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Kinetic Analysis and Simulation of Reduction

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Academic year: 2021

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博士(工学)ヴァノヽダティ・カキ・ジャリル/

学位論文題名

Kinetic Analysis and Simulation of Reduction

Retardation Phenomenaln Self‑fluxed Pellets

(自溶性ペレットにおける還元停滞現象の速度論的解析とシミュレーション)

学位論文内容の要旨

  高炉をは じめとする 製鉄プ口セ スにおいて、鉄鉱石類の還元反応速度はプ ロセスの 効率や操作 性を左右す るため極めて重要である。とくに近年、実際 に用いら れる鉱石が 天然の鉄鉱 石ではなく、焼結鉱やペレットと呼ぱれる人 工の塊成 鉱に代わっ てからは、 高炉ごとにことなる操業特性にあわせて鉱石 の還元性 状を設計す るようにな り、還元反応の研究は一層の深化がもとめら れている 。すなわち 、一っは、 現在においてもプラックボックス中にある塊 成鉱の高 炉内還元挙 動を明らか にし、それらに影響を与えるプ口セス工学的 因子との 関係を解明 する研究で ある。もうーっは塊成鉱の成分、組織、力学 的強度な ど固有の特 性に基づい て還元速度を記述するため、還元機構を解明 し、数学 的モデルを 開発しよう とする研究である。  しかしながら、これま での研究 の多くが比 較的低温の 領域(1000℃ 以下)を対 象としており、高炉 操業上最 も重要と考 えられる高 炉融着帯より下部に拡がる高温領域について は、ほと んど研究さ れていない 。これらの主な理由として、実験技術上、高 温実験が 困難である だけではな く、気ー固一液三相が共存しつつ反応する現 象の複雑 さが挙げら れる。本研 究では、実用塊成鉱とレて多用されている自 溶性ペレ ットについ て、高炉を 模擬した昇温下で荷重還元実験を行い、1050

℃以上の 高温域にお ける反応挙 動を明らかにし、その際生ずる還元停滞現象 を金属工 学的、反応 速度論的に 解析したも のである。

  本論文は 、全八章か ら構成され ている。

  第一章は 、結論であ り、塊成鉱 の還元反応に関する従来の研究を概説する とともに 、本研究の 背景と目的 について述 べた。

  第二章は 、自溶性ペ レッ卜の還 元過程をガス分析法によって追跡し、その

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際 観 測 さ れ る 高 温 還 元 挙 動 を 特 定 分 類 し た も の で あ る 。   ペレットの高温還元に特徴的な現象は、1)還元停滞、2)溶融還元、3)滲炭 溶け 落ち、の三 つである。  これら三領域は、還元速度(RDR)、ガス化速度 (RCS)、ペレット 層の収縮速 度、反応ガ ス流通時の圧力損失変化、ペレット 粒子 のX線透 視像など各 種デ一夕に 相互関連し てあらわれ、境界温度(開始 温度 )をそれら の総合として正確に決定した。還元停滞(後述)にっづく溶 融還 元は、ペレ ット内部にFe0スラグ 融液が生成し、これが粒子外に流出し て生 ずる。さら に高温になれば、還元鉄は周囲の炭素を吸収して溶融し、ス ラグ とメタルに 分離して溶け落ちる。このように、還元停滞に始まる高温現 象はぺレットに含まれる不純物脈石(スラグ成分)とFe0と亅の反応に起因し ていることが明らかとなった。

  第三章1ま、第二章でのぺたペレットの高温特性と、ペレット焼成温度と気 孔 率、ペ レット中脈 石成分の量 と塩基度(CaO/Sioz)など との関係に ついて 調査した結果を述べたものである。

