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管理型最終処分場における塩類溶出メカニズムと

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管理型最終処分場における塩類溶出メカニズムと 廃棄物安定化に関する研究

Study on the dissolution of inorganic ions and the stabilization of solid wastes in controlled landfill sites

2017年2月

田中 宏和

Hirokazu TANAKA

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管理型最終処分場における塩類溶出メカニズムと 廃棄物安定化に関する研究

Study on the dissolution of inorganic ions and the stabilization of solid wastes in controlled landfill sites

2017年 2月

早稲田大学大学院 創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 地圏環境学研究

田中 宏和

Hirokazu TANAKA

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(6)
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目次

(8)

第 一 章 序 論 ··· 1

1.1 は じ め に ··· 2

1.2 最 終 処 分 場 の 安 定 化 と 研 究 の 動 向··· 5

1.3 処 分 場 安 定 化 研 究 に お け る 既 往 の 知 見 ··· 7

1.4 本 論 文 の 目 的 と 構 成 ··· 10

1.4.1 社 会 的 意 義 ··· 10

1.4.2 研 究 目 的 と 課 題 ··· 10

1.4.3 本 論 文 の 構 成 と 内 容··· 11

第 二 章 研 究 対 象 処 分 場 の 概 要 ··· 17

2.1 は じ め に ··· 18

2.2 埋 立 地 の 構 造 と 埋 立 方 法 ··· 18

2.3 埋 立 時 期 と 埋 立 廃 棄 物 の 種 類 ··· 20

2.4 ま と め ··· 22

第 三 章 研 究 方 法 ··· 25

3.1 は じ め に ··· 26

3.2 ボ ー リ ン グ コ ア サ ン プ ル を 用 い た 調 査 方 法 ··· 27

3.2.1 ボ ー リ ン グ 掘 削 方 法··· 27

3.2.2 コ ア の 状 態 観 察 と 分 析 用 試 料 の 調 製 ··· 27

3.2.3 湿 潤 密 度 試 験 と 透 水 試 験 方 法 ··· 28

3.2.4 固 形 分 ・ 水 分 と 強 熱 残 留 物 試 験 方 法 ··· 28

3.2.5 溶 出 試 験 用 検 液 調 製 方 法 ··· 28

3.2.6 溶 出 試 験 分 析 項 目 ··· 29

3.2.7 溶 出 検 液 分 析 方 法 ··· 29

3.2.8 イ オ ン 交 換 容 量 試 験 方 法 ··· 29

3.3 浸 出 水 を 用 い た 調 査 方 法 ··· 31

3.3.1 試 料 採 取 方 法 ··· 31

3.3.2 分 析 項 目 と 前 処 理 お よ び 分 析 方 法 ··· 31

3.4 観 測 井 モ ニ タ リ ン グ ··· 32

3.4.1 井 戸 の 構 造 ··· 32

3.4.2 水 位 と 水 温 の 測 定 方 法 ··· 34

3.4.3 深 度 別 の 電 気 伝 導 率 と 酸 化 還 元 電 位 の 測 定 方 法 ··· 34

3.5 浸 入 水 量 の 計 算 方 法 ··· 34

第 四 章 埋 立 層 内 の 状 態 ··· 39

4.1 は じ め に ··· 40

(9)

4.2.3 透 水 係 数 ··· 46

4.2.4 固 形 分 と 強 熱 残 留 物··· 47

4.3 保 有 水 の 水 位 と 水 質 ··· 50

4.3.1 水 位 の 経 時 変 化 ··· 50

4.3.2 水 温 の 経 時 変 化 ··· 52

4.3.3 電 気 伝 導 率 の 深 度 変 化 ··· 53

4.3.4 酸 化 還 元 電 位 の 深 度 変 化 ··· 54

4.4 集 排 水 設 備 で 集 め ら れ た 浸 出 水 か ら み た 埋 立 層 内 雰 囲 気 の 経 時 変 化 ··· 55

4.4.1 pH の 経 時 変 化 ··· 56

4.4.2 酸 化 還 元 電 位 の 経 時 変 化 ··· 56

4.4.3 溶 存 酸 素 の 経 時 変 化··· 57

4.4.4 水 質 指 標 と 安 定 化 ··· 58

4.5 浸 出 水 中 の 主 要 イ オ ン と バ ラ ン ス ··· 58

4.5.1 電 気 伝 導 率 の 経 時 変 化 ··· 59

4.5.2 浸 出 水 中 の イ オ ン バ ラ ン ス ··· 63

4.6 ま と め ··· 69

第 五 章 浸 入 水 水 量 変 化 等 の 短 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響··· 75

5.1 は じ め に ··· 76

5.2 埋 立 初 期 に お け る 塩 類 溶 出 ··· 76

5.3 埋 立 層 の 不 均 質 性 に よ る 塩 類 溶 出 へ の 影 響 ··· 82

5.4 易 溶 出 性 イ オ ン 種 間 の 溶 出 性 の 違 い ··· 85

5.5 埋 立 層 内 雰 囲 気 変 化 に よ る 溶 出 特 性 へ の 影 響 ··· 90

5.6 有 機 物 分 解 生 成 物 に よ る 塩 類 溶 出 へ の 影 響 ··· 96

5.7 ま と め ··· 101

第 六 章 有 機 物 分 解 プ ロ セ ス 等 の 長 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響 ··· 105

6.1 は じ め に ··· 106

6.2 一 価 イ オ ン の 溶 出 特 性 ··· 106

6.2.1 易 溶 出 性 イ オ ン の 溶 出 特 性 ··· 106

6.2.2 ア ン モ ニ ウ ム イ オ ン の 溶 出 特 性 ··· 112

6.3 多 価 イ オ ン の 溶 出 特 性 ··· 114

6.3.1 ··· 114

(10)

6.3.2 炭 酸 系 イ オ ン と マ グ ネ シ ウ ム イ オ ン ··· 118

6.4 微 量 元 素 の 溶 出 特 性 ··· 123

6.4.1 ホ ウ 素 ··· 123

6.4.2 ヒ 素 と ア ン チ モ ン ··· 125

6.4.3 重 金 属 類 ··· 127

6.5 ま と め ··· 131

第 七 章 埋 立 廃 棄 物 中 の 塩 類 残 存 量 に よ る 溶 出 性 の 検 討 ··· 137

7.1 は じ め に ··· 138

7.2 溶 出 試 験 検 液 の 電 気 伝 導 率 ··· 138

7.3 溶 出 試 験 検 液 の 各 種 イ オ ン 濃 度 ··· 139

7.3.1 第 5 区 画 の 埋 立 層 内 イ オ ン ··· 145

7.3.2 第 4 区 画 の 埋 立 層 内 イ オ ン ··· 146

7.3.3 第 2 区 画 と 第 3 区 画 の 埋 立 層 内 イ オ ン ··· 146

7.3.4 第 1 区 画 の 埋 立 層 内 イ オ ン ··· 147

7.3 ま と め ··· 148

第 八 章 結 言 ··· 153

研 究 業 績

謝 辞

(11)
(12)
(13)

第一章

序論

(14)

第一章

────────────────────────────────────────

────────────────────────────────────────

2 1.1 は じ め に

人 間 が 産 業 活 動 や 日 常 生 活 を 行 う こ と で 廃 棄 物 が 発 生 す る 。近 年 の 経 済 成 長 と 人 口 増 加 に 伴 い 、世 界 に お け る 廃 棄 物 発 生 量 が 増 加 し て い る 1)。世 界 の 廃 棄 物 総 排 出 量 は 2000年 に は 130 億 t で あ っ た が 、2050 年 に は 約 2 倍 に な る と 試 算 さ れ て い る 1,2)

わ が 国 で は 、1950 年 代 か ら 1970年 代 ま で 高 度 経 済 成 長 を 遂 げ 、大 量 生 産 ・ 大 量 消 費 の 時 代 を 迎 え た 。さ ら に 、ト イ レ の 水 洗 化 な ど に よ る ラ イ フ ス タ イ ル の 変 化 に よ り 下 水 処 理 場 等 か ら 発 生 す る 汚 泥 量 が 増 加 し た こ と も 影 響 し 、 1990 年 頃 に は 廃 棄 物 量 の 増 加 、 質 の 多 様 化 、 処 分 場 の 確 保 の 困 難 性 か ら 廃 棄 物 問 題 が 顕 在 化 し た 。 こ う し た 廃 棄 物 問 題 に 対 処 す る た め に 、1970 年 に 「 廃 棄 物 の 処 理 及 び 清 掃 に 関 す る 法 律( 昭 和 45 年 12 月 法 律 第 137号 )( 以 下 、「 廃 掃 法 」と い う 。)」が 施 行 さ れ た 。当 初 は「 廃 棄 物 の 適 正 な 処 理 」が そ の 主 な テ ー マ で あ っ た が 、1991年 に 改 正 さ れ 、「 廃 棄 物 の 排 出 抑 制 と 廃 棄 物 の 分 別 、保 管 、 収 集 、 再 生 、 処 分 等 の 適 正 処 理 」 が 新 た に 追 加 さ れ た 。

