熱可塑性樹指のレーザ溶着における残留応力の応力解析
山川昌文へ深田浩臣村
S t r e s s A n a l y s i s o f R e s i d u a l S t r e s s i n L a s e r Welding o f T h e r m o p l a s t i c R e s i n P l a t e s
Masafumi YAMAKAWA
へ
HiroomiFUKATA**In laser welding of thermoplastic resin plates, the periphery of the welded portion is deformed after cooling. This deformation makes the surface undulate, thus creating residual stress, as shown in Fig.3. Furthermore, because strain is generated due to thermal contraction when laser welding, this stress, to a greater or lesser extent, inevitable remains. This residual stress has an inf1uence on welding joint strength; therefore the degree of strain becomes a welding joint quality issue in laser welding.
In this paper, as shown in Fig.3, strain is studied using the finite element method analysis software, ANSYS ED 9.0. Model behavior of joint strain is analyzed by applying normal load in place of thermal contract1on.
Keywords: Laser welding, Residual stress, Thermal contraction, Finite element method, Normalload
1.はじめに
レーザ溶着(1)は,透明と不透明の熱可塑性樹脂を重ね合わ せ,透明樹脂側からレーザ光を照射することで両樹脂の接着 面において加熱溶融現象を起こして接合する技術である.近 年,サンドブラスト等で接触面を凹凸処理し,その面での光 吸収効率を促進させることで透明樹脂同士のレーザ溶着が可 能になった.
レーザ溶着の利点は,溶着は内部で起きるため表面には傷 が付かずノくリが出ない上に溶着面の外観が良好である, レー ザ光照射部周辺のみを局所的に急速加熱するので溶着精度が 高くてひずみが小さくレーザ光を走査することにより三次元 形状物の溶着や大型物の溶着が可能である,超小型から大型 部品に至るまで適応サイズの自由度が大きい,さらに,振動 溶着法の場合は振動によって電子回路などに損傷を与える可 能性があるが,レーザ溶着では他部品への影響がほとんどな い,作業環境も良好で騒音や粉塵などは発生せず, 自動化が 容易で,工程の省力化,省エネルギー化を図ることができる などである. したがって,軽量化や環境問題,エネルギー消 費の観点からレーザ溶着技術の導入はますます進んできた.
*近畿大学工業高等専門学校
総合システム工学科 電気電子コース
**近畿大学工業高等専門学校
専 攻 科 生 産 シ ス テ ム 工 学 専 攻 機 械 系
Optical fib er
Workpí~零
。
pticalglasspl事te
Fig.l Laser welding apparatus
Welded portlOn
Fig.2 Workpiece
円 ー
の ノ
U
レーザ溶着では,部材を加圧した状態で溶着部を局所的に 加熱して溶融させるため,溶着部およびその周辺は複雑な応 そのことが溶着強度や部品として品質に影響 力状態にあり,
これ そこで著者らは残留応力に着目し,
すると考えられる.
まで光弾性解析によって溶着強度への影響を調べてきた.し かしながら,溶着部やその周辺の応力状態について溶着強度 の特性を調べることで少しずつは解ってきた(2),(3)ものの,残 留応力が溶着強度を強める方向に作用しているのかなど残留 応力が樹脂同士の接合に及ぼす影響について十分には解って
20mm いない.
Fig.3 Roughness meter readings レーザ溶着した樹脂の溶着部およびその周辺
本研究では,
に残留する応力が溶着強度を強める方向に作用するのかを明 これまで溶着部およびその周 らかにすることを目的として,
PLANE182 ( 2 dimensional Model type
structure solid) Model size 20mm(H)x25mm(W) Poisson's ratio 0.35
Young's modulus 3.0 [GPa]
Stress
[恥1P
a] 71万
Stress‑Strain diagram
. .
0.024 .... S仕am Cons仕aint The middle of welded portion: Fix
condition The base ofmodel: Fix Node count 680
Element count 579
Analysis option Static analysis
Table 1 PMMA properties and analytical conditions 辺のひずみを表面粗さ計で計測して残留応力が引張か圧縮か
表面粗さ計で調べた結果を有限要 素法で数値解析し,検証した結果について報告する.
