【論 文
1
UDC :693.
547.
4 日本 建 築 学 会 構造 系 論 文 報 告集 第 394 号・
昭 和 63 年12月底 面
で
連 続 拘 束
を
受
け る
壁 状
マス
コン
ク
リ
ー
ト
構 造 体
の
温 度 応 力
と
ひ
’
び
わ れ
に
関
す
る
基礎 実
験 研
究
正 会 員山
崎
敞
敏
*1
.
序 底 面か ら連 続 拘束を受け る壁 状の マ ス コ ン クリー
トで は温 度 下 降 時に生 じ る冷 却 収 縮と,
底面か らの 拘 束に よって,
引 張 応 力を生じ;往々 に し て温度ひび割れを 生 じ る。
従 来,
マ ス コ ンク リー
トの温 度ひ び割れ は単 位セ メ ン・
ト量の低 減・
低 発 熱 性セ メン トの使用などの対策に よっ て発 生を防止す ること が一
般 的であっ た が,
発 生 防 止の対策が十 分 とれ る場 合ば か りでな く,
ひび割れ発 生 が回 避 出来ない場 合も多か っ た。 し たがっ て,
こ の よ う な 場合に対して, ひび割れ発 生は是 認し,
ひび割れ幅を 許 容 値 以 下に しよ う と する考え が出て き ている。 本研究 は,
この よ うなす う勢 を 踏ま えて, ひび割れ発生 材 令・
ひ び割れ間 隔・
ひび割れ幅などと温 度 履 歴との関 係を求 める ことを 目 的 とし た。
これによっ て,
壁 状マ スコ ンク リー
トの ひび割れ発 生 を, 外 部 拘 束・
温 度 履 歴な ど か ら 予 測す る方法 を確立す る た めの一
助 とするもの で あ る。 特に,
本実験では,
温 度 降 下 量と壁 長との関 係,
無 筋の 場 合の ひ び割れ状況につ い て検 討し た。
2.
既 往 研 究の概 観 マ ス コ ン ク リー
トの壁 状 構 造 物で他の構 造体か ら拘 束 を受けて い る場 合の工事 報 告は 枚挙に 暇の ないほ どの文 献がある。 し か し,
実 構造物の場合は, 周 辺構 造 物・
下 部 構 造 体・
コ ン ク リー
ト内の埋 設 物などの存 在 や,
柱 型・
直 交壁 の存 在によ る 断 面変化などで状 況が複 雑に な る こと が多い。 状況 が複雑に なる ほど, 他の要 因によ る 影 響が 入 り込み,
現象の把 握 が 因 難にな る。
基 礎 的な研 究に お い ては,
純 粋な状況 を再 現す ることが望 まし い。
マ ス コ ンクリー
トの状 況を出来るだ け純粋に取り出し た研 究 とし て は,
すで に幾つ か の報 告が あ る。
こ こでは, 底 面か ら運 続 拘 束を受け る 壁状マ ス コ ン ク リー
トに関す るもの につ い て,
以 下に述べ る 。 井 村 ら])は長 さ15m
拘 束 度 約 30%,
温 度 降 下 量 30℃ 程 度の実 験 を 行い,
ひび割れ 発生の な か っ た こ と を報告して い る。
田 辺 ら2}は 長さ 15m の 試 験 体を用い た実験に よ り, 拘束 体と被 拘 束 体と の間に挿 し筋 を持た ない場 合に,
打 象 鹿 島 建 設 技 術 研 究 所 主 管 研究員 〔昭和 63 年 6 月 28 日原 稿 受 理) 継ぎ面に おい てス リッ プ破 壊が生 じ たことを報告し てい る。
新 開ら3}は各 種 温 度ひ び割れ制 御 対 策の比較 実 験と し て長 さ15皿 の供 試 体に よるユ1体の試 験を実 施 し, そ れ ぞ れの対 策の効 果を述べ て いる が,
そ の中で ひび割れ 発生 応 力 と してその材令にお け る 引 張 強 度の60
%程 度 であっ た と報告してい る。 い’
ずれ もマ ス コ ン ク リー
トと し ての温 度 履 歴 を もつ試 験 体に関 して 詳細 な測 定を実 施し報 告 し てい るが,
初ひ び割れ か ら順 次, ひび割れ の発 生を時 系 列 的に観 察測定 し た報 告は少ない。 日本コ ン ク リー
ト工学 協 会に よるマ ス コ ン ク リー
トひ び割れ制 御指針の資 料 1に よる と4) , 長さ 15m の試 験 体 たよ る19
体を用い,
温 度 応 力およ び 温 度ひび割れ幅 の 特性,
機構を 明 ら かにす ることに主眼をお い た実 験を 行っ てい る。 そ して底 面で連続拘 束 を受ける壁 状 搆 造 物 では,
貫通 し た ひび割れの間 隔 を決 定する もの は,
主と して拘束体との間の接 合 面の付 着 作 用で ある ことなどの 知 見 を得ている。
ひび割れ間 隔の推 定 方 法に関して は,
前 記の ひび割れ 指 針に紹介が あ り51,
そ の後も研究が発表さ れて い るが,
ひ び割れ発生後の L/H (壁 長 と 壁 丈 との比)と 温度 降 下 量と の関係を 追究し た も の は ない よ う で あ る。
ひび割れ幅の推 定 方 法に つ い て も, 同 指 針に 5)紹 介さ れて いる が
,
鉄 筋 比=0
%の状 態に適用で きるもの は少 ない。 底面か ら連続拘 束を受け る壁状構造物の ひび 割れ につ い て,
実 際の工事には鉄 筋量のか な り少ない場 合 も ある の で,
鉄 筋比=
0 % を カバー
出来る 推定式の方が望 ましい。 3.
実 験の概 要 マ ス コ ンク リー
トの 実験 は,
温 度 条 件 を 再 現 させ る必 要か ら,
必然 的に大規模な実験と な る。
試 験 体 を小 型 化 す る と セメ ン トの水 和 熱に よっ て発 生 する熱が外 部へ 逸 散し や す く,
試 験 体の温 度が上が らないか らであ る。 し か し, 規 模の大きい実 験は実 験の実 施に当たっ て費 用・
実 験 場 所な ど色々な面で困 難であ る。
各種の要因 を検 討 する た め に パ ラ メ ト リッ クに,
多数の実験 を行うの はか なりの経 済 的 負 担を伴 う。本 実 験で は, 若 干の 工 夫に よ り小 型 化 し た試 験 体に よっ て実 験し た
。
すな わ ち,
試 験 部 分の温 度は水 和 熱に よるか わ り に ヒー
タで加 熱・
保 温し,
拘 束 体の温 度は,
熱 伝 導に よ る温 度上昇を防ぐ た めに埋め込み クー
リング パ イ プで冷却する方 法を採用 し た もの で ある。 加熱保 温 す る部分の温度は,
外部か らコ ン トロー
ル す る方 式と し た。 この方式に よ る メ リッ トは, 実験を小型 化し たこと の ほ か に,
壁厚方向の温度差の解消に よ り,
部材 内温度 差の効 果 (い わ ゆ る内 部 拘 束 効 果 )が回 避でき るこ とで あ る。 試験 体は,
4 体で あ り,
温 度 履 歴をパ ラ メー
ター
とし た実 験である。4.
