平成23年度消費生活相談の状況について
平成23年度の消費生活相談状況を取りまとめた結果は、次のとおりです。
相談件数は371件(苦情324件、問合せ・要望47件)でした。
相談の傾向
(1)インターネット情報サービスを巡る苦情相談が増加
(表3、7、8)「無料動画をクリックしただけで会員登録となり、請求画面が消えない」
「携帯に、心当たりのない架空請求メールが届く」
契約の実態が不明なときは、相手と連絡をとったりお金を支払ったりしないこ
とです。信頼のおけないアプリや動画をダウンロードすることは止めましょう。
(2)高齢者を狙った悪質な訪問販売が増加
(表3、8、11)「別業者の布団契約を取消す方法を教える見返りに、新たな契約をさせられた」
「認知症気味の母が、数年前に訪問を受け先付けで購読契約を結んでいた」
このような高齢者のトラブルは、家族や地域の見守りが大切です。
(3)1千万円以上の苦情相談があった
(表9)「謝礼を出すので、立て替えて3千万円分の社債を買って欲しいと言われた」
投資詐欺まがいの苦情相談がありましたが、お金を支払う前に未然に被害を防
ぐことができました。
一旦お金を払ってしまうと、回復は困難です。
啓発への取組
消費生活出前講座
センター職員が身近な施設(公民館など)に出向き、無料で地域の方々に悪質商法
への対処法など説明し、消費者問題について学んでいただいています。
消費生活サポーター
篠山市、丹波市と連携し、各市で募集をかけ登録いただいたボランティアの方に、
消費生活に関する啓発活動や情報収集・提供などを担っていただいています。
くらしの通信講座
自立した消費者を育成・支援することにより消費者被害を防止するため、最新の
1 相談受付状況
平成 23 年度に受け付けた相談件数は 371 件で、前年度の 380 件から比べて 9 件減少しました。 相談の内訳は、「苦情」が 324 件(87.3%)、「問合せ・要望」が 47 件(12.7%)です。前年度と 比較すると苦情件数は 1 件増加し、問合せが 10 件減少しています。 相談方法は、来訪が 122 件(32.9%)、電話が 249 件(67.1%)でした。 また、相談者の性別内訳は、男性が 171 件(46.1%)、女性が 192 件(51.8%)、行政や事業者か らの相談である団体等が 7 件(1.9%)、不明が 1 件(0.3%)となっています。 表1 相談受付件数 表2 相談方法別受付件数 ※ 「苦情」は、消費生活相談において実際にトラブルが発生しているか発生の恐れがあるもの、「問 合わせ・要望」は、消費生活トラブルが発生していないもの、消費生活相談に該当しないものを 分類しています。 図1 消費生活相談の推移 苦情※ 問合せ・要望※ 合計 構成比 前年度 男 性 157 14 171 46.1% 164 女 性 165 27 192 51.8% 188 団体等 1 6 7 1.9% 24 不 明 1 0 1 0.3% 4 合 計 324 47 371 100% 380 構成比 87.3% 12.7% 100% 来 訪122(32.9%)
電 話249(67.1%)
合 計371( 100%)
2 商品・役務別苦情相談状況
「放送・コンテンツ等」は、出会い系サイトやアダルトサイト等のインターネット情報サービス に関するトラブルで、昨年と比べ 21 件も増加しており、スマートフォンを利用しての相談が増加し ている点が特徴です。 「融資サービス」は、過払い金債務に関する相談が収まる傾向にあり、件数自体は減少していま すが、内容的には連帯保証人に関する相談や支払い不能に陥った相談等、複雑な内容が増えていま す。 「家具・寝具」は、ほとんどが一人暮らしの高齢女性をねらった訪問販売による寝具類の苦情で、 悪質で深刻な相談内容が多くなっています。 「書籍・印刷物」は新聞の購読契約トラブルで、高齢者に何年も先の契約を取り付けてトラブル になったり、勧誘員の強引な販売方法が問題となったりしています。 表3 主な商品・役務別苦情相談件数 (ワースト10) 順位 商品・役務内容 内容 23 年度 前年度 増減 1 放送・コンテンツ等※ インターネット情報サービス(出 会い系、アダルトサイトなど) 68 47 21 2 融資サービス フリーローンサラ金、ヤミ金など による多重債務 14 21 △7 2 家具・寝具 主に寝具類の相談 14 6 8 2 商品一般 迷惑メール、カード不正利用など 14 13 1 5 書籍・印刷物 新聞の購読契約など 11 9 2 5 役務その他 様々なサービスに関する契約 11 7 4 7 医療用具その他 無料体験商法の苦情など 10 7 3 7 相談その他 消費者相談に分類されない相談 10 12 △2 9 工事・建築・加工 リフォーム工事など 9 16 △7 9 他の教養・娯楽サービス 海外宝くじ 9 8 1 ※ 放送・コンテンツ等とは、パソコンや携帯電話を利用しての様々なサイトにおける契約トラブルを指 します。3 性別・年代別苦情相談状況
