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「スキャンツール活用事業場」認定制度について

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「スキャンツール活用事業場」認定制度について

近年、自動車の安全・環境性能の向上に伴い、電子制御による新技術の利用が広まっており、この性能を維持す るためには、適切な点検整備を行うことが重要であり、スキャンツールの活用促進やメカニックの技能向上等の人材 育成が求められております。 このような状況を踏まえ、日整連においては、整備事業場における新技術への対応力の強化、並びにユーザーの 入庫を促す手段として、スキャンツールを活用して整備、診断作業の効率化を図るとともに、自動車の電子制御の 機能診断が実施できる整備事業場を認定する制度を創設しました。 認定の要件には、次に掲げる①~③の要件を全て充足している事業場であること。 ① スキャンツール応用研修修了者又は一級自動車整備士が1人以上勤務していること。 ② スキャンツールを保有していること。ただし、J-OBDⅡ対応、DTC読み取り・消去、作業サポート、データモニター、 フリーズフレームデータ、アクティブテストの機能を有するもの。 ③ FAINESに加入していること。 なお、「応用研修」はスキャンツール基本研修のステップアップを図る研修とし、高度な診断・整備技術の習得を 目標に平成25年度からの実施を予定しております。

コンピュータ・システム

診断認定店

(社)日本自動車整備振興会連合会 認定ツール(例):卓上盾 スキャンツール研修 修了証 A4版縦 A4版縦

スキャンツール

(基本・応用)研修修了証

日整連 太郎 殿

(修了番号 ○○○○○) 上記の者は、スキャンツール (基本・応用)研修を修了した ことを証します。 平成 年 月 日 ○○○自動車整備振興会 会長 ○○ ○○ 印

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■ 普段からスキャンツールを活用するように心がけましょう!!

スキャンツールを導入し、研修を受講しても、普段から活用しなければ宝の持ち腐れとなってしま

います。普段(オイル交換、定期点検、車検整備等入庫時)から、ユーザーに了承を得たうえで

正常な車両データ(データモニター)の読取り・蓄積・保存を行うことにより、今後の故障車入庫

時の判断材料として活用できるばかりか、予防整備にもつながり、スキャンツールの使用機会が

増え、取扱いに慣れることもできます。さらに、ユーザーにデータ蓄積の有効性を説明することに

より、万が一の故障時にも自社で対応可能である旨のアピールにもなります。

また、この研修受講者の皆様がその他の整備士への社内教育等を実施することにより、整備事

業場全体の技術向上に結び付きます。

※上記の「正常な車両データ読取り・蓄積・保存を行うこと」ユーザーから依頼を受けた故障診断

作業でないので、ユーザーに診断料金を負担して頂くことは請求根拠の面で難しいと思われ

ます。

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1.エンジン故障診断と診断ツール

● エンジンの制御は、日々進歩し、複雑化しています。 しかし、エンジンが調子良く回るために必要なことは、「よい混合気」、「よい圧縮」、「よい火花」の3要素である ことに変わりはありません。 この3要素を最適な状態に制御するため、様々な方向から支えているのが、センサやアクチュエータやコンピュ ータです。 ● 例えば、センサに故障が生じると、3要素のバランスが崩れ、不具合が発生します。

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● ガソリンエンジンの3要素と不具合要因は、次のように考えることができます。 リッチ あり 混合気 あり インジェクタ作動 リーン 燃料系統 ポンプ作動 (燃圧) なし なし ① よい混合気 作動する なし ISCV 吸気系統 (ISC) エア漏れ しない あり ② よい圧縮 コンプレッション不良(本体) 点火時期(進み、遅れ) 飛火あり ③ よい火花 飛火が弱い なし 以上のような3要素別に不具合原因を系統的に探究しますが、特にコンプレッション不良や飛火なしの場合は、 不具合箇所を特定して原因を探究することができます。 ● センサの故障は、電圧や抵抗を測定することでも確認できますが、スキャンツールを活用すれば、様々な情報 を素早く入手できるため、より広い見地からの故障診断が可能です。 ● それらの情報の中には、多くのヒントがあり、故障発生時の状況や原因を調べるために、とても有利です。 ● スキャンツールを活用して、系統立てたスキのない、そして迅速な故障診断技術を習得しましょう。

スキャンツールは車両とのコミュニケーションツール

外部診断器を介して、車両の様々なコントローユニットと会話し、点検・診断を有効に進めよう

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2.スキャンツールと診断技術の必要性

電子制御化の範囲拡大と車内通信ネットワーク化の推進

スキャンツール活用により、最新のHV車にも 1.車載システムの状態把握・整備・点検が容易(データモニター・作業サポート・アクティブテスト) 2.通信により連携する車載システムの診断が可能で、真の不具合切り分けに有効 3.作業者の時間短縮、負担軽減 注) 搭載システムは車両により異なります。また、システム名称は簡略して表記しています。故障診断ソフトによっては対応していないシステムもあり ます。

CAN 通信システムの概要:コントローラ・エリア・ネットワーク(Controller・Area・Network)

近年、車両に多く搭載された装置には、装置ごとのコントロールユニットと数多くのセンサ、アクチュエータが存在し、 これらの装置で取り扱う通信情報量も肥大化の一途をたどっており、既存の通信方法では、回路を構成する電気配 線も膨大なものになる。この問題解決には、通信情報量の増大に対応する車両の総合制御や通信速度の向上が不 可欠であり、これを可能とするには、各コントロールユニットがもっている制御データ、アクチュエータ・データ、センサ・ データの規格化を行い、デジタル信号化して情報の共有化を図ることで各コントロールユニット間の通信を可能にす るCAN通信システムが有効となる。 CAN通信システムは、産業機器(ロボット制御、船舶制御、列車制御、自動車制御)、FA(工場自動化)機器、医療機 器など会社全般に幅広く利用され、自動車では、安全性、経済性、環境保全、快適性の向上の通信手段として、制御 ネットワーク、故障診断ネットワークなどの利用が進み、装置の中では、パワー・トレーン(エンジン、AT),トラクション・ト レーン(ブレーキ&ABS,ステアリング、オート・クルーズなど)を主体にドア、シート、セキュリティ、マルチメディア、空調、 カー・ナビゲーションなど、その普及は車両全体に及んでいる。 デジタル信号を用いた通信システム

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自己診断機能

● OBD機能とも言われ、On Board Diagnosis(オン・ボード・ダイアグノーシス)の略です。日本国内では車載 式故障診断装置と呼称されます。 ● 1970年代後半より各自動車メーカーでの採用が始まりました。 ● 「装置」と呼称されますが、エンジンに限らずAT等、各コントロールユニット内部に設けられた故障診断プログラ ムのことです。 ● 自己診断機能には予め故障検出をすべき系統と、故障の検出条件、故障現象を表すDTC(故障コード)Diagn ostic Trouble Code(ダイアグノーシス・トラブル・コード)が組み込まれており、 下図のように故障を検出すると、DTCの記憶と警告灯の点灯を行います。(→ 決められた範囲でしか故障検 出は出来ない) DTC 不具合系統 検出条件 10 正常 故障は検知されていない。 11 エアフローセンサ系統 センサの端子電圧が一定時間、4.5 V 以上となった。 12 VVT作動異常 進角制御を行なっているにも関わらず、実バルブタイミングが目標進角量に達しない。 19 水温センサ系統 水温センサの端子電圧が一定時間、4.5 V 以上となった(断線発生) 。 ■

整備現場での自己診断機能の活用

● コントロールユニットに記憶されているDTCは、所定の操作を車両に対して行うことで確認が可能です。 ● 操作方法は自動車メーカー毎で差異はありますが、下図の様な操作を行って警告灯を点滅させ、その点滅回 数からDTCを確認する方法が一般的です。

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3.OBD規制について

(1) OBD規制とは?

