional cost a■ ocation methods.

(2)

1 1ま

しめに

公共事業 は多 くの場合 、複数 の主体 を巻 き込 む形 で行 なわれて い るが、その際 の主要 な コンフ リク ト調整問題 の一 つが 、共 同事業 の費 用割 り振 り問題 で あ る。共 同 の 事業 の中 に は専用費 な どの よ うに特定 の主体 にそ の負 担 を課 す べ き明確 な理 由 が示 せ る場 合 もあ るが、そ の 他 の共 通費 用 を各主 体 にいか に割 り当て るべ きかが必 ず しも理 論的 に明 らか に されていない ことも多 い。この 種 の問題 はつ まるところ、各主体 の当該事業 の費用構成 に、それぞれが どの程度 に貢献 し(責任 を有 し)てい る かを明 らか にす るとともに、それ に応 じて総共 同費用 を いか に割 り振 るのが公正 で あ るか を理 論 的 に考察 す る ことを必要 と して い る。 一方 、実 際 には水 資源 開発 事業 な どの公 共事 業 にお いて は各 種 の実用 的 な費 用 割 り振 り法 が開発 され 、用 い られ て い る。これ らは大 別 す る と、(1)あ る一 つ の 数 的 な基 準 、例 え ば使 用 量 、あ るい は便 益 の水 準 に比 例 して費 用 を割 り振 る とい う最 も単純 な方 法 の他 に、 (2)当該 参加 者 が加 わった ことによつて増加 した付加 的 費 用(限界費用 、分離費 用)を直接 それ ぞれの主体 に割 り振った上 で、残 りの費用 を何 らか の形 で各主体 に割 り 振 る、とい う方法 が よ く用 い られ る。(1)の タイプを総 称 してPOβP(Pttδど。こ!?2α″腕y bcδcEク″ο″οttο″αl)方式 とい う。(2)の タイプの代表 と して は、Tγ■で中心的役 割 を果 た した 'σ£駅

S9PaTこうre c。。ぉrettaれれθ be″ ettts)

方 式 が挙 げ られ る。(2)の他 の タ イプの費 用割 振 り法 と して は、βⅣ5σθa″角arをa″ ″οゅepaTabre cっ,1)方 式 、

NSθG(Ⅳ。い。PcTこうfe cοひサ♂aク)方式、″鋸 ∂(″手″丁 “」“cο3ゼ Tc卯oぢ前″♂saυれ♂δ)方式 な どが よ く用 い られ る。 しか し、これ らの方式 は、その背後 にあ る理論 的意味 づ けが必 ず しも明 らか で はな い。一 方 、費用 配 分 の公 正解 を理 論 的 にモデル化 す る上 で有用 な方法 にゲ ー ム 理論 によ る方法 が あ る。 この点 について は、た とえば

Yοι″θ・οんoど a・打o,んぢ靱οせοl)、 あっ

oん確α,らつ)、 Drie"e″ 3)、

Jattesら4)、∫セarrれ 5)、yoτ″♂0、鈴ポ)、9らの研究 が あ り、ゲー ム理 論 は上記 の実用 的・慣 用 的配分 解 (以 下 「 慣用 的配 分解」とい う)と は異 なって 、よ り理論 的 に明 確 な配分解 を与 え得 る ことが明 らか に されて い る。 しか しなが ら、ゲーム理論 に基 づいた各種 の理論 的 な 配分解 は実用 的配分解 に比 べて、求解 の過程 が複雑 で手 間がかか るな どの点 で簡 便性 に欠 けて い る き らいが あ ることが指摘 されて いる。一方 、慣用 的配分解 の申で も た とえば∫σRB法な どは経験 的 に多 くの実績 を積 み上 げ て現在 の形 に至った もので あ り、それ な りにその背後 に 妥当性 、有効性 が裏打 ちされて い るはず だ とい う主張 は それな りに考慮 に値す る。要 は この よ うな経験 的・直観 的主張 を理論 的 に吟味 し、その意味 づ けを再検 討す る必 要が あ るが、この点 ではゲー ム理 論 が多 くの ポテ ンシャ ルを秘 めなが らもその研究 成 果 が 十分 に生 か され て い ない き らいがあ る。その主 な原 因 は、費 用関数 の構造特 性 と慣用 的配分解 を含む各 種 の配 分 解 との関連性 につ いて理論 的な考察が不足 してい ることで あ る。本研究 で は このよ うな観点か ら、共 同事業 の費 用割 り振 り問題 を 規定 す る上 で決定 的 な要因 と考 え られ る費用 関数 の構 造特性 に着 目す るとともに、これを特 に経済学 的視点 か ら吟味す る。ついで そ こか ら得 られ た二 、三 の基礎 的な 知見 に基 づ いて慣用 的配分 解 の意 味 づ け とその妥 当性 をゲ ー ム理論 の研究 成果 と関連 づ け な が ら理論 的 に考 察す る ことを 目的 とす る。

