フランスおよび
アジア太平洋地域の安全保障
Liberté • Égalité • Fraternité
RÉPUBIQUE FRANÇAISE
MINISTÈRE
DE LA DÉFENSE
大臣からの序文
アジア・インド太平洋地域における戦略バランスは加速的に変化しました。2013 年 4 月版国防・国家安全保障白書の中で指摘された「武力による脅威」と「脆弱性によるリスク」は完
全に表面化し、その影響は国境を越えて一体化しつつ、私たちが直面する試練をさらに困難なものにしています。
2015 年と 2016 年にフランスおよびヨーロッパの中心を襲ったテロリズムは、アジアとオセアニアも巻き込んでいます。テロを行うジハーディストたちの活動は、憎悪に満ちたイデオロ
ギーを拡散させつつ地域の国々の安全を脅かす戦闘員たちを勧誘しています。
北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議に背き、核実験と弾道ミサイル発射実験を行い、国際社会を挑発しています。
南シナ海の緊張に対し、民間および軍事レベルで屈指の海事大国であるフランスは、航行の自由の原則を貫き、海洋空間の安全保障に貢献し、海洋法に関する国際連合条約
の一律の適用を推し進めています。
気候変動の影響は、特にインド太平洋地域において顕著です。海面上昇、異常気象の頻度とその猛威の増加、および海洋生態系の混乱は、既に幾つかの国々の社会経済的発
展を妨げています。
つまり、経済的ダイナミズム、人口増加および技術革新の中心であるアジア・インド太平洋地域は、地政学的には脆さを併せ持つ包括的繁栄の源なのです。よってこの地域の安
全保障は非常に重要ですが、それは多国間ベースの上に作られた規則の遵守および対話の上に成り立つ国際秩序の一環を成すものでなければなりません。
安全保障理事会常任理事国であるフランスは、世界の中のこの地域において特別な地位を占めています。フランスはその領土と国民からインド洋および太平洋の沿岸国であり、
そこには国家主権およびプレゼンスのための軍が常駐し、国家の利益を守るとともに、オーストラリア、アメリカ、インドまたは日本といったパートナー国と共に地域の安定に貢献し
ています。こうした国々との長年の関係は強化されつつあり、フランスはあらゆる面で地域の安全保障に参加し続けます。未来の潜水艦 12 隻の建造をフランスに依頼したオースト
ラリアの歴史的選択は、この 2 国の戦略的パートナーシップにおいて決定的な前進を刻むものです。
フランスは、2015 年の軍事計画法改正に際し、自国の軍事力に投資し、それを脅威の変化に適合させる意志を改めて明確にしました。この脅威には国際協力が益々必要不可欠
なものとなっています。
本資料は 2014 年春に同タイトルで発表されたものの改訂版です。前回のものと同様、アジア太平洋地域におけるフランスの防衛・安全保障政策を紹介するものです。この継続性
は、私たちの共通の安全保障のために有効な相互依存および共同活動を発展させるというフランスの長期的な強い決意を証明しています。
ジャン=イヴ・ル・ドリアン
2
フランスとアジア太平洋地域の安全保障
「ヨーロッパのパートナー諸国と同様、フランスはアジ
アの強国間の潜在的な紛争の脅威に直接晒されて
はいませんが、しかしやはり様々な理由で非常に直
接的に関わっています。国連安全保障理事会常任
理 事 国 お よ び 国 連 軍 司 令 部 軍 事 休 戦 委 員 会
(UNCMAC)メンバーであるフランスは、インド洋およ
び太平洋においてプレゼンスのある大国のひとつで
す。またフランスは、世界におけるこの戦略的地域
の安全保障に関して中心的役割を果たすアメリカの
同盟国でもあります。この地域でのフランス企業およ
び在留フランス人の数は増加していて、今後のフラ
ンスの繁栄はアジア太平洋地域のそれと切り離すこ
とはできません。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.36
アジア太平洋地域では、2000 年代のグローバル化の加
速に伴い、密売や危機などの領域が混在する「安全保
障の連続体」が確立されました。そしてそうした領域は、
ときに外国由来の過激主義のイデオロギーに影響を受
けやすく、あるいは頻繁に気候変動の影響に厳しく晒さ
れています。
国際的テロリズムはフランス、ヨーロッパおよびアジア太
平洋地域の私たちの大部分のパートナー諸国に脅威を
与えています。南・東南アジアは今日においてアル・
カーイダやダーイシュ(「イスラム国」)などの複数の活動
組織が過激化する地域になっています。テロリストグ
ループ間の高まる連携とそのうちの幾つかのグループ
の超国家的性格により、その脅威は拡散しています。フ
ランスは、国際的なテロとの戦いにおいてアジア太平洋
地域の国々と協力し、アフリカや中近東における作戦地
域の最前線で活動しています。
北朝鮮が実施した弾道ミサイル発射や核実験は、朝鮮
半島の平和的再統一の展望を遠ざけ、核兵器拡散の
新たなリスクを生み出しています。強国間の対立と軍事
力の集中が根強い歴史的緊張と一体化する北東アジア
の安定は、アメリカの決然たる参加にも拘わらず不安定
なままです。フランスは、世界および地域の平和と安全
のために国連安保理において決定的な影響を与え続
けます。
南シナ海においては、大規模な人工島造成工事に加
え領有権を争う諸島の軍事化が現状を変化させ、緊張
を高めています。こうした性質の一方的なイニシアティブ