ここでは,
を調べてきた.
2.レーザ溶着
レーザ溶着装置をFig.1に示す.レーザのスポット径を5mm, 強度を5Wとし,大きさが50mmx50mmで厚さが3mmの黒色 アクリル板(PMMA)に大きさが 20mmx25mmで厚さが 3mm の透明アクリル板(PMMA)を重ね合わせて透明アクリル側か ら走査速度1m1sで10秒間溶着した.溶着したサンプルをFig.2 に示す.Fig.3には,表面粗さ計(東京精密社製Surfcom570A) を用いて Fig.2に示された溶着済みアクリル板の表面のうね
りを白ライン(図中中央溶着部を縦に横切る線)に沿って測定 した結果を示した.
3.解析条件および方法(4)
Fig.3に示されたように溶着部の上方表面のうねりを数値 解析によって検証するため,表 1に示す条件で有限要素法に よる数値解析をおこなった.有限要素法解析ソフトのANSYS ED 9.0を用いてモデ、ルを作成し,計算条件をすべて設定して
A Constraint
.
....、.,‑¥ー吊,...~.,込区. . ι .>・ぜ
議録;日記三
._.:~でな ι ‘ペ. ,'1‑. :‑. .~
モ デ ル は ア ク リ ル 樹 脂 板 サ イ ズ で あ る 20mmx25mmの長方形状をふたつ重ねた構造で,要素は2次 計 算 を 行 っ た.
元構造ソリッド4節点要素(PLANE182)を用いた.拘束条件 と境界条件をFig.4に図示する.溶着部を想定した位置と重ね
Fig.4 Boundary and cons甘aintconditions た長方形状ソリッドの下側底辺を固定し,溶着部に生じる熱
︒ ︒
ワ 臼
収縮を見立てた垂直荷重を,溶着部を想定した位置に作用さ せモデ、ルの変形状態を調べる.
4.解析結果と考察
ANSYSで応力解析した結果について,変形状態が分かるよ うにコンター図でFig.5に示す.この図から荷重が作用しない 初期の状態(Fig.4)からの変形状態が分かる.Fig.4の境界条件 として熱収縮を想定した荷重500Nを作用させると,上側長 方形状ソリッドが反って Fig.3のような表面のうねりが確認 できた.これは単純支持梁で梁の中央付近に垂直荷重が作用 しているイメージであり,上側長方形状ソリッドに生じてい る応力は曲げ応力であると考えられる.
また,溶着済みのアクリル板の間に隙聞ができていること を Fig.6に示した.これは数値解析で検証できたように上板 が反っていることを示しており,その隙間は 10"'20μm程度 であった.
5.まとめ
レーザ溶着で生じた表面のうねり状態(Fig.3)を有限要素法 解析ソフトのANSYSED 9.0で検証した.結果,溶着部での 熱収縮現象を荷重で与えると,表面のうねり状態が数値解析 で確認できた.
今後, うねりの高さや溶着部周辺での変位と荷重との関係 を調べ,残留応力の大きさを予測していきたい.
参考文献
(1)山)11,他, ~透明熱可塑性樹脂のレーザ溶着法の研究~,
日本機械学会論文集, C編, 74, 744(2008), pp. 2079‑2083. (2)山川,他, ~熱可塑性樹脂のレーザ溶着における残留応 力と溶着強度の関係~ ,日本機械学会論文集 C編 74, 748(2008), pp. 3036‑3041.
(3)山川,他,
w
熱可塑性樹脂のレーザ溶着における温度と 光弾性縞の同時観察~ ,日本機械学会論文集, C編 75, 750(2009), pp. 491‑495.(4) CAD/CAE研究会, WA1活YS工学解析入門』第 2版, pp. 89・112,213 ‑221,理工学社.
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Fig.5 Stress contour map
Less than lO~un feelergauge
lOJllll
Less位協n10Jun teeler gUllge
Fig.6 Measurement using feeler gauge