2

費用関数の特性 と費用配分法 との関

2.1

慣 用 的 配 分 解 に つ い て の レ ビュー1),2),3) 従 来 か らよ く用 い られて きた費 用 割 振 り法 の一 つ の 基本 的な考 え方 は、各参加者 にまず そ の当事者 が加 わっ た ことによつて生ず る限界費用 を負 担 させ 、その残 りを 適 当 な形 で按分 して各参加 者 に分 担 させ る とい う もの であ る。ゲー ム理論 の用語 を用 いて説 明す る と次 の よ う にな る。同一 目的(た とえば水道)では あ るが異 な る複数 の主体(た とえば別々の都市 の水道 事業 体)間にお け る共 同事業 の場 合 には各主体 を、多 目的 な(た とえば水道 と 潅漑 と発電 な どの)計画事業 の場 合 に は各 目的 を、それ ぞれ プ レイヤー と考 え よ う。,人か らな るプ レイヤー全 体 の集 合 、

N=(1,2,…

,″}を考 え、これ を全提 携 とい う。これ は費用割振 りが問題 になって い る当該 事業 の参 加者 す べて を指 してい る。この と きの全費 用 は 虫Ⅳ)で ある。次 にNの部分集合 を部分提携Jとよぶ。提携Jのメ ンバーによつて行われ る事業 の費用 を虫J)と しよ う。σ(F) はプ レイヤーfが単独 で事業 を行った時 の費 用 であ る。そ して プ レイヤー1の分離費用 鴫 は ,q=σ(Ⅳ )―σ(N―{け) と して定義 され る。これ は全提携 に最 後 に プ レイヤーJ が加 わ る ことによって生 じる限界費 用 で あ る とい え る。 各 プ レイヤーはそれぞれの分離費用 を負 担す るので、こ

(3)

れ らを全費用 虫N)か ら控除 した残 りの費用,ocは

sc=σ (N)―DESCi icN である。ここに″,cは Nο″,92CTabre cD3ぉ (),分離費用)と呼 ばれ る。慣用 的費用割 振 り法(配分解)の多 くは この非分 離費用 の付加 的配分 の仕方 の相達 に帰着 され る。以下、 慣用的費 用割振 り法 で あ るβⅣJθ、JσR】、ⅣJσG方式 について説 明す る。

(1)ENSC(Egalitarian■o■separable cost method)3) (均等分担方η まず考 え られ る方 法 は各 自に まず 分離 費用 を負担 さ せた上 で、さらに非分 離費用 ″,cを均等 に各 プ レイヤー に付加 的 に配分 す る方法 で あ る。プ レイヤーよの費用負 担 】は ZⅣJσ(F)=aci+・C/″ と表 され る。

(2)SCRB (Separable costs rem

ning benents

method)3) (分離費用 身替 り妥当支払 い方式) この方 法 は各 プ レイ ヤー に分 離費 用 を負 担 させた上υ で、さらに非分離費 用 を ュib({J}),σ ({引 一Sc(残余便 益)1こ比例 して各 プ レイヤー に付加 的に割 り振 るとい う ものである。ここでb({オ})はプ レイヤーJが単独 で事業 を 行った ときの便益 を意 味 す る。よって残余便 益 はプ レイ ヤーオの支払 い意志額 か ら分離費用 を差 し引 いた額 であ る。一般 的 に製{j})はう({J))よ り小 さいので プ レイヤーJ の費用負担 は

SCRBo―

劣岬 岸 珂 臓 椒 ω DOIJ11““ω と表 され る。

(3)NSCG(No■

separable cost gap method)3)

(非分離費用差方式) SCRBは単独行 動(単独事業)のみにつ いて残余便益 を 定義 し、それ に基 づ いて非分離費 用 を付加 的 に割 り振っ て いる。しか しなが ら、非分離費用 を割 り振 る上 で よ り 小 さな他 の提 携 に関 す る残余便益 を考慮 に入 れな くて もよい とい う理 由 は何 もない。そ こで任意 の提携 Sの 残 余便益 を表 わす費 用差 関数 ♂C(J)を導 入す る。この費用 差関数♂C(5)を

