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第 3 章 グループ効用関数による評価法の理論 と実施手順

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第 3 章  グループ効用関数による評価法の理論 と実施手順

3.1  グループ AHPによる従来の主な評価法 

  グループ評価法とは,基本的には合意形成に基づく評価方法であり,合意形 成の過程でメンバー間の意思を調整する技術が求められる. 

  具体的には「評価項目とその重要度,メンバーの影響度」を明確にし,「個人の 不満度の低減(各人の評価結果を極力無視せずにグループの不満度を蓄積させ ない考え方)」にも配慮すること[16]だとされる.さらに実務的な面から見れば,

「評価プロセスにムダがなく,相対的にシンプルで,コストパフォーマンスがよ いもの」が求められる.このような観点からAHPによるグループ評価法,すな わち「グループAHP」について従来の主な評価法について振り返る.

  最もポピュラーなグループAHPとしては,AHPの開発者Saatyが提案した2 つの方法[17]がある.

  一つめの方法は「グループを構成する各メンバー全員で討議して一対比較値 を決める方法」であり,二つめの方法は「各メンバーが与えた一対比較値を幾何 平均し,その算出値をグループの一対比較値にする方法」である.これらの方法 は実務的には使いやすく便利であるが,最初の方法はグループの規模によって は意見集約に相当時間がかかるし,後の方法の場合,集団としての評価値が各 メンバーの評価値と遊離して不満が蓄積される心配がある.

  そこで,Saatyの方法以外にも様々なグループAHPが研究されている.

  その一つに山田等が提唱した区間 AHP 法[18]がある.この手法の特徴は「メ ンバーの一対比較値を区間値で与えて,グループ評価値へ集約していく点」にあ り,AHP評価の整合性を保ちながら,評価者の不満を低減する工夫がなされて いる.しかし全一対比較が前提ゆえに,代替案の数(設計案などが多いと作業量 が膨大になる)に制約されるという実務的な課題が残る.

  一方,中西らが発表した集団意思決定ストレス法[19] [20]も最近注目されて いるグループAHPの一つである.この手法は「数理計画法を用いて評価者を合 理的に格付けすることによって,集団全体の意思決定ストレス(メンバーの不満

22

(2)

の総和)を最小にしようとするアプローチ」である.

したがって,本手法はメンバーの影響度とメンバーの不満度の低減に配慮した 合理的な手法と言える.しかし,評価対象となるテーマが「住民合意形成での意 思決定」であり,グループが大規模で各評価者も不特定多数の一般人を前提にし ている.ゆえに,本論文で取上げる製品開発活動の特性(特定技術分野の意思決 定上の専門家小グループであり,意思決定上の機動性が要求される)を考慮する と,実務面で必ずしも適しているとはいえない.

  さらに,八巻らが提案する大規模AHP(評価者が多数で代替案も多数)法 [21] もグループAHPを代表する評価法であり,「一対比較値に欠落や重複を許し,

不完全情報の元で,グラフ,ネットワークを利用して重要度を求める点」に特徴 がある(不完全情報下での一対比較評価の研究では,Harker法,二段階法(TS法),

不完全情報に対する対数最小二乗法(LLS法)などが知られている[22]).

  この手法は「全員参加型の人事評価」の支援手法として開発されているので,

特定の評価者が全被評価者の人事評価ができない状態(不完全情報)でもグルー プ評価を可能にした点で,合理的でかつ実務的な評価法といえる.もちろん上 位評価者(上司)の概念も導入されているのでメンバーの影響度にも配慮がなさ れている.しかし本論文のテーマである製品開発プロジェクトのケースでは,

完全情報(各評価者がすべての代替案を評価できる状態)が大前提になるので,

八巻らの手法の特徴は必ずしもメリットにはならない.

  このように,上述してきた従来の代表的なグループAHPは,ある特定の分野 や状況では有効であるが,本論文で取上げるテーマ(製品開発活動での構想設計 案評価)に最適な評価方法であるとはいい難い.

  したがって本論文でグループ効用関数による評価法を提案することは意義あ ることだといえる.

また本研究ではAHPで求めた評価値(ウエイト値)を効用値と解釈する従来の 概念[23]をさらに発展させて,AHP に基づいて効用関数を特定化し,連続値と しての効用値を提案している点が大きな特徴になっている.