試 験 体 マ ス コ ンク リー
トを模擬す る基 礎 梁状ある い は厚 壁状セ
@
1°°mm “ スタ イロ7 オー
ム.
圏
.
獣 験 体 ■ 温 水パ イア 温 水 丶 4 冷 水‘
‘
「 埒 水 パ イプ 幾し筋 〔鍔つ き 6φボ ル ト Oloo 子.
鳥 及 塩ビ管lI
拘束体 長 さの単位 はmm A−
A断 面 8000ぜ
i°°「nm “
’
t「
止 り 防 止fien: Rt柱.
・
試 :験 :体 翫 ス騨
拘 束体 図一
11
」 1。。・L
_ _
豐
_
鵡
・ 試 験体 qo ゆ 1レ
・躑 還L 筋【6mmφホ ル ト1J ワ
ッ
シャ
ー
硬質塩化 し’
=,
ル管シー
ス 差 し筋〔anmφStル ト1 拘 更体 ワッ
シャー
1断 面 図1、
丶
ナッ
ト 長さ の擘位はmm 図一
2 差し筋 配 置 図 (以 下 壁 状で統一
一
)の試 験 部 分は, 壁 幅10cm
, 壁 丈 40cm,
壁 長8m とし,
こ の壁に比べ て十 分に剛な断 面 (断 面 積の比 1:9)を持つ 拘束 体の上に打 設 し た。
試 験 体 形 状を図一
1に示 す。 試 験 体の長さは,
ひび割れ間 隔のばらつ き を考慮して,
十 分 長く とっ て ひび割れ発 生 数 を多く得ら れ る よ うに配 慮 し た。 拘束体と し て は,
幅80cm ,
高さ45 cm 長さ8m
の基 礎ブロ ック を設け た。 拘束体を含め た全 体の図を図一
一
1 に示 す。
壁の片 側の側 面 全 面に面 状 発 熱 体 を取 付け,
マ ス コ ン クリー
トを模 擬し た温 度 を履 歴 させ た (7.
で詳 述 〉。
壁と拘 束 体との打ち継ぎ部 付 近に は温 水お よ び冷 水の 配 管を し た (図一
1)。 (壁の下 端の配 管は温 水 用で あり, 熱が拘束 体に流れ る た めに壁の温 度が下が るの を防 ぐた めの もの であ る。
拘束 体の上部の配管は冷 水 用で あり, 試 験体の熱が拘 束体に流れ拘束体の 温 度が 上 が るの を防七
H
ぐ た めの ものである。
)壁お よび拘 束 体がマ ス コ ンク リー
トとし て本 来の温 度 を保て るよ うに外 部か ら 温度コ ン トスタ
駅
蟲聯
ロ
ー
ル し た。 加 熱 方 法につ い て は後 述する。
面dieene体
鉄 筋は拘 束 体とのつ な ぎの た めの上 下 筋 (差 し筋)の み である
。
差し筋 径は 6mm φである。
差 し筋の配 置 図§
§
.
を図一
2に示 す。
鴦お
打 ち継 ぎ 面の状 況 を写真
一1
に示す。
拘 束体は一
体で Xクー
リンa,
、N.
nyフ.
あ り, 試 験 体4体に対して転用 し た
。
差 し筋 は拘 束 体の 転 用 を考慮 して拘 束体に対し て は ボル ト形 式と し拘 束 体割
罵
難 黶
購
撫
ンク リー
トがマ ス コ ンク リー
ト温 度 を履 歴した後,
こ の プレス トレス を解 放す ることで試 験 体 部 分に引 張 を 生じ させ, 試験 体 にお け る 温 度 降下と拘 束 体の拘 束効果によ り試 験 体 部 分に引 張 を生じ さ せ るこ と と 同様の 効果を期 待した。
5.
パ ラメー
ター
マ ス コ ンク リー
トの温度履 歴 (最高温 度・
昇 温 速 度な 写 真一
1 打ち継ぎ面の状 況 (拘束体の上 面 )一 28 一
ど)をパ ラ メ
ー
ター
とした。
温 度 履 歴の要 点を表一
1に 示 す。
壁 断 面は本 実 験 計 画の範 囲で は一
定 (壁 高40cm
, 壁 厚10cm )』
と した。 冷 却 速 度はパ ラ メー
ター
と して は採 用 し な かっ た。
壁の断 面 内 温 度 分 布 も一
様 とし た。
(実 部材で は, 中 心温 度と表 面 温 度と は差があるが, 今 回の実験では パ ラ メー
ター
と し て採 用し な かっ た。
) 計画 温 度 履 歴を図一
3に示 す。 ピ ニ ク 温 度が材 令1日 で温度55
°C
と な る程度を 標 準とし (No .
1),
そ れより 遅 く ピー
クに到達す る 場合 (No .
2),
高い ピー
ク温 度 を 持つ 場合、
(No .
3 )を 選定し た。 初 期 材 令に生 じる圧 縮 応 力の効 果 を回避し て,
降温時の効果の み を明 らかにす る た め,
ごく若材 令で ピー
ク温度まで昇 温さ せ る試 験 体 (No 、
4
)も含めた。 拘 束度はパ ラメー
ター
と しては採 用して いない 。6.
コ ンク リー
ト調 合 コンクリー
トは普 通コ ンクリー
トとし た。
調 合は建 築 工事でマ スコ ンク リー
ト工事に一
般に用い られ る程 度の 表一
1 試 験体計 画一
覧 最 高 温 度 昇 温 速 度 綾 筋 隔 水 平 筋1
1
No.
1No
.
2No
.
3Ne.
4
55
℃55
℃ 75℃55
℃35°
C
!1Day
6
田mφ @100
35
℃/2Day 〃 50℃/1Day 〃35
℃ ノ0.
25Day
〃 ・一
〃 〃 〃 80 【°
Cl60 40 20 No.
5 No.
4 ← 75 bC o o奪
ρ
← 559C 「 2 3 4 5 図一
3 計画温度履歴 表一
2 使 用 材 料と調 合 6 (dqy,7 セ メ ン ト 骨 材 混 和剤 晋 通セ メ ン ト (M
社 製 )1
普通骨 材最 大寸 法 :
20mm
l
リ グニ ン スル ホン酸 塩 系AE減 水 剤0.