θ

К

J)=θ

)―

Σ

SCt

) 'GS と表す。一般 に費用差 関数 は非負 であ ることが多 いので と仮 定 す る。こ こで デ レイ ヤー「 の譲 歩額 λiを

=恕

0 0

と定 義 す る。 こ こで さ らに

Σ

tti≧

,,C

) 'GⅣ と仮定 す る と、プ レイ ヤ ー この費 用 負担 は次 の よ うに な る。 NJσ

θ

=(::+(置

l♀

馬説

scゅ

,c>0の

) (6)

2.2

提 携 の 関 数 と し て み た 費 用 関 数 の 諸 特 性 費用関数 σが任 意 の提携

S,TCⅣ

につ いて σ(J)十σ(7)二σ(∫

T) (JnT=ψ

) (7)

を満 たす な らば、この とき費用 関数Cは劣加法 的で あ る とい う。提携

JUTの

費用負 担 は最悪 の場 合 で もθ(J)+ θ(T)よ り大 き くな る ことはない。よって劣加法 性 が成立 す るとい うことは、利害 の対立す る状 況 にお いて は 'と Tが

SuTと

い う提 携 を組 ん だ場 合 に経 済 的 にみて お互 いに有 利 で あ るとい うことを示 してい る。また同様 に、 節約 ゲーム においては υ(dUT)≧ υ(J)+υ(T) (Vtt T C工 J∩

T=φ

) (3)

を満 たす と きに、特性関数 】ま優加法 的で あ る とい う。 次 の三 つ の費 用 関数 の形 態 はいず れ も劣加 法 性 を満 たす もので あ る。

(1)COnvex cost Game

θ(S)+σ(T)≧θ

(JUT)+σ

(J∩

T) (VJ,T C FF)(9)

(9)式が成立す るよ うな費用 関数 によって決定 され る協力 ゲー ムをConvex Costゲー ム とい う。この よ うな場 合 には た くさん の都 合 の よい特 徴 があ る。た とえば(9)式にお いて

T=Ⅳ

-1と お くと σ(J)+。(Ⅳ―(j})≧σ(Ⅳ)十σ(J―

{r}) (JCJ)

∴θ(J)―ο(J― {J})≧σ(Ⅳ )一σ(N― {ぢ})=″Cl つ ま りCOllVex cOst gatlneに お いて は、プ レイヤー どの分 離

費用(最後 に全提携 に加 わった ときの限界費用),αは、任 意 の部 分集 合 にプ レイヤー √が加 わった と きの限界費 用 を上 回 る ことはない ことが常 にいえ る。これ は さらに書 き換 え ると θC(∂)≧

0(VS C打

) (3)

♂C(S― ')≦ す°(d) (VSC Ⅳ)

(4)

が成立 す る ことを意味 す る。

Д

O=σ

(0-Σ

SCI

で定 義 され る もの で 、提 携 ∂の費 用 差 関 数 とい う。

(2)Se

―COnvex Cost Galne

提 携 'および単 独行 動 ぢ 1こ関 す る費 用 差 関数 ♂C(S)、θC({ど}) につ い て θC({j})≦θC(S) (ViCN SCN ttcS)(10) が成立 す る と き、この協 カ ゲー ムをSe cOnvexで あ る と い う。任 意 どの Convex Cost Gameは Se ―convex Cost Game で あ る こ とが容 易 に示 され る。Senlitonvex条 件(10)式は σ({ぢ})キ Σ SCJ≦θ(T)(V'C T CIV)(11) ,CT-1 と書 き直す ことがで きる。(11)式は任意 の提携Tの共 同 費用が、その提携 に参加 して い るプ レイヤーJを除いた メ ンバー全員 が負 担 す べ き最小費用(すなわ ちacI)の総 和 とプ レイヤー ぢが負 担 す べ き最大 費用(すなわ ち身替 り費用)の和 を下回 る ことはな い ことを意 味 している。

(3)One―

COnvex Cost Game

費用差関数θC(∫ )において θC(Ⅳ)≦♂C(d) (Vφ≠

SCN)

♂C(N)≧ 0 費 用割 振 り法 が対 象 と し うる配 分 問題 の基 本 的条 件 として、上述 した議論 とは別 に規模 の経済性 や範 囲 の経 済性 な どの費用 関数 に関す る諸 特 性 が関 係 して い る こ とが従来 か ら暗 に想定 されて いた よ うに思 われ る。しか しなが ら、この点 につ いて厳密 な理論的考察 はな されて いない と考 える。そ こで以下 で は この点 につ いて若千 の 分析 をす る。