  ペレッ トの気孔率は焼成温度に強く影響される因子であり、また、焼成温 度は 脈石塩基度 を無視して独立に変化させ得ない。還元条件が一定であれぱ 高温 性状はこれ らペレット側の性質によって決定される。例えぱ、溶融還元 開始 温度(SSR)は 、それより も低温域に おけるペレットの到達還元率ととも に高 くなり、ま た、SSRが 高いほど溶 融還元量は減少する。ペレットの被還 元性 は、脈石量 が少ないほど、気孔率が高いほど増加するので、これらは到 達 還元率 を介してSSRを決定す る重要因子 となる。本 研究では、 気孔率5、 焼結 温度Ts、脈石量GAなどぺレッ トの常温特 性とSSRの関係が次の相関式で 整理できることを示した。

    SSR:−131くGA)−0.362くTs)十287く5)十1700

上式 は自溶性ペ レットのSSRを常温特 性から推定可能にしたもので、実用上 の価値は大きい。

  第四章 では、本論文の中心課題である還元停滞現象の物理的、化学的成因 について述ぺたものである。

  まず、 還元停滞期の目的温度から窒素急冷してぺレット内部の組織変化を 観察 し、還元速 度を遅らせる要因について調べた。還元の進行とともにペレ ット 表面に緻密 な金属鉄シェルが形成していることから、還元停滞は、金属 鉄シ ェルのガス 拡散阻害効果を第一原因として引き起こされるものと推定さ れた。還元停滞開始温度における金属鉄シェルの厚さ1ま、すべての実験にお いて0.5〜O.6mmであった。三界面未反応核モデルによる計算では、このとき 金属 鉄シェル内 のガス拡散 抵抗は全抵 抗の1/2に達し、上記推測を裏付けて いる 。さらに昇 温すると、ペレット内部にスラグ融液が生成レ、これが酸化

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鉄 の 気 孔 を 閉 塞 し 、 内 部 へ の 還 元 ガ ス の 浸 透 を 阻 害 す る 。   これらのプ口セスは、ペレットの収縮現象にも反映され、収縮速度の変化 として現れる。収縮速度の解析にJohnson−Nlehlの式を適用した。その結果、

上記二つの還元停滞機構に対応して反応次数に明確な差が認められた。融液 生 成期 の収縮 は、 次数 が1の化学反応律速であり、活性化エネルギーが約25 kcal/molであることから、マグネタイトからウスタイトヘの還元反応が律速 反応であるものと推定された。なお、この領域において、還元ガスを断って 還元を停止した場合、ペレットの収縮もまた停止することから、上記メカニ ズムの妥当性が明らかになった。

  第五章は、還元停滞域で、ペレット内部の気孔構造およびその分布がどの よ う に 変 化 す る か 調 査 し た 結 果 に つ い て 述 べ た も の で あ る 。   還元停滞領域の開始点や終了点から急冷した試料について、水銀圧入法に よ って 細孔径 分布 をも とめ 、ついで、SEMや光学顕微鏡を用いて組織観察を 行った。さらに、還元モデルを併用して気孔構造の重要なパラメ一夕である Labyrinth Factor(ぎ)をもとめ、還元停滞期における金属鉄シェルの気孔構 造変化を明らかにした。金属鉄シェルのぎは、logぎニニa+b‑Tの関係で整理で き 、各 ペレッ トに 対し て係 数a、bがも とめ られた 。ぎ はいずれのペレット に対しても温度上昇とともに小さくなり、気孔構造が複雑になることを示し て い る 。 こ れ ら は こ 急 冷 試 料 の 組 織 観 察 結 果 とも よ く 一 致 し て い る 。   第六章では、還元停滞領域の還元速度を定量的に表すため、三界面未反応 核 モ デ ル を べ ー ス と し て モ デ ル 化 を 行 っ た 結 果 に つ い て 述 べ た 。   還元停滞領域におけるペレットの収縮、金属鉄の焼結、融液生成などを考 慮してガス拡散のための開気孔の減少と気孔構造の変化を取り入れ、有効拡 散 係数D・tf=£. ぎ.D(D:分子拡散係数)の推定式を構築し、反応モデル を改良した。計算値は還元停滞域における実測値をよく表すことができた。