近 年 で は 、2004 年 6 月 に 米 国 で 開 催 さ れ た G8 サ ミ ッ ト に お い て 、 日 本 は Reduce( 発 生 抑 制 )、Reuse( 再 使 用 )、Recycle( 再 生 利 用 ) の 3R に よ る 循 環 型 社 会 構 築 を 目 指 す 「3R イ ニ シ ア テ ィ ブ 」 を 提 唱 し 、 新 た な 政 策 構 想 と し て 合 意 さ れ た 。国 内 で も 3R を 軸 と し た「 循 環 型 社 会 づ く り 」の 施 策 が 進 行 中 で あ る 。循 環 型 社 会 と は「 天 然 資 源 の 消 費 を 抑 制 す る こ と に よ っ て 環 境 負 荷 の 低 減 を 図 る 」社 会 で あ り 、社 会 経 済 へ の 天 然 資 源 投 入 量 を 減 ら し 、循 環 利 用 率 を 高 め る こ と が 重 要 と い わ れ て い る 1)。こ こ で い う「 天 然 資 源 」に は 化 石 燃 料 が 含 ま れ る た め 、「 循 環 型 社 会 づ く り 」 は 「 低 炭 素 社 会 づ く り 」 と 同 じ 方 向 を 目 指 す 施 策 で あ り 、 地 球 温 暖 化 対 策 と し て も 重 視 さ れ て い る 。

ロ ー カ ル 的 な 要 素 が 多 い 廃 棄 物 問 題 に 対 し て 、地 球 温 暖 化 問 題 は 全 世 界 に 関 係 す る た め 、社 会 の 関 心 は 高 い 。人 為 的 な 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 量 を 削 減 す る た め の 京 都 議 定 書 が 1997年 に 議 決 さ れ て か ら 18 年 後 の 2015年 に 、新 た な 法 的 拘 束 力 の あ る 国 際 的 な 合 意 文 書 と な る パ リ 協 定 が 採 択 さ れ た 1)。一 方 で 、国 や 地 方 自 治 体 は 3R に 関 す る 様 々 な 施 策 や 啓 発 活 動 を 活 発 に 行 い 、国 民 や 企 業 の 環 境 問 題 に 対 す る 意 識 の 高 ま り も あ っ て 、 平 成 3 年 度 以 降 の 廃 棄 物 発 生 量 は 減 少 傾 向 に あ る 1)

わ が 国 の 廃 棄 物 の 最 終 処 分 量 は 平 成 12年 度 の 約 5600万 tか ら 平 成 25 年 度 約 1600 万 t と 、13 年 間 で 約 71% 減 少 し た 1)。 そ し て 、 最 終 処 分 場 の 残 余 年 数 も 、 一 般 廃 棄 物 処 分 場 に つ い て は 平 成 17 年 度 で 14.8 年 で あ っ た も の が 平 成 26 年 に は 20.1年 と な り 、ま た 、産 業 廃 棄 物 処 分 場 に つ い て も 平 成 14 年 度 に 4.5年 で あ っ た も の が 平 成 26 年 度 に は 14.7 年 ま で 増 加 し た 1)。し か し 、こ こ 数 年 間 の 最 終 処 分 量 は 横 ば い で 推 移 し て お り 、埋 立 残 余 容 量 に つ い て も 決 し て 余 裕 が あ る 状 態 と は い え な い 。

(15)

わ が 国 に お い て は 、発 生 し た 廃 棄 物 を そ の ま ま 最 終 処 分 場 に 埋 め 立 て る こ と は な く 、再 資 源 化 や 減 容 化 、安 定 化 、無 害 化 等 の 中 間 処 理 を 施 し 、最 終 的 な 残 渣 の み を 処 分 し て い る 。そ の た め 、一 部 の 新 興 国 の よ う に 不 衛 生 な 廃 棄 物 が そ の ま ま の 状 態 で 処 分 さ れ る こ と は な い 。し か し 、今 日 の よ う に 適 切 な 法 体 系 や 技 術 的 基 準 が 整 備 さ れ て い な か っ た 過 去 に お い て は 、最 終 処 分 場 は 悪 臭 の 発 生 や ネ ズ ミ の 生 息 な ど 、不 衛 生 な 状 態 で あ っ た こ と か ら 迷 惑 施 設 と し て 強 く 意 識 さ れ て い た 。こ の 意 識 は 今 日 で も 根 強 く 残 っ て お り 、新 た な 処 分 場 の 建 設 に 対 し て 近 隣 住 民 の 理 解 が 得 に く い の が 現 状 で あ る 。

一 方 、1994 年 に 国 連 大 学 が 「 ゼ ロ エ ミ ッ シ ョ ン (Zero Emission)」 と い う 概 念 を 創 設 し た 。こ れ は 、企 業 連 携 型 の 物 質 循 環 を 組 み 合 わ せ た 産 業 連 鎖 を 構 築 す る こ と で 、自 然 界 に 放 出 さ れ る 廃 棄 物 を な く す こ と が 可 能 で あ る と し た 考 え で あ る 。今 日 、一 部 の 企 業 で は 、こ れ を 宣 伝 文 句 と し て 使 用 し 、良 い イ メ ー ジ だ け が 世 間 に 広 ま っ て い る と も い え る 。し か し な が ら 、現 実 の 社 会 経 済 構 造 と 科 学 技 術 で は 、最 終 的 な 残 渣 を 完 全 に な く す こ と は で き な い た め 、最 終 処 分 場 は 今 も な お 、い わ ゆ る 静 脈 産 業 の「 最 後 の 砦 」と し て 社 会 シ ス テ ム の 中 で 欠 く こ と の で き な い 重 要 な イ ン フ ラ と し て 位 置 づ け ら れ る 。

わ が 国 の 最 終 処 分 場 は 廃 掃 法 に よ り 、遮 断 型 最 終 処 分 場 、管 理 型 最 終 処 分 場 、 安 定 型 最 終 処 分 場 の 3 つ の タ イ プ に 区 別 さ れ 、そ れ ぞ れ 構 造 が 異 な り( 図 1-1)、

処 分 で き る 廃 棄 物 の 種 類 が 異 な る ( 表 1-1)。 こ の 中 で 、 遮 断 型 最 終 処 分 場 は 有 害 性 の 高 い 廃 棄 物 を 処 分 対 象 と し 、有 害 物 質 が 外 部 環 境 に 漏 洩 し な い よ う に 半 永 久 的 に 保 管 す る 施 設 で あ る 。廃 棄 物 を 外 部 環 境 と 隔 離 す る た め 、構 造 が 堅 牢 で あ り 、処 分 費 用 が 高 額 で あ る 。安 定 型 最 終 処 分 場 は 有 害 性・環 境 汚 染 性 が な い 廃 棄 物 を 処 分 す る 施 設 で あ り 、構 造 が 簡 易 で あ る た め 処 分 費 用 が 安 価 で あ る が 、 処 分 可 能 な 廃 棄 物 の 種 類 が 限 定 さ れ る 。

一 方 、管 理 型 最 終 処 分 場 は 水 溶 性 や 腐 敗 性 の 物 質 を 含 む 残 渣 を 処 分 可 能 な 施 設 で あ り 、社 会 で 大 量 発 生 す る 焼 却 灰 や 汚 泥 な ど の 廃 棄 物 に 対 応 し て い る 。透 水 係 数 の 低 い 岩 盤 を 基 盤 と し た 造 成 や 埋 立 区 画 基 底 へ の 遮 水 シ ー ト 敷 設 な ど の 対 策 に よ り 、 埋 立 廃 棄 物 や 発 生 す る 汚 水 が 地 下 水 と 接 触 し な い 構 造 と し て 、 埋 立 地 周 辺 の 環 境 を 汚 染 し な い 工 夫 が な さ れ て い る 。現 存 す る 多 く の 管 理 型 最 終 処 分 場 は 広 大 な 敷 地 を 有 し 、し か も 屋 外 に あ る こ と か ら 、降 水 は 埋 立 地 内 部 に 容 易 に 浸 透 し 、 埋 立 廃 棄 物 か ら の 溶 脱 物 を 含 有 し た 汚 水 が 多 量 に 発 生 す る 。 こ の 汚 水 は 埋 立 地 底 部 に 敷 設 さ れ た 集 水 設 備 に 集 め ら れ 、水 処 理 設 備 で 浄 化 し た 後 に 公 共 用 水 域 等 に 排 水 さ れ る 。廃 掃 法 で は 、前 者 の 埋 立 層 内 部 に あ る 汚 水 を 「 保 有 水 」、 層 か ら 排 水 さ れ た 汚 水 を 「 浸 出 水 」 と 呼 ん で 区 別 し て い る 。 近 年 、中 間 処 理 技 術 の 高 度 化 に よ り 有 用 資 源 の 回 収 率 が 向 上 す る 一 方 、最 終 残 渣 に は 有 害 性 や 環 境 汚 染 性 を 有 す る 物 質 の 占 め る 割 合 が 高 ま る 傾 向 に あ る た め 、

(16)

第一章

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4

の 管 理 型 最 終 処 分 場 の 安 定 化 に 焦 点 を あ て た も の で あ る 。

図 1-1(a) 遮 断 型 最 終 処 分 場 の 構 造 例 2)

図 1-1(b) 管 理 型 最 終 処 分 場 の 構 造 例 2)

図 1-1(c) 安 定 型 最 終 処 分 場 の 構 造 例 2)

(17)

表 1-1 各 埋 立 処 分 場 で 処 理 で き る も の 2)