  なお,上述したグループAHPについてその特徴を整理すると表3.1に示す とおりである.

(3)

表 3.1  グループ AHP による主な従来の評価手法 

特 に 規 定 な し 評 価 グ ル ー プ の 規 模 や 代 替 案 の 数 に よ っ て は 意 見 集 約 に 相 当 時 間 が か か る .

大 規 模 グ ル ー プ に 適 し て い る

大 規 模 グ ル ー プ に 適 し て い る

小 規 模 グ ル ー プ に 適 し て い る

グ ラ フ , ネ ッ ト ワ ー ク 理 論 を 使 う の で 実 務 的 に は 評 価 方 法 を マ ス タ ー す る の に 時 間 が か か る

特 定 の 評 価 者 が 全 被 評 価 者 の 評 価 が で き な い 状 態 で も グ ル ー プ 評 価 を 可 能 に し て い る

数 理 計 画 法 等 を 使 う の で 実 務 的 側 面 か ら は 評 価 方 法 を マ ス タ ー す る の に 時 間 が か か る メ ン バ ー の 影 響 度 と メ ン バ ー の 不 満 度 の 低 減 に 配 慮 し た 合 理 的 な 手 法 に な っ て い る 全 一 対 比 較 が 前 提 ゆ

え に , 代 替 案 の 数 が 多 い と 作 業 量 が 膨 大 に な る と い う 実 務 的 な 課 題 が 残 る . A H P評 価 の 整 合 性 を 保 ち な が ら , 評 価 者 の 不 満 を 低 減 す る 工 夫 が な さ れ て い る 実 務 的 に は 気 軽 に 活

用 で き る .

集 団 と し て の 評 価 値 が 各 メ ン バ ー の 評 価 値 と 遊 離 し て 不 満 が 蓄 積 さ れ る 心 配 が あ る .

複 雑 な 手 法 で は な い の で , 実 務 的 に は 気 軽 に 活 用 で き る .

S aatyの 方 法(1) 幾 何 平 均 法 A H P前 提

S aatyの 方 法(2) メ ン バ ー 討 議 法 A H P前 提

山 田 ら の 区 間 A H P法

中 西 ら の 集 団 意 思 決 定 ス ト レ ス 法 住 民 合 意 形 成 の 意 思 決 定 支 援 法

  一 対 比 較 値 に 欠 落 や 重 複 を 許 し , 不 完 全 情 報 の 元 で , グ ラ フ , ネ ッ ト ワ ー ク を 利 用 し て 重 要 度 を 求 め る 方 法

メ ン バ ー の 一 対 比 較 値 を 区 間 値 で 与 え て , グ ル ー プ 評 価 値 へ 集 約 し て い く 方 法

八 巻 ら の 大 規 模A H P法 全 員 参 加 型 の 人 事 評 価 支 援 法

数 理 計 画 法 で 評 価 者 を 合 理 的 に 格 付 け し , 集 団 全 体 の 意 思 決 定 ス ト

レ ス(メ ン バ ー の 不 満 の

総 和)を 最 小 に し よ う と

す る ア プ ロ ー チ メ ン バ ー 全 員 の 討

議 で 一 対 比 較 値 を 決 め る 方 法 各 メ ン バ ー の 一 対 比

較 値 を 幾 何 平 均 し , グ ル ー プ の 一 対 比 較 値 に す る 方 法 概要手法名利点欠点特徴 代替案数

特 に 規 定 な し

特 に 規 定 な し 特 に 規 定 な し 特 に 規 定 な し 非 専 門 家 一 部 の 専 門 家 (人 事 系) 規模 評価情報

少 数 向 き 少 数 向 き 少 数 向 き 少 数 向 き 大 多 数 向 き

完 全 情 報 完 全 情 報 完 全 情 報 完 全 情 報 不 完 全 情 報

              24  

                   

18

(4)

3.2  本評価法の展開理論  3.2.1  対数効用関数の導入 

  スコアリングモデルの各スコア,例えば5点評価法では 1〜5の整数値は,

前章でも触れたように順序尺度であり,このままでは平均値を求める等の演算 の対象にはならない.しかし,スコアリングモデルの各スコアと絶対評価型 AHPにおける各スコアの重要度を関係づけることによって,効用関数を導くこ とが可能になる.  