規模 の経 済性 を表 す指標 βJL(eCο″οttJea Oデ scare)は,

個 の結 合生産物yN=(yl,一,恥 )につ いて 助

=諭

ω で定義 され る9)。 ここでσ (yN)は7全体 を生産す るの に要 す る総費用 、

Xは

生産物ぢの生産量 である。

Mqは

生産物 ∫の限界費用 であ る。もし、β∫

L>1な

ら規模 の経 済性 が 存在 し、2SLく1のときは規模 の経 済性 は存在 しな い。 いま、″個 の結 合生産 システムを整備・運用す る ことを 水 資源開発 事業 に即 して解 釈す れ ば、″種類 の 目的(用 途)を持った多 目的施設 の整 備・運用 問題 と考 え る ことが で きる。あ るい は目的 は単一 であって も,種類 の管理・運 営主体 か らな る共 同利用 施設 の整備・運用 問題 とみなす こと もで きる。この ことをゲー ム論 的に解釈 す ると、プ レイヤーを(=1ュー',2)がそれ ぞれ生産物√(=1,…,″)の生産 を担 当す る部門 であ り、各 プ レイヤーは提携N=1,―・,″ を形成 す る ことによって、″個 の結 合生産 が可能 な シス テムを整 備・運用す るこ とを想 定 している とモデル化 で きる。この場 合、各 プ レイヤー1は単独 で生産 物 ぢを生産 す る こと も可能 で′あ り、その場 合 の生産 費用 は 虫発)で あ る。また複数 のプ レイヤーが提 携 'C Arを形成 して、 結 合生産 システ ムを整備・運 用す る こともで きるが 、そ の場合 の生産 費用 はσ(ys)であ 負。ここにyb.は提携Sに 属す るプ レイヤーが担 当 してい る生産物(の生 産量)一 式 を表す ベ ク トルで あ る。以下 、上述 したゲー ム論 的意 味 づけを念 頭 にお きなが ら議論 を進 めよ う。 生産 物jに関 す る規 模 の経 済 性 を β∂LIで表 す と、こ れ は限界費 用 に対 す る平均 率 と して次 の よ うに定 義 さ れ る。

β

J身

=潟

百=器

OO

で あ る。 こ こで

ro=σ

(7rr)― σ(7N●)) ■

rc=等

で あ る。こ こにfらは結 合生 産 シス テ ムyNの整 備・運 用 費 用 か ら、生 産 物 どを担 当す るプ レイ ヤ ーJのみ が離脱 し (12) (13) を 満 足 す る 協 カ ゲ ー ム を0■←convexゲー ム で あ る と い つ。 Oェ∝convex条件(12)、 (13)式 は θ(fV)≦ θ(T)+ΣcN―CJ(Vφ

TCⅣ

) ″δ

c> 0

と な る 。 こ れ よ り非 分 離 費 用 ″scが非 負 で あ る こ と は One convex条 件 の 十 分 条 件 で あ る こ と が 分 か る 。 ま た 、 劣 加 法 性 か ら

σ

(N)≦

σ

(T)+Σ

σ

({,労 (W≠

TCN)(10

JCⅣ―T を得 る。した がって(14)式は、プ レイヤー Jが 負担 すべ き最大費用(すなわ ち一人提携 の身替 り費用)が最小費用 (すなわ ち分 離費用)1こ置 き代 わって もOne→ Onvexの性質 は保たれ る ことを意 味 してい る。

2.3

規 模 の 経 済 性・ 範 囲 の 経 済 性 と費 用 関 数

(1)規

模 の経済性

(5)

たときの結合生産費用の減少分 とみなす ことがで きる。 これは費用配分問題でよ く現われる「 分離費用」J劣の概 念 に相当 していると解釈 され る。(15)式より βJσBσ,4=【I≧≧生∠│ぢ1与れ:51塾⊆空翌望二 βJttA,B=

β

JL=Σ

;:4材

=▼

戸鳥晒 斜

(16)式よ り、rQ′=β sL士玲・aFo′ (13)式を(17)式へ代入す ると

ZSL=手

(ゞ

器鴇器

)・

β

SLi`モ

等孝

β∫σ

lθ(r)―σ(y ) ここで、Σ″α

w=Σ

,MQ′/Σl駈・″●

=1で

あ る。

(2)範

囲の経済性 範 囲の経済性 を表す指標 βJθ(eCOnolltlies of scope)は とな る。まず 劣 加 法 性 が 満 た さ れ て い れ ば 、(22)、 (23)、 (24)式の分子 が非 負 とな る ことが分 か る。つ ま り σ(YABσ