1.2 最 終 処 分 場 の 安 定 化 と 研 究 の 動 向

管 理 型 最 終 処 分 場 に は 環 境 を 汚 染 す る 危 険 性 の あ る 廃 棄 物 が 埋 立 処 分 さ れ る 。こ れ ら は 適 正 な 運 転 管 理 下 で は 環 境 汚 染 を 誘 発 し な い が 、運 転 管 理 や 施 設 の 維 持 管 理 が 不 適 切 で あ れ ば 環 境 を 汚 染 す る リ ス ク ポ テ ン シ ャ ル を 有 す る 。一 方 、こ の 環 境 汚 染 リ ス ク ポ テ ン シ ャ ル は 、時 間 経 過 に 伴 い 次 第 に 低 下 す る 。な ぜ な ら 、生 物・物 理 化 学 的 反 応 に よ り 、埋 立 廃 棄 物 の 性 状 が 安 全 サ イ ド へ と 変 化 す る た め で あ る 。

処 分 場 埋 立 地 内 に は 様 々 な 種 類 の 廃 棄 物 残 渣 が 不 均 質 に 存 在 し て お り 、こ れ ら は 有 機 物 と 無 機 物 に 大 別 で き る 。汚 泥 等 の 有 機 物 は 微 生 物 の 働 き に よ り 低 分 子 に 分 解 さ れ 、 保 有 水 に 溶 解 し た り 、 ガ ス と な っ て 大 気 中 に 放 出 ・ 拡 散 す る 。 こ れ を「 有 機 物 分 解 」と い う 。ま た 、無 機 物 に つ い て も 、水 溶 性 の 塩 類 は 保 有 水 に 溶 解 し 、浸 出 水 と し て 系 外 へ 排 除 さ れ る 。こ れ を「 塩 類 洗 い 出 し 」と い う 。 一 方 、塩 類 の 中 に は 酸 化 物 や 硫 化 物 等 の 難 溶 塩 を 形 成 し 、埋 立 廃 棄 物 層 か ら 溶 出 し に く く な る も の が あ る 。こ れ を「 塩 類 不 溶 化 」と い う 3)。こ れ ら の 三 つ の メ カ ニ ズ ム に よ り 埋 立 廃 棄 物 層 の 性 状 は 次 第 に 変 化 し て 、環 境 汚 染 リ ス ク ポ テ ン シ ャ ル が 低 下 す る 。

最 終 処 分 は 廃 棄 物 を 自 然 に 同 化 さ せ る プ ロ セ ス と も い わ れ て い る 。わ が 国 で は 処 分 場 埋 立 地 を 微 生 物 が 有 機 物 を 分 解 す る た め の 反 応 容 器 と し て 考 え 、そ の 中 で 埋 立 廃 棄 物 を 土 壌 に 還 元 さ せ る 概 念 が 定 着 し て い る 4)。長 い 年 月 の 経 過 に 伴 い 、「 有 機 物 分 解 」 と 「 塩 類 洗 い 出 し 」 が 進 む と 、 埋 立 層 内 に は 廃 棄 物 残 渣 に 最 初 か ら 含 ま れ て い た 難 溶 性 物 質 と 、「 塩 類 不 溶 化 」 に よ り 形 成 さ れ た 物 質 の 占 め る 割 合 が 次 第 に 増 加 す る 。そ し て 、埋 立 廃 棄 物 が「 そ れ 以 上 変 化 し な い 状 態 に な る こ と 」 を 安 定 化 と 呼 ん で い る 。

(18)

第一章

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6

環 境 に 影 響 を 与 え な い 状 態 」と す る 考 え 方 が あ る 。し か し 、こ の よ う な 状 態 に な る ま で に は 、お そ ら く 地 層 の 風 化 と 同 程 度 の 長 い 時 間 が 必 要 と な る こ と が 容 易 に 想 像 で き る 。最 終 処 分 場 が 人 工 的 な 構 造 物 で あ る こ と を 考 慮 す る と 、こ の 定 義 を 処 分 場 の 運 転 管 理 に 用 い る こ と は 現 実 的 で な い 。そ の た め 、一 般 的 に は

「 も う そ れ 以 上 何 の 変 化 も 起 こ さ な い 状 態 で 、広 義 に は 環 境 に 影 響 を 与 え な い 状 態 」 を 最 終 的 な 安 定 化 状 態 と 定 義 す る 場 合 が 多 い 4)。 し か し 、「 何 も 変 化 を 起 こ さ な い 状 態 」や「 環 境 に 影 響 を 与 え な い 状 態 」を 科 学 的 に 証 明 す る こ と は 難 し い 。

わ が 国 で は 、「 一 般 廃 棄 物 の 最 終 処 分 場 及 び 産 業 廃 棄 物 の 最 終 処 分 場 に 係 る 技 術 上 の 基 準 を 定 め る 省 令 ( 昭 和 52 年 3 月 14 日 総 理 府 ・ 厚 生 省 令 第 1 号 )

( 以 下 、「 基 準 省 令 」 と い う 。)」 に お い て 、 最 終 処 分 場 の 廃 止 基 準 を 定 め て い る 。 こ の 廃 止 基 準 と は 、 埋 立 地 内 部 の 環 境 汚 染 リ ス ク ポ テ ン シ ャ ル が 低 下 し 、 放 置 し て も 環 境 汚 染 が 発 生 し な い 状 態 に ま で 安 全 が 担 保 さ れ た こ と を 判 断 す る た め の 法 的 な 技 術 基 準 で あ る 。浸 出 水 水 質 や ガ ス の 発 生 状 態 、埋 立 地 内 部 の 温 度 等 の 計 測 可 能 な 項 目 を 定 め て い る 。 即 ち 、 廃 止 基 準 に 適 合 し た 状 態 と は 、

「 浸 出 水 や 埋 立 ガ ス を 集 め て 浄 化 す る な ど の 埋 立 地 維 持 管 理 を 行 わ な く て も 環 境 に 与 え る 影 響 を 無 視 で き る 」状 態 で あ り 、安 定 化 の 完 全 な 終 焉 を 意 味 し て い な い こ と か ら 、第 一 段 階 の 安 定 化 状 態 と い わ れ る 4)。処 分 場 管 理 者 は 、こ の 状 態 に 到 達 す る ま で 管 理 責 任 が あ り 、安 定 化 し た 処 分 場 埋 立 地 の 跡 地 は 利 用 し や す い た め 、 早 期 の 安 定 化 が 望 ま れ る 。

こ れ ま で の 多 く の 現 場 経 験 か ら 、廃 止 基 準 に 適 合 す る 状 態 に ま で 安 定 化 が 進 行 す る に は 、30~50 年 間 以 上 の 時 間 が 必 要 と い わ れ て い る 。 し か し 、 廃 棄 物 処 理 に 関 す る 現 在 の 法 体 系 が 構 築 さ れ 、 処 分 場 の 構 造 基 準 が で き て か ら 約 45 年 し か 経 過 し て お ら ず 、廃 止 基 準 が 制 定 さ れ た の も 約 20 年 前 で あ る 。そ の た め 、安 定 化 に 関 す る 研 究 の 歴 史 は 浅 く 、メ カ ニ ズ ム の 詳 細 は 未 だ 解 明 さ れ て い な い 。

そ し て 、廃 止 基 準 に は「 有 機 物 分 解 」の 進 行 状 態 を 確 認 す る た め の 指 標 は あ る が 、「 塩 類 洗 い 出 し 」 や 「 塩 類 不 溶 化 」 の 状 態 評 価 に 関 す る 基 準 が 定 め ら れ て い な い 。基 準 省 令 の 維 持 管 理 基 準 に は 、周 縁 地 下 水 へ の 影 響 判 断 の た め の モ ニ タ リ ン グ 指 標 と し て 、一 般 的 な 保 有 水 中 に 高 濃 度 に 含 ま れ る 塩 化 物 イ オ ン が 採 用 さ れ て い る 。し か し 、廃 止 基 準 の 保 有 水 水 質 基 準 に は 塩 化 物 イ オ ン が 含 ま れ て い な い 。こ の こ と か ら 、廃 止 基 準 は 有 害 物 質 や 有 機 物 の 漏 洩 に よ る 環 境 汚 染 を 防 ぐ こ と を 目 的 と し て 設 定 し て い る こ と が 分 か る 。し た が っ て 、フ ッ 化 物 等 の 有 害 性 の 高 い 塩 類 は 基 準 値 が あ る が 、そ れ 以 外 の 塩 類 に つ い て は 環 境 に 与 え る 影 響 が 小 さ い た め 、 廃 止 基 準 に 設 定 さ れ て い な い 。

過 去 の 安 定 化 に 関 す る 研 究 に つ い て も 、「 有 機 物 分 解 」 を 主 た る 着 眼 点 と す る 研 究 事 例 が 相 対 的 に 多 い 5-10)。こ れ は 、処 分 場 を 運 営 管 理 す る 上 で「 有 機 物

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分 解 」に 関 連 す る 廃 止 基 準 の 達 成 が 最 も 遅 い 経 験 か ら 、早 期 廃 止 に 貢 献 す る た め の 技 術 的 な 研 究 成 果 が 求 め ら れ て い る た め と 考 え ら れ る 。し か し 、埋 立 層 内 で は 生 物 反 応 だ け で な く 物 理 化 学 的 な 反 応 も 進 行 し 、そ れ ぞ れ が 互 い に 関 係 し て い る 11-13)。 し た が っ て 、 安 定 化 促 進 を 目 指 す 研 究 を 行 う た め に も 、 安 定 化 の 総 合 的 か つ 詳 細 な プ ロ セ ス と 、そ れ に 作 用 す る 影 響 因 子 の 把 握 が 重 要 と 考 え ら れ る 。そ の た め に は 、有 機 物 だ け で な く 無 機 塩 類 の 挙 動 に つ い て も 着 目 す べ き で あ る が 、無 機 塩 類 の 溶 出 や 不 溶 化 に つ い て は 、先 述 し た と お り 廃 止 基 準 に 評 価 項 目 が な い こ と が 影 響 し 、安 定 化 の 進 行 段 階 に お け る 情 報 が 不 足 し て い る 。