  第7章で は、 貫入試 験法 を用いてスラグ融液の生成過程を追跡し、還元停 滞 お よ び 溶 融 還 元 開 始 温 度 を 相 平 衡 の 観 点 か ら解 明 し た も の で あ る 。   円柱状のウスタイト上に多成分系スラグの円錐状貫入子を接触させ融液生 成の開始温度と速度を測定した。スラグ融液の生成温度は1180℃で、ペレッ 卜還元時の融液生成温度1178℃と一致し、スラグとウスタイトの接触部から 融液が生成することが示された。さらに、  2CaO‑Alz03 ‑Sioz−CaO‑SiozーFe0系 状態図上で還元過程の各温度における融液生成量を計算によりもとめた。そ の結果、ペレットの溶融還元開始温度と同じ1290℃でスラグ成分の全量が溶 融することが判明レた。これは融液量がぺレッ卜中気孔体積の約1.5倍に達 す る と ぺ レ ッ 卜 外 に 流 出 し て 溶 融 還 元 に 至 る こ と を 意 味 し て い る 。   第八章は、総括で、本研究の成果について要約した。

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   学 位論 文 審査 の 要旨 主 査    教 授    石 井 邦宜 副 査    教 授    千 葉 忠俊 副査   教授   高橋平七郎 副 査    講 師    柏 谷 悦章

学 位 論 文 名

Kinetic Analysis and Simulation of Reduction Retardation PhenomenalnSelf―fluXedPe11et8

(自溶性へ゜レ7トにおける還元停滞現象の速度論的解析とシミュレーション)

  高炉 製 鉄 プ口 セ スに お いて 、 鉄鉱石類 の還元反応 速度はプ口 セスの効率 や 操 作 性を 左 右す る ため 極 め て重 要で ある。とく に近年、鉱 石が焼結鉱 やペレ ッ ト と呼 ぱ れる 人 工の 塊 成 鉱に 代わ ってからは 、高炉ごと にことなる 操業特 性 に あわ せ て鉱 石 の還 元 性 状を 設計 するように なり、還元 反応の研究 は一層 の 発 展が も とめ ら れる よ う にな った 。しかしな がら、これ までの研究 が比較 的 低 温の 領 域(1000℃ 以下 ) を対 象として おり、高炉 操業上最も 重要と考え ら れ る高 炉 融着 帯 より 下 部 に拡 がる 高温領域に ついては、 ほとんど研 究され て い ない 。 本研 究 では 、 実 用塊 成鉱 として多用 されている 自溶性ペレ ットに つ い て、 高 炉を 模 擬し た 昇 温下 で荷 重還元実験 を行い、1050℃以 上の高温域 に お け る 還 元 停 l滞 現 象 を 金 属 工 学 的 、 反 応 速 度 諭 的 に 解 析 し た 。   第一 章 は 、緒 諭 であ り 、塊 成 鉱の還元 反応に関す る従来の研 究を概説す る と ともに、本 研究の背景 と目的につ いて述べた 。

  第二 章 は 、自 溶 性ペ レ ット の 還元過程 をガス分析 法によって 追跡し、そ の 際 観測される 高温還元挙 動を特定分 類した。

  ペ レットの高 温還元に特徴的な現象は、1)還元停滞、2)溶融還元、3)滲炭 溶 け 落ち 、 の三 つ であ る と した 。  こ れら は 、還 元 速度(RDR)、ガ ス化速度

(RCS) 、ペレット 層の収縮速 度、反応ガ ス流通時の 圧力損失変 化、ペレッ ト 粒 子 のX線 透視 像 な ど各 種 デ― 夕 に相 互 関連 し てあ ら われ る 。す なわ ち、還 元 停 滞に 始 まる 高 温現 象 は ペレ ット に含まれる 不純物脈石 (スラグ成 分)と Fe0との反応 に起因して いることを 明らかにし た。