① 自動車の排気ガス浄化システムの異常有無を、早期にドライバーに告知することと、車検場等で共通のスキャ ンツールを使用した排気ガス浄化装置の検査を可能とすることを目的に、OBDの搭載と、ISO等の通信規格 (OBDと外部診断機間のデータの送受信方法や、診断機上に表示させるべきデータを規定したもの)を自社生 産車に適用させることを自動車メーカーに義務付ける規制。(1994年のカリフォルニア州が始まり)。 ② 日本では※J-OBDⅡ規制(適用:08年10月1日以降発売の新型車か10年9月1日以降発売の継続生産 車/輸入車)が施行されており、車両各部を以下の様にすることが義務付けられております。 ※ J-OBDⅡとは、排気ガスの低減性能を良い状態に保つために、従来のOBD(On Board Diagnostics system:車載式故障診断装置)に、触媒などの排気ガス対策装置の性能劣化検出を追加したシステムの ことです。

(2) OBD-Ⅱ対応ソフト(輸入車用ソフト含む)と個別の自動車メーカー用診断ソフトの違い

カーメーカー別診断ソフト OBD-Ⅱ対応ソフト 備考 対象システム エンジン、AT、ABS他(※1) パワー・トレイン ※1:ソフトにより異なる。 DTC表示/消去 ○ ○ フリーズフレームデータ ○ ○ データモニター ○ ○ 輸入車ソフトは、自動車メ ーカーを問わずISO/SA E規格で規定された項目 を表示 アクティブテスト ○ × 作業サポート ○ ×

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(3) 機能と表示例

① 診断機能 診断機能 内容 DTCの表示/消去 エンジンのコントロールユニットが記憶したDTCの表示と消去 フリーズフレームデータ表示機能 フリーズフレームデータの取得 データモニター 排気ガス中の有害物質低減装置に限定された範囲でのエンジンのデ ータモニター(エンジン回転数やO2センサのデータなど) 仮コード(仮DTC)の取得 仮コードの取得 車両情報表示 車両情報(車体番号など)を取得

(4) J-OBDⅡ規制の概要

① 概要【国土交通省2006年11月1日公示】 排出ガス測定方法および車載式故障診断装置の基準などの改正 ● 車両の排出ガス性能をより的確に評価する為に、型式認証審査における排出ガス試験モードを変更。 ● 触媒などの排出ガス発散防止装置の性能劣化を自動的に検出し、運転者に知らせるなどの機能を持った車 載式故障診断装置を乗用車などに導入する。 ※2000年のJ-OBDを強化 ② 適用時期 適用項目 新型車 継続生産車/輸入車 11モード法→JC08モード法 2008年10月1日 2010年9月1日 10・15モード法→JC08Hモード法※ 2011年4月1日 2013年3月1日 J-OBDⅡ装着義務付け 2008年10月1日 2010年9月1日 ※JC08モード法(ジェーシーゼロハチモード)とは、いくつかの自動車の走行パターンから測定する燃費測定方法の 一部現在、普通自動車の燃費は10・15モード燃費により測定されているが、加速にかける時間が極めて長かった り、測定するスピードが一般公道よりも低いなど実際の使用条件と離れており、カタログ上の数値と実際の使用下 での数字の差が大きくなりがちな為、JC08モードでは、より実走行パターンに近い測定方法を実施。 測定時間を倍近く長くし、平均速度も高められ、最高速度も70km/h~80km/hに引き上げられた。あと、10・15 モードはエンジンが温まった状態(ホットスタート)による測定のみであったが、JC08モードでは排気ガスが濃く、燃 料も多く使用される暖機前(コールドスタート)時の測定も全体の25%程度加えられる。 ※JC08Hモード法とは約60km/hの低速で15分間以上運転させた状態(暖機した状態)でJC08モードにより、そ の時の排出ガスを測定する方法

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(5) J-OBDⅡ規制が適用される車両

使用燃料別、総重量別にOBDの求められる診断機能が規定されました。

使用する燃料 ガソリン/LPG 軽油 車両総重量 3.5t以下 3.5t超 重量に規定無し 自動車の種類 小型自動車※1 普通自動車※1 軽自動車 小型自動車※2 普通自動車※2 小型自動車 普通自動車 搭載するOBDの種類 J-OBDⅡ J-OBDⅠ 警告灯の設置義務 有り 有り 外部診断機接続用 コネクタの設置義務 有り 有り 外部診断機との 通信機能搭載の義務 有り 有り OBDに要求される 診断機能 ① 回路診断 ② 機能診断 ③ 閾値診断 ④ 上記①~③を組み合わせた診断 主に回路診断 ※1:定員10人以下の乗用車 ※2:定員10人以下の乗用車を除く

(6) OBDに義務付けられる診断機能/CARB-OBDⅡとJーOBDⅡ比較)

CARB-OBDⅡ (カリフォルニア) J-OBDⅡ 備考 適用車両 ①適用車種 ●車両総重量係数(GVW R)が14,000lbs以下 ●ガソリン/ ディーゼル ●乗用車、 ピックアップト ラック、SUV ③適用時期 ●ガソリン:‘96年(MY) ~ ● デ ィ ー ゼ ル : ' 9 7 年 (MY) ~ ①適用車種: ●車両総重量3.5t 以下 ●ガソリン/LPG ●軽自動車、小型/ 普通自動車 ②適用時期 ● 新 型 車 : ‘ 0 8 . 1 0.1.~ ●継続生産車/輸入 車:'10.9.1~ ①CARB-OBDⅡは1996年の施行 後、幾度か改訂が行なわれている 為、時期によってOBDに要求され る監視項目が異なる。 ②日本の場合、3.5t超のガソリン/ LPG車とディーゼル車(重量規定 無し)に対するOBDの機能要件が 異なる。 ③各項目の詳細な定義はCARB、日 本で異なる。 搭 載 O B D に 要 求 さ れ る 監 視 項 目 触媒 ○ ○ ディーゼル車の触媒(SCRやNox吸蔵)も含む。 失火検出 ○ ○ エバポ ○ ○ 2次空気 ○ ○ 燃料系 ○ ○ 排気ガスセンサ ○ ○ 前後O2センサ、O2センサヒータ、A/Fセンサ EGR ○ ○ PCVorCV ○ ○ ディーゼルエンジンはCV 冷却系 ○ 始動時の触媒暖機制御 ○ エアコン ○ 可変バルブタイミング ○ ○ オゾン低減機能 ○ 装置例:特殊ラジエータによるオゾン低減 PMトラップ ○ ディーゼルエンジンに対する規定(CARB) 加給圧 ○ ディーゼルエンジンに対する規定(CARB) 部品モニタ ○ ○ 上記モニタに含まれない箇所の回路診断 など