さ ら に 、数 少 な い 塩 類 洗 い 出 し に 関 す る 研 究 に つ い て も 、小 型 実 験 槽 を 用 い た 研 究 6,14-17)が 多 く 、実 際 の 処 分 場 を 対 象 と し た 調 査 事 例 が 少 な い 12)。小 型 実 験 槽 を 用 い た 研 究 は 、槽 内 の 廃 棄 物 組 成 や 環 境 条 件 を 調 整 し や す く 、実 験 終 了 後 の 廃 棄 物 性 状 も 分 析 で き る こ と か ら 、 結 果 を 解 析 評 価 し や す い 長 所 が あ る 。 ま た 、供 給 水 量 を 調 整 す る こ と で 実 験 時 間 の 短 縮 が 可 能 で あ り 、研 究 期 間 が 短 期 間 に 限 ら れ る 場 合 に 有 効 で あ る 。た だ し 、反 応 時 間 の 短 縮 が 不 可 能 で あ る 塩 類 不 溶 化 な ど の 事 象 に つ い て は 、小 型 実 験 槽 の 研 究 成 果 が 実 際 の 処 分 場 埋 立 地 の 状 態 を 反 映 し て い る と は 言 い 難 く 、 実 験 方 法 と し て は 適 切 で な い 。

そ の 一 方 で 、実 際 の 処 分 場 を 対 象 と し た 研 究 は 長 い 年 月 を 要 し 、調 査 事 例 が 少 な い た め モ ニ タ リ ン グ デ ー タ は 貴 重 で あ る 12)。 し か し 、 埋 立 廃 棄 物 の 種 類 や 組 成 が 明 確 で な い 場 合 が 多 く 、 埋 立 地 内 部 の 状 態 も 不 均 質 で あ る 。 さ ら に 、 降 水 量 や 蒸 発 量 は 天 候 次 第 で 変 化 し 、層 内 浸 入 水 量 の コ ン ト ロ ー ル が で き な い た め 、収 集 デ ー タ の 解 析 評 価 が 難 し く な る 。し か し な が ら 、実 際 の 処 分 場 埋 立 地 で 進 行 し て い る 安 定 化 メ カ ニ ズ ム を 知 る た め に は 、現 場 の 調 査 デ ー タ か ら の ア プ ロ ー チ が 必 須 で あ る こ と は い う ま で も な い 。

1.3 処 分 場 安 定 化 研 究 に お け る 既 往 の 知 見

国 内 外 の 過 去 の 研 究 に よ り 、処 分 場 埋 立 地 の 安 定 化 プ ロ セ ス は 以 下 の よ う に ま と め ら れ る 。

管 理 型 最 終 処 分 場 に 埋 立 処 分 さ れ る 腐 敗 性 の 残 渣 に は 有 機 物 が 含 ま れ 、微 生 物 に よ り 分 解 さ れ る 。埋 立 層 内 の 微 生 物 反 応 に よ り 分 解 さ れ る 有 機 物 を 生 物 分 解 性 有 機 物 と い い 、そ の 中 で 、厨 芥 に 含 ま れ る 炭 水 化 物 、脂 肪 、タ ン パ ク 質 等 は 分 解 さ れ や す い た め 易 分 解 性 有 機 物 と 呼 ば れ る 。一 方 、木 材 の 主 要 成 分 で あ る リ グ ニ ン や セ ル ロ ー ス 等 は 分 解 に 長 時 間 を 要 す る た め 、難 分 解 性 有 機 物 と 呼 ば れ る 。高 分 子 量 の 固 体 有 機 物 は 様 々 な 代 謝 に よ り 低 分 子 に 分 解 さ れ 、可 溶 化 す る 。嫌 気 的 雰 囲 気 下 と 好 気 的 雰 囲 気 下 で は 活 性 化 す る 微 生 物 の 種 類 が 異 な り 、 有 機 物 分 解 の プ ロ セ ス も 異 な る 。嫌 気 的 雰 囲 気 下 で は 加 水 分 解 、酸 発 酵 、メ タ ン 発 酵 が 進 行 し 、好 気 的 雰 囲 気 下 で は 酸 化 分 解 が 起 こ り 、有 機 物 は 最 終 的 に 二

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素 化 合 物 の 場 合 は 、 最 終 生 成 物 と し て ア ン モ ニ ア や 硫 化 水 素 も 発 生 す る 4,18)。 有 機 物 分 解 は 安 定 化 に お け る 主 要 な メ カ ニ ズ ム の ひ と つ で あ る た め 、過 去 の 研 究 で は 埋 立 地 内 で 経 時 的 に 進 行 す る 微 生 物 反 応 と 、そ れ に 伴 う 層 内 状 態 変 化 に よ り 、 安 定 化 の 進 捗 状 況 を 複 数 の 段 階 に 区 分 し て 説 明 し て い る 11,19-21)。 特 に 、 埋 立 開 始 か ら 最 終 的 な 安 定 化 状 態 ま で を 5 段 階 の 有 機 物 分 解 プ ロ セ ス 変 化 に 応 じ て 区 分 す る と 分 か り や す い 19,20) ( 図 1-2)。5 段 階 の プ ロ セ ス と は 、 最 初 に 好 気 性 分 解 期 が あ り 、 そ れ に 続 く 嫌 気 性 分 解 期 を 3 段 階 に 区 分 し 、 最 後 に 再 度 の 好 気 性 分 解 期 が あ る と し た も の で 、そ れ ぞ れ の 特 徴 は 以 下 の と お り で あ る 。

第 Ⅰ 期 は 初 期 の 好 気 性 分 解 期 で あ り 、浸 出 水 に は ア ミ ノ 酸 、二 酸 化 炭 素 、水 、 硝 酸 塩 お よ び 硫 酸 塩 な ど 、全 て の 好 気 性 分 解 で 生 ず る 一 般 的 な 分 解 産 物 が 含 ま れ る 。一 部 で は 嫌 気 的 に な り 、脂 肪 が 加 水 分 解 反 応 に よ り 脂 肪 酸 と グ リ セ リ ン と な り 、揮 発 性 脂 肪 酸 が 生 成 す る が 、そ の 量 は 次 の 段 階 の 方 が 多 い 。こ の 段 階 は 、生 物 酸 化 反 応 に よ る 発 熱 の た め 、廃 棄 物 が 圧 密 さ れ て い な け れ ば 高 温 と な る 。し か し 、廃 棄 物 層 内 で 進 行 す る 好 気 性 分 解 反 応 に 使 わ れ る 酸 素 消 費 量 が 層 外 か ら 供 給 さ れ る 酸 素 量 に 比 べ て 大 き く な る た め 、こ の 段 階 の 継 続 期 間 は 短 い と い わ れ て い る 。

第 Ⅱ 期 は 嫌 気 性 酸 発 酵 期 で あ り 、 嫌 気 性 分 解 プ ロ セ ス の 初 期 の 段 階 で あ る 。 通 性 嫌 気 性 細 菌 と 偏 性 嫌 気 性 細 菌 の 両 方 の 作 用 に よ り 易 分 解 性 有 機 物 が 分 解 さ れ 、廃 棄 物 層 内 の 雰 囲 気 は 次 第 に 還 元 化 し 、こ の 段 階 の 終 期 に は メ タ ン 菌 が 増 殖 で き る 状 態 と な る 。 こ の 期 間 の 浸 出 水 は 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 (BOD) と ア ン モ ニ ア 濃 度 が 高 く 、後 者 は 主 に タ ン パ ク 質 の 加 水 分 解 と 発 酵 で 生 成 さ れ る 。多 量 に 発 生 す る 揮 発 性 脂 肪 酸 と 二 酸 化 炭 素 に よ り 、浸 出 水 の pH が 低 下 す る 。ま た 、高 濃 度 の 無 機 イ オ ン(Cl-、SO42-、Ca2+、Mg2+、Na+等 )を 含 む が 、 層 内 雰 囲 気 の 還 元 化 に よ り SO42-濃 度 は 次 第 に 低 下 す る 。pH 低 下 は 重 金 属 の 溶 解 を 促 進 さ せ る 一 方 、 硫 化 物 を 形 成 す る 金 属 は 不 溶 化 が 進 行 す る 。

第 Ⅲ 期 は 、メ タ ン 菌 に よ り 揮 発 性 有 機 酸 が メ タ ン と 二 酸 化 炭 素 に 変 換 さ れ は じ め る メ タ ン 生 成 発 達 期 で あ り 、嫌 気 性 分 解 プ ロ セ ス の 中 間 に 位 置 す る 。ガ ス 中 の メ タ ン 濃 度 が 増 加 す る が 、水 素 、二 酸 化 炭 素 お よ び 揮 発 性 脂 肪 酸 の 濃 度 は 減 少 す る 。浸 出 水 中 の 脂 肪 酸 濃 度 が 低 下 す る こ と に よ り pH と ア ル カ リ 度 が 上 昇 し 、カ ル シ ウ ム や 鉄 、マ ン ガ ン 等 の 金 属 の 溶 解 度 も 低 下 す る 。金 属 類 の 溶 解 度 の 低 下 は 、第 Ⅱ 期 か ら 続 く 生 物 反 応 に よ り 、硫 酸 塩 が 硫 化 物 と な る こ と も 要 因 で あ る 。