は、国際秩序の原則の再検討を必要とさせ、航海・航空
の安全を脅しかねないものです。フランスはこの地域の
海・空域航行権を定期的に行使しています。フランスの
艦艇・航空機の航行は、海洋法に関する国際連合条約
の規定に則り、全ての海洋とその上空域の合法的で自
由かつ障害のない使用を貫く姿勢を反映しています。
それは同様に威嚇、強制または力による手段の使用に
対しフランスの断固とした反対も表しています。
気候変動による脅威の相乗的影響はアジア太平洋地
域に直接関係しています。最も脆弱な国々は経済成長
の見通しの大幅な低下に直面し、最も強靭な国々はそ
の規模または力により戦略地政学的利益を享受するで
しょう。「脆弱性によるリスク」(過激主義の増加、気候に
よる人口移動、自然災害による人道危機)は「力による
脅威」(水と農産物獲得のための脅迫、戦略的海域の
掌握)と一体化する可能性があります。
フランスは、自らも沿岸の強国であるインド太平洋へ戦
略的重心を調整しつつあります。フランスの領土は、南
インド洋にマイヨット、レユニオン、エパルス諸島、フラン
ス領南方・南極地域があり、太平洋にはヌーヴェル=カ
レドニー(ニューカレドニア)、ワリス・エ・フトゥナ、フラン
ス領ポリネシア、クリッパートンを有します。海外領土駐
留部隊およびインド太平洋地域の常設基地は、フランス
をヨーロッパ諸国の中で唯一の存在となし得ています。
フランスとオーストラリアの防衛関係の強化は、両国の
高まる関心の一致と民主的価値の共有に支えられてい
ます。この関係強化は戦略的、作戦的および産業的プ
ランとして具体化するでしょう。
アジア太平洋地域におけるフランス
マイヨット
エパルス諸島
レユニオン
ニューカレドニア
クロゼ諸島
ケルゲレン諸島
アジア太平洋地域からの対内直接投
資ストック(2012 年)―180 億ドル
アジア太平洋地域への対外直接投資
ストック(2012 年)―750 億ドル
フランスの排他的経済水域(EEZ)
フランス国民 1,500,000 人(合計)
ワリス・エ・フトゥナ
ソシエテ諸島
クリッパートン島
マルキーズ諸島
オーストラル諸島
3,000 人未満 3,000~10,000 人未満 10,000 人以上
アジア太平洋地域のフランス人駐在者:130,000 人
アムステルダム島
サン=ポール島
ツアモツ
4
めざましい再軍備で変わりゆく戦略的状況
「アジアにおける軍備競争の激しさは、第一にこの大
陸を分断する対立を反映しています。この点に関し
ては、長引く主権争い、増大する軍事費およびナショ
ナリズムが重なり合い、アジアに不安定化のリスクを
与えているということも完全には無視できません。ま
たこのリスクは、この地域を世界経済の原動力となし
えた経済成長が急減速すれば深刻化するでしょう。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.36
アジアの主張は、主に防衛・安全保障システムの現代
化の加速に表れています。国家間の緊張の持続、グ
ローバルなリスクと脅威の増加がこの動きを説明してい
ます。特に、20 世紀の紛争の遺産は、朝鮮半島、ロシア
と日本の間、台湾海峡などにおいてまだ清算されておら
ず、東南アジアでの多くの領土紛争は、公然の衝突に
至る可能性のある緊張を生み出しています。
アジアはヨーロッパ連合(EU)の最大の貿易相手国と
なっていますが、アジア太平洋地域でのいかなる危機
や紛争も、ヨーロッパおよびフランス(輸出:世界 6 位、
投資:世界 5 位)の利益を深刻に侵害する可能性があり
ます。グローバル化は、その規模と価値の面において、
海底(ケーブル)、海上および地上のルートを通るデジ
タルデータと貨物の流れの増加に表れており、そのコン
トロールは戦略的重要性を帯びています。情報ネット
ワークの拡大および自由貿易協定の増加は競争空間
を拡大させ、ヨーロッパ、アジアおよびオセアニア諸国
の軍事力は、今後はアフリカから極東までの広大な空
間の中で、アメリカも含めて互いに付き合うことになりま
す。
幾つかの国の軍は、様々な協約の枠内において、テロ
との戦い、大量破壊兵器(WMD)およびその媒体の拡
散防止、海洋安全保障、自然災害時の支援・救助任務
に貢献しています。しかし同時に、東シナ海と南シナ海
での緊張および北インド洋での軍事展開の高まりは、関
係する様々な活動者間の警戒心を増幅させる、海洋安
全保障に有害な環境を作り出しています。フランスは、
航行の自由に関する強い表明を軸に、ヨーロッパ連合
(EU)および G7 の一体性を支持しています。
科学技術の進歩は、新たな機会を生み出しますが、新
たなリスクも生み出します。海底資源へのアクセシビリ
ティ、戦力投射能力の拡大とそれと同時の進入阻止能
力の拡大、サイバー空間および衛星施設の重要性は、
アジア太平洋地域の国家間対立を煽る可能性がありま
す。
こうしたリスクと緊張を緩和するために、ASEAN*地域
フォーラムなどの新たな多国間協議の手段が生み出さ
れました。しかしながらそれは、地域が紛争の防止と平
和的解決の確実なメカニズムを整え、共通のリスクと脅
威に対する行動力を備えるよう発展を遂げる必要があり
ます。年次開催の ASEAN 国防相会議(ADMM)、拡大
ASEAN**国防相会議(ADMM プラス)、そして経済、
社会文化、政治・安全保障の 3 つを柱とする 2015 年 12
月発足の「ASEAN 共同体」は、地域の安全保障構造を
