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第19回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口演)(その3)

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Academic year: 2021

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一般 演題 〈研 究 〉 口演3不 妊 ・性 の相 談 等1 10

不妊 治療 を受 けた妊 婦 の不安 に関す る 日中比較

東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科健康 情報分析学 博士課程(前 期)○ 趙 菁 東京医科歯科大学大学院保 健衛生学研究科健康 情報分析学 佐 々木 晶 世 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科健康 情報分析学 佐 藤 千 史 I緒 言 日本 で は少子 化 が 問題 とな り、晩婚化 が 理 由の一 つ と いわ れて いる。年 齢 が 上が るほ ど不 妊症 にな りや す く、現在 不妊 に悩む 夫婦 は10組 に1組 ともいわれ 、不 妊治 療 中 の患者 の抱 く 子 どもへ の願 望 と焦 りは計 り知れ な い。 それ だ け に不妊 治療 の結果 、妊娠 が 成立 した妊 婦 の 喜 び は一層大 き い もので あろ う。 しか し反 面、妊 娠 中 の異 常や 異 常児 の 出生 、 さ らに妊 娠 中 の 自己管 理 のあ り方 につ いての不安 とい った ものが 、通 常の妊 婦 に比 べて 強 いの で はな いか と推 測 され る。一方 、 中国 で も不妊 症夫 婦 の女性 へ の世 間の 目はまだ厳 しく、不 妊症 お よび 不妊 治療 に対 す る偏 見 は今 も存在す る。 また、近 年 不妊治 療 の進 歩 は 不妊 に悩 む夫 婦 に多 く の希 望 を与 えて いる ものの 、医療技 術 の進 歩 に伴 い、不妊 治療 によ って心 理的 、社 会 的 、家 族 関係 な どに影響 を与 え るといわれ て い る。 そ こで本 研究 で は不妊 治 療 を受 けて 妊娠 した妊 婦 にお ける不安 を自然妊 娠 した妊婦 と対 比 させて 日中比較 を行 った 。 II研 究 方法 平 成16年1月 ∼平 成16年8月 に 日本 の3施 設 と中国 の4施 設 に通院 して いた妊 婦 で 、研 究 の 目的 を説 明 した 上で 同意 が得 られた 者 を対 象 と した。 無記 名 の 自記 式質 問紙 を使用 し、 花沢成 一 の母性 不安32項 目 と一般 不安16項 目、計48項 目か らな る 「妊 娠期 母性 心 理質 問 紙 」尺 度、属性 を調査 した。 中国語 の質 問紙 に関 して3名 が 翻訳 し、 また別 の3名 が 逆翻 訳 を行な った 。対 象者 が来 院 した際質 問紙 を配 布 しそ の場 で回収 したが 、回 収 で きなか った場 合 は郵 送 して も らった。 分析 に関 してStat View5.0を 用 いてt検 定 を行 な った。 なお 、 東京 医科歯科 大 学 医学部倫 理審 査委 員会 の承認 を得 た 。 III結 果 中 国では200名 に配布 し、154名か ら回収(回収 率77%)、 そのうち、自然 妊 娠 群121名 、不妊 治 療 群33名 であった。日本 では250名 に配布 し、201名か ら回収(回収 率80.4%)、 そ のうち、自然妊 娠 群148名 、不 妊治療 群53名 であった。 日中両国 にお いて 、母 性不安 の8領 域 「妊 娠 の経過 」、「胎 児の発 育 」、「母体 の影 響 」、「分 娩の 予想 」、「児 への 期待 」に関 しては 、不妊 治療 群 と自然妊娠 群 の間 に差 がみ られなか った。 196 日本 助 産 学 会 誌 第18巻 第3号(2005.3)