)>0で

あ る限 り、2∫磯B,。 ≧0、 β 'θ Bc′ ≧0、 βSCb4,B≧ 0がす べて満 た され る ことと、劣加法性 が成 立す ること く(22)∼ (24)式の右辺 の分母 が非負 であ るこ と)は同等 であ ることが示 され る。これ は劣加法性 の性 質 として既 に知 られた事 実 で ある。 いま、(22)、 (23)、 (24)式を両辺 につ いて加 え る と β∫σAB,σ+βJσDσ,■+259σ■,B =7(yA)+σ(ra)+σ(rc)― σ(74,0) +(σ(7AB) σ (74B C))+{σ (ろσ)― σ(rA】σ))十{0(Ycス)―σ(74B C)) 0(YAD σ〕

+紹

=β∂σ一 (25)式よ り fσσ+rσ4+rσB σ(4β σ) rθ五十rBB ttrcσ σ(y4Do) =1-(β JぬD,σ+βJθBc,4+βJσσA,コ ーβ∫θ) (26) (19)式 よ り β

JL =

い ま、】JσJo4B,。十βJODO,スキβJCσA,コ 】Jθとお くと β

SL=

α■・β,L4+OD・β∂LB+ασ・βJLσ l―ESσ を得 る。一方 、(26)式よ り θ(YABσ)― (rσスキrσ

D+fcc)

= (β σJス B,σ+βJθJσ,スキβJσ。■,D βJσ)・σ(y4Bσ) 虫IηBc)―(roЙ

+rcD+rσ

σ)ィま,F分離費ナヨ″,cと省宇しヽヽと 考 え られ るので L・

SC武

=β∂σAB,σ+β JσBσ,A+β JOC・■,コー β ∂σ (28) とな る。これ は興味深 い知見 を提供 す る。す なわ ちβ∫σ を費用割振 り問題 に即 して解釈 す れば、βJσは全提携費 用 に対す る非分離費用 の比 率 を表 して い る といえ る。こ +1 と定義 され る。βJθは結合生産yNを行 うことによって、 単 品生産 路 を個別 に行 うの に比 べて どの程度生産費用 を節約で きるか とい う割 合を表 してい る。これをゲーム 論 的 に解釈 す れば βSσは提携 Ⅳ を組 む ことによって各 プ レイヤー が単 独 で行動 した ときに比 べ て全体 と して 費用が どの程度節約(あるいは増 加)できるか とい う割合 を表 して い ると考 え られ る。β∂σ

>oの

時 は範囲の経済 性 が存在 し、ZJσ く0の ときは範 囲の不 経済性 が存在す る とい う。 βJじを次 の よ うに拡 張 しよ う。結 合生 産

yNか

ら生産 物 ぢの生産 を除 いた結 合生産 YN_1を 考 え、次 いで生産物 どの生産 を含めた結合生産 恥 1こシステムを拡 張 した と す る。ゲー ム論 的には任意 の プ レイヤーfを除 いた提携 Ⅳ ―ぢ1こプ レイヤー jが 加 わって全提携

Nが

で きた と考 え ることに相 当 して いる。この よ うな結合生産 システム の拡大(提携 の拡大)に関 す る範 囲の経済 性 を βJθ狩_●ゝ樹(yN―t〕)+σ(路)三

?(7N)α

Fc Ⅳ

)ol)

と して定義 しよ う。(なおβS働卜●},(け の添字Ⅳ ―(手},(1} はyN(けの結合生産 に雅の生産 が付加 され ることを示 し て いる。以下 βSと につ いて も同様 であ る。) この ことを3種類 の結 合生産 システム(3人ゲー ム)に つ いて説 明 しよ う。上式 は生産物(プレイヤー)ス 、β、 θについて 町 暗

(6)

れ よ り全 提 携 に対 す る非 分 離 費 用 の比 率 は、(拡 張 され た意 味 で の)一種 の規 模 の経 済 性 を表 す 指 標 そ の もの に 相 当 して い る こ とが示 され る ので あ る。 θ(74Dσ

)>0で

あ る限 り、βJσ>0とη,c>0は同値 で あ り、この と き上 式 の拡 張 した意 味 で の範 囲 の経 済 性 が存 在 す る。同様 に 、β∂σ<0と,,cく 0と は同 値 で あ りこの と き範 囲 の不 経 済 性 が存 在 す る。βJσ

=0と

,sc=0と

も同値 で あ り、これ は結 合 して も しな くて も経 済 効 率上 は同 じとい うこ とを意 味 して い る。以 上 の説 明 は そ の ま ま ″個 の結 合 生 産 シス テ ム

