医療関連感染
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中 2-4-2 〔資料請求先〕 丸石製薬株式会社 学術情報部 TEL.0120-014-561 丸石製薬ホームページ http://www.maruishi-pharm.co.jp/医療関連感染ってな~に? 1 どうして感染するの? どうしたら防ぐことができるの? 3 その1 感染経路を遮断するには? 〈標準予防策〉 5 その2 感染経路を遮断するには? 〈呼吸器感染対策「咳エチケット」〉 7 その3 感染経路を遮断するには? 〈感染経路別予防策〉 9 感染防止対策の基本 手指衛生はどうして必要なの? 11 感染防止対策の基本 効果的な手指衛生とは? 13 手指衛生のための 5つのタイミング 15 手指衛生の手技の一例 (ラビング法・スクラブ法) 17
C O N T E N T S
抵抗力の高い健康な人では感染しなくても…医療関連感染って
な~に?
抵抗力が低下してくると感染力が上回って…
1 2感染は、感染力と抵抗力の力比べ。
抵抗力より感染力が上回ったとき、
感染は起こります。
医療関連感染とは、医療施設などで患者さんがもともとの病気とは別に新しくか かった感染症や、医療従事者や職員などが医療施設の中で感染した感染症のことを いいます。院内感染や病院感染ともいわれますが、医療施設だけでなく在宅ケアで の感染を含めて医療関連感染という言葉が使われています。 健康な人では抵抗力が高いため、感染力の強い病原微生物では感染を起こしても、 感染力の弱い微生物では感染を起こしません。しかし、抵抗力が低下している患者 さんは感染力の弱い微生物でも感染を起こすことがあり、このような感染を日和見 (ひよりみ)感染といいます。よく耳にするMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) による感染も日和見感染のひとつです。 医療関連感染は、人から人へ直接、または医療従事者などの人や物品、器具、環境 などを介して起こります。特に、免疫力の低下した患者さんや低出生体重児、高齢 者などの易感染患者は抵抗力が低く、通常の病原微生物だけではなく感染力の弱 い微生物でも医療関連感染を起こす可能性があります。 微生物は目に見えないため、感染の制御は簡単ではありませんが、「手を洗い、手指 を消毒する」ことで感染を予防することができます。 この冊子では、手洗いと手指消毒(手指衛生)を中心とした感染対策の基本を紹介 しています。 参考 : 「医療機関における院内感染対策ついて」(平成26年12月19日付医政地発1219第1号) (別記)医療機関における院内感染対策に関する留意事項医療関連感染ってな~に? 1 どうして感染するの? どうしたら防ぐことができるの? 3 その1 感染経路を遮断するには? 〈標準予防策〉 5 その2 感染経路を遮断するには? 〈呼吸器感染対策「咳エチケット」〉 7 その3 感染経路を遮断するには? 〈感染経路別予防策〉 9 感染防止対策の基本 手指衛生はどうして必要なの? 11 感染防止対策の基本 効果的な手指衛生とは? 13 手指衛生のための 5つのタイミング 15 手指衛生の手技の一例 (ラビング法・スクラブ法) 17
C O N T E N T S
抵抗力の高い健康な人では感染しなくても…医療関連感染って
な~に?