第 Ⅳ 期 は 嫌 気 性 分 解 の 最 後 の 段 階 で あ り 、メ タ ン 生 成 が 定 常 的 に 継 続 す る 期 間( メ タ ン 生 成 定 常 期 )で あ る 。こ の 時 点 で 揮 発 性 有 機 酸 は ほ と ん ど な く 、有 機 物 の 可 溶 化 は 既 に 終 末 期 を 迎 え て い る が 、難 分 解 性 有 機 物 の 分 解 に よ る 有 機 物 か ら メ タ ン の 発 生 が 継 続 す る 。ま た 、第 Ⅲ 期 ま で に 増 殖 し た 微 生 物 の 自 己 分

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解 も 進 行 す る 。 難 分 解 性 有 機 物 の 分 解 反 応 が 律 速 と な る た め 、 浸 出 水 の BOD 濃 度 は 低 く 、pH は メ タ ン 菌 が 活 動 で き る 中 性 域 で 安 定 し て い る .

第 Ⅴ 期 は 土 壌 化 期 と い わ れ る 。 こ の 段 階 ま で難 分 解 性 の 有 機 物 が 残 存 し て い る 場 合 に は 、 埋 立 地 の 上 層 部 で 2 回 目 の 好 気 性 分 解 が 発 現 す る こ と が あ る 。 し か し 、埋 立 廃 棄 物 内 の 生 物 分 解 性 有 機 物 の ほ と ん ど が な く な っ て お り 、分 解 に 要 す る 酸 素 消 費 量 が 減 少 す る 。そ の た め 、大 気 中 の 酸 素 が 埋 立 層 内 に 拡 散 侵 入 し て 好 気 性 ゾ ー ン が 拡 大 し 、層 内 雰 囲 気 が 酸 化 状 態 と な る た め メ タ ン と 二 酸 化 炭 素 の 発 生 は 微 弱 と な り 、最 終 的 に 停 止 す る 。そ の 結 果 、埋 立 廃 棄 物 層 中 の ガ ス 成 分 が 空 気 と 同 じ に な り 、こ の よ う な 状 態 に な れ ば 、廃 棄 物 は 土 壌 に 還 元 さ れ 、 安 定 化 し た と い え る 。

各 段 階 の 継 続 期 間 に つ い て は 、埋 立 物 中 の 有 機 物 の 質 や 量 に よ っ て 異 な る が 、 第 Ⅰ 期 が 数 時 間 、 第 Ⅱ 期 が 数 か 月 か ら 1 年 間 程 度 、 第 Ⅲ 期 は 約 1 年 間 で 終 了 す る が 、第 Ⅳ 期 に つ い て は 数 十 年 間 継 続 し 、第 Ⅴ 期 が 完 全 に 終 了 す る ま で に は 数 百 年 か か る と 考 え ら れ て い る 4)

1-2 安 定 化 に 伴 う 埋 立 ガ ス 組 成 と 浸 出 水 水 質 の 変 化 20)

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10 1.4 本 論 文 の 目 的 と 構 成

1.4.1 社 会 的 意 義

管 理 型 最 終 処 分 場 に は 廃 棄 物 焼 却 施 設 や 下 水 終 末 処 理 場 か ら 発 生 す る 残 渣 を 処 分 す る こ と か ら 、 社 会 で 発 生 す る 大 部 分 の 廃 棄 物 残 渣 が 埋 立 処 分 さ れ る 。 そ の た め 、 今 後 、 最 も 活 用 さ れ 、 建 設 が 進 む タ イ プ の 処 分 場 で あ る 。

管 理 型 最 終 処 分 場 の 構 造 基 準 が 策 定 さ れ て か ら 約 40 年 が 経 過 し 、近 年 は 埋 め 立 て が 終 了 し て 、廃 止 を 待 つ 処 分 場 が 国 内 に 多 数 存 在 す る 。法 的 な 廃 止 基 準 が 約 20 年 前 に 制 定 さ れ て い る が 、調 査 方 法 は 厳 密 に は 決 め ら れ て い な い 。廃 止 基 準 に は 、処 分 場 埋 立 地 が 環 境 に 悪 影 響 を 及 ぼ さ な い 第 一 段 階 の 安 定 化 状 態 へ の 到 達 を 評 価 す る 目 的 が あ る が 、調 査 方 法 に 不 備 が あ る と 処 分 場 埋 立 地 の 正 し い 状 態 を 反 映 し た デ ー タ が 得 ら れ ず 、将 来 、環 境 汚 染 を 引 き 起 こ す 可 能 性 が あ る 。し か し 、廃 止 基 準 の 適 否 を 判 断 す る 調 査 や 審 査 は 近 年 始 ま っ た ば か り で あ り 、処 分 場 管 理 者 や 行 政 の 担 当 部 局 に お い て も 経 験 や ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 が 少 な く 、調 査 報 告 書 の デ ー タ を 信 じ て 判 断 せ ざ る を 得 な い 。そ の た め 、埋 立 地 全 体 の 環 境 汚 染 リ ス ク ポ テ ン シ ャ ル の 低 下 を 、廃 止 基 準 と の 適 否 の み で 判 定 す る こ と に つ い て は 不 安 が あ る 。

こ の 問 題 の 根 本 的 な 原 因 は 、安 定 化 に 関 す る 詳 細 な プ ロ セ ス が 未 だ 解 明 さ れ て い な い こ と に あ る 。即 ち 、廃 止 基 準 の み で 正 し く 第 一 段 階 の 安 定 化 状 態 を 評 価 で き る の か に つ い て は 検 討 の 余 地 が あ り 、過 去 の 研 究 で も 課 題 が 指 摘 さ れ て

い る 22-25)。 未 来 永 劫 に わ た り 環 境 汚 染 を 引 き 起 こ す 危 険 性 を 否 定 し 、 か つ 、

処 分 場 跡 地 を 利 用 す る 上 で の 安 全 性 を 保 障 す る 科 学 的 根 拠 と 、そ れ に 裏 付 け さ れ た 処 分 場 の 廃 止 判 定 が 求 め ら れ る 。そ の た め に は 、廃 止 基 準 以 外 の 視 点 か ら 、 処 分 場 埋 立 地 の 内 部 状 態 を 把 握 し 、そ の 上 で 将 来 に お け る 変 化 を 予 測 す る た め の デ ー タ 収 集 と 評 価 技 術 の 開 発 が 重 要 と な る 。し か し な が ら 、最 終 処 分 場 の 維 持 管 理 に は 多 額 の 費 用 が 必 要 で あ り 、安 易 に 廃 止 判 定 を 先 送 り に す る こ と は 許 さ れ な い 。し た が っ て 、処 分 場 安 定 化 プ ロ セ ス の 詳 細 解 明 と 、廃 止 基 準 項 目 を 補 完 す る 知 見 の 収 集 は 喫 緊 の 課 題 で あ る 。

こ の よ う な 状 況 を 鑑 み て 、本 論 文 で は 廃 止 基 準 に は 規 定 が な い が 、埋 立 廃 棄 物 中 に 多 量 に 含 ま れ る 塩 類 に 着 目 し 、廃 棄 物 安 定 化 と 各 種 イ オ ン の 溶 出 挙 動 と の 関 係 を 評 価 検 討 し た 。本 研 究 の 成 果 は 、廃 棄 物 最 終 処 分 場 の 安 全 性 確 保 に 寄 与 す る も の で あ り 、自 然 環 境 保 全 に 貢 献 す る 。ま た 、最 終 処 分 場 の 安 全 性 が 向 上 す る こ と で 、国 民 の 処 分 場 建 設 へ の 理 解 が 深 ま る こ と が 期 待 さ れ 、静 脈 産 業 だ け で な く 動 脈 産 業 を 含 め た 産 業 発 展 と 、高 度 で 衛 生 的 な 日 常 生 活 を 維 持 す る こ と が で き る 。

1.4.2 研 究 目 的 と 課 題

本 研 究 は 、過 去 の 研 究 事 例 が 少 な い 塩 類 に 焦 点 を あ て 、管 理 型 最 終 処 分 場 か ら の 塩 類 溶 出 特 性 を 把 握 し 、廃 棄 物 安 定 化 に お け る 塩 類 溶 出 メ カ ニ ズ ム を 解 明

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す る こ と を 目 的 と す る 。具 体 的 に は 、埋 立 時 期 が 異 な る 複 数 の 処 分 場 埋 立 地 に お け る 浸 出 水 の 水 質 を 5 年 間 追 跡 調 査 し 、 得 ら れ た モ ニ タ リ ン グ デ ー タ を 解 析 す る こ と で 各 種 塩 類 の 溶 出 性 の 特 徴 を 調 べ 、 影 響 因 子 を 検 討 す る 。

浸 出 水 水 質 は 、1.3 で 述 べ た よ う な 長 期 的 に 作 用 す る 影 響 因 子 の 他 に 、気 象 変 化 等 に よ る 短 い ス パ ン の 変 化 が あ る 。そ こ で 、本 論 文 で は そ れ ぞ れ を 区 分 し 、 以 下 の 2点 を 研 究 課 題 と し た 。