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4.ダイアグノーシス機能について

● コントロールユニットでは、入力信号の正常状態における信号のレベル(電圧)は、それぞれ決まっており、それ以外 の信号が入力されると、コントロールユニットはその信号系統を異常と判断します。 たとえば水温信号(水温センサ)系統では、正常状態におけるTHW(水温センサ)端子電圧は、正常値には約0.1V ~4.9Vの間で変化します。 0Vまたは5Vの電圧が発生するとコントロールユニットは水温信号(水温センサ)系統の異常と判断し、コードを記憶 します。 ● ダイアグノーシス機能とは、コントロールユニットの各制御に異常があった場合、その異常系統を記憶する機能 や、コントロールユニットをモニタできる機能などのことです。この機能を活用することで、故障診断を効率良く 進めることができます。 ● 具体的には、以下の機能があります。 項目 機能 ダイアグコード (DTC) ●コントロールユニットの信号系統やシステムに異常があった場合、その異常 系統をダイアグコードとして記憶し、点検作業者に知らせる機能です。 ●スキャンツールでダイアグコードの確認や消去をすることができます。 コントロールユニットデータ ●コントロールユニット制御に必要な「センサからの入力信号」「アクチュエータ への出力信号」「各学習値」をコントロールユニットデータとして確認できる機 能です。 ●車両各部に触れることなく、制御データを確認することができます。特に入力 信号系統は、コントロールユニットデータの点検結果が正常ならば、単体点検 やワイヤーハーネス点検をしなくても、正常と判断できます。 ●また、外部からの点検では確認できないコントロールユニットの学習状態等を 点検することができます。 フリーズフレームデータ (FFD) ●異常が発生し、ダイアグコードが検出される瞬間のコントロールユニットデータ を記憶し、点検作業者に知らせる機能です。 ●スキャンツールでフリーズフレームデータ(FFD)を確認し、故障診断に活用す ることができます。 アクティブテスト ●アクチュエータの駆動テストができる機能です。 ●任意にアクチュエータを作動させたときの作動状態が正常ならば、その系統 は単体点検をしなくても正常と判断できます。

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スキャンツールとは?

● スキャンツール(外部故障診断機)はコントロールユニットと通信を行い、コントロールユニットが記憶したDTC を始め、様々な情報を画面に表示します。 ※ スキャンツールを使用すると、警告灯の点滅を目視で読み取る2 桁のDTCよりも詳しいDTCを読取ることができ、より分かりやす い故障検出の内容が表示されるので、点検が必要な箇所の絞込 みをしやすくなります。 ※ スキャンツールを使用すると、故障コードが検出されない故障や 不具合でもデータモニターにより車両の状態把握が可能になり、 原因の絞込みが容易になります。

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5.スキャンツールの診断機能について

(1) 車両と通信による全診断機能の一覧(基本機能と拡張機能)

機能名 概要 用途・効果 1.故障コード読出 コントロールユニットが記憶した ダイアグコードを読み出す。 検出された故障の詳しい内容を把握できる。 消去機能と組合せると、現在故障の確認ができる。 2.故障コード消去 コントロールユニットが記憶した ダイアグコードを消去する。 バッテリーターミナルやヒューズ取外しによらず、故 障コードを自分で消去できる。 3.作業サポート等 整備作業の補助や学習値の設 定や初期化。 煩雑な手動操作によらず容易に車両の特殊モードへ の設定可能。確実で効率の良い作業に寄与。 4.データモニター センサからコントロールユニット への入力値、コントロールユニッ ト内の演算値やアクチュエータ への出力値を表示する。 センサやアクチュエータの信号を直接に電圧等で計 測しなくても、分かりやすい物理値で現在の状態を 把握できる。学習値など内部データも確認できる。 5.フリーズフレーム データ コントロールユニットがダイアグ コードを記憶した時点で、同時 記憶の関連データを表示する。 記憶された関連データから、故障コード検出時の車 両の運転状態を推定できるケースがある。 例:高速走行中、冷間時、等 6.アクティブテスト ツールからコントロールユニット へ指令を出して、車両側アクチ ュ エー タを作 業 者 の 任 意で作 動、停止させる試験機能。 コントロールユニットからアクチュエータまでの回路・ コネクタ・配線を含めた良否判断を極めて容易に行 なえる。 (周辺部品など脱着の必要が無い) 不具合原因が電気系かメカ系か、切分けに有効。

6.スキャンツールを使用しての診断の流れ

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6-1.故障コード(DTC)読み取り

(1) DTCの読み取り

● スキャンツールは、DTCを読み取り、画面表示することができる。DTCは、ISO及びSAE(アメリカ自動車技術 会)の規格に準拠した4桁表示となっており、全世界の車両の異常系統が統一コード化されている。 従来のDTCが2桁表示程度(各メーカーで統一されていない。)に対し、4桁表示に変更して異常系統を更に分 割することにより、従来より異常個所の絞り込みが容易になっている。 スキャンツールは、DTCに対応した異常系統名のデータを記憶しているため、ECUから読み出したDTCを自動 的に解読し、異常系統名で表示することが可能である。従来は、警告灯の点滅回数で読み取ったDTCを修理書 等のコード表を参照して確認していたが、スキャンツールを用いるとその手間が省くことができる。 ■

OBD故障コード(ISO、SAE規格)の構成 (例 P0365:カム角センサ系統異常)

P-パワートレイン(エンジン・トランスミッション系統) B-ボデー(ボデー電装系統) 異常のあった箇所0~99で示す C-シャシ(シャシ電装系統) Uーネットワーク&データリンクコード(通信系統)

P0365

0-全体のシステム 1-燃料と空気計量系統 2-燃料とインジェクタ回路のみ 3-点火系統と失火検出時(ミスファイヤ) 4-エミッションコントロール系統 5-車速コントロールとアイドルコントロール系統 6-コンピュータとアクチュエータの出力異常 7-トランスミッション 8-トランスミッション 9-P0901~P099は現在空き番号 0-ジェネリック(全メーカー共通のシステム) 1-メーカー独自のシステム