作り上げる努力を行っており、フランスはそれに支援と
貢献ができることを願っています。
フランスは、ADMM プラスと密接な関係を築くことで、国
連安保理常任理事国としての経験、作戦上のノウハウ、
そしてインド太平洋地域全体における国際法の尊重を
基礎とした平和と安全な空間の構築に対し大きな貢献
をもたらすでしょう。オーストラリアとの潜水艦分野にお
ける優れた長期的パートナーシップを作り上げた戦略
的選択がそれを物語るように、フランスは地域の安全保
障のために決然と務めを果たし続けるでしょう。
*東南アジア諸国連合
**オーストラリア、中国、アメリカ、インド、日本、ニュージーランド、韓国、ロシアを加える(2016 年)
5
アジアの安全保障環境
アジア・オセアニア地域への国防予算 2015 年
(現行 10 億米ドル)
カザフスタン
700
600
モンゴル
ウズベキスタン
トルクメニスタン
アフガニスタン
パキスタン
インド
スリランカ
ネパール
ブータン
バングラ
デシュ
ミャンマー ラオス ベトナム
タイ
カンボ
ジア
中国
日本
北朝鮮
韓国
台湾
西沙諸島
南沙諸島
千島列島/北方領土
独島/竹島
フィリピン
ブルネイ
マレーシア
シンガポール
ディエゴ・ガルシア島
インドネシア 東ティモール
オーストラリア
パプア
ニューギニア
パラオ
ソロモン諸島
グアム島
尖閣諸島/
釣魚島
ミクロネシア
マーシャル諸島
バヌアツ
ナウル
ツバル
サモア
フィジー
キリバス
トンガ
ニュージーランド
ア
メリカ
5
9
7
中国
145
インド
48
フ
ラ
ン
ス
47
日本
41
韓国
33
オ
ース
ト
ラ
リア
23
シ
ン
ガ
ポ
ー
ル
9
.7
イン
ド
ネ
シ
ア
7
.6
500
400
300
200
100
0
出典: Military Balance 2016 国際戦略研究所(IISS)
紛争地域
核兵器保有国
核兵器を保有する核兵器不拡散条約(NPT)
未加盟国
NPT から脱退した核拡散国
国境紛争地帯
国境閉鎖地帯
アメリカ軍駐屯地
1- パキスタンが実行支配しインドが領有権を主張する地域
2- インドが実効支配しパキスタンが領有権を主張する地域
3- 中国が実効支配しインドが領有権を主張する地域
ロシア
キルギスタン
タジキスタン
カシミール
アルナチャル・
プラデシュ
1
2 3
アメリカ空母
6
フランスの防衛・安全保障の意義
「アジアはグローバル化の中で決定的な役割を果た
しています。今日の世界成長を牽引する中心地域で
あるとともに、緊張と紛争のリスクが最も高い地域の
一つでもあります。
この観点から、フランスとヨーロッパにとって、アジア
への海上アクセス経路であるインド洋の安全保障は
優先問題です。国際貿易の中継地域であるインド洋
は、アメリカ、アジアおよびヨーロッパ海軍の常駐が
それを証明する通り、世界的な戦略問題の中心に位
置します。ヨーロッパ連合(EU)の初めての大規模な
海軍作戦が海賊行為に対するアタランタ作戦である
ことが、フランスだけでなくヨーロッパにとってこの海
洋が帯びる優先性を物語っています。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.57
フランスは、海外県・海外自治体(各地域環境に徐々に
同化している)と世界屈指の海軍を有していることで、地
球上の全ての海洋に存在しています。その領土と国民
(太平洋地域に 50 万人、インド洋地域に 100 万人以上)
の保護は、フランスにとって第一の義務です。またフラン
スは、アジア太平洋地域の国々に暮らす駐在員の保護
を保証する義務もあります。その人数は過去 20 年間で
220%増加し、2014 年には 13 万人を超え、この数字は
サブサハラアフリカ地域に居住するフランス人人口とほ
ぼ同じです。
フランスは、アメリカに次ぐ世界第 2 位の排他的経済水
域(1100 万㎢)―主に太平洋地域(62%)とインド洋地
域(24%)で構成される―を有しますが、その壊れやす
い環境と、それが蓄える莫大な漁労・鉱物・エネルギー
資源の保護に対する責任も負っています。フランスは、
この地域に駐屯し防衛・安全を担う軍のおかげで、自国
民および領土の保護を確実に遂行しています。この地
域で定期的に発生する自然災害時に展開される多くの
救助任務がそれを証明しています。2012 年 12 月には、
サイクロン「エヴァン」がワリス・エ・フトゥナ、サモア諸島
およびフィジーを直撃した後、フランスは当該地域に駐
屯する空軍を出動させ救急援助作戦に貢献しました。
より最近では、2013 年 11 月の台風「ハイヤン」、2015 年
3 月のサイクロン「パム」、2016 年 2 月のサイクロン「ウィ
ンストン」の通過後、フィリピン、バヌアツおよびフィジー
の人々に対し民間・軍事援助を行いました。
フランスの外交・安全保障政策は、単なる国家利益保
護の枠を超えるものであり、国連安保理常任理事国とし
て、国際安全保障分野における包括的責任を負ってい
ます。そのためにフランスは、今日僅かな国にしか与え
られていない、包括的で自立した評価・行動能力を備え
ています。宇宙・海洋・航空分野に強く、屈指の諜報手
段を有し、大規模な戦力投射プラットフォームを備える
フランスは、その同盟国およびパートナー諸国と共にあ
らゆる面において国際安全保障に貢献することができま
す。この完全な能力スペクトルにより、フランスは、核拡
散、国際テロ、海賊行為、組織犯罪、密売(麻薬、兵器