25%l
i 。 .ン 瞳1
、
セメ ン ト量の コ ン クリー
トと し,一
種 類と し た。1
体目〜
4体 目とも 同一
調 合である。
調 合 表を表一
2に示 す。
7.
加 熱 冷却方 法 壁 部の側 型 枠の内 表 面の一
方に面 状 発 熱体を貼り付 け,
コ ンク リー
ト打 ち込み直 後 より加 熱し た。
壁の断 面 内の温度分布は均一
に近い状 態を 目標と したが, 面 状発 熱体は片 面だけで あ るの で試 験 体 厚み方 向に若 干の温 度 差は生じ ること に な る。 た だ し,
壁 側 面と上 面は厚 さ 50mm の発 泡 ポリスチ レ ン板で覆っ てあ るの で壁 厚さ 方 向の温度差は小さい。 断面 内の温度分布に よ る ひび割れへ の影 響を見ること は今 回の検 討範囲 か ら除外し た。壁 部の加熱に よ り拘束体の温 度の上 昇 すること を 防 ぐ た め
,
拘束体と の打ち継ぎ部 分に は,
図一
1に示 す よ う に高温側,
低温側の配管を行い,
そ れ ぞ れ温 水と冷 水を 通レ,
所定の温 度が保て るよ うに し た。 (拘 束 体に対 し て は冷水の通るパ イ ブが クー
リングパ イ プと して働き,
壁 部に対 して は 温水の 通 るパ イプが保温パ イ プとし て働 く。
)温度 制御の方 法の う ち,
面状発 熱 体の温 度は計画 した温 度 履 歴 とな る ように自動制御装置に よっ てコ ン ト ロー
ル し た。
温 水パ イ プ用の水 槽の温 度も 同様に自動 制 御し た。
冷 水 用パ イプに関して は, 上 水 道 水を直結して 流し放し と し た。8.
測 定 項 目・
測 定 位 置 測 定 項目は ひび割れ (目視に よ る)の ほ か, 試 験 部 分 で は温 度のみ と した。 いずれも銅コ ン スタンタン熱 電 対 (補償 導 線の先 端 をショー
トさせ たもの) を 埋 設 する こ とに より行っ た。
補 償 導線はエ ナメ ル被覆 0.
2mm φの もの で ある。
測 定は デ ジ タル ひずみ 測定器 (T 社 製TDS
501型 ) を用い 自 動 計 測 を行っ た。
測 定 間 隔は30 分である。
ひび割れ観 察は,
試 験 体が冷え て, 温 度が室 温に達し た時に,
型枠を外して行っ た。 ひび割れパ ター
ン・
ひび 割 れ間 隔・
ひび割れ幅を観 察・
測 定し た。
ひび割れ幅 測 定はク ラッ クゲー
ジに よ り行っ た。 ひび割れ発 生材令を 測定す る た めには,
歪 計・
応 力 計 の類を 埋 設 す る 必 要 が あ る が,
断面が 小 さい 試験 体で こ の種の計 器の埋設を す る と断面欠 損の割 合が大と な り,
ひび割れの誘発原因 とな る。 この た め,
試験 体内へ 埋 め 込 む代わ りに,
拘 束 体内に 埋 込 み 型 歪計を埋 設して,
ひ び割れの発生材令
と順 序を測定し た。 す な わち,
ひび割 れ発 生に よ る影響が拘束体に及ぼ す影 響を,
拘 束 体の歪 ス ラ ンプ 強 度W
/C l8 30556嚠
5
crn kg/cmA3X
S
/A 空 気 量47.
4
4.
0
累 器3
且7kg /而3
1
7 e 言.
、.
、−
1
綴
滷
璽
L
_
__
一 塑∠_ _____
」飜
単伍L
劃 図一
4 埋込 み型 歪 計配 置図変化と し て検出し た もの で あ る。 埋め 込 み型 歪 計 (
K
社製BS
8
F
型)の配置を 図一4
に示す 。 拘 束 体の プレス トレス 量はPC
鋼 棒に 直列に入 れ た ロー
ドセ ル に よっ て測 定し た。
9.
材 料 試 験 結 果 材 料 試 験はコ ンクリー
ト圧 縮 強 度・
ヤング係 数・
線 膨 脹係 数につ いて行っ た。 結 果の一
部を表一
3に示す。
線 膨脹 係 数は7.
5〜
7.
9 〔* ]o−
fi/°
C)であっ た。10.
実験結果と考察 表一 3 強度 発現状況 養 生 標 準 養 生 温 水 養 生day
?281357281
No.
3Ft20,
420 .
612 。i19 .
223 .
322 .
919・
71 Fc1692561012112202322381 εC2,
0哩2,
40L462
.
092 .
232 .
322 .
3gl
No.
4Ft19。
82
?.
112.
921.
125.
723.
7 …23.
U
Fc169273lH2112 乳32212581
巳CL952.
421.
572.
142.
302 .
292.
46 一Ft
,Fc
の単位はkg
/cm2,
Ec
の単 位 はIOOOOOkg/cm’
「
2。
50 50 1.
C} 測 定位 置 9 No.
1 試 験 体 10.
1 温 度 履 歴と断 面 内温 度 分 布 温 度 履 歴につ い て一
例 を 図一
5に示 す。材 令の初 期 (材 令O− 12hr
)に おい て,
セ メ ン トの水 和 現 象に より, 計 画 時の予定直 線 よ り も 上に膨 ら ん だ 温度と なっ て い る。
面状発熱 体と試験体の高さ と が ほ ぼ同じ寸 法であっ た た め, コ ンク リー
トは均等に加 熱さ れ,
壁厚方 向の温 度 差は 3℃ 程 度で あっ た。
10,
2 ひ び割れの状 況 脱 型は,
材 令7−
8日の 時 点で試 験体の コ ンクリー
ト 温 度が室 温に ほぼ等 し い こと を確 認し て か ら実 施し た。
こ の時の ひび割れ観 察 結 果を図一
6に示す。
(図一
一
6に は, 後 述 するプレ ス トレ ス解 放 後の結 果 も示 し てい る。}ひ び割れ幅・
ひび割れ間 隔などの実 測 値の詳 細 を・
表一
4に 示す。 ひび割れ間 隔は,
温 度 履 歴に もよ る がNo .
1試 験体の 場 合で 2m 程 度で あっ た。
ひ び割れ 間隔と壁 丈の 比 (LIH )で表す と, 5程 度で あっ た。
ひび割れの方 向は 上下 方 向で,
壁 厚 を貫 通して おり,
形 状は上部で広 く,
下 部で狭い V 字 型で あっ た。
ひ び 割れ幅の形状を 図一
7に示 す。 (図一7
には,
後述 する プ レ ス トレ ス解 放後の結 果も示し てい る。)壁 頂 部のひび 割れ幅は最 大で,
0.