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(Mean±SD) 有 意 水 準P<0.05 IV考 察 1母 性 不安 の特徴 日本 の 自然妊 娠群 にお いて 「育児へ の予想 」 に関す る不安 が強 く、心 の準備 がで きて いな い妊 婦が多 い、妊 娠や 育児へ のイ メー ジ不足 な どと考 え られ る。 日中両 国で 、 自然妊 娠群 にお いて 「容姿 の 変化」 に関す る不安 が強 く、 不妊 治療 群が容 姿 の変化 に不安 を抱 くよ りも子 供 を持 つ希望 が大 き いため であ ろ う。 「夫 との 関係 」 に関 して、 中国 の不妊治 療 群は 自然妊娠群 よ り不安 が少な いのは 、不妊治療 群 の場合 は妊 娠す る ことで夫 婦関係 よ くな り、夫 のサポー トが得 られ やす い可能 性 が ある。 しか し、今後 不妊 治療 中のカ ップル との 比較 が必 要 であ る。 母性 不安 の どの項 目にお いて も、 自然 、不妊 に関係 な く、得点 が 日本 よ り高か ったの は、 中国の一 人 っ子政策 によ り、子供 に対す る過度 な期待 が 女性 にか け られて い ると考 え られ る。 2一 般 不安 の特徴 これ までの 日本 の調 査 と同様 、両 国 とも不妊 治療群 と自然妊娠 群の 間差 が見 られな か った 。 この結 果か ら、一般 不 安 は個 人 の特性 を表 して いるの もので あ り、不妊症 既往 を持 つ もの の 心理 特徴 とは いえな い と考 え られ る。 V結 論 日中両国 にお いて 、 自然 妊娠群 の方 が 「容姿 の変化 」 に関す る不安 が 強か った 。 日本 の 自 然妊娠群 は 「育児 の予 想」 に関 して、不安 が 強か った。 中国 の 自然妊 娠群 にお いて 「夫 との 関係 」 に関 して 、不安 が強か った。 日本 助 産 学 会 誌 第18巻 第3号(2005.3) 97

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一般 演 題 〈研 究〉 口演3不 妊 ・性 の相 談等1 11

胎 児 異 常 を 診 断 さ れ た 妊 婦 を ケ ア す る 看 護 者 の 体 験

信州大学医学部保健学科

○上條

陽子

長野県看護大学

丸山 洋子

黒田 裕子

西村

理恵

葛飾赤十字産院

平石

皆子

東北大学医学部保健学科

跡上 富美

吉沢

豊予子

I緒 言 今 日、 出 生前 診断 に よ る妊 娠 中の胎児 異 常 の診 断 数 は毎 年増 加 して い る状 況 にあ り、胎 児 異 常 を診 断 され た妊 婦 の多 くは 入院 管理 され、 病 院 で ケ ア を受 け る よ うに な って きて い る。 その ため 、 こ こ最近 で は胎児 異 常 を診 断 され た妊 婦 をケ アす る看 護 者 の 戸 惑 いや 悩 み をよ く 耳 に す る。 これ まで この よ うな妊 婦 の体 験 を研 究 した もの は い くつ か散 見 して い た が、 妊婦 をケ アす る看 護 者 を対象 と した研 究 はほ とん ど見 当た らな い 。 そ こで、 看 護 者 は 胎 児 異 常を 診 断され た妊婦 に対 して、どのような思 いで 、どの ようなケアを行っているの かを明 らか にす ること を 目的 に研 究を行 った。 II方 法 1.研 究 デ ザ イ ン:半 構 成 的面 接 に よ る帰 納 的記 述 的研 究 。 2.調 査対 象:A病 院の 周産 期 セ ンター に勤 務 す る看護 者21名 。 3.調 査 方法:作 成 した イ ンタ ビュー ガ イ ドを基 に 半構 成 的 面接 法 を用 い て イ ン タ ビュ ー を 行 い 、 内容 は対 象者 の承 諾 を得 て録 音 した 。調 査期 間は 平 成15年1月 下 旬 ∼2月 下 旬 。 4.倫 理 的 配 慮:調 査 で得 られた 内容 は 本研 究 の 目的 以 外 には 使 用 しな い こ と、 看 護 者個 人 が特 定 され な い よ うに匿 名 と し、 記録 したテ ー プは 調査 後 処 分 す る こ と、 途 中で も研 究 協 力 を辞 退 で き るこ とを説 明 し、 同意 を得 た上 で行 った。 5.分 析 方 法:得 られ たデ ー タか ら逐 語録 を作 成 し、 作成 した逐 語録 を メ ンバ ー で 熟読 した の ち、 看 護 者 の妊婦 に対 す る思 い と妊 婦 に行 って い るケ ア と して読 み 取 れ る文 章 を抽 出 し、 内容 の類 似 した もの をカ テ ゴ リー に 分 類 し、 出 て きた カ テ ゴ リー の関 係性 や意 味 を 明 らかに した。 III結 果 胎 児 異 常 を診 断 され た妊 婦 の ケア を構 成 す るもの と して、【援 助 を通 して 大切 に して い る こ と】【「聴 く」 とい う看 護援 助 】【「聴 く」 とい う看護 援助 に向 け ての 心 構 え 】【チー ム と して の 援助 】の4つ の カテ ゴ リーが抽 出 され た。【援 助 を通 して大切 にしていること】か らは 、【胎 児 異 常 を特 別 視 しな い][言じて待 つ の2つ の サブ カテゴリー が抽 出され た。胎 児 異 常を特 別 視 しない1は、 看 護者 は胎 児 異 常を診 断され た妊 婦と関 わる際、特 別な 目で看 護者 か ら見 られ ることを切 な く感 じ 98 日本助 産学会 誌 第18巻 第3号(2005.3)