  第三 章 は 、ペ レ ット の 高温 特 性と、ペ レット焼成 温度と気孔 率、ペレッ ト 中 脈 石 成 分 の 量 と 塩 基 度 ( CaO/Si01)な ど の 関 係 に つ い て 述 べ た 。   ペレ ッ ト の気 孔 率は 焼 成温 度 に強く影 響される因 子であり、 また、焼成 温 度 は 脈石 塩 基度 に よっ て 決 定さ れる 。還元条件 が一定であ れば、高温 性状は

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これらペレット側の性質によって決定される。溶融還元開始温度(SSR)は、

それよりも低温域におけるペレットの到達還元率とともに高くなり、また、

SSRが高いほと溶融還元量は減少する。ペレットの被還元性は、脈石量が少 なく、気孔率が高いほど増加するので、これらは到達還元率を介してSSRを 決定する重要因子となる。本研究では、気孔率、焼結温度、脈石量などペレ ツ 卜 の 常 温 特 性 とSSRの 関 係 を あ ら わ す 相 関 式 を 提 出 し て い る 。   第四 章では、還元 停滞現象の物 理的、化学的 成因について述 べた。。

  まず、還元停滞期のぺレット内部の組織変化を観察し、還元速度を遅らせ る要因について調べた。還元の進行とともにペレット表面は緻密な金属鉄シ エルで覆われることから、還元停滞は、金属鉄シェルのガス拡散阻害効果を 第一原因として引き起こされるものと推定した。モデル計算では、このとき 金属鉄シェル内のガス拡散抵抗は全抵抗の1/2に達し、上記推測を裏付た。

さらに昇温すると、ペレット内部にスラグ融液が生成し、これが気孔を閉塞 し内部への還元ガスの浸透を阻害する。これらのプ口セスは、ペレッ卜の収 縮速度の変化として現れる。収縮速度の解析にJohnson―llehlの式を適用した 結果、融液生成期の収縮は、次数が1の化学反応律速であり、マグネタイト か らウ ス タイ ト ヘの 還 元反 応が 律 速反 応 であ る こと を 明ら かに し た。

  第五章は、還元停滞域で、ペレット内部の気孔構造およびその分布がどの ように変化するか調査した結果について述べた。

  水銀圧入法によって還元試料の細孔径分布をもとめた。さらに、還元モデ ルを併用して気孔構造の重要なパラメ一夕である、Labyrinth Factor(ぎ)を もとめ、還元停滞期における金属鉄シェルの気孔構造変化を明らかにした。

ぎはいずれのぺレットに対しても温度上昇とともに小さくなり、気孔構造が 複雑になることを明らかにした。

  第六章では、還元停滞領域の還元速度を定量的に表すため、三界面未反応 核 モ デ ル の 改 良 モ デ ル を 開 発 し た 結 果 に つ い て 述 ぺ た 。   還元停滞領域におけるペレットの収縮、金属鉄の焼結、融液生成などを考 慮してガス拡散のための開気孔の減少と気孔構造の変化を取り入れ、モデル を構築した。計算値は還元停滞域における実測値をよく表すことができた。

  第7章では、貫入試験法を用いてスラグ融液の生成過程を追跡し、還元停 滞 お よ び 溶 融 還 元 開 始 温 度 を 相 平 衡 の 観 点 か ら 解 明 し た 。   スラグ融液生成温度の測定値はペレット還元時の融液生成温度と一致し、

スラグとウスタイトの接触部から融液が生成することが示された。さらに、

状態図上で還元過程の各温度における融液生成量を計算によりもとめ、融液 量がペレット中気孔体積の約1.5倍に達するとペレッ卜外に流出して溶融還 元に至ることを明らかにした。

  第 八 章 は 、 総 括 で 、 本 研 究 の 成 果 に つ い て 要 約 し た 。   これを要するに、本論文は鉄鉱石ペレットの高温還元停滞現象について、

その原因と定量的推定法を明らかにしたもので、鉄鋼プロセス工学の進歩に 寄与するところ大である。よって著者は、博士(工学)の学位を授与される 資格あるものと認める。

参照

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