4mm,
全 体の平 均で 0.
23 mrn であっ た。
ACI 207委 員 会の報 告6} でも,L
/H
>2.5
で は, ひ び 蓋黷
i撃諜腰謝;
欝
。わn 40 ほい
に ひ びめ れ ゜一
コ=
=
匸
叢
17
°
6th 2・
’
mコ
,
e’
n4・
1面 ‘
7m SSm乙
lm一
=
1.
2m Zlms.
Im 5、
2n E邑
闇
1
30 20 0一
07in 2.
1即
5.
9m51剛
5.
9m 6Sm 黜・
° 2・
D 5・
0 4・
D 5・
0 6・
0 7・
° ,d。yl 8・
0 図一
5 温 度 履 歴 (試験 体No.
1)一
一
L5m !2m 3〒m
48m 5ア
助
図一
6 ひ び 割 れ観 察 結果亅
表一
4 脱 型 時ひび割れ観察結 果 No.
1 阿o.
2 阿o.
3 : No.
4 Il ひびわ れ本 数 3 3 6 { 5」
し.
一
「 U1 り2U3Um 田 u2 〕3 りm 》l V2 冒3u4W5W6w 而 Wlv2W3u4 り5 りm l[ 発 牛 位 置:m2
.
34,
15.
8 2.
33.
15.
2 0,
72.
23.
95.
15.
96.
8 1.
62.
23.
74.
85.
了1
壁 長さ 旧 3.
98。
O4.
】 3.
18.
04.
9 2.
23.
98。
04.
1L62.
9 3.
72.
18.
02.
04.
31
{ 高 ざ 400 田 田.
25.
25.
02.
17.
08.
30.
25.
21.
08.
40.
40.
30,
08.
15,
24.
25,
20。
40.
15.
40,
28 「 E 300m 田.
08.
20.
04.
11.
06.
25.
20.
亘7.
08.
40.
30.
35.
04.
10.
2呈.
20.
15.
30.
10.
30.
21 5 1200m
旧。
04
」5.
15含
n
・
.
20 .
20 ,
13.
08 ,
35 ,
25.
30,
08.
06.
19卜
2
°.
15,
30.
0825.
201}
100 旧 剛匿 , .
04.
0】・
.
04.
OB.
0吼・
.
25.
20.
15・ .
06・
Hi.
15.
亘o.
25.
06・
20・
15i o 旧田曹 一 匿 ・
1
圏
一 曹 P
「
一
.
08一 .
08一 一
.
03、 .
哩
OO一 .
10P.
15.
05i l i 冖一 30 一
dT−13i 5率【5 本 1 足 400 ,
’
塞
:
甜 グ
要
1。。 ,〆
【 1,
〆 0 0 01 0.
2 0 0脚 02 ひ び わ 九幅Cmml 困o.
1試 驗 体1 40 20 o一
2050 40 2e o一
2020 0 鳳 線 実 点 脱 型 時 の平 均 ひ び わ れ 幅 アレヌ トレス鰯 故 稜 の 平 均ひび わ れ 幅 5t’
1
塞
,/
ノ 〆!
’
,
’
O O.
I O.
2 0.
3 0 0」 O.
Z O、
3 0,
4 〔Ne.
2試 駐 悧 由05 試 験 体[ 図一
7 ひび割れ幅の形状 5i +5i)/ !
1
’’
〆 困o.
4 膩 験 体 [ lmicrω1
圧 擁 このグラフ は 下図 のひずみ肝 N。、
5 の経 時 変化を示す 1.
0 2 0 0 4 0 5.
Ol
引 張歪 5.
0 ア.
0 80 団oyl lmicrol1
圧縮 歪 こ のグラ フ は下 図 のひずみ計 No.
6 の経 時 翦}化 を示す 21
引 糴 0 5,
q0 5.
0 5.
0 7.
0 8.
【doyl一
20 ひ びわ れ発生順序 o 以験体:
:
.
7−
6.
1
.
3−
2:
1
拘 鮴 図一
8 埋込み型 歪 計 測 定 結 果と発 生 順 序の一
例 割れ は発 生す る と, 頂部まで入っ て し ま う と述べ ら れて おり,
その状 況 が 再 現さ れて い ると見ら れ る。
ひび割れ幅が頂 部で広 く, 下 端で0の 三角 形分布 をし てい るの は, 上 下 方 向に 温度が一
定で あ ること, 拘束 が 底 辺か らの みである こ と, お よ び無 筋コ ン ク リー
トであ ることによ る もの で あ ろ う。
鉄 筋が存 在す れば,
鉄 筋に よっ て引き寄せ ら れ,V
字 形に広が るこ と が少な く, 幅の 狭いV
字形か平行に近 付いたひび割れ幅と なっ た こと と 思 わ れ る。
10.
3
ひび 割れ発 生 時 刻め推 定 拘 束 体に埋設 し た埋 込み型 歪 計の測 定 結 果の一
例 を 図一
8に示す。
な お,
.
こ の グラ フ は,
ひずみ計の出 力 値そ の もの であり,
較 正 係 数 を掛けるなどのデー
タ処 理は一
切 行っ ていない。 図 中で段 差の あ る所は歪が急 激に変 化した所であり,
ひび割れ が試 験 体に発 生したことによる拘 束 体の歪 変 化 と見な せ る。 歪 測定値の出 力が段 差を示す時 刻と,
ひび 割れ発生位置,
お よ び埋め込み歪計の位置とか ら,
そ れ ぞ れのひび割れ は図 中に示 す 時刻に発 生し たことが推 定 さ れ る。 すな わ ち,
歪の段 差の大 きいところ は,
発生し た ひび割れ に近い はずで ある か ら そ の ことか ら,
どの ひ び割れ が その時 刻に発 生したか が推 定 され る。
最 高 温 度か ら,
ひ び割れ発 生 時まで の温 度 降 下 過 程の一
例を 図一
9に示す。
ひび割れ 発生時刻・
発生 順序・
発 生まで の温 度 降 下量 を ま と めて表一
5に示す。 初ひび割れ の発生は,
比較 的小さい温度降下量 で起こ ることが示され た。
ひび 割れ発 生 時 点で の温度降下 量は ひび割れ の発生したLIH
(壁 長と壁 丈との比)で異な り,
L/H の大きい ほど温 度 降 下 量の 少ない領 域で ひび割れ が発 生し てい る。
10.
4 ひび割れ発 生 時の L/H と温 度 降 下 量 最 高 温 度か らひ び割れ 発 生 時 までの温 度 降 下 量と 表d5
ひび割 れ 時 刻の推 定 結 果 4。
3 1 29 0 ー
ρ
0 1粤 N
幽
.