など)に対する戦いに関するものを含むあらゆる種類の
作戦を予測し、計画し、実践することができるのです。
フランスは、国連の委任下において(1993-1994 年カン
ボジア、1953 年以来朝鮮半島での国連軍司令部軍事
休戦委員会など)、あるいはヨーロッパのパートナー諸
国と共に(インド洋におけるアタランタ作戦)、NATO 同
盟国と共に(2001-2014 年アフガニスタンでの国際治安
支援部隊)、国際同盟の枠組みにおいて(2015 年以来
アラビア/ペルシア湾からのダーイシュ(「イスラム国」)に
対する海・空軍作戦)、隣国のパートナーであるオースト
ラリアおよびニュージーランドと共に(FRANZ 協定に
従ったサイクロン後の介入)、国として(2004 年 12 月イン
ド洋での津波)、様々な分野に渡り積極的かつ責任を
持って真剣に活動してきました。
7
フランス軍の活動
UNIFIL
1978~
シリア
レバノン イラク
シャマール作戦
2014~
(レバント)
ISAF
2001~2014
アフガニスタン
アタランタ作戦
2008~
イエメン
RESEVAC
2015.04
空母戦闘群
2015.12~2016.03
津波
2004~2005
マイヨット
エパルス
諸島
トロムラン島
レユニオン
ニューカレドニア
クロゼ諸島
ケルゲレン諸島
アチェ監視団
2005~2006
UNAMIC
UNTAC
1991~1993
カンボジア
フィリピン
インドネシア INTERFET
1999~2000
東ティモール
ハイヤン
(2013.11)
パム(2015.03)
ウィンストン(2016.02)
アムステルダム島
サン=ポール島
ワリス・エ・フトゥナ
マルキーズ諸島
ツアモツ
オーストラル諸島
ソシエテ諸島
フランス、国連または NATO の
枠内での軍事作戦
自然災害後の救助作戦
在外自国民保護活動(2015.04)
UNCMAC
1953~
バヌアツ フィジー
8
アジア太平洋地域におけるフランスの国際的関与
「この地域でのアメリカ軍のプレゼンスの強化は、ア
ジアにおける緊張の緩和に貢献し、紛争の平和的管
理を行うことを目的とした安定化手段の確立を助けう
るものです。しかし、アメリカの関与が、国連安保理
常任理事国であり、東南アジア友好協力条約の締結
国であるフランスの責任を軽減するものではありま
せん。フランスは、ASEAN 地域フォーラム(ARF)に
おけるヨーロッパ連合(EU)の役割に参加し、安全保
障に関する地域組織と共に活動を深めることを願っ
ています。フランスは、特に韓国および日本を含む地
域の全ての国々と信頼関係を維持しています。フラ
ンスは日本の常任理事国入りを支持しています。私
たちの国にとって、アジア地域の安定と航行の自由
は、外交および経済の優先的課題です。フランスは
同盟国と協力し、危機の勃発に際し適切なレベルの
政治および軍事的貢献をもたらすでしょう。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.58
政治および安全保障上の複数の条約および関与が、フ
ランスをアジア太平洋地域に結びつけています:
• 日本国との平和条約、通称「サンフランシスコ条約」、
1951 年 9 月 8 日調印
• 朝鮮戦争休戦協定、1953 年 7 月 27 日調印;フランス
は国連軍(UNC)および国連軍司令部軍事休戦委員
会(UNCMAC)連立の参加メンバーです。
• 東南アジア集団防衛条約、通称「マニラ条約」、1954
年 9 月 8 日調印;本条約により設立された軍事組織で
ある東南アジア条約機構(SEATO)は 1977 年に解散
しましたが、本条約は現在も効力を有します。
• 東南アジア友好協力条約、通称「バリ条約」、1976 年
2 月 24 日調印;フランスは 2007 年 1 月に加盟しまし
た。
フランスは、アジア太平洋地域においてミャンマー、中
国、北朝鮮およびタイに対して適用されている、国連安
全保障理事会およびヨーロッパ理事会が決定した経済
制裁およびその他の制限措置を遵守しています。また、
ダーイシュ(「イスラム国」)、タリバンおよびアル・カーイ
ダと関係を持つ組織や個人に対する措置も支持してい
ます。国際テロに対する戦いにおいてフランスは、2014
年来、特に「外国人戦闘員」現象を抑止し消滅させるた
めの努力の連携に貢献するため、アジアとオセアニアの
重要なパートナーたちと特別な関係を築いて来ました。
フランスは、アジアとオセアニアの国々と緊密に連携し
ながら、大量破壊兵器およびその媒体の拡散防止のた
めの様々な条約や制度(核兵器不拡散条約(NPT)、化
学兵器禁止条約(CWC)、生物兵器禁止条約(BWC)、
ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、原子力供給国グ
ループ(NSG)、オーストラリア・グループ、ワッセナー・ア
レンジメント、拡散に対する安全保障構想)の下で特に
活発に活動するメンバーです。
フランスは、自然災害に襲われた太平洋の島嶼国に対
する民間および軍事支援の連携を目的に、1992 年 12
月 22 日にオーストラリアおよびニュージーランドと
FRANZ 協定を結びました。またフランスは、アメリカ、
オーストラリアおよびニュージーランドと共に構成する4
カ国防衛連携グループ(QUAD)のメンバーであり、その
目的は、太平洋地域の特に海洋分野における安全保