(2入

ゲー ム)の場 合 に も容 易 に拡 張 が 可 能 で あ り、結 局 両

=諭

を得 る(証明 省 略)。 また 、″

=2の

と き は βJθ=βJσと なって βJσ (yN) とな る。

(3)COnvexダ

ー ム との関 係 3人ゲ ー ム でCOnvex性が成 立 す るた め の条 件 は σ(yAB)キ θ(rc4)≧σ(IЙBσ)+。(y4) (29)

σ(y4B)+σ(yBo)≧σ(y4Bσ)+θ(7B) (30)

θ(yBσ)+σ(yc■)≧ σ(yABσ)+σ(Vι) (31)

で あ る。こ こで(22)∼ (24)式の両 辺 を加 え て整 理 す る と

σ(y4B)十 σ(yBc)+θ(yoA) 2σ(y4Bo) σ(r4Bσ) =βJθスa,0+βJσBσ,■+βSσσュ,コーβSσ =β Jσ を得 る。

(32)

(29)式の両 辺 に じ(yBc)を 加 え て整 理 す る と θ(VЙB)十σ(ycス)+θ(rDc)_2σ(yABc) ≧σ(y4)+θ(yBσ )―σ(ンЙBσ

) (33)

(33)式 は(32)式よ り βJσ≧βJσ

(34)

を得 る。yAB、yc.スyBσに関 す る対 称 性 よ り

(30)、 (31)

式 につ いて も同様 に(34)式を得 る。

(4)Sex COnvexアー ム との関 係

3人ゲ ー ムでSe convex性 が 成 立 す るた め の条 件 は

。(y4B)+σ(yBσ)+σ(=む )-2σ(yABσ)

≧σ(74) {σ(y4Bσ)―σ(rBσ

)} (35)

σ(7Aa)+σ('Ъσ)+σ(ycA) 2σ(y4Bσ)

≧σ(7D) {σ(IttBσ)―σ(yoス

)} (36)

(y4D)十σ(7Bc)+θ(!ら4) 2σ(r4Dσ) ≧θ(y4) {σ(74Bσ) θ

(y.B)} (37)

である。(35)式と(32)よ り βJθ≧】Jσ

(38)

を得 る。残B、 ycI小 yBσに関 す る対 称性 よ り(36)、 (37) 式 につ いて も(32)式を用 い る ことによ り同様 に(33)式の 条件 を得 る。

(5)On←

COnvexアー ム との関係 3人ゲー ムでOn←convex性が成 立す るため条件 は(35) ∼(371式の不等号 を逆 向 きに した式 で あ る。従って(33) 式 よ りOne cOnvex性が成立 す れば βJθ≦ESσ

(39)

が成立す る。

3

多目的ダムの費用関数の特殊性に関

する考察

発電(P)と 上水(″)および工水(r)の二 つ の 目的を有す る多 目的 ダムを考 え る。発電 は貯 水量 7を エネルギー と して、また上水 および工水 は水 量 の消費(経済学 で い う 「 消費」ではな く、水 資源工学 の述 語 と して の量 的利用 を 指す)と してそれぞれ異 な る目的で利用す るが、場 合 に よっては同一 の貯水量 を発電 と他 の 目的 に同時 に利用す ることがで きる。従って消費 目的で の水量 が、所与 のエネ ルギーを生 み出すのに必要 な水量 を下 回 る限 り、消費 目 的の水量 の生産 に要 す る付加 的費用 は零 で あ る。換言す ればエネルギー用 と しての水量 の生産 に要 す る費用 と、 それ に消費 目的 の(よ り少 な い)水 量 の生産 を結 合 させ た場合 とで は生産費用 に差 はない と考 え られ る。同様 に して消費 目的の水量 が エネ ル ギー 目的 の水量 を上 回 る ときは、前者 の生産 に要す る費 用 とそれ に後者 の生産 を 結 合 させた場 合 の費 用 とは基 本 的 に一致 す る ことにな る。以上 の ことを費用関数 と して定式化す ると次 のよ う になる。

鴫耽み

(段

打鍬 湧

玲 路 >   く 一 発 恥

η

θ σ 〓 み 路 σ

(7)

σ(yP)丁ο″yP>Y滋 σ(y訪)丁οr yP≦ yM

,yr)=Σ

路 ここに、‰ハyr、YPはそれぞれ上水 、工水 、発電 を 目 的 とす る用水 の生 産量 を表 す。い ま、γを用水 の生産量 と した とき、σ(γ)=βyα (α、βは員こ数 、α、β>0)とラ彙さ れ ると して以下 の二 つ の場合 に分 けて考察す る。