1
1
1
1
r
r
I
.
1
.
.
I
I
I
」
3・
7
7 5
驫
4 0 17 1
α
9 N.
.
.
「
」
.
.
.
L
i 1
.
ー II − 1.
1
.
111
.
111
.
」
II.
’1
幽
「
卩
卩
彈
踵
.
唱
」
匚
幽
ー 11.
「
1.
−
1
ー.
r
層
.
卩
1.
iil.
57132938 騨・
・
41
・
・
5「 V
q
O 1 4865 1000 り
・
・
3°
3.
・
45
2
5 3 7 4 1 6
5
0 0 W・
・
ζ 」°
辱
34
8
0 2 2244 65i3 U
・
・
n δ2
‘
・
25
2
5 16622973 冒
・
.
5°
°
−囗
凸
3QV
.
.
−
1
」
.
−
I
I
.
.
1
匚
1
1
」
1
.
−
1
.
1
.
.
1
6864
7093 U・
・
3α
。
・
65 2
7 59156160 冒
・
・
25
°
・
5R
》
jq 419234i3 W
。
・
52
・
・
54
4
0 1 397107 00 U
・
・
ρ 0 1囓
・
3凸
凸
80 2 22139
.
898
W・
・
42
◆
・
25 3
0
》
1 7 2 6 52
2 5 凵騙
・
・
25
・
・
OnO
2
【 ψ 2
。
戸
り 62
4
」
02
5
2
3 N 2 3282889
・
W・
・
22
・
2 5「
0 』τ
121118800
W・
・
31
°
・
35 8
0 2 13936018 智
。
0
23
°
°
25
3
7 1
・
05
5
0 0 3 5 2
3
N 11
1
1
38837812 W・
・
へ 42
°
・
55
4
0 】 21811400
」
W・
。
41
・
・
4窪
8
0 2 13421 哩 98 W
・
鯨
32
°
・
2「
U
39
幽
C
C
C
C
,
,
,
,
量 度 度 度 下 湘 瀛 温 降 込 高 定 度 打 最 安 温l
I
l
l 勗
・
C C 田 a O,
, m dN T 匿 令 度
.
dL 位 材 順 潟 量 ざ H 生 生 生 生 温 長 / 発 発 発 発 降 錆 Lー
L
/H
との関係を図一10
, 表一5
(前出)に示し た。 壁 長 が 長い (LIH
が 大きい)時は,
拘 束度が大きい ため温 度 降下が小さ く て も,
ひ び割れ が発生 し,
ひび割れ発生 によっ て壁長 が小さ く な る と,
次の ひ び割れ発 生の た め に は,
大きい温度 降下が 必要にな る はずであ る。
こ の 関 60 50 4e 30 20 10 e 19q 5B℃ 2勝C26Ω
C ldoサ1 [.
0 20 3、
0 4、
0 50 6ρ 7.
0 8、
O ひ び わ れ 順 序 恵鱇【3PS 解 放 畸 のぴ びわ れ一
図一
9 ひび割れ発 生 材 令 と温 度 60}
巳 50 』 底 降40 下 儡30t°
CS 20 Io 00 No、
2 uα 1Na3No 4 4 壁 長〔m レ8 O IO L〆H 20 図一
10 ひび割れ発生 時の壁 長と温 度 降 下量 係は反 比 例 的な関 係と推 定さ れる。
壁 長 が ある値 以 下に な る とひび割れ は発 生 しな くなり,
また,
壁 長 がいかに 長くても,
ある温 度 降 下 量 以 下で は ひび割れ は生じな い と考え ら れる。 したがっ て, こ の 曲線は次の 二つ の漸 近 線を持っ こと が推 定 される。
L
/H =
lm。 (一
定 >AT =
dT
。 (一
定 ) 昇 温 時の温 度 履 歴が圧 縮 応 力 度の発 生 量に影 響す るこ と も考えられる か ら,
こ の AT=
dTo とい う漸近線の レ ベ ル は,
昇 温 時の履 歴の影 響 を 受 け,
こ の図 全 体 を 上 下 に平 行 移 動す る効 果が あ る と考え ら れ る。 本 実験で壁長 と 温度 降下量 との関 係が,
概 賂で はある が, 把 握する こ とが出 来た。
こ の ことは,
今 後の ひび割 れ予 測 研 究に有 効な知 見 を もたらし た といえよ う。 昇 温 時の圧 縮 応 力を無 視し,
ピー
ク温 度か ら の温 度 降 下をも とに引 張 応 力 を 求 める略 算で は,
ひび割れの発 生の有 無 の予 測として使 用 可 能であろう。 例え ば,一
般 建 築 工 事の基 礎 梁で はLIH
は 10以 上 が一
般 的であるので, ひび 割 れ発 生 なしにする場 合ば,
拘 束 度 が 本 実 験 程 度であれ ば温 度 降 下 量 を或る量 以 下.
,
例えば 10°
C
以下な どに とど める こ と が必要と な ろう。
今 回の実 験は, 拘 束 度 をパ ラメー
ター
に と っていない が,
もしパ ラメー
ター
とすれ ば,
拘 束 度の影 響を受 け、
こ の双曲線は拘束度の 関 数とし て示さ れる事にな る で あ ろ う。10.
5
プレス ト レス解放に よ る ひび割れの変化 拘 束 体の プレス トレス を解 放すると拘 束 体が伸び, こ れ に応 じて, 試 験 体 部 分も伸ば され, 温 度 降下による引 張の上に さ ら に引 張 が 生 じ, ひび 割れが促 進さ れ る。
この よ うに し て, 試 験 体にひび 割れ を過 度に発生さ せ た場 合の ひ び割れ観察結果を 図一
6 (前掲図点線 部分), 表一6
に示し た。 プレス ト レス解 放 時の新しい ひ び割れ は,
図一
6に見る よ うに斜めの ひ び割れ が あ る。L
/H
比が小 さく な る と壁 中 央 部の ひび割れ ば か りで な く,
椙 対的に端部に近い ひ び割れ も生じ, 端部に 近 いひ び割れ は主 引張 応 力の 方 向により,
鉛 直か ら傾い たひび割れ と厂
LIiIN
置 材 令 400300200100 0 Ne.
} 表一
6 プレ ス トレ ス解 放 後の ひび割れ観 察 結果 PS VI PS り? PS W3 PS Uロpsl PS O.
62.
33.
84斷
1 4噛
75.
8 了.
l PS PS PS.
PS.
10.
35.
10.
30噛
10.
30.
15.
14.
08.
20.
08.
20.
08.
25.
10.
09,
04.
15.
06,
20.
06.
25.
10,
09−
.
鹽0噛
04.
08.
04.
15.