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■ 現象ダイアグコード

● 従来のダイアグコードは、センサやアクチュエータに異常が発生した時に、断線・ショートやシステム異常などを 検出していました。 ● 現象ダイアグとは、始動不良やエンスト等の様々な異常系統が考えられる不具合現象に対する異常検出ダイ アグのことです。現在は、以下の3コードが設定されています。 これにより、従来は異常発生時にダイアグコードの入力がなく、非常に困難であった故障診断に対し、現象ダイ アグ検出時のフリーズフレームデータ(FFD)活用ができるようになりました。 ■ 現象ダイアグコード一覧 DTCコード コード名称 検出条件※1 P1603 エンスト検出※2 ● エンジン始動後、5秒以上経過 ● イグニッションスイッチ操作以外でエンジン停止 P1604 始動不良 ● 始動中(STA ON)でエンジン回転数が500r/min以下 ● 2秒以上経過(エンジン水温0℃以上※3 P1605 アイドル不安定 ● エンジン始動後、ISC学習が終了してから5秒後 ● エンジン回転数が400r/min以下に低下 ※1:検出条件はエンジンによって異なります。詳細は、修理書を確認してください。 ※2:エンスト検出ダイアグは、以下の条件で検出しない場合があります。 ・エンジン始動直後にエンストした場合(エンジンによっては、始動後1分間非検出) ・コントロールユニット電源、アース系統異常で、コントロールユニット作動電圧が確保できずに エンストした場合 ・アクティブテストでエンストさせた場合 ・ハイブリッドシステムで、HV ECUからのエンジン停止要求があった場合 ※3:0℃未満の場合は、エンジン水温によって検出時間が長くなります。 ■

ペンティング

コード

● ダイアグコードによっては、2トリップ検出のものがあります。 ● ペンディングコードとは、2トリップ検出のダイアグコードが、1トリップのみ検出されている状態を表すコードのこ とで、診断ツールで確認できます。 ● ペンディングコード検出時、フリーズフレームデータ(FFD)は記憶されません。 ※ ペンディング(pending):英語で「未決定の」という意味。 知識 ■ 2トリップ検出ダイアグについて 1トリップ目の不具合の際は、ウォーニングランプを点灯さ せず、2トリップ目で再度同じ不具合が起こった時に、ダイ アグを検出し、ランプを点灯させます。 ペンティングコードでは、1トリップ目の不具合が検出され た段階で、そのコードを確認することができます。 ※ IG ONからIG OFFまでの間を1トリップといいます。

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● 2トリップダイアグは、連続した2トリップでなければ、入力しません。そ のためペンティングコードも1トリップ検出後、次のトリップで異常が検 出されなければ、その後のトリップでは表示されません。 ポイント 車両の診断を行う際、チェックエンジンウォーニングランプの点灯が無くても、ペンディングコードが入力している 可能性があります。 問診結果と合わせて確認することで、故障箇所の推定に活用することができます。 知識 ● 通常の1トリップ検出のダイアグコードでも、現在ダイアグコードと共に、ペンディングコードが入るものがあり ます。 (エミッション関係のダイアグコード) ● この場合、ペンディングコード自体には、特に意味がありませんので、現在ダイアグコードで故障診断を進め てください。

■ ダイアグ判定結果確認機能

ダイアグコードには、各々検出条件があります。ダイアグコードによっては、検出時間が長い(例:90秒継続)場合 や、検出を開始するまでの期間が長い(例:エンジン始動から15分後)場合があります。 このようなダイアグコードの場合、修理後の走行テストが不十分だと検出条件が再現できず、納車後にダイアグコ ードが検出されてしまうことが考えられます。「ダイアグ判定結果確認」機能は、そうした失敗が無いよう、指定する ダイアグコードの判定状況を確認することができます。 ※1 ダイアグ判定中コードが規定値より多いため、「判定不可」と表示されます。再度走行 テストを実施してください・ ※2ダイアグ判定条件が不成立のため、「判定中」と表示されます。検出条件を確認し、 再度走行テストを実施して検出条件を成立させてください。 ダイアグコードの故障診断後、 納車前に実施しましょう!

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6-2.故障コード(DTC)消去

(1) 故障コード(DTC)消去

● 従来のヒューズを抜く、バッテリのマイナス端子を外すというDTCの消去方法では、学習値(ECUが蓄積した データ)まで消去されてしまうが、スキャンツールでDTCのコードの消去を行うと、DTCとフリーズフレームデー タ(FFD)のみが消去され、二次的な時計やオーディオ等の再設定の必要がない 注)故障コードの消去前に、必ず表示された故障コードを保存しておきましょう

(2) 故障コード(DTC)消去での注意事項

【一般的注意】

● 故障コードの消去前に、必ず表示された故障コードを記録しておきましょう。 ● 車両(スバル車等)により、一旦DTC消去を実行した後、車両側のIGキーをOFFにする必要があります。 ● CAN通信車の場合、IGキーONでエンジンが停止した状態で実行して下さい。 (エンジン回転中に実行した場合、通信エラーが発生する場合があります。)

【ホンダ車のVSAシステム】

● ホンダ車のVSA付車でABSのDTC消去を実行した後は必ず「センサキャリブレーション」機能を実行して下 さい。 (実行しない場合、VSA警告灯の点灯が継続します。) この機能を実行することにより、VSAセンサの中点が書き込まれ、VSA警告灯が消灯します。

【ホンダ車のECUリセット】

● ECUに記憶されたDTC、FFD、学習値(クランクパターン以外)をクリアする機能です。 ● コントロールユニットの交換や、スロットルボディの洗浄、交換などを実施した後に行う、アイドリング学習で 使用します。 ● DTCとFFDの消去だけであれば、通常のDTCクリアで実行可能です。

6-3.作業サポート

(1) 作業サポート(DST-2)

● 作業サポートは、画面に表示される作業手順に従って作業を進めることにより、コントロールユニットやアクチュ エータを交換したときに必要な学習値のクリア、エア抜き、光軸調整などを実施することができます。

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6-4.データモニター

● ECUより出力されるデータを、数値又はグラフにてモニタすることができる。モニタするデータは、必要なデータ だけを選択して表示することができる。また、モニタを行っているデータを記録したり、DTCやエンスト時をトリガ として自動記録することができる。 従来の点検では、コネクタやハーネスを触っているうちに直ってしまうことがあったが、データモニターはコネクタ やハーネスに触らなくても各種信号をモニタすることができる。不具合発生時にデータモニターで確認すると、信 号の値が正常値か異常値かを判別でき、どの系統に不具合が発生しているかを発見できる。 また、エンジンの息つき、ラフアイドルのような微妙な現象に対しては、DTCが表示しない場合が多い。このよう な場合、正常値データを記録しておけば、その記録と比較することで、異常系統を見つけ出すことができる。 注) 全ての参照可能データを見る「ALLデータ」のほか、見たいデータのみ選択することもできます。 見たいデータのみ少数選択すると、細かく変化を捉えられるようになります。

(1) データ記録

● モニタしている信号をスキャンツールやPCに記録することができる。また、あらかじめ設定した条件で不具合発 生の前後を記録することも可能で、不具合発生原因が車両の挙動に与える影響を分析できる。

(2) 保存と再生

● 記録したデータに名前を付けて保存すれば、保存したデータを再生することができる。

(3) PC連携ソフトの活用

① スキャンツール側で保存したデータをPCに出力し、PCの画面上で再表示させる。 ② 画像処理能力に優れるPC上で以下機能を活用することで、故障診断の効率を高めます。 ・ 保存データの再表示・加工・印刷 ・ 同型車種のデータとの比較表示

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(4)データモニターの必要性~エンジン制御を理解することから始まる~