障に関わる努力を連携することと、島嶼国が彼らの天然
資源、特に漁労に対し健全で持続可能な管理ができる
よう支援を行うことです。
フランスは、気候変動に関する国連会議 COP21*にお
いて、初めて参加国全員による気候のための合意を得
るために尽力し、その協定は 2015 年 12 月 12 日にパリ
において 195 カ国とヨーロッパ連合(EU)による全会一
致で採択されました。またこれに先立つ 2015 年 10 月に
は、オーストラリア、中国、インド、日本、パプアニューギ
ニア、フィリピン、シンガポールを含む 33 カ国の防衛担
当閣僚ならびに国連およびアフリカ連合代表が集まり、
気候変動が与える防衛・安全保障上の影響について話
し合う第 1 回大臣級国際会議がパリで開かれ、同テーマ
について互いの分析を交換しました。フランスはこうした
推進力の中で、インド太平洋地域の環境安全保障に関
する努力を継続し、深めていくつもりです。
* 2016 年 4 月 22 日、ニューヨークの国連本部において 175 の当事者(174 カ国およびヨーロッパ連合)がパリ協定に署名しました。
署名開始日としては歴史的記録となっています。
9
国際協定
フランス
モンゴル
ロシア
アフガニスタン
パキスタン
インド
スリランカ
バングラデシュ
ミャンマー
ラオス
ベトナム
カンボジア
タイ
シンガポール
マレーシア ブルネイ
韓国
中国 日本
インドネシア
フィリピン
パラオ
ミクロネシア
マーシャル
諸島
グアム島
北マリアナ諸島
USA
パプア
ニューギニア
ナウル
ソロモン諸島
バヌアツ
ツバル キリバス
サモア
トンガ
ニウエ
NZ
フィジー
ニューカレドニア
オーストラリア
東ティモール
ワリス・エ・
フトゥナ
トケラウ NZ
アメリカ領サモア
USA
ニュージーランド
4 カ国防衛連携グループ(QUAD)
FRANZ 協定
東南アジア友好協力条約
拡散に対する安全保障構想(PSI)のオペレーション専門家会合(OEG)メンバー
PSI の基本原則に同意している国
国連軍(UNC)参加国
太平洋共同体(26 カ国・地域)
太平洋諸島フォーラム(16 カ国+準メンバー)
経済制裁国(国連またはヨーロッパ連合)
北朝鮮
クック諸島
NZ
ハワイ USA
クリッパートン島
アメリカ合衆国
カナダ
10
FFEAU
アラブ首長国連邦
フランス軍
700 人
FFDJ
ジブチ駐留フランス軍
1,350 人
FAZSOI
南インド洋管区フランス軍
1,900 人
モルディブ
レユニオン
マイヨット
エパルス
諸島
サン=ポール島
アムステルダム島
クロゼ諸島
ケルゲレン諸島
オーストラリア
ピッチブラック(
9
カ国)
カカドゥ(
17
カ国)
700 人
パプア
ニューギニア
パラオ
ミクロ
ネシア
日本
北朝鮮
フィリピン
インドネシア
東ティモール
シンガポール
マレーシア
カンボジア
タイ
ラオス
ベトナム
ミャンマー
バングラデシュ
ブータン
ネパール
ヴァルナ
ガルーダ
シャクティ
(
2カ国間)
パキスタン
アフガ
ニスタン
トルクメニスタン
カザフスタン
キルギスタン
タジキスタン
モンゴル
中国
台湾
キー・リゾルブ(9 カ国)
ウルチ・フリーダム・
ガーディアン(9 カ国)
インド
スリランカ
コブラ・
ゴールド
(
24カ国)
アジア太平洋地域におけるフランス軍の活動 2015~2016 年
カーン・クエスト(
25カ国)
韓国
グアム島
(USA)
ブルネイ
コモド
(20 カ国)
フランス領
主要な防衛パートナー
その他の防衛パートナー
国防武官
非居住の国防武官
フランスが参加する軍事演習
住民への救援作戦
2015~2016 年の主要な寄港地
ウズベキスタン
11
アジア太平洋地域におけるフランス軍の活動 2015
~2016 年
カナダ
アメリカ合衆国
マーシャル諸島
ナウル
環太平洋合同演習(
23カ国)
パシフィック・パートナーシップ(
10カ国)
クリッパートン島
キリバス
ソロモン
諸島
ツバル
クルクル(
15カ国)
サモア
ワリス・エ・
フトゥナ
バヌアツ フィジー クック諸島
トンガ
マルキーズ諸島
ニューカレドニア
ツアモツ
ソシエテ諸島
オーストラル諸島
タファクラ(
4カ国)
FAPF
フランス領ポリネシア
駐屯フランス軍
1,000 人
FANC
ニューカレドニア駐屯フランス軍
1,800 人
赤道
15(
13カ国)
南十字星(
15カ国)
カストール(
4カ国)
ニュージーランド
サザン・カティポ(
10カ国)
12
フランス軍の重要なプレゼンス
「資源獲得に関する緊張状況の中、フランスは海外
領土においてその主権を主張し、その利益を守るこ
とができなければなりません。それはフランスがいか
なる領土をも侵害する脅威に対し、監視、制御、そし
て必要に応じて軍事的行動ができなければならいこ
とを意味します。非国家形体である可能性が高いこ
の脅威には、軍事力の可視的かつ抑止的なプレゼ
ンスが必要です。可能性はより低いものの、この脅
威が国家的である場合、フランスは適切な介入手段
を迅速に実行に移すことができなければならないで
しょう。それは当地の入り口(港や空港)保護と複数
の軍事能力のプレゼンスであると考えます。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.110
インド太平洋におけるフランス軍のプレゼンスは、防衛・
安全保障の必要性に適応したものです。この区域全体