斷
05 No,
2 No.
3 ヨ1
障o.
4 PS 〕匿 り2W3PSw 陋ps 刷 聡、
冒3w4u5U6Wmpsw 】 冒2W3w4 り1 1.
22,
33.
1 5.
26.
810
.
72.
23.
9 5.
1 5.
96.
8ips
ps
I
….
hO幽
!0.
35.
40.
08.
21 08.
50.
50.
45.
15鹽
25.
32,
10.
10.
25▼
35.
20.
20 1.
10.
50.
40.
45.
08.
20.
29.
08.
08.
25.
30.
10.
16.
04.
04.
08.
25.
10.
ユ0−
一
.
06.
量5.
08.
06.
10¶
qo.
35.
40.
10.
且5の
25・
.
04.
30.
20,
30.
00.
08.
15 1−
.
15.
08.
10卩
膠
.
06 1脚
り5冒刷 卩 $1
1.
62.
23.
74.
85.
7.
30.
30.
50.
30.
51〕p38
.
25.
20.
35.
20.
41〕卜
28.
20.
20,
35.
20.
35卜
26.
20鹽
15.
30.
10.
31〕.
21・
.
15.
20・
.
21〕.
11 ひ び わ れ 幅の平 均 を す るに当っ ては、
ひ び わ れの脚 部の場 合は、
ひびわ れ が見え な く と も、
有 る も の と見な し た。
一
32
一
な る
。
り
n フ レ ス トレス解 放 時の
,
フ レ ス トレス量はPC 鋼 棒 に直 列に挿入 し て あ るロー
ドセルの値により求め た。
プ レス トレス解 放 過 程の拘 束体の歪変 化の測 定 結 果の一
例 を 図一
11に示す。 これ は,
試 験 部 分の温 度 低 下に換 算 し て13− 16
℃ 相 当であ る。 (試 験 体 No.
1で は, プレス トレ ス解 放 途中での 測定は せず,
No.
2で は,粗く,No .
3, 4で は細か く測 定し た。) 図一11
に おい て,
図 中ひび割れ発 生 と記 入の ある前 後におい て,
図の勾配 が変わっ て い る。 こ れ は, 試 験体 に ひび割れが生 じた た め,構 造 体に変 化が生じ,
解 放す るブレ ス トレ スに対 応す る歪 応 答量 が変わっ た た め と考 え られ る。
す なわ ち,
ひび割れ が その 変 化 時 点で生じ た と考え ら れ る。
試 験 体No ,
1,
2 (最 高 温 度55℃ の試 験体 )で は,
プ レ ス トレ ス の解 放に よ り新しい ひ び 割 れ が 発 生 し た が,
No.
3 (最 高 温 度 75℃ の もの)の場 合お よびNo
.
4 (材 令 初 期に急昇 温の もの)に は, 新 しいひび割れ は発 生せ ず,
さ き に発 生し た ひび割れ の進展拡 幅の みであっ た。 ひ び割れ発 生まで の温 度 降下 量 とLIH
との関 係を前 掲の 図一
10 に示 す。
試 験体No .
1
で はプレス トレ ス解 放を一
気に実 施し た ため, 新ひ び 割 れ 発 生 時 応 力 は明ら か で な く, そ の ため, 等価降温 量は範囲で示し た。 図一
10に はプレ ス トレ ス解 放に よ る試 験 体の伸 び 歪の増分 を 試 験 体の温 度 降 下 量に置 換し て示 し たもの (白 抜きの 丸で示す)で ある。
前 10.
4項で述べ た 反 比例の 現 象 と 漸 近 線と が よ り明瞭に 認 め ら れ る。 試験 体No .
1
とNo .
2とで は若 干のずれ が あ るが,
ひび割れ発 生の現 象 の持つ バ ラ ツ キ とか,
温 度の ピー
ク時に持っ て い た圧 縮 応力度等の影 響も考え ら れ る。
プレス トレス解 放 後の ひび割れ幅の 図 を 図一7
(前 出 ) に点 線で示 す。
プレス トレスの解 放によ り, 平 均の ひび 割れ幅は,
広く な る場 合も有り,
ひび割れ の数が増え たt
めに平均値と しては狭く な る場合も あ るこ とが 示さ れ 150 100↑
圧50 瑠 歪 iF) o ひ遊
7 楠o.
oogo o 曹’
醍,
”’
「 “oq6 “ 凸 10 「’
!
’
’
1
’
’
脚
,
tノ − 砠 糠 邯 分 は 継 足による 20 40 た。
こ れ は, ひび割れ の生じ る前 後で変化が段 差 的に生 じ る た め基 本 的な性質で あ る。 10.
6 ひび割れ発 生 後の温度降下とひび割れ幅 引 張 応 力の増加に従っ て, ひび割れ発生が順 次生じて ゆくが, その結 果, 各ひび割れ発 生時以後の 温度 降下 量 は異なっ てい る。
早 期に発生し たひび割れ はひび割れ発 生以 後の温 度 降 下が大きいか ら,
温 度 降 下に伴 うひび割 れ幅の拡幅も大き く, 末 期に発 生し たひび割れ は,
ひ び 割れ幅 が 小さいと推 定さ れ る。
図
一
12は, ひ び割れ発 生以
後の 温度降 下 量と頂部に お け る ひび割れ幅の関 係 を 示し た もので あ る。
ご く大ま か に言っ て,
ひび割れ発 生 順 序に従っ て, ひび割れ幅が 並ぶ傾 向にあ る (曲線が左 下が りである)こと が示され て いる。11.
予 測 解 析 と実 験 結 果 との比 較 検 討 IL1 応 力につ い て 日本コ ンクリー
ト工 学 協 会マ スコ ンクリー
ト温 度 応 力 研 究委員 会に よ るコ ン ペ ンセー
ショ ン法T[を用い て解 析 し た結 果を図一
13に示す。計 算に用い たインプッ トデー
タ を表一
7に示 す。 インプッ トデー
タ と し て の 引 張 強 度・
ヤング率の決 め 方は材 料 試 験 結 果 デー
タによ らず,
28日 圧縮 強 度の みを用い てJCI
ひび割れ制 御 指 針に示 さ れ た方 法に基づい て8)定めた。 これは,
試 験 体ご とに 若干のバ ラツキ が あ ること と,
試 験の結 果にも若 干の バ ラツキ が あ る事を 避 け る た め解 析 用デー
タ を統一
し た も の である。 表一
7に示す よ うに,
実 測の試 験 値と大き な 相 違はない。
な お,
材 令3
日以 前の ヤング係 数を1
/3
程の
ユ
ヒ 0 α O 雪 昂 の ひ ひ わ n 糟 ヒ
1 ω 50405020 [o 60 ee IOO O フ
’
レス トレス tten)−
10 055 〜 04o ] 0201 PO IO 20 50 40 0鬮
O iO io ひσわれ 発生 随の温 厘購 下畳 1,
Cb 図一
12 lkg!cm 引張“
O fio EO ぴびれれ
曼生 債の渇 度 隅 下 曁L℃l l7°
レ ス ト レ ス孵 放E}量肛 降 下 に操麿 〕 ひび割れ発 生 後の温 度 降 下 量とひび割れ幅昌
::蕁
15 10 5 0一
等価 降 温 量 c・
Cl−
20 図一11
フレ ス トレ ス解放 時の歪変化 (試 験 体No.
