第3学年4組 美術科学習指導案
平成 26 年 10 月 15 日(水) 第1校時 戸田市立笹目中学校 3 年 4 組 在籍生徒数 男子 16 名 女子 17 名 指導者 教諭 吉田 真梨 1 題材名 「B鑑賞 中岡慎太郎の魅力を探ろう!」 2 題材について (1)指導観 本題材は、「さわって、見て、いいかたち」につなげる鑑賞の題材である。この題材では、高蝋石 を削ったり磨いたりして、「生命」をテーマに、自分が魅力的に思う形を制作するものである。主に 自分の思いや理想を抽象化した形に表現するものであるが、生徒の中ではなかなか抽象化という表現 方法はなじみのないものである。また、生徒は、彫刻作品といえばミケランジェロやベルニーニのよ うな具象的な彫刻が優れているという価値観をもっている傾向が強く、抽象的な作品については、「何 を表現しているのか分からない」などなじみのない存在ととらえている。 今回取り扱う中岡慎太郎の作品は、学区内に設置されており、実際に見に行って触れることのでき る作品であるが、生徒はこれらの存在をあまり知らない。黒御影石を素材とした抽象化された人型の 作品で、個体のものから複数の人型の像からなるものがある。設置されている「ポエット」「タイム キーパー」「ファンタジィ」「ホイ」「Dreamer」「セレナード」を導入で触れながら、本題材では「my family」という作品を中心に鑑賞を行う。この作品は、大小形の異なる抽象化された人型の10体の 像が横一列に並んだものである。「この世界に暮らす人間はみな家族」という作者の言葉のとおり、 個性の違う人々が寄りそうようにして並んだ、つながりを感じる作品である。抽象化された人型の表 現と中岡慎太郎独特の制作方法からそのおもしろさや良さ、作者の思いや表現の意図について深く感 じ取らせたい。 指導に当たっては、展開を二つに分け、前半は対話による鑑賞、後半は鑑賞を深めるための知識を 学ぶ協調学習による学習指導行う。前半の対話型鑑賞では、作品の写真を見て「これは何を表現した ものだろう?」という発問から始める。教師の発問から始まる生徒との対話から作品の読み取りを深 める。後半の協調学習では、対話型鑑賞で味わった作品の良さを、知識によって深めたり、自分の考 えたこと、気付いたことを裏付けする。学習班を「A:人体の表現」「B:素材」「C:テーマ」の三 つのエキスパートに分け、多様な彫刻表現を学びながら、その中で中岡慎太郎の作品の魅力について 発見させ、抽象的な彫刻作品の魅力を味わわせたい。 (2)教材観 戸田市は市内の至る所に、様々な種類の野外彫刻作品が設置されている。本校の学区内にある笹 目川沿いの遊歩道にも「自然と彫刻のプロムナード」というものがあり、たくさんの彫刻作品が設置 されている。その中の作品に、中岡慎太郎の作品がある。中岡慎太郎の作品は、まるで薄い石の板を 積み上げたように見える抽象化された人物が特徴的である。実際には石を積み上げたのではなく、グ ラインダーで石に切れ込みを入れ、それが気に入った形になるまで切り込みを入れ続ける制作方法で ある。抽象化された人体の表現と独特な制作方法から、彫刻に対する新たな価値を学ぶことができる。 本題材で扱う作品は、生徒が気軽に見に行くことができ、実際に触れることができる作品である。 身近にある作品の価値に気付き、地域の魅力を感じる力を身につけさせたい。(3)生徒観 これまで、1年次に粘土を素材とした「そっくり野菜」の制作、2年次に木材を加工したペーパー ナイフの制作を行っている。2 年次のペーパーナイフの制作では、糸ノコ・金やすり・紙やすり・切 り出しナイフ・彫刻刀を用いて木材を削ったり磨いたりして、自分の好きな形のナイフを制作した。 立体的な作品の制作を通して、立体的なものの表現方法や見方について 本学級の生徒は、男女共に仲が良く、グループ内での話し合いでは自分の思いや考えを伝えること に苦手意識をもっている生徒は少ない。しかし、全体に向けた発表となると、積極的に取り組める生 徒は減ってしまう。協調学習を取り入れることで、自分の意見に自信をもち、発表する姿勢をもたせ たい。 3 題材の目標及び評価規準 (1)題材の目標 中岡慎太郎の作品の鑑賞を通して抽象的な作品の造形的なよさや美しさを味わうとともに、彫刻の 多様な表現についての理解や見方を深める。 (2)題材の評価規準 美術への関心・意欲・態度 鑑賞の能力 関①資料の読み取りや他者との話し合いを通して、 主体的に学習に取り組もうとしている。 関②身近な環境の中に見られる造形的な美しさな どに関心をもち、生活を美しく豊かにする美術の働 きについて理解をしようとしている。 鑑①感性や想像力を働かせて、抽象化された 形・見た目の特徴や印象等から全体の感じ、 本質的なよさや美しさ、作者の心情や意図と 創造的な表現の工夫などを感じ取り、自分の 価値意識をもって味わっている。 4 指導計画(本時1/1) 段階 時 学習のねらい(○) 学習活動(・) 指導上の留意点(・)具体的な評価(★) 導入 1 ○作品と出会う 「この作品を知っていますか?」 ・題材について理解する。 ・地域に彫刻作品が設置されてい ることを知る。 ・中岡慎太郎の 7 つの作品を見せる。 「ポエット」「タイムキーパー」「セレナード」 「Dreamer」「ファンタジィ」「my family」 「ホイ」 ・タブレットと大型テレビを用いて、作品とそ の周りの風景を見せ、自分たちの身近にある 作品であることを理解させる。 ・7つの作品を見せた後、本時の中心となる作 品に焦点を当てるために、動画を使う。 展開 ○作品をよく見て、想像をふくら ませよう。 ・中岡慎太郎の「my family」を鑑 賞する。 「これは、何だと思いますか?」 ・対話型鑑賞により、作品の読み取りをする。 生徒の発言を受けて、賛同したり、次の発問 へつなげたりして、対話を広げていく。 ・様々な距離・角度から撮影した写真を用意し、 彫刻作品を鑑賞できるようにする。 ★感性や想像力を働かせて、抽象化された形や この作品は、何を表現したものだと思いますか?
知 識 構 成 型 ジ グ ソ ー 活 動 ○作品の鑑賞を深めよう ●エキスパート活動 ・エキスパート活動のグループに 移動し、3つの観点から、中岡 慎太郎の作品について知識を深 める。 A:人体の表現 B:素材 C:テーマ ●ジグソー活動 ・エキスパート活動で学習した内 容を班に持ち帰り、順番に発表 して共有する。 ・共有した内容を踏まえて、班の 中で再度「my family」について、 その良さについて話し合う。 ・話し合った内容を踏まえて、作 品を見て感じたことや考えたこ とを、ワークシートにまとめる。 ●クロストーク ・中岡慎太郎の作品についてワー クシートにまとめた自分の感想 を発表する。 見た目の特徴や印象等から全体の感じ、本質 的なよさや美しさ、作者の心情や意図などを 感じ取ろうとしている。 鑑①【観察・発言】 ・課題を提示する。 ・大型テレビに座席を示す。 ・ウォームアップ資料を配付し、活動の焦点の 明確化と興味付けを行う。 ・大型テレビにタイマーを表示し、 ・各グループをまわり、助言を加えながら学習 の進行が進むように支援する。 ★それぞれの活動を通して、表現や鑑賞の能力 を高めるために、主体的に学習に取り組もう としている。 関①【観察・記述】 ・もとの班に戻り、エキスパート活動で学習し てきた内容を、班の中で共有させる。 ・各班の会話の中に入っていき、鑑賞が広がる ようにする。 ・自分の感じたこと・考えをまとめる時間を十 分にとる。 ★身近な環境の中に見られる造形的な美しさな どに関心をもち、生活を美しく豊かにする美 術の働きについて理解をしようとしている。 関②【観察・記述】 ・残り時間を見て、全体で数人に発表してもら う。 ★感性や想像力を働かせて、協調学習で学んだ ことを踏まえて理解を深めるとともに、抽象 化された形や見た目の特徴や印象等から全体 の感じ、本質的なよさや美しさ、作者の心情 や意図などを感じ取ろうとしている。 鑑① 【発言・記述】 まとめ ○作者について知ろう ・授業の感想をワークシートにま とめる ・次回の説明 ・作者の名前、経歴、コメントなどの基礎情報 について説明する。 ・授業を終えての感想を書かせる。 ・次回からの制作について説明をする。 5 本時の展開 →CoREF「知識構成型ジグソー法を用いた協調学習授業 授業案」に記載 【課題】中岡慎太郎の作品の魅力を探ろう!
東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)