(1-1)hを

yr<yPか

っ ン弦 十

yr<YP

の場 合 この とき各 提携 に関す る費用 は以下 のよ うにな る。 θ(帝

)=

βttα

(j=M,r,P)

θ(V紡,yr)=β(ン名″

+yr>

σ(V紡

,7P)=

β準 σ(yr,yP)= β=T σ(V材,yr,yP)= βンΥ Convex性 を満 たす た めの条件 は

σ(y諺,yr)+σ(y訪,yP)≧ σ(y訪,yr,yP)十σ(yAr) (40)

θ(y諺,yr)+σ(yr〕yP)≧σ(7M,yr,yp)十 σ(Yr) (41)

σ(V名z,yP)+σ(yr,yP)≧ θ(YIr,yr,yP)+σ(yP)(42)

である。(40)∼ (42)式は具体 的 に次 のよ うに書 き下 せ る。

β(7M tt yr)キ βYr≧βV督+βy移

(43)

β(】名′+yr)+β!督≧β巧事+β

lT (44)

β↓T tt βYす≧β巧:キβ

Yr (45)

(43)∼(45)式は明 らか に成立 す る。従って COnttX性 が成 立す る。

(1-2)yMく

rr<7Pか

つ 〕物

+rr>YP

の場合 この とき各 提携 に関す る費用 は以下 のよ うにな る。 σ(発

)=β

撃 (】=M!r,P) θ(x諺,7r)= β(Y諺十yr)α σ(Y諺

,yP)=

βYr σ(7r,7P)= β,T σ(】紡,yr,yP)= β(y・r+yr)α

ConVex性 を満 たすた めの条 件(4o)∼ 42)は具体 的に次 の

よ うに書 き下 せ る。

β(Y諺+yr)十 β!管≧β(yM+7r)α tt βy膨

(46)

β(Y滋+yr)+βl督≧β(y諺 +Yr)α tt β

VT (47)

β!督十βIΥ≧β(y諺 十rr)α+β】Υ (48) (46)、 (47)式は自明 に成立 す るが、明 らか に(48)式は成 立 しない。従って ConVex性 は満 た さない。 上水

(Dと

二永

0お

rび

発電 口 の付 加詢 費 用 踊 、す なわ ち分離費用 δ皓(I=M,r,P)は fOν =。Cν (y″十恥)α一β弔 r∝ =じcr=β (yM+rr)α ―β 'T rθ

P =scP=β

(VЪ″+7r)α―β(V肱+rr)α =ο で あ る。また費 用差 関数 ♂c(J)は それ ぞれ ♂C(ar)=βy移―{β(ylr+yr)α ―βYr}

θC(r)=βィ _{β(rM tt yF)° βVT} θ

C(P)=β

VT θC(fV)=2βン¢ ―β(I諺十rr)α

(N={ν

,r,P}) で ある。Se _o■vex性を満 たす た めの条件 は すC(M)≦ ♂

C(N) (49)

θC(r)≦θC(Ⅳ

) (50)

♂C(P)≦♂C(Ⅳ

)で

あ る。

(51)

(49)∼ (51)式は具 体的 に次の よ うに書 き下 せ る。 恥 ≦耶

r≦

奉 (yM+rr)≦ 奉 (52) (53) (54) (52)、 (53)式は成立す るが(54)式は成立 しな い。従って Se ―convex性は成 り立 た ない。 0■←convex性を満 たす ため には(49)∼ (51)式、す なわ ち(51)∼ (54)式の不等 号 を逆 向 きに した条件 が成立 す る 必要 があ る。この ときは明 らか に、三 つ の うち二 つ の不 等式 が成立 しな くな る。よって On←convex性 は成 立 しな ヽヽ。

(2)ン

<yP<yr(す

なわ ち

yM+rr>yP)の

場 合 この とき各提携 に関す る費用 は以下 の よ うに な る。 σ(監

)=β

V:α

(1=VLr,P)

σ(Y材,yr)=β(y諺十yr)t

θ(I名

,yP)=β

'T σ(rF,yP)=β 'T σ(yAr,y/,yP)=β(‰′+yr)α また、付加 的費用 ro、 す なわち分離費用S鈷1まそれぞれ rθ

M =,cM=β

(y・r+yr)α _βン

T

r∝ =。cr=β(ynr tt yr)α ―βン

T

P =δ cP=β(‰ど+路)α―β(I笠+7r)α

=0

で ある。また費用差 関数♂c(5)はそれぞれ ♂

・α′

)=β

Y膨一{β(yAr tt yr)° 一βIT}

θC(r)=βYF―{β(Y訪十yrlα―βXす}

C(P)=β

η θC(Ⅳ

)=β

(ITキンT)― β(〕名ど+7r)α (Ⅳ

={″

,r,P}) F く t   晩 一 一     ∝ み 幼 σ

(8)