● エンジンの状態を各センサ系が検出しその情報をもとにコントロールユニットが判断し適した運転状況になる様 にアクチュエータ系を制御している。 ● 基本的に、エンジンコントロールユニットは空気とガソリンの混合割合が 触媒前で14.7:1(理論空燃比)になる 様に燃料系、点火系を制御する。 ● 触媒は理論空燃比14.7付近の狭い空燃比領域でのみ高い排気ガス浄化作用を発揮する様に作られてい る。

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ECUデータ出力機能

● ECUデータ出力機能では、各センサからの入力信号がコントロールユニット内のマイクロコンピュータでどのよ うに判断しているか、またマイクロコンピュータで演算処理したアクチュエータへの出力信号の値がどうなってい るかを見ることができます。 ECUデータを確認するには、スキャンツールを使用して、マイクロコンピュータ内のRAM(ランダムアクセスメモ リー)に記憶されたデータから必要なデータを選択して表示させます。ECUデータに表示される値は通常使用 している値に換算して表示されるので便利です。 例えば、水温センサ端子電圧が0.24Vのとき、ECUデータをスキャンツールで見ると、85℃と温度で表示さ れます。また、アクチュエータへの出力信号であるインジェクタへの通電時間も、ECUデータをスキャンツール で見ると、2.43msと時間で表示されます。 ECUデータを点検することは、それぞれの信号系統をセンサ・ワイヤーハーネス・コントロールユニットを含め たシステムとして点検したことになるので、異常の有無を効率よく判断することができます。 ※ ただし、以下のように入力信号と出力信号では、判断内容が異なりますので注意が必要です。 入力信号の場合(センサ・スイッチ) コントロールユニット 出力信号の場合(アクチュエーター) コントロールユニット 正しいコントロールユニットデータ 正しいコントロールユニットデータ 正しいコントロールユニットデータ値が出力している 正しいコントロールユニットデータ値が出力している センサからコントロールユニットまで信号が正しく送ら れているということが判断できます。 したがって、その系統のセンサ・ワイヤーハーネスは 正常と判断できます。 マイクロコンピューターは正常に駆動信号を出力し ていることが判断できますが、コントロールユニット 内の駆動回路・アクチュエーター・ワイヤーハーネ スが正常とは判断できません。したがってそれらの 点検が必要になります。(アクティブテスト機能を行 えば判断できます)

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■ もっと知りたい人のために ECUデータのサンプリング時間(サンプリングとは更新時間) ECUデータは、ECUの通信によってスキャンツールに表示しているため、モニターするデータ項目数によりサンプ リング時間に差が生じます。たとえばモニターする項目が1つのときを50msごとのデーターがモニタできるとしま すと、全項目のときは700msごとのデーターしかモニタすることができません。 したがって、より精度の高い点検を行うためにはモニターするデータを絞り込む必要があります。 サンプリング時間は、スキャンツールの使用とECUによって異なります。

(5) データモニターで分かること

エンジンのアイドル回転数制御の例:

エンジンC/Uには、エンジン状態(冷却水温,エアコン作動など)に応じた目標回転数が記憶されています。各 センサ入力をもとに,スロットルバルブ(ISCVではバイパス通路)を流れる空気量を調整し,アイドル回転数が 目標回転数になるように制御します。 入力されるセンサの値・状態を、データで確認できます。 → 正しくコントロールユニットに入力できているか?が 分かります。 空気量をどのくらい増やしているか、減らしているか、 アクチュエータの制御状態がわかります。

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6-5.フリーズフレームデータの読み取り

(1) フリーズフレームデータ機能の説明

フリーズフレームデータとは、ダイアグノーシスを記憶する異常をコントロールユニットが検出した直後に、コン トロールユニットに記憶されるコントロールユニットデータのことです。フリーズフレームデータの内容は、異常検 出時のフィードバック状態・エンジン負荷状態・冷却水温・吸入空気温度・エンジン回転数などでエンジンによって 若干項目の違いがあります。 このフリーズフレームデータにより、異常発生時の運転状況が推測でき、再現テストに反映することができます。 ただし不具合が発生してからダイアグが検出されるまでには時間がかかるため、不具合発生のタイミングと記憶 されたフリーズフレームデータのタイミングにはずれがでますので、注意が必要です。

(22)

6-6.アクティブテスト

(1) アクティブテストで分かること

油圧制御のVVT制御の例:

エンジン状態に応じた吸気(排気)バルブの目標進角値になるように、デューティ信号でオイルコントロールバ ルブを駆動します。 アクティブテストで、オイルコントロールバルブ(OCV)を動かすことが出来ます。 OCVが固着すると進角・遅角が追従できず、エンジン不調になります。 OCVが固着していれば、テストしてもエンジンの回転状態に変化が出ないのでメカ的に故障(固着な ど)が起きていることが分かります(配線に問題ない場合)。 逆に、エンジンの回転状態が変化すれば、配線系を含むOCV系統は正常だと判断できます。

3.電子制御システムの基礎知識

(1) 電子制御システムの構成要素/エンジンの場合

エンジンを電子制御化する主な目的⇒排気ガス中の有害物質の排出量低減 センサ 制御対象(この場合はエンジン)の様々な情報を検知し、コントロールユニットに伝達。 コントロールユニット センサの情報と、コントロールユニット内部に予め組込まれた制御パタ-ンから、最適な 制御を選択し、アクチュエータに適宜指令を送る。 アクチュエータ コントロールユニットの指令に従い駆動され、その結果、制御対象がコントロールユニッ トによって制御される。

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(2) エンジン制御とコントロールユニットデータ・アクティブテストの有効性

● エンジンの3要素を支える「センサ」、「アクチュエータ」、「コントロールユニット(ECU)」は、下図に示す関係でつ ながっています。 ● これらのコントロールユニット内で処理されている様々な制御値がコントロールユニットデータであり、診断ツー ルで確認することができます。 ● コントロールユニットデータには、主に「入力信号」、「出力信号」、「コントロールユニット学習値」があります。 ● コントロールユニットは、運転状態を知らせる信号をセンサから受け取ります。その信号を認識、判断して、アク チュエータを運転状態に合った動きにするための信号を出力します。

① 入力信号(センサからの信号)

● 各センサやスイッチからコントロールユニットに送られる信号のことです。 ● 各システムの作動状態や走行状態などがコントロールユニットに送られます。 (例:エンジン回転数、吸入空気量、エンジン冷却水温、吸気温、シフト位置・・・)

※ 入力信号からわかること

コントロールユニットの感じていることがわかる。 【わかる!】 正しいコントロールユニットデータ値が確認できれば、コントロールユニットまで正常に信号が送信され ていることになります。つまりその系統は、単体点検やワイヤリングハーネスを点検しなくても、正常と判 断できます。

② 出力信号(アクチュエータへの信号)

● コントロールユニットが、入力信号をもとに、アクチュエータに対してどう動けばよいかを伝える信号のことです。 (例:燃料噴射時間、点火時期、EGRステップ数、パージ率・・・)