2} F1 発 現曲線 CNo.
1−’
41一
12 54 21aO 国 N(
○葺卩は辛刀ひ ひ巴
わ れ 発 生 時 刻)
No「 隠ol 圧縮 7y α d6 令 オ キ 5 図一
13JCI 委法によっ て求 めたコ ンクリー
ト応 力表
一
7 応 力 計 算のインプッ トデー
タ一
28
日圧 縮 強 度F28
(kg
/cm2 )256
256〜
276 指 針に よ る値E28
(*10
℃)2.
45
2.
20〜2.
46
その他のデー
タ ひび
わ
れ
幅
0
.
4
拘束係数 Rn O.
95 〃Rml
,2
1 線 膨 張 率 αc(μ!℃ )7.
8 ク リー
プ φ〈t
《 =3
) 2 〃 (t》 3) 0.
57.
5〜7.
9
度 (クリー
プ係 数 φ冨2
)に評 価し て計 算し た。 こ のよ うに若 材 令の ク リー
プを考慮し て,
ヤン グ係 数 を低 減 さ せ る と, 結 果が実 験と よ く一
致 す る よ うで あ る。
試 験 体の ひび割れ は,
温 度 降 下 量が約20
℃ の時に発 生 して い る が,
図一13
の結 果を見る と,
ひび割れ発生 時の引張 応 力は ひび割れ発 生 時の コ ン クリー
ト引張 強度 の6G
% 程 度である。
文 献9 }に も述べ られて いる ように 持 続 引 張 荷 重 条 件 下で の ひび割れ発 生 応 力は,
引張 強度 の 76 %など といわ れて いる が,
この値に近 く,
若 干小 さ めの値 と思われる。 ま た,
先に述べ た新 開らの実験 研 究3)におい て,
マ ス コ ンク リー
トの 温度ひび割れ発 生が 引 張 強 度の60
% の引張応 力 度で生じたと報 告し て い る こ と と一
致する。
な お, こ の 60% と,
ク リー
プ係 数 φ =2
と は関 連して お り上 述の組み合わ せ は一
例に過ぎ な い もの で あるがこ の よ うに設定する ことで実験結果をよ く説明で きる。
IL2
ひび割れ間 隔につ い て ひび割れ間隔は,
次の ス テッ プの ひび割れ が発 生す る か,
し ない か で,
その境界で は, ひび割れ間 隔の値が急 に半分に な る の で,
実験結果によ る数 量 的 判 断は,
冷 却 終 了 後の結 果だ け か らで はむずか しい。
温度 降下の途 中 で ひび割れ発 生の瞬間を と らえその時の温 度 降下 量とひ び割れ 間隔と か ら判 断 を下し た方が良い結 果が得 ら れ る で あ ろ う。
そのた めに は本 実 験のよ うにすべ て の ひび割 れ の発 生 時 刻を検 出できる実験 を す る 必 要 が あ る。
これ まで の結 果を見て み る と,
ひ び割れ間 隔と 温度 降 下 とは, 双曲 線 的な関係が ありそ うで あ る。
初め か ら LIH が 小 さい場 合 と, ひ び割れ発 生に よっ て小さ く なっ た場合と で は必 ずしも同一
条 件と はいえ な いがそ の検討は今後の課 題である。 11.
3 ひび割れ 幅 と 発生 順 序につ い て ひび割れの発生し た瞬間か ら, 冷却 終了後の安 定 温 度 の時まで,
ひび割れ間 隔の値は保存さ れ るが, ひ び割れ 幅は, 発 生の後 も,
冷 却に伴っ て 口を開い て行く はずで あ り,
その値は,
冷却の進 行と共に刻 刻と変化し て し まO
.
3
O
.
2
{mm }0.
1
0
5
} 滑離
O
IO
20
30
40
ひ
び
わ れ後
の温
度 降下量
i[°C
} 図一
14 ひ び 割 れ 後の温度降 下 量 と ひ び割れ幅 (JC1
ひびわ れ指 針の資 料1より抽 出 ) う。
し た がっ て ひび割れ幅の予測に は,
ひび割れ発 生 以 前の ひ び割れ間隔予 測と,ひ び割れ発 生 時の幅の予 測と, そ の後の冷却時の ロ開きとに分け て考え るべ き もの で あ ろ う。
も ち ろ ん, 後 続の ひび割れ の発生に よっ て,
先 発 の ひび割れ の幅も影 響 を 受ける か ら,
単 純に は行かない が,
JCI
ひび割れ指 針の資 料 1に紹 介さ れ た実 験で もそ の よ う な状 況が あ る。図一
14は,
その状況の一
例を示す。
ひ び割れ幅は最 初に生 じ たひび 割 れ が 図一
14 に示 す ように最も幅 広いか ら,
最初の ひび割れ の ひび割れ幅 を 推定で き ればひ び割れ幅の推 定 とし て は十 分である。 こ の よ う な 幅の求め 方は,温 度応 力に よる ひ び割れ発生と,
弾 性 解析に よ る ひ び割れ部分の変位お よび温度 降下時の 変位で あ る程度フ ォ ロー
出来るの で は ない かと 思わ れ る。 た だ し,
初 期の ひび割れ ほ ど幅が広い とい うこと は 図一
12,
図一
14に例が示さ れて いる だ けで,
そ の説 明 が き ちん と付け られ て い る訳で は な い。 そ れ は今後の問 題で ある。 早めに生じ たひび割れ と,
遅く生じ た ひ び割れ と が, 異なっ た幅であ る と す る と,
ひび割れ 発生 後の温 度 降 下 量 を 考 慮 し た ひび割れ幅 計 算 式が あるべ き か らし れ な い。
ただし幅の測 定 結 果は, 精 度 が 低い ので傾 向 を 搦 む にと ど まる。 11,
4 ひび割れ の形 状 マ ス コ ン クリー
トの ひ び割れ予 測の方 法の 現 状につ い て は, 前記の ひび割れ指 針に く わ し く紹介さ れて 1°1い る。
こ の う ち,BS
5337の方法と か,
Brandzaeg
の方法 は,
本 実験の ように鉄 筋 比0 %の場 合に は適 用で き な い。 ひ び割れ 間 隔の決 定に関して, 拘 束 体との付 着が主 体 であっ て, 鉄 筋は ひび割れ幅の決 定に関す る二 次要素に一
34
一
壁 頭
盟
(
黜
臼 壁 脚 A No.