抵抗力が低下してくると感染力が上回って…
感染は、感染力と抵抗力の力比べ。
抵抗力より感染力が上回ったとき、
感染は起こります。
医療関連感染とは、医療施設などで患者さんがもともとの病気とは別に新しくか かった感染症や、医療従事者や職員などが医療施設の中で感染した感染症のことを いいます。院内感染や病院感染ともいわれますが、医療施設だけでなく在宅ケアで の感染を含めて医療関連感染という言葉が使われています。 健康な人では抵抗力が高いため、感染力の強い病原微生物では感染を起こしても、 感染力の弱い微生物では感染を起こしません。しかし、抵抗力が低下している患者 さんは感染力の弱い微生物でも感染を起こすことがあり、このような感染を日和見 (ひよりみ)感染といいます。よく耳にするMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) による感染も日和見感染のひとつです。 医療関連感染は、人から人へ直接、または医療従事者などの人や物品、器具、環境 などを介して起こります。特に、免疫力の低下した患者さんや低出生体重児、高齢 者などの易感染患者は抵抗力が低く、通常の病原微生物だけではなく感染力の弱 い微生物でも医療関連感染を起こす可能性があります。 微生物は目に見えないため、感染の制御は簡単ではありませんが、「手を洗い、手指 を消毒する」ことで感染を予防することができます。 この冊子では、手洗いと手指消毒(手指衛生)を中心とした感染対策の基本を紹介 しています。 参考 : 「医療機関における院内感染対策ついて」(平成26年12月19日付医政地発1219第1号)感染は、細菌、ウイルス、カビなどの微生物が原因で起こります。 そして感染の原因菌の由来により、内因性感染と外因性感染があ ります。 ●内因性感染(自己感染)/自分自身がもともと持っている微生物によるもの ●外因性感染(交差感染)/身体の外から入ってきた微生物によるもの 医療関連感染を含む多くの感染が外因性感染によるもので、他の 患者さんや医療従事者などの人を介して、また物品や器具、環境 などを介して起こります。 感染が起こるには、感染源・感染経路・宿主の3つの要因が必要であり、 どれか1つでも欠けると感染や発症には至りません。 感染の原因となる細菌、ウイルス、 カビなどの微生物と、それを保有 する人や物 血液、咳やくしゃみ、接触など、感染源 から宿主まで微生物を運ぶ手段 感染する相手となる患者さん、 医療従事者や職員など 感染源である微生物や感染する相手となる宿主を完全になくすことは不可 能です。しかし、効果的な手指衛生の実施や手袋、マスク、ガウンの着用な どで、微生物を運ぶ手段となる感染経路は断ち切ることが可能です。 感染経路の遮断により感染を予防することができます。
感染を起こす3つの要因
感染の予防は、感染経路を断ち切ることから
感染経路は
断ち切ることが
可 能
感染源を完全に なくすことは不可能
宿主を完全に なくすことは不可能
3 4感染の仕組みを知ることが、
感染予防の第一歩です。
感染は、細菌、ウイルス、カビなどの微生物が原因で起こります。 そして感染の原因菌の由来により、内因性感染と外因性感染があ ります。 ●内因性感染(自己感染)/自分自身がもともと持っている微生物によるもの ●外因性感染(交差感染)/身体の外から入ってきた微生物によるもの 医療関連感染を含む多くの感染が外因性感染によるもので、他の 患者さんや医療従事者などの人を介して、また物品や器具、環境 などを介して起こります。 感染が起こるには、感染源・感染経路・宿主の3つの要因が必要であり、 どれか1つでも欠けると感染や発症には至りません。 感染の原因となる細菌、ウイルス、 カビなどの微生物と、それを保有 する人や物 血液、咳やくしゃみ、接触など、感染源 から宿主まで微生物を運ぶ手段 感染する相手となる患者さん、 医療従事者や職員など 感染源である微生物や感染する相手となる宿主を完全になくすことは不可 能です。しかし、効果的な手指衛生の実施や手袋、マスク、ガウンの着用な どで、微生物を運ぶ手段となる感染経路は断ち切ることが可能です。 感染経路の遮断により感染を予防することができます。
感染を起こす3つの要因
感染の予防は、感染経路を断ち切ることから
感染経路は
断ち切ることが
可 能
感染源を完全に なくすことは不可能
宿主を完全に なくすことは不可能
感染の仕組みを知ることが、
感染予防の第一歩です。
感染症とわかっている患者さんにだけ対策を講じると、感染症の検 査をすり抜けたり、未知の病原体を持っていたりすると対策が取れ ず、大きな医療関連感染につながるおそれがあります。 そこで、感染を防ぐためには、感染経路別の予防策(9-10ページ)と あわせて、感染症の有無にこだわらず、すべての医療現場のすべて の患者さんに対して適用される標準予防策が必要になります。