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※ 出力信号からわかること

コントロールユニットの思っていることがわかる。 【わかる!】 アクチュエータをどのように動かしたいのか(目標値)を確認できます。 【わからない】 正しいコントロールユニットデータ値が確認できても、そのとおりにアクチュエータが作動しているかは 確実ではありません。アクチュエータの点検は、作動により変化するコントロールユニットデータを確認 するか、アクティブテスト※、単体点検等をする必要があります。 ※ 本来、一定の条件が成立しないと動かないアクチュエータを強制的に動かして、作動の確認を行うテストです。

③ コントロールユニット学習値

● 人間にも人それぞれクセがあったり、年をとるごとに少しずつ体に変化があったりします。 ● センサやアクチュエータにも、ちょっとしたクセや、年数による特性の変化があります。これをコントロールユニッ トが理解し、最もよい車の状態が得られるように補正を行うのが学習値です。 (例:空燃比、ノック、アイドル、パージ濃度、大気圧・・・・)

※ コントロールユニット学習値からわかること

各システムのコントロールユニット補正状態がわかる。 【わかる!】 駆動指示に対する結果を判定し、最もよい結果が得られるように駆動指示を補正するのが学習値です。 つまり、補正の幅が極端に大きい状態を見抜ければ、システムに何らかの異常があることがわかります。 故障診断上、特に有効なデータです。 (ポイント) コントロールユニットデータとアクティブテストの種類と特性を習得し、故障診断に有効活用しましょう。

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(3) 主なアクチュエータ・センサ一覧

装 置 名 機 能 関係する系統 燃料 点火 吸気 充電 ア ク チ ュ エ ー タ フューエルインジェクタ 燃料を噴射します ○ キャニスタパージ用VSV キャニスタパージ量を増減します。 ○ イグナイタ内蔵型 イグニッションコイル エンジンコンピュータからの信号で、点火電 圧を誘起します。 点火確認信号をエンジンコンピュータに出力 します。 ○ スパークプラグ シリンダ内の混合気に点火します。 ○ スロットルモータ 運転状態に応じて、スロットルバルブ開度を 制御します。 ○ VVT-ⅰ用アクチュエータ 最適なバルブタイミングにカムシャフトの位相 を制御します。 ○ ICレギュレータ オルタネータの出力電圧を規定値の範囲内 に保ちます。 ○ セ ン サ エアフロメータ 吸入空気量を検出します。 ○ ○ ○ バキュームセンサ 吸気管圧力を検出します。 ○ ○ ○ 水温センサ エンジン冷却水温を検出します。 ○ ○ ○ クランクポジションセンサ クランク角度、エンジン回転数を検出します。 ○ ○ ○ ○ カムポジションセンサ 気筒判別とカムシャフト角度を検出します。 ○ ○ ○ A/Fセンサ 排気ガス中の空燃比の状態を検出します。 ○ O2センサ 排気ガス中の酸素濃度を検出します。 ○ ノックセンサ ノッキング状態を検出します。 ○ スロットルポジションセンサ スロットルバルブ開度を検出します。 ○ ○ ○ ○ アクセルポジションセンサ アクセルペダル開度を検出します。 ○ ○ ○ バッテリ電流センサ バッテリの充放電電流量を検出します。 ○ バッテリ温度センサ バッテリ零囲気温度(液温)を検出します。 ○ コ ン ト ロ ー ル ユ ニ ッ ト エンジンコントロール コンピュータ 各センサからの信号により、運転状況に応じ た燃料噴射時間や点火時期などを制御しま す。 ○ ○ ○ ○

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■ エンジン制御の構成を系統別に大きく分けると、下記のようになります。

燃料系統 ● 燃焼に必要な燃料を供給します。 燃料噴射制御 ● 常に安定した混合気を供給するため、フューエルポンプやプレッシャレギュレータなどによって、燃圧を 調整し、運転状態に最適な燃料噴射量をインジェクタから噴射します。また、A/FセンサやO2センサ によって、排気ガスから空燃比の状態を検出し、フィードバック制御を行っています。 キャニスタパージ制御 ● キャニスタに吸着した燃料蒸発ガスは、インテークマニホールドに送られ、インジェクタから噴射された 燃料と一緒にシリンダ内で燃やされます。その際、空燃比のバランスを崩さないように制御していま す。 点火系統 ● シリンダ内で圧縮された混合気に、タイミング良く火花を飛ばします。 点火時期制御 ● エンジンコンピュータは、運転状態に応じた点火時期を各センサ信号から算出し、イグニッションコイル (イグナイタ内蔵型)へ点火指示信号(IGt)を送ります。また、イグニッションコイルは、点火確認信号(I Gf)をエンジンコンピュータへ送ります。 ノックコントロール制御 ● ノックセンサにより、ノッキングの有無判定を行い、点火時期を進角、遅角させます。 吸気系統 ● 燃料に必要な吸気を供給します。 電子スロットルシステム ● アクセルペダルの踏込み量をアクセルポジションセンサで検出し、スロットルモータでスロットルバルブ の開度を制御します。また、スロットルバルブの開度は、スロットルポジションセンサで検出していま す。 その他 充電制御 ● アイドリング時や定速走行時などは発電電圧を下げ、減速時に発電電圧を上げることで、オルタネー タの発電によるエンジン負荷を低減し、エンジンの低燃費化をはかっています。

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■ エアフロメータとバキュームセンサ

■EFI-LとEFI-D

● EFI制御では、混合気を理論空燃比に制御するため、正確な吸入空気量を検出する必要があります。こ の検出方法としてEFI-LとEFI-Dがあります。 ● EFI-L 〔L:ドイツ語のLuft(ルフト)の頭文字・・・空気〕 従来タイプ ● エアフロメータによって直接吸入空気量を計測し、その時のエンジン回転数で割った値をもとに、1サイク ルあたりの燃料噴射量を演算します。 ● ホットワイヤー式エアフロメータの場合、直接質量流量を計測するため、吸気温度の変化による密度補 正の必要はありませんが、エンジン制御には吸気温度の情報が必要となるため、エアフロメータ内にサ ーミスタタイプの吸気温センサを内蔵しています。 エアモデル ●「エアモデル」は、EFI-LとEFI-Dの制御メリットを合わせ持った吸入空気量検出方式です。 ● 以下のように、運転領域で計量方式を選択しています。 ※吸気管圧力は、物理式(物理モデル)により算出しているので、バキュームセンサは必要ありません。 運転領域 計量方式 説 明 定常走行 EFI-L 定常時の計量が有利なEFI-Lを選択 過渡時(加速時) EFI-D 過渡時の流量算出精度上有利なEFI-D方式を選択。 ● EFI-D 〔D:ドイツ語のDruck(ドルク)の頭文字・・・圧力〕 ● EFI-Dは、吸気管圧力が1サイクル当たりに吸入する空気量にほぼ比例するという原理に基づいて、バ キュームセンサで吸気管圧力を検出し、1サイクル当たりの噴射量を求めています。 ● ただし、吸入空気量と吸気管圧力の関係は、エンジン回転数によって異なるため、補正が行われていま す。 参考 ● エアフロメータとバキュームセンサの両方が付いているエンジンもあります。 この場合、吸入空気量の検出はエアフロメータが行い、バキュームセンサはEGRガスの流量等を検出し ています。

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エアフロメータ(ホットワイヤー式)