5−
7P †=
0.
93% 壁 E 頭 DC B 壁 脚 A 蝋〃
No、
3−
6P 量=
O.
57% 壁 E 顫 DCBA 壁 脚/
ー
Ne.
3−
lPt=
O.
25『ら 壁 E 頭 DC/
//
No.
3−
5 B 壁 Pt=
O % 脚 A O O、
1 0、
2 0.
3 0、
4 0.
5 ひ び わ れ 幅、
nry : 図一
15 ひび 割 れ幅の上下方 向 分布と 鉄 筋 比 お よ び 発 生 順序 (JCIひ び わ れ 指 針の資料1よ り 抽 出) 過 ぎないとい う観 点か ら見ると, 鉄 筋 比0%でも本 来 は,
求 めら れ る方 法が望ま しい。 ひび割れ幅に関 し て,
長滝ら の実用式11)で は壁の高 さ方 向に一
定と仮 定して求 めて いる が,
今 回の実験では V 字 状の ひび割れで あ り,
直接の比較が出来ない ので 行わ ない。
本 実 験は無 筋であ る が,
JCI
ひび割れ指 針の 実 験に おい て も,
ひ び割れ はV
字状に生 じて い る様 子12} が一
部に (図一15
}見ら れ る。
鉄 筋の ある場 合 も,
V
字状の ひび 割れ とな る場 合 も あり,
鉄 筋 量の関 数で あ る よ うであ る。 つ ま り, 鉄 筋比 が大きく なる とひび割 れ幅は平行 幅に 近付く よ う で あ る。
壁 状 構 造体の頂 部に ス ラブや,
鉄筋量の多い梁材が同時に打設さ れ ると, 壁 頂 部の ひび割れの幅が狭く なっ てい るこ と は よ く見か け ることであ る。12.
結 果の まとめ 12.
1 実験 方 法につ い て 温 度の制 御は小型 化した実 験で も可 能であっ た。 今 回の方 法でもひび割れ は発 生す る。
ひび割れ発生時刻の推 定方 法 も可能であっ た。
12.2
ひび割れ発 生 応 力につ い てJCI
委員会コン ペ ンセー
ショ ン法 を用いて,
若令 ヤン グ係数 を 1/3程度 (ク リー
プ係 数il・
=
2)に評 価す る と,
結果 がよい よう である。
す なわち,
若 令 時の圧 縮 応 力や, ひび割れ材 令の説 明がつ き やすい よ うであ る。 12.
3 ひび割れ発 生 時の壁 長 /壁 丈 比につ い てひ び割れ発 生 時の温 度 降 下 量と壁 長 /壁 丈 比 (
LIH
) との関 係が(今 回の実 験 範 囲に限れ ば)明ら か に なっ た。
関数の形に関し て は,
双曲 線 的な もの であ る。 これだけの結 果か らは,
壁 長と壁 丈の比 (LIH )と ひび 割れ間 隔 との 関係 を求 めるまで には至ら ないと考え ら れ る が, かな りの傾 向は把 握で きた。
12.
4
ひ び割れ間 隔 と幅につ い て 温度降 下量とひび割れ間 隔との関 係 をつ け る目処 がつ い た。
こ の ことに よ り,
ひび割れ間 隔か ら ひび割れ幅を 求め る方 法の た めの資 料とするこ と が出 来た。 幅に関し て は,
初ひび割れの幅が最大幅で あ る場 合が 多い こと と,
ひ び割れ幅の 形状は,
鉄 筋 比の0
%の場 合 V 字 状であるこ と が わ かっ た。 参考 文献 1〕 井 村 力 生,
杉 原一
雄,
土岐 高史,
岡 田克也,
両角 昌 公, 相 沢 完 :マスコ ンクリー
トの拘 束ひずみお よび 膨 張 材 に よ る ひびわれ制 御に関する実 大 拘 束 実 験,
セメ ン ト技 術 年 報,
pp.
203−
207,
昭 和51年 2> 今 枝 靖 典,
畑 中 重 光,
田 辺忠顕 :大型供試体に よ るマス コ ンクリー
ト実験と その解析,
コ ン ク リー
ト工学年 次論 文報告集9−
2,
pp.
25−
30,
1987 3) 新 開 千 弘t 芳 賀 孝 成,
十河 茂 幸 ;RC 壁 状構造物の 温 度 ひび わ れ制 御対策と その効 果,
コ ン ク リー
ト工 学年次論 文 報 告 集 9−
2,
PP,
37−
42,
1987 4) 佐 藤 良一,
金 津 努 :底 面で連続拘束を受け る鉄 筋コ ン ク リー
ト壁 状構造 物の温度ひび われ制 御 実 験, マ ス コ ン クリー
トの ひびわ れ制 御 指 針,
資 料 1;日本コ ンク リー
ト工 学協会,
pp.
154,
1986年 5) 日本コ ン クリー
ト工 学 協 会マ ス コ ンク リー
ト の ひ び わ れ 制 御 指 針,
p.
736) ACI 207委 員会報告
,
JuLy,
1973,
Effect of Restraint,
Volume Change,
and Reinforcement of Cracking ofMassive Concrete
,
Journa1
of ACI,
July,
1973:コ ンクリ
ー
ト工学Vol.
13,
No.
2,
PP.
42−・
49,
No.
3,
PP.
54〜
64,
No.
4,
pp.
34〜
41,
1975全 訳 7) マ ス コ ンクリー
トの温 度 応 力 解析のためのプログラ ム : マ ス コ ン ク リー
トの 温度応力研 究委員会 :日本コ ン ク リー
ト工学 協 会 8) 上 記5)と同 文 献,
p.
68 9) コ ンク リー
ト工学ハ ンドブック,
p.
37Z,
ク リー
プに影 響 する因 子,
朝 倉書 店 10) 上 記 5)と 同文献.
p,
72 11> 長 滝 重 義,
佐 藤 良一,
小 島 宏 :水 和 熱に よ る 温度ひび わ れ幅の実 用算定法 :第7回コ ン ク リー
ト工 学 年 次 講 演 会 論 文集, PP,
1−
4, 1985 12) 上 記4) と 同文 献,
p、
147SYNOPSIS
UDC:693.547.4
AN
EXPERIMENTAL
STUDY
ON
THE
THERMAL
OF
MASSCONCRETE
WALL
STRUCTURESTRESS
AND
THERMAL
CRACK]NG
RESTRICTED
BY
FOUNDATION
byMASATOSHIYAMAZAKL Member of A.I.