思春期をイメージした抽象表現
教科・領域教育専攻 芸術系嘆術)コース 釜 床 愛 子
1.はじめに
筆者が、教師と喝して関わってきた思着湖の子 どもたちは、混沌としており、まだまだ狭い世 界の中であがき苦しみ、家庭、進学、恋愛、友 達関係など、多くの悩みを抱え自分の栴生の小 ささを感じていた。それと同時に、そうした悩 みや苦しみを克服していくことで大きく成長し ていける無限の可能性を秘めている。そうした 悩みを抱える生徒の姿や、成長をしていく姿を 捉え、造形表現として顕在化させたいと思った のが本研究のきっかけで、ある。
2.材挙
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乙ついて筆者が木の魅力について考えるようになった のは、 2年前から始めた自宅の建築に関わるよ
うになったことがきっかけで、あるO
建築にあたっては、まず山から木を切り出す ところから始まった。実際、山を歩いてみると 地面の様子や太陽の当たり具合など端から見る とわからないような些細な条件で、木の生育状 態が変わっており、自然の大きさと鱗固さを肌 で感じる体験で、あっ
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また、法隆寺の修復に関わった宮大工の方の お話に、千年たった柱は屋根の重みにゆがみ表 面も黒ずんでよごれてしまっているが、瓦をお ろすと、徐々にゆがみがもどり、まっすぐな柱 になり、表面にカンナをかけるとまた木の香り が漂い再生をはたすというものがあった。こう
指 導 教 員 野 崎 窮
した木の持つ温かさ、柔軟さ、切り倒されても 形を変え再U漢しい形をもつことができる再生 力は子どもを表現するのに最適であると考えた。
3.着色について
量感・重量感を出すため、白木のままではな く着色を行ったが、木目の美しさを生かし、自 然の素材だからこそ、できるだけ自然素材によ る着色を行し、たいと考え、古くから日本で家具 などに使われてきた柿渋を使い、それに墨を混 ぜることにした。これは、表現しているものが 子どもであり、個々に持っている様々な感情、
可能性などを内包している様子を表現するため に適している色と考えたためである。結果とし て、着色により宿生感が増し、見るものを引き つける効果が出たと考えている。
また、この技法上の留意点としては次のこと があげられる。墨が手に入りにくい場合は、墨 汁などを代用することもできるが、最近の墨汁 は出産ですぐ落とせるように化学薬品を混入し であるものもあり、柿渋を変質させてしまうこ ともあるので注意が必要ということである。
4.修了作品以前の作品について
作品「種子IIJは、植物の種子をイメージし たフオルムで、種子=子どものもつ生命力と可 能性を表している。全体にひねりをくわえてい るのは、成長へのもがきを表現したかったから
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である。 内側のへこみは、自分の内面への探求 であり、自己否定しがちな子どもの心の動きを フオノレムとしてあらわしている。その表面は撃 跡をより細かくして、外側表面と内側表面の差 をつけないことと、へこみの高低さをつけるこ とで、子どもの内包する感情が内から外へと向 かう部分を表現した。
種子II 2仰 年 制 作 素 材 : 杉 高さ 18X幅38X斯子24 cm
5.修了作品について
伶品「よりそうモノJでは、思靖明の子ども の中にあるさまざまな感情や願いが少しずつ折 り合いをつけ、居場所を見つけていく様子を表 現した作品である。 2種類の質感の違う素材で 正負の感情や自分の希望と現実のギャップなど を表した。
よりそうモノ 2010年制作 素材:杉・檎 縦53X横40X厚み12 cm
また、この作品から彫刻の壁面展示を行うこ とにした。これは、安田侃氏の「天遊」という 作品を鑑賞した際、巨大な彫刻が壁面に設置さ れている意外性そ噌面に設置したのでは得られ
ない視点から作品を鑑賞できるおもしろさを感 じたからである。
作品「せめぎあうモノ」は、思清朝における ささいなことでも悩み傷つく嬢小な子ども自身 と無限の可能性のある子ども自身のせめぎあう 姿を半立体で表現している。片方はこれから羽 を広げようとするような形態を用い、もう片方 は内面から外への感情の流出を緩やかな曲線で 表現している。片方が上から覆うかのようにな っているが、これはこれからどう変化していく かはわからないせめぎあいの様子である。
せめぎあうそノ 2010年 制 作 素 材 : 櫓 縦70X横63X厚み17 cm
6.おわりに
本研究をLていく中で、思岩淵のとらえ方が 人によって大きく違い、筆者自身はこれまでの 生徒とのかかわりの経験からややマイナスイメ ージの部分が多くあることに気付かされた。し かし、修了作品で未来への展望が表現の中にで てきたことは、筆者にとっても新たな発見で、あ った。修了後は、学校現場において、木彫をは じめ、自然素材を使った耕槻発を進めるとと もに、彫刻刀などの道具の研ぎキ脅確などを生 徒自身に体験させ、制作するだけでなくものを 大切にするこころを育てるような指導をしてい きたい。
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