に 8 000 人の兵士が常時配置されており、その内訳はイ
ンド洋に 4 500 人、太平洋に 2 800 人および作戦展開中
の海軍が 700 人です。この軍事力は、フランス領土の保
護と安全および排他的経済水域の管理を監視していま
す。また、住民救助作戦、密売との闘い、「海洋におけ
る国の活動」任務、およびあらゆる分野における防衛協
力活動でも活躍しています。
北インド洋において、アラブ首長国連邦およびジブチの
駐留軍(FFEAU および FFDJ)は、ラファール戦闘機6機
(UAE)、ミラージュ 2000 機 4 機(ジブチ)、ヘリコプター8
機、輸送機1機、支援艇2隻を配備しています。フランス
本国を基地としこの地域で作戦を展開する戦艦は、機
雷戦争、投射・指揮艦または空母シャルル・ド・ゴールを
軸に構成する空母戦闘群を中心とした強襲揚陸部隊な
ど、自立した任務またはタスクフォースの枠内での任務
を遂行しています。
南インド洋のレユニオンとマイヨットに分かれ駐留するフ
ランス軍(FAZSOI)は、監視フリゲート 2 隻、軽輸送艦 1
隻、哨戒艇 2 隻、戦略輸送機 2 機、ヘリコプター2 機を
配備しています。
太平洋のヌーヴェル=カレドニー(ニューカレドニア)お
よびフランス領ポリネシアのフランス軍(FANC および
FAPF)は、監視フリゲート 2 隻、哨戒艇 4 隻、多任務艦
2 隻、海上監視機 5 機、戦略輸送機 4 機、ヘリコプター7
機を配備しています。
またフランスは、アジアとオセアニアの 33 カ国において
認められた居住・非居住の 18 人の国防武官(ミリタリー・
アタッシェ)が緊密なネットワークを維持し、彼らは(2016
年春から中国、インドおよびオーストラリアの)副国防武
官、「軍用装備」武官、常任軍事協力者およびアメリカ
太平洋軍(USPACOM)連絡士官らと協力して、防衛に
関する全ての分野における 2 国間協力を発展させてい
ます。
フランス海軍士官一名が、アジアの海上経路の監視を
目的とした在シンガポールの地域センターである情報
統合センター(IFC)に在籍しています。彼はまた、支援
任務の軍事的側面を処理する目的で、2014 年 9 月の設
立以来 IFC と共同で所在する地域人道支援・災害救助
調整センター(RHCC)の連絡士官の職務も果たしてい
ます。
軍 事 政 治 面 で は 、 フ ラ ン ス は 南 太 平 洋 防 衛 相 会 談
(SPDMM)に加え、アジア太平洋地域の安全保障に関
わる国の防衛担当閣僚たちが毎年集まるシャングリラ会
合にも参加しています。フランスはヨーロッパ連合(EU)
を通して ASEAN 地域フォーラムにも参加しています。
軍事面では、USPACOM が主催するアジア太平洋諸国
参謀総長等会議(CHOD)、年次開催のアジア太平洋
地域情報部長等会議(APICC)などが、必須の活動と
なっています。屈指の海軍力を有するフランスは、インド
洋および太平洋における海洋問題を専門とした様々な
地域協力組織にも参加しています(インド洋海軍シンポ
ジウム、北太平洋海上保安フォーラム、西大平洋海軍
シンポジウムなど)。またフランスは、インド洋委員会の
創設メンバーであり、環インド洋連合対話パートナーで
もあります。
13
フランス軍のプレゼンス
カザフスタン モンゴル
ウズベキスタン
キルギスタン
トルクメニスタン
タジキスタン
アフガニスタン
パキスタン ネパール
インド
FFEAU
アラブ首長国連邦フランス軍
海軍基地
1 700 4 1
FFDJ
ジブチ駐留フランス軍
1,300 4 1 6
マイヨット
FAZSOI
南インド洋管区フランス軍
1,900 5 2 2
レユニオン
フランス領
国防武官
非居住の国防武官
装備武官
フランス人連絡士官-USPACOM
フランス人連絡士官-情報統合センター
国内基地
国外基地
2015~2016 年の主要な寄港地
モルディブ
スリランカ
サン=ポール島
アムステルダム島
バングラデシュ
ケルゲレン諸島
ブータン
中国
ミャンマー ベトナム
ラオス
タイ
カンボジア
マレーシア
シンガポール
ブルネイ
フィリピン
インドネシア
台湾
韓国
北朝鮮
日本
グアム島
東ティモール パプアニューギニア
フランスが参加する対話会議
▢ SPDMM:南太平洋防衛相会談
▢ JIDD:ジャカルタ国際防衛ダイアログ
▢ プトラジャヤ・フォーラム
▢ シャングリラ会合
▢ SDD:ソウル防衛対話
▢ APICC:アジア太平洋地域情報部長等会議
▢ CAEX:オーストラリア陸軍本部長会議
▢ CHOD:アジア太平洋諸国参謀総長等会議
▢ IONS:インド洋海軍シンポジウム
▢ IORA:環インド洋連合
▢ MPAT:多国籍立案増強チーム
▢ PACC:太平洋地域陸軍参謀総長等会議
▢ PCGF:太平洋海上保安フォーラム
▢ QUAD:4 カ国防衛連携グループ
▢ WPNS:西太平洋海軍シンポジウム
オーストラリア
フィジー
ニューカレドニア
FANC
ニューカレドニア駐屯
フランス軍
ニュージーランド
ワリス・エ・フトゥナ
トンガ
FAPF
フランス領ポリネシア駐屯
フランス軍
1,800 4 4 4
1,000 3 5 4
ハワイ
フランス領
ポリネシア
バヌアツ
14
信頼できる、強力な防衛協力のためのパートナー、フランス
「インド洋沿岸の強国であるフランスは、インドとの優
遇的関係の発展により強められた特別な役割をそこ
で果たしています。1998 年に結ばれた戦略的パート