標準予防策
(スタンダードプリコーション)
を身につけましょう。
手指衛生
5 6 1996年に米国疾病管理予防センター(CDC)から標準予防策を基 本にした感染対策が出され、2007年には「隔離予防策のための CDCガイドライン」として改訂されました。標準予防策の考え方は日 本でも取り入れられています。標準予防策
では、汗を除くすべての血液、体液、分泌物、排泄物、傷 のある皮膚、粘膜は感染性の微生物を含むかもしれないとの考えに 基づき、感染症の有無にこだわらず、すべての医療現場のすべての患 者さんに対して、手指衛生の実施や個人防護具(PPE)の着用などを 行います。標準予防策は、医療従事者の手により患者さんに感染性 の微生物を持ち込まない、患者ケアに用いた器具を介して感染性の 微生物を移動させないようにして、患者さんと医療従事者自身の身を 守ることを目的としています。 ≪手指衛生の実施≫(11-18ページ) ・手が目に見えて汚れている場合はスクラブ剤と流水で手を洗う ・血液や体液などに触れた後や手袋を外した後、患者さんと患者さんの 処置やケアの間には手指衛生を行う ≪個人防護具(PPE)の着用≫ ・血液、他の感染性物質、粘膜、傷のある皮膚、便失禁や尿失禁している患 者さんの皮膚に触れる場合は、使い捨ての手袋を着用する ・血液や体液などに触れる場合、処置やケアの間はガウンを着用する(皮 膚を守り、衣類の汚れや汚染を防ぐ) ・血液や体液などのはねやしぶきが出やすい処置やケア(特に吸引など) の間は、マスクやゴーグル、フェイスシールドを着用する(眼や鼻、口の粘 膜を守る)標準予防策
(スタンダードプリコーション)
感染症とわかっている患者さんにだけ対策を講じると、感染症の検 査をすり抜けたり、未知の病原体を持っていたりすると対策が取れ ず、大きな医療関連感染につながるおそれがあります。 そこで、感染を防ぐためには、感染経路別の予防策(9-10ページ)と あわせて、感染症の有無にこだわらず、すべての医療現場のすべて の患者さんに対して適用される標準予防策が必要になります。
標準予防策
(スタンダードプリコーション)
を身につけましょう。
手指衛生
1996年に米国疾病管理予防センター(CDC)から標準予防策を基 本にした感染対策が出され、2007年には「隔離予防策のための CDCガイドライン」として改訂されました。標準予防策の考え方は日 本でも取り入れられています。標準予防策
では、汗を除くすべての血液、体液、分泌物、排泄物、傷 のある皮膚、粘膜は感染性の微生物を含むかもしれないとの考えに 基づき、感染症の有無にこだわらず、すべての医療現場のすべての患 者さんに対して、手指衛生の実施や個人防護具(PPE)の着用などを 行います。標準予防策は、医療従事者の手により患者さんに感染性 の微生物を持ち込まない、患者ケアに用いた器具を介して感染性の 微生物を移動させないようにして、患者さんと医療従事者自身の身を 守ることを目的としています。 ≪手指衛生の実施≫(11-18ページ) ・手が目に見えて汚れている場合はスクラブ剤と流水で手を洗う ・血液や体液などに触れた後や手袋を外した後、患者さんと患者さんの 処置やケアの間には手指衛生を行う ≪個人防護具(PPE)の着用≫ ・血液、他の感染性物質、粘膜、傷のある皮膚、便失禁や尿失禁している患 者さんの皮膚に触れる場合は、使い捨ての手袋を着用する ・血液や体液などに触れる場合、処置やケアの間はガウンを着用する(皮 膚を守り、衣類の汚れや汚染を防ぐ) ・血液や体液などのはねやしぶきが出やすい処置やケア(特に吸引など) の間は、マスクやゴーグル、フェイスシールドを着用する(眼や鼻、口の粘 膜を守る)標準予防策
(スタンダードプリコーション)
その
2
「咳エチケット」
マスクの種類と適切な選択
マスクの種類 解説ガーゼマスク
飛沫が通過してしまうので、 咳エチケットには向きません。N95マスク
空 気 感 染 対 策 用 の 高 機 能マスクで、装着トレーニング (=フィット・テスト)を積んで 使用します。咳エチケットには 向きません。 咳エチケットに使用できるマ スクです。鼻当てのバーを自 分の鼻の形に合わせて調節 し、漏れがないようにします。サージカルマスク
不織布製の 布製の ●咳のある時にはティッシュペーパーで口と鼻を覆う ●使用したティッシュペーパーは迅速に廃棄 ●咳をしている人はサージカルマスクを装着する ●呼吸器分泌物に触れたあとには手指衛生を行う ●可能であれば、一般待合室では呼吸器症状のある人から 空間的距離(理想的には1m以上)を空ける マスクには大きく分けて3種類があり、「咳エチケット」には 不織布製のサージカルマスクを使用します。咳エチケットと手洗いで感染予防!