エアフロメータの構造と特徴 ● エアフロメータは、吸入空気量を計測するセンサです。 ● 吸入空気の一部をバイパスさせ、吸気温度計測用抵抗と加熱抵抗(ヒーター)の熱線で構成されるブリッジ回路 でエンジンの吸入空気量を計測します。

■知識

ブリッジ回路について

ブリッジ回路とは、右図のように結線され、 R1×R4=R2×R3が成立するとき、 V1=V2となり電流計Gの示す値は0となる回路です。 ● エアフロメータは、下図のような回路を形成しています。 ● 吸入空気量が変化した時には、熱線計量部のブリッジ回路により、吸気温度計測用抵抗(R2)と、加熱抵抗(R 1)との温度差を常に一定に保つように、加熱抵抗へ流す電流をフィードバック制御します。 その流した電流量を電圧値に変換し、エンジンコンピュータに出力します。エンジンコンピュータは、あらかじめ 与えられたエアフロメータ出力電圧と流量の関係から、エンジン吸入空気量を算出します。

■吸入空気量が増加した場合

吸入空気の増加によって、加熱抵抗(R1)が冷 やされ、抵抗値が小さくなる ⇒ R1×R4<R2×R3( VM≠VK) 1 電源端子からVBに流す電流を増加し、加熱抵 抗(R1)を加熱する ⇒ R1×R4=R2×R3( VM=VK) 2 ・2・で流した電流を電圧値に変換してエンジン 3

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O2センサ

O2センサの構造と特徴 ● O2センサは、排気ガス中の酸素濃度から、現在の空燃比が濃いか薄いかを検出しています。 ● 触媒前に取り付けられているO2センサは、空燃比の制御を行っています。 ● 触媒後に取り付けられているO2センサは、触媒劣化の判定や、触媒に対して最適な空燃比になるように補正 を行っています。

■知識

ジルコニア素子について ● O2センサは上図のように、試験管状のジルコニア素子の内外両面に白金がコーティングされており、内 面は大気を導入し、外面は排気ガスにさらされています。 ● ジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度差が大きくなると起電力を発生する性質があり、空燃比が 理論空燃比に対して濃いと約1Vの起電力を発生し、薄いと約0Vになります。 ● 白金には、排気ガス中の酸素とCOを結合させる触媒作用があります。 排気側のジルコニア素子付近の酸素濃度を低下させて、大気側との酸素濃度差を増大させることで、セ ンサの起電力の発生を促進させる働きをしています。

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A/Fセンサ

A/Fセンサの構造と特徴 ● A/Fセンサは、触媒前のエキゾーストマニホールドに取り付けられ、リッチ領域からリーン領域までの全領域 の空燃比を検出することができます。 ● O2センサが、理論空燃比を境にリーンまたはリッチ信号を出力するのに対し、A/Fセンサは、空燃比に比例し た出力特性を持っているため、エンジンコンピュータは、より詳細な空燃比制御を行うことができます。 ● A/Fセンサの両端子間には、約0.4Vの電圧(AF+:3.3V、AF-:2.9V)が印加されています。ジルコニア 素子は、起電力が発生した場合、AF-側からAF+側へ電流が流れるように、回路に対して直列に接続されて います。 ● 起電力の大きさによって変化するAF+側の電流の向きと大きさから、空燃比を検出しています。

■知識

A/Fセンサの電流値について

起電力が約0.4Vよりも小さい場 合、AF+側電圧のほうが高く、A 起電力が約0.4Vの場合、AF+側 端子とAF-側端子の電圧が等しく 起電力が約0.4Vよりも大きい場 合、AF-側電圧のほうが高くな

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水温センサ

水温センサの構造と特徴 ● 水温センサは、冷却水温を検出するセンサで、温度によって抵抗値が大きく変化するサーミスタを内蔵していま す。 ● サーミスタの抵抗値で変化する信号端子の電位から、冷却水温を検出しています。 ● サーミスタの抵抗値は、冷却水温が低いほど大きく、高いほど小さくなります。

(32)

TOPICS

「F/B学習値」は、エンジンの健康指標

人間の健康を示す数値として、「血圧」「血糖値」・・・・等があります。 お医者さんは、その数値を健康診断で確認し、その人が健康状態にあるかどうかの把握はもちろん、発病の一歩 手前なのかどうかも判断し、健康でいられるための生活改善方法をアドバイスします。 車のエンジンが故障した場合、私たちは故障診断を実施して、原因を特定し修理を行います。 しかし、人間の健康診断と同様に、不具合現象が出ていない中で、「そのエンジンがどのような健康状態にあるの か?」を判断する指標はないのでしょうか? これまで説明してきたとおり、「F/B学習値」は、理論空燃比に制御するための燃料噴射補正学習値であり、エン ジン経時変化・異常兆候などによる空燃比への影響は、この数値に反映されます。 つまり、エンジンの健康指標と言うことができるでしょう。 皆さんは車のドクターとして、エンジンの健康指標である「F/B学習値」を正しく理解し、機会あるごとに数値を確 認して経験を積み、メンテナンスアドバイスなど、様々な状況で活用できるようになりましょう。

(33)

(4)キャニスタパージ制御

システム説明

ガソリンはとても気化しやすい性質があるため、ガソリンタンク内のガソリンからも、常に燃料蒸発ガス(HC)が 発生しています。 燃料蒸発ガス(HC)が多くなると、チャコールキャニスタのチェックバルブをHCが押し開き、チャコールキャニス タに流入して、活性炭によりHCは吸着されます。 吸着されたHCは、大気に開放されることなく、パージVSVを介してエンジンに吸入されます。 このHCを、パージVSVによりエンジンに吸入させる制御を、「キャニスタパージ制御」といいます。また、パージ 濃度※変化に対応した空燃比制御も行っています。 ※パージ濃度:パージVSVからエンジンに吸入される空気に含まれるHCの濃度

■知識

■ パージ濃度について ● パージ濃度は、タンク周辺温度(走行状態、天気)、ガソリン残量によって変化します。 (例) 季節(夏)、渋滞(アイドル時間、排気熱、地上熱)、ガソリン残量少などの条件が重なるとパー ジ濃度は上昇します。 季節(夏)、渋滞、ガソリン残量 少 → パージ濃度高い ガソリン残量 大 → パージ濃度低い

(34)

(5)空燃比制御(空燃比フィードバック補正)

● ガソリンエンジンの排出ガス主成分として、「HC、CO、 CO2、NOx」の4成分があります。 ● この内の3成分(HC、CO、NOx)をH2O、CO2、N2に酸 化・還元する排気ガス浄化装置として「三元触媒」があ り、この三元触媒を機能させるためには、空燃比を理論 空燃比※に保つ必要があります。 ● 空燃比を理論空燃比に維持する制御を「空燃比制御」と いいます。 ※ 理論空燃比 = 空気(Air)/燃料(Fuel) =14.7 ● 空燃比を判断し、噴射量を補正する空燃比制御は、エンジン故障診断に深く活用できます。

(35)