ナーシップが、2 国の主要利益に関わる分野での協
力を可能にしています。フランスは、国連安全保障
理事会を改革し、インド[...]が新しい常任理事国にな
ること支持しています。
太平洋の中でフランスは、同地域に存在する政治上
および海軍の強国としての責任をしっかりと果たして
います。フランスは 2012 年にオーストラリアと戦略的
パートナーシップの合意を締結しました。それは、太
平洋およびインド洋に関わる多くの国際的および地
域的問題に対し、両国の高まる関心の一致を強調す
るものです。またそれは、フランス軍のプレゼンスに
よるこの地域の国々の利益の更新も認めるものです。
フランス軍のプレゼンスは、同地域の諸国にとって安
定の要素になることに加え、特に自然災害時におい
て、フランス海外領土に既に配備されている国家的
手段により迅速な支援が可能とみなされています。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.59
フランスは、地域の多くの国々と強固な関係を築き(次頁の
地図参照)、国際的防衛・安全保障問題に関する側面を含
む「戦略的パートナーシップ」*を日本(1995 年、2012 年に
大臣級に引上げ)、中国(1997 年)、インド(1998 年)、イン
ドネシア(2011 年)、オーストラリア(2012 年)、シンガポール
(2012 年)、ベトナム(2013 年)と結びました。
フランスは、オーストラリアおよびインドと、共通の価値と利
益を基礎とした戦略的対話、密接な軍事協力および特別
な装備協力を中心に据えた、最大級のパートナーシップを
築き上げました。フランスとオーストラリアは既に中東、イン
ド洋および太平洋において協力し、展開していますが、両
国の戦略的関係は、2016 年 4 月にこれまでになく大きく前
進しました。これは地域全体の安全にも恩恵をもたらすで
しょう。またこの推進力は、フランスとインドの関係において
も、2 国間で毎年実施する大規模な海軍(ヴァルナ)、空軍
(ガルーダ)、陸軍(シャクティ)合同演習に見られるような
両国間の優遇的関係の強化にもつながるものでしょう。日
本との関係は、日本における憲法解釈の方向により、今後
増加する国際舞台での協力の見込みをもたらす「特別な
パートナーシップ」を結びました。これらの国々にとってフラ
ンスは、アメリカとの密接な連携という切り札と、戦略的自立
を同時に持ち合わせています。
シンガポールとフランスは、防衛の研究・技術分野での 2
国間協力の継続的強化またはシンガポール空軍のフラン
スでの訓練を通して、信頼できる長期的パートナーシップ
を築こうとしています。より最近ではマレーシアが、緊密な
政治的対話(大臣級防衛共同戦略上級委員会)およびマ
レーシアの潜水艦戦力の構築を実現した模範的な防衛協
力を通して、フランスの緊密なパートナーとなっています。
南太平洋においては、ニュージーランドと戦略的分析およ
び利益の一致を基礎とした特別な関係を発展させていま
す。隣国であるオーストラリアおよびニュージーランドと維
持する関係を基に、2015 年にヌーヴェル=カレドニー
(ニューカレドニア)において地域の海上監視のための 3 国
大臣間会議を初めて開催しました。
自然災害管理分野の評価能力が認められている太平洋駐
留フランス軍は:
- 太平洋および東南アジアのパートナー国が参加できる軍
部間合同演習「南十字星」を隔年で組織しています。特
に人道支援および在外自国民保護に関する相互実行可
能性および能力強化を目的としています。
- アジア太平洋地域の 31 カ国の参謀総長により設立され、
USPACOM が組織する多国籍立案増強チームのプログ
ラムの枠内におけるリフレクション・ワークショップである、
テンペスト・エクスプレスを定期的に受入れています。
防衛協力は、ヌメアおよびパペーテに駐留する監視フリ
ゲートが行う寄港や、フランス本土またはアラビア/ペルシア
湾から来る空母戦闘群や揚陸艦群の定期的な展開(ジャ
ンヌ・ダルク艦隊、特別任務など)に伴う寄港がもたらすも
の以上に、同盟国やパートナー国が組織する海洋空間の
安全、人道支援、自然災害被害住民支援および在外自国
民の退避の領域に関する主要な地域的演習・計画への貢
献を通して実現されます。
構造的な面においての防衛協力は、パートナー諸国の軍
事力の構造化を支援するための評価、助言および訓練の
分野における能力の共有を軸としています。国防省との協
議の上、外務・国際開発省により考案・実施されているこの
永続的協力は、危機の防止および脱却の分野も含みます。
助言および訓練の役目とは、主にフランスの軍事機関への
士官の受け入れ(毎年アジア諸国から 100 人ほどの研修生
受け入れ)、軍隊のための専門的任務の指導、および平和
維持活動のための訓練センター支援に関するものです。
*各戦略的パートナーシップは特別で、それを締結した国により異なる名称をなすこともありますが、いずれの場合も強力な政治協定です。
15
防衛協力
ロシア
カザフスタン
ウズベキスタン
キルギスタン
モンゴル
トルクメニスタン
タジキスタン
アフガニスタン
パキスタン
インド
ネパール
ブータン
中国
バングラデシュ
ラオス
ミャンマー
タイ
カンボジア
マレーシア
シンガポール
北朝鮮
スリランカ
韓国 日本
台湾
フィリピン
ブルネイ
インドネシア
東ティモール
ミクロネシア
グアム島
パラオ
パプア
ニューギニア
マーシャル諸島