  その理由は,各スコアの重要度は,AHPの一対比較の基本スケール(第2章の 表 2.1 参照)を用いて算出されるので,一対比較の整合性が完全に維持されて

いれば,AHPの一対比較の原則から,メンバーkのスコアEkとその重要度Rkとの

間に,Rkに対するEkの指数関数の関係が(3.1)式に示すように成立し,その逆 関数を導くと(3.2)式のような対数関数が求まるからである. つまりこの対数 関数が効用関数ということになる. 

) , , 1 ,

1 ,

0 (

, a k n

a

R

k

= α

kEk

α >

k

> = Λ

  (3.1)  α:尺度パラメータ

ak: メンバーkの指数関数パラメータ, 

k k

k

k

A R B

E = log +

   (3.2)

) , , 1 ,

log )

(log ,

) (log

( A

k

= a

k 1

B

k

= a

k 1

α

1

k = Λ n

  したがって,この段階で5点評価法の各スコアは単なる順序尺度上の数値と してではなく,効用値として演算対象になる.実際に評価手法として活用する

際には, (3.1)式のEk からRkを求めて,このRkを構想設計案の評価値として活

用することになる.   

(3.2)式は心理物理学の分野でよく取上げられるWeber-Fechner's Low[24]と類 似の対数効用関数であると解釈できる.なおEkの各スコアiEk (i =1,…,5)に は表 3.2に定めた評価の程度を示す形容詞的表現を対応させている.

(5)

表 3.2  各スコアの評価値としての意味 

Ek (各スコア値の意味)

5 Excellent (非常に優れている):最適化水準(理想的)

4 Very good(優れている)

3 Common(普通):希求水準(及第点)

2 Bad(劣っている)

1 Very bad(非常に劣っている)

  心理学で感覚印象を示す言語体系について研究した結果によると,evaluation  (評価:良い-悪い等) ,potency(力量:大きい-小さい等),activity(活動性:積 極的-消極的等)を示す言語は,民族の違いや,男女差,その他を吟味しても普 遍的であることが実証されている[25],[26].

  したがって,表 3.2 に示された値Ekの値の意味はevaluationを表現している ので心理学的見地からも適切であると考えられる. 

  3.2.2  グループ効用関数の特定化

  グループとしてスコアEの重要度の合意を得るにはグループ効用関数[27]

を設定する必要がある.グループとしての効用値(スコアのこと)をEとし,E に対応するグループとしての重要度をRとし,すべてのメンバーについて基本 スケール(第2章の表 2.1 参照)に基づいた一対比較の整合性が完全に維持さ れていると仮定すれば (3.3)式が成立する. 

 

R = α a

E

, ( α > 0 , a > 1 )

        (3.3) a: グループの指数関数パラメータ

その根拠を下記に示す. 

  (3.3) 式は指数関数形であるので,グループとしての重要度の実現値R は各 メンバーkの重要度Rk の幾何平均として(3.4)式のように導かれる.   

∏ ∏ ∏

= = =

=

=

=

n

k

n E n

k

n k n k

E n k

k

a a

R

R

k

1

1

1 1

1 1

) ) ((

) (

)

( α α

        (3.4)

  したがって,(3.3)式,(3.4)式より(3.5)式が導かれる. 

     

=

= n

k k n

a a

1 1

)

(         (3.5)

2426

(6)

(3.5)式はすべてのメンバーについて一対比較の整合性が完全に維持されてい れば,グループとしてのERの関係を表す指数関数( (3.3)式)のパラメータa は各メンバーkについてのEkとRkの関係を表す指数関数((3.1)式)のパラメータ akの幾何平均で表されることを示している.ただし,現実には一対比較の整合 性が完全に維持されていることは少なく,誤差が発生するので,パラメータa は後述するように対数最小二乗法を適用して推定される.ところで, (3.3) 式の両辺の対数をとることによってグループ効用関数は(3.6)式のように導か れる. 

     

E = A log R + B

      (3.6)    ただし,A,Bは(3.7)式による. 