インフルエンザウイルスやアデノウイルス などのウイルス性呼吸器感染症が季節的 に流行している時期は、ポスターを貼って、 感染予防を呼びかけましょう。 咳エチケットは、患者さんや付き添いのご家族、面会者などにも 協力をお願いしましょう。 7 8 標準予防策として血液や体液などへの対策が取られていました が、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の世界的な拡大 をきっかけに、呼吸器感染症への対策も必要と考えられるようにな りました。 呼吸器感染症の原因となる病原体(インフルエンザウイルスやア デノウイルス、百日咳など)は咳やくしゃみで生じる飛沫に含まれ ており、飛沫を拡散させないことが感染の予防につながります。そ こで、咳やくしゃみに対する防御として考えられたのが「咳エチ ケット」です。呼吸器感染対策「咳エチケット」
その
2
「咳エチケット」
マスクの種類と適切な選択
マスクの種類 解説ガーゼマスク
飛沫が通過してしまうので、 咳エチケットには向きません。N95マスク
空 気 感 染 対 策 用 の 高 機 能マスクで、装着トレーニング (=フィット・テスト)を積んで 使用します。咳エチケットには 向きません。 咳エチケットに使用できるマ スクです。鼻当てのバーを自 分の鼻の形に合わせて調節 し、漏れがないようにします。サージカルマスク
不織布製の 布製の ●咳のある時にはティッシュペーパーで口と鼻を覆う ●使用したティッシュペーパーは迅速に廃棄 ●咳をしている人はサージカルマスクを装着する ●呼吸器分泌物に触れたあとには手指衛生を行う ●可能であれば、一般待合室では呼吸器症状のある人から 空間的距離(理想的には1m以上)を空ける マスクには大きく分けて3種類があり、「咳エチケット」には 不織布製のサージカルマスクを使用します。咳エチケットと手洗いで感染予防!
インフルエンザウイルスやアデノウイルス などのウイルス性呼吸器感染症が季節的 に流行している時期は、ポスターを貼って、 感染予防を呼びかけましょう。 咳エチケットは、患者さんや付き添いのご家族、面会者などにも 協力をお願いしましょう。 標準予防策として血液や体液などへの対策が取られていました が、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の世界的な拡大 をきっかけに、呼吸器感染症への対策も必要と考えられるようにな りました。 呼吸器感染症の原因となる病原体(インフルエンザウイルスやア デノウイルス、百日咳など)は咳やくしゃみで生じる飛沫に含まれ ており、飛沫を拡散させないことが感染の予防につながります。そ こで、咳やくしゃみに対する防御として考えられたのが「咳エチ ケット」です。呼吸器感染対策「咳エチケット」
標準予防 N95マスク 感染経路別予防策には、3つの対策(空気予防策、飛沫予防策、接触 予防策)があり、標準予防策だけを実施しても感染経路を完全に遮 断できない場合に行います。 いずれの感染経路別予防策も、必ず標準予防策とあわせて行います。 また、複数の感染経路があるような感染症(たとえばアデノウイル スやSARSなど)では、いくつかの感染経路別予防策を組み合わせ て実施します。 標準予防 サージカルマスク 標準予防 防護具 ガウン 個室に移す。 相部屋であれば ベッド間隔を1m 以上※離すかカー テンなどで仕切る 空気中に浮遊し て長距離でも感 染性を維持する 微生物を含んだ 5μm以下の飛 沫核や小粒子の 吸入により起こ る ●麻疹 ●水痘 ●結核 ●SARS など 陰圧、換気設備の ある個室に隔離 ●インフルエンザ ●アデノウイルス ●ライノウイルス ●風疹 ●流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ) ●百日咳 ●髄膜炎 ●A群連鎖球菌 ●マイコプラズマ 肺炎 ●SARS など ●多剤耐性菌 ●クロストリジウム・ ディフィシル ●ノロウイルス ●ロタウイルス ●RSウイルス ●アデノウイルス ●SARS など 咳やくしゃみなど で生じる微生物 を含 んだ5μm 以上の飛沫の吸 入により起こる 汚染された手指、 器具、環境など への接触により 微生物が伝播し て起こる (5-6ページ) 感染経路 解 説 主な感染症/病原体 空気予防策 飛沫予防策 接触予防策 感染経路別予防策 ※1μm(マイクロメート ル)は1mmの1000分 の1の大きさ ※ガイドラインにより2m離す との表記もある 手指衛生 標準予防
参考 : 2007 Guideline for Isolation Precautions :
Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Setting (MRSA、ESBL産生菌など)
標準予防 N95マスク 感染経路別予防策には、3つの対策(空気予防策、飛沫予防策、接触 予防策)があり、標準予防策だけを実施しても感染経路を完全に遮 断できない場合に行います。 いずれの感染経路別予防策も、必ず標準予防策とあわせて行います。 また、複数の感染経路があるような感染症(たとえばアデノウイル スやSARSなど)では、いくつかの感染経路別予防策を組み合わせ て実施します。 標準予防 サージカルマスク 標準予防 防護具 ガウン 個室に移す。 相部屋であれば ベッド間隔を1m 以上※離すかカー テンなどで仕切る 空気中に浮遊し て長距離でも感 染性を維持する 微生物を含んだ 5μm以下の飛 沫核や小粒子の 吸入により起こ る ●麻疹 ●水痘 ●結核 ●SARS など 陰圧、換気設備の ある個室に隔離 ●インフルエンザ ●アデノウイルス ●ライノウイルス ●風疹 ●流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ) ●百日咳 ●髄膜炎 ●A群連鎖球菌 ●マイコプラズマ 肺炎 ●SARS など ●多剤耐性菌 ●クロストリジウム・ ディフィシル ●ノロウイルス ●ロタウイルス ●RSウイルス ●アデノウイルス ●SARS など 咳やくしゃみなど で生じる微生物 を含 んだ5μm 以上の飛沫の吸 入により起こる 汚染された手指、 器具、環境など への接触により 微生物が伝播し て起こる (5-6ページ) 感染経路 解 説 主な感染症/病原体 空気予防策 飛沫予防策 接触予防策 感染経路別予防策 ※1μm(マイクロメート ル)は1mmの1000分 の1の大きさ ※ガイドラインにより2m離す との表記もある 手指衛生 標準予防 (MRSA、ESBL産生菌など)
アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法(ウォーター レス法)か消毒剤入りスクラブ剤と流水によるスクラブ法 状況に応じて日常の手洗い、衛生学的手洗い、 手術時の手洗いを行います。 CDCやWHOの手指衛生のガイドラインでは、目に見えて汚れがなければアルコール含有 の手指消毒剤による手指消毒(ラビング法)を推奨しています。 衛 生 学 的 手 洗 い
手指衛生の必要性
医療従事者や職員などの手指は病原体の主な伝播経路であり、手指衛生を 行うことで医療関連感染の発生率を減少させると報告されています1)2)。 自分自身を感染から守るのはもちろんのこと、手指を介した病原体の伝 播・拡散を防ぐために、適切な手指衛生は必要です。 食事の前やトイレの後、 業務の前後など (日常生活に伴う手洗い) 色々なものに触れる機会が多い手指には、目には見えない多くの微 生物が付着しやすくなっています。もし、病原微生物が付着してい る手指で患者さんの処置やケアをしたり、色々なものに触ること で、病原微生物が伝播され、感染を引き起こすおそれがあります。 そのため、手指衛生は重要な感染対策とされています。1) Larson E.:Infection Control Hospital Epidemiol 1988;9:28-36 2) Larson E.:Clin Infect Dis 1999;29:1287-94
アルコール含有の 手指消毒剤によるラビング法
アルコール含有の 手指消毒剤によるラビング法
アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法(ウォーター レス法)か消毒剤入りスクラブ剤と流水によるスクラブ法 状況に応じて日常の手洗い、衛生学的手洗い、 手術時の手洗いを行います。 CDCやWHOの手指衛生のガイドラインでは、目に見えて汚れがなければアルコール含有 の手指消毒剤による手指消毒(ラビング法)を推奨しています。 衛 生 学 的 手 洗 い
手指衛生の必要性
医療従事者や職員などの手指は病原体の主な伝播経路であり、手指衛生を 行うことで医療関連感染の発生率を減少させると報告されています1)2)。 自分自身を感染から守るのはもちろんのこと、手指を介した病原体の伝 播・拡散を防ぐために、適切な手指衛生は必要です。 食事の前やトイレの後、 業務の前後など (日常生活に伴う手洗い) 色々なものに触れる機会が多い手指には、目には見えない多くの微 生物が付着しやすくなっています。もし、病原微生物が付着してい る手指で患者さんの処置やケアをしたり、色々なものに触ること で、病原微生物が伝播され、感染を引き起こすおそれがあります。 そのため、手指衛生は重要な感染対策とされています。 アルコール含有の 手指消毒剤によるラビング法 アルコール含有の 手指消毒剤によるラビング法手指衛生は必要なときに