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ても、必ず 立ち直る力 があるものだ と看護 者 は 考え 、妊婦 が 立ち直る時期 を待 ってい た。 【「聴 く」 とい う看護 援助 】は 、看 護 者は 「聴 く」 とい う看護 援 助 を特 に重 要 視 して お り、 とにか く聴 く こと、聴き方 の方 法 が抽 出された。【「聴 く」 とい う看護 援助 に 向け ての 心構 え 】と して、[対象 を解 りたい][聴 く」 うえで心 掛 けて い る こ と][「聴 く」 うえで の 戸 惑 い】の3つ のサ ブカ テ ゴ リー が抽 出 され た。 【対 象 を解 りたい]は、看 護者 は 妊婦 の 気持 ち、胎 児 の病 状 、医 師の 説 明 内 容などを知 り、妊婦 の発 す る合 図を見極 め、他 者の 見解 も踏 まえた うえで妊婦 を理 解 した い と思 っ ていた。 【「聴 く」うえ で心掛 けていること】は、看 護者 は 安 易な励 ましや 気休 め的 な言葉 は 避 け、妊 婦 がこれ以 上 傷つ かない よう言葉 選 び には 気を遣 い 、看 護 者 としての 限界 や 時 には妊 婦 と距離 を おくことも考えていた。[「聴 く」うえでの 戸惑 い]は、看 護者 は 自分 にできることは何 であるかを常 に 考えているが 、中には どのように接 した らい いか分 からないと戸 惑い を感 じてい る者 もいた。 【チー ム と しての援 助 】か らは 【看護 チ ー ム と して の配慮][医 療 チー ム と して の機 能]の2つ のサ ブ カテ ゴ リー が抽 出 され た。【看 護チ ー ムとしての配 慮]は、看護 者 は プライマ リー ナー スとしての役 割 を意識 しつ つ 、リー ダー としての調整 や 他の スタッフに相 談 す るなどしてケアにあたっていた。 また[医 療 チー ムとしての機 能]は、他職 種との情 報 の共有 や 連 携 、意 思統 一 を図 りながらも、チ ームとしての 困難 さも感 じていた。 IV考 察 看護者 は胎 児異 常 を診 断 され た妊婦 に対 して 、特 別 な 目で見 な い よ うに して いた 。 これ は 胎 児異常 があ るか ら とい って その妊婦 を特 別 に扱 った り、特 別 な 見方 を した りす るので は な く、一妊婦 と して 、 一女性 と して、 また一 人間 と して接 して い きたい とい う看 護 者 の姿 勢 が 表れて い る。特 別視 しな い とい う姿勢 は、「普通 の妊婦 と して接 す る」とい う意 識 に もつ な が り、心理 面の ケ アだ けで な く、順 調 な経過 の妊婦 と同様 の ケ ア提供 に重 きを置 き、胎 児 異常 を診断 され た妊 婦 を特 別 視 しな い こ とを大切 に して い る と考 え られ る。 また 「信 じて待 つ」 とい う姿勢 は、 母 親 が子 どもの 成長 を じっと待 つ よ うに、看 護 者 が妊婦 の 母親 的 役割 を果 た し、 養育的 態度 で胎 児 異 常 を診 断 され た妊 婦 に接 して い る といえ る。看 護 者 が妊婦 に寄 り添 って話 を聴 き、信 じて見 守 って い くこ とは妊 婦 に 力 を与 え、 妊 婦 を支 え るケ ア にな る と考 え る。さ らに看護 者の 中には 、自分が 行っているケア に対して 自信 が持 てなかったり、自分 の 関わ り がい いか どうかの判 断 がつ かなか った りす る者 もいた。しか し、看護 者 が 戸惑 い、迷 い ながらケア を考えることは 、その看 護者 だ けの判 断 や思 い込 み でケアを進 めてしまうことへ のブ レー キとなり、 自分 自身の看 護 を見 直す 機 会 となるの ではないか と考える。 V結 論 胎 児 異 常 を診 断 され た妊婦 をケ ア す る看 護 者は 、 【胎 児 異 常 を特 別視 しない]と[信じて 待 っ] こ とを大 切 に ケア にあ た って い た。 また看 護者 は 「聴 く」 とい う看 護援 助 を特 に重 要視 して お り、対 象 を解 りた い とい う思 いか ら、 「聴 く」 こ とを心掛 け て い るが、 「聴 く」 うえで の 戸 惑 い も感 じて いた。 日 本 助 産 学 会 誌 第18巻 第3号(2005.3) 99