Ⅰ 埋 立 層 内 へ の 浸 入 水 水 量 変 化 等 の 短 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響

Ⅱ 有 機 物 分 解 プ ロ セ ス 等 の 長 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響

1.4.3 本 論 文 の 構 成 と 内 容

本 論 文 は 研 究 成 果 を 以 下 の 構 成 で 報 告 す る 。

第 一 章 序 論

第 二 章 研 究 対 象 処 分 場 の 概 要 第 三 章 研 究 方 法

第 四 章 埋 立 層 内 の 状 態

第 五 章 浸 入 水 水 量 変 化 等 の 短 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響 第 六 章 有 機 物 分 解 プ ロ セ ス 等 の 長 期 的 因 子 が 塩 類 溶 出 に 及 ぼ す 影 響 第 七 章 埋 立 廃 棄 物 中 の 塩 類 残 存 量 に よ る 溶 出 性 の 検 討

第 八 章 結 言

本 論 文 の 内 容 を 要 約 す る と 以 下 の と お り と な る 。

第 二 章 で は 、本 論 文 で 研 究 対 象 と し た 管 理 型 産 業 廃 棄 物 処 分 場 の 構 造 、立 地 条 件 、 埋 立 廃 棄 物 の 種 類 、 埋 立 方 法 お よ び 維 持 管 理 方 法 に つ い て 説 明 す る 。 第 三 章 で は 、本 研 究 の た め に 行 っ た ボ ー リ ン グ 調 査 や 層 内 保 有 水 調 査 、浸 出 水 水 質 の 分 析 方 法 、 層 内 浸 入 水 量 の 計 算 手 法 等 に つ い て ま と め る 。

第 四 章 で は 、 埋 立 層 内 の 廃 棄 物 固 相 の 状 態 評 価 を ボ ー リ ン グ 調 査 結 果 か ら 、 層 内 保 有 水 の 状 態 評 価 を 水 位 、水 温 、電 気 伝 導 率 お よ び 酸 化 還 元 電 位 か ら 行 う 。 ま た 、そ れ ぞ れ の 埋 立 区 画 に お け る 安 定 化 の 進 捗 状 況 に つ い て 、浸 出 水 のpH、

酸 化 還 元 電 位 、溶 存 酸 素 濃 度 を 用 い た 判 定 を 試 み る 。さ ら に 、判 定 し た 安 定 化 進 捗 状 況 と 浸 出 水 中 の 主 要 イ オ ン バ ラ ン ス と の 整 合 性 を 評 価 す る 。

第 五 章 で は 、調 査 前 の 30 日 間 に 埋 立 地 に 浸 入 す る 水 量 と 浸 出 水 中 の 各 種 イ オ ン 濃 度 の 相 関 分 析 を 行 い 、短 期 的 な 浸 入 水 水 量 変 動 が 溶 出 挙 動 に 与 え る メ カ ニ ズ ム を 考 察 す る 。

第 六 章 で は 、時 間 経 過 に 伴 う 浸 出 水 中 の イ オ ン 濃 度 変 化 か ら 、イ オ ン 種 別 に

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状 態 変 化 に よ る 影 響 を 評 価 す る 。さ ら に 、金 属 類 な ど の 浸 出 水 中 に 微 量 に 含 ま れ る 元 素 の 溶 出 特 性 に つ い て も 説 明 を 試 み る 。

第 七 章 で は 、ボ ー リ ン グ コ ア サ ン プ ル の 溶 出 試 験 か ら 、埋 立 廃 棄 物 中 に 存 在 す る 主 要 イ オ ン の 含 有 量 と 相 対 割 合 を 評 価 し 、第 四 章 か ら 第 六 章 で 考 察 し た 各 種 イ オ ン の 溶 出 メ カ ニ ズ ム と の 整 合 性 を 確 認 す る 。

第 八 章 で は 、総 括 と し て 研 究 成 果 を 概 要 し 、既 往 の 知 見 に 対 す る 整 合 性 と 特 異 性 、新 た に 判 明 し た 影 響 因 子 と メ カ ニ ズ ム に つ い て 整 理 す る 。さ ら に 、本 研 究 の 成 果 の 有 用 性 と 活 用 事 例 、 将 来 の 展 望 に つ い て 述 べ る 。

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参 考 文 献

1) 環 境 省 : 平 成 28 年 版 環 境 ・ 循 環 型 社 会 ・ 生 物 多 様 性 白 書 (PDF 版 ),pp.4,165-210.

2) 田 中 勝:新・廃 棄 物 学 入 門,中 央 法 規 出 版 株 式 会 社,pp.33-38,161-167(2005).

3) 朝 倉 宏 : 廃 棄 物 埋 立 地 の 透 水 性 と 安 定 化 , 国 立 環 境 研 究 所 循 環 型 社 会 ・ 廃 棄 物 研 究 セ ン タ ー オ ン ラ イ ン マ ガ ジ ン 循 環・廃 棄 物 の け ん き ゅ う 2008年 6 月 30 日 号 ,http://www-cycle.nies.go.jp/magazine/kenkyu/20080623.htm (閲 覧 日 2015 年 10 月 18 日).

4) 田 中 信 壽 : 安 全 環 境 な 廃 棄 物 埋 立 処 分 場 の 建 設 と 管 理,技 報 堂 出 版 株 式 会 社,pp.4-5,pp.123-127 (2000).

5) 清 和 成,内 河 裕 美,Sang N.Nguyen,池 道 彦,藤 田 正 憲,石 垣 智 基,Blent Inanc, 井 上 雄 三,三 井 清 志,前 田 信 一,鈴 木 學,門 上 希 和 夫,肥 塚 隆 男:浸 出 水 循 環 式 を 適 用 し た 海 面 埋 立 廃 棄 物 最 終 処 分 場 の 安 定 化 促 進 モ デ ル 試 験, 環 境 工 学 研 究 論 文 集,Vol.43,pp.319-325(2006).

6) 元 永 優 一,樋 口 壯 太 郎,花 嶋 正 孝,武 下 俊 宏,中 家 祥 介,太 田 和 善,小 屋 町 法 之 : 強 制 的 好 気 性 工 法 に よ る 生 活 環 境 修 復 早 期 安 定 化 シ ス テ ム の 研 究 開 発 ( そ の 2 ) , 第 18 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.796-798(2007).

7) 澤 村 啓 美,石 垣 智 基,遠 藤 和 人,小 野 雄 策,原 雄,香 村 一 夫,惣 田 訓,山 田 正 人,池 道 彦 : 微 生 物 の 基 質 利 用 性 ・ 系 統 分 類 に 基 づ く 最 終 処 分 場 の 安 定 度 評 価, 環 境 技 術, ,Vol.39,No.6,pp.355-364(2010).

8) 為 田 一 雄,内 田 正 信,武 下 俊 宏,樋 口 壯 太 郎,西 山 亨,髙 士 昇 吾,寺 本 佳 宏,川 合 啓 之,宮 村 典 仁,山 川 雅 弘,吉 岡 理 : 霧 状 酸 化 剤 を 用 い た 埋 立 地 の 早 期 安 定 化 に 関 す る 研 究 , 第 22 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.441-442(2011).

9) 柳 瀬 龍 二,平 田 修,松 藤 康 司,小 山 田 謙 二,石 田 眞 滋:浸 出 水 の 水 温 と 水 質 を 用 い た 埋 立 地 の 安 定 化 の 判 定 手 法 に 関 す る 研 究, 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 論 文 誌,Vol.22,No.5,pp.298-305(2011).

10) Hideki Yoshida:Analysis of in Situ Passive Aeration within a Closed Landfill by Temperature and Gas Component, The 2nd Symposium of Asian Regional Branch of International Waste Working Group Proceeding Book,pp.304-306(2015).

11) 長 森 正 尚 , 小 野 雄 策 : 浸 出 水 の 水 質 経 年 変 化 - 管 理 型 産 業 廃 棄 物 最 終 処 分 場 - , 埼 玉 県 公 害 セ ン タ ー 研 究 報 告 ,Vol.21, pp.49-65(1994).

12) 寺 島 奏 : 都 市 廃 棄 物 埋 立 地 に お け る 汚 濁 物 の 挙 動 ― 現 象 と 基 礎 , な ら び に 無 機 汚 濁 物 の 挙 動 ―,廃 棄 物 学 会 誌,Vol.7,No.2,pp.148-167(1996).

13) ,志 水 信 弘,土 田 大 輔,永 瀬 誠,鳥 羽 峰 樹,黒 川 陽 一, ,

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二,末 永 朋 則,成 岡 朋 弘,江 藤 次 郎,島 岡 隆 行 : 焼 却 灰 セ メ ン ト 原 料 化 の た め の 有 機 性 コ ン ポ ス ト を 混 合 し た 都 市 ご み 焼 却 灰 か ら の 塩 素 溶 出 挙 動 の 解 明, 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 論 文 誌,Vol.20,No.1,pp.52-60(2009).

14) 小 宮 哲 平,島 岡 隆 行,古 賀 大 三 郎,八 木 美 雄,西 田 卓 史,高 田 光 康:埋 立 廃 棄 物 中 の 汚 濁 成 分 の 溶 出 に 及 ぼ す 保 有 水 位 変 動 の 影 響, 第 20 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.405-406(2009).