制御方法

● 空燃比フィードバック制御と空燃比学習制御により、理論空燃比に制御しています。 〔1〕空燃比フィードバック制御((SFT(ショートタームフューエルトリム)短期補正)) ● A/FセンサまたはO2センサ(S1)の空燃比信号から、空燃比フィードバック値を増減することにより、燃料噴 射量を理論空燃比に制御します。 ● O2センサを使用したシステムでは、噴射量を一定の割合で増減することにより補正し、A/Fセンサを使用した システムでは、空燃比の理論空燃比に対するずれ量を即時に補正します。 ● 一般的に、空燃比フィードバック値は±20%でガード値を持ち、この範囲内で制御します。 ● 診断ツールでは、空燃比フィードバック値を確認することができます。(=F/B補正値)

(36)

〔2〕空燃比学習制御((LFT(ロングタームフューエルトリム)長期補正)) ● 〔1〕で説明した「空燃比フィードバック制御」により、理論空燃比に制御することはできますが、実際は運転状況 が目まぐるしく変化し、理論空燃比への追従性が悪くなります。 ● また、経時変化でインジェクタ流量が低下した等の場合でも、軽負荷の補正値と高負荷の補正値では大きく異 なる傾向があり、更に理論空燃比への追従性が悪くなります。 ● そこで、各エンジン負荷での空燃比フィードバック補正状態を「空燃比学習値」として学習し、燃料噴射量に反映 する「空燃比学習制御」を実施しています。 (エンジン負荷に対し複数の空燃比学習値があります。) ● 学習実施タイミングはエンジンによって異なりますが、概ね以下の条件で実施されます。 学習実施条件例 ①システムが正常である。(ダイアグ未検出等) ②エンジン暖気後。(水温約70℃以上) ③エンジン始動後の吸入空気量積算値が所定値以上。 ④フィードバックサイクル(リッチ、リーン)が安定している。 ⑤F/B補正値の平均値が0±2%に入っていない。 ● つまり、突発的な不具合等の外乱により、F/B補正値が+20%もしくは-20%に貼り付くような状態では、学 習は即時に実施されず、空燃比は理論空燃比からずれることになります。 ● F/B学習値にもガード値があり、±40%が一般的です。 ● スキャンツールでは、空燃比学習値を確認することができます。(=F/B学習値)

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(6)フェイルセーフ制御

フェイルセーフとは、各入力信号系統に異常が発生したとき、その信号をもとに制御を続けると、エンジン不調や触 媒過熱などが起こる可能性のある場合に、コントロールユニットの持つ標準値で制御したり、エンジンを停止する機能 です。 また、イグナイターからの点火確認信号(IGf)が連続して入力されない場合には、失火や触媒過熱のおそれがあるた め、コントロールユニットは点火系統の異常とみなして、燃料噴射を停止するというような制御を行います。 異常信号系統とフェイルセーフの関係は、次表のようになっています。 異常信号系統 信号名 フェイルセーフ機能 点火信号系統 IGf 燃料噴射停止 水温信号系統 THW 標準値で制御(水温80℃) 吸気温信号系統 THA 標準値で制御(吸気温20℃) ノック信号系 KNK 補正進角値を最少進角値にする

(38)

P0171(リーン異常)不具合事例

【1】 発生状況

● 市街地を走行している時や、信号待ちでチェックエンジンランプが点灯する。 ● 加速時、力不足を感じる。また、暖加速時には、ノッキングも発生する。 ● 最初に不具合が起きた日の天候は晴れ。

【2】 故障診断の流れ

〔1〕 ダイアグコード点検 P0171(リーン異常)が入力している。 「保存」を実施 ■ P0171入力条件 診断条件 エンジン暖機後、空燃比フィードバック正常実施中 異常状態 燃料補正量(F/B補正値とF/B学習値の合計)が極端に増量側に補正(約+35%以上) 異常時期 90秒以上 その他 2トリップ 〔2〕 フリーズフレームデータ点検 項目 データ 項目 データ エンジン回転数 1,428r/min A/Fセンサ電圧 3.2V エンジン負荷 83.9% A/Fセンサ電流 -0.04mA 車速 60km/h GセンサF/C履歴 無 噴射時期#1(ポート) 6.78msec アイドルON時F/C OFF エンジン冷却水温 92℃ 低負荷時F/C OFF 吸入空気温度 23℃ GセンサF/C通信状態 正常 吸入空気量 9.21g/sec ISC流量 1.76L/s 大気圧 71kPa ISCフィードバック量 0.14L/s F/B実施状態 実施中 ISC学習値 1.35L/s F/B補正値 5.4% 電気負荷補正量 0.38L/s F/B学習値 44.5% エアコン補正量 0.00L/s ● F/B補正値とF/B学習値の合計が、「49.9%」になっている。 各種センサから計算した噴射量を、約50%も増量しないと空燃比を理論空燃比に制御できない状況 になっている。 また、晴れの日に市街地で不具合が発生しているのに対し、大気圧データが71kPaを示しており、エ アフロメータの不良が推定できる。

(39)

■ 診断結果 F/B補正値 F/B学習値 合計 A(軽負荷側) +20% +44.5% +64.5% B(高負荷側) -7% +43% +36% 全域で空燃比がずれているが、軽負荷側でさらに大きい傾向にある。 〔3〕 不具合原因の推定 ● 空燃比がリーンになる要因を推定。また、軽負荷側でよりリーンになる要因を下表のように推定し、点検順序を決 定。 要因 部位 推定原因 点検手順 吸入空気量大 エアフロメータ 吸入空気量を少なく計測している。 (センサ特性ずれ) 1 エア吸い エアフロメータを通過しない空気を吸入している。 2 インジェクタ噴射量小 インジェクタ※ インジェクタの詰まり ※ インジェクタ噴射量が少なくなる推定原因は、高負荷側でも空燃比が大きくずれる要因であり、点検順序は低くなります。 〔4〕 エアフロメータ点検(無風VG点検)[点検順序1] ● エンジン停止、IG ON後30秒待ち、ECUデータ「吸入空気量」を点検。 基準値:0.48以下g/sec(アイシスの場合):0.43以下g/sec(エスティマの場合) 結果:0.50g/sec。基準値を上回っており、異常と判断

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〔5〕 エアフロメータ点検 ● エアフロ不良と考えられ、エアフロメータの熱線部を目視点検。 結果:熱線部分に、繊維のような異物が付着しているのを確認。 エアフロメータの特性不良により、実際の吸入空気量よりも少なく計測したことから、燃料噴射量が過少となり不具 合に至ったものと判断。 エアフロメータ交換により正常復帰。[無風VG点検:0.48g/sec(アイシス):0.43g/sec(エスティ マ)] 注意:修理後、空燃比学習状態をリセット(バッテリークリア)する必要があります。 リセット前 右グラフのように、修理完了後、空燃比学習状 態をリセットしなければ、「修理前のF/B学習 値」によるずれをF/B補正値によって補正す ることになります。 リセット後 右グラフのように、空燃比学習のリセットを行う と、F/B学習値が0%になり、F/B補正値に よって、空燃比が制御されます。その後、F/B 補正値は、F/B学習値に反映されます。 結果

参照

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