苦情相談 324 件のうち、相談者の性別内訳は男性 157 件(48.5%)、女性 165 件(50.9%)と女性 が男性よりも 8 人多く、逆に苦情当事者(契約当事者など)の性別内訳は、男性が 172 件(53.1%)、 女性が 148 件(45.7%)で男性の方がかなり多い結果となっています。 表4 苦情相談者の性別内訳 表5 苦情当事者(契約者など)の性別内訳 男 性157
女 性165
男 性172
女 性148
苦情相談の当事者を年代別に見ると、男性では、70 歳以上が 41 件と多く、次いで 60 歳代、40 歳 代の順となっています。女性においても 70 歳以上が 48 件と多くを占めているところは男性と同じ ですが、30 歳代が 19 件で二番目に多い点が異なっています。70 歳以上は、全体的にみても 89 件 (27.5%)と前年比で 16 件の増加です。 表6 苦情当事者の性別・年代別件数 20 歳未満 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳以上 年齢不明 男性
9
16
17
24
19
36
41
10
女性5
9
19
18
15
18
48
16
不明0
0
0
0
0
0
0
4
合計14
25
36
42
34
54
89
30
構成比4.3%
7.7%
11.1%
13.0%
10.5%
16.7%
27.5%
9.3%
前年11
17
38
40
45
50
73
41
構成比3.4%
5.3%
11.8%
12.4%
13.9%
15.5%
22.6%
12.7%
性別による商品・役務別の苦情件数を見ると、男性、女性ともに1位は「放送・コンテンツ等」 となっています。 2位は、男性が「融資サービス」で、女性は「家具・寝具」となっています。3位は、男性がリ フォームや不動産トラブルなどの「戸建住宅」に関する苦情と、身に覚えの無い架空請求などに関 する「商品一般」となっています。女性の3位は、新聞の購読契約と医療用具の無料体験などに関 する相談でした。 表7 苦情当事者の性別による商品・役務別苦情件数(上位5) 男 性 女 性 順位 品 目 件数 順位 品 目 件数 1 放送・コンテンツ等 41 1 放送・コンテンツ等 26 2 融資サービス 10 2 家具・寝具 12 3 戸建住宅(リフォーム・賃貸) 8 3 書籍・印刷物(新聞) 8 3 商品一般 8 3 医療用具 8 5 自動車 7 5 役務その他 7年代別に商品・役務別の苦情相談状況を見ると、1位は 70 歳以上を除く全ての年代で「放送・コ ンテンツ等」となっています。20 歳未満のケースでは、ポータブルゲーム機などでアニメ動画を見 ようとしたらアダルトサイトにつながってしまったという相談等を含みます。 70 歳以上に関しては、訪問販売による新聞購読契約のトラブルの「書籍・印刷物」が 1 位で、2 位は布団類の訪問販売「家具・寝具」となっており、いずれも行き過ぎた勧誘によるトラブルとな っています。3 位の中の「預貯金・証券等」は、勧誘において何人も登場人物が現れる劇場型の手 口を含む投資のトラブルです。 表8 苦情当事者の年代別商品・役務別苦情件数(上位3) 20 歳未満 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳以上 1 放送・コンテ ンツ等 (13 件) 放送・コンテ ンツ等 (8 件) 放送・コンテ ンツ等 (13 件) 放送・コンテ ンツ等 (14 件) 放送・コンテ ンツ等 (8 件) 放送・コンテ ンツ等 (7 件) 書籍・印刷物 (10 件) 2 他の保険・福 祉 (1 件) 自動車 (3 件) 融資サービス (4 件) 家具・寝具、 はき物、レン タ ル ・ リ ー ス・貸借、融 資サービス、 教室講座、相 談その他 (2 件) 融資サービス (4 件) 商品一般、家 具・寝具、文 具、事務用品、 他の教養・娯 楽サービス (3 件) 家具・寝具 (8 件) 3 理美容器具・ 用品、役務そ の他 (2 件) レンタル・リ ース・貸借、 インターネッ ト通信サービ ス、教室・講 座 (2 件) 和服、アクセ サ リ ー 、 工 事・建築・加 工、他 (1 件) 商品一般、修 理・補修 (3 件) 自動車、集合 住宅、空調・ 冷暖房設備、 他の商品 他 (2 件) 医療用具、空 調・冷暖房設 備、工事・建 築・加工、預 貯金・証券等 (4 件)