で あ る。Se cOェvex Iが成 立 す るた め ら条 件(48)∼(50) 式 は具 体 的 に は次 の よ うに整 理 す る と され る。 (64)式四明 らか にこ であるのでコ耳

L>σ

で あ る。

W=

ω (65)式は(62)式と同様 に '督 ≧(ン名ど+yr)°―(I粉

+T)で

あ るな らばβJσ≧0で あ る。 βJσ

=r+耶

― 岳子 拷 審

: (66)

(66)式は7Pと恥ハrrの相互 の関係 によって そ の正 負 が決 まる ことを示 して い る。以上 の ことか ら、Convex性 を満 たす ときは規模 の経済性 を表す指 標Z∫Lおよび範 囲 の 経済性 を表す指標 β∫σとβJθは必ず正 にな るこ とが分 か る。しか し、Convex、 Se tonvex、0■e―convex性のいずれ

も満 た さな い場 合 は βJσとβJσの正 負 はyP、輸ハyrの 間 の条件 しだ いで ある。

4

むすび

以上 、本研究 で は共 同事業 の費用割 り振 りのため の慣 用 的配分解 の妥 当性 と意味 づ けな らび にそ の適用 上 の 限界 について、理 論的 な側面か ら2、 3の考察 を行った。 その際 、費 用割 り振 り上 の「 公正」さや交渉能 力 を裏 づ け る代替 的提携可能性 に着 目 し、ゲー ム理論 に よ るモデ ル化 の有効性 を指摘 した。ついで、費用関数 の構造特性 に着 目 し、「 規模 の経済 性」や「 範 囲の経 済性 」等 の経済 学 的特性 と費用関数 の構造 特性 との関連 性 につ いて考 察 し、分離費用 や非分離費用 な どの諸概念 の理 論 的意味 づ けを提示 した。なお本研究 の遂行 にあたって は、木下 省二氏(現鳥取三洋電機)の協力 を得 た。付 して感謝 の 意 を表 す る。

参考文献

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T

(55) (56) (57) (55)、 (56)式は成 立 す るが(57)式は成 立 しない。従って Se ―∞nvex性は満 た さない。す なわ ち自動 的にConvex性 も満た さな い ことにな る。 またOne_o■ vex性を満 たすためには(55)∼(57)式の不等 号 を逆 向 きに した条件 が成立 しな ければな らないが、明 らか に不等式 の うち二 つが成 り立 たな くな るので、0■← COllVex性 も満 た さない。 範囲 の経 済性 を表す指標 βJら、規 模 の経済性 を表す指 標 βJO、 βJσ は具体 的 には以 下 の よ うにな る。

(1-1)↓

名″

<rr<yP

かつ yAr+7rく

yP

の場合 β

JL=

(58)式 は条 件 よ り‰ど

+rr<yPで

ぁ るか ら

ESL>0と

な る。 β∫σ

=∵

① (59)式は明 らか1こ正 とな るか らβJθ>0とな る。 雨

=鰐

いの (60)式は明 らかに正 とな る。さ らに玲だ+yrはyPを超 え る ことはないか ら、0≦βJθ≦1であ る。また(59)式 と(60) 式 を比較 す る と βJσ≧βJσ

(等

号成 立 はα=1のとき) であ るこ とが分 か る。これ は(34)式が示 す Convexゲ ーム の性質 と一致 して い る。

(1-2)ン

3をく

yr<yP

かっ ン紡

+yr>yP

の場 合 β∫

L=

(61)式は明 らか に正 で あ るの で β

SL>0で

あ る。

β

==≧

型二登

:手

1元

宇多

生上堅⊇生

(61) (62) (62)式とまと

T≧

●紡+7r)α―O紛 +恥りであるな らばβJθ≧0 である。

(63)式はyP≧(7名だ+yr)と/2である限 りESじ≧0である。

(2)〕

名ι

<yP<yr(す

なわち!名″

+yr>rP)の

場合

所=鴇出評

β

JL=

+rw{(ィ

諺十冷―yr】

(9)

j)Stra航P.D.ュBeloit,and Hcalley・ J.R,G五ettle i Cane

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