     

      (3.7) 

=

=

= n

k

ak

n a A

1 1 1 (log( )) )

(log

      B = (log a )1 log

α

1  

3.2.3  グループ効用関数に基づく各スコアの重要度の算出法 

  ある構想設計案に対する特定の評価項目についてのメンバーkの評価スコア (効用値)をi∈Ekとして,グループ効用関数((3.6)式)からグループとしての当 該評価項目における当該構想設計案の重要度Rを求めるのに,本論文では各メ ンバーの評価スコアEkの算術平均をグループ評価スコアEとする方法を採用す る.単純に算術平均する理由は,効用関数を評価に活用するので,算術平均は 期待効用値という概念で説明できるからである.つまり,グループを一つの単 位(意思)としてとらえると,各メンバーが評価したスコア は,そのスコアの実 現(発生)確率に相当し,すべての確率が 1/n(各メンバーの影響度を均等とみな したことによる)であることからグループ効用値は算術平均で求まるという解 釈である. 

  したがって,グループ評価スコア(期待効用値)E

E = n

nk=

E

k

1

1       (1≦E≦5  ただしEは実数)となるので,これを(3.6)式 のEに代入して(3.

8)式を求め,Eに対応する構想設計案の重要度Rを(3.9)式のように導くことが

できる. 

(7)

    

=

+

n =

k

k A R B

n 1 E log

1         (3.8)

    n

n k E E

n k

n k

k

a

a R

1

1 1

) (

1

=

∑ =

= α

=

α

        (3.9)

  (3.9)式はグループ効用関数に基づくグループとしての重要度Rは,各メン

バーのスコアの算術平均(期待効用値)をグループ効用関数の逆関数に代入する ことによって導かれることを示している. 

  一方,絶対評価型AHPによるグループとしての重要度'は(3.10)式のよう に導かれる. 

      n

n

k

E k k

a R

1

1

) (

'

=

=

α

        (3.10) (3.9)式 と(3.10)式 の違いは,(3.9)式がすべてのメンバーに共通するパラ メータaに基づいてグループとして重要度Rが導かれるのに対して,(3.10)式  はパラメータakがメンバーkに依存しており,合意形成がなされないまま,グル ープとしての重要度が導かれることを示している.ここにグループ評価 (意思 決定)を行う上での合理的思考の不十分さ(つまりグループ評価の混乱要因)が 潜んでいる. 

                   

28 26

(8)

3.3  本評価法の実施手順 

  提案評価法の最大の特徴は,グループ効用関数を設定して,各スコアのグル ープ重要度と構想設計案のグループ評価値を求めることであるが,一連の手順 を図 3.1 のフロー図に示す. 

1.構想設計案評価項目の設定

2.各評価項目の重要度の決定

整合度:IC≦0.1 No

           

   

   

     

     

図 3.1  提案評価法の実施フロー図  3.各スコアの重要度設定

YES

4.グループ効用関数の特定化

効用関数の適合度

5.スコア別グループ重要

各々のスコア重要度   の合意形成

6.各構想設計案の評価 YES No

YES No

(9)

3.3.1  (手順1)構想設計案評価項目の設定 

  評価項目j(j=1~m) (技術的側面や経済的側面など)を予め明確にして設定して おく. 

3.3.2  (手順2)各評価項目の重要度の決定

  AHPを利用して,各評価項目jの重要度wjを求める.各評価項目の重要度は,

メンバーk(k=1~n)が評価した一対比較値の幾何平均値を代表値として用いて最 終的な重要度を求める. 

  これは前述したようにSaatyが提案したグループAHP法の一つである.この 方法を今回用いた理由は,少グループ(4名)であり,かつ全メンバーが対象技 術分野の専門家なので,意思決定上の合意形成が比較的容易(個人評価のバラツ キが少なく,不満蓄積が少ない)に行えると判断したからである. 

  しかし,この方法で必ずしもグループの合意が得られない場合は,3.1で紹 介したような他のグループAHP法(例えば区間AHP法[9]など)の活用が考えら れる.なお,本手法(幾何平均法)を用いることによって一対比較の整合性が悪 くなる場合は,メンバー間で再検討を行う. 