ナウル
ソロモン
諸島
オーストラリア
ツバル トケラウ(NZ)
バヌアツ
ニューカレドニア
サモア
キリバス
フィジー
ワリス・エ・
フトゥナ
トンガ
ニウエ(NZ)
クック諸島(NZ)
ハワイ
フランス
ニュージーランド
カナダ
アメリカ
合衆国
主要な防衛パートナー
その他の防衛パートナー
構造的協力活動
フランス主催の軍事演習:
南十字星
カストール
フランスが参加する主要な軍事演習:
カーン・クエスト
ウルチ・フリーダム・ガーディアン
環太平洋合同演習(RIMPAC)
サザン・カティポ
クルクル
タファクラ
ピッチブラック
カカドゥ
パシフィック・パートナーシップ
キー・リゾルブ
コブラ・ゴールド
2 国間軍事演習
(ヴァルナ、ガルーダ、シャクティ)
ベトナム
16
軍用装備協力分野の、革新的で信頼できる責任感のあるパートナー
「フランスは防衛協力によってインドネシア、マレーシ
ア、シンガポール、ベトナムなど地域の多くの国の安
全保障に参加しています。フランスは、活発な存在
感、戦略的パートナーシップの発展および協力ネット
ワークの強化を通して政治的参加を強固なものにし
ています。
フランスにとって東南アジア第一、(中国と日本に次
ぐ)アジア第三の貿易相手国であるシンガポールと
は、定期的な政治対話および緊密な防衛・安全保障
協力を進めています。」
国防・国家安全保障白書 2013、p.58
世界第 6 位の経済大国であるフランスは、核抑止力、衛
星、戦闘機、潜水艦、艦艇、戦車・戦闘車、あらゆる種
類のミサイル、C4ISR に貢献する全設備の自立的考案・
製造能力が物語るように、完全で独立した軍事力を所
有しています。ヨーロッパで唯一のこの能力は、確実で
革新的な産業力、大規模な軍事予算および民間・軍事
国内研究開発支出(世界 6 位、ヨーロッパ 2 位)に支えら
れています。
フランスは、世界第 5 位の軍用装備輸出国であり、フラ
ンス製防衛設備品の販売が増加しているアジア諸国
(1998~2002 年の 12%に対し 2008~2012 年は 28%)の
自衛能力の強化に貢献しています。オーストラリア、イン
ド、マレーシアおよびシンガポール(防衛研究・技術分
野でのフランスの第 2 のパートナー)が、この分野におけ
る主要な協力パートナーですが、アジア太平洋地域の
他の多くの国々ともこの分野での関係を維持していま
す。
装備分野に関するフランスの総合政策は、産業協力お
よび技術・ノウハウ譲渡に関する豊かな経験とそのオー
プン化、ならびに訓練および兵站支援の分野における
長期的サポートの供給を特徴としています。これに関し
てフランスは、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、
インドネシア、日本などでの様々な装備品見本市に参
加しています。:アヴァロン(オーストラリア国際航空宇
宙・防衛展示会)、パシフィック(国際海洋展示会)、シン
ガポール・エアショー、LIMA(ランカウイ国際海洋・航空
宇宙展示会)、インド・ディフェンス・エクスポ&フォーラ
ム、MAST アジア(海上/航空システム・技術)など。
フランスの防衛設備品の輸出政策および産業・技術協
力の実施は、フランスが発展に取り組む戦略的パート
ナーシップおよび包括的関係に役立つ手段です。これ
ら設備上の特殊な性質により、他国へのフランス製装備
品の販売は決して純粋な技術または商業的決定ではあ
りません。それは政治および戦略上の配慮に従い、
パートナー間の信頼関係に栄誉を与えるものです。また
フランスの輸出政策は、透明性、人権保護、国際的安
定および倫理の原則にも基づいています。
アジアおよびオセアニアにおける装備品に関するフランス
の主要パートナー(2006~2015 年)
6000
5000
0
1000
2000
3000
4000
100万€
インド マレーシア 韓国 シンガポール インドネシア オーストラリア
フランス製品受注の地理的内訳 2010~2014 年
出典:装備総局/国際開発局(DGA/DI)
主要輸出国-市場内訳の推定 2010~2014 年
(受注年間平均)
ヨーロッパ アメリカ ロシア その他
年間平均 1,000億€
9.701億€ 6.171億€
アジア
44.282億€
35.581億€
オセアニア
2.424億€
ヨーロッパ
12.7%
アジア
30.1%
中近東
38.1%
その他
3.2%
南北アメリカ
10.8%
アフリカ
4.4%
中近東
納品内訳 2014 年
オセアニア
0.7%
118.179億€
ヨーロッパ
17%
アジア
28%
中近東
26%
その他
5%
南北アメリカ
11%
アフリカ
13%
出典:フランスの装備品輸出に関する2015年度国会報告書
編集委員会
国際関係・戦略総局
フィリップ・エレラ(局長)、パトリシア・レウィン(普及担当)
ジェローム・シャルドン中佐(アジア太平洋事務局長)
マリアム・ポントニ(アジア太平洋任務担当)、リュシー・ルリヨン(情報・通信課長)
国防情報通信委員会(DICoD)
ジェローム・バロエ中佐(出版事務局長)、ジャン=シャルル・ムジョー(アートディレクター)
イザベル・アルノルド(編集部秘書)、ジャン=フランソワ・ミュニエ(製作部長)
グラフィックデザイン:クリスティーヌ・ピロー
カバーデザイン:ジャン=シャルル・ムジョ―
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