正しい手技で行うことで
効果が得られます。
効果的な手指衛生を行うためには、いつ、どのように 行えばよいのでしょう。ここでは、WHO「手指衛生の ための5つのタイミング」と手指衛生の正しい手技 の一例(ラビング法・スクラブ法)を確認します。効果的な手指衛生を行うために
手指衛生は適切なタイミングで行いましょう
正しい手技を身につけましょう
手指衛生の原則は「一処置一手指衛生」です。 WHO「手指衛生のための5つのタイミング」1) (15 -16ページ)を参考にしましょう。適切な薬液の量と消毒時間を守りましょう
薬液量が少ないと十分な効果が得られません。 また、十分な効果を得るためには、適切な消毒時間が必要です。 手指衛生の手技の一例(17-18ページ)を参考にしましょう。 手洗いトレーニング装置などを用いると、手指の洗い残しや手指消毒の ミスが確認でき、正しい手技の習得につながります。手指衛生のミスが多い部分
指先 ・ 指間 ・ 親指
消毒時間2) アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 全工程で20~30秒 スクラブ剤と流水によるスクラブ法 全工程で40~60秒1) WHO ‘My 5 Moments for Hand Hygiene’
http://www.who.int/gpsc/5may/background/5moments/en/ 2) WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/44102/1/9789241597906_eng.pdf
次項では、WHO「手指衛生のための 5つのタイミング」を紹介します。
手指衛生は必要なときに
正しい手技で行うことで
効果が得られます。
効果的な手指衛生を行うためには、いつ、どのように 行えばよいのでしょう。ここでは、WHO「手指衛生の ための5つのタイミング」と手指衛生の正しい手技 の一例(ラビング法・スクラブ法)を確認します。効果的な手指衛生を行うために
手指衛生は適切なタイミングで行いましょう
正しい手技を身につけましょう
手指衛生の原則は「一処置一手指衛生」です。 WHO「手指衛生のための5つのタイミング」1) (15 -16ページ)を参考にしましょう。適切な薬液の量と消毒時間を守りましょう
薬液量が少ないと十分な効果が得られません。 また、十分な効果を得るためには、適切な消毒時間が必要です。 手指衛生の手技の一例(17-18ページ)を参考にしましょう。 手洗いトレーニング装置などを用いると、手指の洗い残しや手指消毒の ミスが確認でき、正しい手技の習得につながります。手指衛生のミスが多い部分
指先 ・ 指間 ・ 親指
消毒時間2) アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 全工程で20~30秒 スクラブ剤と流水によるスクラブ法 全工程で40~60秒1) WHO ‘My 5 Moments for Hand Hygiene’
http://www.who.int/gpsc/5may/background/5moments/en/ 2) WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/44102/1/9789241597906_eng.pdf
次項では、手指衛生の手技の一例(ラビング法・スクラブ法)を紹介します。
WHO ‘My 5 Moments for Hand Hygiene’より改変 http://www.who.int/gpsc/5may/background/5moments/en/
WHO ‘Your 5 moments for HAND HYGIENE’より改変
http://www.who.int/gpsc/5may/Hand_Hygiene_When_and_How_Leaflet.pdf?ua=1 患者さんに 触れた
後
体液曝露 リスクの後
1
患者さんに 触れる前2
清潔/ 無菌操作の前3
体液曝露 リスクの後4
患者さんに 触れた後5
患者さん周辺の 物品に触れた後 患者さんに 触れる前