  整 合 度 を 示 す 指 標 C.I(Consistency Index)は , 評 価 項 目 数 が m の 場 合 C.I=

(

λmaxm

)

/(m−1)で求められる.(λmaxは最大固有値)整合性が完全な場合は λmaxm になるのでC.I=0となる.経験則的にはC.Iが0.1以上の場合は整合性 が悪いと判断して一対比較の再検討を行うことが多い. 

3.3.3  (手順3)各スコアの重要度設定

  スコア E に対応した重要度 R を手順2と同様に幾何平均法によるグループ AHP 法で求める.スコアを一対比較の対象にする場合,原則的に整合性(推移 率)は維持されるので整合度 C.I が極端に悪くなる(例えば,C.I>0.1)ことはまず ないと考えて,本手法(幾何平均法)による合意形成を行った.

3.3.4  (手順4)グループ効用関数の特定化

  スコアEとそれに対応した重要度Rをグループ効用関数の逆関数としての(3.

11)式((3.3)式と本質的には同じ関数である)に代入して,対数最小二乗法によ ってパラメータα,βを求め,(3.11)式を特定化する.これが仮のグループ効 用関数である. 

 

28 30

(10)

 

R = α exp( β E )

      (3.11)       特定化した(3.11)式の適合度(AHPで求めたR の値と(3.11)式から求めた 推定値の相関係数で判断)もチェックする.万が一求めた対数効用関数の適合度 が低い場合(例えば,相関係数が0.9 未満)には,スコアEのスケール調整を行う 必要がある.(例えば,最低と最大のランク間を補完する数値を変更・調整する ことなどが考えられる.) 

3.3.5  (手順5)スコア別グループ重要度の合意

  適合度に問題がなければ,手順4で求めた推定重要度R*から各スコアどうし の推定一対比較値を算出する.次に,手順3で個々のメンバーが設定した各ス コアどうしの一対比較値との隔たりを各人が認識・確認し,その上で各メンバ ーが算出した値と推定値との偏差がすべてグループが認識する許容範囲内に収 まっていると判断したらメンバー間の合意が成立したと判断し,仮の効用関数 をグループ効用関数に位置づける.合意が成立しない場合は,再度重要度Rの 設定へ(手順3)戻る. 

3.3.6  (手順 6)各構想設計案の評価 

  手順5で設定したグループ効用関数((3.11)式参照)を活用して,各評価項目 j毎に,各開発メンバーkがスコア(1〜5の整数値)で各構想設計案lの評価を行 う.構想設計案lの評価項目jに対する開発メンバーkの評価スコアをEk(l,j) とす るとEk(l,j)=i  (1≦i≦5  ただしiは整数)である. 

  そして,開発メンバーkが評価したスコアの算術平均E(l,j)を(3.12)式から求 める. 

  E(l,j )=1 ( ( , ))

1

= n k

k l j

n E       (3.12)        (1≦E(•,•)≦5  ただしE(•,•)は実数) 

     

  算術平均E(l,j )を(3.11)式のEに代入すると,構想設計案lについて,評価 項目jの重要度R(l,j )が(3.13)式のように求まる. 

 

 

R ( l , j ) = α exp( β E ( l , j ))

        (3.13) 

(11)

したがって,構想設計案lの総合評価ポイント(総合評価値)S(l)は,(3.14)式か ら算出することになる.

     

∑ ∑

        (3.14)

= =

=

= m

j

m j

j

jR l j w E l j

w l

S

1 1

)) , ( exp(

) , ( )

(

α β

       

なお,現製品pの総合評価ポイントS(p)に対する構想設計案lの総合評価ポイ

ントS*(l)は,(3.15)式に示すようになる. 

       

) (

) ) (

(

* S p

l l S

S =         (3.15)

  また,すべての評価項目jで希求水準 (スコアがE(l, j)=3 のこと)になる場合 の総合評価ポイントを 1 に基準化した時の構想設計案lの総合評価ポイントを T(l)とすると,(3.16)式に示すようになる. 

       

=

= m

j

wj

l l S

T

1

) 3 exp(

) ) (

(

β α

          (3.16)

ところで,現製品pの評価もいっしょに行う理由は,各構想設計案lが現製品 と比較してどのポジションにあるか(いわゆる優劣イメージ)をより具体的に示 すためである. 

                   

3032

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