15) 三 井 清 志,伊 藤 洋,河 内 大 輔,前 村 昌 幸 : 産 業 廃 棄 物 埋 立 地 盤 か ら の 塩 化 物 イ オ ン の 溶 出 に 関 す る 基 礎 研 究, 第 25 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.403-404(2014).

16) 成 岡 朋 弘,門 木 秀 幸,上 田 智 幸:エ ー ジ ン グ に よ る 一 般 廃 棄 物 焼 却 灰 の 無 害 化

( そ の 2)ラ イ シ メ ー タ 試 験 に よ る 検 証, 第 25 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.499-500(2014).

17) 古 賀 大 三 郎,鵜 飼 亮 行,宮 脇 健 太 郎 : 埋 立 お よ び 散 水 方 法 を 考 慮 し た 埋 立 地 安 定 化 の 基 礎 的 検 討, 第 26 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.463-464(2015).

18) 真 次 寛 : 準 好 気 性 埋 立 構 造 の 廃 棄 物 埋 立 地 に お け る 生 ご み 由 来 の 浸 出 水 量 の 予 測 手 法 に 関 す る 研 究,福 岡 大 学 博 士 学 位 論 文,pp.16(2014).

19) John F. Rees:The Fate of Carbon Compounds in the Landfill Disposal of Organic Matter, Journal of Chemical Technology and Biotechnology, Vol.30, pp.161-175(1980).

20) T.H. Christensen, R. Cossu, R.Stegmann: Landfilling of Waste : Leachate, Elsevier Applied Science, pp.65-88(1992).

21) 東 條 安 匡 : 廃 棄 物 処 分 場 に お け る 元 素 の 消 長 と 最 終 安 定 化 に 至 る 物 質 挙 動 解 明 の 必 要 性,廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 誌,Vol.20,No.6,pp.278-282(2009).

22) 原 雄 : 産 業 廃 棄 物 処 理 現 場 で 扱 わ れ る 分 析 ・ 測 定 デ ー タ に つ い て, 廃 棄 物 学 会 誌,Vol.18,No.6,pp.353-360(2007).

23) 吉 田 英 樹 : 埋 立 地 ガ ス と 温 度 ― 埋 め 立 て が 終 了 し た 処 分 場 で の 調 査 事 例 を 通 し て ー, 廃 棄 物 学 会 誌,Vol.20,No.6,pp.283-286(2009).

24) 長 森 正 尚,磯 部 友 護 : 管 理 型 最 終 処 分 場 の 廃 止 基 準 に 関 す る 考 察 (8), 第 25 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.449-450(2014).

25) 柳 瀬 龍 二,海 老 原 正 人,杉 田 昭 義,松 藤 康 司,香 川 智 紀:安 定 型 処 分 場 に お け る 廃 棄 物 層 内 の 温 度 変 化( 廃 止 基 準 の 評 価 )に つ い て, 第 26 回 廃 棄 物 資 源 循 環 学 会 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.469-470(2015).

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第二章

研究対象処分場の概要

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第二章

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18 2.1 はじめに

管理型最終処分場の埋め立てが終了し、廃止基準に適合するまでには30~50年間 が必要といわれ、それ以上の年月を要する場合もある。そのため、数年間の研究だ けでは長期的な変化を把握不可能である。したがって、特定の処分場における初期 から晩期までの安定化プロセスを研究するには、普通は数十年間のモニタリングが 必要となる。しかし、このように長期間の調査を継続するには大変な努力が必要で あり、調査技術も日進月歩で変化することから、特定の処分場埋立地の経時変化の みから安定化全体のプロセスを研究することは難しく、現実的ではない。

また、基準省令では環境保全上の観点から、周縁地下水や水処理後の放流水につ いては定期的な測定義務を課しているが、保有水水質や埋立廃棄物の状態に関して は調査を義務付けていない。さらに、廃止基準適否を判断するための調査は高額な 費用が必要となるため、埋め立てが終了してから数十年間経過した後に開始するの が一般的である。そのため、埋立途中や埋立終了直後での層内の状態調査や、保有 水水質検査は必要なく、運転管理上の目的でデータ収集されるケースは稀である。

以上から、処分場埋立地における廃棄物安定化プロセスの研究手法としては、複 数の埋立地の調査結果を用いる方法が現実的である。しかし、全国各地の最終処分 場は立地条件、構造、気候、受け入れている廃棄物種類等の条件がそれぞれ異なり、

これらは調査データに影響する。したがって、埋立時期以外の条件が類似している 埋立区画を複数有する処分場が研究対象に適している。本研究では、そのような最 適条件を有する処分場を研究サイトとして選択している。

2.2 埋立地の構造と埋立方法

本研究の対象サイトは、福井県北部に位置する管理型最終処分場である。通常、

陸上埋立では谷地や土砂採取跡などの地形を利用して最終処分場を造成する場合が 多い。しかし、当該処分場は異なり、平地を掘削して遮水シートを敷設した掘り込 み式の埋立地である。2016年4月現在での埋立区画は全6区画あり、それぞれは完 全に独立し、埋立廃棄物が接触することはない。面積、容量および深さを表 2-1 に 示した。研究対象処分場の埋立層厚は、第1区画のみが3.5 m、第2~6区画が6 m である。

全ての埋立区画の底部には集水管が敷設され、そこを通じて浸出水が集水枡に溜 まる構造となっている。集水枡には水中ポンプが設置されており、水位センサーと タイマーによる制御で浸出水を水処理施設に導水している。浸出水は水処理施設で 凝集沈殿処理した後、下水道へ排水している。集水枡から水処理施設までの導水管 はそれぞれ個別であることから、水処理施設に入る手前で各埋立区画別の浸出水を 容易に採取できる。しかし、導水管には水量計が設置されていないため、埋立地か ら排除された浸出水水量の実測データはない。

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ここでは一般的な内陸の処分場と異なる埋立方法を採用している。あらかじめ雨 水を埋立区画内に GL-2 m 程度の水位で貯留し、そこに埋立廃棄物を片押し工法 1) で直接投入している。これは、埋立地周縁の地下水位が高いため、地下水による外 部からの水圧で遮水シートが破損することを予防するための運用である。そのため、

当日覆土も中間覆土も施工していない。地表部を覆うための最終覆土には埋立地掘 削造成で発生した砂質土を使用している。また、埋立終了後においても保有水水位 が高く管理され、埋立廃棄物の大部分が水中に浸漬している。このような状態は海 面埋立処分場に類似している。しかし、当該処分場で埋立開始前に貯留される水は 降水である。また、海面埋立処分場においては保有水を揚水井戸、内水ポンドもし くは管理水面に設置された水平暗渠から排除するが、対象処分場では浸出水を埋立 層底部の集水管から排水するため、保有水の移動は原則的に上部から下部に向かう 点も海面埋立処分場と異なる。

このように、本研究の対象処分場は一般的な陸上埋立処分場とも、海面埋立処分 場とも異なる特徴を有する。陸上埋立処分場では不飽和帯と飽和帯が存在し、海面 埋立処分場では浸入水(海水)に高濃度の塩分を含むため、廃棄物からの溶出塩類 の評価は複雑となる。しかし、本研究対象処分場は実在する処分場の中でも埋立廃 棄物層内の状態が比較的単純であり、含水飽和状態の埋立廃棄物からの塩類溶出特 性を評価することが可能である。

表2-1 各埋立区画の面積、容積および深さ 埋立区画 面積(m2) 容積(m3) 深さ(m) 第1区画 3,750 9,730 3.5 第2区画 3,750 13,275 6.0 第3区画 7,800 31,950 6.0 第4区画 7,800 31,950 6.0 第5区画 11,790 52,650 6.0 第6区画 11,790 52,650 6.0

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第二章

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20 2.3 埋立時期と埋立廃棄物の種類

研究対象処分場は1982年に操業を開始し、2016年4月現在も操業を継続してい る。操業開始当初は第 1 区画のみであったが、既存の区画の埋め立てが終了する前 に、隣接地に新たな埋立区画を整備してきた。本研究を開始した2005年には埋立途 中の第5区画を含めて全5区画であったが、第6区画を2007年に増設し、2008年 3月から使用している。各区画の埋立時期は表2-2のとおりである。処分場の航空写 真を図 2-1 に、管理型最終処分場のレイアウトを図 2-2 に示した。図 2-1 中の赤破 線で囲った部分が管理型処分場の埋立途中区画である。

各埋立区画の埋立廃棄物の種類別重量組成を図 2-3 に示した。主な廃棄物は汚泥 類と焼却灰類であり、第2~5区画ではこの2種類の廃棄物だけで9割以上を占める。

第 1 区画については、汚泥類の割合が他区画に比べて少ないが、それでも汚泥類と 焼却灰類を合わせると全体の 6 割程度となり、全区画において主な廃棄物の種類が 汚泥類と焼却灰類であることは共通している。図 1 に示した焼却灰類の大部分は、

処分場に併設する焼却炉で発生したもので、性状は黒色粒状であり、焼却炉から排 出された後は速やかに水槽中に浸漬して冷却処理している。操業開始から焼却炉の 更新は行っていないため、焼却灰の性状は第 1区画から第 6区画まで大きな相違は ない。