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一般演 題〈 研 究〉口演3不 妊 ・性 の相 談1 12

羊水検査 を受 ける」 とい う女性 の意思決 定 の分析

東京医科歯科大学大学院博士後期課程 ○ 小 笹 由香 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 松 岡 恵 I緒 言 羊水 検 査 に お け る 問題 には 、① 実 施 時 期 が 妊娠16週 前 後 で、腹 部 の増 大 、胎 動の 自覚 、超 音 波 上 で 胎 児 の心 拍 ・画 像 を確 認 で き る こ と、 に よる 精神 的 負担 、 ② 感 染 ・流 産 な どの 身体 的 リスク、③胎 児 の 遺 伝 性 疾 患 や 染 色 体 異 常 等 を理 由 と した 人 工 妊 娠 中絶 の 選 択 な ど考 慮 す る こ とで の 精神 的 負荷 、 ④ そ れ らに伴 う倫 理 的 ・社 会 的 ・法 的 問題 、 な どが あ る。 現 在、 専 門 医 に よ る遺伝 外 来 で のカウンセリング な ど整 備 も進 み つ つ あ るが 、既 に 導入 か ら30年 以 上 経 つ 「羊 水 検 査 」 につ い て、 倫 理 的 ・法 的 ・社 会 的 な議 論 は 十 分 で な く、 未 だ にそ の選 択 は 女性 や そ の家 族 に多 くの負 担 を強 い て い る のが 現 状 で あ る。 そ こで 本研 究 で は 、 先 行 研 究 「羊水 検 査 を受 け る と決 め た女 性 の 価 値 体 系 」 に引 き続 き、羊水 検 査 を受 け る と決 め た 女 性 の考 え ・悩 み ・優 先 事 項 ・葛 藤 を把 握 し、 以 下 の 枠 組 み に沿 っ て 明 らか に す る こ と を 目 的 と した 。 II方 法 図1意 思 決 定 過 程 研 究 デザ インは 質 的 後 方 視 的調 査 研 究 で あ る。 対 象 は 、 遺 伝 外 来 にて 臨 床 遺 伝 専 門医 に よ り羊 水 検 査 の 説 明 を受 け、結 果 に異 常 が な か っ た 女 性11名 と した。 方 法 は 宮 本 を参 考 に 「羊 水 検 査 を 受 け る 」 とい う 意 思 決 定 過程 を 、 【ど う すべ き か とい う規 範 と、ど う した い か とい う 欲 求に折 り合 い を つ け 、価 値 を 見 出 して い く】価 値 体 系 と、 検 査 が も た ら す 事 実 に つ い て の 判 断 を す る 知 識 体 系 の2 つ の 体 系 か ら な る と し、 概 念 枠 組 み (図1)に よ る 半 構 成 面 接 と した 。 内 容 は 、 検 査 を受 け る と決 め た 経 緯 、 優 先 事 項 、葛 藤 や 、検 査 に 関 す る情 報 収 集 内容 、方 法 等で 、医 師 か らの説 明 内容 は 事 前 に把 握 した。 研 究依 頼 手順 は、 医 師 に よ る検 査 結 果 説 明 後 、 文書 及 び 口頭 に て 主 旨説 明 し、 研 究 協 力 の承 諾 を得 て 、面 接 日時 を決 定 した 。 また、 ① 研 究 目的 以 外 で の 面接 内 容 の 不 使 用 、 ② 匿 名 性 厳 守 、 ③ 面 接 参 加 ・中止 等 の 自 由意 思 尊 重 、 ④ サポ ート体 制 な ど倫 理 的 配 慮 に も十 分 留 意 し、 当 100 日本 助 産 学 会 誌 第18巻 第3号(2005.3)

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性 看 護 学 専 門領 域 の 研 究 者 よ りスーパ ービ ジ ョンを 受 け た 。 III結 果 対 象 背 景:12名 に依 頼 し、11名 か ら協 力 へ の 承 諾 を得 た 。平 均 年 齢37.8歳(27∼42歳)で 、 検 査 実施 週 数 は15∼19週 で あ った。 検 査 に至 る経 緯 は 、 クワトロテスト高 値1名 、 超 音 波 上 の異 常 1名 で あ っ た。 初 産婦7名 の うち4名 と、 経 産 婦4名 の うち2名 は 習慣 性 流 産 ・胎 児 異 常 ・ 希望 な どで 、 羊 水検 査 の経 験 が あ っ た。他 に は 不 妊 治療 歴 のあ る もの3名 、 医 療 に関 係 す る 職 歴 の あ る もの(介 護 福 祉 士 ・臨床 検 査 技 師 ・医 師 ・研 究 者 な ど)が5名 な どで あ っ た 。