いつ? 例えば? いつ? 例えば? いつ? 例えば? 患者さんに近づくときは、患者さんに触れる 前に手指衛生を行いましょう 口腔 / 歯科ケア、分泌物の吸引、創部ドレッシ ング、カテーテル挿入、食事や投薬の準備など 体液曝露リスクのすぐ後(そして手袋をはず した後)に手指衛生を行いましょう 患者さんの体位変換の介助、臨床の検査・ 診察(入浴や清拭、脈拍測定、血圧測定、胸部 聴診、腹部触診)、握手など 全ての清潔 / 無菌操作の直前に、手指衛生 を行いましょう 腰椎穿刺、外科的な処置、気管吸引などの清 潔操作では手袋を着用し、手袋の着用前にも 手指衛生を行いましょう 口腔 / 歯科ケア、分泌物の吸引、血液の採取 と処理、尿や糞便の除去、汚物(包帯・ナプキ ン・失禁パッド)の処理など いつ? 例えば? 患者さんのそばを離れるときは、患者さんに 触れた後や患者さんのすぐ周りの環境に触 れた後に手指衛生を行いましょう 患者さんの体位変換の介助、臨床の検査・ 診察(入浴や清拭、脈拍測定、血圧測定、胸部 聴診、腹部触診)、握手など いつ? 例えば? もし患者さんに触っていなくても、患者さん のそばを離れるときは、患者さんのすぐ周り の環境にある物品や備品に触れた後に手指 衛生を行いましょう ベッドリネンの交換、点滴の注入速度調整など 患者さんに とって感染 リスクがある ところ患者領域
医療領域
1
4
5
3
清潔 / 無菌操作の前
2
体液曝露 リスクが あるところ手指衛生のための
5
つのタイミング
患者さん 周辺の物品に 触れた後
15 16次項では、手指衛生の手技の一例(ラビング法・スクラブ法)を紹介します。
WHO ‘My 5 Moments for Hand Hygiene’より改変 http://www.who.int/gpsc/5may/background/5moments/en/
WHO ‘Your 5 moments for HAND HYGIENE’より改変
http://www.who.int/gpsc/5may/Hand_Hygiene_When_and_How_Leaflet.pdf?ua=1 患者さんに 触れた
後
体液曝露 リスクの後
1
患者さんに 触れる前2
清潔/ 無菌操作の前3
体液曝露 リスクの後4
患者さんに 触れた後5
患者さん周辺の 物品に触れた後 患者さんに 触れる前
いつ? 例えば? いつ? 例えば? いつ? 例えば? 患者さんに近づくときは、患者さんに触れる 前に手指衛生を行いましょう 口腔 / 歯科ケア、分泌物の吸引、創部ドレッシ ング、カテーテル挿入、食事や投薬の準備など 体液曝露リスクのすぐ後(そして手袋をはず した後)に手指衛生を行いましょう 患者さんの体位変換の介助、臨床の検査・ 診察(入浴や清拭、脈拍測定、血圧測定、胸部 聴診、腹部触診)、握手など 全ての清潔 / 無菌操作の直前に、手指衛生 を行いましょう 腰椎穿刺、外科的な処置、気管吸引などの清 潔操作では手袋を着用し、手袋の着用前にも 手指衛生を行いましょう 口腔 / 歯科ケア、分泌物の吸引、血液の採取 と処理、尿や糞便の除去、汚物(包帯・ナプキ ン・失禁パッド)の処理など いつ? 例えば? 患者さんのそばを離れるときは、患者さんに 触れた後や患者さんのすぐ周りの環境に触 れた後に手指衛生を行いましょう 患者さんの体位変換の介助、臨床の検査・ 診察(入浴や清拭、脈拍測定、血圧測定、胸部 聴診、腹部触診)、握手など いつ? 例えば? もし患者さんに触っていなくても、患者さん のそばを離れるときは、患者さんのすぐ周り の環境にある物品や備品に触れた後に手指 衛生を行いましょう ベッドリネンの交換、点滴の注入速度調整など 患者さんに とって感染 リスクがある ところ患者領域
医療領域
1
4
5
3
清潔 / 無菌操作の前
2
体液曝露 リスクが あるところ手指衛生のための
5
つのタイミング
患者さん 周辺の物品に 触れた後
手指衛生の注意点
手指衛生の手技の一例(ラビング法・スクラブ法)
日常の手洗いや衛生学的手洗いでは、 目に見えて汚れがない場合はアルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 目に見えて汚れがある場合はスクラブ剤と流水によるスクラブ法 を行います。 アルコール含有の手指消毒剤を手に塗り広げ乾燥させる手指消毒法で、 目に見えて汚れがない場合に行います。 スクラブ剤と流水による手洗い法で、目に見えて汚れがある場合に行います。 消毒剤入りスクラブ剤を用いることで、洗浄と消毒の2つの効果があります。ラビング法(擦式法)
スクラブ法(洗浄法)
アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 全工程で20~30秒1) スクラブ剤と流水によるスクラブ法 全工程で40~60秒1) 薬液を手のひらに とります。 指先や爪の部分に薬液を浸します。 手のひらに塗り広げます。 手の甲に塗り広げ ます。 指の間を交差させます。 親指を反対の手のひ らで包むように塗り 広げます。 手洗いの後、蛇 口は素手で閉め ず、ペーパータオ ルを使って閉め ること。 ダストボックスの ふたには直接手を 触れずにゴミをす てること。 要チェック 要チェック1
2
3
手をぬらして、スク ラブ剤を手のひらに とり泡立てます。 手のひらと手のひら を擦ります。 右手のひらで左手の甲を、左手のひらで 右手の甲を擦ります。1
2
3
指を組み合わせ、指 の間を擦ります。 反対の手のひらで、爪まで擦ります。 親指を反対の手のひらで包むように擦ります。4
5
6
指先は、手のひらの 中央で円を描くよう に擦ります。 流水で洗い流します。 ペーパータオルで拭き、 よく水気を取ります。7
8
9
4
5
6
乾燥後は擦らないようにします。 手は完全に乾燥させる 使い捨てのペーパータオルを使う (共用使用する布タオルは使用しない) 要チェック 手洗い後の注意点1) WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/44102/1/9789241597906_eng.pdf 指先も しっかりと 指先も しっかりと 指の間は 大丈夫? 親指も 忘れずに ・時計や指輪は外しておく ・爪は短く切っておく ・薬剤の継ぎ足しはしない(薬剤の細菌汚染につながることがある) 指の間は 大丈夫? 要チェック 親指も 忘れずに 要チェック 要チェック 17 18
手指衛生の注意点
手指衛生の手技の一例(ラビング法・スクラブ法)
日常の手洗いや衛生学的手洗いでは、 目に見えて汚れがない場合はアルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 目に見えて汚れがある場合はスクラブ剤と流水によるスクラブ法 を行います。 アルコール含有の手指消毒剤を手に塗り広げ乾燥させる手指消毒法で、 目に見えて汚れがない場合に行います。 スクラブ剤と流水による手洗い法で、目に見えて汚れがある場合に行います。 消毒剤入りスクラブ剤を用いることで、洗浄と消毒の2つの効果があります。ラビング法(擦式法)
スクラブ法(洗浄法)
アルコール含有の手指消毒剤によるラビング法 全工程で20~30秒1) スクラブ剤と流水によるスクラブ法 全工程で40~60秒1) 薬液を手のひらに とります。 指先や爪の部分に薬液を浸します。 手のひらに塗り広げます。 手の甲に塗り広げ ます。 ます。指の間を交差させ 親指を反対の手のひ らで包むように塗り 広げます。 手洗いの後、蛇 口は素手で閉め ず、ペーパータオ ルを使って閉め ること。 ダストボックスの ふたには直接手を 触れずにゴミをす てること。 要チェック 要チェック1
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手をぬらして、スク ラブ剤を手のひらに とり泡立てます。 手のひらと手のひら を擦ります。 右手のひらで左手の甲を、左手のひらで 右手の甲を擦ります。1
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指を組み合わせ、指 の間を擦ります。 反対の手のひらで、爪まで擦ります。 親指を反対の手のひらで包むように擦ります。4
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指先は、手のひらの 中央で円を描くよう に擦ります。 流水で洗い流します。 ペーパータオルで拭き、 よく水気を取ります。7
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乾燥後は擦らないようにします。 手は完全に乾燥させる 使い捨てのペーパータオルを使う (共用使用する布タオルは使用しない) 要チェック 手洗い後の注意点1) WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/44102/1/9789241597906_eng.pdf 指先も しっかりと 指先も しっかりと 指の間は 大丈夫? 親指も 忘れずに ・時計や指輪は外しておく ・爪は短く切っておく ・薬剤の継ぎ足しはしない(薬剤の細菌汚染につながることがある) 指の間は 大丈夫? 要チェック 親指も 忘れずに 要チェック 要チェック