埋め立ては基本的に古い区画から行われ、当該区画が満杯になった後、新しい区 画への埋め立てへと移っていった。図 2-1 の航空写真でもこのことが確認できる。

表2-2 では、第5区画と第6区画の切替え時のみ、約1年間並行して埋め立てした ように表記されているが、これは埋立地のレイアウト上、第 6 区画への搬入作業道 が第5 区画上となるため、第6区画の埋立開始直後は第5区画の一部が搬入廃棄物 の仮置き場として利用され、第 5 区画の最終覆土敷設工事の完了が遅れたためであ る。図2-1の2008年の航空写真では、第6区画への作業道が整備され、第5区画の 埋め立てが終了直前であることが分かる。同じ日の搬入廃棄物は同一の区画に埋め 立てし、廃棄物の種類によって埋立区画を変更するような運用は行っていない。そ のため、埋立区画の切り替え時に、埋立廃棄物の種類や組成が大きく異なることは ない。ただし、2006年に安定型最終処分場への廃石膏ボードの埋め立てが全面的に 禁止されたことから 2)、第 5 区画と第6 区画のみ廃石膏ボードが埋め立てされてい る。

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表2-2 各区画の埋立時期

※赤破線部が管理型最終処分場の埋立途中区画 図2-1 処分場の航空写真 3)

図2-2 管理型最終処分場の配置

埋立区画 埋立開始 埋立終了 第1区画 1982年12月 1988年3月 第2区画 1988年3月 1990年9月 第3区画 1990年9月 1995年5月 第4区画 1995年6月 2000年12月 第5区画 2001年1月 2009年5月 第6区画 2008年3月 ─

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第二章

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図2-3 埋立廃棄物の種類別重量組成

2.4 まとめ

本論文の研究対象として、同じ敷地内にあり、異なる時期に埋め立てされた区画 が 6 サイト存在する処分場を選定した。それぞれの埋立区画は構造が類似し、埋立 方法や運転・維持管理状態は同様である。埋立廃棄物の種類やその組成については、

一部の搬入業者の入れ替わりや、技術革新等による微小な変化は存在するかもしれ ないが、同じ場所で同一の経営者が運営してきた処分場であることから急激な変化 はない。したがって、各区画の層内状態の相異は時間経過による影響が大きく、こ れらを比較することで処分場埋立地の安定化に伴う長期的な変化を評価できる。即 ち、安定化に関する研究対象として、特に恵まれた条件の処分場といえる。

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参考文献

1) 最終処分場技術システム研究会:廃棄物最終処分場技術システムハンドブック, 環境産業新聞社,pp547(1999).

2) 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長:廃石膏ボードから付着している紙 を除去したものの取扱いについて(通知),環廃産発第06060100号 平成18年6 月1日,(2006).

3) 国 土 交 通 省 国 土 地 理 院 : 地 図 ・ 空 中 写 真 閲 覧 サ ー ビ ス , http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1(閲覧日2016年6月21日).

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第三章

研究方法

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第三章

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26 3.1 はじめに

管理型最終処分場で処分する廃棄物には汚染物質を含むため、遮水構造に問題が あったり、水処理施設の運転が不適切であったりすると、環境汚染を引き起こす可 能性がある。そのため、基準省令では周縁地下水と放流水の定期的な水質検査を義 務付けている。これらの検査は、基準と分析方法が法律で明確に定められており、

処分場管理者はそれらに基づいて実施しなければならない。また、基準省令では廃 止基準も定めており、これらの水質検査方法は明確に定められ、埋立ガス発生状況 や層内温度状況の検査についても概略の方法が定められている。

しかし、廃止に至るまでの途中過程における保有水水質や埋立廃棄物の性状確認 の調査については基準省令には記載がなく、検査を行う必要がない。そのため、処 分場の安定化状態を調査するために法律で定めた方法はなく、一般的にオーソライ ズされた方法も存在しない。そこで、多くの研究者は独自に開発した調査方法を用 いるか、他分野で用いられている調査手法から有効と考えられるものを選択して活 用している。

本研究の主たるテーマである「塩類洗い出し」と「塩類不溶化」の研究において は、埋立廃棄物層内に存在する塩類と、そこから溶出する塩類の状態把握が重要で ある。しかし、一言で塩類といっても、処分場には様々な種類の残渣が埋め立てら れているため、それらの種類は多く、全てを分析評価することは難しい。また、埋 立区画では廃棄物残渣を直接投入しているため、層内の廃棄物には場所や深さによ って塩類含有量の差異が生じると予想される。このような不均質性を広域的に調査 する手法としては電気探査や電磁探査などの各種物理探査法があり、埋立層内部の 電気的・物理的性質を知る上で有効である。しかし、これらの手法のみでは含有物 質量や透水性などの詳細な情報を得ることが難しく、詳細な物性や化学的な情報を 用いる処分場研究には他の手法を活用する必要がある。

そこで、本研究ではボーリング掘削したコアサンプルの性状分析、観測井内保有 水の水位・水質調査および集排水設備の浸出水水質調査から埋立層の内部状態の把 握と、塩類溶出メカニズムと影響因子の解明を行った。ボーリング掘削や観測井で 得られる調査結果は平面的にみれば埋立地全体の一点の情報にすぎないが、埋立層 深層部の状態を直接的に観察・測定できる利点がある。一方、浸出水水質は埋立層 から溶脱する物質の状態を全体的に反映しており、複数回の調査を行うことでより 平均化される。

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3.2 ボーリングコアサンプルを用いた調査方法 3.2.1 ボーリング掘削方法

ボーリング掘削調査は第1区画から第5区画において、2009年11月に実施した。

掘削地点を図3-1に示す。掘削位置は集排水管の埋設部を避けた。なお、当時の第6 区画は埋め立てを開始したばかりであり、整地されたエリアが無かったため、調査 対象としていない。

掘削径は116 mmとし、掘削深度は第1区画のみ3 m、第2~5区画は5 mとし た。埋立廃棄物層は自然地層に比べて強度的に軟弱であるため、コアサンプルを乱 さずに採取する工夫が必要である。そのため、二重管のサンプラーを用いた無水オ ールコア方式を採用した。また、廃棄物埋立層から採取したコアサンプルは、大気 に曝されることで急激に性状が変化することが懸念される。そのため、ポリカーボ ネート製の内管に採取したコアサンプルは、採取後速やかに管の開口部をビニルシ ートで密閉し、できるだけ大気との接触を避けるように保管した。

図3-1 掘削地点平面図

3.2.2 コアの状態観察と分析用試料の調製

掘削から30時間以内に、コアサンプルを深度0.25 m毎に切断して湿潤密度を測 定後、内管を縦方向に割断して静かに開き(図 3-2)、写真撮影とコアスケッチを行 った。その後、コアサンプルを長さ0.25 m単位で、できるだけ全ての深度が同量と なるように樹脂製のトレイに分取し、ステンレス製の平ヘラを用いて手動で混合均 一化した。これらのサンプルをアルミ製のチャック付き袋に入れて試験室に持ち帰 り、分析用試料とした。ただし、一部の深度のコアサンプルは全量を透水試験に供 したため、分析用試料の調製はしていない。

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第三章

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図3-2 内管の縦割りの概要図

3.2.3 湿潤密度試験と透水試験方法

コアサンプルの湿潤密度を以下の方法で測定した。最初に内管とビニルシートで 密封された0.25 m単位のコアサンプルの重量を秤量し、次に内管とビニルシートの 重量を秤量して差し引き、コアサンプルの湿潤重量を得た。また、内管の長さと内 径からコアサンプルの容積を求めた。最後に、湿潤重量と容積から湿潤密度を算出 した。

透水試験は「土の土質試験法(日本工業規格 JIS A 1218)」に準拠して実施した。

最初は変水位法で測定し、1.00×10-3 cm s-1よりも透水係数が高く、変水位法が不適 と判断されたサンプルについては定水位法で再測定した値を採用した。試験対象試 料は、第1区画では0.25-0.50 m、1.25-1.50 mおよび2.25-2.50 mとし、第2区画 では0.25-0.50 m、1.50-1.75 m、2.25-2.50 m、3.25-3.50 mおよび4.25-4.50 mと した。第3~5区画では0.25-0.50 m、1.25-1.50 m、2.25-2.50 m、3.25-3.50 mおよ び4.25-4.50 mとした。第2区画の1.25-1.50 mの試料には最終覆土と廃棄物層の 境界が確認されたため、試験対象としなかった。

3.2.4 固形分・水分と強熱残留物試験方法

固形分・水分の測定を下水試験方法の「一般汚泥試験 蒸発残留物及び含水率1)」 に準拠して実施した。乾燥温度と時間は105℃で2時間以上とした。

固形分・水分試験に併せて、強熱残留物を下水試験方法の「一般汚泥試験 強熱 残留物1)」に準拠して実施した。加熱温度と時間は600℃で2時間以上とした。

3.2.5 溶出試験用検液調製方法

溶出試験用の検液調製は、以下の2通りの方法で行った。

(a) 振とう操作による検液調製方法

3.2.2で調製した湿潤状態の分析用試料40 gを容量500 mLの樹脂製容器に移し

入 れ 、 超 純 水 400 mL を 加 え た 後 、 振 と う 機 ( ㈱ ス ギ ヤ マ ゲ ン VERTICAL

SHAKER)を用いて、300回 min-1で5分間上下振とうさせた。その後、遠心分離

参照

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分別 保管 収集 運搬 再生 処分 排出事業者

処理対象水に海水由来の塩分が含まれており,腐食