知識体系:「母体が高齢になると染色体異常児が生まれる確率が上昇する」など新聞か らの

情 報、不妊 治 療 ・胎 児 異 常既 往 、「海 外 で は 誰 もが 受 け る検 査 」な ど知 人 の経 験 、職 歴 か ら 「ダ ウン症 は療 育 す る の に大 変 」 との認 識 も含 め た、 以 前 か らの知 識 に加 え 、外 来 で の 臨床 遺 伝 専 門医 か らの 説 明 内容 を理解 し、「わか る異 常 は 一 部 分」 と検 査 の 限界 を理 解 した上 で、羊 水検 査 が もた らす事 実 につ い て の 判 断 がな され て い た 。価値体系:「 大 変 な ダ ウン症 児 を育 て る 自 信 が ない な ら、検 査 を して 諦 め るべ きだ」 慣 例 規範 、「今 まで どお りの 普 通 の 生 活 を した い 」 維 持 欲求 、「一 緒 に子 育 て す る夫が 受 け て!と 言 うので そ うすべ き」 期 待 規 範 、 「最終 的 に は 夫や 家族 み ん な 同 じの意 見 で あ りたい 」適 応欲求 、「自分 が親 と して責 任 を持 っ て、障 害 児 を 産 まな い よ う検 査 を す るべ き」統 合規 範 「上 の 子 ど もへ の負 担 な ど、同 じ立場 で 考 え る女性 と悩 み や 葛 藤 を 共有 した い 」 調和 欲 求 な どで 、 羊水 検 査 が もた らす価 値 を判 断 して い た 。 IV考 察 夫婦 や周 囲 との 規範 ・欲 求 に相 違 が あ る場合 は 、 それ らの期 待 に応 え 、 受 け 入 れ られ る と い う期 待 規範 ・適 応 欲求 が得 られ ず、 心 理 的 対 立 が起 こ って い た。 胎 児 の 障 害 を理 由 と した 人工妊 娠 中絶 とい う倫 理 的 問題 か ら、 家族 や親 しい 人以 外 には相 談 で きな い とい う閉 鎖 性 を 持 つ羊 水検 査 を受 け る とい う意 思決 定 に際 し、 継 続 的 な関 わ りを通 して 、 意 見 を調 整 ・擁護 して い く必要 性 が認 め られ た。 また、 羊 水 検 査 の 受 否 を決 め た、 同 じ立 場 の 女 性 の 判 断 ・意 思 決定 を知 る こ とで 、 自分 の行 動 を正 当化 し、 心 に調 和 を感 じた い とい う、 統 合規 範 ・調 和 欲求 が満 た さ れ るた め 、 同意 を得 た上 で の 経験 談 の 発表 な ど手段 の提 供 を 検 討 す る必 要 が あ る。一 方 で、 職 歴 や 医療 者 の助 言 な ど の影 響 か ら、 こう した 女性 に関 わ る医 療 者 ・関 係 職 種 の基礎 教 育 に お いて 、 「障 害 」 に 関わ る 自 己 の知 識 体 系 ・価 値 体 系 を認 識 す る教 育 の 必 要 性 が 示唆 され た 。 さ らに、検 査 を考慮 す る段 階 で は 既 に様 々な 知識 が備 わ って い る こ とか ら、 医療 現 場 に い る助 産 師 には、社 会 に正 し く且 つ 役 に立 つ情 報 を提供 す る責 務 が あ る と考 え る。 V結 論 羊水 検 査 を受 け る とい う女性 の 意思 決 定 は 、 現 在 までの 経験 ・偏 っ た情 報 な ど に よ る知 識 判 断 と、 各段 階 の規 範 ・欲 求 にお いて 、 同 じ段 階 の規 範 ・欲 求 で の葛 藤 、 同 じ規 範 内 ・欲 求 内 で の 心 理 的 対 立 に折 り合 い をつ け た 価 値 判 断 を 元 に行 わ れ る と明 らか に な っ た 。 引用文献1):宮 本真 巳:感 性 を磨 く技法3セ ルフケアを援助す る,日 本看護協 会出版会,1996,57-80 日 本 助 産 学 会 誌 第18巻 第3号(2005.3) 101

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